JP2003176182A - セラミックス複合材料とその材料製のタービン部材 - Google Patents
セラミックス複合材料とその材料製のタービン部材Info
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- JP2003176182A JP2003176182A JP2001374827A JP2001374827A JP2003176182A JP 2003176182 A JP2003176182 A JP 2003176182A JP 2001374827 A JP2001374827 A JP 2001374827A JP 2001374827 A JP2001374827 A JP 2001374827A JP 2003176182 A JP2003176182 A JP 2003176182A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】従来のセラミックス複合材料以上にクリープ性
能を高いセラミックス複合材料とその材料を使用したタ
ービン翼とブリスクを提供しようとする。 【解決手段】従来のセラミックス複合材料にかわって、
結晶性炭化ケイ素でできた強化用繊維と、前記強化用繊
維の表面を覆う結晶性窒化ホウ素でできた界面層と、セ
ラミックスでできたマトリックスと、を備え、前記強化
用繊維が結晶性炭化ケイ素でできており、前記結晶性窒
化ホウ素がへキサゴナル窒化ホウ素であるものとした。
能を高いセラミックス複合材料とその材料を使用したタ
ービン翼とブリスクを提供しようとする。 【解決手段】従来のセラミックス複合材料にかわって、
結晶性炭化ケイ素でできた強化用繊維と、前記強化用繊
維の表面を覆う結晶性窒化ホウ素でできた界面層と、セ
ラミックスでできたマトリックスと、を備え、前記強化
用繊維が結晶性炭化ケイ素でできており、前記結晶性窒
化ホウ素がへキサゴナル窒化ホウ素であるものとした。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セラミックス複合
材料とその材料製のタービン部材に係る。特にセラミッ
クス複合材料の強化繊維とその周辺の構成に特徴のある
セラミックス複合材料とその材料製のタービン部材に関
する。
材料とその材料製のタービン部材に係る。特にセラミッ
クス複合材料の強化繊維とその周辺の構成に特徴のある
セラミックス複合材料とその材料製のタービン部材に関
する。
【0002】
【従来の技術】セラミックス複合材料は、優れた耐熱性
と力学的特性を有しており、高温環境下での構造部材の
材料として研究されている。特にタービンエンジンのタ
ービン翼やディスクとタービン翼とが一体となったブリ
スクの材料として注目されている。
と力学的特性を有しており、高温環境下での構造部材の
材料として研究されている。特にタービンエンジンのタ
ービン翼やディスクとタービン翼とが一体となったブリ
スクの材料として注目されている。
【0003】ガスタービンが定常運転されている際に
は、高温雰囲気下で作動するブリスクには遠心力と回転
トルクが作用するので、ブリスクを形成するセラミック
ス複合材料は高いクリープ性能が要求される。セラミッ
クス複合材料からなるブリスクは、例えば、強化用繊維
である半径糸と円周糸と直交糸とによってできた三次元
織物にセラミックスのマトリックスが付着した構造を有
する。半径糸は、ブリスクの半径方向へ配向された強化
用繊維である。円周糸は、ブリスクの円周方向に配向さ
れた強化用繊維である。直交糸は、ブリスクの板厚方向
に配向された強化用繊維である。半径糸と円周糸と直交
糸とが三次元織物を形成する。セラミックス複合材料か
らなるブリスクの製造方法は、強化用繊維である半径糸
と円周糸と直交糸とによって三次元織物を作り、この三
次元織物に気相含浸法(CVI)又はポリマー含浸焼成
法によってマトリックス原料を含浸させてできたセラミ
ックス複合材をつくり、このセラミックス複合材に機械
加工を施して、ディスクとタービン翼の一体化したもの
を作る。
は、高温雰囲気下で作動するブリスクには遠心力と回転
トルクが作用するので、ブリスクを形成するセラミック
ス複合材料は高いクリープ性能が要求される。セラミッ
クス複合材料からなるブリスクは、例えば、強化用繊維
である半径糸と円周糸と直交糸とによってできた三次元
織物にセラミックスのマトリックスが付着した構造を有
する。半径糸は、ブリスクの半径方向へ配向された強化
用繊維である。円周糸は、ブリスクの円周方向に配向さ
れた強化用繊維である。直交糸は、ブリスクの板厚方向
に配向された強化用繊維である。半径糸と円周糸と直交
糸とが三次元織物を形成する。セラミックス複合材料か
らなるブリスクの製造方法は、強化用繊維である半径糸
と円周糸と直交糸とによって三次元織物を作り、この三
次元織物に気相含浸法(CVI)又はポリマー含浸焼成
法によってマトリックス原料を含浸させてできたセラミ
ックス複合材をつくり、このセラミックス複合材に機械
加工を施して、ディスクとタービン翼の一体化したもの
を作る。
【0004】強化用繊維は、例えば、無機長繊維や炭素
繊維等である。ブリスクでは、半径糸と円周位置と直交
糸とが夫々複数本を束とし、その束が半径方向と円周方
向と厚み方向に三次元的に編み込まれ、マトリックスが
その隙間に充満している。マトリックスは、例えば、炭
化ケイ素やその他のセラミックスである。特に炭化ケイ
素をマトリックスとして用いたセラミックス複合材料は
高い耐熱性を有する。
繊維等である。ブリスクでは、半径糸と円周位置と直交
糸とが夫々複数本を束とし、その束が半径方向と円周方
向と厚み方向に三次元的に編み込まれ、マトリックスが
その隙間に充満している。マトリックスは、例えば、炭
化ケイ素やその他のセラミックスである。特に炭化ケイ
