JP2003170762A - ダクト構造 - Google Patents

ダクト構造

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JP2003170762A
JP2003170762A JP2001370668A JP2001370668A JP2003170762A JP 2003170762 A JP2003170762 A JP 2003170762A JP 2001370668 A JP2001370668 A JP 2001370668A JP 2001370668 A JP2001370668 A JP 2001370668A JP 2003170762 A JP2003170762 A JP 2003170762A
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JP2001370668A
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Hiroshi Suzuki
浩 鈴木
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Inoac Corp
Original Assignee
Inoue MTP KK
Inoac Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両内装部材の結露防止を好適に図り得るよ
うにしたダクト構造を提供する。 【解決手段】 パネル基材12の壁面において空気流通
路40の一部をなす壁部分22は、該パネル基材12の
成形時に成形型をコアバックさせることにより、発泡剤
の添加された成形材料が発泡阻止状態で固化して該パネ
ル基材12の外面に延在する外側壁部50,50と、こ
の外側壁部50,50の内側で成形材料が発泡状態で固
化して所要厚に延在する内側発泡部52とに形成され
る。この壁部分22は、発泡反応に際して形成された複
数の気泡空間54を有する前記内側領域52の存在によ
り断熱性能が向上しており、これにより結露防止が好適
に図られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ダクト構造に関
し、更に詳細には、所要形状に成形されて車両内装部材
を構成する基材と、この基材の裏側に端部を接合して配
設され、該基材との間にエアコンユニットに連通する空
気流通路を画成するダクト部材とからなるダクト構造に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】乗用車における乗員室内には、インスト
ルメントパネルやフロアコンソール等を代表とする種々
の車両内装部材が設置されている。例えば図9は、乗員
室前方に設置されるインストルメントパネルの概略断面
図であるが、図示したインストルメントパネル10は、
所要形状に成形した合成樹脂製のパネル基材12から構
成される単層タイプとされている。但しインストルメン
トパネル10は、このような単層タイプの他に、前記パ
ネル基材12の外面に質感向上用の表皮材を被着して構
成される2層タイプや、前記パネル基材12の外面に質
感向上用の表皮材および触感向上用の弾性材を被着して
構成される3層タイプ等も実施に供されている。
【0003】また前記インストルメントパネル10の内
側には、乗員室内の空調に供されるエアコンユニット3
0が搭載され、該インストルメントパネル10のセンタ
ーコンソール部等に設置した空調制御パネル(図示せず)
でのスイッチ操作により、該エアコンユニット30が運
転制御されるようになっている。そして、前記エアコン
ユニット30における空気送出部32と、前記インスト
ルメントパネル10の所要位置に配設したエアアウトレ
ット(図示せず)とが、該パネル10の裏側(内側)に設け
た空気流通路40で接続されており、エアコンユニット
30で所要温度に調節された調温空気は、該空気流通路
40を介してエアアウトレットへ案内された後に乗員室
内へ吹出される。
【0004】ここで、前記インストルメントパネル10
に実施されていた従来のダクト構造は、具体的に図示し
ないが、前記インストルメントパネル10のパネル基材
12とは別部材として成形されたもので、例えばポリエ
チレン(PE)やポリプロピレン(PP)等の成形材料をブ
ロー成形した中空体のダクト部材が使用されていた。し
