JP2003172253A - 固定容量型ピストン式圧縮機における潤滑構造 - Google Patents
固定容量型ピストン式圧縮機における潤滑構造Info
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Abstract
圧縮機における潤滑性を向上する。 【解決手段】回転軸21には導入通路31,32及び供
給通路211が形成されている。供給通路211は吸入
室142に連通しており、導入通路31,32は、供給
通路211に連通している。シリンダブロック11,1
2には吸入通路33,34がシリンダボア27,28と
軸孔111,121とを連通するように形成されてい
る。回転軸21の回転に伴い、導入通路31,32は、
吸入通路33,34に間欠的に連通する。回転軸21の
周面には連通孔212が形成されている。連通孔212
は、斜板室24と供給通路211とを連通する。
Description
列された複数のシリンダボア内にピストンを収容し、前
記ピストンによって前記シリンダボア内に区画される圧
縮室に吸入圧領域から冷媒を導入するための導入通路を
有するロータリバルブを備えた固定容量型ピストン式圧
縮機における潤滑構造に関するものである。
るピストン式圧縮機では、シリンダボア内に冷媒を導入
するためにロータリバルブが採用されている。両頭ピス
トンは、斜板の回転によって往復動される。この両頭ピ
ストンを用いた固定容量型斜板式圧縮機では、回転軸そ
のものがロータリバルブとなっている。シリンダボア内
へ冷媒を導入するための吸入ポートをロータリバルブで
開閉する構成は、シリンダボア内へ冷媒を導入するため
の吸入ポートを撓み変形可能な吸入弁で開閉する構造に
比べ、体積効率の向上を可能にする。
ンダボア内に区画される圧縮室内の冷媒は、ピストンと
シリンダボアの周面との間から斜板を収容する斜板室に
洩れる。従って、冷媒と共に流動する潤滑油も圧縮室か
ら斜板室へ洩れる冷媒と共に流入する。しかし、圧縮室
から斜板室へ洩れた冷媒は、回転軸の周面に沿って吸入
圧領域へ流出する。そのため、斜板室内の潤滑油も吸入
圧領域へ流出する。斜板室内では斜板の回転運動をピス
トンに伝達するためのシューと斜板との間で摺接が生じ
ており、この摺接部位における潤滑が欠かせない。しか
し、斜板室内の潤滑油が冷媒と共に回転軸の周面に沿っ
て吸入圧領域に流出してしまうため、斜板室内に十分な
潤滑油量を確保することができない。
量型ピストン式圧縮機における潤滑性を向上することを
目的とする。
転軸の周囲に配列された複数のシリンダボア内にピスト
ンを収容し、前記回転軸と一体化されたカム体を介して
前記回転軸の回転に前記ピストンを連動させ、前記ピス
トンによって前記シリンダボア内に区画される圧縮室に
吸入圧領域から冷媒を導入するための導入通路及び前記
導入通路と前記吸入圧領域とを連通する供給通路を有す
るロータリバルブを備えた固定容量型ピストン式圧縮機
を対象とし、請求項1の発明では、前記カム体の収容室
と前記供給通路とを連通する連通路を前記回転軸と一体
的に回転する回転体又は前記回転軸に設けた。
室内のガス状の冷媒は、連通路を経由して吸入圧領域へ
流出する。しかし、液状の潤滑油は、回転軸と一体的に
回転する連通路へは入り難く、収容室内における潤滑油
量を増やすことができる。
前記回転軸内に前記供給通路を形成し、前記供給通路に
連通するように前記回転軸の周面に形成された連通孔
と、前記供給通路とから前記連通路を構成した。
めの供給通路を連通路の一部とした構成は、連通路の形
成の上で簡便な構成である。請求項3の発明では、請求
項2において、前記ピストンは両頭ピストンとし、前記
両頭ピストンを収容する前後一対のシリンダボアに対応
する一対のロータリバルブが前記回転軸と一体的に回転
するようにし、前後一対のスラスト軸受手段によって前
記カム体を挟んで前記回転軸の軸線の方向における前記
カム体の位置を規制し、前記回転軸の半径方向に見て前
記一対のスラスト軸受手段の少なくとも一方と重なるよ
うに前記連通孔の配設位置を設けた。
スト軸受手段へ潤滑油を誘導する。誘導された潤滑油の
