JP4461453B2 - 車両内装部材およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、車両内装部材およびその製造方法に関し、更に詳細には、所要形状に形成された樹脂素材からなり、衝撃力を伴う外力を受けた際に圧潰変形して衝撃を吸収する衝撃吸収部材と、吸音性能に優れる素材からなり、前記衝撃吸収部材に配設される吸音部材とで構成され、車両の乗員室内の所要位置に装着使用される車両内装部材と、この車両内装部材を製造する方法に関するものである。
例えば図12に例示するように、乗用車等の自動車における乗員室10内において、シート12に着座する乗員Pの近傍に配設される車両内装部材、具体的にはドアトリム16、ステアリングのコラムカバー18、フットパネル20等は、衝突事故発生時の反動または車体の変形等により当該乗員Pが激しく衝突してしまう虞がある。このため、このような車両内装部材は、衝突時の乗員Pの傷害軽減を図ることが要求されるため、所要形状に成形された硬質ウレタンフォーム等の樹脂素材から形成されて、乗員Pとの衝突により衝撃力を伴う外力を受けた際に圧潰変形して衝撃を吸収する衝撃吸収部材30を主体とすることで、衝撃吸収性能を具備するようになっている。
一方、乗用車等の自動車では、エンジンノイズやタイヤノイズ等に代表される種々騒音が走行中に発生するため、これら騒音を吸収して乗員室10内の静粛性を高めることが希求されており、隔壁パネルやフロアパネル等の車体パネル14には、吸音シート24やフロアカーペット26等が敷設されるようになっている。ここで前述したフットパネル20は、インストルメントパネル22の下方において騒音が透過し易い車体パネル14に配設されると共に、硬質ウレタンフォーム等から形成された衝撃吸収部材30が吸音機能を殆ど具有していないため、例えば図13に例示するように、吸音性能に優れるシート状の素材からなる吸音部材40を衝撃吸収部材30の裏面(下面)30Bに配設して構成され、この吸音部材40を車体パネル14に密着させた状態で車体パネル14に取付けられるようになっている。これにより、乗員Pが衝突した際の衝撃を衝撃吸収部材30で吸収する一方、車外で発生して乗員室10内へ透過する種々騒音を吸音部材40で吸収するようになる。これに関する技術は、例えば特許文献1に開示されている。
特開2003−140659号公報
しかしながら、図13に例示した構成のフットパネル20では、前述した吸音部材40が柔軟性を有していることに起因して、次のような不都合が発生する問題を内在していた。例えば、図13における矢印Yの方向から衝撃力を伴わない外力が加わった場合(例えば、シート12に着座した乗員Pが脚を伸ばして足裏をフットパネル20に押し付けた場合等)には、吸音部材40が外力により押し潰されて圧縮変形するため、衝撃吸収部材30が車体パネル14へ近接するようにずれ動いてしまう。一方、図13における矢印Xの方向から衝撃力を伴わない外力が加わった場合には、吸音部材40が厚み方向へ座屈するように圧縮変形するため、衝撃吸収部材30が車体パネル14に沿って移動するようにずれ動いてしまう。すなわち、吸音部材40を車体パネル14へ密着させるようにして衝撃吸収部材30を該車体パネル14へ取付けるようにした従来のフットパネル20では、この吸音部材40に具有される柔軟性が、衝撃吸収部材30の安定的な取付けに悪影響を及ぼす問題があった。
一方、図13に例示した従来のフットパネル20は、車外から乗員室10内へ透過する種々騒音(エンジンノイズやタイヤノイズ等)に関しては吸音部材40で吸収し得るものの、乗員室10内で発生する種々騒音は吸収することができない(衝撃吸収部材30が吸音機能を有さないため)。従って、乗員室10の騒音吸収をも図り得るようにするためには、衝撃吸収部材30の表面30Aに別の吸音部材を追加して配設する必要が生じ、材料費が嵩みかつ作業工数が増えるためにコストアップを招来することとなっていた。
