JP2003182658A - 弾性体履板 - Google Patents

弾性体履板

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JP2003182658A
JP2003182658A JP2001383307A JP2001383307A JP2003182658A JP 2003182658 A JP2003182658 A JP 2003182658A JP 2001383307 A JP2001383307 A JP 2001383307A JP 2001383307 A JP2001383307 A JP 2001383307A JP 2003182658 A JP2003182658 A JP 2003182658A
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  • Rolling Contact Bearings (AREA)
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  • Escalators And Moving Walkways (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 剛性のある芯金を用いることによってボルト
弛みの発生を回避し、かつグローサに関係なく荷重を受
ける弾性体厚さを厚くできるようにする。 【解決手段】 鋳造、鍛造もしくは削り出しにて一体成
形された芯金12を備え、この芯金12の接地面側を弾
性体13にて被覆し、かつその弾性体13の接地面を投
影する部位の芯金形状を2つの芯金部分14,15に2
分割された形状とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、装軌式車両の履帯
における鉄製のシュープレートの接地面側に装着される
弾性体履板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ブルドーザや油圧ショベルなどの
装軌式車両の履帯として、接地面側にグローサが形成さ
れてなる鉄製のシュープレートを多数のリンクにより無
端状に連結した構造のものが用いられている。ところ
が、この種の履帯では舗装路面上を走行する際に路面を
著しく損傷させることから、前記鉄製のシュープレート
の接地面側に、ゴムなどの弾性体よりなる保護履板(弾
性体履板)を装着することが行われている。
【0003】この弾性体履板の従来技術の一例として、
実用新案登録第2595443号公報に開示されたもの
がある。この公報に記載されている弾性体履板は、金属
板を鉄製シュープレートの踏面の凹凸形状に合わせて波
形に形成し、この金属板の接地面側にゴムパッドを加硫
接着して構成されたものである。また、他の例として、
実用新案登録第2606785号公報に開示されたもの
がある。この公報に記載の弾性体履板は、凹凸形状をし
た弾性沓材の凸部表面のみに、非接地側へ向けて取付ボ
ルトの先端を突出させた平板状の金属板を取り付けるよ
うに構成されている。さらに、特開平10−16835
号公報に開示されたものでは、平板状のプレートの非接
地面側に、シュープレートの凹部に挿入され、シュープ
レートの取付孔に対応するボルト孔を形成した略U字形
の取付ブラケットを一体結合するように構成されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記実
用新案登録第2595443号公報および実用新案登録
第2606785号公報に開示されたものでは、板金製
の芯金にボルト等の締結部材を溶接した構造であるため
に、十分な剛性を確保することができず、撓み、歪みの
発生によりボルト弛みやボルト脱落が生じ易いという問
題点がある。一方、前記特開平10−16835号公報
に開示されたものでは、取付ブラケットを用いてシュー
プレートと結合していることから、取付け強度を向上さ
せることができる反面、荷重を受ける弾性体厚さを厚く
することができず、弾性体に対する歪集中が生じて耐久
性の面で難点がある。
【0005】本発明は、このような問題点を解消するた
めになされたもので、剛性のある芯金を用いることによ
ってボルト弛みの発生を回避し、しかもグローサに関係
なく荷重を受ける弾性体厚さを厚くすることができて、