一部は、スラスト軸受手段の潤滑に寄与する。請求項4
の発明では、請求項1乃至請求項3のいずれか1項にお
いて、前記ロータリバルブを前記回転軸に一体形成し
た。
し、かつ圧縮機の組み付け工程を簡素にする。
実施の形態を図1〜図3に基づいて説明する。
のシリンダブロック11,12にはフロントハウジング
13及びリヤハウジング14が接合されている。フロン
トハウジング13には吐出室131が形成されている。
リヤハウジング14には吐出室141及び吸入室142
が形成されている。
グ13との間にはバルブプレート15、弁形成プレート
16及びリテーナ形成プレート17が介在されている。
シリンダブロック12とリヤハウジング14との間には
バルブプレート18、弁形成プレート19及びリテーナ
形成プレート20が介在されている。バルブプレート1
5,18には吐出ポート151,181が形成されてお
り、弁形成プレート16,19には吐出弁161,19
1が形成されている。吐出弁161,191は、吐出ポ
ート151,181を開閉する。リテーナ形成プレート
17,20にはリテーナ171,201が形成されてい
る。リテーナ171,201は、吐出弁161,191
の開度を規制する。
1が回転可能に支持されている。回転軸21は、シリン
ダブロック11,12に貫設された軸孔111,121
に挿通されている。回転軸21は、軸孔111,121
を介してシリンダブロック11,12によって直接支持
されている。
間には軸シール部材22が介在されている。回転軸21
には斜板23が固着されている。斜板23は、シリンダ
ブロック11,12間の斜板室24に収容されている。
シリンダブロック11の端面と斜板23の円環状の基部
231との間にはスラストベアリング25が介在されて
いる。シリンダブロック12の端面と斜板23の基部2
31との間にはスラストベアリング26が介在されてい
る。スラストベアリング25,26は、斜板23を挟ん
で回転軸21の軸線213の方向の位置を規制するスラ
スト軸受手段である。
には複数のシリンダボア27が回転軸21の周囲に配列
されるように形成されている。図3に示すように、シリ
ンダブロック12には複数のシリンダボア28が回転軸
21の周囲に配列されるように形成されている。前後
(フロントハウジング13側を前側、リヤハウジング1
4を後側としている)で対となるシリンダボア27,2
8には両頭ピストン29が収容されている。
体的に回転する斜板23の回転運動は、シュー30を介
して両頭ピストン29に伝えられ、両頭ピストン29が
シリンダボア27,28内を前後に往復動する。両頭ピ
ストン29は、シリンダボア27,28内に圧縮室27
1,281を区画する。
周面にはシール周面112,122が形成されている。
シール周面112,122の径は、軸孔111,121
の他の内周面の径よりも小さくしてあり、回転軸21
は、シール周面112,122を介してシリンダブロッ
ク11,12によって直接支持される。
れている。供給通路211の始端は、回転軸21の内端
面にあってリヤハウジング14内の吸入室142に開口
している。回転軸21には導入通路31,32が供給通
路211に連通するように形成されている。
には吸入通路33がシリンダボア27と軸孔111とを
連通するように形成されている。吸入通路33の入口3
31は、シール周面112上に開口している。図3に示
すように、シリンダブロック12には吸入通路34がシ
リンダボア28と軸孔121とを連通するように形成さ
れている。吸入通路34の入口341は、シール周面1
22上に開口している。回転軸21の回転に伴い、導入
通路31,32の出口311,321は、吸入通路3
3,34の入口331,341に間欠的に連通する。
ち、両頭ピストン29が図1(a)の左側から右側へ移
動する行程〕にあるときには、出口311と吸入通路3
3の入口331とが連通する。シリンダボア27が吸入
行程の状態にあるときには、回転軸21の供給通路21
1内の冷媒が導入通路31及び吸入通路33を経由して
シリンダボア27の圧縮室271に吸入される。
ち、両頭ピストン29が図1(a)の右側から左側へ移