従って本発明では、車体に対する安定的な取付けを図り得るようにすると共に、乗員室外および/または乗員室内で発生した騒音を好適に吸収し得るようにした車両内装部材およびその製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決し、所期の目的を達成するため本発明は、自動車の車体パネルの乗員室側に装着され、乗員との衝突により衝撃力を伴う外力を受けた際に圧潰変形して衝撃を吸収する衝撃吸収部材と、前記衝撃吸収部材に配設される吸音部材とで構成された車両内装部材において、
前記衝撃吸収部材は、硬質ウレタンフォームから形成されて、前記吸音部材が内部に埋設されると共に、前記衝撃吸収部材の乗員室側となる表面および/または車体パネルとなる裏面に、前記吸音部材に連通する複数の開口部が開設され、
前記吸音部材は、内部に多数の連続気泡を有する軟質ウレタンフォームから形成されて前記衝撃吸収部材に接着され、前記開口部を介して表面および/または裏面に臨み、
前記衝撃吸収部材の前記吸音部材を挟んで両側に位置する表側部分および裏側部分は、前記開口部に隣接した開口隣接部位で吸音部材を貫通して相互に連設されていることを特徴とする。
同じく、前記課題を解決し、所期の目的を達成するため別の発明は、
自動車の車体パネルの乗員室側に装着され、乗員との衝突により衝撃力を伴う外力を受けた際に圧潰変形して衝撃を吸収する衝撃吸収部材と、前記衝撃吸収部材に配設される吸音部材とで構成された車両内装部材を製造する方法であって、
内部に多数の連続気泡を有するシート状の軟質ウレタンフォームから、複数の通孔を形成した前記吸音部材を成形し、
前記吸音部材を、第1成形半型の成形面に凸設した凸部にセットし、
前記第1成形半型の成形面にウレタン原料を注入した後、第2成形半型を前記第1成形半型に対し上方から型閉めし、該第2成形半型の成形面に凸設した凸部および前記第1成形半型の凸部で、前記吸音部材の前記通孔から外れた位置を挟持して、該吸音部材を両成形面により形成されたキャビティ内に保持し、
前記キャビティ内のウレタン原料を、前記吸音部材の周囲および前記各通孔内で発泡・硬化させ、
前記凸部で形成された開口部を有すると共に前記吸音部材を挟んで両側に位置する表側部分および裏側部分からなり、これら表側部分および裏側部分が、前記通孔を介して相互に連設した硬質ウレタンフォーム製の前記衝撃吸収部材を成形することを特徴とする。
本発明に係る車両内装部材によれば、所定の剛性を有する衝撃吸収部材が車体へ直接的に接触した状態で取付けられるため、衝撃力を伴わない外力が如何なる方向から加わったとしても、ずれ動くことなく車体に対して安定的に固定保持される利点がある。また、衝突事故発生時に、乗員が衝撃吸収部材に衝突して衝撃力を伴った外力が該衝撃吸収部材に加わった際には、当該衝撃吸収部材が圧潰的に変形して衝撃を好適に吸収するので、乗員に対する傷害軽減を図り得る。
また、衝撃吸収部材に埋設された吸音部材は、該衝撃吸収部材の表面および/または裏面に形成された開口部を介して外方へ臨んでいるため、単一の吸音部材で乗員室外で発生する騒音および/または乗員室内で発生する騒音を好適に吸収するようになり、低コストで効果的な吸音効果を得ることができる有益な効果を奏する。
次に、本発明に係る車両内装部材およびその製造方法につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。
本願が対象とする車両内装部材は、所要形状に形成された樹脂素材からなり、衝撃力を伴う外力を受けた際に圧潰変形して衝撃を吸収する衝撃吸収部材と、吸音性能に優れる素材からなり、前記衝撃吸収部材に配設される吸音部材とで構成され、車両の乗員室内の所要位置に装着使用されるものであって、具体的には図12に例示したフットパネル20等が挙げられる。そこで後述する実施例では、車両内装部材としてフットパネルを例示することとし、図12および図13に既出の部材・部位と同一の部材・部位については同一の符号を付して説明する。