耐久性を向上させることのできる弾性体履板を提供する
ことを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段および作用・効果】前記目
的を達成するために、第1発明による弾性体履板は、履
帯における鉄製のシュープレートの接地面側に装着され
る弾性体履板において、鋳造、鍛造もしくは削り出しに
て一体成形された芯金を備えるとともに、この芯金の少
なくとも接地面側が弾性体にて被覆されてなり、かつそ
の弾性体の接地面を投影する部位の芯金形状が2分割形
状とされていることを特徴とするものである。
【0007】本発明によれば、芯金が鋳造、鍛造もしく
は削り出しにて一体成形されているので、板金製のもの
に比べて剛性を格段に向上させることができ、ボルト弛
みやボルト脱落の発生を確実に防止することができる。
また、弾性体の接地面を投影する部位の芯金形状が2分
割形状とされているので、グローサに関係なく、荷重を
受ける弾性体厚さを厚くすることが可能であり、また弾
性体全体の容積を大きくすることができるので、弾性体
の耐カット性を向上させることができ、全体として耐久
性の向上を図ることができる。
【0008】本発明において、前記芯金は2個の芯金部
分よりなり、各芯金部分の長手方向両端部に、前記シュ
ープレートにボルト締結するための雌ねじ部を有するボ
ス部が形成されているのが好ましい(第2発明)。こう
することで、芯金と弾性体との接着部にボルト頭がある
従来例のものに比べて、歪の集中がなく、耐久性をより
向上させることができる。
【0009】また、前記弾性体の接地面を投影する部位
以外の部位において、前記2分割形状の芯金が相互に連
結されている構成とすることもできる(第3発明)。こ
のようにすれば、弾性体履板の剛性をさらに向上させる
ことができ、重負荷を受ける車両に用いて好適な弾性体
履板を得ることができる。
【0010】さらに、本発明においては、前記シュープ
レートへの装着時に、前記芯金が、前記シュープレート
の互いに隣接するグローサ間に形成される空間内に入り
込むようにされているのが好ましい(第4発明)。こう
することで、弾性体の厚さを厚くすることができる。
【0011】前記各発明において、前記芯金の接地面側
が平坦面に形成されているのが好ましい(第5発明)。
こうすることで、弾性体に対する歪集中が少なく、耐久
性の向上を図ることができる。また、廃却時に芯金表面
からの弾性体の剥離作業を容易に行うことができ、芯金
の再利用が容易に行えることになる。
【0012】この場合、前記平坦面は、前記芯金の長手
方向両端部に形成されるボス部に挟まれた部分に形成さ
れるものとすることができる(第6発明)。これによ
り、主に荷重を受ける長手方向中央部における歪みの集
中を少なくすることができる。
【0013】また、前記第5発明または第6発明におい
て、前記シュープレートへの装着時に、前記芯金接地面
側の平坦面の高さが、前記シュープレートにおけるグロ
ーサの高さに略等しい高さになるようにされているのが
好ましい(第7発明)。こうすることで、2分割された
各芯金部分に挟まれた部位の弾性体表面がグローサに当
接することによってそのグローサの角部により傷付けら
れることがない。また、弾性体が摩耗により消失しても
芯金によって舗装路面を傷付けることがない。
【0014】前記各発明において、前記2分割形状の各
芯金部分に挟まれた部位における弾性体の非接地面側表
面とそれに対向する前記シュープレートにおけるグロー
サ先端面との間に隙間が形成されるのが好ましい(第8
発明)。こうすることで、2分割された各芯金部分に挟
まれた部位の弾性体表面がグローサによって傷付けられ
るのを防止することができる。
【0015】ここで、前記2分割形状の各芯金部分に挟
まれた部位における弾性体の接地面側表面に溝部が設け
られるのが良い(第9発明)。これにより、グローサ部
に加わる荷重を低減することができる。
【0016】前記第8発明または第9発明において、前
記隙間は、各芯金部分の長手方向両端部において前記弾
性体にて塞がれ、かつその塞がれた部位の弾性体の非接
地面側形状が、前記隙間の内側から外側へ向かう方向に
傾斜するテーパ面に形成されるのが好ましい(第10発
明)。このようにすれば、両芯金部分に挟まれた部位に
おける弾性体とグローサとの間に形成される隙間に土砂
が侵入するのを防止することができる。また、弾性体に