かしながら近年に至っては、図9に示したように、略樋
状(断面ハット形状)に予備成形したPP製のダクト部材
34を、その端縁部38,38を前記パネル基材12の
裏面に接合(振動溶着、超音波溶着、熱カシメ、ビス締
め等)することで、該パネル基材12との間に前記エア
コンユニット30およびエアアウトレットに夫々連通す
る前記空気流通路40を画成するようにしたダクト構造
が実施されつつある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図9に示し
た単層タイプのインストルメントパネル10では、パネ
ル基材12およびダクト部材34で空気流通路40を形
成するダクト構造を採用することにより、次のような問
題が発生する場合があった。すなわち前記パネル基材1
2は、例えば前記空気流通路40の一部となる壁部分2
2の厚みHが一般的には2〜4mm程度で、かつ該壁部
分22が所謂中実状で熱が移動し易くなっているため、
乗員室内と前記空気流通路40内との温度差が大きい場
合には、前記壁部分22の外面が結露することがあっ
た。殊に、空気流通路40に面する壁部分22の裏面2
2aが結露すると、これにより発生した水滴が前記ダク
ト部材34の内側に流下して該空気流通路40内に滞留
してしまい、カビ発生や異臭発生等の原因となってい
た。
【0006】そこで図9に例示したように、パネル基材
12における壁部分22の裏面22a側に、断熱性に優
れたPE製やPP製またはポリウレタン製の発泡シート
材24を貼込むことで、該壁部分22での結露防止を図
る対策が講じられている。しかしながらこのようなダク
ト構造では、前記発泡シート材24の材料費および成形
加工費等が別途かかると共に、該発泡シート材24を装
着する作業が追加されるため、コストアップを招来して
しまう問題があった。また、発泡シート材24としてポ
リウレタン製のものを使用した場合には、該発泡シート
材24とパネル基材12およびダクト部材34との材質
が異なるため、インストルメントパネル10のリサイク
ル性が低下してしまう問題も生ずる。
【0007】
【発明の目的】本発明は、前述した課題を好適に解決す
るべく提案されたもので、車両内装部材を構成する基材
の壁面において、該基材にダクト部材を配設した際に空
気流通路の一部となる壁部分の断熱性能を向上させるこ
とで、結露防止を好適に図り得るようにしたダクト構造
を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決して、所
期の目的を達成するため本発明は、所要形状に成形され
て車両内装部材を構成する基材と、この基材の裏側に端
部を接合して配設され、該基材との間にエアコンユニッ
トに連通する空気流通路を画成するダクト部材とからな
るダクト構造において、前記基材の成形時に成形型をコ
アバックさせることにより、該基材の壁面において前記
ダクト部材の配設時に前記空気流通路の一部をなす壁部
分を、発泡剤の添加された成形材料が発泡阻止状態で固
化して該基材の外面に延在する外側領域と、この外側領
域の内側で前記成形材料が発泡状態で固化して所要厚に
延在する内側領域とから形成し、発泡反応に際して形成
された複数の気泡空間を有する前記内側領域の存在によ
り、前記壁部分の断熱性能の向上を図るよう構成したこ
とを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係るダクト構造に
つき、好適な実施例を挙げ、添付図面を参照しながら以
下説明する。なお、本願が対象とするダクト構造は、所
要形状に成形されて車両内装部材を構成する基材の裏側
に設けるものが前提とされ、車両内装部材としてはイン
ストルメントパネル、フロアコンソール、ルーフパネル
等が挙げられる。そこで実施例では、車両内装部材とし
てインストルメントパネルを例示して説明することと
し、図9に示した従来のインストルメントパネル10と
同一部材、部品については同一符号で指示する。
【0010】図2は、本発明の好適実施例に係るダクト
構造を採用したインストルメントパネル25の概略斜視
図、図1は図2のI−I線断面図であって、パネル基材
(基材)12および該パネル基材12の裏側に接合したダ
クト部材34により画成された空気流通路40を示して
いる。実施例のダクト構造が採用されるインストルメン
トパネル25は、後述する成形材料Pから所要形状に成
形されたパネル基材12からなる単層タイプであり、基