図1は、好適実施例に係る車両内装部材としてのフットパネルを単純な矩形形状で例示した概略斜視図、図2は図1のII−II線断面図である。本実施例のフットパネル50は、前述した吸音部材40を衝撃吸収部材30の内部に埋設することを第1の特徴とすると共に、衝撃吸収部材30の表面30Aおよび裏面30Bに適宜数の開口部36を開設して、各々の開口部36を吸音部材40に連通させたことを第2の特徴としている。このような構成とされた本実施例のフットパネル50は、外部に露出した衝撃吸収部材30が有する物性により所要の剛性が確保されて、車体パネル14に対する安定的な取付けを図り得る一方、開口部36を介して表面30Aおよび裏面30Bに臨んだ吸音部材40により、乗員室10の内外で発生する騒音の両方を吸収し得るようになっている。
衝撃吸収部材30は、装着される車体パネル14の形状に合致し得る外形形状・サイズに形成され、部分毎に多少の差異はあるものの厚みT1は概ね30mm程度とされている。この衝撃吸収部材30は、図5〜図7に例示した成形型52を利用して成形されたもので、この成形型52のキャビティ60の形状設定に基づき、前述した各開口部36が同時に形成されるようになっている。なお、衝撃吸収部材30を形成するための樹脂素材S1は、ポリウレタンを発泡させて得られる硬質ウレタンフォーム、ポリスチレンとポリエチレンとの複合樹脂ビーズを発泡させて得られる機能性発泡樹脂等、図13に例示した従来のフットパネル20の衝撃吸収部材30を形成する樹脂素材と同一のものを採用可能であるが、本実施例ではポリウレタンを30倍程度に発泡させることで得られた硬質ウレタンフォームが採用されている。従って、硬質ウレタンフォームからなる本実施例の衝撃吸収部材30は、騒音を吸収する吸音機能は殆ど有していないものの、内部に多数の独立気泡が形成されて見掛け密度が小さくなっているため軽量でかつ断熱性に優れている一方、衝撃力を伴ったが外力が加わった際には圧潰的に変形して衝撃を吸収するようになる。
また、本実施例の衝撃吸収部材30では、図2に例示したように、内部に埋設した吸音部材40を挟んで両側に位置する表側部分32および裏側部分34の両方に、表面30Aおよび裏面30Bに開口した複数個の開口部36が開設されている。しかも、表側部分32に形成した各開口部36と裏側部分34に形成した各開口部36とが各々対応する位置に形成されて相互に連通しているため、実質的には表面30Aおよび裏面30Bに開口した複数の貫通孔が形成された形態となっており、これら貫通孔の途中に前述した吸音部材40が交差して臨んだ形態となっている。ここで、表側部分32に形成された各々の開口部36は、図2に例示するように、表面30Aから吸音部材(内部空間)40に向けて開口面積が漸減する円錐台状に形成されると共に、裏側部分34に形成された各々の開口部36も、裏面30Bから吸音部材(内部空間)40に向けて開口面積が漸減する円錐台状に形成されている。なお、各々の開口部36の寸法に関しては、表面30Aまたは裏面30Bへの開口寸法D1がφ10〜20mm、吸音部材40への開口寸法D2がφ5〜15mm程度とされている。
なお各開口部36は、前述した円錐台状を呈する形状に限定されるものではなく、多角錐台状を呈する形状としてもよいし、開口寸法D1,D2を同一とした単純円筒形状や多角筒形状としてもよい。
このような本実施例のフットパネル50における衝撃吸収部材30は、内部に吸音部材40が存在する結果として、この吸音部材40の外形形状と同一の内形形状となっている内部空間を有すると共に、この内部空間と外部とが複数の開口部36で連通した形状となるため、所謂「ヘルムホルツ型レゾネータ」としての機能が発現されるようになる。従って、開口部36の開口寸法D1,D2、開口部36の形成位置や形成個数、吸音部材40の寸法(内部空間の寸法)等を総合的に設定調整することにより、様々な周波数帯域の騒音または特定の周波数帯域の騒音を効果的に低減することを可能とし得る。
