JP3928832B2 - 可変容量型圧縮機 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は車両空調用に供して好適な可変容量型圧縮機に係り、詳しくは吸入室とクランク室とを連通する抽気通路を備えた可変容量型圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、吐出容量を変化させることのできる可変容量型圧縮機として、軸心まわりに複数のボアを並設したシリンダブロックと、シリンダブロックの軸孔内に嵌挿支承された駆動軸と、クランク室内で駆動軸に傾角変位可能に支持された斜板と、斜板に連係されてボア内を直動するピストンと、吸入室及び吐出室を有してシリンダブロックの端面を閉塞するハウジングと、クランク室と吸入室とを常時連通する抽気通路と、クランク室と吐出室とを連通する給気通路と、その給気通路を開閉するための容量制御弁とを備えたものが知られている。
【0003】
この圧縮機では、吸入室圧力が設定値以下になったときは、その圧力に応答する容量制御弁が給気通路を開放し、同吸入室圧力が設定値以上になったときは、同容量制御弁が給気通路を閉鎖する。
したがって、容量制御弁が給気通路を閉鎖した圧縮機の全容量運転時には、ボア内の圧縮室からクランク室へブローバイされる冷媒ガスは抽気通路を経て常に吸入室へ還流され、クランク室圧力と吸入室圧力との差圧はごく小さな値に保たれて、斜板は最大傾角に維持されている。そして熱負荷の低下とともに吸入室圧力が設定値を下回ると、容量制御弁が開かれて吐出室からクランク室へ高圧の冷媒ガスが供給され、クランク室圧力を上昇させる。すなわち、クランク室圧力と吸入室圧力との差圧が大きくなって斜板の傾角は次第に縮小され、圧縮機の吐出容量は低減される。その後、かかる低容量運転の継続によって熱負荷が再び上昇に転じ、吸入室圧力が設定値を上回るのに伴って容量制御弁が閉鎖されると、上記抽気通路を経由する冷媒ガスの還流によりクランク室圧力の低下、つまり回転斜板の傾角が復活される。こうして吸入室圧力に応じてクランク室圧力が調整され、これに基づいて斜板傾角が変位して吐出容量が可変とされる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
さて、上述したように、上記可変容量型圧縮機においては、低容量運転への移行がクランク室へ積極的に吐出冷媒ガスを供給することにより達成される一方で、クランク室の冷媒ガスは抽気通路を介して吸入室へ常時還流可能となされている。かかる制御方式においては、抽気通路の断面積が大きくなると、低容量運転移行時におけるクランク室への供給ガス量が抽気通路の断面積に比例して増大するため、低容量運転移行のために使われる無駄な冷媒ガス量が増大し、結果的に大きな動力損失を招くことになる。したがって、低容量運転移行時に少ない供給ガス量でクランク室圧力を効果的に上昇させて上記動力損失を少なくするためには、抽気通路の断面積を小さく設定する必要がある。
【0005】
ところが、抽気通路の断面積を小さくすると、冷媒ガス中に含まれるスラッジ等の異物が詰まることによって抽気通路としての機能を全く果たさなくなるおそれがある。
また、上記可変容量型の圧縮機においては、吸入室とクランク室とを連通する抽気通路は、通常シリンダブロックに貫設されている。そして、圧縮機の軽量化要求から、近年ではシリンダブロック材、ピストン材としてアルミ合金が使用されるようになったが、アルミ合金からなるシリンダブロック材に抽気通路としての小径の絞り孔をドリル加工する場合には、切粉が刃部に絡みつくため、加工精度や生産性を低下させるといった問題もある。
【0006】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、上記動力損失を抑えつつ、異物の詰まりの問題や加工精度等の低下の問題を解消しうる可変容量型圧縮機を提供することを解決すべき技術課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
(1)請求項1記載の可変容量型圧縮機は、軸心まわりに複数のボアを並設したシリンダブロックと、該シリンダブロックの軸孔内に嵌挿支承された駆動軸と、クランク室内で該駆動軸と共に回転し、かつ該駆動軸に傾角変位可能に支持された斜板と、該斜板に連係されて該ボア内を直動するピストンと、吸入室及び吐出室を有して該シリンダブロックの端面を閉塞するハウジングと、該クランク室と該吸入室とを連通する抽気通路と、該クランク室と該吐出室とを連通する給気通路と、該給気通路に配設され、該クランク室圧力の調整に基づいて該斜板の傾角を変位させて吐出容量を制御する容量制御弁とを備えた可変容量型圧縮機において、
上記抽気通路には上記駆動軸の回転に連動して作動する弁体が配設され、該抽気通路は該駆動軸の回転に伴う該弁体の作動により断続的に開通可能とされていることを特徴とするものである。
【0008】
この可変容量型圧縮機では、クランク室と吸入室とを連通する抽気通路が駆動軸の回転に伴う弁体の作動により断続的に開通可能とされていることから、抽気通路を介するクランク室から吸入室への冷媒ガスの還流量は、弁体により抽気通路が閉鎖される分だけ減少し、駆動軸の回転数に応じた抽気通路の開通回数によって決定される所定量とされる。このため、スラッジ等の異物が詰まることを防止することができ、かつ、加工精度や生産性を確保することができる程度に抽気通路の断面積を大きくした場合であっても、低容量運転移行時におけるクランク室への供給ガス量の増加を上記還流量の減少分だけ減らすことができ、したがって低容量運転移行のために使われる無駄な冷媒ガス量の増加による動力損失の増大を抑えることが可能となる。
(2)請求項2記載の可変容量型圧縮機は、請求項1記載の可変容量型圧縮機において、前記弁体は前記駆動軸と同期回転可能な回転弁であり、
上記回転弁は、一端が閉鎖されるとともに他端が該回転弁の端面に開口して前記吸入室に常時通じる中心孔と、該中心孔の該一端側から半径方向外方に該回転弁の外周面まで延設され、前記クランク室から延びる前記抽気通路と該中心孔とを該回転弁の回転に伴い断続的に連通させる連通孔とを有していることを特徴とするものである。
【0009】
この可変容量型圧縮機では、回転弁が駆動軸と同期回転することに伴い、吸入室に常時通じる中心孔とクランク室から延びる抽気通路とが連通孔により断続的に連通される。このため、クランク室と吸入室とを連通する抽気通路が駆動軸の回転に伴う回転弁の回転により断続的に開通される。
(3)請求項3記載の可変容量型圧縮機は、請求項2記載の可変容量型圧縮機において、前記シリンダブロックは各前記ボアと前記回転弁を収容するバルブ収容室とをそれぞれ連通する複数の導通路を有し、
前記回転弁は、吸入行程にある各ボアの上記導通路と前記中心孔とを順次連通させる吸入案内溝を有し、吸入弁としての機能を併せ持つことを特徴とするものである。
