JPH10122146A - 斜板式圧縮機 - Google Patents

斜板式圧縮機

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JPH10122146A
JPH10122146A JP8295962A JP29596296A JPH10122146A JP H10122146 A JPH10122146 A JP H10122146A JP 8295962 A JP8295962 A JP 8295962A JP 29596296 A JP29596296 A JP 29596296A JP H10122146 A JPH10122146 A JP H10122146A
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JP
Japan
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shaft
cylinder block
swash plate
housing
face
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Application number
JP8295962A
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English (en)
Inventor
Shigeki Kato
茂樹 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yunikura KK
Original Assignee
Yunikura KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】運転開始後の短時間内に斜板式圧縮機内のスラ
ストベアリングまたは斜板とベアリング部材との間に潤
滑油を多量に導入すること。 【解決手段】斜板式圧縮機(10)は、ハウジング(12)内に
収容されたシリンダブロック(14)およ複数のピストン(1
8)を備える。シリンダブロックにシャフト(15)が回転可
能に支承されている。シャフトにはこれと共に回転可能
である斜板(16)が取り付けられている。斜板は、一対の
スラストベアリング(66)を介してシリンダブロック(14)
に接している。シャフトはその端面に開放する中空部(6
3)と、その周面に開放しかつ中空部(63)に連なる一対の
開口(65)とを有する。シャフトの中空部(63)はハウジン
グに設けられた冷媒導入空間(55)に連なりまた各開口(6
5)は各スラストベアリングに対向している。シリンダブ
ロックはその軸線方向に関する端面(75)に形成された、
シリンダブロックの下端からシャフトの端面(61)に向け
て伸びる少なくとも1条の溝(76)を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車用空調シス
テムに用いられる斜板式圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車用空調システムに組み込まれ、車
載エンジンの回転動力を受けて圧縮仕事を行なう圧縮機
の一つに斜板式圧縮機がある。斜板式圧縮機では、エン
ジンの回転動力を受けて回転されるシャフトの回転運動
が、前記シャフトの周りに該シャフトと平行に配置され
た複数のピストンの往復運動に変換される。
【0003】この運動変換のため、前記シャフトにこれ
と斜めに交差する円形の斜板が取り付けられている。前
記斜板は、前記ピストンを保持するシリンダブロックに
設けられた空洞と各ピストンに設けられた窪みとが規定
する空間に受け入れられ、該空間内を回転することがで
きる。前記斜板と各ピストンとは、各ピストンの前記窪
みに配置されたボールやシューのようなベアリング部材
を介して接し、また、前記斜板と前記シリンダブロック
とは前記斜板の回転抵抗を軽減するために前記シャフト
の周りに配置されたスラストベアリングを介して接して
いる。
【0004】前記斜板は前記シャフトと共に回転し、回
転の間、前記斜板の周方向に関する各部位の前記シャフ
トの軸線方向に関する位置が変化する。このため、前記
斜板に接する各ピストンは軸線方向に強制的に変位さ
れ、往復運動をする。その結果、前記自動車用空調シス
テムにおいて、前記シリンダブロックを収容するハウジ
