JP2003095157A

JP2003095157A - 弾性体履板

Info

Publication number: JP2003095157A
Application number: JP2001289633A
Authority: JP
Inventors: Hiroaki Watanabe; 裕明渡辺
Original assignee: Komatsu Ltd
Current assignee: Komatsu Ltd
Priority date: 2001-09-21
Filing date: 2001-09-21
Publication date: 2003-04-03

Abstract

(57)【要約】【課題】取扱が容易なように小型軽量化すると同時
に、走行時の牽引力を向上させ、かつ耐久性を高め得る
ようにする。【解決手段】履帯１の鉄製のシュープレート２に装着
される弾性体履板１０であって、一つの鉄製のシュープ
レート２における接地面側に形成された複数の凹部３
に、それぞれ弾性体履板１０を装着する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、装軌式車両に用い
られる弾性体履板に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、油圧ショベルやブルドーザなどの
装軌式建設機械車両における履帯は、多数の鉄製シュー
プレートを環状に連結されたものが多く使用されている
が、この種の履帯は舗装路面上を走行するとき路面を著
しく損傷することになるので、その鉄製シュープレート
の接地面に、ゴムなどの弾性体を有する弾性体履板を着
脱可能に取付けられたものが用いられている。

【０００３】この種弾性体履板に関する先行技術として
は、例えば実用新案登録第２５９５４４３号公報、ある
いは特開２００１−１５１１６８号公報などに開示され
たものが知られている。前者の実用新案登録第２５９５
４４３号公報に記載されているものは、図６に無限軌道
帯用履板の断面図として示されており、この図におい
て、金属板５１を鉄製履板５０の踏面の凹凸形状に対応
させて波形に形成し、この金属板５１の長さ方向（鉄製
履板５０に装着した際の履帯の幅方向に対応）両端部寄
り位置に金属板５１を鉄製履板５０に取付けるためのボ
ルト貫通孔５２を設けてある。そして、金属板５１の表
面側に鉄製履板５０のラグ５０ａ，５０ｂよりも突出す
る高さの弾性体にてなる部材５４を一体に接着して弾性
体パッド５５を構成している。この弾性体パッド５５
は、前記金属板５１に頭部５３ａを固着されてその裏面
側に突出する取付ボルト５３を鉄製履板５０のボルト貫
通孔５０ｄからその裏面側に突出させて、図示されない
ナットによって鉄製履板５０に一体的に組付けるように
されている。このように構成されることにより取付ボル
ト５３や弾性体５４の破損をなくすることができ、耐久
性が向上するとともに、弾性体パッド５５の交換が容易
にできると記載されている。

【０００４】また、後者の特開２００１−１５１１６８
号公報に開示されているものは、本願発明者の先出願に
係るもので、図７に示されるように、履帯における鉄製
シュープレート６０の接地面側に芯金を介してボルトで
取付ける弾性体履板７０において、その芯金７１（斜線
を付して表わす部分）のシュープレート６０への取付側
に、シュープレート６０のグローサ６１ａ〜６１ｃの形
状および凹部６２の形状に合わせて、そのグローサ凹部
６２に嵌挿して取付け得る芯金７１の取付部７１ａを形
成され、かかる芯金７１の接地面側に形成された平坦部
７１ｂのほぼ全域に弾性体パッド７２を接着した構成の
ものである。このように構成することで、シュープレー
ト６０に弾性体履板７０を装着して外力による変形やガ
タつきの発生をなくし、弾性体履板７０の耐久性を向上
できるようにしたのである。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記先
行技術による弾性体履板５４または７０では、いずれも
一つの鉄シュープレート６０（鉄製履板５０）に一つの
弾性体履板７０（５４）を装着する構成であるので、大
型機種の履帯に使用する場合、当然弾性体履板も大型に
なって、その脱着に多大な労力が必要となり、破損によ
る交換時の作業が困難でコストが高くなるという問題点
がある。

【０００６】また、前記弾性体履板は、いずれのものに
おいても接地面がフラットな形状になるので、走行時シ
ュースリップを起しやすく、そのために牽引力が十分に
得られないという問題点がある。さらに、芯金と弾性体
との接着界面が露出した状態になり、そのために剥離し
易く、寿命が短い、という問題点もある。

【０００７】本発明は、このような問題点を解決するた
めになされたもので、取扱が容易なように小型軽量化す
ると同時に、走行時の牽引力を向上させ、かつ耐久性を
高め得るようにした弾性体履板を提供することを目的と
するものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段および作用・効果】前述さ
れた目的を達成するために、本発明による弾性体履板
は、履帯のシュープレートに装着される弾性体履板であ
って、一つのシュープレートに、複数個の弾性体履板を
装着するようにされることを特徴とするものである。

【０００９】本発明によれば、一つのシュープレート
に、複数個の弾性体履板を装着することになるので、弾
性体履板が小型化され、従来のものに較べて軽量になる
ので、弾性体履板の交換時における作業が容易になると
いう効果がある。また、損耗しても不都合なもののみを
取り換えれば良いので、交換コストを低減できるという
利点がある。

