JP2000073946A - 圧縮機 - Google Patents

圧縮機

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JP2000073946A
JP2000073946A JP10241508A JP24150898A JP2000073946A JP 2000073946 A JP2000073946 A JP 2000073946A JP 10241508 A JP10241508 A JP 10241508A JP 24150898 A JP24150898 A JP 24150898A JP 2000073946 A JP2000073946 A JP 2000073946A
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Japan
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valve
compressor
valve plate
plate
suction
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JP10241508A
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English (en)
Inventor
Shigeki Iwanami
重樹 岩波
Kazuhito Miyagawa
和仁 宮川
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Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04BPOSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS
    • F04B27/00Multi-cylinder pumps specially adapted for elastic fluids and characterised by number or arrangement of cylinders
    • F04B27/08Multi-cylinder pumps specially adapted for elastic fluids and characterised by number or arrangement of cylinders having cylinders coaxial with, or parallel or inclined to, main shaft axis
    • F04B27/10Multi-cylinder pumps specially adapted for elastic fluids and characterised by number or arrangement of cylinders having cylinders coaxial with, or parallel or inclined to, main shaft axis having stationary cylinders
    • F04B27/1009Distribution members

Abstract

(57)【要約】 【課題】 リード弁のような絞り作用がなくて吸入効率
等の低下がなく、駆動トルクが小さくて摺動面が焼き付
き難い圧縮機用の弁機構を提供する。 【解決手段】 本発明が斜板型圧縮機1として実施され
た場合、駆動回転軸5は斜板12を介してピストン11
を往復動させるが、本発明により駆動回転軸5の先端に
偏心軸部5aを設けて吸入弁板26を公転運動させる。
弁板26は吸入ポート23を有するシリンダブロック2
の端壁2aと摺動接触しているので、自転運動の成分は
自然に制動され、弁板26は実質的に公転運動のみをし
て、吸入室19とシリンダ10との間の吸入ポート23
を開閉する。弁板26が公転することにより、単なる回
転をする場合に比べて摺動面間の相対速度が低くなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は圧縮機に係り、特に
ピストンを有する容積型の圧縮機における吸入弁のよう
な、圧縮機において圧縮される流体の流路を開閉制御す