ングの外部からその内部に供給された冷媒が圧縮され、
圧縮された冷媒は前記ハウジングの外部に吐出される。
【0005】ところで、斜板式圧縮機にあっては、その
運転が開始されると、前記ハウジングの底部に溜った潤
滑油の一部が前記斜板を伝って、また、前記潤滑油の蒸
発成分が前記冷媒と共に、それぞれ、前記シリンダブロ
ックの空洞および各ピストンの窪みに入り込み、前記斜
板と前記ベアリング部材との間および前記スラストベア
リングの潤滑の用に供される。しかし、実際には、始動
後の短時間のうちに前記斜板と前記ベアリング部材との
間または前記スラストベアリングのレースところとの間
に焼付きが生じ、前記斜板式圧縮機の運転が停止するこ
とがあった。これは、前記斜板と前記ベアリング部材と
の間または前記スラストベアリングへの潤滑油の供給が
十分でないことによる。
【0006】このことから、従来、潤滑油の他の供給ル
ートを追加することが提案された。この供給ルートは、
前記シャフトに設けられその一端に開放するねじ穴と、
該ねじ穴に連通し前記スラストベアリングに向けて開放
する複数の開口とからなる(特開平6−101641
号)。
【0007】これによれば、斜板圧縮機の始動後、前記
ハウジング底部の潤滑油の蒸発成分が前記ハウジング内
を流動する冷媒とともに前記シャフトの一端に開放する
ねじ穴に流れ込み、該ねじ穴から前記開口を経て前記ス
ラストベアリング、さらに前記斜板と前記ベアリング部
との間に導かれ、また、前記ねじ穴に付着して液状にな
った潤滑油が前記シャフトの回転に伴って前記ねじ穴を
各開口に送られ、前記シャフトに作用する遠心力により
前記開口から前記スラストベアリングに供給され、さら
に、この遠心力により前記斜板の板面上を伝って前記斜
板と前記ベアリング部材との間に供給される。しかし、
これによっても焼付きが生じることがあり、これらの部
位への潤滑油の補給は十分でなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、運転
開始後の短時間内に斜板式圧縮機の前記スラストベアリ
ングまたは前記斜板と前記ベアリング部との間に潤滑油
を多量に導入することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】斜板式圧縮機は、ハウジ
ングと、該ハウジング内に収容されたシリンダブロック
および該シリンダブロックにその軸線方向へ移動可能に
保持された複数のピストンとを備える。前記シリンダブ
ロックにはその軸線方向に伸びるシャフトが回転可能に
支承されている。前記シャフトに斜板が取り付けられて
いる。前記斜板は、前記シリンダブロックに設けられた
空洞と各ピストンに設けられた窪みとが規定する空間に
受け入れられ、一対のスラストベアリングを介して前記
シリンダブロックに接している。前記シャフトはその端
面に開放する中空部と、前記シャフトの周面に開放しか
つ前記中空部に連なる一対の開口とを有する。前記シャ
フトの中空部は前記ハウジングに設けられた冷媒導入空
間に連なりまた各開口は各スラストベアリングに対向し
ている。また、前記シリンダブロックは、該シリンダブ
ロックの軸線方向に関する端面に形成され前記シリンダ
ブロックの下端から前記シャフトの端面に向けて伸びる
少なくとも1条の溝を有する。
【0010】前記シャフトの端面と前記シリンダブロッ
クの端面とは、前記ハウジング内に配置され該ハウジン
グと共同して前記冷媒導入空間を規定するバルブプレー
トに相対している。前記溝は例えば矩形の横断面形状を
有し、前記溝は約 2mmの幅寸法と、約 1mmの深さ寸法と
を有する。
【0011】
【発明の作用および効果】本発明によれば、斜板式圧縮
機の始動により前記複数のピストンがそれぞれ往復運動
を開始し、これにより、前記ハウジングの外部からその
内部に冷媒が吸引され、前記ハウジングの冷媒導入空間
を経て各シリンダ内に流入し、圧縮され、前記ハウジン
グの外部に吐出される。前記ハウジングの内部に流入し
た冷媒の一部は前記シャフトの端面からその中空部、そ
の開口および前記スラストベアリングを経て、ハウジン
グ内の他の流入冷媒に合流する。
【0012】前記冷媒の一部が前記シャフトの中空部を
通るとき、該中空部内の圧力が前記ハウジングの底部空
間における圧力より低下する。このため、前記ハウジン
グの底部に貯留された潤滑油が前記シリンダブロックの
端面に形成された前記溝を伝って引き上げられ、前記シ