本的構成は図9に示した従来のインストルメントパネル
10と同一である。但し、図示したインストルメントパ
ネル25のパネル基材12は、別々に成形されて上下に
組付けられる上部半体12Aおよび下部半体12Bから
構成されている。
【0011】前記パネル基材12の前面左端および前面
右端には、後述する空気流通路40に連通するエアアウ
トレット26が配設され、また上面左端、上面右端およ
び上面後端にも別のエアアウトレット28,28が配設
または形成されている。一方、パネル基材12の左側上
面には、リィンフォースバー42に固定したエアバッグ
装置44に対応するインビジブルタイプのエアバッグド
ア46が設けられ、常には該パネル基材12の一部を構
成すると共に、該エアバッグ装置44の作動時には外方
へ開放変位するようになっている。なお、図2中の14
は計器ユニット、16はグローブボックス、18はオー
ディオユニット、20は空調制御パネルである。
【0012】前記パネル基材12の裏側に接合されるダ
クト部材34は、図9に示した従来のもとの同一であっ
て、例えばオレフィン系であるポリプロピレン(PP)、
ポリエチレン(PE)または熱可塑性エラストマー(TP
O)等の成形材料から略樋状(断面ハット形状)にインジ
ェクション成形され、前記空気流通路40を画成するダ
クト壁36と、該ダクト壁36の断面形状端部において
長手方向の端縁に沿って形成された端縁部38,38
と、前記エアコンユニット30の空気吹出部(空気吹出
ダクト)32に連結される空気導入口39とから構成さ
れている。このようなダクト部材34は、例えば振動溶
着、超音波溶着、熱カシメ、ビス締め等の適宜手段によ
り、前記夫々の端縁部38,38をパネル基材12の裏
面に接合して固定することで、該パネル基材12との間
に前記エアコンユニット30およびエアアウトレット2
6に夫々連通する空気流通路40を画成する。
【0013】そして実施例のダクト構造では、図4〜図
8に示すと共に後述するように、公知の射出発泡成形技
術に基いて射出発泡成形型56をコアバックさせること
により前記パネル基材12を射出発泡成形し、該パネル
基材12の壁面において前記ダクト部材34の配設時に
前記空気流通路40の一部をなす壁部分22を、発泡剤
の添加された成形材料Pが発泡阻止状態で固化して該パ
ネル基材12の外面に延在する外側壁部(外側領域)5
0,50と、この外側壁部50,50の内側で前記成形材
料Pが発泡状態で固化して所要厚に延在する内側発泡部
(内側領域)52とから形成されている。そして前記内側
発泡部52は、図1および図3に示すように、前記成形
材料Pが発泡反応に際して形成された複数の気泡空間5
4を有しているため、夫々の気泡空間54の存在により
熱伝導率が低くなっている。従ってパネル基材12にお
ける壁部分22は、所要厚の前記内側発泡部52で形成
されているから断熱性能の向上が図られている。なお、
パネル基材12の一般部分21は、前記壁部分22の外
側壁部50と同様に、前記成形材料Pが発泡阻止状態で
固化して形成されている。
【0014】ここで、前記パネル基材12を成形するた
めの前記成形材料Pとしては、例えばオレフィン系であ
るポリプロピレン(PP)またはポリエチレン(PE)等の
樹脂原料に、強度向上を図るためのマイカを10〜20
重量%程度添加すると共に、更に適宜の発泡剤を3重量
%程度添加したものとされている。このような成形材料
Pにより所要の成形条件のもとで成形された実施例のパ
ネル基材12は、前記壁部分22以外の一般部分21の
厚みWが略均一で4mm程度とされ、該壁部分22の厚
みHは、部位毎に若干の差異があるものの約8mm程度
とされている。また前記壁部分22では、外側壁部5
0,50の厚みH1が夫々1.5mm程度、内側発泡部5
2の厚みH2が5mm程度となっている。
【0015】このようなパネル基材12では、成形材料
Pが発泡阻止状態で固化した前記一般部分21が、発泡
剤の添加されない成形材料で成形した図9のパネル基材
12と略同等の強度および剛性を有しており、インスト
ルメントパネル25に要求される強度が確保されてい
る。また前記壁部分22は、厚みH2が約5mmの前記
内側発泡部52を挟んで夫々の外側壁部50,50が離
間して延在形成されているが、該内側発泡部52が所謂
「補強リブ」として機能するようになるから、該外側壁部
50,50の厚みH1が1.5mm程度であっても変形が
規制されて充分な面剛性が確保されている。但し、曲げ