テーパ面が形成されていることにより、前記隙間内に入
った水等が、弾性体が撓んだ際に外方へ排出され易くな
る。なお、当該弾性体履板の装着時に前記テーパ面先端
が圧縮されるように取付位置を設定すれば、土砂等の浸
入に対するシール効果をより高めることができる。
【0017】前記各発明において、前記芯金の長手方向
端部が非接地面側に向けて屈曲形成されるのが好ましい
(第11発明)。こうすることで、弾性体履板が岩石等
に乗り上げても、この屈曲形成された部分に沿って形成
される弾性体端部から岩石等が逃げることと、岩石等が
固定されていて逃げないときでも荷重を屈曲した面で受
けることができ、弾性体の局部的応力集中を回避するこ
とができ、弾性体の耳切れ防止を図ることができる。
【0018】前記各発明において、前記芯金の非接地面
側に支柱もしくはリブが一体形成されるのが好ましい
(第12発明)。このようにすれば、地面から受けた荷
重をシュープレートに確実に伝達することができるとと
もに、芯金の軽量化を図ることができる。
【0019】また、前記弾性体の非接地面側であってそ
の長手方向の中央部に、前記シュープレートに形成され
た貫通孔に挿入可能な弾性体突起が設けられるのが好ま
しい(第13発明)。こうすることで、シュープレート
に形成された貫通孔から、シュープレートと弾性体履板
との間に土砂等が侵入するのを防ぐことができる。ま
た、左右の履帯リンクと前後の連結ピンとに囲まれる空
間内に路面上の土砂や雪が入り込み、これら土砂や雪が
スプロケット等により押し固められたとしても、この押
し固め時に押し縮められた弾性体突起がスプロケット等
から外れた部位でそれ自身の復元力により元の状態まで
伸長されるように作用するので、履帯リンク間に入り込
んだ土砂・雪等のパッキング現象を確実に回避すること
ができる。
【0020】さらに、前記芯金の非接地面側も前記弾性
体にて被覆されるとともに、前記芯金に複数個の孔が設
けられ、この孔を通して接地面側の弾性体と非接地面側
の弾性体とが一体に形成されるのが好ましい(第14発
明)。このようにすれば、芯金との接着が十分でない樹
脂や弾性体であっても当該弾性体履板用に使用すること
ができる。
【0021】前記各発明において、前記2分割形状の各
芯金部分に跨るように前記弾性体内にケーブル層が埋設
されるのが良い(第15発明)。こうすることで、この
ケーブル層による補強によって各芯金部分を一体化する
ことができるとともに、各芯金部分に挟まれた部位の弾
性体がグローサによって傷付けられるのを防止すること
ができる。なお、このケーブル層の埋設方向は弾性体履
板の長手方向、幅方向、斜め方向のいずれであっても良
い。また、単層であっても複層であっても良い。
【0022】また、前記芯金の長手方向両端部の前後側
面に、前記シュープレートにおけるグローサの先端部に
当接させるための突起部が設けられ、かつその突起部を
除く芯金の前後側面が弾性体により被覆されるのが好ま
しい(第16発明)。このようにすれば、突起部のない
部分は芯金の前後側面も弾性体により被覆されているの
で、芯金と弾性体との接着剥離が生じにくくなる。
【0023】また、前記芯金と前記弾性体との接合部近
傍において、前記弾性体に溝部が形成されるのが好まし
い(第17発明)。こうすることで、負荷が加わった際に
溝部が変形することで歪みの集中を回避することがで
き、芯金と弾性体との接着剥離を防止することができ
る。
【0024】さらに、前記弾性体は、複数の硬さの部分
にて層状に構成されるとともに、前記芯金近傍ほど硬く
なるように配されるのが好ましい(第18発明)。こう
することで、芯金と弾性体の接合部の歪集中を避けるこ
とができて、この接合部の耐久性を向上することができ
る。また、接地面に近接する部位の弾性体が軟らかくな
っているので、路面との間の摩擦係数を確保することが
できる。
【0025】
【発明の実施の形態】次に、本発明による弾性体履板の
具体的な実施の形態について、図面を参照しつつ説明す
る。
【0026】図1には、本発明の第1の実施形態に係る
弾性体履板の正面図(a)、下面図(b)および側面図
(c)が示されている。
【0027】本実施形態の弾性体履板1は、図示されな
い履帯リンクに複数本(本実施形態では4本)のボルト
2およびナット(図示せず)により取着される鉄製のシ
ュープレート3の接地面側に、複数本(本実施形態では
4本)のボルト4によって装着されるように構成されて