また、前述した衝撃吸収部材30における表側部分32および裏側部分34は、前記開口部36に隣接して位置する開口隣接部位32A,34Aで、吸音部材40を貫通する適宜数の連設部38を介して相互に連設されている。これによりフットパネル50は、表面30Aおよび/または裏面30Bに衝撃力を伴わない外力が加わった場合に、衝撃吸収部材30の内部に吸音部材40が埋設されて内部空間が形成されていたとしても、表側部分32および裏側部分34が相互に近接するような撓曲的変形が防止されて適度の剛性が確保されている。なお、前述した各連設部38は、衝撃吸収部材30のサイズに合わせて吸音部材40を予備成形するに際し、図3に例示するように、前記各開口部36の形成予定位置から外れた位置(開口隣接部位32A,34Aに対応した位置)に適宜数の通孔42を開設しておくことで、後述するように、衝撃吸収部材30を発泡成形する際に同時に形成されるようになっている。
吸音部材40は、衝撃吸収部材30の厚みT1が30mmに設定されている場合、厚み厚みT2が5〜10mm程度に設定される。この吸音部材40を形成するためのシート状の素材S2は、ポリウレタンを発泡させて得られる軟質ウレタンフォーム、不織布、ガラスウールまたは種々フェルト等、図13に例示した従来の吸音部材40を形成する素材と同一の多孔質材料を採用可能であるが、本実施例ではポリウレタンを40倍程度に発泡させることで得られた軟質ウレタンフォームが採用されている。従って、軟質ウレタンフォームからなる本実施例の吸音部材40は、内部に多数の連続気泡(連泡)が形成されて見掛け密度が小さくなっているため軽量で柔軟性に優れていると共に、外部から入射した騒音が連続気泡部分で粘性摩擦を生ずるため、音エネルギーの一部が熱エネルギーに変換されて吸音作用を発現するようになる。
図5〜図7は、成形型52を使用した本実施例のフットパネル50の製造方法を概略的に例示した工程図である。成形型52を構成する第1成形半型54および第2成形半型56の各々の成形面54A,56Aには、前述した各々の開口部36を形成する截頭円錐形の凸部58が複数個突設されており、相互に型閉めされた第1成形半型54および第2成形半型56の各凸部58の頂面間に、予備成形したシート状の吸音部材40をセット保持し得るようになっている(図7(a))。すなわち衝撃吸収部材30は、キャビティ60内に予備成形した吸音部材40をセットしたもとで成形され、これにより該吸音部材40を内部に埋設した状態に形成される。
具体的には、先ず図5に例示するように、所要形状・サイズでかつ各通孔42を有するように予備成形されたシート状の素材S2からなる吸音部材40を、開放した成形型52の第1成形半型54へ展延状態でセットする。これにより各通孔42は、凸部58から外れて位置するようになる。次いで図6に例示するように、図示しない注入ノズルを利用して所定量のウレタン原料Uを、第1成形半型54の成形面54Aへ注出する。ウレタン原料Uの注入が完了したら、図7(a)に例示するように、第1成形半型54に対して第2成形半型56を型閉めすることで、発泡を開始したウレタン原料Uはキャビティ60内で徐々に膨張するようになり、所要時間経過後にはキャビティ60全体に充満するようになる(図7(b))。この際に、ウレタン原料Uの一部は、吸音部材40に形成された各通孔42内へも充満して硬化するようになるため、この通孔42内に前述した連設部38が形成されるようになる。そして、ウレタン原料Uの発泡・硬化が完了すると、内部に吸音部材40を展延状態で埋設すると共に、表面30Aおよび裏面30Bに適宜数の開口部36が開設された樹脂素材S1からなる衝撃吸収部材30の成形が完了する。
前述のようにして形成された本実施例のフットパネル50は、所定の剛性を有する衝撃吸収部材30の内部に、柔軟性を有する吸音部材40を展延状態で埋設して構成されるため、図4に例示するように、車体パネル14に対して衝撃吸収部材30の裏面30Bを密着させた状態で取付けられる。すなわち実施例のフットパネル50は、図示しないネジやボルト等の固定手段を利用して、衝撃吸収部材30が車体パネル14へ直接的に接触するように固定されるため、フロアカーペット26を介して衝撃力が伴わない外力が如何なる方向から加わったとしても、ずれ動くことなく車体パネル14に対して安定的に固定保持される。また衝突事故発生時に、乗員Pが激しく衝突して衝撃力を伴った外力が加わった際には、衝撃吸収部材30が圧潰的に変形するようになるため、その衝撃を好適に吸収して乗員Pに対する傷害軽減が図られる。
