JP2003171773A - 張力皮膜を有する一方向性珪素鋼板 - Google Patents

張力皮膜を有する一方向性珪素鋼板

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JP2003171773A
JP2003171773A JP2001370232A JP2001370232A JP2003171773A JP 2003171773 A JP2003171773 A JP 2003171773A JP 2001370232 A JP2001370232 A JP 2001370232A JP 2001370232 A JP2001370232 A JP 2001370232A JP 2003171773 A JP2003171773 A JP 2003171773A
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Yuji Kubo
祐治 久保
Takeshi Hamada
健 濱田
Shuichi Yamazaki
修一 山崎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電磁鋼板と張力皮膜との間の強固な密着性を
実現した一方向性珪素鋼板を提供する。 【解決手段】 地鉄表面に中間皮膜を有し、さらにその
上に張力皮膜を有してなる一方向性珪素鋼板であって、
前記中間皮膜が主として珪素酸化物からなる皮膜であ
り、該皮膜中に金属鉄及び/又は鉄含有酸化物の粒子を
有してなることを特徴とする、張力皮膜を有する一方向
性珪素鋼板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、張力皮膜を有する
一方向性珪素鋼板に関わるものである。さらに詳しく
は、表面にフォルステライト等の無機鉱物質の皮膜を有
せず、表面を鏡面ないしそれに近い状態に調整した一方
向性珪素鋼板の表面上に、絶縁性及び高張力を付与する
皮膜を形成させた一方向性珪素鋼板に関わるものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一方向性珪素鋼板は磁気鉄芯材料として
多用されており、特にエネルギーロスを少なくするため
に、鉄損の少ない材料が求められている。鉄損の低減に
は、鋼板に張力を付与することが有効である。
【0003】鋼板に張力を付与するためには、鋼板より
熱膨張係数の小さい材質からなる皮膜を高温で形成する
ことが有効である。これは、鋼板と皮膜との間の熱膨張
係数差によって生じる熱応力を利用するものである。通
常の一方向性珪素鋼板の表面には、脱炭焼鈍工程で生じ
るSiO2を主体とする酸化膜と焼鈍分離剤として通常用い
られるMgOとが、仕上焼鈍中に反応して形成されたフォ
ルステライトを主体とする皮膜(以下、仕上焼鈍皮膜と
称する)が存在する。この仕上焼鈍皮膜は、鋼板に与え
る張力が大きく、鉄損低減に効果がある。
【0004】さらに、特開昭48-39338号公報で開示され
た、コロイド状シリカと燐酸塩を主体とするコーティン
グ液を塗布して焼き付けることによって得られる絶縁皮
膜は、鋼板に対して張力付与の効果が大きく、鉄損低減
に有効である。従って、仕上焼鈍工程で生じた皮膜を残
した上で絶縁皮膜を施すことが、一般的な一方向性珪素
鋼板の製造方法となっている。
【0005】絶縁皮膜による鋼板への張力を増大させる
試みもなされている。例えば、特開平6-306628号公報に
開示されている、アルミナゾルと硼酸を主体とするコー
ティング液を塗布し焼き付けることで得られるAl2O3-B2
O3系の結晶質皮膜は、同一膜厚の下で、コロイド状シリ
カと燐酸塩を主体とするコーティング液を塗布・焼き付
けした場合に比べて、1.5〜2倍の皮膜張力を得ることが
できる。
【0006】一方、仕上焼鈍皮膜と地鉄の乱れた界面構
造が、鉄損に対する皮膜張力効果をある程度相殺してい
ることが明らかとなっている。そこで、例えば、特開昭
49-96920号公報や特開平4-131326号公報に開示されてい
る如く、仕上焼鈍工程で生じる仕上焼鈍皮膜を研磨、研
削等の機械的手段あるいは酸洗等の化学的手段等により
除いたり、さらにその後化学研磨や再焼鈍によって鏡面
化仕上げを行った後、あるいは仕上焼鈍における仕上焼
鈍皮膜の形成を防止することによって実質的に仕上焼鈍
皮膜が無い状態もしくは鏡面状態にした後、張力皮膜を
改めて施すことにより、さらなる鉄損低減を試みる技術