素をマトリックスとして用いたセラミックス複合材料は
高い耐熱性を有する。
【0005】ところで、マトリックスとして用いられる
セラミックスは、圧縮に比べて引っ張りの応力に弱いと
いう特性を有する。強化用繊維の表面に直接マトリック
スを付着させたセラミック複合材料では、強化用繊維の
表面とマトリックスとが強固に付着している。このセラ
ミック複合材料でできた強度部材を高温環境下で用いる
と、強度部材に引っ張りが作用したときに、クラックが
マトリックスに生じ、さらにクラック部の強化用繊維が
たやすく破断してしまう。これは、強化用繊維とマトリ
ックスとが固着しているために、強度部材に作用した荷
重が本来強化用繊維の長い繊維全体で十分に吸収可能な
荷重であっても、その荷重が亀裂部のわずかな隙間の強
化用繊維に集中し、隙間部にある短い強化用繊維が荷重
のエネルギーを吸収しきれないためと考えられる。
セラミックスは、圧縮に比べて引っ張りの応力に弱いと
いう特性を有する。強化用繊維の表面に直接マトリック
スを付着させたセラミック複合材料では、強化用繊維の
表面とマトリックスとが強固に付着している。このセラ
ミック複合材料でできた強度部材を高温環境下で用いる
と、強度部材に引っ張りが作用したときに、クラックが
マトリックスに生じ、さらにクラック部の強化用繊維が
たやすく破断してしまう。これは、強化用繊維とマトリ
ックスとが固着しているために、強度部材に作用した荷
重が本来強化用繊維の長い繊維全体で十分に吸収可能な
荷重であっても、その荷重が亀裂部のわずかな隙間の強
化用繊維に集中し、隙間部にある短い強化用繊維が荷重
のエネルギーを吸収しきれないためと考えられる。
【0006】この現象に対処するために、例えば、特開
平10−101446号では、「セラミックスのマトリ
ックスと、このマトリックス中で複合化させたセラミッ
クスの繊維とで成り、この繊維とマトリックスとの間に
当該繊維の表面に予めコーティングされた界面層が存在
するセラミックス基繊維複合材料であって、上記界面層
は、上記繊維の表面を覆う窒化ホウ素層と、この窒化ホ
ウ素層を覆う炭素層と、この炭素層を覆う炭化ケイ素層
とを備えたことを特徴とするセラミックス基繊維複合材
料」を開示している。本構成により、このセラミックス
基繊維複合材料に引っ張り荷重が生じて、マトリックス
にクラックが生ずると、剪断滑りが窒化ホウ素でできた
界面層に生じて、強化用繊維の繊維長全体で荷重エネル
ギーを吸収し、強化用繊維が破断するのを防止する。と
ころで、界面層の炭素層と炭化ケイ素層は、強化用繊維
にマトリックスをコーティングする際に、溶融したマト
リックスと強化用繊維が反応して、強化用繊維が劣化す
るのを防止する旨の開示がある。上記の明細書の実施例
の記載では、室温と1300度Cとで所望の強度を持っ
ていることを示している。
平10−101446号では、「セラミックスのマトリ
ックスと、このマトリックス中で複合化させたセラミッ
クスの繊維とで成り、この繊維とマトリックスとの間に
当該繊維の表面に予めコーティングされた界面層が存在
するセラミックス基繊維複合材料であって、上記界面層
は、上記繊維の表面を覆う窒化ホウ素層と、この窒化ホ
ウ素層を覆う炭素層と、この炭素層を覆う炭化ケイ素層
とを備えたことを特徴とするセラミックス基繊維複合材
料」を開示している。本構成により、このセラミックス
基繊維複合材料に引っ張り荷重が生じて、マトリックス
にクラックが生ずると、剪断滑りが窒化ホウ素でできた
界面層に生じて、強化用繊維の繊維長全体で荷重エネル
ギーを吸収し、強化用繊維が破断するのを防止する。と
ころで、界面層の炭素層と炭化ケイ素層は、強化用繊維
にマトリックスをコーティングする際に、溶融したマト
リックスと強化用繊維が反応して、強化用繊維が劣化す
るのを防止する旨の開示がある。上記の明細書の実施例
の記載では、室温と1300度Cとで所望の強度を持っ
ていることを示している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述のセラミックス複
合材料の場合、高温環境での高いクリープ性能を要求さ
れる環境で使用すると、高温ガスがマトリックスに生じ
たクラックを伝わって強化繊維の界面層を腐食させる。
例えば、界面層の窒化ホウ素が高温ガスに酸化され、酸
化ホウ素となり蒸発する。界面層が破れると、強化用繊
維の炭化ケイ素が酸化され、酸化ケイ素が析出する。こ
の酸化ケイ素が強化用繊維とマトリックスとを付着させ
る。この状態になった時に荷重がセラミックス複合材料
に作用すると、強化繊維がマトリックスに付着している
部分での応力が過大になり、強化用繊維がクラック部の
部位で破断してしまう。従って、従来のセラミックス複
合材料では、今以上にクリープ性能が向上しないという
問題があった。
合材料の場合、高温環境での高いクリープ性能を要求さ
れる環境で使用すると、高温ガスがマトリックスに生じ
たクラックを伝わって強化繊維の界面層を腐食させる。
例えば、界面層の窒化ホウ素が高温ガスに酸化され、酸
化ホウ素となり蒸発する。界面層が破れると、強化用繊
維の炭化ケイ素が酸化され、酸化ケイ素が析出する。こ
の酸化ケイ素が強化用繊維とマトリックスとを付着させ
る。この状態になった時に荷重がセラミックス複合材料
に作用すると、強化繊維がマトリックスに付着している
部分での応力が過大になり、強化用繊維がクラック部の
部位で破断してしまう。従って、従来のセラミックス複
合材料では、今以上にクリープ性能が向上しないという
問題があった。
【0008】本発明は以上に述べた問題点に鑑み案出さ
れたもので、従来のセラミックス複合材料にかわって、
今以上にクリープ性能を高いセラミックス複合材料とそ
の材料を使用したタービン部材を提供しようとする。
れたもので、従来のセラミックス複合材料にかわって、