【0010】
この可変容量型圧縮機では、クランク室と吸入室とを断続的に開通させる回転弁が、吸入室から吸入行程にある各ボア内へ冷媒ガスを導入する吸入弁としての機能を併せ持つ。すなわち、駆動軸と同期して回転弁が回転すると、吸入室の冷媒ガスが回転弁の中心孔及び吸入案内溝、並びに吸入行程にある各ボアの導通路を介して順次各ボア内に吸入される。こうして、各ボアでは冷媒ガスの吸入作用が円滑かつ安定して継続され、冷媒ガスの圧縮を行うことが可能である。このため、この圧縮機では、圧力損失がきわめて小さくなり、十分な体積効率を維持できる。
(4)請求項4記載の可変容量型圧縮機は、請求項1記載の可変容量型圧縮機において、前記駆動軸の端面には前記軸心から偏心した位置に該軸心と平行に延びる係合突部が突設され、前記弁体は該駆動軸の回転に伴い該駆動軸に対して軸直角方向に往復動可能となるように該係合突部に連結された往復弁体であり、
上記往復弁体は、上記往復動の方向に対して直交する軸直角方向に長く延び上記係合突部に摺動可能に係合された係合長穴を有する被係合部と、前記抽気通路を遮断するように該被係合部から上記往復動の方向に一体的に延設され、上記往復動に伴い該抽気通路に断続的に通じる通孔を有する開閉部とからなることを特徴とするものである。
【0011】
この可変容量型圧縮機では、駆動軸が回転すると、該駆動軸の係合突部に連結された往復弁体が該駆動軸に対して軸直角方向に往復動する。すなわち、駆動軸の回転により、該駆動軸の端面に軸心から偏心した位置に突設された係合突部が該軸心を中心として回転する。このとき、この係合突部は回転しつつ被係合部の係合長穴内で該係合長穴に沿って長手方向に往復動する。これにより、係合突部の回転力が往復弁体を直動させる力として被係合部に作用し、その結果往復弁体は、係合長穴の長手方向に対して直交する軸直角方向に往復動する。そして、前記抽気通路を遮断するように被係合部から延設された開閉部が往復動することにより、該開閉部に設けられた通孔がこの往復動に伴い抽気通路を断続的に開通させる。
(5)請求項5記載の可変容量型圧縮機は、請求項1記載の可変容量型圧縮機において、吐出ガスを冷媒の超臨界圧力で吐出することを特徴とするものである。
【0012】
吐出ガスを冷媒の超臨界圧力で吐出する超臨界サイクルの冷房装置に用いられる圧縮機においては、吐出圧力が高いため、抽気通路の断面積をより小さく設定する必要があり、したがって異物の詰まりの問題や加工精度等の低下の問題がより顕著となる。
この点、この可変容量圧縮機では、弁体の作動により抽気通路を断続的に開通可能とすることができることから、圧縮機が吐出ガスを冷媒の超臨界圧力で吐出する場合であっても、上記動力損失を抑えつつ、異物の詰まりの問題や加工精度等の低下の問題を解消することが可能となる。
(6)請求項6記載の可変容量型圧縮機は、請求項5記載の可変容量型圧縮機において、前記冷媒は二酸化炭素であることを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面を参照しつつ説明する。
(実施形態1)
図1に示す本実施形態の可変容量型圧縮機1は、車両空調用の冷房装置であって、超臨界サイクルの冷房装置に供するものである。すなわち、かかる冷房装置は、圧縮機1、図示しない放熱用熱交換器としてのガスクーラ、絞り手段としての膨張弁、吸熱用熱交換器としての蒸発器及び気液分離器としてのアキュムレータが直列接続された閉回路からなり、圧縮機の吐出圧力(該回路の高圧側圧力)が該回路を循環する冷媒の超臨界圧力となるように作動する。そして、冷媒として、二酸化炭素(CO2 )が用いられている。なお、冷媒としては、二酸化炭素(CO2 )の他に、エチレン(C2 H4 )、デイボラン(B2 H6 )、エタン(C2 H6 )や酸化窒素等を採用することもできる。
【0014】
この圧縮機1では、シリンダブロック10の前端側にフロントハウジング11が接合され、シリンダブロック10の後端側に弁板12等を挟持してリアハウジング13が接合されている。フロントハウジング11とシリンダブロック10とによって形成されるクランク室14内には、一端がフロントハウジング11から延出されて図示しない電磁クラッチのアーマチュアに固定される駆動軸15が収容され、駆動軸15はフロントハウジング11及びシリンダブロック10の軸孔との間に設けられた軸封装置及びラジアル軸受によって回転可能に支持されている。また、シリンダブロック10には駆動軸15を取り囲む位置に6個のボア10a〜10fが穿設されており、各ボア10a〜10fにはピストン16がそれぞれ収容されている。
【0015】
クランク室14内において、駆動軸15にはロータ18がフロントハウジング11との間にスラスト軸受を介して駆動軸15と同期回転可能に固着され、ロータ18の後方にはヒンジ機構19により回転斜板20がロータ18と同期回転可能に係留されている。また、クランク室14内における駆動軸15の周面にはスリーブ21が摺動可能に設けられており、スリーブ21に突設された枢軸21aに回転斜板20が揺動可能に係留されている。この回転斜板20にはスラスト軸受22等を介して揺動斜板23が係留されており、揺動斜板23にはフロントハウジング11の回り止め溝11a内を軸方向にのみ摺動可能な図示しない回り止めピンが固着されている。揺動斜板23と各ピストン16との間にはロッド24が係留されており、これにより各ピストン16は各ボア10a〜10f内を揺動斜板23の傾角に応じて往復動可能になされている。
【0016】
スリーブ21とシリンダブロック10側の駆動軸15に固定されたサークリップとの間には押圧ばね25が装備されている。そして、この押圧ばね25により回転斜板20はロータ18と当接可能になされ、これにより揺動斜板23は起動時等には最大傾角に維持されている。また、押圧ばね25が最も縮小された状態で揺動斜板23は最小傾角に維持可能になされている。
【0017】
リアハウジング13には、中央においてリア側端面に開口するとともにシリンダブロック10の後述するバルブ収容室30と連通する吸入室26が設けられており、この吸入室26の外方域には吐出室27が形成されている。そして、各ピストン16の端面が各ボア10a〜10fとの間で形成する各圧縮室と吐出室27とは、弁板12に形成された各吐出孔12aにより連通されており、各吐出孔12aは吐出室27側においてリテーナ28aによって開度が規制される吐出弁28によって開閉可能になされている。
【0018】