が開発された。
【0007】しかしながら、一般に張力皮膜は、仕上焼
鈍皮膜の上に施した場合にはかなりの皮膜密着性が得ら
れるものの、仕上焼鈍皮膜を除去したり、あるいは仕上
焼鈍工程で意図的に仕上焼鈍皮膜生成を行わなかった場
合のように、実質的に仕上焼鈍皮膜が存在しない場合に
は、全く密着性が得られない。また、張力付与性のない
絶縁皮膜を施した場合でも、厚塗りした場合には、密着
性が十分でなくなる。
【0008】この様な課題に対し、特開平6-184762号公
報において、仕上焼鈍皮膜の無い一方向性珪素鋼板に対
する張力付与型の皮膜の密着性改善方法が開示されてい
る。即ち、張力皮膜形成前に、地鉄との密着性の良好な
SiO2膜を形成させる方法である。同明細書においては、
弱還元性雰囲気中で焼鈍し、珪素鋼板に必然的に含有さ
れているSiを選択的に熱酸化させる事によってSiO2膜を
形成させる方法、およびCVDやPVD等のドライコーティン
グによる方法が示されている。また、特開平11-209891
号公報には、鋼板を珪酸塩水溶液中で陽極酸化処理する
ことによって珪酸質皮膜を析出させ、その後に絶縁皮膜
や張力皮膜を施す方法が示されている。さらに、特開平
3-130376号公報には、鋼板表面を平滑面とした後にゾル
・ゲル法によりゲル膜を形成し、さらにこの薄膜上に絶
縁皮膜を形成する方法が開示されている。これらの方法
は、必然的に高温処理や真空中での処理等が必要となっ
て、製造コストに問題があると共に、面張力が大きくな
ると焼き付け後に皮膜が剥離する等、密着性が十分でな
いという問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これら従来
技術における問題点を解決し、フォルステライト等無機
鉱物質皮膜の無い平滑な表面を有する鋼板上であって
も、高い電気絶縁性及び高い面張力を付与可能な張力皮
膜を密着性良く保持した、一方向性珪素鋼板を提供する
ことを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、一方向性珪素
鋼板の地鉄表面を主として珪素酸化物からなる中間皮膜
で覆い、かつその中間皮膜中に径がその中間皮膜の厚み
より小さい金属鉄及び/又は鉄含有酸化物の粒子を適量
存在させることで、その中間皮膜上を高い面張力を付与
可能な張力皮膜を覆った場合でも、曲げ試験において皮
膜の剥がれのないような高い密着性を実現できることを
見いだし、かかる知見に基づいて完成させたものであ
る。
【0011】すなわち、本発明は、(1) 地鉄表面に中
間皮膜を有し、さらにその上に張力皮膜を有してなる一
方向性珪素鋼板であって、前記中間皮膜が主として珪素
酸化物からなる皮膜であり、該皮膜中に金属鉄及び/又
は鉄含有酸化物の粒子を有してなることを特徴とする、
張力皮膜を有する一方向性珪素鋼板、(2) 前記粒子の
中間皮膜中での体積分率が1%以上70%以下である(1)に記
載の張力皮膜を有する一方向性珪素鋼板、(3) 前記粒
子の粒径が1nm以上500nm以下である(1)又は(2)に記載の
張力皮膜を有する一方向性珪素鋼板、(4) 前記中間皮
膜の膜厚が0.005μm以上1μm以下である(1)に記載の張
力皮膜を有する一方向性珪素鋼板、(5) 前記中間皮膜
がガラス質を主体とする皮膜である(1)に記載の張力皮
膜を有する一方向性珪素鋼板、(6) 前記張力皮膜の膜
厚が0.1μm以上10μm以下である(1)に記載の張力皮膜を
有する一方向性珪素鋼板、(7) 前記張力皮膜が、コロ
イド状シリカとリン酸塩を主体とするコーティング液を
塗布・焼き付けてなるガラス質皮膜、アルミナゾルと硼
酸を主体とするコーティング液を塗布・焼き付けてなる
結晶質皮膜、又は、これらの多層膜である(1)に記載の
張力皮膜を有する一方向性珪素鋼板、(8) 前記一方向
性珪素鋼板の面張力が9.8×105Pa以上9.8×107Pa以下で
ある(1)〜(7)に記載の張力皮膜を有する一方向性珪素鋼
板、である。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の張力皮膜を有する一方向
性珪素鋼板に用いる母材すなわち地鉄部分に関しては、
通常工業的に生産されるもの、例えば、Si含有量が2〜
4.8質量%の一方向性珪素鋼板であって、その表面が仕上
焼鈍皮膜等で覆われて無く、表面が平滑なものであれば
良い。鋼板表面の平滑の程度としては、中心線平均粗さ