動する行程〕にあるときには、出口311と吸入通路3
3の入口331との連通が遮断される。シリンダボア2
7が吐出行程の状態にあるときには、圧縮室271内の
冷媒が吐出ポート151から吐出弁161を押し退けて
吐出室131へ吐出される。吐出室131へ吐出された
冷媒は、図示しない外部冷媒回路へ流出する。
ち、両頭ピストン29が図1(a)の右側から左側へ移
動する行程〕にあるときには、出口321と吸入通路3
4の入口341とが連通する。シリンダボア28が吸入
行程の状態にあるときには、回転軸21の供給通路21
1内の冷媒が導入通路32及び吸入通路34を経由して
シリンダボア28の圧縮室281に吸入される。
ち、両頭ピストン29が図1(a)の左側から右側へ移
動する行程〕にあるときには、出口321と吸入通路3
4の入口341との連通が遮断される。シリンダボア2
8が吐出行程の状態にあるときには、圧縮室281内の
冷媒が吐出ポート181から吐出弁191を押し退けて
吐出室141へ吐出される。吐出室141へ吐出された
冷媒は、外部冷媒回路へ流出する。外部冷媒回路へ流出
した冷媒は、吸入室142へ還流する。
れる回転軸21の部分は、回転軸21に一体形成された
ロータリバルブ35,36となる。図1(a),(b)
に示すように、回転軸21の周面には連通孔212が形
成されている。連通孔212は、回転軸21の半径方向
に見てスラストベアリング25と重なっている。連通孔
212は、供給通路211と斜板室24とを連通する。
連通孔212と供給通路211とは、カム体である斜板
23の収容室である斜板室24と、吸入圧領域である吸
入室142とを連通する連通路37を構成する。斜板室
24は、連通路37のみを介して吸入圧領域である吸入
室142に連通している。
る。 (1−1)圧縮室271,281内の冷媒の一部は、圧
縮室271,281の周面と両頭ピストン29の周面と
の間から斜板室24へ洩れる。冷媒と共に流動する潤滑
油も圧縮室271,281から斜板室24へ洩れる冷媒
と共に流入する。連通孔212は、回転軸21の回転に
伴って回転軸21の軸線213の周りに周回する。斜板
室24内の冷媒ガスは、専ら連通孔212から供給通路
211へ流出する。しかし、冷媒と共に流動する液状の
潤滑油は、回転軸21の軸線213の周りで周回する連
通孔212内へは入りづらい。そのため、斜板室24か
ら供給通路211へ流出しようとする冷媒と共に流動す
る潤滑油の一部は、供給通路211へ流出する冷媒ガス
から分離される。分離された潤滑油は、斜板室24内の
潤滑必要部位(例えば、斜板23とシュー30との摺接
部位)の潤滑に寄与し、圧縮機における潤滑性が向上す
る。
4内に存在する潤滑油量が10ml程度であった従来の
圧縮機に連通孔212を設けた場合、圧縮機の運転中に
斜板室24内に存在する潤滑油量が60ml程度に増加
することを確認している。
入通路31,32へ冷媒を送るための供給通路211
は、連通路37の一部となっており、連通路のための新
たな通路形成は実質的に連通孔212のみの形成とな
る。従って、ロータリバルブ35,36の導入通路3
1,32へ冷媒を送るための供給通路211を連通路3
7の一部とした構成は、連通路37の形成の上で簡便な
構成である。
12は、回転軸21の半径方向に見てスラストベアリン
グ25と重なる。従って、斜板室24から連通路37へ
出て行く冷媒は、スラストベアリング25へ潤滑油を誘
導する。スラストベアリング25へ誘導された潤滑油の
一部は、スラストベアリング25の潤滑に寄与する。
5,36を一体形成した構成は、部品点数を減らし、か
つ圧縮機の組み付け工程を簡素にする。次に、図4〜図
6の第2の実施の形態を説明する。第1の実施の形態と
同じ構成部には同じ符号が用いてある。
が止着されている。回転軸38は、一対のスラストベア
リング43,44によって回転軸38の軸線381の方
向の位置を規制される。ロータリバルブ39,40に形
成された導入通路41,42は、斜板室24に連通して
いる。導入通路41,42の出口411,421と吸入
通路33,34の入口331,341とは、ロータリバ
