JP2005035409A - 車両内装部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】結露防止やエアコンユニットの作動音吸収を図ると共に、乗員室内の空調の効率化および適正化を図る。
【解決手段】エアコンユニットACに連通するダクトD1は、基材12の所要位置に設けられて、該基材12の表面側へ開放する樋状のダクト壁部44と、記表皮14の所要位置に形成されて前記ダクト壁部44の開口領域を覆蓋し、該表皮14の主要領域54の厚みよりも厚み寸法を大きく設定した表皮厚肉部56とにより画成される。表皮厚肉部56には、空気噴出孔58が適宜間隔に多数穿設され、エアコンユニットACからダクトD1内へ供給された調温空気を、各空気噴出孔58を介して外部へ広範囲に噴出させ得る。なお表皮14は、反応射出成形技術に基づき、表皮厚肉部56および各空気噴出孔58が主要領域54と一体的に形成される。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両内装部材に関し、更に詳細には、所要形状に成形した基材と、この基材の表面側に配設した表皮とから少なくとも構成される車両内装部材に関するものである。
乗用車等の車両における乗員室内には、該乗員室の前方に組付けられるインストルメントパネル、運転席および助手席の間のフロアに設置されるフロアコンソール、乗員室天井に取付けられるルーフパネルおよびルーフサイドガーニッシュ等、各種の車両内装部材が配設されている。例えば、図8はインストルメントパネル10の概略斜視図であり、図9は図8のIX−IX線断面図であって、計器ユニット20、空調操作パネル22、オーディオユニット24、グローブボックス26等の各種車載機器・部材を設置した図示のインストルメントパネル10は、所要形状に形成された基材12と、この基材12の表面側に貼り込まれた表皮14とから構成された2層構造となっている。但し、現在実施に供されているインストルメントパネルは、図示した2層構造のもの以外に、前記基材12を主体とする単層構造のものや、前記基材12と表皮14および両部材の間に介在される弾性材とから構成される3層構造のものもある。
また、前述した種々の車両内装部材には、その所要位置に空気吹出口が設けられており、車両搭載のエアコンユニットで生成された調温空気を該空気吹出口から乗員室内へ吹出させることで、当該乗員室内の空調を図るようになっている。前記インストルメントパネル10の場合では、複数の第1空気吹出口28および第2空気吹出口30がその外面所要位置に設けられており、該インストルメントパネル10の内側(裏側)に配設されたエアコンユニットACから送出された調温空気を、各々の空気吹出口28,30から乗員室へ向けて吹出し案内するようになっている。このため、前記インストルメントパネル10の裏側(内側)には、図9に例示したように、前記エアコンユニットACの第1空気送出部32と前記各第1空気吹出口28とを連通接続する第1のダクトD1と、該エアコンユニットACの第2空気送出部34と前記第2空気吹出口30とを連通接続する第2のダクトD2とが配設されている。なお前記第1空気吹出口28は、主に乗員席側へ調温空気を吹出し案内して乗員室内の空調を図るために供され、また前記第2空気吹出口30は、主にフロントガラス側へ調温空気を吹出し案内して該フロントガラスの曇り除去を図るために供される。
ここで、前記第1のダクトD1に関しては、その構造から分類すると、(a)ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)等の樹脂素材をブロー成形した中空体として形成され、その外面を前記基材12の裏側所要位置に対してビス等で組付けるタイプ(図示せず)、(b)前記PEやPP等の樹脂素材をインジェクション成形した樋状をなすダクト部材36を前記基材12の裏側所要位置に組付け、これらダクト部材36および基材12により空気流通路を画成するタイプ(図9に例示)、等に大別される。すなわち前記(a)のダクト構造は、前記基材12とは関連せずに単独でダクトを構成するものであり、また前記(b)のダクト構造は、前記基材12と関連してダクトを構成するものである。なお、前記(b)のダクト構造は、例えば特許文献1に開示されている。
特開2002−205527号公報