が0.5μm以下であることが鉄損を下げるという観点から
好ましく、0.3μm以下であることがさらに好ましい。ま
た、鋼板の厚みに関して特に制限がないが、鉄損を下げ
るという観点からは薄い方が好ましい。ただし、工業的
生産性を考慮すれば、0.23mm程度の厚みであれば十分で
ある。
【0013】中間皮膜は、主として珪素酸化物からなる
皮膜であることが必要である。中間皮膜として、従来、
珪素酸化物以外では、Cr, K, Ti, Al, Zr, Ge, B, Li,
Na,Fe, Ga, Mg, P, Sb, Sn, Ta, V等の単一もしくは複
数の元素を含む化合物等が提案されてきたが、中間皮膜
がこれらの化合物で主として構成される場合には、高い
面張力を付与する張力皮膜を密着性良く保持することは
できなかった。中間皮膜が主として珪素酸化物からなる
皮膜であれば、珪素酸化物の弾性率が比較的小さくて、
熱応力を緩和する作用に優れているため、及び、一方向
性珪素鋼板中には高濃度のSiが含有されており、主とし
て珪素酸化物からなる中間皮膜と強い化学的親和性を有
するため、地鉄及び張力皮膜との密着性が向上したもの
と推察している。なお、皮膜密着性は、張力皮膜を塗布
・焼き付け後に直径20mmの丸棒に巻き付けた時の皮膜の
剥離の有無によって評価した。
【0014】さらに、中間皮膜中には、金属鉄及び/又
は鉄含有酸化物の粒子が存在していることが、高い密着
性を発現するためには必要である。これは、これらの金
属鉄及び/又は鉄含有酸化物の粒子が熱応力をさらに緩
和する作用を有するためと推測している。ここで、中間
皮膜及び張力皮膜の断面構造は、透過型電子顕微鏡(Tra
nsmission electron microscope: TEM)を用いて観察す
ることにより調べることができる。まず、張力皮膜を有
する一方向性珪素鋼板を小片に切断し、さらに薄片化し
た上で、鋼板表面と平行に電子ビームを当てて観察す
る。中間皮膜中の金属鉄及び/又は鉄含有酸化物の存在
は、明視野像でのコントラスト、回折パターン、エネル
ギー分散型X線分光法(Energy Dispersive X-ray spectr
oscopy: EDX)、電子エネルギー損失分光法(Electron En
ergy Loss Spectroscopy: EELS)、等により確認され
る。
【0015】本発明の張力皮膜を有する一方向性珪素鋼
板の高い密着性を損なわない限りは、中間皮膜中に、珪
素酸化物と金属鉄及び/又は鉄含有酸化物以外の物質又
は元素が、少量存在していても良い。このような物質又
は元素は、鋼板中に元々存在する元素由来であるか、も
しくは仕上焼鈍工程までに外部から侵入可能な元素由来
であるか、もしくは張力皮膜を形成するための工程で侵
入可能な元素由来であり、例えば、Al, N, Mg, Na, Bi,
Ca, Cr, Mn, Cu, P, B, Ti等が挙げられる。また、本
発明の張力皮膜を有する一方向性珪素鋼板の高い密着性
を損なわない限りは、皮膜の高い密着性を付与する目的
以外の目的で、意図的に珪素酸化物と金属鉄及び/又は
鉄含有酸化物以外の物質又は元素を中間皮膜中に添加し
たものであっても良い。通常、これらの異種元素の中間
皮膜中での濃度が10 原子%より多くなると、高い密着性
を損なう場合が出てくるため好ましくない。
【0016】本発明の張力皮膜を有する一方向性珪素鋼
板の中間皮膜中の金属鉄及び/又は鉄含有酸化物の粒子
の該中間皮膜中での体積分率は1%以上70%以下であるこ
とが好ましく、10%以上40%以下であることがさらに好ま
しい。この金属鉄及び/又は鉄含有酸化物の該中間皮膜
中での体積分率が1%未満であると、この金属鉄及び/又
は鉄含有酸化物の熱応力の緩和の作用が小さくなる恐れ
がある。また、70%より多いと、中間皮膜を主として構
成する珪素酸化物がこれら金属鉄及び/又は鉄含有酸化
物の粒子によって分断され、密着性を確保するための有
効な中間皮膜としての機能を果たさなくなる恐れがあ
る。
【0017】ここで、中間皮膜中での金属鉄及び/又は
鉄含有酸化物の体積分率は、先述のTEMによる断面観察
の視野中の鉄又は鉄含有酸化物の面積を視野中の中間皮
膜の断面積で割ることによって得られる。
【0018】本発明の張力皮膜を有する一方向性珪素鋼
板の中間皮膜中の金属鉄及び/又は鉄含有酸化物の粒子
の粒径は、1nm以上500nm以下であることが好ましく、5n
m以上100nm以下であることがさらに好ましい。この金属