一方、衝撃吸収部材30に埋設された吸音部材40は、図4に例示したように、該衝撃吸収部材30の裏側部分34に形成された各開口部36を介して車体パネル14側に臨んでいるため、例えばエンジンノイズやタイヤノイズ等の車外で発生した騒音が車体パネル14を介して乗員室10内へ透過した場合、これを好適に吸収して乗員室10内の騒音低減を図り得る。また吸音部材40は、衝撃吸収部材30の表側部分32に形成された各開口部36を介して乗員室10側にも臨んでいるため、乗員室10内で発生した騒音をも好適に吸収して該乗員室10内の騒音低減を図り得る。すなわち本実施例のフットパネル50は、単一の吸音部材40で乗員室10外で発生する騒音および乗員室10内で発生する騒音の両方を好適に吸収するようになり、低コストで効果的かつ効率的に吸音効果を得ることができる。
(試験例)
図9は、図1〜図4に例示した本実施例のフットパネル50に相当する構成とした試験試料(図8(a))TP1と、図13に例示した従来実施のフットパネル20に相当する構成とした試験試料(図8(b))TP2に関し、JIS A 1405「管内法による建築材料の垂直入射吸音率測定方法」に基づいて実施した測定結果を例示したグラフである。ここで本願発明人は、各々の試験試料TP1,TP2に関し、吸音部材40の装着側(表側)へ入射した音に対する吸音率と、吸音部材40の装着側と反対側(裏側)へ入射した音に対する吸音率の測定を行なった。ここで、試験試料TP1,TP2に関する種々寸法は、次のようになっている。
(a)試験試料TP1
・衝撃吸収部材30
・材質:硬質ウレタンフォーム
・外径C:100mm
・厚みT1:30mm
・開口部36の開口寸法D1(=D2):φ20mm
・開口部36の形成ピッチE:30mm
・吸音部材40
・材質:軟質ウレタンフォーム
・外径F:80mm
・厚みT2:10mm
(b)試験試料TP2
・衝撃吸収部材30
・材質:硬質ウレタンフォーム
・外径C:100mm
・厚みT1:20mm
・吸音部材40
・材質:軟質ウレタンフォーム
・外径F:100mm
・厚みT2:10mm
従来のフットパネル20に相当する試験試料TP2では、予想された結果ではあるが、吸音部材40が装着されていない裏側へ入射した音に対する吸音率は、周波数の高低に関係なく20%以下と極めて低くなっている。一方、吸音部材40が装着されている表側へ入射した音に対する吸音率は、周波数が高くなる程に向上するようになる一方、4000Hz程度の音の吸音率は略100%となった。
これに対し、本実施例のフットパネル50に相当する試験試料TP1では、吸音部材40が装着されている表側へ入射する音に対する吸音率および該吸音部材40が装着されていない裏側へ入射する音に対する吸音率は、何れの場合も、1600Hz以下の周波数では略同一となっている。そして、700Hz以上の音に対する吸音率が急激に上昇するようになり、1600Hz前後の周波数の音に対する吸音率は、表側および裏側の何れにおいても90%以上となっている。また、1600Hz〜4000Hzの入射音に対する吸音率は、表側では、常に80%以上に維持されるようになるが、裏側では、3000Hz前後で60%程度に低下するものの、それ以外では比較的良好な結果が得られる。
一方、両試験試料TP1,TP2同士を比較してみると、400Hz〜2500Hzの音に対する吸音率は、表側および裏側の何れにおいても、試験試料TP2より試験試料TP1の方が良好となることが確認された。
この試験結果から、本実施例のフットパネル50を、図4に例示したように車体パネル14に装着することで、車外で発生する騒音および乗員室10内で発生する騒音の何れをも、効率的かつ効果的に吸収し得ることが期待される。但し、騒音の吸収特性は、前述した吸音部材40を形成するシート状の素材S2の種類や厚みT2、また衝撃吸収部材30における各開口部36の開口寸法D1,D2、開口部36の形成位置や形成個数等を総合的に設定調整することにより、様々に変化させることが可能である。