シリンダブロック10の後端、弁板12、吐出弁28、リテーナ28a及びリアハウジング13の前端には、シリンダブロック10の軸孔と同軸的に連ねるように円柱状のバルブ収容室30が形成されている。また、シリンダブロック10の後端面には、各ボア10a〜10fの頂部とバルブ収容室30とを導通する6個の導通路31が放射状に形成されている(図3参照)。バルブ収容室30の前方側は、シリンダブロック10の前端面まで延びてクランク室14に開口する抽気通路32に通じる一方、バルブ収容室30の後方側は、リアハウジング13の吸入室26に通じている。つまり、バルブ収容室30と抽気通路32とによって、クランク室14と吸入室26とが連通されている。ここに、この圧縮機1では、クランク室14から延びる抽気通路32の断面積が、スラッジ等の異物が詰まることを防止することができ、かつ、加工精度や生産性を確保することができる程度に設定されている。また、後述する回転弁40の中心孔42及び連通孔43の断面積は、抽気通路32の断面積と同等以上とされている。
【0019】
そしてバルブ収容室30には円柱状の回転弁40が収嵌され、この回転弁40はバルブ収容室30の前端まで延びた駆動軸15の後端に口金41を介して相対回転不能に結合されている。回転弁40は、一端(圧縮機1の前方側の端)が閉鎖されるとともに他端(圧縮機1の後方側の端)が回転弁40の後端面に開口して吸入室26に常時通じる中心孔42と、この中心孔42の該一端から半径方向外方に回転弁40の外周面まで延設され、クランク室14から延びる前記抽気通路32と該中心孔42とを該回転弁40の回転に伴い断続的に連通させる一つの連通孔43と、該中心孔42の該他端側に連なり、かつ各導通路31と整合する限定周域Hに拡開されて吸入行程にある各ボア10a〜10fの導通路31と該中心孔42とを順次連通させる吸入案内溝44とを有している(図2及び図3参照)。そして給気案内溝44が吸入行程にある各ボア10a〜10fの導通路31と対向する間、中心孔42を介して吸入室26と当該各ボア10a〜10fとが連通して、この回転弁40は吸入弁として機能するようになされている。
【0020】
なお、吸入室26は冷房装置の冷凍回路を構成するアキュムレータに配管を介して接続され、吐出室27は冷房装置の冷凍回路を構成するガスクーラに配管を介して接続されている。
さらに、シリンダブロック10、弁板12、吐出弁28、リテーナ28a及びリアハウジング13には、クランク室14と吐出室27とを連通する給気通路33が形成されており、リアハウジング13内には給気通路33の途中に容量制御弁34が装備されている。そして、この容量制御弁34により、吸入圧力が設定圧力よりも低下すると、上記給気通路33が開放され、吐出室27から高圧の吐出ガスがクランク室14内に供給されるようになされている。したがって、容量制御弁30により、冷房負荷に基づいて制御されるクランク室圧力と吸入室圧力との差圧に応じて、ピストン16のストローク及び揺動斜板23の傾角が変化し、吐出容量が制御される。
【0021】
本実施形態の圧縮機1は上述のように構成されており、駆動軸15が回転されて、ロータ18及び斜板20の回転運動が揺動板23の前後揺動運動に変換され、コンロッド24を介して複数のピストン16が異なるタイミングで順次往復動されると、駆動軸15に結合された回転弁40もかかるピストン16の動きに同調して回転する。すなわち、ピストン16の一つが吸入行程に入ると、図3に示す回転方向に関して、吸入案内溝44の先行側の壁面44aがそれまで閉鎖されていた当該ボア(例えば10b)の導通路31を開放する向きに通過し、その結果吸入室26から該回転弁40の中心孔42、吸入案内溝44及び導通路31を経て当該ボア10bに冷媒ガスが吸入される。また、吸入行程の終了時には、該吸入案内溝44の後行側の壁面44bが導通路31を閉鎖する向きに通過して、当該ボア10aへの冷媒ガスの吸入が停止される。そして当該ボア10b内のピストン16が進動する吐出行程中は、回転弁40の外周面が当該ボア10bの導通路31を閉鎖状態に保持し、圧縮された冷媒ガスは吐出孔12aから吐出弁28を押し開いて吐出室27に吐出される。
【0022】
このように駆動軸15の回転によりピストン16が吸入行程にある間、冷媒ガスは、吸入室26から回転弁44の中心孔42、吸入案内溝44及び導通路31を経て当該ボアに吸入されるため、冷媒ガスの吸入作用が円滑かつ安定して継続され、冷媒ガスの圧縮を行うことが可能である。このため、この圧縮機1では、圧力損失がきわめて小さく、十分な体積効率を維持できる。
【0023】
そして、冷媒として二酸化炭素を使用する本実施形態に係る圧縮機1においては、前述したように吐出圧力が高いことから、抽気通路32の断面積との関係で、低容量運転移行時におけるクランク室14への吐出ガスの供給に伴う動力損失を抑制すること、及び異物の詰まりの問題や加工精度等の低下の問題の発生を解消することの双方を両立させることが困難となる。
【0024】
この点、この圧縮機1では、クランク室14と吸入室26とを連通する抽気通路32が駆動軸15の回転に伴う回転弁40の作動により断続的に開通可能とされている。すなわち、回転弁40が駆動軸15と同期回転することに伴い、吸入室26に常時通じる中心孔42とクランク室14から延びる抽気通路32とが連通孔43により断続的に連通される。詳細には、駆動軸15が一回転する度に、回転弁40の連通孔43が抽気通路32に一回通じる。これにより、該抽気通路32が断続的に開通され、該抽気通路32、連通孔43及び中心孔42を介して、クランク室14から吸入室26へ冷媒ガスが断続的に流出する。このため、この抽気通路32等を介するクランク室14から吸入室26への冷媒ガスの還流量は、回転弁40により抽気通路32が閉鎖される分だけ減少し、駆動軸15の回転数に応じた抽気通路32の開通回数によって決定される所定量とされる。したがって、スラッジ等の異物が詰まることを防止することができ、かつ、加工精度や生産性を確保することができる程度に抽気通路32の断面積を大きくした場合であっても、低容量運転移行時におけるクランク室14への供給ガス量の増加を上記還流量の減少分だけ減らすことができ、その結果低容量運転移行のために使われる無駄な冷媒ガス量の増加による動力損失の増大を抑えることが可能となる。よって、圧縮機1が吐出ガスを冷媒の超臨界圧力で吐出する場合であっても、上記動力損失を抑えつつ、異物の詰まりの問題や加工精度等の低下の問題を解消することが可能となる。
【0025】
(実施形態2)
図4に示す本実施形態の可変容量型圧縮機1’は、駆動軸15の回転に連動して作動する弁体として、回転弁40の代わりに往復弁体50を採用したものである。
この圧縮機1’では、各ピストン16の端面が各ボア10a〜10fとの間で形成する各圧縮室と吸入室26とは、弁板12に形成された各吸入孔12bにより連通されており、各吸入孔12bは、弁板12とシリンダブロック10との間に介在されたリード弁式の吸入弁29によって開閉可能になされている。
【0026】
また、シリンダブロック10の後端には、シリンダブロック10の軸孔と連なるるようにバルブ収容室30’が形成されている。このバルブ収容室30’は、駆動軸15と同軸的に形成された円形室30aと、この円形室30aから連続的に下方に延びる矩形室30bとからなり、矩形室30bには、クランク室14と吸入室26とを連通する抽気通路32が開口している(図5参照)。