鉄及び/又は鉄含有酸化物の粒子の粒径が1nm未満である
場合には、熱応力の緩和の作用が小さくなる恐れがあ
る。また、この粒子の粒径が500nmより大きいと、逆に
応力集中の原因となり、中間皮膜の破壊起点となる可能
性があり、好ましくない。ここで、中間皮膜中での金属
鉄及び/又は鉄含有酸化物の粒子の粒径は、先述のTEMに
よる断面観察によって知ることができる。
【0019】本発明の張力皮膜を有する一方向性珪素鋼
板の中間皮膜の厚みは、0.005μm以上1μm以下であるこ
とが好ましく、0.05μm以上0.5μm以下であることがさ
らに好ましい。中間皮膜の厚みが0.005μmより薄いと、
熱応力を緩和する作用が非常に薄い領域に限定される恐
れがあるので、好ましくない。また、中間皮膜の厚みが
1μmより厚いと、均一な厚みかつボイドやクラック等の
欠陥の無い中間皮膜を形成することが困難となる場合が
あるので、好ましくない。
【0020】本発明の一方向性珪素鋼板の中間皮膜を構
成する珪素酸化物は、ガラス質であることが好ましい。
これは、ガラス質であることで緻密な膜になって、熱応
力に耐える高い機械的強度を発現しやすいと共に、弾性
率が低くて、熱応力を緩和しやすいからである。
【0021】本発明の張力皮膜を有する一方向性珪素鋼
板の張力皮膜の厚みは、0.1μm以上10μm以下であるこ
とが好ましく、0.5μm以上5μm以下であることがさらに
好ましい。張力皮膜の厚みが0.1μmより薄いと、鋼板に
高い面張力を付与することが困難な場合がある。また、
張力皮膜の厚みが10μmより厚いと、張力皮膜を形成す
る段階でクラックが発生し、良好な皮膜を形成すること
ができないことがある。ここで、中間皮膜及び張力皮膜
の厚みは、先述のTEMによる断面観察によって測定され
る。
【0022】本発明の一方向性珪素鋼板の張力皮膜は、
コロイド状シリカと燐酸塩を主体とするコーティング液
を塗布し、焼き付けることによって得られるガラス質皮
膜であるか、アルミナゾルと硼酸を主体とするコーティ
ング液を塗布し、焼き付けることによって得られるAl2O
3-B2O3系の結晶質皮膜であるか、もしくは、これらの多
層皮膜であることが好ましい。これらの張力皮膜は、高
い面張力を鋼板に付与することが可能であると共に、珪
素酸化物を主成分とする中間皮膜との密着性にも優れて
いる。また、これら二種の張力皮膜同士の密着性も高い
ので、これらを組み合わせて多層の張力皮膜とすること
もできる。中間皮膜及び張力皮膜がガラス質であるか結
晶質であるかは、先述のTEMによる断面観察において、
その皮膜の回折パターンを測定することによって知られ
る。ガラス質であれば明確な回折パターンを示さず、結
晶質であれば明瞭な回折リング又は回折スポットを示
す。
【0023】本発明の一方向性珪素鋼板の鋼板に掛かっ
ている面張力は、9.8×105Pa以上9.8×107Pa以下である
ことが好ましく、2.9×106Pa以上9.8×107Pa以下である
ことがさらに好ましい。面張力が9.8×105Paより低い
と、面張力付与による鉄損低減効果が低い。ところで、
表面が平滑な一方向性珪素鋼板に面張力を付与するこ
と、特開昭57-2252号公報、特開昭59-255928号公報、特
開昭61-117218号公報、特公平3-69968号公報、特開昭61
-75506号公報、等に開示されている、いわゆる磁区制御
処理と組み合わせることで、効果的に鉄損を低下させる
ことが可能である旨が、特開平11-209891号公報に開示
されている。しかし、面張力が9.8×105Paより低いと、
これらの磁区制御処理との大きな相乗効果も期待できな
くなる場合がある。面張力は、高い方が鉄損低減のため
には好ましいが、先述のようにクラック等の無い良好な
張力皮膜を形成可能な厚みに工学的な限界があること
と、9.8×107Paを越える面張力をさらに付与したとして
も、さらなる鉄損の低減は飽和する傾向にあることか
ら、鋼板に付与する面張力は9.8×107Pa以下であること
が望ましい。ここで、張力皮膜形成による鋼板への面張
力の測定は、片面を保護して鋼板を熱アルカリ水溶液中
に浸漬することによって片面のみ皮膜を除去した際に生
じる鋼板の反り量から計算される。
【0024】ここで、本発明の一方向性珪素鋼板に対し
て、特開昭57-2252号公報、特開昭59-255928号公報、特
開昭61-17218号公報、特公平3-69968号公報、特開昭61-