ところで、前記(b)のダクト構造では、次のような種々の課題を内在していた。すなわち、第1のダクトD1を画成する前記基材12がPEやPP等の樹脂素材から形成されているため、インストルメントパネル10の外部(乗員室内)とダクト内部との温度差が大きい場合に、該第1のダクトD1に対応する表皮14の表皮表面が結露し易い欠点があった。すなわち、前記PEやPP等の樹脂素材から形成されている前記基材12には断熱効果は殆どなく、また前記表皮14も厚みが1mm程度と薄いために断熱効果が殆ど期待できないため、例えば乗員室内が高温となっている状態で第1のダクトD1内へ冷気が送出された場合には、基材12および表皮14の表皮外面が冷されて結露してしまう。また、基材12およびダクト部材36の両方が前記PEやPP等の樹脂素材から形成されているため、第1のダクトD1へ侵入した前記エアコンユニットACの作動音が該ダクトD1内で反響し易く、これが前記第1空気吹出口28を介して乗員室内へ洩れてしまう課題もあった。
このため前記インストルメントパネル10では、図9に2点鎖線で例示したように、前記基材12の裏面に、断熱性能や吸音性能に優れた樹脂シート(ゴム、プラスチックまたは発泡ウレタン等)38を貼着して、結露防止を図ると同時に吸音性能を高める対応策を講ずる必要があった。しかしながら、前記樹脂シート38の材料費が別途加算されることは勿論、該樹脂シート38の貼着作業を要することから、インストルメントパネル10の製造コストが嵩んでしまう不都合が発生していた。
また、前記第1のダクトD1に係るダクト構造では、前記エアコンユニットACから送出される調温空気の全てが、該第1のダクトD1を介して前記各第1空気吹出口28から乗員席側へスポット的に吹出すようになる(図8)。従って、前記第1空気吹出口28の正面およびその近傍では空調が促進されるものの、該第1空気吹出口28から外れた部位では空調が殆ど図られない場合もあり、乗員室の部位毎に温度のバラツキが発生して空調の効率化および適正化が図られていなかった。しかも、前記第1空気吹出口28から調温空気が勢いよく吹出すようになるので、これが顔面や胸元等に直接的に吹付けられると乗員に不快感を与えてしまう問題も内在していた。このため、乗員席側を指向した前記第1空気吹出口28には、図8に例示したように、風向制御機構やシャッター機構を備えたエアアウトレット40が配設されているが、可変風向制御板や開閉シャッター等を設けると該エアアウトレット40の大型化が避けられず、前記第1のダクトD1の大型化を招来すると共に車載機器等の取付けに支障を来たすこととなっていた。
従って本発明では、表皮表面の結露防止と、エアコンユニットの作動音吸収を図ると共に、乗員室内の空調の効率化および適正化を図り得るようにした車両内装部材を提供することを目的とする。
前記課題を解決し、所期の目的を達成するため本発明は、所要形状に成形した基材と、この基材の表面側に配設した表皮とから少なくとも構成される車両内装部材において、
前記基材の所要位置に設けられ、該基材の表面側へ開放する樋状のダクト壁部と、
前記表皮の所要位置に形成されて前記ダクト壁部の開口領域を覆蓋し、該表皮の主要領域の厚みよりも厚み寸法を大きく設定した表皮厚肉部とからなり、
前記ダクト壁部および表皮厚肉部により画成される空間を、エアコンユニットに連通するダクトとして機能させるよう構成したことを特徴とする。
本発明に係る車両内装部材によれば、基材の所要位置に設けたダクト壁部と、表皮の所要位置に設けた表皮厚肉部とでダクトを画成するようにしたため、厚み寸法を大きく設定した該表皮厚肉部により断熱効果が向上して、ダクトに対応した表皮表面の結露防止を好適に図り得る利点がある。そして、表皮厚肉部に多数の空気噴出孔を穿設すれば、エアコンユニットから送出された調温空気が乗員室内へ広範囲に噴出するようになり、乗員室内の空調の効率化および適正化を図り得ると同時に乗員に不快感を与えることがない等の有益な効果を奏する。また、ダクト壁部の開口領域に有孔補強部を設けるようにすれば、前記表皮厚肉部の陥凹的な変形を防止し得るようになる。なお表皮は、反応射出成形技術に基づいて成形されるウレタン成形体であるから、該表皮の成形時に前記表皮厚肉部および各空気噴出孔を同時に形成することができ、成形コストが格別に嵩むこともない。
次に、本発明に係る車両内装部材につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。