ルブ39,40の回転に伴って間欠的に連通する。フロ
ントハウジング13側に形成された吸入室132の冷媒
は、供給通路45及び導入通路41及び吸入通路33を
経由して吸入行程にあるシリンダボア27の圧縮室27
1に吸入される。リヤハウジング14側の吸入室142
の冷媒は、供給通路46及び導入通路42及び吸入通路
34を経由して吸入行程にあるシリンダボア28の圧縮
室281に吸入される。
通路391,401が形成されている。連通路391
は、吸入圧領域である吸入室132と斜板室24とを連
通する。連通路401は、吸入圧領域である吸入室14
2と斜板室24とを連通する。斜板室24は、連通路3
91,401と供給通路45,46とのみを介して吸入
圧領域である吸入室132,142に連通している。
てのロータリバルブ39,40に形成された連通路39
1,401は、第1の実施の形態における連通路37と
同じ役割を果たす。第2の実施の形態では、第1の実施
の形態における(1−1)項と同じ効果が得られる。
である。 (1)第1の実施の形態において、スラストベアリング
26と対応する回転軸21の周面の部位に連通孔212
と同様の連通孔を設けること。このようにすればスラス
トベアリング26の潤滑性が向上する。
ストン式圧縮機に本発明を適用すること。 (3)斜板以外の形状のカム体を備えたピストン式圧縮
機に本発明を適用すること。
記載以外の発明について以下に記載する。 〔1〕請求項1乃至請求項4のいずれか1項において、
前記収容室は、前記連通路のみを介して前記吸入圧領域
に連通している固定容量型ピストン式圧縮機における潤
滑構造。
の収容室と前記吸入圧領域とを連通する連通路を回転軸
と一体的に回転する回転体又は前記回転軸に設けたの
で、ロータリバルブを用いた固定容量型ピストン式圧縮
機における潤滑性を向上し得るという優れた効果を奏す
る。
の側断面図。(b)は(a)のA−A線断面図。
図。
…回転軸。211…連通路を構成する供給通路。212
…連通路を構成する連通孔。23…カム体である斜板。
24…収容室である斜板室。25,26…スラスト軸受
手段であるスラストベアリング。27,28…シリンダ
ボア。271,281…圧縮室。29…両頭ピストン。
31,32…導入通路。35,36…ロータリバルブ。
37…連通路。39,40…回転体でもあるロータリ
バルブ。391,401…連通路。41,42…導入通
路。45,46…供給通路。
Claims (4)
- 【請求項1】回転軸の周囲に配列された複数のシリンダ
ボア内にピストンを収容し、前記回転軸と一体化された
カム体を介して前記回転軸の回転に前記ピストンを連動
させ、前記ピストンによって前記シリンダボア内に区画
される圧縮室に吸入圧領域から冷媒を導入するための導
入通路及び前記導入通路と前記吸入圧領域とを連通する
供給通路を有するロータリバルブを備えた固定容量型ピ
ストン式圧縮機において、 前記カム体の収容室と前記供給通路とを連通する連通路
を前記回転軸と一体的に回転する回転体又は前記回転軸
に設けた固定容量型ピストン式圧縮機における潤滑構
造。 - 【請求項2】前記供給通路は前記回転軸内に形成されて
おり、前記連通路は、前記供給通路に連通するように前
記回転軸の周面に形成された連通孔と、前記供給通路と
からなる請求項1に記載の固定容量型ピストン式圧縮機
における潤滑構造。 - 【請求項3】前記ピストンは両頭ピストンであり、前記
両頭ピストンを収容する前後一対のシリンダボアに対応
する一対のロータリバルブが前記回転軸と一体的に回転
し、前記カム体は、前後一対のスラスト軸受手段によっ
て挟まれて前記回転軸の軸線の方向の位置を規制されて
おり、前記連通孔の配設位置は、前記回転軸の半径方向
に見て前記一対のスラスト軸受手段の少なくとも一方と
重なっている請求項2に記載の固定容量型ピストン式圧
縮機における潤滑構造。 - 【請求項4】前記ロータリバルブは、前記回転軸に一体
形成されている請求項1乃至請求項3のいずれか1項に
記載の固定容量型ピストン式圧縮機における潤滑構造。
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