75506号公報、等に開示されている、いわゆる磁区制御
処理を適用しても良い。さらに、本発明の一方向性珪素
鋼板の性能を損なわない限り、鉄損を低減する目的等で
の他の技術を、本発明の珪素鋼板に適用しても良い。
【0025】本発明の一方向性珪素鋼板は、次のような
方法で製造することができる。すなわち、まず、仕上焼
鈍皮膜の無い、表面が平滑な一方向性珪素鋼板を製造
し、次いで、焼き付け後に、膜中に金属鉄及び/又は鉄
含有酸化物の粒子が存在する構造を持つような中間皮膜
となるように、一次膜を形成し、次いで、焼き付け後に
張力皮膜となるように、一次膜の上にさらに二次膜を形
成し、最後に焼き付けを行うことで、製造することがで
きる。場合によっては、一次膜の上に、焼き付け後に張
力皮膜となる膜を、二次膜、三次膜、等と、多層に形成
し、その後焼き付けを行うことも可能である。さらに
は、中間皮膜をあらかじめ焼き付けて形成した後に、二
次膜を形成して、場合によっては二次膜、三次膜、等
と、多層に形成して焼き付ける、又は、一次膜、二次膜
を焼き付けて、中間皮膜と一次張力皮膜を形成した後
に、三次膜、四次膜、等を形成して焼き付ける等の、種
々の方法を採ることが可能である。さらに、この製造方
法の工程のどこかで、先述のいわゆる磁区制御処理を施
しても良い。
【0026】仕上焼鈍皮膜の無い、表面が平滑な一方向
性珪素鋼板は、仕上焼鈍皮膜が形成される通常の仕上焼
鈍を行い、その後酸洗処理を行って、仕上焼鈍皮膜を除
去し、この酸洗処理後に化学研磨や機械的な研磨を行っ
て、表面をさらに平滑化することによって得られる。別
な方法として、特開平4-131326号公報に記載された方
法、すなわち酸洗により仕上焼鈍皮膜を除去した後に、
仕上焼鈍皮膜を有する珪素鋼板をスペーサーとして、還
元雰囲気中で高温長時間焼鈍することによって得られ
る。さらに別な方法として、仕上焼鈍を行うに際し、一
次再結晶焼鈍時の酸化膜を除去し、MgO以外の焼鈍分離
剤を選択することによって表面を平滑化する、あるい
は、焼鈍分離剤としてアルカリ金属を含有するアルミナ
等を用いて仕上焼鈍を行うことにより、表面を平滑化す
ることによって製造される。
【0027】焼き付け後に、膜中に金属鉄及び/又は鉄
含有酸化物の粒子が存在する構造を持つ、中間皮膜とな
る先述の一次膜は、プラズマCVDを用いて作製すること
ができる。上記に例示した方法で作成した、仕上焼鈍皮
膜の無い、平滑な表面を有する一方向性珪素鋼板上に、
Siを含有するガス、例えばSiH4、を用いたプラズマCVD
でSiO2膜を形成する。次いで、SiO2膜中に、イオンイン
プランテーションにより50keV〜100keVの加速電圧で、
鉄原子をSiO2膜中のSi原子数の5〜50%導入することで得
られる。
【0028】焼き付け後に、膜中に金属鉄及び/又は鉄
含有酸化物の粒子が存在する構造を持つ、中間皮膜とな
る先述の一次膜は、スパッタリング法を用いて形成する
こともできる。ArとO2との混合ガスを用いて高周波プラ
ズマを形成させ、そのプラズマで石英ターゲットと金属
鉄ターゲットを同時にスパッタリングし、上記に例示し
た方法で作成した、仕上焼鈍皮膜の無い、平滑な表面を
有する一方向性珪素鋼板上に、SiO2とFeを同時に積層さ
せることで得られる。なお、SiO2とFeの量比は、両ター
ゲットの面積を変えることによって容易に調整可能であ
り、通常、石英ターゲットと金属鉄ターゲットの面積比
が、50:1〜1:1の範囲で良好な一次膜が形成される。
【0029】焼き付け後に、膜中に金属鉄及び/又は鉄
含有酸化物の粒子が存在する構造を持つ、中間皮膜とな
る先述の一次膜の別な形成方法は、以下のとおりであ
る。シリコンアルコキシドから加水分解反応と重縮合反
応によって作製した、水-アルコール系溶媒のシリカゾ
ルに、硝酸鉄等の鉄化合物を適量溶解する。上記に例示
した方法で作成した、仕上焼鈍皮膜の無い、平滑な表面
を有する一方向性珪素鋼板上に、ロールコーター又はバ
ーコーターを用いて、このシリカゾルを塗布し、空気
中、200℃で乾燥を行うことで得られる。さらに、引き
続いて、還元雰囲気中で、300〜1000℃の任意の温度ま
で、平均昇温速度10℃/秒で昇温し、60秒保持してから
空冷する、という焼き付けを行ってもよい。ここで、主
に、ゾル中に添加した鉄化合物が、焼き付け後の中間皮
膜中の金属鉄及び/又は鉄含有酸化物の粒子に変化する
ものと考えられ、従って、中間皮膜中の金属鉄及び/又