本発明に係る車両内装部材は、所要形状に成形した基材と、この基材の表面側に配設した表皮とから少なくとも構成されるものが前提とされ、例えば基材と該基材の外面に配設される表皮とから構成される2層構造の車両内装部材や、基材、表皮材および両部材の間に介在される弾性材とから構成される3層構造の車両内装部材等が対象とされる。そこで本実施例では、3層構造のインストルメントパネルを例示することとし、図8および図9で既出の部材・部位と同一の部材・部位については同一の符号を付して説明する。
図1は、本発明の好適実施例に係る車両内装部材として例示した3層構造をなすインストルメントパネルの概略斜視図であり、図2は図1のII−II線断面図である。本実施例のインストルメントパネル10は、図2に例示したように、該インストルメントパネル10に要求される形状や剛性を有する基材12と、乗員室内に露出して意匠面(化粧面)となる表皮14と、これら基材12および表皮14の間に介在されて適宜の弾性を有する弾性材16とから構成された3層構造となっている。
前記基材12は、前述したように、PEやPPまたはASG等の合成樹脂をインジェクション成形技術に基づいて一体的に成形したもので、計器ユニット20、空調操作パネル22、オーディオユニット24およびグローブボックス26等を設置するための設置部が、所要位置に設けられている。そして、前記基材12の上面中央から前面中央に亘る領域が、前記弾性材16および表皮14が配設される設置領域42とされており、該基材12の上面後方部分(フロントガラス側)および前面下方部分は外部に露出するようになる。また前記設置領域42には、合計4個の第1空気吹出口28が設けられていると共に、上面後方部分には第2空気吹出口30が設けられている。また、基材12の所要位置、すなわち前記設置領域42における乗員席側を指向する部位に、該基材12の表面側へ開放する樋状のダクト壁部44が、横方向へ延在するように一体成形されている。更に、リィンフォースバー52に固定されたエアバッグ装置50に対応した部位に、別体成形されたエアバッグドア48を取着固定するための取付開口部46が開設されている。
前記表皮14は、公知技術である反応射出成形(Reaction Injection Molding成形)技術に基づいて成形されたウレタン成形体である。この反応射出成形技術は、成形型内に画成した所要形状のキャビティに向けてポリオールとイソシアネートとを攪拌しながら射出し、これらを該キャビティ内で反応させることで該キャビティと同一形状のウレタン成形体を成形する方法である。従って、例えば部位毎に厚みが異なるシート状部材や、複雑な外面凹凸形状を有する部材等、一般的なインジェクション成形技術と同様に、成形型からの脱型が可能な形状であれば多種多様な形状のウレタン成形体を成形可能とする特徴を有している。しかも、熱可塑性樹脂のインジェクション成形とは異なり、部位毎に厚みが異なる場合でも「ひけ」が起こる不都合が発生しない。
図示しない表皮成形型を使用して反応射出成形技術に基づいて成形される実施例の表皮14は、図2に例示したように、前記基材12に設けた設置領域42を完全に被覆し得る形状・サイズに形成されており、前記エアバッグドア48およびその他の一般部位を被覆するようになる第1表皮部分(主要領域)54と、該表皮14の所要位置に形成されて前記ダクト壁部44の開口領域45を覆蓋し、前記第1表皮部分54の厚みよりも厚み寸法を大きく設定した第2表皮部分(表皮厚肉部)56とから構成されている。前記第1表皮部分54の厚みH1は1mm程度とされ、前記第2表皮部分56の厚みH2は5mm程度に設定されている。従って、前記第1表皮部分54は柔軟性を発揮して変形し易くなっているものの、前記第2表皮部分56は変形し難くなっている。なお、表皮14の表皮表面は、第1表皮部分54から第2表皮部分56に亘ってシボ加工が全面的かつ均一的に施されており、この表皮表面の側から見た場合では、厚みが異なるこれら第1表皮部分54および第2表皮部分56の境界部分は全く認識されない。
そして前記第2表皮部分56には、空気噴出孔58が適宜間隔に多数穿設されており、後述するように、前記エアコンユニットACから供給された調温空気を、各空気噴出孔58を介して外部へ噴出させ得るようになっている。これら空気噴出孔58は、前述した反応射出成形技術に基づいて当該表皮14を成形する際に、第2表皮部分56と共に同時に成形されるもので、実施例では表皮裏面から表皮表面に向けて拡径する逆円錐形状となっている。但し、空気噴出孔58の形状は、これに限定されるものではなく、例えば同一径で貫通する単純形状や、表皮裏面から表皮表面に向けて縮径する円錐形状としてもよい。なお、各々の空気噴出孔58の孔径Sは、最小部分で1〜3mm程度となっており、好ましくは2mm程度に設定されている。