【0027】
そして、バルブ収容室30’には、駆動軸15に対して軸直角方向(図4及び図5の上下方向)に往復動可能に連結された往復弁体50が収容されている。具体的には、バルブ収容室30’の前端まで延びた駆動軸15の後端面には、軸心から最も偏心した位置(係合突部15aが駆動軸15よりも径方向外方に突出しない範囲内で)に該軸心と平行に延びる係合突部15aが突設されている。なお、この係合突部15aの後端はバルブ収容室30’の後端まで延びている。一方、上記往復弁体50は、上記往復動の方向(図4及び図5の上下方向)に対して直交する軸直角方向に長く延び上記係合突部15aに摺動可能に係合された係合長穴51aを有する楕円形状の被係合部51と、前記抽気通路32を遮断するように該被係合部51から上記往復動の方向に一体的に延設され、上記往復動に伴い該抽気通路32に断続的に通じる通孔52aを有する矩形状の開閉部52とからなる。
【0028】
ここに、往復弁体50がバルブ収容室30’内で上記往復動方向に往復動可能となるように、往復弁体50の被係合部51の長軸はバルブ収容室30’の円形室30aの直径よりも若干小さくされており、また往復弁体50の開閉部52はバルブ収容室30’の矩形室30b内で摺動可能とされている。また、駆動軸15の往復弁体50の係合長穴51aの長手方向長さは駆動軸15の外径と同等とされ、また係合長穴51aの幅は係合長穴51a内を係合突部15aが摺動可能となるように設定されている。さらに、往復弁体50の通孔52aの孔径は抽気通路32の孔径と同等とされている。また、抽気通路32は、往復弁体52の通孔52aと通じている間以外は、往復弁体50の開閉部52により遮断される位置に開口している。
【0029】
他の構成は、上記実施形態1と同様である。
この可変容量型圧縮機1’では、駆動軸15が回転すると、駆動軸15の係合突部15aに連結された往復弁体50が駆動軸15に対して軸直角方向に往復動する。すなわち、駆動軸15の回転により、駆動軸15の後端面に軸心から偏心した位置に突設された係合突部15aが該軸心を中心として回転する。このとき、この係合突部15aは回転しつつ往復弁体50の被係合部51の係合長穴51a内で係合長穴51aに沿って長手方向に往復動する。これにより、係合突部15aの回転力が往復弁体50を直動させる力として被係合部51に作用し、その結果往復弁体50は、係合長穴51aの長手方向に対して直交する軸直角方向に往復動する。そして、抽気通路32を遮断するように被係合部51から延設された開閉部52が往復動することにより、該開閉部52に設けられた通孔52aがこの往復動に伴い抽気通路32を断続的に開通させる。
【0030】
詳細には、図5(a)の状態では、係合突部15a及び往復弁体50は最上位置にあり、このとき係合突部15aは係合長穴51aの中央に位置しており、また通孔52bは抽気通路32よりも上方にずれた位置にあり該抽気通路32は開閉部52で遮断されている。そして、駆動軸15が1/4回転して図5(b)の状態になると、係合突部15aも同期的に1/4回転しつつ係合長穴51a内を摺動して係合長穴51aの一端まで移動する。これにより、往復弁体50は図5の下方に移動し、開閉部52の通孔52aが抽気通路32に通じる。さらに駆動軸15が1/4回転して図5(c)の状態になると、係合突部15aも同期的に1/4回転しつつ係合長穴51a内を摺動して係合長穴51aの中央まで戻る。これにより、往復弁体50は図5の下方にさらに移動し、開閉部52の通孔52aは抽気通路32よりも下方にずれ、該抽気通路32は開閉部52で遮断される。そして、図5(c)の状態から駆動軸15がさらに半回転すると、通孔52aが抽気通路32と通じる状態を経て、再び図5(a)の状態に戻る。このように駆動軸15が一回転する度に抽気通路32は通孔52aと2回通じる。これにより、該抽気通路32が断続的に開通され、該抽気通路32及び通孔52aを介して、クランク室14から吸入室26へ冷媒ガスが断続的に流出する。
【0031】
したがって、本実施形態の圧縮機1’も上記実施形態1と同様の作用効果を奏する。
なお、上述の実施形態では、冷媒として二酸化炭素を用いた超臨界サイクルの冷房装置に適用する例について説明したが、本発明の圧縮機は冷媒としてフロン系冷媒等を用いる亜臨界サイクルの冷房装置に適用しうることは勿論である。
【0032】
また、本発明は可変容量型圧縮機に係るものだが、固定容量型圧縮機の抽気通路に本発明に係る弁体を適用しても何等差し支えない。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1の可変容量型圧縮機の縦断面図である。
【図2】上記実施形態1の圧縮機の回転弁に係り、図1のA−A線に沿う断面図である。
【図3】上記実施形態1の圧縮機に係り、図1のB−B線に沿う要部断面図である。
【図4】実施形態2の可変容量型圧縮機の縦断面図である。
【図5】上記実施形態2の圧縮機の往復弁体を動作を説明する説明図であり、(a)及び(c)は抽気通路が遮断されている状態、(b)は抽気通路が開通されている状態をそれぞれ示す。
【符号の説明】
10…シリンダブロック 10a〜10f…ボア
11…フロントハウジング 13…リヤハウジング
14…クランク室 15…駆動軸 15a…係合突部
16…ピストン 20…回転斜板 23…揺動斜板
26…吸入室 27…吐出室 30,30’…バルブ収容室
31…導通路 32…抽気通路 33…給気通路
34…容量制御弁 40…回転弁 42…中心孔
43…連通孔 44…吸入案内溝 50…往復弁体
51…被係合部 51a…係合長穴 52…開閉部
52a…通孔
【発明の属する技術分野】
本発明は車両空調用に供して好適な可変容量型圧縮機に係り、詳しくは吸入室とクランク室とを連通する抽気通路を備えた可変容量型圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、吐出容量を変化させることのできる可変容量型圧縮機として、軸心まわりに複数のボアを並設したシリンダブロックと、シリンダブロックの軸孔内に嵌挿支承された駆動軸と、クランク室内で駆動軸に傾角変位可能に支持された斜板と、斜板に連係されてボア内を直動するピストンと、吸入室及び吐出室を有してシリンダブロックの端面を閉塞するハウジングと、クランク室と吸入室とを常時連通する抽気通路と、クランク室と吐出室とを連通する給気通路と、その給気通路を開閉するための容量制御弁とを備えたものが知られている。
【0003】
この圧縮機では、吸入室圧力が設定値以下になったときは、その圧力に応答する容量制御弁が給気通路を開放し、同吸入室圧力が設定値以上になったときは、同容量制御弁が給気通路を閉鎖する。