は鉄含有酸化物の粒子の量は、シリカゾルに溶解させる
鉄化合物の量で、ほぼ決定する。
【0030】焼き付け後に張力皮膜となるように、一次
膜の上にさらに二次膜を形成する方法は、以下のとおり
である。特開昭48-39338号公報で開示されたコロイド状
シリカと燐酸塩を主体とするコーティング液を、ロール
コーター又はバーコーターを用いて塗布し、乾燥後850
℃で焼き付けることによって得られる。又は、特開平6-
306628号公報に開示されている、アルミナゾルと硼酸を
主体とするコーティング液を、同様に塗布し、850℃で
焼き付けることで得られる。後者の張力皮膜はAl2O3-B2
O3系の結晶質皮膜であり、同一膜厚のもとで、前者の張
力皮膜に対して1.5〜2倍の皮膜張力を得ることをでき
る。さらに、コロイド状シリカと燐酸塩を主体とするコ
ーティング液を塗布、乾燥又は焼き付け後に、アルミナ
ゾルと硼酸を主体とするコーティング液を塗布、乾燥・
焼き付けを行うことで、二層の張力皮膜を形成すること
もできる。また、同様の操作を繰り返すことで、三層以
上の張力皮膜を形成することもできる。このような、多
層の張力皮膜を形成したことによる、高い面張力の付与
という条件であっても、直径20mmの丸棒に鋼板を巻き付
けても、皮膜が剥がれることが無く、本発明の一方向性
珪素鋼板の中間皮膜は、良好な密着性を実現していた。
【0031】なお、本発明の一方向性珪素鋼板は、上述
に例示した方法で製造することができるが、その高い面
張力付与下での密着性の確保、及び、その結果としての
低い鉄損は、その特異的な中間皮膜の構造に依るのであ
って、例示した製造方法に依るものではない。
【0032】
【実施例】以下に、実施例について説明する。 (実施例1)Siを3%含有する最終板厚0.23mmに圧延された
珪素鋼板に対し、脱炭焼鈍を兼ねて電磁鋼板表面にSiO2
を含む酸化層を形成させた後、MgOを主とする焼鈍分離
剤を塗布し、最終仕上げ焼鈍を行った。このようにして
焼鈍した一方向性電磁鋼板表面には、フォルステライト
を主体とする皮膜が存在するため、硫フッ酸溶液に鋼板
を浸漬することによって、フォルステライト皮膜を除去
した。この処理の後の板厚は0.22mmであった。次いで、
仕上げ焼鈍雰囲気中で高温長時間焼鈍し、表面を鏡面化
した。この鋼板に対し、歯車ロールを用いて圧延方向と
直角方向に、深さ10μm、幅100μmの溝を5mm間隔で形成
した。この溝付鏡面化珪素鋼板上に、Arで希釈したSiH4
+N2O混合ガスを用いたプラズマCVDで、SiO2膜を形成し
た。次いで、SiO2膜中に、イオンインプランテーション
により60keVでFeを、このSiO2膜中のSiに対し15mol%だ
け導入した。引き続いて、コロイド状シリカと50質量%
燐酸マグネシウム水溶液と無水クロム酸からなる処理液
を、溝付きゴムロールを用いて塗布、乾燥して、焼き付
け後に張力皮膜となる二次皮膜を形成した。最後に、こ
の珪素鋼板を850℃で焼き付けて、張力皮膜を有する一
方向性珪素鋼板を得た。
【0033】このようにして得た一方向性珪素鋼板を、
直径20mmの丸棒に巻き付けたところ、形成した皮膜の剥
離は起こらず、良好な皮膜密着性が実現していた。ま
た、このようにして得た一方向性珪素鋼板の中間皮膜及
び張力皮膜の断面構造をTEMにより観察した。中間皮膜
は、主にガラス質の珪素酸化物であり、その平均膜厚は
0.08μmであった。また、中間皮膜中には、鉄含有酸化
物の粒子が存在しており、鉄含有酸化物の中間皮膜中で
の体積割合は13%であり、その粒径はほぼ5〜50nmの範囲
であった。また、張力皮膜は、ガラス質であり、その平
均膜厚は4.0μmであった。また、鋼板に掛かっている面
張力は、約1.5×107Paであった。さらに、このようにし
て得た一方向性珪素鋼板の磁束密度B8(800A/mにおける
磁束密度)は1.95Tであり、鉄損W17/50(1.7T、50Hzの下
での鉄損)は0.62W/kgであった。 (比較例1)実施例1で用いた溝付鏡面化珪素鋼板上に、一
次皮膜を形成することなく、実施例1で用いたコロイド
状シリカと50質量%燐酸マグネシウム水溶液と無水クロ
ム酸からなる処理液を、実施例1と同様に塗布、乾燥し
て、焼き付け後に張力皮膜となる二次皮膜を形成した。
最後に、この珪素鋼板を850℃で焼き付けたところ、形
成した皮膜の半分ほどが鋼板から剥離、脱落していた。
【0034】このようにして得た部分的に皮膜が剥離し