前記空気噴出孔58の形成態様は、具体的な図示は省略するが、例えばインストルメントパネル10の幅方向(長手方向)へ8mm程度のピッチで直列状に穿設した孔列を、該インストルメントパネル10の前後方向(短手方向)へ4mm程度の間隔毎に複数形成したものとなっている。但し、各々の空気噴出孔58は、図1に例示したように所謂碁盤目状に整列するよう穿設してもよいし、一列おきに位置する孔列が4mm(前記ピッチ8mmの半分)ずつ長手方向へずれるようにすることで、縦横千鳥状に穿設してもよい。また、各々の空気噴出孔58は、第2表皮部分56の全体において均一的に穿設するようにしてもよいし、或いは該第2表皮部分56の部位毎で穿設ピッチや穿設個数を変化させるようにしてもよい。
前記弾性材16は、図示しない発泡成形型にセットした前記基材12および表皮14の間に画成された発泡空間内で発泡材料を発泡・硬化させることで、これら基材12と表皮14との間に介在させたものである。なお、前記発泡成形型を型閉めした際には、基材12に設けた前記ダクト壁部44と表皮14に設けた前記第2表皮部分56とが整合するようになり、該ダクト壁部44の周辺部位44Aと該第2表皮部分56の輪郭部位56Aとが密着してシール状態が形成されるようになっている。
そして、本実施例のインストルメントパネル10では、前記基材12の所要位置に設けられ、該基材12の表面側へ開放する樋状の前記ダクト壁部44と、前記表皮14の所要位置に形成されて前記ダクト壁部44の開口領域45を覆蓋し、該表皮14の第1表皮部分(主要領域)54の厚みよりも厚み寸法を大きく設定した第2表皮部分(表皮厚肉部)56とにより画成される空間を、前記エアコンユニットACに連通した第1のダクトD1として機能させるようになっている。この第1のダクトD1は、図2に例示したように、一方が前記エアコンユニットACの第1空気送出部32に接続されると共に、他方が前記第1空気吹出口28に連通接続され、該エアコンユニットACから送出される調温空気を該第1空気吹出口28へ通出案内するために供される。そして、壁面における1/2強の面積が前記PP材から形成されたダクト壁部44となっており、1/2弱の面積が前記ウレタンから形成された第2表皮部分56となっている。なお本実施例では、前記エアコンユニットACの第2空気送出部34と前記第2空気吹出口30とを連通接続する第2のダクトD2は、図9に例示した従来のものと同一構成となっている。
ここで、前記表皮14に一体的に形成される前記第2表皮部分56は、該表皮14を形成するウレタンの物性を具有するようになるため、断熱特性および吸音特性に優れているうえに、前述したように厚みH2が5mm程度に設定されている。このため、インストルメントパネル10の外部温度と、第1のダクトD1の内部を流通する調温空気の温度との差が大きい場合であっても、前記第2表皮部分56により適切な断熱が図られるため、インストルメントパネル10の外面(第2表皮部分56の表皮表面)での結露防止を好適に図り得る。また、前記エアコンユニットACの作動音が第1のダクトD1内へ侵入したとしても、前記第2表皮部分56がこれを吸収して反響することを防止するようになるため、当該作動音が前記第1空気吹出口28を介して乗員室内へ洩れることを好適に防止し得る。
また前記第2表皮部分56には、前述したように、その表皮裏面から表皮表面へ貫通する空気噴出孔58が適宜間隔に多数穿設されているため、図1および図2に例示したように、前記エアコンユニットACから供給された調温空気の多くが、各空気噴出孔58を介して外部へ噴出するようになる。しかも、前記空気噴出孔58が第2表皮部分56の略全域に亘って穿設されているため、各々の空気噴出孔58を介してインストルメントパネル10の外部へ噴出する調温空気は、所謂シャワーのように広範囲に拡散されるようになる。このため、図8および図9に例示した従来の場合と比較すると、前記第1空気吹出口28から吹出す調温空気の減量および減勢が図られるため、この第1空気吹出口28から吹出した調温空気が、乗員の顔面および胸元に向けて勢いよく吹付けられる状況は殆ど発生しない。従って、前記第1空気吹出口28に配設されるエアアウトレット40は、可変風向制御機構やシャッター機構を省略したシンプルな構造のものが実施可能となり、該エアアウトレット40の小型化に伴ってインストルメントパネル10の裏側に設置される車載機器等の設置スペースの拡大化が期待できる。