いる。
【0028】前記シュープレート3は、その踏み面の長
手方向に沿って、中央部と両側部とに計3個のグローサ
5,6,7を有している。また、このシュープレート3
には、中央部に、そのシュープレート3を履帯リンクに
取り付けるためのボルト2を挿通するボルト挿通孔8が
設けられるとともに、長手方向の両端部寄りの位置に、
後述する弾性体履板1の芯金12をシュープレート3に
取り付けるためのボルト4を挿通するボルト挿通孔9が
設けられている。さらに、前記シュープレート3には、
4個のボルト挿通孔8に囲まれる位置に、円形および略
楕円形の計2個の貫通孔10,11が形成されている
(この例に限らず、貫通孔は方形でも良く、その数も1
個でも良いし3個以上でも良い。)。
【0029】一方、前記弾性体履板1は、芯金12にゴ
ム等の弾性体13が被覆接着されて構成されている。こ
こで、前記芯金12は、弾性体履板1の幅方向に互いに
所定間隔を隔てて平行に配される2個の芯金部分14,
15に分割形成されている。各芯金部分14,15の接
地面側は平坦面に形成され、非接地面側においては、長
手方向の両端部に略円錐台形状の太径の支柱(ボス部)
14a,14b;15a,15bが一体形成されるとと
もに、この両端部と長手方向中央部との各中間部に略円
錐台形状の細径の支柱14c,14d;15c,15d
が一体形成されている。また、前記両端部の支柱14
a,14b;15a,15bには、前記ボルト4を螺合
させるための雌ねじ部16が、平坦面とされた芯金本体
を貫通する位置に至るまで形成されている。前記芯金1
2は、車体重量が加わっても変形しないような剛性の高
い材質、例えば鋼、鋳鋼、鋳鉄等の一般的芯金材質のほ
か、金属系複合材、非金属系複合材等の材質にて構成さ
れ、鋳造、鍛造もしくは削り出しにて一体成形により作
製される。
【0030】前記弾性体13は、ゴム、ウレタン、樹
脂、エラストマー、非金属系複合材等の比較的軟質な材
料により構成されている。なお、芯金12に弾性体13
を接合するには、例えば弾性体13がゴムの場合には、
一般的な加硫接着などの方法が用いられる。この弾性体
13は、接地面側における両端部および両側部が非接地
面側に所要角度傾斜した傾斜面13a,13bにされて
いる。
【0031】また、前記弾性体13においては、各芯金
部分14,15に挟まれた部位における弾性体13の非
接地面側表面に溝部17が形成され、またその溝部17
に対向する弾性体13の接地面側表面に溝部18が形成
され、これによってグローサ6に加わる荷重の低減が図
られている。さらに、前記各芯金部分14,15に挟ま
れた空間内に、前記シュープレート3における中央部の
グローサ6が入り込むようになっており、このときその
グローサ6の先端面と前記溝部17表面との間に隙間が
形成されるようになっている。また、各グローサ5,
6,7の高さは、芯金12の接地面側の平坦面の高さと
略等しい高さになるようにされている。こうして、各芯
金部分14,15に挟まれた部位の弾性体13表面がグ
ローサ6によって傷付けられるのを防止することができ
るとともに、グローサ6に加わる荷重を低減することが
でき、また弾性体が摩耗により消失しても芯金12によ
って舗装路面を傷付けることがないといった作用・効果
を奏するものである。
【0032】このような構成の弾性体履板1によれば、
板金製のものに比べて芯金12の剛性を格段に向上させ
ることができ、またボス部14a,14b;15a,1
5bに形成された雌ねじ部16にボルト4が螺合されて
いるので、ボルト弛みやボルト脱落の発生を確実に防止
することができる。また、芯金12が2分割形状とされ
ているので、グローサに関係なく、荷重を受ける弾性体
厚さを厚くすることが可能であって、耐久性の向上を図
ることができる。さらに、芯金の接地面側が平坦面に形
成されているので、弾性体に対する歪集中が少なく、こ
れによっても耐久性の向上を図ることができる。しか
も、廃却時に弾性体の剥離作業を容易に行うことができ
るので、芯金の再利用が容易に行えるという利点もあ
る。
【0033】図2には、本発明の第2の実施形態に係る
弾性体履板における芯金形状の部分断面図が示されてい
る。
【0034】本実施形態の弾性体履板は、芯金形状が異
なる点以外については第1の実施形態と同様である。本
実施形態においては、各芯金部分20の長手方向両端部