今以上にクリープ性能を高いセラミックス複合材料とそ
の材料を使用したタービン部材を提供しようとする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係るセラミックス複合材料は、炭化ケイ素
でできた強化用繊維と、前記強化用繊維の周囲を囲う結
晶性窒化ホウ素でできた界面層と、セラミックスででき
たマトリックスと、を備えたものとした。
め、本発明に係るセラミックス複合材料は、炭化ケイ素
でできた強化用繊維と、前記強化用繊維の周囲を囲う結
晶性窒化ホウ素でできた界面層と、セラミックスででき
たマトリックスと、を備えたものとした。
【0010】上記本発明の構成により、強化用繊維が炭
化ケイ素でできており、前記強化用繊維の周囲を囲う界
面層が高温安定性の高い結晶性窒化ホウ素ででき、マト
リックスがセラミックスでできておりので、マトリック
スにクラックが入った際に、界面層が雰囲気ガスに侵さ
れにくく、界面層が破れないので、強化用繊維が酸化さ
れず、強化用繊維とマトリックスとの固着が起こらず、
界面層が強化用繊維の軸方向に剪断滑りを生じてすべて
の強化繊維へ均等に荷重が負荷されることにより、強化
用繊維が炭化ケイ素本来の引張クリープ強度を発揮でき
るので、クリープ性能の高いセラミックス複合材料を実
現できる。
化ケイ素でできており、前記強化用繊維の周囲を囲う界
面層が高温安定性の高い結晶性窒化ホウ素ででき、マト
リックスがセラミックスでできておりので、マトリック
スにクラックが入った際に、界面層が雰囲気ガスに侵さ
れにくく、界面層が破れないので、強化用繊維が酸化さ
れず、強化用繊維とマトリックスとの固着が起こらず、
界面層が強化用繊維の軸方向に剪断滑りを生じてすべて
の強化繊維へ均等に荷重が負荷されることにより、強化
用繊維が炭化ケイ素本来の引張クリープ強度を発揮でき
るので、クリープ性能の高いセラミックス複合材料を実
現できる。
【0011】さらに、本発明に係るセラミックス複合材
料は、前記強化用繊維が結晶性炭化ケイ素でできている
ものとした上記本発明の構成により、強化用繊維が高温
安定性の高い結晶性炭化ケイ素でできているので、マト
リックスにクラックが入った際に、界面層が雰囲気ガス
に侵されにくく、さらに結晶性炭化ケイ素でできた強化
用繊維が雰囲気ガスに侵されにくく、強化用繊維とマト
リックスとの固着が起こらず、界面層が強化用繊維の軸
方向に剪断滑りを生じて、すべての強化繊維へ均等に荷
重が負荷されることにより、結晶性炭化ケイ素本来の引
張クリープ強度を発揮できるので、クリープ性能の高い
セラミックス複合材料を実現できる。
料は、前記強化用繊維が結晶性炭化ケイ素でできている
ものとした上記本発明の構成により、強化用繊維が高温
安定性の高い結晶性炭化ケイ素でできているので、マト
リックスにクラックが入った際に、界面層が雰囲気ガス
に侵されにくく、さらに結晶性炭化ケイ素でできた強化
用繊維が雰囲気ガスに侵されにくく、強化用繊維とマト
リックスとの固着が起こらず、界面層が強化用繊維の軸
方向に剪断滑りを生じて、すべての強化繊維へ均等に荷
重が負荷されることにより、結晶性炭化ケイ素本来の引
張クリープ強度を発揮できるので、クリープ性能の高い
セラミックス複合材料を実現できる。
【0012】さらに、本発明に係るセラミックス複合材
料は、前記結晶性窒化ホウ素がへキサゴナル窒化ホウ素
であるものとした。上記本発明の構成により、界面層を
生成する結晶性窒化ホウ素が結晶界面の存在するへキサ
ゴナル窒化ホウ素であるので、界面層が強化用繊維の軸
方向の結晶界面に沿ってなめらかに剪断滑りを生じて、
全ての強化繊維へ均等に荷重が負荷されることにより、
結晶性炭化ケイ素系繊維本来の引張クリープ強度を発揮
できるので、よりクリープ性能の高いセラミックス複合
材料を実現できる。
料は、前記結晶性窒化ホウ素がへキサゴナル窒化ホウ素
であるものとした。上記本発明の構成により、界面層を
生成する結晶性窒化ホウ素が結晶界面の存在するへキサ
ゴナル窒化ホウ素であるので、界面層が強化用繊維の軸
方向の結晶界面に沿ってなめらかに剪断滑りを生じて、
全ての強化繊維へ均等に荷重が負荷されることにより、
結晶性炭化ケイ素系繊維本来の引張クリープ強度を発揮
できるので、よりクリープ性能の高いセラミックス複合
材料を実現できる。
【0013】また、本発明に係るセラミックス複合材料
は、前記結晶性窒化ホウ素が1000度Cを越える温度
で焼結されたものであるものとした。上記本発明の構成
により、界面層を生成する結晶性窒化ホウ素が1000
度Cを越える温度で焼結されたものであるので、より高
温安定性が高く、高温の雰囲気ガスに曝されても、界面
層が雰囲気ガスに侵されにくく、強化用繊維とマトリッ
クスとの固着が起こらず、界面層が強化用繊維の軸方向
に剪断滑りを生じて、、すべての強化繊維へ均等に荷重
が負荷されることにより、結晶性炭化ケイ素系繊維本来
の引張クリープ強度を発揮できるので、より高温雰囲気
でのクリープ性能の高いセラミックス複合材料を実現で
きる。
は、前記結晶性窒化ホウ素が1000度Cを越える温度
で焼結されたものであるものとした。上記本発明の構成
により、界面層を生成する結晶性窒化ホウ素が1000
度Cを越える温度で焼結されたものであるので、より高
温安定性が高く、高温の雰囲気ガスに曝されても、界面
層が雰囲気ガスに侵されにくく、強化用繊維とマトリッ
クスとの固着が起こらず、界面層が強化用繊維の軸方向
に剪断滑りを生じて、、すべての強化繊維へ均等に荷重
が負荷されることにより、結晶性炭化ケイ素系繊維本来
の引張クリープ強度を発揮できるので、より高温雰囲気
でのクリープ性能の高いセラミックス複合材料を実現で
きる。
【0014】上記目的を達成するため、本発明に係るセ
ラミックス複合材料でできたタービン部材は、セラミッ