【００１０】第１発明にあって、前記弾性体履板は、一
つのシュープレートに対して、履帯の前後方向に複数個
取り付けるようにされるのがよい（第２発明）。こうす
ると、一つのシュープレートに弾性体履板を前後方向に
複数個取付けることで、各弾性体履板間に空隙が形成さ
れ、この空隙部分に走行時の土砂を噛み込ませて、牽引
力を向上させることができる。

【００１１】前記第１発明および第２発明にあって、少
なくとも芯金の両端部はパッドを形成する弾性体で被覆
されているのが好ましい（第３発明）。こうすると、芯
金と弾性体との結合力がより一層高められ、端部におけ
る弾性体の剥離（耳切れ）を予防でき、かつ走行時に道
路の縁石に接触して損傷するのを防止できるという効果
が得られる。また、芯金中間部において、その一部をパ
ッドを形成する弾性体で包まれている部分が少なくとも
１箇所以上設けられているのがよい（第４発明）。この
ようにすることで、手数のかかる付加的な加工を省い
て、芯金と弾性体との接着結合性を向上させ、耐久性を
高めることができるという効果がある。

【００１２】

【発明の実施の形態】次に、本発明による弾性体履板の
具体的な実施の形態につき、図面を参照しつつ説明す
る。

【００１３】図１には、本発明にかかる弾性体履板を履
帯の鉄シュープレートに装着した実施形態を表わす正面
図が示され、図２には図１の側面図が示されている。図
３には本実施形態の弾性体履板を表わす正面図（ａ）と
Ａ−Ａ視側面図（ｂ）が示されている。

【００１４】この実施形態の弾性体履板１０は、図１お
よび図２にて示されるように、履帯１を構成する各鉄製
のシュープレート２の接地側に形成されている凹部３
に、芯金１１の外形が嵌り合う形状に形成されて、その
芯金１１の内面側に断面台形状にされた弾性体パッド１
７を接着して一体になされたものを、取付ボルト７によ
って取付けるようにされている。

【００１５】この弾性体履板１０を装着する前記鉄製の
シュープレート２は、その接地面側に形成される凹部３
が履帯１として連結された状態での前後方向に所定のピ
ッチで二箇所形成されており、それら二箇所の凹部３，
３にそれぞれ弾性体履板１０，１０が装着されるように
なっている。なお、前記二箇所の凹部３の前後には都合
３個のグローサ４が形成されている。したがって、シュ
ープレート２一枚につき弾性体履板１０は二個取付けら
れるようになっている。

【００１６】前記弾性体履板１０は、前記鉄製のシュー
プレート２の横幅方向に相当する長さＬで、その長さ方
向の両端部から適宜寸法内側寄り位置にてシュープレー
ト２と取付ボルト７により締結できるねじ孔１２が芯金
１１に設けられ、またその芯金１１の中間部上面に前記
シュープレート２を履帯形成のリンク５に締結する取付
ボルト６の頭部を交わす凹部１３が形成されている。弾
性体パッド１７としては、ゴム質材で断面台形にされて
中間部に窪みを設けた成形品を前記芯金１１の内面１１
ａ（凹部に嵌り合う外面と反対の面）に接着剤によって
接着され、一体にされている。

【００１７】このようにされた弾性体履板１０は、鉄製
のシュープレート２の各凹部３に芯金１１部分を嵌め込
まれて、両端部でシュープレート２の背面側から取付け
孔を通して芯金１１に設けられたねじ孔１２に取付ボル
ト７を螺合して締結固着される。こうすることにより、
１枚のシュープレート２に二個の弾性体履板１０が所定
のピッチで装着される。

【００１８】このように構成される弾性体履板１０は、
その全体外形が従来のものに比べて小型化されて軽量で
あるので、履帯１の走行によって弾性体パッド１７が摩
耗するなどして交換を行うときには、少ない労力で取換
え作業が行える。また、一部が損傷したときも、その損
傷した部分の弾性体履板１０のみを交換すれば良いの
で、従来に較べて経済的である。

【００１９】さらに、一個のシュープレート２に二個の
弾性体履板１０，１０が所定のピッチで取付けられるの
で、その一個のシュープレート２における二個の弾性体
履板１０，１０が装着された接地部では、必ず前後位置
の弾性体履板１０，１０の踏面間に空隙Ａが形成される
ので、走行に際してその空隙Ａ部分に土砂が入り込み、
この土砂を挟み込むので牽引力が大きくなり、シュース
リップを起こすのを解消できることになる。

【００２０】次に、図４に弾性体履板の他の実施形態を
要部断面にして表わす正面図（ａ）とＢ−Ｂ視側面図
（ｂ）が示されている。

【００２１】この実施形態の弾性体履板１０Ａは、基本
的には前記実施形態のものと同様であり、その一部にお
いて構成が異なるものである。したがって、前記実施形
態と同一構造の部分については前記のものと同一の符号
を付して、その詳細な説明を省略する。