したがって、容量制御弁が給気通路を閉鎖した圧縮機の全容量運転時には、ボア内の圧縮室からクランク室へブローバイされる冷媒ガスは抽気通路を経て常に吸入室へ還流され、クランク室圧力と吸入室圧力との差圧はごく小さな値に保たれて、斜板は最大傾角に維持されている。そして熱負荷の低下とともに吸入室圧力が設定値を下回ると、容量制御弁が開かれて吐出室からクランク室へ高圧の冷媒ガスが供給され、クランク室圧力を上昇させる。すなわち、クランク室圧力と吸入室圧力との差圧が大きくなって斜板の傾角は次第に縮小され、圧縮機の吐出容量は低減される。その後、かかる低容量運転の継続によって熱負荷が再び上昇に転じ、吸入室圧力が設定値を上回るのに伴って容量制御弁が閉鎖されると、上記抽気通路を経由する冷媒ガスの還流によりクランク室圧力の低下、つまり回転斜板の傾角が復活される。こうして吸入室圧力に応じてクランク室圧力が調整され、これに基づいて斜板傾角が変位して吐出容量が可変とされる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
さて、上述したように、上記可変容量型圧縮機においては、低容量運転への移行がクランク室へ積極的に吐出冷媒ガスを供給することにより達成される一方で、クランク室の冷媒ガスは抽気通路を介して吸入室へ常時還流可能となされている。かかる制御方式においては、抽気通路の断面積が大きくなると、低容量運転移行時におけるクランク室への供給ガス量が抽気通路の断面積に比例して増大するため、低容量運転移行のために使われる無駄な冷媒ガス量が増大し、結果的に大きな動力損失を招くことになる。したがって、低容量運転移行時に少ない供給ガス量でクランク室圧力を効果的に上昇させて上記動力損失を少なくするためには、抽気通路の断面積を小さく設定する必要がある。
【0005】
ところが、抽気通路の断面積を小さくすると、冷媒ガス中に含まれるスラッジ等の異物が詰まることによって抽気通路としての機能を全く果たさなくなるおそれがある。
また、上記可変容量型の圧縮機においては、吸入室とクランク室とを連通する抽気通路は、通常シリンダブロックに貫設されている。そして、圧縮機の軽量化要求から、近年ではシリンダブロック材、ピストン材としてアルミ合金が使用されるようになったが、アルミ合金からなるシリンダブロック材に抽気通路としての小径の絞り孔をドリル加工する場合には、切粉が刃部に絡みつくため、加工精度や生産性を低下させるといった問題もある。
【0006】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、上記動力損失を抑えつつ、異物の詰まりの問題や加工精度等の低下の問題を解消しうる可変容量型圧縮機を提供することを解決すべき技術課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
(1)請求項1記載の可変容量型圧縮機は、軸心まわりに複数のボアを並設したシリンダブロックと、該シリンダブロックの軸孔内に嵌挿支承された駆動軸と、クランク室内で該駆動軸と共に回転し、かつ該駆動軸に傾角変位可能に支持された斜板と、該斜板に連係されて該ボア内を直動するピストンと、吸入室及び吐出室を有して該シリンダブロックの端面を閉塞するハウジングと、該クランク室と該吸入室とを連通する抽気通路と、該クランク室と該吐出室とを連通する給気通路と、該給気通路に配設され、該クランク室圧力の調整に基づいて該斜板の傾角を変位させて吐出容量を制御する容量制御弁とを備えた可変容量型圧縮機において、
上記抽気通路には上記駆動軸の回転に連動して作動する弁体が配設され、該抽気通路は該駆動軸の回転に伴う該弁体の作動により断続的に開通可能とされていることを特徴とするものである。
【0008】
この可変容量型圧縮機では、クランク室と吸入室とを連通する抽気通路が駆動軸の回転に伴う弁体の作動により断続的に開通可能とされていることから、抽気通路を介するクランク室から吸入室への冷媒ガスの還流量は、弁体により抽気通路が閉鎖される分だけ減少し、駆動軸の回転数に応じた抽気通路の開通回数によって決定される所定量とされる。このため、スラッジ等の異物が詰まることを防止することができ、かつ、加工精度や生産性を確保することができる程度に抽気通路の断面積を大きくした場合であっても、低容量運転移行時におけるクランク室への供給ガス量の増加を上記還流量の減少分だけ減らすことができ、したがって低容量運転移行のために使われる無駄な冷媒ガス量の増加による動力損失の増大を抑えることが可能となる。
(2)請求項2記載の可変容量型圧縮機は、請求項1記載の可変容量型圧縮機において、前記弁体は前記駆動軸と同期回転可能な回転弁であり、
上記回転弁は、一端が閉鎖されるとともに他端が該回転弁の端面に開口して前記吸入室に常時通じる中心孔と、該中心孔の該一端側から半径方向外方に該回転弁の外周面まで延設され、前記クランク室から延びる前記抽気通路と該中心孔とを該回転弁の回転に伴い断続的に連通させる連通孔とを有していることを特徴とするものである。
【0009】
この可変容量型圧縮機では、回転弁が駆動軸と同期回転することに伴い、吸入室に常時通じる中心孔とクランク室から延びる抽気通路とが連通孔により断続的に連通される。このため、クランク室と吸入室とを連通する抽気通路が駆動軸の回転に伴う回転弁の回転により断続的に開通される。
(3)請求項3記載の可変容量型圧縮機は、請求項2記載の可変容量型圧縮機において、前記シリンダブロックは各前記ボアと前記回転弁を収容するバルブ収容室とをそれぞれ連通する複数の導通路を有し、
前記回転弁は、吸入行程にある各ボアの上記導通路と前記中心孔とを順次連通させる吸入案内溝を有し、吸入弁としての機能を併せ持つことを特徴とするものである。
【0010】
この可変容量型圧縮機では、クランク室と吸入室とを断続的に開通させる回転弁が、吸入室から吸入行程にある各ボア内へ冷媒ガスを導入する吸入弁としての機能を併せ持つ。すなわち、駆動軸と同期して回転弁が回転すると、吸入室の冷媒ガスが回転弁の中心孔及び吸入案内溝、並びに吸入行程にある各ボアの導通路を介して順次各ボア内に吸入される。こうして、各ボアでは冷媒ガスの吸入作用が円滑かつ安定して継続され、冷媒ガスの圧縮を行うことが可能である。このため、この圧縮機では、圧力損失がきわめて小さくなり、十分な体積効率を維持できる。
(4)請求項4記載の可変容量型圧縮機は、請求項1記載の可変容量型圧縮機において、前記駆動軸の端面には前記軸心から偏心した位置に該軸心と平行に延びる係合突部が突設され、前記弁体は該駆動軸の回転に伴い該駆動軸に対して軸直角方向に往復動可能となるように該係合突部に連結された往復弁体であり、
上記往復弁体は、上記往復動の方向に対して直交する軸直角方向に長く延び上記係合突部に摺動可能に係合された係合長穴を有する被係合部と、前記抽気通路を遮断するように該被係合部から上記往復動の方向に一体的に延設され、上記往復動に伴い該抽気通路に断続的に通じる通孔を有する開閉部とからなることを特徴とするものである。
【0011】