なお、前記空気噴出孔58の形成数、形成形態(穿設位置、穿設角度等)、形状(孔径等)は、図1および図2に例示のものに限定されるものではなく、その穿設角度を多様に変化させたり、孔径Sを前記寸法範囲内で複数に変化させることにより、調温空気の噴出態様を変化させて空調効果を変更することが可能である。
また前記第2表皮部分56は、厚みH2を5mm程度に設定してあると共に湾曲形状に形成されているため、インストルメントパネル10の外方から軽く押した程度では殆ど変形しない。但し、ある程度の強さの押圧力が加わった場合には陥凹的に変形することもあり得るが、当該押圧力の付与が解除されれば元の湾曲形状に形状復帰するようになる。一方、衝突事故による反動で前方へ投げ出された乗員が第2表皮部分56へ衝突する状況が発生した場合には、該第2表皮部分56が第1のダクトD1の内方へ陥凹的に変形することが許容されるため、当該第2表皮部分56は所謂衝撃吸収部材として機能するようになる。
このように、本実施例のインストルメントパネル10では、基材12の所要位置に設けた前記ダクト壁部44と、表皮14の所要位置に設けた第2表皮部分56とで第1のダクトD1を画成するようにしたため、厚み寸法を大きく設定した該第2表皮部分56により断熱効果が向上して、第1のダクトD1に対応した表皮表面の結露防止を好適に図り得る。そして、第2表皮部分56に多数の空気噴出孔58を穿設してあるので、エアコンユニットACから送出された調温空気が乗員室内へ広範囲に噴出するようになり、乗員室内の空調の効率化を図り得ると同時に乗員に不快感を与えることもない。なお表皮14は、反応射出成形技術に基づいて成形されるウレタン成形体であるから、該表皮14の成形時に前記第2表皮部分56および各空気噴出孔58を同時に形成することができ、成形コストが格別に嵩むこともない。
前記実施例では、ダクト壁部44を基材12に一体的に形成した場合を例示したが、図3に例示するように、該ダクト壁部44を、前記基材12とは別体に成形した単独部材としてもよい。この場合、前記基材12には、前記ダクト壁部44および第2表皮部分56に対応する部位に、前記開口領域45に相当する開口部60を予め開設しておく必要がある。
また、第2表皮部分56の陥凹的な変形を防止する必要がある場合には、例えば図4および図5に例示するように、前記ダクト壁部44の開口領域45(開口部60)に対応した部位に、前記各空気噴出孔58に整合する通孔64を複数穿設し、かつ前記第2表皮部分56の表皮裏面に密着する有孔補強部62を設けるようにしてもよい。なお図4では、前記ダクト壁部44を基材12とは別体に形成することを前提として、前記有孔補強部62を該基材12に一体的に形成したものである。また図5では、前記ダクト壁部44を基材12と一体に形成することを前提として、前記有孔補強部62を基材12とは別体として形成し、成形後に該基材12へ組付けるようにしたものである。
なお図5に例示の形態では、例えば前記有孔補強部62を左右方向へスライド移動可能に配設すると共に、これをインストルメントパネル10の外面から操作可能な構造とすれば、該有孔補強部62をシャッター部材として機能させることも可能である。すなわち前記有孔補強部62を、該有孔補強部62に形成した前記各通孔64と前記各空気噴出孔58とが整合する第1位置と、各通孔64と各空気噴出孔58とが整合しない第2位置とに変位可能とすれば、当該有孔補強部62を第1位置に到来させた場合は各空気噴出孔58からの調温空気の噴出が許容され、第2位置に到来させた場合は各空気噴出孔58からの調温空気の噴出が規制されるようになる。
更に図6は、前記第2表皮部分56に空気噴出孔58を穿設しない場合を例示したものである。この形態では、乗員室内の空調効率化に関する効果は期待できないとしても、断熱性能および吸音性能に優れた第2表皮部分56が第1のダクトD1を画成するため、表皮表面の結露およびエアコンユニットACの作動音反響という従来の問題点は好適に防止される。