前述した実施例では、衝撃吸収部材30の表側部分32および裏側部分34の両方に適宜数の開口部36を開設して、内部に埋設した吸音部材40を表面30Aおよび裏面30Bの両方に臨ませるようにすることで、車外で発生する騒音および乗員室10内で発生する騒音の吸収を行ない得るようにしたフットパネルを例示したが、車外で発生する騒音の吸収のみを図る場合または乗員室10内で発生する騒音の吸収のみを図る場合は、衝撃吸収部材30の表側部分32または裏側部分34の何れか一方に適宜数の開口部36を開設するようにすればよい。すなわち、車外で発生する騒音の吸収のみを対象とする場合は、図10に例示したように、衝撃吸収部材30の裏面30Bに臨む裏側部分34に適宜数の開口部36を開設すればよく、また乗員室10内で発生する騒音の吸収のみを対象とする場合は、図11に例示したように、衝撃吸収部材30の表面30Aに臨む表側部分32に適宜数の開口部36を開設すればよい。
また前述した実施例では、衝撃吸収部材30の表側部分32および裏側部分34に開設した開口部36を、各々整合するように位置させて相互に連通した貫通孔とした場合を例示したが、表側部分32における開口部36の開設位置および裏側部分34における開口部36の開設位置を一致させなくてもよい。この場合には、衝撃吸収部材30に貫通孔は形成されないが、表側部分32および裏側部分34に開設された各々の開口部36により埋設された吸音部材40が表面30Aおよび裏面30Bの両方へ臨むようになるため、前述した実施例のフットパネル50と同様に、車外で発生する騒音および乗員室10内で発生する騒音の吸収を行ない得る。
更に前述した実施例では、吸音部材40を形成する素材S2をシート状形態のものとして例示したが、この素材S2の形態は吸音部材40の形状・サイズにより決定されるものであって、シート状に限定されるものではない。
また前述した実施例では、車両内装部材としてフットパネルを例示したが、本願が対象とする車両内装部材はこれに限定されるものではなく、これ以外に前述したドアトリム16やコラムカバー18、またこれ以外にピラーガーニッシュや天井パネル等も対象とされる。
本発明に係る車両内装部材は、所要形状に形成された樹脂素材からなり、衝撃力を伴う外力を受けた際に圧潰変形して衝撃を吸収する衝撃吸収部材と、吸音性能に優れる素材からなり、前記衝撃吸収部材に配設される吸音部材とで構成され、車両の乗員室内の所要位置に装着使用されるものであって、例えばフットパネル、ドアトリム、コラムカバー、ピラーガーニッシュおよび天井パネル等が対象とされ、これらが実施される種々タイプの自動車に実施可能である。
本発明の好適実施例に係る車両内装部材とされるフットパネルを、単純な矩形形状で例示した概略斜視図である。 図1のII−II線断面図である。 衝撃吸収部材および吸音部材を分離させた状態で示した斜視図である。 実施例のフットパネルを、車体パネルに装着した実施状態で示した説明断面図である。 フットパネルの製造工程を示した説明断面図であって、予備成形した吸音部材を第1成形型の成形面にセットする状態を示している。 フットパネルの製造工程を示した説明断面図であって、吸音部材をセットした第1成形型の成形面に所定量のウレタン原料を注出した状態を示している。 フットパネルの製造工程を示した説明断面図であって、(a)は第1成形型に対して第2成形型を型閉めした状態を示し、(b)は吸音部材がセットされたキャビティ内でウレタン原料が発泡・硬化する状態を示している。 本願発明人が実施した垂直入射吸音率測定方法に使用した試験試料の説明図であって、(a)は、本実施例のフットパネルに相当する構成とした試験試料を例示し、(b)は、従来実施のフットパネルに相当する構成とした試験試料を例示している。 本願発明人が実施した垂直入射吸音率測定方法の測定結果を例示したグラフである。 変更例に係るフットパネルの説明断面図である。 別変更例に係るフットパネルの説明断面図である。 車両内装部材である従来のフットパネルの実施状態を例示した説明断面図である。 従来のフットパネルを、車体パネルに装着した実施状態で示した説明断面図である。
符号の説明
14 車体パネル
30 衝撃吸収部材
30A 表面
30B 裏面
32 表側部分