ャフトの端面まで上昇する。前記シャフトの端面に達し
た潤滑油は、前記冷媒の一部を搬送媒体として、前記シ
ャフトの端面からその中空部およびその開口を経て前記
スラストベアリングに導かれる。さらに、前記スラスト
ベアリングに供給された潤滑油の一部は遠心力の作用に
より前記斜板上をその径方向外方へ伝い、前記斜板と前
記ベアリング部材との間に達しこれを潤滑する。これに
より、斜板式圧縮機の始動後の短時間内に前記ハウジン
グ底部のオイルパンに溜まっていた潤滑油の一部が前記
スラストベアリングまたは前記斜板と前記ベアリング部
材との間に連続的にまた多量に導入され、その結果、こ
れらの部位における焼付きの発生が防止される。
【0013】前記シャフトの端面と前記シリンダブロッ
クの端面とは、例えば、前記ハウジング内に配置され該
ハウジングと共同して前記冷媒導入空間を規定するバル
ブプレートに相対する。
【0014】前記溝の数量、幅寸法、深さ寸法、断面形
状等を変えることにより、前記ピストンの窪みへの潤滑
油の導入量を変更することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】図1および図2を参照すると、斜
板式圧縮機が全体に符号10で示されている。
【0016】斜板式圧縮機10は、ハウジング12と、
ハウジング12内に収容されたシリンダブロック14
と、シリンダブロック14に回転可能に支承されたシャ
フト15と、シャフト15に固定された斜板16と、シ
リンダブロック14に設けられシャフト15と平行に伸
びる複数(図示の例では5つ)のシリンダ17内にそれ
ぞれ配置された複数のピストン18とを備える。
【0017】ハウジング12は全体に円筒状の本体19
と、本体19の一端から突出して伸びる減径管部20
と、本体19の開放端部(他端部)に固定されこれを覆
うキャップ21とからなる。
【0018】ハウジング12の本体19は、その内部
に、2つの窪み22,24を有する。両窪み22,24
は本体19の頂部および底部にそれぞれ設けられ、本体
19の軸線方向に関する両端部間のほぼ中間に位置す
る。頂部の窪み22は、本体19に設けられたポート
(図示せず)を介してハウジング12内に導入される冷
媒の受入空間をなす。また、底部の窪み24は油受(オ
イルパン)をなす。これらの窪み22,24は、本体1
9内に密閉空間を画する後記バルブプレート34,36
間にあり、前記密閉空間内には前記潤滑油が封入されて
いる。前記潤滑油の液面は、斜板式圧縮機10の運転停
止時において、通常、シャフト15の下方の高さ位置に
ある。
【0019】ハウジングの本体19内に収容されシャフ
ト15の軸線方向へ伸びるシリンダブロック14は、本
体19の内壁面25に接し円筒面の一部を規定する両側
部28(図2)と、頂部30とを有する。各側部28と
頂部30とは、本体19の筒状の内壁面と共同して該本
体の上部にハウジング12の軸線方向へ伸びる前記冷媒
のための通路32を規定する。
【0020】シリンダブロック14に設けられた複数の
シリンダ17は、シャフト15の軸線の周りに互いに間
隔をおいて配置されている。各シリンダ17は、シャフ
ト15の軸線の方向へ伸びかつシリンダブロック14の
両端面で開放している。シリンダブロック14の両端面
は、それぞれ、一対のバルブプレート34,36を介し
て本体19の前記一端部側およびキャップ21に接して
いる。
【0021】本体19の一端部側すなわち減径管部20
側の一方のバルブプレート34には、各シリンダ17
と、本体19の前記一端部側に設けられた2つの同心的
な環状空間38,40とにそれぞれ連通する2つの孔4
2,44が設けられている。また、キャップ21側の他
方のバルブプレート36には、各シリンダ17と、キャ
ップ21に設けられた2つの環状空間46,48とにそ
れぞれ連通する2つの孔50,52が設けられている。
各バルブプレート34,36の両側には、各孔42,4
4,50,52に関し、各バルブプレート34,36に
接する板ばね製の逆止弁が配置されている。
【0022】前記冷媒は、各バルブプレート34,36
とシリンダブロック14との間の前記逆止弁(内側の逆
止弁)の作用により、内側の環状空間38,46から各
シリンダ内への一方向の流動が可能とされ、また、各バ
ルブプレート34,36とハウジング12の前記一端部
およびキャップ21のそれぞれとの間の前記逆止弁(外
側の逆止弁)の作用により各シリンダから外側の環状空
