JPH08295194A - 車両用衝撃吸収構造体 - Google Patents

車両用衝撃吸収構造体

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JPH08295194A
JPH08295194A JP7105143A JP10514395A JPH08295194A JP H08295194 A JPH08295194 A JP H08295194A JP 7105143 A JP7105143 A JP 7105143A JP 10514395 A JP10514395 A JP 10514395A JP H08295194 A JPH08295194 A JP H08295194A
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JP
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ribs
rib
top plate
vehicle
auxiliary
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JP7105143A
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English (en)
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Takamune Suzuki
隆領 鈴木
Kazutoshi Minemura
和利 峯村
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Kojima Industries Corp
Original Assignee
Kojima Press Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 複数のリブが設けられて成る車両用衝撃吸収
構造体において、リブ高さの高い形状が要求される場合
にあっても、それが、優れた成形性をもって有利に実現
せしめられ得る構造と、衝撃吸収特性が部分的に若しく
は全体的に自由に変化せしめられ得て、所望の特性が極
めて容易に得られる構造とを提供する。 【構成】 合成樹脂材料からなり、平板形状を呈する天
板12の両方の面の全面に、複数の薄肉のリブ14,1
6を、それぞれ所定の高さをもって一体的に立設せしめ
た。そして、それら複数のリブにおいて、該天板12の
一方の面における複数のリブ14とその他方の面におけ
る複数のリブ16とが、互いに異なる変形乃至は破壊強
さを有するように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、車両用衝撃吸収構造体に係り、
自動車のドアやクォーターパネル等の車両部品に対し
て、特に好適に取り付けられ得る、成形性に優れた車両
用衝撃吸収構造体に関するものである。
【0002】
【背景技術】従来より、車両、例えば自動車等にあって
は、バンパーやインストルメントパネル等の車両部品に
対して、衝撃エネルギーを吸収する衝撃吸収構造体が取
り付けられており、衝突時等において、自動車全体に及
ぼされる衝撃や、乗員、特にその頭部に対する衝撃を吸
収せしめて、乗員の安全が可及的に確保され得るように
なっている。
【0003】そして、近年では、乗員の安全性をより高
いレベルで確保するために、ドアやクォーター等にも、
上述の如き衝撃吸収機能を具備せしめて、主に乗員の腰
部や胸部に対する衝撃を吸収せしめるようにすることが
要求されている。特に、米国等においては、新側突基準
(FMVSS214)が発行されて、実際に、実車側突
試験におけるダミーの腰部や胸部に対する傷害値が厳し
く規制されているのである。
【0004】このため、それらの要求や基準を満足せし
めるべく、(1)ドアの内部やクォーターパネルの裏側
に、ウレタンパッドを取り付けること、(2)それらの
部位に、ウレタンパッドに代えて、ポリプロピレンやポ
リスチレン等を用いたビーズ発泡成形体を取り付けるこ
と、(3)ドアの構造を改良して、ドア自体を衝撃吸収
構造体と為すこと、(4)ドアの内部やクォーターパネ
ルの裏側に、合成樹脂製のリブ構造体を取り付けること
等、種々の提案が為されている。
【0005】ところが、上記の(1)における如き衝撃
吸収構造においては、ウレタンパッドが、形状自由度が
小さいばかりでなく、強度においても劣ることから、ド
アやクォーターパネルへの取付けが、接着剤等を用いた
全面ラップに限定されてしまい、取扱性が悪く、コスト
高になってしまうといった問題を有していた。また、ウ
レタンパッドは、その構造よりして、パッド全体に対し
て70%程度の変形量で、衝撃エネルギーを吸収しなけ
ればならないため、換言すれば衝撃ストロークが70%
程度のものであるため、そのようなウレタンパッドを用
いた衝撃吸収構造では、衝撃エネルギーの吸収を十分に
行なうことができず、しかも衝撃を加えた時の反発力、
所謂荷重値が大きくなってしまうことが避けられないも
のであった。
【0006】また、上記の(2)における如き衝撃吸収
構造にあっては、ビーズ発泡成形体を与える材料とし
て、熱可塑性樹脂が用いられていることから、リサイク
ルが可能で、溶着による接着手法が採用され得ることと
なるものの、そのような熱可塑性樹脂を用いてなるビー
ズ発泡成形体が、その強度や衝撃ストロークが小さいも
のであるため、上記(1)の構造と同様な問題を有して
おり、それ故に衝撃吸収構造として望ましいものである
とは、到底、言い難いものであった。
【0007】さらに、上記の(3)におけるの如き衝撃
吸収構造にあっては、ドア自体の構造の改良が、車両の
外観と密接に関係し、またドアに取り付けられたアーム
レストやスピーカ、ドアポケット等の形状や配置位置に
よって、ドアパネルの形状が制限された中で、所定の衝
撃エネルギー吸収量が得られるように、その構造を設計