に設けられる支柱(ボス部)21を、この芯金部分20
の接地面側に向けてやや突出した形状とし、両端部のボ
ス部21に挟まれた部分の接地面側を平坦面に形成した
ものである。本実施形態にような構造は、芯金をシュー
プレートに取り付けるためのボルト4(図1参照)のね
じ込み深さを十分に確保したい場合に特に有効である。
【0035】また、本実施形態では、芯金部分20の長
手方向端部が非接地面側に向けて屈曲形成されて傾斜面
22が形成されている。このような傾斜面22を設ける
と、弾性体履板が岩石等に乗り上げても、この傾斜面2
2に沿って形成される弾性体端部から岩石等が逃げるこ
とと、岩石等が固定されていて逃げないときでも荷重を
屈曲した面で受けることができ、弾性体の局部的応力集
中を回避することができ、弾性体の耳切れを防止するこ
とができる。なお、図2において符号23にて示される
のは、第1の実施形態における支柱14c,14d;1
5c,15dと同様の補強用の支柱である。
【0036】図3には、本発明の第3の実施形態に係る
弾性体履板における芯金形状の部分正面図(a)、その
A−A断面図(b)およびB−B断面図(c)が示され
ている。
【0037】本実施形態の弾性体履板は、やはり芯金形
状が異なる点以外については第1の実施形態と同様であ
る。本実施形態においては、芯金部分24の端部に設け
られる支柱25と中間部に設けられる支柱26との間お
よび支柱25と傾斜面27の先端部との間等にリブ28
を設けたものである。このようなリブ28を設けると、
地面から受けた荷重をシュープレートに確実に伝達する
ことができるだけでなく、芯金の軽量化を図ることがで
きる。
【0038】図4(a)には、本発明の第4の実施形態
に係る弾性体履板における芯金形状の部分下面図が示さ
れている。
【0039】本実施形態の弾性体履板は、芯金形状が異
なる点以外については第1の実施形態もしくは第2の実
施形態と同様である。本実施形態においては、各芯金部
分29,30の両端部(図では一端部のみが示されてい
る。)の前後側面に、シュープレート3のグローサ5,
6,7(図1(c)参照)の先端部に当接させるための
突起部29a,29b;30a,30bが設けられ、こ
の突起部29a,29b;30a,30bを除く芯金部
分の前後側面が弾性体13にて被覆されるように構成さ
れたものである。
【0040】このような構成の弾性体履板においては、
突起部29a,29b;30a,30bがグローサ5,
6,7に当接されることで、グローサ5,6,7が直接
弾性体13に当接されることによる弾性体13の損傷を
防止することができるとともに、突起部29a,29
b;30a,30bのない部分においては芯金部分2
9,30の前後側面が弾性体13により被覆されている
ので、芯金部分29,30と弾性体13との接着剥離が
生じにくくなるという利点がある。
【0041】図4(b)に示されるのは、本実施形態の
変形例であって、この例では、図4(a)に示されるも
のに対して、突起部31a,31b;32a,32bを
芯金部分31,32のやや中央部寄りに形成したもので
ある。この場合にも、突起部31a,31b;32a,
32bのない部分における芯金部分31,32の前後側
面が弾性体13により被覆されている。このような構成
によっても、本実施形態と同様の作用・効果を奏し得
る。
【0042】図5(a)には、本発明の第5の実施形態
に係る弾性体履板の側面図が示されている。
【0043】本実施形態の弾性体履板は、第1の実施形
態に対して弾性体33の形状が異なっているだけで、そ
れ以外の点については第1の実施形態と基本的に異なる
ところがない。したがって、第1の実施形態と共通する
部分には図に同一符号を付すに留めてその詳細な説明を
省略することとする。
【0044】本実施形態においては、弾性体33の前後
側面であって各芯金部分14,15と弾性体33との接
合部近傍位置に、その弾性体33の長手方向に沿って断
面略U字状の溝部33a,33bを形成したものであ
る。このような溝部33a,33bを形成すると、弾性
体33に負荷が加わった際にその溝部33a,33bが
変形することで、歪みの集中を回避することができ、こ
れによって芯金部分14,15と弾性体33との接着剥
離の発生を未然に防ぐことができる。
【0045】図5(b)に示されるのは、本実施形態の
変形例であって、この例では、弾性体34の前後側縁を