間40,48への一方向の流動が可能とされている(後
の説明の便宜のため、キャップ21側の逆止弁であって
バルブプレート36とシリンダブロック14との間に配
置された逆止弁53のみを図3に示す。)。
【0023】各シリンダ17内の各ピストン18の軸線
方向への往復運動により、斜板式圧縮機10とともに自
動車用空調システムの一部をなす蒸発器(図示せず)か
ら送り出された冷媒がハウジング12の頂部の窪みすな
わち空間22へ導入され、空間22からこれに連通する
各通路32を経て内側の環状空間38,46に至り、さ
らに、各環状空間38,46から各バルブプレート3
4,36の各孔42,50を経て各シリンダ17内に吸
引される。
【0024】各ピストン18の前記往復運動により圧縮
された各シリンダ17内の冷媒は、バルブプレート3
4,36の各孔44,52を経て外側の環状空間40,
48に押し出される。両環状空間40,48は、シリン
ダブロック14をその軸線方向に貫通する孔に通された
管54(図2)を介して互いに連通しており、両環状空
間40,48内の圧縮冷媒は、一方の空間48に連なる
ポート56を経て斜板式圧縮機10の外部に吐出され
る。吐出された圧縮冷媒は、前記空調システムの一部を
なす凝縮器(図示せず)に送られる。
【0025】キャップ21には、また、環状空間46に
取り囲まれた空間55が設けられている。空間55は、
キャップ21側のバルブプレート36に設けられた孔5
7と連通している。孔57は、逆止弁53により塞がれ
ている。この空間55に前記冷媒が導入されると、導入
圧力を受けて弾性変形する逆止弁53を経て、シャフト
15の端面61から後記中空部63に至る。
【0026】また、シリンダブロック14は、各シリン
ダ17に連なる該シリンダの軸線方向へ伸びる長孔58
(図1)を有する。各孔58は各シリンダ17の軸線方
向におけるほぼ中央部に位置し、シリンダブロック14
の周面に開放している。シリンダブロック14は、軸線
方向に互いに突き合わされた一対のブロック部59から
なり、両ブロック59が共同して各孔58を規定してい
る。
【0027】シャフト15は、ハウジングの減径管部2
0を経てシリンダブロック14をその軸線に沿って貫通
して伸び、一対のラジアルベアリング60を介して、シ
リンダブロック14に回転可能に支承されている。減径
管部20と反対の側のシャフト15のキャップ21側の
端面61は、シリンダブロック14の端面とほぼ同じ面
内にあり、バルブプレート36、より詳細には逆止弁5
3に相対している。
【0028】シャフト15はその端面61に開放する中
空部63と、中空部63に連なる一対の開口65とを有
する。中空部63は端面61からシャフト15の長手方
向へ、該シャフトのほぼ半分の長さに相当する距離を伸
びる。各開口65は、シャフト15の周面に開放し、後
記各スラストベアリング66に対向している。より詳細
には、スラストベアリングの両レースの間のころに相対
している。
【0029】シャフト15は、車載エンジン(図示せ
ず)の回転動力を受けて回転される。シャフト15の回
転運動は、斜板16を介して、各ピストン18の往復運
動に変換される。
【0030】斜板16は、シャフト15に通されかつこ
れに固定されたボス部62と、ボス部62から伸びる円
板部64とからなる。ボス部62は両ブロック部59間
に配置され、また、ボス部62と各ブロック部59との
間にスラストベアリング66が配置されている。
【0031】斜板16は、シリンダブロックの両ブロッ
ク部59が互いに共同して規定する空洞68と、各ピス
トン18に設けられた窪み70とが規定する空間に受け
入れられている。より詳細には、斜板のボス部62がシ
リンダブロックの空洞68に受け入れられ、円板部64
が各シリンダの窪み70内に受け入れられている。空洞
68にはスラストベアリング66が位置し、各窪み70
内には、円板部64の各面に接する円板状のシュー72
と、シュー72と窪み70を規定する壁面とに回転可能
に保持されたボール74(ベアリング部材)とが配置さ
れている。円板部64は、これらのシュー72およびボ
ール74を介して、各ピストン18に接している。
【0032】斜板の円板部64はシャフト15に対して
傾斜している。すなわち、円板部64はシャフト15に
対して90度以外の交差角度をなしている。このため、
斜板16がシャフト15と共に回転するとき、円板部6
4の周方向に関する任意の部位の位置が、シャフト15