る弁に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から例えば空調装置の冷媒圧縮機等
として使用されている斜板型その他の容積型の圧縮機に
おいては、薄い金属片等からなる弁リードを圧縮室側か
ら見て弁開口の内側(吸入弁の場合)、又は外側(吐出
弁の場合)に片持ち式に取り付けた所謂「リード弁」を
使用することが多い。リード弁は、構造が簡単で小さく
コストが低いという特長がある反面、圧力差によって弁
リードが弾性的に撓んで弁開口から僅かに離れることに
よって開弁状態となるものであるから、開弁状態におい
ても弁リードが弁開口を完全に開放することはない。従
って、リード弁には、弁開口だけでなく弁開口を設けた
弁板と弁リードとの隙間による絞り作用もあるので、リ
ード弁を圧縮機の吸入弁として用いた場合には、リード
弁全体の絞り作用によって吸入効率が低下するという問
題があり、特に圧縮機の高回転時には無視できない問題
となる。
【0003】この問題の1つの解決策として、特開平5
−202848号公報には、吸入弁としてリード弁の代
わりにロータリバルブを設けた斜板型の圧縮機が記載さ
れている。この従来例におけるロータリバルブは円筒形
のもので、その外周面の一部に弁開口を有し、回転軸の
軸線上においてそれに連結されて一体的に回転駆動さ
れ、その回転軸及びロータリバルブの周りにそれらと平
行に且つ均等に配置された多数のシリンダの壁面にそれ
ぞれ開口している吸入ポートと、ロータリバルブの弁開
口との連通及び遮断によって各シリンダの吸入ポートを
順次開閉するようになっている。なお、それらのシリン
ダに挿入された多数のピストンは、前記回転軸によって
回転駆動される共通の斜板によって前記シリンダ内で往
復運動を強制され、それによって吸入された冷媒のよう
な流体を各シリンダ内の圧縮室において圧縮する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記従来技術における
吸入弁のように、回転軸と共に回転する円筒形のロータ
リバルブは、ハウジング或いはシリンダブロックの一部
に形成された円筒形の弁室の内部に摺動回転可能に挿入
されており、弁室の壁面と摩擦摺動しながら回転軸と同
じ速さで回転する。従って、高回転時にはロータリバル
ブと弁室の摺動面間の相対速度が大きくなるので潤滑を
強化する必要があるのと、ロータリバルブ及び弁室の加
工精度の問題もあって、ロータリバルブと弁室の摺動面
間に或る程度の隙間を設ける必要があるため、その隙間
から圧縮された流体が漏洩して圧縮機の性能が低下する
懸念がある。また、ロータリバルブが弁室内で摺動しな
がら回転するので、ロータリバルブや弁室を構成するシ
リンダブロックに焼きつきが生じにくい高級な材料を使
用しなければならないとか、それらの摺動面に表面処理
を施す必要があるため、それらがコスト上昇の原因にな
る。更に、ロータリバルブを円筒形ではなく半径の大き
い円板形にすると、円板形のロータリバルブは対応する
面との間で大きな摩擦力を発生しながら摺動回転するこ
とになるので、大きなトルク損失による効率低下が懸念
される。
【0005】本発明は、従来技術における前述のような
問題に対処して、リード弁に見られるような絞り作用に
よる吸入効率の低下等がなく、摺動面を備えたメカニカ
ルな弁構造を有するものであっても摺動面間の相対速度
が低くて大きな摩擦力が発生する恐れがなく、摺動面間
に大きな隙間を設けなくても、また特に潤滑を強化しな
くても駆動トルクの損失が小さくて運転効率が高くなる
ような改良された弁を備えている圧縮機を提供すること
を目的としている。
【0006】本発明はまた、摺動面を有する弁でありな
がら摺動面に焼き付きにくい高級な材料を使用すること
や高度の表面処理を施す必要がなく、さほど高い加工精
度も必要とせず、構造が簡単で製作が容易であるために
低コストになると共に、摺動面間の相対速度が低いため
に信頼性も高い改良された弁を備えている圧縮機を提供
することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の課題を
解決するための手段として、特許請求の範囲の各請求項
に記載された圧縮機を提供する。
【0008】本発明の圧縮機においては、弁板は駆動回
転軸の偏心軸部によって駆動されて公転運動或いはそれ
に近い運動を行うので、弁板を駆動回転軸によって単に