芯金部分14,15の前後側縁よりも外側に張り出すよ
うに構成し、弾性体34に形成される溝部34a,34
bをその張り出し部34c,34dと芯金部分14,1
5の側縁との間にそれぞれ配したものである。なお、前
記張り出し部34c,34dの非接地面側表面にはグロ
ーサ5,7がそれぞれ当接するようにされている。この
ように溝部34a,34bを本変形例に示される位置に
設けた場合にも、本実施形態と同様の作用・効果を奏し
得る。
【0046】図6には、本発明の第6の実施形態に係る
弾性体履板の下面図(a)とそのC−C断面図(b)が
示されている。
【0047】本実施形態においても、第1の実施形態と
共通する部分には図に同一符号を付すのみとし、その詳
細な説明を省略することとする。本実施形態において
は、弾性体35の非接地面側に形成された溝部17表面
とグローサ6の先端面と間に形成された隙間36が、芯
金の長手方向両端部(図では一端部のみが示されてい
る。)において弾性体35の突起部35aにて塞がれる
ように構成されている。また、この突起部35aの隙間
36に面する側の形状が、この隙間36の内側から外側
に向かう方向に傾斜するテーパ面35bに形成されてい
る。ここで、弾性体履板の装着時にテーパ面35bの先
端が圧縮されるように取付位置を設定するのがシール効
果を高める上で好ましい。
【0048】本実施形態の弾性体履板によれば、芯金の
長手方向両端部が突起部35aにて塞がれているので、
前記隙間36内に外部から土砂等が侵入するのを防止す
ることができる。また、この突起部35aの内側面がテ
ーパ面35bが形成されているので、隙間36内に水等
が入った場合にも、弾性体35が荷重を受けて撓んだ際
にそのテーパ面35bによってその水等が外方へ排出さ
れ易くなるという利点がある。
【0049】図7には、本発明の第7の実施形態に係る
弾性体履板の正面図(a)とそのD−D断面図(b)が
示されている。
【0050】本実施形態においては、2分割された各芯
金部分14,15に跨るように、幅方向に向けてかつ長
手方向の全範囲に亘って弾性体37内にケーブル層38
が埋設されたものである。ここで、ケーブル層38は、
弾性体37の非接地面側に形成された溝部17の下方に
おいてその溝部17に沿うように屈曲形成されている。
なお、本実施形態の弾性体37においては、前記第5の
実施形態における溝部33a,33bと同様の溝部37
a,37bが形成されている。
【0051】本実施形態の弾性体履板によれば、ケーブ
ル層38による補強によって各芯金部分14,15を一
体化することができるとともに、各芯金部分14,15
に挟まれた部位の弾性体37がグローサによって傷付け
られるのを防止することができる。また、弾性体履板そ
のものの耐久性の向上にも寄与する。
【0052】本実施形態では、ケーブル層38として、
単層のものを弾性体履板の幅方向に埋設したものを説明
したが、このケーブル層の埋設方向は長手方向であっ
て、あるいは斜め方向であっても良い。また、単層であ
っても互いに交差する複数の層であっても良い。
【0053】図8には、本発明の第8の実施形態に係る
弾性体履板の下面図(a)とそのE−E断面図(b)が
示されている。
【0054】本実施形態の弾性体履板においては、芯金
の非接地面側も前記弾性体にて被覆されるとともに、2
分割された各芯金部分39,40の長手方向に沿って複
数個の孔39a,40aが設けられ、これら孔39a,
40aを通して接地面側の弾性体41と非接地面側の弾
性体41とが一体に形成されている。また、前記弾性体
41は、接地面側の比較的硬度の小さな(軟らかい)弾
性体層42と、非接地面側の比較的硬度の大きな(硬
い)弾性体層43との2層構成とされている。
【0055】本実施形態の弾性体履板によれば、接地面
側の弾性体層42と非接地面側の弾性体層43とが複数
個の孔39a,40aを介して一体化されているので、
弾性体の材質として、芯金との接着が十分でない樹脂や
弾性体を用いても、その接着強度が悪影響を及ぼすこと
がない。また、芯金の近傍が硬い弾性体層43にて形成
されているので、芯金と弾性体の接合部の歪集中を避け
ることができて、接合部の耐久性を向上することができ
る。また、接地面に近接する部位が比較的軟らかい弾性
体層42にて形成されているので、路面との間の摩擦係
数を確保することができて、走行性能を向上させること
ができる。