クス複合材料が炭化ケイ素でできた強化用繊維と前記強
化用繊維の周囲を囲う結晶性窒化ホウ素でできた界面層
とセラミックスでできたマトリックスとを有するものと
した。
ラミックス複合材料でできたタービン部材は、セラミッ
クス複合材料が炭化ケイ素でできた強化用繊維と前記強
化用繊維の周囲を囲う結晶性窒化ホウ素でできた界面層
とセラミックスでできたマトリックスとを有するものと
した。
【0015】上記本発明の構成により、強化用繊維が炭
化ケイ素ででき、前記強化用繊維の周囲を囲う界面層が
高温安定性の高い結晶性窒化ホウ素ででき、マトリック
スがセラミックスでできているので、マトリックスにク
ラックが入った際に、界面層が雰囲気ガスに侵されにく
く、強化用繊維が酸化せれずに、強化用繊維とマトリッ
クスとの固着が起こらず、界面層が強化用繊維の軸方向
に剪断滑りを生じて、すべての強化繊維へ均等に荷重が
負荷されることにより、結晶性炭化ケイ素系繊維本来の
引張クリープ強度を発揮できるので、クリープ性能の高
いタービン部材を実現できる。ここで、タービン部材と
は、タービンの部材として用いられるもので、例えばタ
ービン翼やブリスクがある。
化ケイ素ででき、前記強化用繊維の周囲を囲う界面層が
高温安定性の高い結晶性窒化ホウ素ででき、マトリック
スがセラミックスでできているので、マトリックスにク
ラックが入った際に、界面層が雰囲気ガスに侵されにく
く、強化用繊維が酸化せれずに、強化用繊維とマトリッ
クスとの固着が起こらず、界面層が強化用繊維の軸方向
に剪断滑りを生じて、すべての強化繊維へ均等に荷重が
負荷されることにより、結晶性炭化ケイ素系繊維本来の
引張クリープ強度を発揮できるので、クリープ性能の高
いタービン部材を実現できる。ここで、タービン部材と
は、タービンの部材として用いられるもので、例えばタ
ービン翼やブリスクがある。
【0016】さらに、本発明に係るタービン部材は、強
化用繊維が結晶性炭化ケイ素でできているものとした。
上記本発明の構成により、強化用繊維が高温安定性の高
い結晶性炭化ケイ素でできているので、マトリックスに
クラックが入った際に、界面層が雰囲気ガスに侵されに
くく、さらに結晶性炭化ケイ素でできた強化用繊維が雰
囲気ガスに侵されにくく、強化用繊維とマトリックスと
の固着が起こらず、界面層が強化用繊維の軸方向に剪断
滑りを生じて、すべての強化繊維へ均等に荷重が負荷さ
れることにより、結晶性炭化ケイ素本来の引張クリープ
強度を発揮できるので、クリープ性能の高いタービン部
材を実現できる。
化用繊維が結晶性炭化ケイ素でできているものとした。
上記本発明の構成により、強化用繊維が高温安定性の高
い結晶性炭化ケイ素でできているので、マトリックスに
クラックが入った際に、界面層が雰囲気ガスに侵されに
くく、さらに結晶性炭化ケイ素でできた強化用繊維が雰
囲気ガスに侵されにくく、強化用繊維とマトリックスと
の固着が起こらず、界面層が強化用繊維の軸方向に剪断
滑りを生じて、すべての強化繊維へ均等に荷重が負荷さ
れることにより、結晶性炭化ケイ素本来の引張クリープ
強度を発揮できるので、クリープ性能の高いタービン部
材を実現できる。
【0017】さらに、本発明に係るタービン部材は、前
記結晶性窒化ホウ素がへキサゴナル窒化ホウ素であるも
のとした。上記本発明の構成により、界面層を生成する
結晶性窒化ホウ素が結晶界面の存在するへキサゴナル窒
化ホウ素であるので、界面層が強化用繊維の軸方向の結
晶界面に沿ってなめらかに剪断滑りを生じて、すべての
強化繊維へ均等に荷重が負荷されることにより、結晶性
炭化ケイ素系繊維本来の引張クリープ強度を発揮できる
ので、よりクリープ性能の高いタービン部材を実現でき
る。
記結晶性窒化ホウ素がへキサゴナル窒化ホウ素であるも
のとした。上記本発明の構成により、界面層を生成する
結晶性窒化ホウ素が結晶界面の存在するへキサゴナル窒
化ホウ素であるので、界面層が強化用繊維の軸方向の結
晶界面に沿ってなめらかに剪断滑りを生じて、すべての
強化繊維へ均等に荷重が負荷されることにより、結晶性
炭化ケイ素系繊維本来の引張クリープ強度を発揮できる
ので、よりクリープ性能の高いタービン部材を実現でき
る。
【0018】また、本発明に係るタービン部材は、前記
結晶性窒化ホウ素が1000度Cを越える温度で焼結さ
れたものであるものとした。上記本発明の構成により、
界面層を生成する結晶性窒化ホウ素が1000度Cを越
える温度で焼結されたものであるので、より高温安定性
が高く、高温の雰囲気ガスに曝されても、界面層が雰囲
気ガスに侵されにくく、強化用繊維とマトリックスとの
固着が起こらず、界面層が強化用繊維の軸方向に剪断滑
りを生じて、すべての強化繊維へ均等に荷重が負荷され
ることにより、結晶性炭化ケイ素系繊維本来の引張クリ
ープ強度を発揮できるので、より高温雰囲気でのクリー
プ性能の高いタービン部材を実現できる。
結晶性窒化ホウ素が1000度Cを越える温度で焼結さ
れたものであるものとした。上記本発明の構成により、
界面層を生成する結晶性窒化ホウ素が1000度Cを越
える温度で焼結されたものであるので、より高温安定性
が高く、高温の雰囲気ガスに曝されても、界面層が雰囲
気ガスに侵されにくく、強化用繊維とマトリックスとの
固着が起こらず、界面層が強化用繊維の軸方向に剪断滑
りを生じて、すべての強化繊維へ均等に荷重が負荷され
ることにより、結晶性炭化ケイ素系繊維本来の引張クリ
ープ強度を発揮できるので、より高温雰囲気でのクリー
プ性能の高いタービン部材を実現できる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施形態
を、図面を参照して説明する。なお、各図において、共
通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略