【００２２】この実施形態の弾性体履板１０Ａは、鉄製
のシュープレート２（図１，２を参照、以下同様）にお
ける接地面側に二個前後方向に設けられた凹部３に嵌合
する芯金１１Ａを、その長さ方向両端部をシュープレー
トの全長寸法（弾性体履板の全長寸法Ｌ）よりもやや短
くして、その各先端部分を弾性体被覆部１４に形成し、
このような形状の芯金１１Ａの接地面側に弾性体パッド
１７Ａを一体に成形して前記両先端の弾性体被覆部１
４，１４を弾性材１７ａで被覆して所定全長寸法Ｌに仕
上げられたものである。

【００２３】このように形成された弾性体履板１０Ａに
よれば、これをシュープレート２の各凹部３にそれぞれ
装着して履帯１を構成すれば、前記実施形態の場合と同
様の作用効果に加えて、端部での弾性体パッド１７Ａと
芯金１１Ａとの接着界面の露出が少なくなり、かつ芯金
１１Ａと弾性体パッド１７Ａとの接着面積が増えるの
で、外力を受けても剥がれることがなく、剥離耐久性が
著しく向上する。また、道路上での作業を行うような場
合、縁石と接触して損傷するのを予防できるという効果
がある。

【００２４】また、図５に弾性体履板の他の実施形態を
要部を断面にして表わす正面図（ａ）とＣ−Ｃ断面図
（ｂ）およびＤ−Ｄ視側面図が示されている。

【００２５】この実施形態の弾性体履板１０Ｂは、基本
的には前記実施形態のものと同様であり、その一部にお
いて構成が異なるものである。したがって、前記実施形
態と同一構造の部分については前記のものと同一の符号
を付して、その詳細な説明を省略する。

【００２６】この実施形態の弾性体履板１０Ｂは、鉄製
のシュープレート２（図１，２参照、以下同様）におけ
る接地面側に二個前後方向に設けられた凹部３に嵌合す
る芯金１１Ｂを、その中間部において上下方向と幅方向
の両方で、他の部分よりも断面を小さくした埋め込み部
１５が形成され、このようにされた芯金１１Ｂの接地面
側に弾性体パッド１７Ｂを一体に成形して、その埋め込
み部１５の周囲を弾性材１７ａで被覆して所定形状に形
成されたものである。

【００２７】このように形成された弾性体履板１０Ｂに
よれば、これをシュープレート２の各凹部３にそれぞれ
装着して履帯１を構成すれば、前記実施形態の場合と同
様の作用効果に加えて、芯金１１Ｂの埋め込み部１５に
よって芯金１１Ｂを弾性材１７ａで包み込むことによ
り、弾性体パッド１７Ｂと芯金１１Ｂとの接着面積が増
加するとともに、剥離に対して前記埋め込み部１５にお
ける弾性材の引張強度も加わることになって、剥離耐久
性が著しく向上する。

【００２８】以上の説明においては、鉄製のシュープレ
ートの接地面側に設けられる凹部に対してそれぞれ一個
ずつ弾性体履板を装着しているが、必要に応じてその凹
部に複数の弾性体履板を配して装着することも可能であ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、本発明にかかる弾性体履板を履帯の鉄
シュープレートに装着した実施形態を表わす正面図であ
る。

【図２】図２は、図１の側面図である。

【図３】図３は、本実施形態の弾性体履板を表わす正面
図（ａ）とＡ−Ａ視側面図（ｂ）である。

【図４】図４は、弾性体履板の他の実施形態を要部断面
にして表わす正面図（ａ）とＢ−Ｂ視側面図（ｂ）であ
る。

【図５】図５は、弾性体履板の他の実施形態の要部を断
面にして表わす正面図（ａ）とＣ−Ｃ断面図（ｂ）およ
びＤ−Ｄ視側面図（ｃ）である。

【図６】図６は、従来技術による一具体例の無限軌道帯
用履板の断面図である。

【図７】図７は、従来技術による一具体例の無限軌道帯
用履板の断面図である。

【符号の説明】

１履帯２鉄製のシュープレート３シュープレートの凹部７取付ボルト１０，１０Ａ，１０Ｂ弾性体履板１１，１１Ａ，１１Ｂ芯金１２ねじ孔１３凹部１４弾性体被覆部１５埋め込み部１７，１７Ａ，１７Ｂ弾性体パッド

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】履帯のシュープレートにおける接地面側
に装着される弾性体履板であって、一つのシュープレー
トに、複数個の弾性体履板を装着するようにされること
を特徴とする弾性体履板。
【請求項２】前記弾性体履板は、一つのシュープレー
トに対して、履帯の前後方向に複数個取り付けるように
されることを特徴とする請求項１に記載の弾性体履板。
【請求項３】少なくとも芯金の両端部はパッドを形成
する弾性体で被覆されている請求項１または２に記載の
弾性体履板。
【請求項４】芯金中間部において、その一部をパッド
を形成する弾性体で包まれている部分が少なくとも１箇
所以上設けられている請求項３に記載の弾性体履板。