【0056】図9には、本発明の第9の実施形態に係る
弾性体履板の部分正面図が示されている。
【0057】本実施形態の弾性体履板においては、弾性
体44の非接地面側であってその弾性体44に設けられ
た細径の支柱45,46の中間部に、シュープレート3
に形成された貫通孔10,11に挿入可能な弾性体突起
48,50が一体形成されている。
【0058】本実施形態の弾性体履板によれば、シュー
プレート3に形成された貫通孔10,11が弾性体突起
48,50により塞がれているので、シュープレート3
と弾性体履板との間に土砂等が侵入するのを確実に防ぐ
ことができる。また、左右の履帯リンクと前後の連結ピ
ンとに囲まれる空間内に路面上の土砂や雪が入り込み、
これら土砂や雪がスプロケット等により押し固められた
としても、この押し固め時に押し縮められた弾性体突起
48がスプロケット等から外れた部位でそれ自身の復元
力により元の状態まで伸長されるように作用するので、
この伸長時に履帯リンク間に入り込んだ土砂・雪等が排
出され、これら土砂・雪等のパッキング現象を確実に防
ぐことができる。
【0059】図10には、本発明の第10の実施形態に
係る弾性体履板の正面図(a)、下面図(b)および側
面図(c)が示されている。
【0060】前記各実施形態においては、芯金を2個の
芯金部分に分割形成したものを説明したが、本実施形態
においては、これら分割形成された各芯金部分14,1
5をそれぞれの両端部(図では一端部のみが示されてい
る。)において、連結材49によって相互に連結したも
のである。このようにすれば、各芯金部分14,15が
両端部において一体化されるので、弾性体履板の剛性を
より向上させることができる。こうして、重負荷を受け
る車両に用いて好適な弾性体履板を得ることができる。
【0061】前記連結材49を設ける位置は弾性体13
の接地面を投影する部位以外の部位であれば良く、必ず
しも本実施形態のものに限定されることはない。また、
この連結材49は芯金形成時に一体成形により設けても
良いし、各芯金部分の両端部に接合により設けても良
い。
【0062】前記各実施形態における各構成は、単独で
用いても良いし、あるいは複合して用いても良い。な
お、これら実施形態における弾性体履板は、小型から大
型に至る各種建設機械に適用できるほか、その他、農業
機械や産業機械等の装軌式車両に対しても適用すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1の実施形態に係る弾性体
履板の正面図(a)、下面図(b)および側面図(c)
である。
【図2】図2は、本発明の第2の実施形態に係る弾性体
履板における芯金形状の部分断面図である。
【図3】図3は、本発明の第3の実施形態に係る弾性体
履板における芯金形状の部分正面図(a)、そのA−A
断面図(b)およびB−B断面図(c)である。
【図4】図4は、本発明の第4の実施形態に係る弾性体
履板における芯金形状の部分下面図(a)およびその変
形例の部分下面図(b)である。
【図5】図5は、本発明の第5の実施形態に係る弾性体
履板の側面図(a)およびその変形例の側面図(b)で
ある。
【図6】図6は、本発明の第6の実施形態に係る弾性体
履板の下面図(a)とそのC−C断面図(b)である。
【図7】図7は、本発明の第7の実施形態に係る弾性体
履板の正面図(a)とそのD−D断面図(b)である。
【図8】図8は、本発明の第8の実施形態に係る弾性体
履板の下面図(a)とそのE−E断面図(b)である。
【図9】図9は、本発明の第9の実施形態に係る弾性体
履板の部分正面図である。
【図10】図10は、本発明の第10の実施形態に係る
弾性体履板の正面図(a)、下面図(b)および側面図
(c)である。
【符号の説明】
1 弾性体履板 2,4 ボルト 3 シュープレート 5,6,7 グローサ 12 芯金 13,33,34,35,37,41,44 弾性体 14,15,20,24,29,30,31,32,3
9,40 芯金部分 14a,14b;15a,15b,21 ボス部 16 雌ねじ部 17,18 溝部 22 傾斜面 28 リブ 29a,29b;30a,30b 突起部 33a,33b,34a,34b 溝部 35b テーパ面 36 隙間 38 ケーブル層 39a,40a 孔 48,50 弾性体突起 49 連結材

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 履帯における鉄製のシュープレートの接