する。
を、図面を参照して説明する。なお、各図において、共
通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略
する。
【0020】本発明の実施形態に係る機械プレス装置の
構造を説明する。図1は、本発明の実施形態の概念図で
ある。
構造を説明する。図1は、本発明の実施形態の概念図で
ある。
【0021】以下に、ガスタービンエンジンの部品であ
るブリスクを例に説明する。ブリスクは、タービン翼の
ディスクが一体となったものである。ブリスクは、セラ
ミックスと強化用繊維とでできている。強化繊維は、半
径糸と円周糸と直交糸とを有する。半径糸は、ブリスク
の半径方向に配向された強化繊維である。円周糸は、ブ
リスクの円周方向に配向された強化繊維である。直交糸
は、ブリスク厚さ方向に配向された強化繊維である。ブ
リスクでは、半径糸と円周位置と直交糸とが夫々複数本
を束とし、その束が半径方向と円周方向と厚み方向とに
三次元的に編み込まれ、その隙間をマトリックスが充満
している。
るブリスクを例に説明する。ブリスクは、タービン翼の
ディスクが一体となったものである。ブリスクは、セラ
ミックスと強化用繊維とでできている。強化繊維は、半
径糸と円周糸と直交糸とを有する。半径糸は、ブリスク
の半径方向に配向された強化繊維である。円周糸は、ブ
リスクの円周方向に配向された強化繊維である。直交糸
は、ブリスク厚さ方向に配向された強化繊維である。ブ
リスクでは、半径糸と円周位置と直交糸とが夫々複数本
を束とし、その束が半径方向と円周方向と厚み方向とに
三次元的に編み込まれ、その隙間をマトリックスが充満
している。
【0022】次に、ブリスクを形成するセラミックス複
合材料を詳述する。セラミックス複合材料1は、強化用
繊維2と界面層3とマトリックス4とで構成される。強
化用繊維2は、炭化ケイ素でできている。好ましくは炭
化ケイ素は結晶性炭化ケイ素である。界面層3は、強化
用繊維の周囲を囲う様に表面を覆っており、結晶性窒化
ホウ素でできている。好ましくは、結晶性窒化ホウ素は
ヘキサゴナル窒化ホウ素である。さらに好ましくは、結
晶性窒化ホウ素は、1000度Cを越える温度で焼結さ
れたものであり、さらに1300度Cを越える温度であ
るのが好ましい。マトリックスは、セラミックスであ
る。好ましくは、セラミックスは炭化ケイ素である。
合材料を詳述する。セラミックス複合材料1は、強化用
繊維2と界面層3とマトリックス4とで構成される。強
化用繊維2は、炭化ケイ素でできている。好ましくは炭
化ケイ素は結晶性炭化ケイ素である。界面層3は、強化
用繊維の周囲を囲う様に表面を覆っており、結晶性窒化
ホウ素でできている。好ましくは、結晶性窒化ホウ素は
ヘキサゴナル窒化ホウ素である。さらに好ましくは、結
晶性窒化ホウ素は、1000度Cを越える温度で焼結さ
れたものであり、さらに1300度Cを越える温度であ
るのが好ましい。マトリックスは、セラミックスであ
る。好ましくは、セラミックスは炭化ケイ素である。
【0023】運用中のガスタービンのブリスクに大きな
荷重が作用したときの、セラミックス複合材料の挙動を
説明する。特に、引っ張りの主応力が作用している方向
に配向されている強化用繊維に着目して説明する。図2
は、本発明の実施例の作用を説明する概念図である。図
2(A)は、クラックが生じた状態を示し、図2(B)
はクラックの隙間が広がった状態を示す。
荷重が作用したときの、セラミックス複合材料の挙動を
説明する。特に、引っ張りの主応力が作用している方向
に配向されている強化用繊維に着目して説明する。図2
は、本発明の実施例の作用を説明する概念図である。図
2(A)は、クラックが生じた状態を示し、図2(B)
はクラックの隙間が広がった状態を示す。
【0024】引っ張り応力がセラミックス複合材料に作
用すると、マトリックス4を形成するセラミックスは破
断引張応力が小さいので、たやすくクラック5が発生す
る。クラック5の隙間が広がると、界面層3が強化用繊
維の軸方向に剪断滑りを生じて、強化用繊維2が伸びて
引っ張りエネルギーを歪みとして吸収する。特に、界面
層3がへキサゴナル窒化ホウ素でできていると、界面層
が強化用繊維の軸方向の結晶界面に沿って滑らかに剪断
滑りをするので、強化用繊維2が伸びて引っ張りエネル
ギーを歪みとしてなめらかに吸収する。その後、雰囲気
の酸化能力を有する高温ガスが、クラック5の隙間を通
して界面層3に到達する。界面層3は高温安定性の高い
結晶性窒化ホウ素でできているので、雰囲気ガスに侵さ
れにくい。特に、結晶性窒化ホウ素が1000度を越え
る温度で焼結されていると、より高温安定性が増すの
で、界面層が雰囲気ガスに侵されにくい。また、特に、
強化用繊維が結晶性炭化ケイ素でできていると、強化用
繊維の高温安定性が高いので、強化用繊維が雰囲気ガス
に侵されにくく、強化用繊維が酸化することを防ぐの
で、強化用繊維とマトリックスとが付着せず、強化用繊
維に負荷される応力を均一化することができる。
用すると、マトリックス4を形成するセラミックスは破
断引張応力が小さいので、たやすくクラック5が発生す
る。クラック5の隙間が広がると、界面層3が強化用繊
維の軸方向に剪断滑りを生じて、強化用繊維2が伸びて
引っ張りエネルギーを歪みとして吸収する。特に、界面
層3がへキサゴナル窒化ホウ素でできていると、界面層
が強化用繊維の軸方向の結晶界面に沿って滑らかに剪断
滑りをするので、強化用繊維2が伸びて引っ張りエネル
ギーを歪みとしてなめらかに吸収する。その後、雰囲気
の酸化能力を有する高温ガスが、クラック5の隙間を通
して界面層3に到達する。界面層3は高温安定性の高い
結晶性窒化ホウ素でできているので、雰囲気ガスに侵さ
れにくい。特に、結晶性窒化ホウ素が1000度を越え
る温度で焼結されていると、より高温安定性が増すの