この可変容量型圧縮機では、駆動軸が回転すると、該駆動軸の係合突部に連結された往復弁体が該駆動軸に対して軸直角方向に往復動する。すなわち、駆動軸の回転により、該駆動軸の端面に軸心から偏心した位置に突設された係合突部が該軸心を中心として回転する。このとき、この係合突部は回転しつつ被係合部の係合長穴内で該係合長穴に沿って長手方向に往復動する。これにより、係合突部の回転力が往復弁体を直動させる力として被係合部に作用し、その結果往復弁体は、係合長穴の長手方向に対して直交する軸直角方向に往復動する。そして、前記抽気通路を遮断するように被係合部から延設された開閉部が往復動することにより、該開閉部に設けられた通孔がこの往復動に伴い抽気通路を断続的に開通させる。
(5)請求項5記載の可変容量型圧縮機は、請求項1記載の可変容量型圧縮機において、吐出ガスを冷媒の超臨界圧力で吐出することを特徴とするものである。
【0012】
吐出ガスを冷媒の超臨界圧力で吐出する超臨界サイクルの冷房装置に用いられる圧縮機においては、吐出圧力が高いため、抽気通路の断面積をより小さく設定する必要があり、したがって異物の詰まりの問題や加工精度等の低下の問題がより顕著となる。
この点、この可変容量圧縮機では、弁体の作動により抽気通路を断続的に開通可能とすることができることから、圧縮機が吐出ガスを冷媒の超臨界圧力で吐出する場合であっても、上記動力損失を抑えつつ、異物の詰まりの問題や加工精度等の低下の問題を解消することが可能となる。
(6)請求項6記載の可変容量型圧縮機は、請求項5記載の可変容量型圧縮機において、前記冷媒は二酸化炭素であることを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面を参照しつつ説明する。
(実施形態1)
図1に示す本実施形態の可変容量型圧縮機1は、車両空調用の冷房装置であって、超臨界サイクルの冷房装置に供するものである。すなわち、かかる冷房装置は、圧縮機1、図示しない放熱用熱交換器としてのガスクーラ、絞り手段としての膨張弁、吸熱用熱交換器としての蒸発器及び気液分離器としてのアキュムレータが直列接続された閉回路からなり、圧縮機の吐出圧力(該回路の高圧側圧力)が該回路を循環する冷媒の超臨界圧力となるように作動する。そして、冷媒として、二酸化炭素(CO2 )が用いられている。なお、冷媒としては、二酸化炭素(CO2 )の他に、エチレン(C2 H4 )、デイボラン(B2 H6 )、エタン(C2 H6 )や酸化窒素等を採用することもできる。
【0014】
この圧縮機1では、シリンダブロック10の前端側にフロントハウジング11が接合され、シリンダブロック10の後端側に弁板12等を挟持してリアハウジング13が接合されている。フロントハウジング11とシリンダブロック10とによって形成されるクランク室14内には、一端がフロントハウジング11から延出されて図示しない電磁クラッチのアーマチュアに固定される駆動軸15が収容され、駆動軸15はフロントハウジング11及びシリンダブロック10の軸孔との間に設けられた軸封装置及びラジアル軸受によって回転可能に支持されている。また、シリンダブロック10には駆動軸15を取り囲む位置に6個のボア10a〜10fが穿設されており、各ボア10a〜10fにはピストン16がそれぞれ収容されている。
【0015】
クランク室14内において、駆動軸15にはロータ18がフロントハウジング11との間にスラスト軸受を介して駆動軸15と同期回転可能に固着され、ロータ18の後方にはヒンジ機構19により回転斜板20がロータ18と同期回転可能に係留されている。また、クランク室14内における駆動軸15の周面にはスリーブ21が摺動可能に設けられており、スリーブ21に突設された枢軸21aに回転斜板20が揺動可能に係留されている。この回転斜板20にはスラスト軸受22等を介して揺動斜板23が係留されており、揺動斜板23にはフロントハウジング11の回り止め溝11a内を軸方向にのみ摺動可能な図示しない回り止めピンが固着されている。揺動斜板23と各ピストン16との間にはロッド24が係留されており、これにより各ピストン16は各ボア10a〜10f内を揺動斜板23の傾角に応じて往復動可能になされている。
【0016】
スリーブ21とシリンダブロック10側の駆動軸15に固定されたサークリップとの間には押圧ばね25が装備されている。そして、この押圧ばね25により回転斜板20はロータ18と当接可能になされ、これにより揺動斜板23は起動時等には最大傾角に維持されている。また、押圧ばね25が最も縮小された状態で揺動斜板23は最小傾角に維持可能になされている。
【0017】
リアハウジング13には、中央においてリア側端面に開口するとともにシリンダブロック10の後述するバルブ収容室30と連通する吸入室26が設けられており、この吸入室26の外方域には吐出室27が形成されている。そして、各ピストン16の端面が各ボア10a〜10fとの間で形成する各圧縮室と吐出室27とは、弁板12に形成された各吐出孔12aにより連通されており、各吐出孔12aは吐出室27側においてリテーナ28aによって開度が規制される吐出弁28によって開閉可能になされている。
【0018】
シリンダブロック10の後端、弁板12、吐出弁28、リテーナ28a及びリアハウジング13の前端には、シリンダブロック10の軸孔と同軸的に連ねるように円柱状のバルブ収容室30が形成されている。また、シリンダブロック10の後端面には、各ボア10a〜10fの頂部とバルブ収容室30とを導通する6個の導通路31が放射状に形成されている(図3参照)。バルブ収容室30の前方側は、シリンダブロック10の前端面まで延びてクランク室14に開口する抽気通路32に通じる一方、バルブ収容室30の後方側は、リアハウジング13の吸入室26に通じている。つまり、バルブ収容室30と抽気通路32とによって、クランク室14と吸入室26とが連通されている。ここに、この圧縮機1では、クランク室14から延びる抽気通路32の断面積が、スラッジ等の異物が詰まることを防止することができ、かつ、加工精度や生産性を確保することができる程度に設定されている。また、後述する回転弁40の中心孔42及び連通孔43の断面積は、抽気通路32の断面積と同等以上とされている。
【0019】
そしてバルブ収容室30には円柱状の回転弁40が収嵌され、この回転弁40はバルブ収容室30の前端まで延びた駆動軸15の後端に口金41を介して相対回転不能に結合されている。回転弁40は、一端(圧縮機1の前方側の端)が閉鎖されるとともに他端(圧縮機1の後方側の端)が回転弁40の後端面に開口して吸入室26に常時通じる中心孔42と、この中心孔42の該一端から半径方向外方に回転弁40の外周面まで延設され、クランク室14から延びる前記抽気通路32と該中心孔42とを該回転弁40の回転に伴い断続的に連通させる一つの連通孔43と、該中心孔42の該他端側に連なり、かつ各導通路31と整合する限定周域Hに拡開されて吸入行程にある各ボア10a〜10fの導通路31と該中心孔42とを順次連通させる吸入案内溝44とを有している(図2及び図3参照)。そして給気案内溝44が吸入行程にある各ボア10a〜10fの導通路31と対向する間、中心孔42を介して吸入室26と当該各ボア10a〜10fとが連通して、この回転弁40は吸入弁として機能するようになされている。