回転させる場合に比べて、弁板とそれに対して摺動接触
する弁開口が設けられた面との間の相対速度がきわめて
小さくなる。従って、弁板を回転駆動するための動力損
失は僅かになり、摺動面も焼きつく可能性がなくなるの
で、摺動面に高級な材料を使用したり、精度の高い仕上
げや、表面処理を施す必要がなくなる。また、弁開口を
弁板によって機械的に開閉するので、圧力差によって開
弁するリード弁に比べて絞り作用が小さくなって吸入効
率或いは吐出効率が高くなる。
【0009】本発明の圧縮機は、容積型の圧縮機である
ピストン型の圧縮機として実施することができる。その
場合には、弁機構の弁板がピストンの往復動と同期して
公転運動をすることになる。そして、更に具体的に、本
発明はピストン型の圧縮機の一種である斜板型圧縮機と
して好適に実施することができる。
【0010】本発明の圧縮機の弁機構においては、その
弁板が公転運動をするときに少なくともその周縁部によ
って弁開口を開閉するように構成することができる。弁
板は最も一般的なものとして円形の円盤を使用すること
ができる。また、本発明は圧縮機の吸入弁としても、或
いは吐出弁としても実施することが可能である。更に本
発明における弁板には自然に自転防止作用が働くが、確
実に自転を阻止するために別に自転防止機構を付設する
こともできる。
【0011】
【発明の実施の形態】添付の図面を用いて、本発明を斜
板型圧縮機として実施した具体例を詳細に説明する。図
1及び図2に示すように、本発明による斜板型圧縮機1
は、シリンダブロック2の前後にフロントハウジング3
とリアハウジング4を同一軸線上に配置し、それらを図
示しない通しボルトのような手段によって一体的に締結
することにより外殻を構成している。5はフロントハウ
ジング3とシリンダブロック2の中心を貫通してリアハ
ウジング4の内部まで延びている駆動回転軸であって、
フロントハウジング3内に取り付けられた軸受6と、シ
リンダブロック2内に取り付けられた軸受7によって軸
承されている。斜板型圧縮機1が自動車の空調装置にお
ける冷媒圧縮機として使用される場合には、駆動回転軸
5は自動車用エンジンのクランク軸に連結されて回転駆
動される。シリンダブロック2及びフロントハウジング
3内の空間は、駆動回転軸5に取り付けられたシール装
置8及び9によって外部及びリアハウジング4内の空間
との連通を遮断されている。
【0012】シリンダブロック2には図2に示すように
6個のシリンダ10(10a〜10f)が駆動回転軸5
の周囲に均等に、且つ駆動回転軸5と平行になるように
穿設されている。シリンダ10a〜10fには同じ形状
のピストン11(11a〜11f)が摺動可能に挿入さ
れており、それらのピストン11a〜11fの図1にお
ける各左端部は、駆動回転軸5に例えば後述のような手
段によって装着された斜板12の楕円形の周縁部12a
に対して、それを挟むように各ピストン11に取り付け
られた一対のシュー13を介して摺動可能に係合してい
る。
【0013】図示実施形態における斜板12は、駆動回
転軸5上を軸方向に摺動可能なスリーブ14上に、駆動
回転軸5と直角な方向のピン15によって枢着されてい
て、駆動回転軸5に対して傾動することができる。斜板
12を傾動させるために、斜板12の一部に設けられた
ピン16が駆動回転軸5に取り付けられたアーム17の
半径方向のカム溝17aに係合しており、スプリング1
8の付勢力を打ち消すような他の力が加わることによっ
てスリーブ14が軸方向に移動するとき、ピン16がカ
ム溝17aに沿って移動して斜板12の傾斜角度が変化
し、その結果、ピストン11a〜11fのストロークが
一斉に変化して斜板型圧縮機1全体の吐出容量が無段階
に変化する。
【0014】図示実施形態の斜板型圧縮機1では、シリ
ンダ10a〜10f内において冷媒のような流体が圧縮
されることによってピストン11a〜11fに発生する
圧縮反力の合力が、スプリング18の付勢力に抗してス
リーブ14を軸方向に移動させるようになっており、更
に、斜板型圧縮機1が空調装置における冷媒圧縮機とし
て使用される場合には、斜板12を収容している室(斜
板室)の圧力が冷房負荷の大きさに応じて変化するよう
に構成される。そして、例えば冷房負荷が減少したとき
は、斜板室の圧力が高められることによってピストン1
1a〜11fに作用する背圧が増大するので、スリーブ