弾性率および衝撃性等は若干の低下が懸念されるが、裏
面に接合した前記ダクト部材34が補強材として機能す
るようになることから、これらの低下が好適に防止され
る。
【0016】なお、パネル基材12の剛性および強度
や、壁部分22における外側壁部50の厚みH1と内側
発泡部52の厚みH2との比率等は、前述した成形材料
Pの各原料の配合比率や、後述するコアバックタイプの
射出発泡成形型56による射出発泡成形時の成形条件の
設定等により、適宜調整することが可能である。
【0017】図4は、前記パネル基材12を成形するた
めのコアバックタイプの射出発泡成形型56を、成形材
料Pを射出する前の型閉め状態で示す概略断面図であ
る。この射出発泡成形型56は、前記パネル基材12の
外形形状に基いて形成された凸状成形面58aを設けた
第1成形型(下型)58と、この第1成形型58と対をな
すと共に型閉めされ、前記凸状成形面58aに対向する
凹状成形面60aを設けた第2成形型(上型)60とから
構成されている。これにより、第1成形型58に対して
第2成形型60を型閉めした際に、両成形面58a,6
0aによって前記パネル基材12の外形形状に合致する
キャビティ62が画成される。なお図示しないが、溶融
した前記成形材料Pを前記キャビティ62内へ射出する
際に使用される射出ゲートが、成形型56の適宜部位に
形成されている。
【0018】また前記第1成形型58には、前記壁部分
22を成形するためのコア64が、スライド移動可能に
配設されている。このコア64は、図示しない適宜作動
手段により、先端成形面64aが前記成形面58aと整
合した第1位置(図4,図5,図6)と、該先端成形面64
aが成形面58aから退避した第2位置(図7,図8)と
の間をスライド移動するようになっており、このコア6
4に対応した部位のキャビティ62の厚みおよび容積を
変化させ得るようになっている。なお第1成形型58お
よび第2成形型60には、夫々の成形面58a,60a
を冷却するための冷却手段(図示せず)が埋設され、キャ
ビティ62内へ射出された前記成形材料Pの冷却・固化
を促進し得るようになっている。
【0019】次に、前述のように構成された射出発泡成
形型56を使用して本実施例のパネル基材12を成形す
る方法につき、図4〜図8を引用して説明する。
【0020】先ず図4に示すように、前記射出発泡成形
型56における第2成形型60を第1成形型58に型閉
めし、かつコア64を前進移動させて第1位置に停止さ
せる。これにより射出発泡成形型56の内部には、前記
パネル基材12を成形し得るキャビティ62が画成され
る。パネル基材12の成形準備が完了したら、図示しな
い射出ゲートを介して所要量の溶融した前記成形材料P
をキャビティ62内へ射出する(図5)。なお、キャビテ
ィ62に対する成形材料Pの射出量は、当該成形材料P
の特性によって設定されるものであるが、実施例では容
積減少状態にある該キャビティ62の容積と略同量とさ
れる。
【0021】前記キャビティ62内へ射出された成形材
料Pは、第1および第2成形型58,60の冷却された
各成形面58a,60aおよびコア64の先端成形面6
4aに接触した部分から固化を開始し、ソリッド化した
一般部分21および壁部分22の外側壁部50,50が
徐々に形成される(図6)。なお、容積減少状態にあるキ
ャビティ62内へ射出された成形材料Pが、該キャビテ
ィ62内を流動する際に発泡ガスのロスがないと仮定し
た場合、前記発泡剤が分解して発生した全てのガスは、
圧縮されて成形材料P内に含有された状態となってい
る。
【0022】前記成形材料Pの射出が完了した後、該成
形材料Pの表面に厚みH1の外側壁部50が形成された
ら、前記コア64を第2位置へスライド移動(コアバッ
ク)させる(図7)。この際に前記キャビティ62では、
コア64に対応した部位だけが容積が拡大するため、こ
の部位に存在していた未固化状態の成形材料Pに付与さ
れていた圧力が低下するようになる。従ってコア64に
対応した部位においては、外側壁部50,50の間に挟
まれた内側で未固化状態にある当該成形材料P内に圧縮
状態で含有されていたガスが順次気泡化し、これにより
大小多数の気泡空間54が形成されるようになり、外側
壁部50,50の間(内側)に内側発泡部52が形成され
て前述した前記壁部分22が成形されるに至る。
【0023】一方、前記コア64に対応しないキャビテ
ィ62の部位では、容積(厚み)の変化が全くないため、