で、界面層が雰囲気ガスに侵されにくい。また、特に、
強化用繊維が結晶性炭化ケイ素でできていると、強化用
繊維の高温安定性が高いので、強化用繊維が雰囲気ガス
に侵されにくく、強化用繊維が酸化することを防ぐの
で、強化用繊維とマトリックスとが付着せず、強化用繊
維に負荷される応力を均一化することができる。
【0025】
【実施例】本発明の実施例を、図を基に、説明する。図
3は、本発明の本発明の実施例のデータである。図3
は、縦軸をクリープ破断応力/密度とし、横軸を雰囲気
温度としたグラフである。Aは、強化用繊維が結晶性炭
化ケイ素ででき、界面層が1600度Cで焼成したへキ
サゴナル結晶性窒化ホウ素ででき、マトリックスが炭化
ケイ素でできたセラミックス複合材料の80時間でのク
リープ破断応力を示す。Bは、強化用繊維が非晶性炭化
ケイ素ででき、界面層が1600度Cで焼成したへキサ
ゴナル結晶性窒化ホウ素ででき、マトリックスが炭化ケ
イ素でできたセラミックス複合材料の100時間でのク
リープ破断応力を示すCは、比較のためのデータであ
り、強化用繊維が非晶性炭化ケイ素ででき、界面層が黒
鉛ででき、マトリックスが炭化ケイ素でできたセラミッ
クス複合材料の100時間でのクリープ破断応力を示
す。Dは、参考のためのデータであり、単結晶金属のク
リープ破断応力を示す。本発明の実施例の結果から、
A、BとCを比較した結果から、界面層が結晶性窒化ホ
ウ素でできていると、いずれもクリープ性能が向上して
いることが分かる。また、常温において結晶性炭化ケイ
素でできた繊維の引っ張り強度は非晶性炭化ケイ素でで
きた繊維の引っ張り強度よりも低いにもかかわらず、A
とBとの比較から、高温では、強化用繊維が結晶性炭化
ケイ素でできたセラミック複合材料の引張クリープ強度
は強化用繊維が非晶性炭化ケイ素でできたのセラミック
ス複合材料の引張クリープ強度よりも高いことが分か
る。すなわち、界面層の材料を結晶性窒化ホウ素とする
ことにより、飛躍的にセラミックス複合材料のプリープ
強度を向上させることができ、さらに、強化用繊維の材
料を結晶性炭化ケイ素とすることで、よりセラミックス
複合材料のクリープ強度をさらに向上させることができ
ることが確認された。
3は、本発明の本発明の実施例のデータである。図3
は、縦軸をクリープ破断応力/密度とし、横軸を雰囲気
温度としたグラフである。Aは、強化用繊維が結晶性炭
化ケイ素ででき、界面層が1600度Cで焼成したへキ
サゴナル結晶性窒化ホウ素ででき、マトリックスが炭化
ケイ素でできたセラミックス複合材料の80時間でのク
リープ破断応力を示す。Bは、強化用繊維が非晶性炭化
ケイ素ででき、界面層が1600度Cで焼成したへキサ
ゴナル結晶性窒化ホウ素ででき、マトリックスが炭化ケ
イ素でできたセラミックス複合材料の100時間でのク
リープ破断応力を示すCは、比較のためのデータであ
り、強化用繊維が非晶性炭化ケイ素ででき、界面層が黒
鉛ででき、マトリックスが炭化ケイ素でできたセラミッ
クス複合材料の100時間でのクリープ破断応力を示
す。Dは、参考のためのデータであり、単結晶金属のク
リープ破断応力を示す。本発明の実施例の結果から、
A、BとCを比較した結果から、界面層が結晶性窒化ホ
ウ素でできていると、いずれもクリープ性能が向上して
いることが分かる。また、常温において結晶性炭化ケイ
素でできた繊維の引っ張り強度は非晶性炭化ケイ素でで
きた繊維の引っ張り強度よりも低いにもかかわらず、A
とBとの比較から、高温では、強化用繊維が結晶性炭化
ケイ素でできたセラミック複合材料の引張クリープ強度
は強化用繊維が非晶性炭化ケイ素でできたのセラミック
ス複合材料の引張クリープ強度よりも高いことが分か
る。すなわち、界面層の材料を結晶性窒化ホウ素とする
ことにより、飛躍的にセラミックス複合材料のプリープ
強度を向上させることができ、さらに、強化用繊維の材
料を結晶性炭化ケイ素とすることで、よりセラミックス
複合材料のクリープ強度をさらに向上させることができ
ることが確認された。
【0026】上述の実施形態のセラミックス複合材料を
用いれば、マトリックス4にクラック5が入っても、界
面層3が高温安定性の高い結晶性窒化フッ素でできてい
るので、界面層が雰囲気ガスに侵されず、界面層に剪断
滑りを生じて、強化用繊維が均等に引っ張りエネルギー
を負担するので、即時に引っ張りにより破壊することが
ない。また、界面層3が結晶界面で塑性流動しやすいへ
キサゴナル窒化ホウ素でできているので、界面層になめ
らかな剪断滑りを生じて、炭化ケイ素でできた強化用繊
維が均等に引っ張りエネルギーを負担するので、引っ張
りにより破壊しにくい。また、界面層3が1000度C
(好ましくは1300度C)を越える温度で焼結されて
いるので、界面層がより雰囲気ガスに侵されず、界面層
に剪断滑りを生じて、強化用繊維が均等に引っ張りエネ
ルギーを負担するので、引っ張りにより破壊しにくい。
また、強化用繊維が高温安定性の高い結晶性炭化ケイ素
でできているので、強化用繊維2が高温でも酸化しにく
く、強化用繊維とマトリックス4との付着を防止するこ
とが出来るので、強化用繊維が均等に引っ張りエネルギ
ーを負担するので、引っ張りにより破壊しにくい。ま
た、これらのタービン翼やブリスクがセラミックス複合
材料で出来ているので、クリープ性能の高いタービン翼
やブリスクを実現できる。
用いれば、マトリックス4にクラック5が入っても、界
面層3が高温安定性の高い結晶性窒化フッ素でできてい
るので、界面層が雰囲気ガスに侵されず、界面層に剪断
滑りを生じて、強化用繊維が均等に引っ張りエネルギー
を負担するので、即時に引っ張りにより破壊することが
ない。また、界面層3が結晶界面で塑性流動しやすいへ
キサゴナル窒化ホウ素でできているので、界面層になめ
らかな剪断滑りを生じて、炭化ケイ素でできた強化用繊