    地面側に装着される弾性体履板において、 鋳造、鍛造もしくは削り出しにて一体成形された芯金を
    備えるとともに、この芯金の少なくとも接地面側が弾性
    体にて被覆されてなり、かつその弾性体の接地面を投影
    する部位の芯金形状が2分割形状とされていることを特
    徴とする弾性体履板。
  2. 【請求項2】 前記芯金は2個の芯金部分よりなり、各
    芯金部分の長手方向両端部に、前記シュープレートにボ
    ルト締結するための雌ねじ部を有するボス部が形成され
    ている請求項1に記載の弾性体履板。
  3. 【請求項3】 前記弾性体の接地面を投影する部位以外
    の部位において、前記2分割形状の芯金が相互に連結さ
    れている請求項1に記載の弾性体履板。
  4. 【請求項4】 前記シュープレートへの装着時に、前記
    芯金が、前記シュープレートの互いに隣接するグローサ
    間に形成される空間内に入り込むようにされている請求
    項1に記載の弾性体履板。
  5. 【請求項5】 前記芯金の接地面側が平坦面に形成され
    ている請求項1〜4のいずれかに記載の弾性体履板。
  6. 【請求項6】 前記平坦面は、前記芯金の長手方向両端
    部に形成されるボス部に挟まれた部分に形成される請求
    項5に記載の弾性体履板。
  7. 【請求項7】 前記シュープレートへの装着時に、前記
    芯金接地面側の平坦面の高さが、前記シュープレートに
    おけるグローサの高さに略等しい高さになるようにされ
    ている請求項5または6に記載の弾性体履板。
  8. 【請求項8】 前記2分割形状の各芯金部分に挟まれた
    部位における弾性体の非接地面側表面とそれに対向する
    前記シュープレートにおけるグローサ先端面との間に隙
    間が形成される請求項1〜7のいずれかに記載の弾性体
    履板。
  9. 【請求項9】 前記2分割形状の各芯金部分に挟まれた
    部位における弾性体の接地面側表面に溝部が設けられる
    請求項8に記載の弾性体履板。
  10. 【請求項10】 前記隙間は、各芯金部分の長手方向両
    端部において前記弾性体にて塞がれ、かつその塞がれた
    部位の弾性体の非接地面側形状が、前記隙間の内側から
    外側へ向かう方向に傾斜するテーパ面に形成される請求
    項8または9に記載の弾性体履板。
  11. 【請求項11】 前記芯金の長手方向端部が非接地面側
    に向けて屈曲形成される請求項1〜10のいずれかに記
    載の弾性体履板。
  12. 【請求項12】 前記芯金の非接地面側に支柱もしくは
    リブが一体形成される請求項1〜11のいずれかに記載
    の弾性体履板。
  13. 【請求項13】 前記弾性体の非接地面側であってその
    長手方向の中央部に、前記シュープレートに形成された
    貫通孔に挿入可能な弾性体突起が設けられる請求項1〜
    12のいずれかに記載の弾性体履板。
  14. 【請求項14】 前記芯金の非接地面側も前記弾性体に
    て被覆されるとともに、前記芯金に複数個の孔が設けら
    れ、この孔を通して接地面側の弾性体と非接地面側の弾
    性体とが一体に形成される請求項1〜13のいずれかに
    記載の弾性体履板。
  15. 【請求項15】 前記2分割形状の各芯金部分に跨るよ
    うに前記弾性体内にケーブル層が埋設される請求項1〜
    14のいずれかに記載の弾性体履板。
  16. 【請求項16】 前記芯金の長手方向両端部の前後側面
    に突起部が設けられ、かつその突起部を除く芯金の前後
    側面が弾性体により被覆される請求項1〜15のいずれ
    かに記載の弾性体履板。
  17. 【請求項17】 前記芯金と前記弾性体との接合部近傍
    において、前記弾性体に溝部が形成される請求項1〜1
    6のいずれかに記載の弾性体履板。
  18. 【請求項18】 前記弾性体は、複数の硬さの部分にて
    層状に構成されるとともに、前記芯金近傍ほど硬くなる
    ように配される請求項1〜17のいずれかに記載の弾性
    体履板。
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