の軸線方向に関して変化する。
【0033】このことから、斜板16が回転するとき、
その円板部64に接する各ピストン18は該円板部によ
り各ピストンの軸線方向に強制的に変位され、これによ
り往復運動をする。
【0034】各ピストン18は、また、その周面に開放
しかつその周方向へ伸びる周溝73を有する。各ピスト
ンの周溝73は、各ピストンの窪み70と連通してい
る。また、各周溝73はシリンダブロック14の周面に
開口する各孔58に面している。このため、各ピストン
15が各シリンダ17内を往復運動をするとき、各ピス
トンの周溝73は各孔58と連通関係におかれる。した
がって、冷媒受入空間22内の冷媒の一部はピストンの
窪み70、シリンダブロックの空洞68および油受24
内を流動し、このとき流動冷媒に搬送される潤滑油の蒸
気がスラストベアリング66や、シュー72およびボー
ル74に付着する。
【0035】ところで、図示の例のように、下方に位置
する2つのピストン(第1のピストン)18およびこれ
を受け入れるシリンダ(第1のシリンダ)17が前記潤
滑油の液面の下方にある場合、これらの2つの第1のピ
ストン18の窪み70の一部は前記潤滑油で満たされて
おり、したがって、この場合にはこれらの窪み70内の
各シュー72およびボール74への潤滑油の補給は必要
でない。前記潤滑油の液面の下方に位置することとなる
ピストン18の数量は、ピストン18の総数、直径等に
より異なる。
【0036】他方、上方位置にある残りの3つのピスト
ン18の窪み70内のシュー72およびボール74につ
いては、斜板16の一部すなわち円板部64の先端部分
が前記潤滑油の一部に浸っているため、斜板式圧縮機1
0の始動により斜板16が回転されるときに潤滑され
る。さらに、斜板式圧縮機10の始動後に発生する前記
潤滑油の蒸発成分がラジアルベアリング60と、シュー
72および円板部64の接触部とを潤滑する。しかし、
十分な潤滑とはいえない。
【0037】この潤滑の不足を補うため、シリンダブロ
ック14の端面、より詳細にはキャップ21に相対する
一方のブロック部59の端面75に少なくとも1条の溝
76が設けられている。この溝76を介して、スラスト
ベアリング66と、前記上方位置の3つのピストンすな
わち最上方のピストン(第2のピストン)18およびそ
の下方の高さ位置にある2つのピストン(第3のピスト
ン)18におけるシュー72および円板部64の接触部
に潤滑油を補給することができる。
【0038】溝76は、前記一方のブロック部59の下
端からシャフトの端面61に向けて、より詳細にはシャ
フトの端面61の中心部へ向けて放射状に伸びる。すな
わち、溝76は、前記潤滑油の液面より下方の位置から
ブロック部59の端面75を上方へ伸び、ラジアルベア
リング60の配置空間に開放している。
【0039】溝76は、油受24に溜まった前記潤滑油
のための通路を規定し、前記潤滑油は、斜板式圧縮機1
0の始動に伴って、前記冷媒の一部がキャップ21の空
間55からシャフト15の中空部63へ流動するときに
発生する負圧の作用により、溝76を伝って上方へ流動
する。
【0040】溝76を上方へ流動する前記潤滑油は、前
記負圧作用のため、溝76の上部開放端からシャフト1
5の端面61を経てその中空部63内に引き込まれ、前
記冷媒を搬送媒体として中空部63および各開口65を
経て各スラストベアリング66に至る(実線および点線
で示す矢印参照)。各スラストベアリング66は、この
ようにして搬送された潤滑油により潤滑される。溝76
を流れる前記潤滑油は、途中、ラジアルベアリング60
をも潤滑する。
【0041】各スラストベアリング66を潤滑した潤滑
油は、遠心力の作用により、さらに斜板16の円板部6
4上をその放射方向外方に伝い、シュー72およびボー
ル74を濡らしこれらを潤滑する。この遠心作用による
潤滑は、前記2つのピストン(第1のピストン)18お
よびこれを受け入れるシリンダ(第1のシリンダ)17
が前記潤滑油の液面より上方にある場合におけるこれら
のピストンおよびシリンダに適用された下方位置のシュ
ー72およびボール74に対しても及ぼされる。潤滑後
の前記潤滑油はその後油受24に落下する。
【0042】このようにして、スラストベアリング66
の内部、シュー72とボール74との間、および、シュ
ー72と円板部64との間に潤滑油が補給される。しか
も、溝76を介しての潤滑油の供給は絶え間なく続くこ
とから、斜板圧縮機10の始動直後から、これらの部分