維が均等に引っ張りエネルギーを負担するので、引っ張
りにより破壊しにくい。また、界面層3が1000度C
(好ましくは1300度C)を越える温度で焼結されて
いるので、界面層がより雰囲気ガスに侵されず、界面層
に剪断滑りを生じて、強化用繊維が均等に引っ張りエネ
ルギーを負担するので、引っ張りにより破壊しにくい。
また、強化用繊維が高温安定性の高い結晶性炭化ケイ素
でできているので、強化用繊維2が高温でも酸化しにく
く、強化用繊維とマトリックス4との付着を防止するこ
とが出来るので、強化用繊維が均等に引っ張りエネルギ
ーを負担するので、引っ張りにより破壊しにくい。ま
た、これらのタービン翼やブリスクがセラミックス複合
材料で出来ているので、クリープ性能の高いタービン翼
やブリスクを実現できる。
【0027】本発明は以上に述べた実施形態に限られる
ものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で各種の変
更が可能である。
ものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で各種の変
更が可能である。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように本発明のセラミック
ス複合材料とその材料製のタービン翼またはブリスク
は、その構成により、以下の効果を有する。マトリック
スにクラックが入った際に、界面層が雰囲気ガスに侵さ
れにくく、界面層界面層が破れないので、強化用繊維と
マトリックスとの固着が起こらず、界面層が強化用繊維
の軸方向に剪断滑りを生じて、すべての強化繊維へ均等
に荷重が負荷されることにより、炭化ケイ素本来の引張
クリープ強度を発揮できるので、クリープ性能の高いセ
ラミックス複合材料を実現できる。また、マトリックス
にクラックが入った際に、界面層が雰囲気ガスに侵され
にくく、さらに結晶性炭化ケイ素でできた強化用繊維が
雰囲気ガスに侵されにくく、強化用繊維とマトリックス
との固着が起こらず、界面層が強化用繊維の軸方向に剪
断滑りを生じて、すべての強化繊維へ均等に荷重が負荷
されることにより、結晶性炭化ケイ素本来の引張クリー
プ強度を発揮できるので、クリープ性能の高いセラミッ
クス複合材料を実現できる。また、界面界層が強化用繊
維の軸方向の結晶界面に沿ってなめらかに剪断滑りを生
じて、マトリックスと強化用繊維が個別に自由に伸縮で
き、強化用繊維が結晶性炭化ケイ素系繊維本来の引張ク
リープ強度を発揮できるので、よりクリープ性能の高い
セラミックス複合材料を実現できる。また、高温の雰囲
気ガスに曝されても、高温で焼結された界面層が雰囲気
ガスに侵されにくく、強化用繊維とマトリックスとの固
着が起こらず、界面層が強化用繊維の軸方向に剪断滑り
を生じて、すべての強化繊維へ均等に荷重が負荷される
ことにより、結晶性炭化ケイ素系繊維本来の引張クリー
プ強度を発揮できるので、より高温雰囲気でのクリープ
性能の高いセラミックス複合材料を実現できる。また、
タービン部材がこれらのセラミックス複合材料で出来て
いるので、タービン部材が上記の特性を有し、クリープ
特性の優れたタービン翼やブリスク等のタービン部材を
実現できる。従って、今以上にクリープ性能を高いセラ
ミックス複合材料とその材料を使用したタービン部材を
提供できる。
ス複合材料とその材料製のタービン翼またはブリスク
は、その構成により、以下の効果を有する。マトリック
スにクラックが入った際に、界面層が雰囲気ガスに侵さ
れにくく、界面層界面層が破れないので、強化用繊維と
マトリックスとの固着が起こらず、界面層が強化用繊維
の軸方向に剪断滑りを生じて、すべての強化繊維へ均等
に荷重が負荷されることにより、炭化ケイ素本来の引張
クリープ強度を発揮できるので、クリープ性能の高いセ
ラミックス複合材料を実現できる。また、マトリックス
にクラックが入った際に、界面層が雰囲気ガスに侵され
にくく、さらに結晶性炭化ケイ素でできた強化用繊維が
雰囲気ガスに侵されにくく、強化用繊維とマトリックス
との固着が起こらず、界面層が強化用繊維の軸方向に剪
断滑りを生じて、すべての強化繊維へ均等に荷重が負荷
されることにより、結晶性炭化ケイ素本来の引張クリー
プ強度を発揮できるので、クリープ性能の高いセラミッ
クス複合材料を実現できる。また、界面界層が強化用繊
維の軸方向の結晶界面に沿ってなめらかに剪断滑りを生
じて、マトリックスと強化用繊維が個別に自由に伸縮で
き、強化用繊維が結晶性炭化ケイ素系繊維本来の引張ク
リープ強度を発揮できるので、よりクリープ性能の高い
セラミックス複合材料を実現できる。また、高温の雰囲
気ガスに曝されても、高温で焼結された界面層が雰囲気
ガスに侵されにくく、強化用繊維とマトリックスとの固
着が起こらず、界面層が強化用繊維の軸方向に剪断滑り
を生じて、すべての強化繊維へ均等に荷重が負荷される
ことにより、結晶性炭化ケイ素系繊維本来の引張クリー
プ強度を発揮できるので、より高温雰囲気でのクリープ
性能の高いセラミックス複合材料を実現できる。また、
タービン部材がこれらのセラミックス複合材料で出来て
いるので、タービン部材が上記の特性を有し、クリープ
特性の優れたタービン翼やブリスク等のタービン部材を
実現できる。従って、今以上にクリープ性能を高いセラ
ミックス複合材料とその材料を使用したタービン部材を
提供できる。
【0029】
【図1】本発明の実施形態の概念図である。
【図2】本発明の実施例の作用を説明する概念図であ
る。
る。
【図3】本発明の実施例のデータである。
1 セラミックス複合材料
2 強化用繊維
3 界面層
4 マトリックス
5 クラック
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 西出 重人