た一方向性珪素鋼板を、直径20mmの丸棒に巻き付けたと
ころ、残りの皮膜の殆ど全てが剥離し、皮膜密着性が十
分でないことを示していた。また、このようにして得た
一方向性珪素鋼板の皮膜の断面構造をTEMにより観察し
たところ、鋼板上に残存していた張力皮膜はガラス質で
あった。鋼板に掛かっている面張力の正確な測定は困難
であった。さらに、このようにして得た一方向性珪素鋼
板の磁束密度B8(800A/mにおける磁束密度)は1.94Tであ
り、鉄損W17/50(1.7T、50Hzの下での鉄損)は0.81W/kgで
あった。 (実施例2)Siを3%含有する最終板厚0.23mmに圧延された
珪素鋼板に対し、脱炭焼鈍を施し、その際に生成するSi
O2を含む酸化層を酸洗によって除去した後に、アルミナ
を主体とする焼鈍分離剤を塗布し、最終仕上げ焼鈍を行
った。このようにして焼鈍した一方向性電磁鋼板は、表
面に仕上焼鈍皮膜が存在せず、表面は鏡面を呈してい
た。この鋼板に対し、歯車ロールを用いて圧延方向と直
角方向に、深さ10μm、幅100μmの溝を5mm間隔で形成し
た。この溝付鏡面化珪素鋼板上に、モル比で3:1のArとO
2との混合ガスを用いて、高周波プラズマを形成させ、
そのプラズマで石英ターゲットと金属鉄ターゲットを同
時にスパッタリングし、上記の方法で作成した仕上焼鈍
皮膜の無い平滑な表面を有する一方向性珪素鋼板上に、
SiO2とFeを同時に積層させた。なお、SiO2とFeの両ター
ゲットの面積比を3:1とした。引き続いて、ホウ酸とア
ルミナゾルを主体とする処理液を、溝付きゴムロールを
用いて塗布、乾燥して、焼き付け後に張力皮膜となる二
次皮膜を形成した。最後に、この珪素鋼板を580℃で焼
き付けて、張力皮膜を有する一方向性珪素鋼板を得た。
【0035】このようにして得た一方向性珪素鋼板を、
直径20mmの丸棒に巻き付けたところ、生成した皮膜の剥
離は起こらず、良好な皮膜密着性が実現していた。ま
た、このようにして得た一方向性珪素鋼板の中間皮膜及
び張力皮膜の断面構造をTEMにより観察した。中間皮膜
は、主にガラス質の珪素酸化物であり、その平均膜厚は
0.11μmであった。また、中間皮膜中には、金属鉄粒子
が存在しており、金属鉄の中間皮膜中での体積割合は27
%であり、その粒径はほぼ5〜30nmの範囲にあった。ま
た、張力皮膜は、ガラス質であり、その平均膜厚は2.8
μmであった。また、鋼板に掛かっている面張力は約2.0
×107Paであった。さらに、このようにして得た一方向
性珪素鋼板の磁束密度B8は1.93Tであり、鉄損W17/50
0.60W/kgであった。 (比較例2)実施例2で用いた溝付鏡面化珪素鋼板上に、一
次皮膜を形成することなく、実施例2で用いたホウ酸と
アルミナゾルを主体とする処理液を、実施例2と同様に
塗布、乾燥して、焼き付け後に張力皮膜となる二次皮膜
を形成した。最後に、この珪素鋼板を850℃で焼き付け
たところ、形成した皮膜の殆どが剥離、脱落し、皮膜密
着性が十分でないことを示していた。
【0036】また、このようにして得た一方向性珪素鋼
板の一部残存していた皮膜の断面構造をTEMにより観察
したところ、鋼板上に残存していた張力皮膜は、結晶質
であり、その平均膜厚は2.0μmであった。鋼板には殆ど
張力皮膜が残存していないために、鋼板には面張力がか
かっていないものと判断された。さらに、このようにし
て得た一方向性珪素鋼板の磁束密度B8は1.95Tであり、
鉄損W17/50は0.87W/kgであった。 (実施例3)シリコンアルコキシドから加水分解反応と重
縮合反応によって作製した、水+エタノールの混合溶媒
(質量比は1:1)でのシリカゾル(固形分8質量%)に、硝酸
鉄等の鉄化合物を鉄とシリコンのモル比が1:3となるよ
うに溶解して、鉄含有のシリカゾルを作製した。このシ
リカゾルを、実施例2で用いた溝付鏡面化珪素鋼板上
に、溝付ゴムロールを用いて塗布、乾燥して、一次膜を
形成した。その上に、固形分質量割合が20%であるコロ
イド状シリカと燐酸マグネシウム水溶液と無水クロム酸
を混合して得た処理液を、溝付きゴムロールを用いて塗
布、乾燥した。さらに、その上に、ホウ酸とアルミナゾ
ルを主体とする処理液を、溝付きゴムロールを用いて塗
布、乾燥した。このようにして、焼き付け後に張力皮膜
となる二層構造を有する二次皮膜を形成した。最後に、
この珪素鋼板を850℃で焼き付けて、張力皮膜を有する
一方向性珪素鋼板を得た。
【0037】このようにして得た一方向性珪素鋼板を、