14が図1において右方へ移動して斜板12の傾斜角度
(駆動回転軸5に垂直な仮想の平面に対する)が小さく
なり、ピストン11a〜11fのストロークが減少して
斜板型圧縮機1全体の吐出容量が減少するというよう
に、斜板型圧縮機1の吐出容量が冷房負荷の大きさに応
じて自動的に変化する。このように、図示実施形態にお
ける斜板型圧縮機1は自動可変容量型の圧縮機に属する
が、本発明はそのような可変容量機構に特徴がある訳で
はないから、図示実施形態のようなものに限らず、手動
的な可変容量型圧縮機であっても、また、吐出容量が変
化しないものであっても、それが容積型圧縮機であれば
適用の可能性がある。
【0015】図示実施形態の斜板型圧縮機1において
は、リアハウジング4内の中央に吸入室19が形成され
ていると共に、その外周に環状の隔壁4aを境にして環
状の吐出室20が形成され、それぞれに設けられた接続
口21,22を介して空調装置のエバポレータやコンデ
ンサのような外部機器への配管が接続されている。シリ
ンダブロック2とリアハウジング4との間を仕切るシリ
ンダブロック2の端壁2aには、各シリンダ10a〜1
0f毎に、吸入室19に連通し得る吸入ポート23(2
3a〜23f)と、吐出室20に連通し得る吐出ポート
24(24a〜24f)がそれぞれ1個以上設けられて
いる。吐出ポート24は単なる円穴でもよいが、吸入ポ
ート23は図2に示したように円弧状の長穴である。な
お、図示実施形態においては吐出室20内に、吐出ポー
ト24a〜24fを外側から閉塞する通常のリード弁か
らなる吐出弁25が設けられている。
【0016】図示実施形態において以上説明した構成は
従来技術においても実施されているものであって、今回
本発明において導入した新規な構成ではない。本発明の
特徴に対応して、図示実施形態の斜板型圧縮機1におい
ては吸入室19内に円盤形の吸入弁板26が設けられて
いる。弁板26は、シリンダブロック2の端壁2aと、
リアハウジング4内の環状の隔壁4aの吸入室19側に
形成された概ね半径方向の壁4bの軸方向の端面4cと
の間に、微小な隙間を残して挿入されており、端壁2a
と壁4bの端面4cとの間で摺動する際に、図2に示す
ように、周縁部によって吸入ポート23a〜23fの一
部を閉塞すると共に他の一部を開口させ得る大きさを有
する。吸入弁板26の中心に形成されたハブ26aに
は、駆動回転軸5の先端に所定量だけ偏心して一体に形
成された偏心軸部5aが挿入され、メタル軸受又はニー
ドルベアリングのような軸受27を介して吸入弁板26
を回転可能に支持している。弁板26が偏心軸部5aに
よって偏心運動、即ち公転をするので、リアハウジング
4内の隔壁4aに弁板26の周縁部のための逃げ部4d
を形成してもよい。
【0017】なお、図示していないが、吸入室19内に
装着されたスプリングのような付勢手段によって、吸入
弁板26を端壁2aに向かって軽く押圧してもよい。ま
た、必須のものではないが吸入弁板26に簡単な構造の
自転防止機構を付加することもできる。自転防止機構
は、例えば、端壁2aの2個所程度の適所に吸入室19
に向かって突出する自転防止ピンを植設すると共に、そ
れらの自転防止ピンを受入れるように弁板26に自転防
止ピンよりも十分に大きい直径を有する円形穴を形成し
て、自転防止ピンによって円形穴、従って吸入弁板26
自体の自転を阻止して公転だけを許すようにする。円形
穴の直径は、弁板26の公転直径に自転防止ピンの直径
を加えた程度の大きさにする。
【0018】自転防止機構が設けられない場合は弁板2
6は公転の他に自転をすることも可能であるが、弁板2
6は端壁2a又は壁4bの端面4cに押しつけられて摺
動するので、それらの間に多少とも摩擦力が発生するた
めに、弁板26が自由に自転することはあり得ず、自転
運動の成分は実際上は摩擦力によって制動されて、弁板
26は実質的に公転だけをするようになる。本発明にお
いて自転防止機構が必須のものではないというのはこの
ような理由による。従って、自転防止機構が設けられて
いても、或いは設けられていなくても、端壁2a又は端
面4cと弁板26の摺動面間の相対速度は弁板26が自
転のみをする場合に比して大幅に小さくなるので、駆動
回転軸5が回転するときに摺動面間の摩擦力によって生
じる動力の損失は僅かな量になる。
【0019】以上説明した構成から明らかなように、図
示実施形態の斜板型圧縮機1においては、駆動回転軸5