図7は、所要形状に成形した基材12と、この基材12の表面側に配設した表皮14とから構成された2層構造のインストルメントパネルの側断面図である。このインストルメントパネル10においても、前記基材12の所要位置に設けられ、該基材12の表面側へ開放する樋状のダクト壁部44と、前記表皮14の所要位置に形成されて前記ダクト壁部44の開口領域45を覆蓋し、該表皮14の第1表皮部分(主要領域)54の厚みよりも厚み寸法を大きく設定した第2表皮部分(表皮厚肉部)56とにより画成される空間を、前記エアコンユニットACに連通する第1のダクトD1として機能させるようになっている。従って、この2層構造のインストルメントパネル10も、前記実施例に例示した3層構造のインストルメントパネル10と同様に、表皮表面の結露防止、エアコンユニットACの作動音吸収、乗員室内の空調の効率化を好適に図り得る。
更に前記実施例では、第1のダクトD1に関してのみ説明したが、前述したダクト構造は、前記第2のダクトD2にも応用することが可能である。
本発明に係る車両内装部材は、基材および該基材の外面に配設される表皮とから少なくとも構成され、かつ基材の裏側にエアコンユニットに接続されるダクトを画成したものであって、表皮表面の結露防止や、エアコンユニットの作動音吸収を図ると共に、乗員室内の空調の効率化を図り得る。このような車両内装部材としては、例えばインストルメントパネル、フロアコンソール、ルーフパネル、ルーフサイドガーニッシュ等が挙げられる。
好適実施例に係る車両内装部材として例示した3層構造をなすインストルメントパネルの概略斜視図である。 図1のII−II線断面図である。 変更例に係るインストルメントパネルの側断面図である。 別の変更例に係るインストルメントパネルの側断面図である。 更に別の変更例に係るインストルメントパネルの側断面図である。 更に別の変更例に係るインストルメントパネルの側断面図である。 好適実施例に係る車両内装部材として例示した2層構造をなすインストルメントパネルの側断面図である。 従来の車両内装部材として例示したインストルメントパネルの概略斜視図である。 図8のIX−IX線断面図である。
符号の説明
12 基材
14 表皮
44 ダクト壁部
54 第1表皮部分(主要領域)
56 第2表皮部分(表皮厚肉部)
58 空気噴出孔
62 有孔補強部
64 通孔
AC エアコンユニット
D1 第1のダクト
S 孔径(空気噴出孔の)

Claims (7)

  1. 所要形状に成形した基材(12)と、この基材(12)の表面側に配設した表皮(14)とから少なくとも構成される車両内装部材において、
    前記基材(12)の所要位置に設けられ、該基材(12)の表面側へ開放する樋状のダクト壁部(44)と、
    前記表皮(14)の所要位置に形成されて前記ダクト壁部(44)の開口領域を覆蓋し、該表皮(14)の主要領域(54)の厚みよりも厚み寸法を大きく設定した表皮厚肉部(56)とからなり、
    前記ダクト壁部(44)および表皮厚肉部(56)により画成される空間を、エアコンユニット(AC)に連通するダクト(D1)として機能させるよう構成した
    ことを特徴とする車両内装部材。
  2. 前記表皮厚肉部(56)には、空気噴出孔(58)が適宜間隔に多数穿設され、前記エアコンユニット(AC)からダクト(D1)内へ供給された調温空気を、前記各空気噴出孔(58)を介して外部へ広範囲に噴出させ得るようにした請求項1記載の車両内装部材。
  3. 前記空気噴出孔(58)は、孔径(S)が1〜3mmに設定されている請求項2記載の車両内装部材。
  4. 前記各空気噴出孔(58)に整合する通孔(64)を有し、かつ前記表皮厚肉部(56)の表皮裏面に密着する有孔補強部(62)を、前記ダクト壁部(44)の開口領域に設けて該表皮厚肉部(56)の変形防止を図るようにした請求項2または3記載の車両内装部材。
  5. 前記有孔補強部(62)は、前記基材(12)に一体的に形成されている請求項4記載の車両内装部材。
  6. 前記有孔補強部(62)は、前記基材(12)とは別体として成形した後に該基材(12)へ組付けられる請求項4記載の車両内装部材。
  7. 前記表皮(14)は、反応射出成形技術に基づいて成形されるウレタン成形体である請求項1〜6の何れかに記載の車両内装部材。
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