直径20mmの丸棒に巻き付けたところ、形成した膜の剥離
は起こらず、良好な皮膜密着性が実現していた。また、
このようにして得た一方向性珪素鋼板の中間皮膜及び張
力皮膜の断面構造をTEMにより観察した。中間皮膜は、
主にガラス質の珪素酸化物であり、その平均膜厚は0.10
μmであった。また、中間皮膜中には、金属鉄粒子が存
在しており、金属鉄の中間皮膜中での体積割合は22%で
あり、その粒径はほぼ10〜50nmの範囲にあった。また、
二層の張力皮膜の内、鋼板に近い方の張力皮膜は、ガラ
ス質であり、その平均膜厚は3.1μmであり、鋼板から遠
い方の張力皮膜は、結晶質であり、その平均膜厚は2.9
μmであった。また、鋼板に掛かっている面張力は約3.2
×107Paであった。さらに、このようにして得た一方向
性珪素鋼板の磁束密度B8は1.93Tであり、鉄損W17/50
0.58W/kgであった。 (比較例3)実施例3で用いた一次膜形成用のシリカゾル
で、硝酸鉄を含有してないものを作製し、これを実施例
2で用いた溝付鏡面化珪素鋼板上に、溝付ゴムロールを
用いて塗布、乾燥して、一次膜を形成した。ついで、こ
の上に実施例3と同様にして、二層構造を有する二次皮
膜を形成した。最後に、この珪素鋼板を850℃で焼き付
けたところ、形成した皮膜は全て剥離、脱落し、皮膜密
着性が十分でないことを示していた。
【0038】このようにして得た一方向性珪素鋼板上に
は、皮膜が残存しておらず、皮膜のTEM観察を行うこと
ができなかった。また、皮膜が存在してないために、鋼
板には面張力がかかっていないものと判断された。さら
に、このようにして得た一方向性珪素鋼板の磁束密度B8
は1.95Tであり、鉄損W17/50は0.85W/kgであった。
【0039】
【発明の効果】以上述べたように、本発明は、電磁鋼板
と張力皮膜との間の強固な密着性を実現した一方向性珪
素鋼板を提供するものである。従って、本発明によっ
て、皮膜地鉄界面の平坦度が優れており、かつ高い面張
力が付与されているために、鉄損の極めて低い電磁鋼板
が実現される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山崎 修一 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 Fターム(参考) 4K026 AA03 AA22 BA03 BA12 BB10 CA18 CA23 CA41 EB11

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地鉄表面に中間皮膜を有し、さらにその
    上に張力皮膜を有してなる一方向性珪素鋼板であって、
    前記中間皮膜が主として珪素酸化物からなる皮膜であ
    り、該中間皮膜中に金属鉄及び/又は鉄含有酸化物の粒
    子を有してなることを特徴とする、張力皮膜を有する一
    方向性珪素鋼板。
  2. 【請求項2】 前記粒子の中間皮膜中での体積分率が1%
    以上70%以下である請求項1記載の張力皮膜を有する一方
    向性珪素鋼板。
  3. 【請求項3】 前記粒子の粒径が1nm以上500nm以下であ
    る請求項1又は2に記載の張力皮膜を有する一方向性珪素
    鋼板。
  4. 【請求項4】 前記中間皮膜の膜厚が0.005μm以上1μm
    以下である請求項1記載の張力皮膜を有する一方向性珪
    素鋼板。
  5. 【請求項5】 前記中間皮膜がガラス質を主体とする皮
    膜である請求項1記載の張力皮膜を有する一方向性珪素
    鋼板。
  6. 【請求項6】 前記張力皮膜の膜厚が0.1μm以上10μm
    以下である請求項1記載の張力皮膜を有する一方向性珪
    素鋼板。
  7. 【請求項7】 前記張力皮膜が、コロイド状シリカとリ
    ン酸塩を主体とするコーティング液を塗布・焼き付けて
    なるガラス質皮膜、アルミナゾルと硼酸を主体とするコ
    ーティング液を塗布・焼き付けてなる結晶質皮膜、又
    は、これらの多層膜である請求項1記載の張力皮膜を有
    する一方向性珪素鋼板。
  8. 【請求項8】 前記一方向性珪素鋼板の面張力が9.8×1
    05Pa以上9.8×107Pa以下である請求項1〜7に記載の張力
    皮膜を有する一方向性珪素鋼板。
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