東京都西東京市向台町三丁目5番1号 石
川島播磨重工業株式会社田無工場内
(72)発明者 吉田 隆
東京都江東区豊洲三丁目1番15号 石川島
播磨重工業株式会社東京エンジニアリング
センター内
Fターム(参考) 3G002 AA02 AA12 AB07 AB08 AB09
BA09 BB04 BB05 EA09
Claims (8)
- 【請求項1】炭化ケイ素でできた強化用繊維と、前記強
化用繊維の周囲を囲う結晶性窒化ホウ素でできた界面層
と、セラミックスでできたマトリックスと、を備えたこ
とを特徴とするセラミックス複合材料。 - 【請求項2】前記強化用繊維が結晶性炭化ケイ素ででき
ていることを特徴とする請求項1に記載のセラミックス
複合材料。 - 【請求項3】前記結晶性窒化ホウ素がへキサゴナル窒化
ホウ素であることを特徴とする請求項1または請求項2
のひとつに記載のセラミックス複合材料。 - 【請求項4】前記結晶性窒化ホウ素が1000度Cを越
える温度で焼結されたものであることを特徴とする請求
項1乃至請求項3に記載のセラミックス複合材料。 - 【請求項5】セラミックス複合材料でできたタービン部
材であって、セラミックス複合材料が炭化ケイ素ででき
た強化用繊維と前記強化用繊維の周囲を囲う結晶性窒化
ホウ素でできた界面層とセラミックスでできたマトリッ
クスとを有することを特徴とするタービン部材。 - 【請求項6】前記強化用繊維が結晶性炭化ケイ素ででき
ていることを特徴とする請求項5に記載のタービン部
材。 - 【請求項7】前記結晶性窒化ホウ素がへキサゴナル窒化
ホウ素であることを特徴とする請求項5または請求項6
のうちの一つに記載のタービン部材。 - 【請求項8】前記結晶性窒化ホウ素が1000度C以上
で焼成されたものであることを特徴とする請求項5乃至
請求項7に記載のタービン部材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001374827A JP2003176182A (ja) | 2001-12-07 | 2001-12-07 | セラミックス複合材料とその材料製のタービン部材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001374827A JP2003176182A (ja) | 2001-12-07 | 2001-12-07 | セラミックス複合材料とその材料製のタービン部材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003176182A true JP2003176182A (ja) | 2003-06-24 |
Family
ID=19183324
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001374827A Pending JP2003176182A (ja) | 2001-12-07 | 2001-12-07 | セラミックス複合材料とその材料製のタービン部材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003176182A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016156109A (ja) * | 2015-02-25 | 2016-09-01 | 国立大学法人東京工業大学 | 表面被覆無機繊維及びその製造方法、並びに複合材料 |
WO2018216816A1 (ja) * | 2017-05-25 | 2018-11-29 | イビデン株式会社 | SiC/SiC複合材の製造方法 |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH1045480A (ja) * | 1996-07-31 | 1998-02-17 | Tonen Corp | 繊維強化複合材用無機質繊維を被覆するためのコーティング並びにこれを含む無機質繊維及び繊維強化複合材 |
JPH1087374A (ja) * | 1996-09-11 | 1998-04-07 | Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd | セラミックス複合材料の製造方法 |
JPH1149570A (ja) * | 1997-07-30 | 1999-02-23 | Nippon Carbon Co Ltd | SiC繊維強化SiC複合材料 |
JP2003183979A (ja) * | 2001-12-13 | 2003-07-03 | Ube Ind Ltd | 窒化ホウ素被覆炭化ケイ素系セラミックス繊維及びその製造方法並びに該繊維で強化されたセラミックス基複合材料 |
-
2001
- 2001-12-07 JP JP2001374827A patent/JP2003176182A/ja active Pending
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2018216816A1 (ja) * | 2017-05-25 | 2018-11-29 | イビデン株式会社 | SiC/SiC複合材の製造方法 |
JP2018199588A (ja) * | 2017-05-25 | 2018-12-20 | イビデン株式会社 | SiC/SiC複合材の製造方法 |
US11220465B2 (en) | 2017-05-25 | 2022-01-11 | Ibiden Co., Ltd. | Method for producing SiC/SiC composite material |
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