この部位に存在していた未固化状態の成形材料Pに付与
されていた圧力の低下がない。従ってコア64に対応し
ない部位においては、圧縮状態で含有されていたガスが
気泡化することなく全ての成形材料Pが完全に固化する
ようになり、気泡空間を有さない前記一般部分21が成
形されるに至る。すなわち、一般部分21および壁部分
22の外側壁部50では、成形材料Pが溶融したガスを
閉じ込めた状態で完全に固化してしまうので、この部分
に存在していたガスは気泡化することがない。
【0024】そして、前記コア64のスライド移動(コ
アバック)により発泡状態で固化した内側発泡部52の
成形が完了したら、第2成形型60を第1成形型58か
ら離間させて型開きしたもとで、成形されたパネル基材
12を脱型する(図8)。
【0025】このように実施例のダクト構造は、前述し
た射出発泡成形技術に基いて成形された前記パネル基材
12の裏面に、別途成形した前記ダクト部材34を前述
した何れかの方法により接合して固定することで、該パ
ネル基材12の壁部分22および該ダクト部材34によ
り、パネル基材12の裏側に空気流通路40を画成して
構成される。そして、このようなダクト構造を採用した
インストルメントパネル25を、前記エアコンユニット
30が予め設置されている乗員室内に設置した際には、
図1に示すように、エアコンユニット30の空気送出部
32に前記ダクト部材34の空気導入口39が整合して
連結され、該エアコンユニット30と前記エアアウトレ
ット26とが空気流通路40を介して空間的に連通した
状態とされる。
【0026】このような実施例のダクト構造では、前記
空調制御パネル20における所要のスイッチ操作により
エアコンユニット30が作動すると、該エアコンユニッ
ト30で温度調整された調温空気が、空気送出部32か
ら空気流通路40を介してエアアウトレット26へ案内
され、該エアアウトレット26から乗員室内へ吹出し案
内される。この際に、乗員室内の空気温度(室温)と前記
空気流通路40内の調温空気温度との温度差が大きかっ
たとしても、内側発泡部52の存在により断熱性能の向
上が図られている壁部分22では、その表面および裏面
が結露することはない。従って、前記空気流通路40の
一部となる壁部分22における裏面22aの結露が防止
されるから、該裏面22aが結露した際に発生する水滴
が該空気流通路40内に滞留することによるカビ発生や
異臭発生等が好適に回避される。
【0027】更に実施例のダクト構造では、空気流通路
40の一部をなす前記壁部分22の結露防止のために、
図9に例示した発泡シート材24等の別部材を何等必要
としないから、結露対策によるコストアップを招来しな
い。しかも、パネル基材およびダクト部材と材質の異な
る発泡シート材24を使用しないので、インストルメン
トパネル25のリサイクルの容易化も期待できる。
【0028】なお前述した如く、本願のダクト構造が採
用される車両内装部材は、前記実施例に例示したインス
トルメントパネルに限定されるものではなく、フロアコ
ンソール、ルーフパネル、ピラーガーニッシュ等も含ま
れる。
【0029】そして本願のダクト構造は、前記実施例に
示したパネル基材12からなる単層タイプの車両内装部
材のみならず、前述した2層タイプ(パネル基材の外面
に表皮材を被着したタイプ)の車両内装部材や、3層タ
イプ(パネル基材の外面に表皮材および弾性材を被着し
たタイプ)の車両内装部材も対象とする。
【0030】また具体的に図示しないが、前記空気流通
路40の全体的な断熱性能の向上を図るために、前記ダ
クト部材34を射出発泡成形技術に基いて成形するよう
にしてもよい。このようにすれば、壁部分22の内側発
泡部52およびダクト部材34に形成された内側発泡部
により空気流通路40の外郭が形成されるようになるか
ら、該空気流通路40の断熱性能の更なる向上が期待で
きる一方、当該ダクト部材34の外面および内面が結露
することを防止し得る。
【0031】
【発明の効果】以上説明した如く、本発明に係るダクト
構造によれば、所要形状に形成されて車両内装部材を構
成する基材の壁面において、ダクト部材の配設時に空気
流通路の一部となる壁部分の断熱性能の向上を図ったこ
とで、乗員室内の空気温度(室温)と該空気流通路内の調
温空気温度との温度差が大きかったとしても、該壁部分
の表面および裏面が結露しない有益な効果を奏する。こ
れにより、前記空気流通路に面した壁部分の裏面の結露
が防止されるから、裏面が結露した際に発生する水滴が