が十分に潤滑される。その結果、斜板圧縮機の始動後の
短時間内における潤滑油不足を補い、潤滑油の補給不足
に伴うこれらの部分の焼付きおよび斜板圧縮機10の運
転停止を防止することができる。
【0043】図示の溝76は矩形の横断面形状を有す
る。溝76の幅寸法a(図4)は約 2mmでありかつその
深さ寸法bは約 1mmである。このような寸法に設定する
とき、溝76に沿っての前記潤滑油の吸い上げ効率が最
も良い。
【0044】前記溝の横断面形状は、前記矩形に代え
て、例えば三角形、半円形等とすることができる。ま
た、1の溝76に代えて、互いに間隔をおいて平行に伸
びる複数条の溝または互いに放射方向へ伸びる複数条の
溝を設けることができる。前記溝は、直線的に伸びる図
示の例に代えて、円弧のような曲線を描いて伸びるもの
であってもよい。さらに、前記溝の横断面形状、前記溝
の幅寸法、深さ寸法、複数の溝を設ける場合の溝相互の
間隔等は、前記溝を伝う潤滑油の吸い上げ効率を考慮し
て定めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の斜板式圧縮機の縦断面図である。
【図2】図1の線2−2に沿って得た横断面図である。
【図3】シャフトおよびシリンダブロックの各端面の近
傍を拡大して示す部分断面図である。
【図4】溝の拡大断面図である。
【符号の説明】
10 斜板式圧縮機 12 ハウジング 14 シリンダブロック 15 シャフト 16 斜板 18 ピストン 24 油受(オイルパン) 55 冷媒導入空間 61,75 シャフトの端面およびシリンダブロックの
端面 63,65 シャフトに設けられた中空部および開口 66 スラストベアリング 76 溝

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジングと、 前記ハウジング内に収容されたシリンダブロックおよび
    該シリンダブロックにその軸線方向へ移動可能に保持さ
    れた複数のピストンと、 前記シリンダブロックに回転可能に支承され該シリンダ
    ブロックの軸線方向へ伸びるシャフトと、 前記シリンダブロックに設けられた空洞と各ピストンに
    設けられた窪みとが規定する空間に受け入れられかつ前
    記シャフトに固定され該シャフトと共に回転可能である
    斜板であって一対のスラストベアリングを介して前記シ
    リンダブロックに接する斜板とを含み、 前記シャフトがその端面に開放する中空部と、前記シャ
    フトの周面に開放しかつ前記中空部に連なる一対の開口
    とを有し、前記シャフトの中空部が前記ハウジングに設
    けられた冷媒導入空間に連なりまた前記シャフトの各開
    口が各スラストベアリングに対向しており、また、前記
    シリンダブロックが、該シリンダブロックの軸線方向に
    関する端面に形成され前記シリンダブロックの下端から
    前記シャフトの端面に向けて伸びる少なくとも1条の溝
    を有する、斜板式圧縮機。
  2. 【請求項2】 前記シャフトの端面と前記シリンダブロ
    ックの端面とが、前記ハウジング内に配置され該ハウジ
    ングと共同して前記冷媒導入空間を規定するバルブプレ
    ートに相対する、請求項1に記載の斜板式圧縮機。
  3. 【請求項3】 前記溝は矩形の横断面形状を有する、請
    求項1に記載の斜板圧縮機。
  4. 【請求項4】 前記溝が約 2mmの幅寸法と、約 1mmの深
    さ寸法とを有する、請求項3に記載の斜板圧縮機。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6277418B1 (en) * 1998-06-02 2001-08-21 Baylor College Of Medicine Corn extract contraceptive
WO2002055880A1 (fr) * 2001-01-15 2002-07-18 Kabushiki Kaisha Toyota Jidoshokki Compresseur a came plate
KR100594334B1 (ko) * 2001-12-06 2006-07-03 가부시키가이샤 도요다 지도숏키 고정용량형 피스톤식 압축기에 있어서의 윤활구조

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