【0020】
なお、吸入室26は冷房装置の冷凍回路を構成するアキュムレータに配管を介して接続され、吐出室27は冷房装置の冷凍回路を構成するガスクーラに配管を介して接続されている。
さらに、シリンダブロック10、弁板12、吐出弁28、リテーナ28a及びリアハウジング13には、クランク室14と吐出室27とを連通する給気通路33が形成されており、リアハウジング13内には給気通路33の途中に容量制御弁34が装備されている。そして、この容量制御弁34により、吸入圧力が設定圧力よりも低下すると、上記給気通路33が開放され、吐出室27から高圧の吐出ガスがクランク室14内に供給されるようになされている。したがって、容量制御弁30により、冷房負荷に基づいて制御されるクランク室圧力と吸入室圧力との差圧に応じて、ピストン16のストローク及び揺動斜板23の傾角が変化し、吐出容量が制御される。
【0021】
本実施形態の圧縮機1は上述のように構成されており、駆動軸15が回転されて、ロータ18及び斜板20の回転運動が揺動板23の前後揺動運動に変換され、コンロッド24を介して複数のピストン16が異なるタイミングで順次往復動されると、駆動軸15に結合された回転弁40もかかるピストン16の動きに同調して回転する。すなわち、ピストン16の一つが吸入行程に入ると、図3に示す回転方向に関して、吸入案内溝44の先行側の壁面44aがそれまで閉鎖されていた当該ボア(例えば10b)の導通路31を開放する向きに通過し、その結果吸入室26から該回転弁40の中心孔42、吸入案内溝44及び導通路31を経て当該ボア10bに冷媒ガスが吸入される。また、吸入行程の終了時には、該吸入案内溝44の後行側の壁面44bが導通路31を閉鎖する向きに通過して、当該ボア10aへの冷媒ガスの吸入が停止される。そして当該ボア10b内のピストン16が進動する吐出行程中は、回転弁40の外周面が当該ボア10bの導通路31を閉鎖状態に保持し、圧縮された冷媒ガスは吐出孔12aから吐出弁28を押し開いて吐出室27に吐出される。
【0022】
このように駆動軸15の回転によりピストン16が吸入行程にある間、冷媒ガスは、吸入室26から回転弁44の中心孔42、吸入案内溝44及び導通路31を経て当該ボアに吸入されるため、冷媒ガスの吸入作用が円滑かつ安定して継続され、冷媒ガスの圧縮を行うことが可能である。このため、この圧縮機1では、圧力損失がきわめて小さく、十分な体積効率を維持できる。
【0023】
そして、冷媒として二酸化炭素を使用する本実施形態に係る圧縮機1においては、前述したように吐出圧力が高いことから、抽気通路32の断面積との関係で、低容量運転移行時におけるクランク室14への吐出ガスの供給に伴う動力損失を抑制すること、及び異物の詰まりの問題や加工精度等の低下の問題の発生を解消することの双方を両立させることが困難となる。
【0024】
この点、この圧縮機1では、クランク室14と吸入室26とを連通する抽気通路32が駆動軸15の回転に伴う回転弁40の作動により断続的に開通可能とされている。すなわち、回転弁40が駆動軸15と同期回転することに伴い、吸入室26に常時通じる中心孔42とクランク室14から延びる抽気通路32とが連通孔43により断続的に連通される。詳細には、駆動軸15が一回転する度に、回転弁40の連通孔43が抽気通路32に一回通じる。これにより、該抽気通路32が断続的に開通され、該抽気通路32、連通孔43及び中心孔42を介して、クランク室14から吸入室26へ冷媒ガスが断続的に流出する。このため、この抽気通路32等を介するクランク室14から吸入室26への冷媒ガスの還流量は、回転弁40により抽気通路32が閉鎖される分だけ減少し、駆動軸15の回転数に応じた抽気通路32の開通回数によって決定される所定量とされる。したがって、スラッジ等の異物が詰まることを防止することができ、かつ、加工精度や生産性を確保することができる程度に抽気通路32の断面積を大きくした場合であっても、低容量運転移行時におけるクランク室14への供給ガス量の増加を上記還流量の減少分だけ減らすことができ、その結果低容量運転移行のために使われる無駄な冷媒ガス量の増加による動力損失の増大を抑えることが可能となる。よって、圧縮機1が吐出ガスを冷媒の超臨界圧力で吐出する場合であっても、上記動力損失を抑えつつ、異物の詰まりの問題や加工精度等の低下の問題を解消することが可能となる。
【0025】
(実施形態2)
図4に示す本実施形態の可変容量型圧縮機1’は、駆動軸15の回転に連動して作動する弁体として、回転弁40の代わりに往復弁体50を採用したものである。
この圧縮機1’では、各ピストン16の端面が各ボア10a〜10fとの間で形成する各圧縮室と吸入室26とは、弁板12に形成された各吸入孔12bにより連通されており、各吸入孔12bは、弁板12とシリンダブロック10との間に介在されたリード弁式の吸入弁29によって開閉可能になされている。
【0026】
また、シリンダブロック10の後端には、シリンダブロック10の軸孔と連なるるようにバルブ収容室30’が形成されている。このバルブ収容室30’は、駆動軸15と同軸的に形成された円形室30aと、この円形室30aから連続的に下方に延びる矩形室30bとからなり、矩形室30bには、クランク室14と吸入室26とを連通する抽気通路32が開口している(図5参照)。
【0027】
そして、バルブ収容室30’には、駆動軸15に対して軸直角方向(図4及び図5の上下方向)に往復動可能に連結された往復弁体50が収容されている。具体的には、バルブ収容室30’の前端まで延びた駆動軸15の後端面には、軸心から最も偏心した位置(係合突部15aが駆動軸15よりも径方向外方に突出しない範囲内で)に該軸心と平行に延びる係合突部15aが突設されている。なお、この係合突部15aの後端はバルブ収容室30’の後端まで延びている。一方、上記往復弁体50は、上記往復動の方向(図4及び図5の上下方向)に対して直交する軸直角方向に長く延び上記係合突部15aに摺動可能に係合された係合長穴51aを有する楕円形状の被係合部51と、前記抽気通路32を遮断するように該被係合部51から上記往復動の方向に一体的に延設され、上記往復動に伴い該抽気通路32に断続的に通じる通孔52aを有する矩形状の開閉部52とからなる。
【0028】