が自動車用エンジン等によって回転駆動されると、吸入
弁板26が偏心軸部5aによって偏心運動を強制される
ために、また、シリンダブロック2の端壁2a又は端面
4cと弁板26との間には多少の摺動摩擦があるために
自転運動が阻止されて、弁板26は図3に駆動回転軸5
の回転角度90°毎に示した(a)〜(d)のように実
質的に公転運動だけをする。そこで、例えばシリンダ1
0aだけに注目すると、図2と同じ図3(a)の状態に
おいては、シリンダ10aの吸入ポート23aは、上昇
している吸入弁板26の周縁部によって覆われていて吸
入は行われていない。これは図1に示すようにピストン
11aが上死点にある状態、即ちシリンダ10aの圧縮
行程の終期である。このときは、リード弁からなる吐出
弁25の開弁によって圧縮された流体をシリンダ10a
内から吐出ポート24aを経て吐出室20内へ吐出し終
えた時期でもある。
【0020】次に、駆動回転軸5が矢印の方向に回転す
ると、吸入弁板26が公転によって右へずれるために、
弁板26によって閉塞されていた吸入ポート23aが開
口し始めて、吸入室19とシリンダ10a内が連通を開
始し、駆動回転軸5が90°まで回転したときに図3の
(b)の状態になる。この状態は吸入弁板26によって
覆われる吸入ポート23aの面積が最小になって、吸入
ポート23aが最も大きく開口した状態(これを全開状
態と呼ぶ)に近い。なお、どの時期に吸入ポート23a
を全開させるかということは設計上の問題であって、吸
入ポート23aの形状とシリンダ10aの端面における
開口位置を選択したり、駆動回転軸5の偏心軸部5aの
偏心方向と、斜板12の傾斜の軸であるピン15との位
相関係を変更することによって自由に設定することが可
能である。
【0021】吸入ポート23aが吸入弁板26の周縁部
によって全く覆われていないか、或いは殆ど覆われてい
ない全開状態では、長穴形で比較的大きな開口面積を有
する吸入ポート23aが流体の通路となるので絞り作用
がきわめて小さくなり、リード弁の場合のような大きな
圧力損失が生じない。しかも、リード弁のように流体の
圧力が弁を押し広げるための仕事をする必要がなく、僅
かな機械力によって吸入行程の全域にわたって開弁状態
を維持することもできるから、吸入効率がリード弁に比
べて高くなる。
【0022】更に、駆動回転軸5が90°回転して図3
の(c)の状態になると、吸入弁板26が公転によって
下方及び左方へずれて吸入ポート23aを覆うために、
吸入ポート23aは全閉状態に近くなる。この状態は図
1に示したシリンダ10dと同様に、シリンダ10aの
吸入行程の終期、即ちピストン11aが下死点付近にあ
る状態である。それより駆動回転軸5が僅かに回転する
と、吸入ポート23aは全閉状態となって、シリンダ1
0a内と吸入室19の連通は遮断される。
【0023】図3の(d)はシリンダ10aの圧縮行程
を示しており、ピストン11aは図3(c)に示す下死
点の状態から図3(a)に示す上死点の状態まで上昇す
る途中にある。図示のように吸入弁板26が左方へずれ
て吸入ポート23aを全閉状態にしているので、流体は
シリンダ10a内で圧縮され、その圧力が吐出弁25の
設定圧力を越えると、リード弁である吐出弁25が開弁
して、圧縮された流体は吐出ポート24aを介して吐出
室20へ吐出される。更に、駆動回転軸5が90°回転
すると前述の図3(a)の状態になるので、このような
サイクルが繰り返えして行われることになる。そして、
このような吸入行程と圧縮行程からなるサイクルは、図
示実施形態の斜板型圧縮機1においては、全てのシリン
ダ10a〜10fにおいて、隣接のものとの間に60°
の位相差をおいて順次行われるので、圧縮された流体が
概ね連続的に吐出室20へ吐出され続けて、吐出室20
の圧力を脈動の少ない略一定の吐出圧に維持することが
できる。
【0024】図示実施形態においては、吸入弁板26の
ための自転防止機構を設けてはいないが、弁板26はシ
リンダブロック2の端壁2a又はリアハウジング4の壁
4bの端面4cと摺動接触しているため、その自転の運
動成分は自然に制動されて、弁板26は実質的に公転の
みをするようになる。回転(自転)運動に比べて公転運
動の場合の接触面間の相対速度が低いことは説明を要し
ないから、弁板26や端壁2a又は壁4bの端面4cに
焼きつき難い高級な材料を使用したり、特殊な表面処理