該空気流通路内に滞留することによるカビ発生や異臭発
生等も好適に回避される利点がある。更に、前記壁部分
の結露防止を図るために発泡シート材等を別途使用する
必要がないから、結露対策によるコストアップを招来し
ないと共に、基材およびダクト部材と材質の異なる該発
泡シート材を使用しないから、車両内装部材のリサイク
ルの容易化も期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2のI−I線断面図であって、パネル基材お
よび該パネル基材の裏側に接合したダクト部材により、
エアコンユニットに連通する空気流通路を画成するダク
ト構造を示している。
【図2】本発明の好適実施例に係るダクト構造を採用し
たインストルメントパネルの概略斜視図である。
【図3】本実施例のダクト構造を示すインストルメント
パネルの要部断面図である。
【図4】図1に示したインストルメントパネルを構成す
るパネル基材を製造するための発泡成形型の断面図であ
って、第1成形型に第2成形型を型閉めした状態を示し
ている。
【図5】第1成形型に第2成形型を型閉めすると共にコ
アを第1位置に保持したもとで、キャビティ内へ成形材
料を射出した状態を示す断面図である。
【図6】キャビティへ射出した成形材料が、第1成形型
および第2成形型の各成形面およびコアの先端成形面に
接触した部位から徐々に固化しつつある状態を示す断面
図である。
【図7】第1位置に保持されていたコアを第2位置へコ
アバックさせることで該コアに対応した部位のキャビテ
ィの容積が拡大し、これにより外側壁部の間に存在して
いた未発泡状態の成形材料が発泡して内側発泡部が成形
された状態を示す断面図である。
【図8】第2成形型を第1成形型から開放した後に、成
形されたパネル基材を該第1成形型から脱型する状態を
示す断面図である。
【図9】従来のダクト構造が採用された車両内装部材の
一例とされるインストルメントパネルの断面図であっ
て、空気流通路の一部をなすパネル基材の壁部分の結露
防止を図るために、発泡シート材を該壁部分に配設した
形態例を示している。
【符号の説明】
12 パネル基材(基材) 22 壁部分 30 エアコンユニット 34 ダクト部材 40 空気流通路 50 外側壁部(外側領域) 52 内側発泡部(内側領域) 54 気泡空間 56 射出発泡成形型(成形型) P 成形材料
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B60H 1/00 102 B60H 1/00 102L // B29K 23:00 B29K 23:00 105:04 105:04 B29L 31:58 B29L 31:58 Fターム(参考) 3D044 BA05 BB01 BC04 BD11 3L011 BL01 4F206 AA03 AB02 AG06 AG20 AH25 JA04 JF04 JN25 JQ81

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所要形状に成形されて車両内装部材を構
    成する基材(12)と、この基材(12)の裏側に端部を接合し
    て配設され、該基材(12)との間にエアコンユニット(30)
    に連通する空気流通路(40)を画成するダクト部材(34)と
    からなるダクト構造において、 前記基材(12)の成形時に成形型(56)をコアバックさせる
    ことにより、該基材(12)の壁面において前記ダクト部材
    (34)の配設時に前記空気流通路(40)の一部をなす壁部分
    (22)を、発泡剤の添加された成形材料(P)が発泡阻止状
    態で固化して該基材(12)の外面に延在する外側領域(50,
    50)と、この外側領域(50,50)の内側で前記成形材料(P)
    が発泡状態で固化して所要厚に延在する内側領域(52)と
    から形成し、 発泡反応に際して形成された複数の気泡空間(54)を有す
    る前記内側領域(52)の存在により、前記壁部分(22)の断
    熱性能の向上を図るよう構成したことを特徴とするダク
    ト構造。
  2. 【請求項2】 前記成形材料(P)は、オレフィン系の樹
    脂原料に所要量の発泡剤を添加したものである請求項1
    記載のダクト構造。
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