ここに、往復弁体50がバルブ収容室30’内で上記往復動方向に往復動可能となるように、往復弁体50の被係合部51の長軸はバルブ収容室30’の円形室30aの直径よりも若干小さくされており、また往復弁体50の開閉部52はバルブ収容室30’の矩形室30b内で摺動可能とされている。また、駆動軸15の往復弁体50の係合長穴51aの長手方向長さは駆動軸15の外径と同等とされ、また係合長穴51aの幅は係合長穴51a内を係合突部15aが摺動可能となるように設定されている。さらに、往復弁体50の通孔52aの孔径は抽気通路32の孔径と同等とされている。また、抽気通路32は、往復弁体52の通孔52aと通じている間以外は、往復弁体50の開閉部52により遮断される位置に開口している。
【0029】
他の構成は、上記実施形態1と同様である。
この可変容量型圧縮機1’では、駆動軸15が回転すると、駆動軸15の係合突部15aに連結された往復弁体50が駆動軸15に対して軸直角方向に往復動する。すなわち、駆動軸15の回転により、駆動軸15の後端面に軸心から偏心した位置に突設された係合突部15aが該軸心を中心として回転する。このとき、この係合突部15aは回転しつつ往復弁体50の被係合部51の係合長穴51a内で係合長穴51aに沿って長手方向に往復動する。これにより、係合突部15aの回転力が往復弁体50を直動させる力として被係合部51に作用し、その結果往復弁体50は、係合長穴51aの長手方向に対して直交する軸直角方向に往復動する。そして、抽気通路32を遮断するように被係合部51から延設された開閉部52が往復動することにより、該開閉部52に設けられた通孔52aがこの往復動に伴い抽気通路32を断続的に開通させる。
【0030】
詳細には、図5(a)の状態では、係合突部15a及び往復弁体50は最上位置にあり、このとき係合突部15aは係合長穴51aの中央に位置しており、また通孔52bは抽気通路32よりも上方にずれた位置にあり該抽気通路32は開閉部52で遮断されている。そして、駆動軸15が1/4回転して図5(b)の状態になると、係合突部15aも同期的に1/4回転しつつ係合長穴51a内を摺動して係合長穴51aの一端まで移動する。これにより、往復弁体50は図5の下方に移動し、開閉部52の通孔52aが抽気通路32に通じる。さらに駆動軸15が1/4回転して図5(c)の状態になると、係合突部15aも同期的に1/4回転しつつ係合長穴51a内を摺動して係合長穴51aの中央まで戻る。これにより、往復弁体50は図5の下方にさらに移動し、開閉部52の通孔52aは抽気通路32よりも下方にずれ、該抽気通路32は開閉部52で遮断される。そして、図5(c)の状態から駆動軸15がさらに半回転すると、通孔52aが抽気通路32と通じる状態を経て、再び図5(a)の状態に戻る。このように駆動軸15が一回転する度に抽気通路32は通孔52aと2回通じる。これにより、該抽気通路32が断続的に開通され、該抽気通路32及び通孔52aを介して、クランク室14から吸入室26へ冷媒ガスが断続的に流出する。
【0031】
したがって、本実施形態の圧縮機1’も上記実施形態1と同様の作用効果を奏する。
なお、上述の実施形態では、冷媒として二酸化炭素を用いた超臨界サイクルの冷房装置に適用する例について説明したが、本発明の圧縮機は冷媒としてフロン系冷媒等を用いる亜臨界サイクルの冷房装置に適用しうることは勿論である。
【0032】
また、本発明は可変容量型圧縮機に係るものだが、固定容量型圧縮機の抽気通路に本発明に係る弁体を適用しても何等差し支えない。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1の可変容量型圧縮機の縦断面図である。
【図2】上記実施形態1の圧縮機の回転弁に係り、図1のA−A線に沿う断面図である。
【図3】上記実施形態1の圧縮機に係り、図1のB−B線に沿う要部断面図である。
【図4】実施形態2の可変容量型圧縮機の縦断面図である。
【図5】上記実施形態2の圧縮機の往復弁体を動作を説明する説明図であり、(a)及び(c)は抽気通路が遮断されている状態、(b)は抽気通路が開通されている状態をそれぞれ示す。
【符号の説明】
10…シリンダブロック 10a〜10f…ボア
11…フロントハウジング 13…リヤハウジング
14…クランク室 15…駆動軸 15a…係合突部
16…ピストン 20…回転斜板 23…揺動斜板
26…吸入室 27…吐出室 30,30’…バルブ収容室
31…導通路 32…抽気通路 33…給気通路
34…容量制御弁 40…回転弁 42…中心孔
43…連通孔 44…吸入案内溝 50…往復弁体
51…被係合部 51a…係合長穴 52…開閉部
52a…通孔
Claims (6)
- 軸心まわりに複数のボアを並設したシリンダブロックと、該シリンダブロックの軸孔内に嵌挿支承された駆動軸と、クランク室内で該駆動軸と共に回転し、かつ該駆動軸に傾角変位可能に支持された斜板と、該斜板に連係されて該ボア内を直動するピストンと、吸入室及び吐出室を有して該シリンダブロックの端面を閉塞するハウジングと、該クランク室と該吸入室とを連通する抽気通路と、該クランク室と該吐出室とを連通する給気通路と、該給気通路に配設され、該クランク室圧力の調整に基づいて該斜板の傾角を変位させて吐出容量を制御する容量制御弁とを備えた可変容量型圧縮機において、
上記抽気通路には上記駆動軸の回転に連動して作動する弁体が配設され、該抽気通路は該駆動軸の回転に伴う該弁体の作動により断続的に開通可能とされていることを特徴とする可変容量型圧縮機。 - 前記弁体は前記駆動軸と同期回転可能な回転弁であり、
上記回転弁は、一端が閉鎖されるとともに他端が該回転弁の端面に開口して前記吸入室に常時通じる中心孔と、該中心孔の該一端側から半径方向外方に該回転弁の外周面まで延設され、前記クランク室から延びる前記抽気通路と該中心孔とを該回転弁の回転に伴い断続的に連通させる連通孔とを有していることを特徴とする請求項1記載の可変容量型圧縮機。 - 前記シリンダブロックは各前記ボアと前記回転弁を収容するバルブ収容室とをそれぞれ連通する複数の導通路を有し、
前記回転弁は、吸入行程にある各ボアの上記導通路と前記中心孔とを順次連通させる吸入案内溝を有し、吸入弁としての機能を併せ持つことを特徴とする請求項2記載の可変容量型圧縮機。 - 前記駆動軸の端面には前記軸心から偏心した位置に該軸心と平行に延びる係合突部が突設され、前記弁体は該駆動軸の回転に伴い該駆動軸に対して軸直角方向に往復動可能となるように該係合突部に連結された往復弁体であり、
上記往復弁体は、上記往復動の方向に対して直交する軸直角方向に長く延び上記係合突部に摺動可能に係合された係合長穴を有する被係合部と、前記抽気通路を遮断するように該被係合部から上記往復動の方向に一体的に延設され、上記往復動に伴い該抽気通路に断続的に通じる通孔を有する開閉部とからなることを特徴とする請求項1記載の可変容量型圧縮機。 - 吐出ガスを冷媒の超臨界圧力で吐出することを特徴とする請求項1記載の可変容量型圧縮機。
- 前記冷媒は二酸化炭素であることを特徴とする請求項5記載の可変容量型圧縮機。
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