を施したり、高精度の表面仕上げを行ったりする必要も
なく、十分に高い耐久性と信頼性が得られる。また、摺
動面間の相対速度が低いので、弁板が回転するものに比
べて動力損失がきわめて少なくなり、圧縮機の運転効率
が高くなる。更に、吸入ポート23の面積を大きくとる
ことが容易であるから、リード弁を吸入弁として使用し
た場合に比べて絞り作用が少なくなって吸入効率が改善
される。
【0025】なお、図示実施形態においては吸入ポート
23を弁板26によって開閉するようにしたが、吸入ポ
ートの代わりに吐出ポートを同様な弁板によって開閉す
るように構成することができることは言うまでもない。
また、弁板26は円盤形のものを使用しているが、弁板
は厳密に円形のものである必要はなく、自転防止機構を
使用して確実に弁板の自転を阻止した場合には、弁板を
円形以外の角部や凹部或いは穴等のあるものとしてもよ
い。更に、この弁機構は斜板型圧縮機に限らず他の形式
の容積型圧縮機の吸入弁又は吐出弁に適用することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態としての斜板型圧縮機を示す
縦断正面図である。
【図2】図1のII−II線における横断側面図である。
【図3】(a)〜(d)は、図1及び図2の斜板型圧縮
機の作動状態において、II−II線における経時的変化を
順次に示す横断側面図である。
【符号の説明】
1…斜板型圧縮機 2…シリンダブロック 2a…シリンダブロックの端壁 3…フロントハウジング 4…リアハウジング 5…駆動回転軸 5a…駆動回転軸の偏心軸部 10,10a〜10f…シリンダ 11,11a〜11f…ピストン 12…斜板 15…ピン(斜板の傾斜軸) 19…吸入室 20…吐出室 23,23a〜23f…吸入ポート 25…吐出弁(リード弁) 26…吸入弁板 27…軸受

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動回転軸によって回転駆動されて流体
    を圧縮する容積型の圧縮機であって、前記駆動回転軸の
    偏心軸部によって駆動されて公転運動を行う円盤形若し
    くはそれに近い形状の弁板と、前記弁板の略公転運動に
    よって開閉される弁開口からなる弁機構を備えているこ
    とを特徴とする圧縮機。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記容積型の圧縮機
    がピストン型のものであって、前記弁機構の弁板が前記
    ピストンの往復動と同期して公転運動をするように構成
    されていることを特徴とする圧縮機。
  3. 【請求項3】 請求項1において、前記弁機構の弁板が
    略公転運動をするときに、その周縁部において前記弁開
    口を開閉するように構成されていることを特徴とする圧
    縮機。
  4. 【請求項4】 請求項1において、前記弁機構の弁板が
    円形の円盤からなることを特徴とする圧縮機。
  5. 【請求項5】 請求項1において、前記弁板によって開
    閉される前記弁開口が吸入ポートであることを特徴とす
    る圧縮機。
  6. 【請求項6】 請求項1において、前記弁板によって開
    閉される前記弁開口が吐出ポートであることを特徴とす
    る圧縮機。
  7. 【請求項7】 請求項1において、前記弁機構が弁板の
    自転防止機構を備えていることを特徴とする圧縮機。
  8. 【請求項8】 請求項1において、前記容積型の圧縮機
    が斜板型の圧縮機であることを特徴とする圧縮機。
JP10241508A 1998-08-27 1998-08-27 圧縮機 Pending JP2000073946A (ja)

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JP10241508A JP2000073946A (ja) 1998-08-27 1998-08-27 圧縮機
US09/369,458 US6224349B1 (en) 1998-08-27 1999-08-06 Reciprocating type compressor having orbiting valve plate
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