32A 開口隣接部位
34 裏側部分
34A 開口隣接部位
36 開口部
40 吸音部材
42 通孔
52 成形型
54 第1成形半型
54A 成形面
56 第2成形半型
56A 成形面
58 凸部
60 キャビティ
S1 硬質ウレタンフォーム
S2 軟質ウレタンフォーム
U ウレタン原料

Claims (4)

  1. 自動車の車体パネル(14)の乗員室側に装着され、乗員との衝突により衝撃力を伴う外力を受けた際に圧潰変形して衝撃を吸収する衝撃吸収部材(30)と、前記衝撃吸収部材(30)に配設される吸音部材(40)とで構成された車両内装部材において、
    前記衝撃吸収部材(30)は、硬質ウレタンフォーム(S1)から形成されて、前記吸音部材(40)が内部に埋設されると共に、前記衝撃吸収部材(30)の乗員室側となる表面(30A)および/または車体パネル(14)となる裏面(30B)に、前記吸音部材(40)に連通する複数の開口部(36)が開設され、
    前記吸音部材(40)は、内部に多数の連続気泡を有する軟質ウレタンフォーム(S2)から形成されて前記衝撃吸収部材(30)に接着され、前記開口部(36)を介して表面(30A)および/または裏面(30B)に臨み、
    前記衝撃吸収部材(30)の前記吸音部材(40)を挟んで両側に位置する表側部分(32)および裏側部分(34)は、前記開口部(36)に隣接した開口隣接部位(32A,34A)で吸音部材(40)を貫通して相互に連設されている
    ことを特徴とする車両内装部材。
  2. 記表側部分(32)に前記表面(30A)へ開口するよう開設した前記開口部(36)と、前記裏側部分(34)に前記裏面(30B)へ開口するよう開設した前記開口部(36)とを、表裏方向で夫々対応する位置に形成し、
    前記表面(30A)に開口する前記開口部(36)は、該表面(30A)から前記吸音部材(40)に向けて開口面積が漸減する形状に形成され、前記裏面(30B)に開口する前記開口部(36)は、該裏面(30B)から前記吸音部材(40)に向けて開口面積が漸減する形状に形成された請求項1記載の車両内装部材。
  3. 前記衝撃吸収部材(30)は、キャビティ(60)内に吸音部材(40)を予めセット可能な成形型(52)により成形され、これにより該吸音部材(40)を内部に埋設した状態で形成される請求項1または2記載の車両内装部材。
  4. 自動車の車体パネル(14)の乗員室側に装着され、乗員との衝突により衝撃力を伴う外力を受けた際に圧潰変形して衝撃を吸収する衝撃吸収部材(30)と、前記衝撃吸収部材(30)に配設される吸音部材(40)とで構成された車両内装部材を製造する方法であって、
    内部に多数の連続気泡を有するシート状の軟質ウレタンフォーム(S2)から、複数の通孔(42)を形成した前記吸音部材(40)を成形し、
    前記吸音部材(40)を、第1成形半型(54)の成形面(54A)に凸設した凸部(58)にセットし、
    前記第1成形半型(54)の成形面(54A)にウレタン原料(U)を注入した後、第2成形半型(56)を前記第1成形半型(54)に対し上方から型閉めし、該第2成形半型(56)の成形面(56A)に凸設した凸部(58)および前記第1成形半型(54)の凸部(58)で、前記吸音部材(40)の前記通孔(42)から外れた位置を挟持して、該吸音部材(40)を両成形面(54A,56A)により形成されたキャビティ(60)内に保持し、
    前記キャビティ(60)内のウレタン原料(U)を、前記吸音部材(40)の周囲および前記各通孔(42)内で発泡・硬化させ、
    前記凸部(58)で形成された開口部(36)を有すると共に前記吸音部材(40)を挟んで両側に位置する表側部分(32)および裏側部分(34)からなり、これら表側部分(32)および裏側部分(34)が、前記通孔(42)を介して相互に連設した硬質ウレタンフォーム(S1)製の前記衝撃吸収部材(30)を成形する
    ことを特徴とする車両内装部材の製造方法。
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