しなければならないことから、その実現がかなり困難な
ものとなっているのである。
【0008】これに対して、上記の(4)の如き衝撃吸
収構造によれば、合成樹脂製のリブ構造体が、形状自由
度が大きく、材質も何等制限されるものでないところか
ら、各種の取付孔を設けることができ、ドアの内部やク
ォーターパネルの裏側等に対して、嵌込みやビス止め等
によって容易に取り付けられ得るばかりでなく、例えば
ドアトリム等との一体成形も可能となり、ウレタンパッ
ドやビーズ発泡成形体をそれら車両部品に取り付ける場
合に比して、その取付性が大幅に向上され得、しかもそ
れに加えて、ドア構造が決定された後においても、衝撃
エネルギー吸収量を自由に設定できるといった大きな利
点をも得ることができるのである。
【0009】しかしながら、そのような合成樹脂製のリ
ブ構造体において、従来より車両用衝撃吸収構造体とし
て用いられているもの、例えば特公平4−36894号
公報に明らかにされるバンパー用リブ構造体や特公平4
−25177号公報に開示されたインストルメントパネ
ルに取り付けられるリブ構造体においては、その構造よ
りして、後述する如き幾つかの問題が内在しており、そ
のために、ドアやクォーターパネル等に取り付けられる
衝撃吸収構造体として、直ちに適用され得るものではな
かった。
【0010】すなわち、図17に示される如く、特公平
4−36894号公報に開示されるリブ構造体22にあ
っては、全体として中空の筐形形状を呈し、その前後面
若しくは何れか一方の面に、内部に向かって突入するリ
ブ24が一体的に設けられ、かかる面に、外方に向かっ
て開口する凹部26が形成されて、構成され、バンパー
28の内部に配設されているのであるが、その成形手法
として、ブロー成形手法が採用されていることから、成
形工程数が多く、その成形作業が煩雑なものとなってい
たのであり、また、最終的に得られる成形品の肉厚が不
均一なものとなって、衝撃吸収性において品質の安定し
た製品を得ることが難しく、それ故衝撃吸収構造体とし
て、著しく信頼性に欠けるといった大きな問題が内在し
ていたのである。
【0011】一方、図18からも明らかなように、特公
平4−25177号公報に開示されたリブ構造体30
は、平板状のパネル本体32における一方の面の全面
に、複数のリブ34が互いに所定間隔をおいて立設せし
められてなっており、インストルメントパネル36の表
皮としてのパッド38の背後に、インサートプレート4
0を介して、配設されて、構成されている。また、この
リブ構造体30においては、衝撃力が加えられた際に、
パネル本体32に設けられた複数のリブ34が効率的に
変形乃至は破壊されて、衝撃エネルギーが有効に吸収さ
れ得るように、それら複数のリブ34が極めて薄い肉厚
をもって構成されている。
【0012】このような構造とされたリブ構造体30
は、一般に、射出成形手法や圧縮成形手法等を利用し
て、製造されているところから、パネル本体32と複数
のリブ34とが、それぞれ、均一な肉厚をもって一体的
に成形され得ており、それによって、比較的安定した衝
撃吸収性能が具備せしめられ得るようになっているので
あるが、その成形時等において、種々の問題が存してい
るのである。
【0013】つまり、かかるリブ構造体30において、
例えば、衝撃ストロークのストローク量を増大せしめ
て、衝撃エネルギーの吸収をより十分に行なわしめ得る
ように、或いは比較的大きな設置スペースを有する車両
部品に良好に取り付けられ得るように、複数の薄肉のリ
ブ34が高い高さをもって成る形状が要求される場合等
には、その成形操作に用いられる金型において、各リブ
34に対応した形状を有して形成された成形キャビティ
が、極めて小さな幅と、それに比べて長い長さとを有す
る形状をもって構成されることとなるため、その成形時
において、かかる金型の成形キャビティ内に対して、各
リブ34を与える溶融樹脂材料が十分に充填され得ず、
欠肉や反り等の成形不良が惹起されることが、往々にし
てあったのである。
【0014】また、一般に、上述の如き構造とされたリ
ブ構造体30においては、衝撃エネルギーが安定的に吸
収せしめられ得るように為す上で、各リブ34が、その
高さ方向に一定の厚さを有していることが望ましいので
あり、その点からして、上述の如く、複数のリブ34が
高い高さをもって成る形状が要求される場合には、リブ
構造体30の抜き勾配をより小さくしなけらばならず、
そのために、その成形時において、製品(リブ構造体3
0)の離型が困難となるといった不具合もあったのであ
る。
【0015】それに加えて、かかるリブ構造体30にあ
っては、衝撃力が加えられた際に、複数のリブ34が次
々に変形乃至は破壊されて、その変形量や破壊量(変位
量)に応じて、衝撃エネルギーの吸収量が徐々に大きく
なるように構成されていることから、変位量と荷重値の
関係が略比例関係となっており、そのため、そのような
衝撃時における変位量と荷重値との関係を示す、所謂衝
撃吸収特性(荷重−変位特性)において、例えば、変形
乃至は破壊の進行段階における前半の段階の特性のみや
後半の段階の特性のみ等を、それぞれ単独で、部分的に
変化させたり、或いは変形乃至は破壊の進行段階におけ
る前半の段階から後半の段階に至までの間の特性を全体
的に変化させたりして、リブ構造体30の固有の衝撃吸
収特性を自由に変化させることが、極めて困難であった
のである。
【0016】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景にして為されたものであって、その解決課題とす
るところは、複数のリブが設けられて成る車両用衝撃吸
収構造体において、リブ高さの高い形状が要求される場
合にあっても、それが、優れた成形性をもって有利に実
現せしめられ得る構造を提供することにある。また、本
発明にあっては、変形乃至は破壊の進行段階に応じて、
衝撃吸収特性が部分的に若しくは全体的に自由に変化せ
しめられ得、以て所望の特性が極めて容易に得られるよ
うにした車両用衝撃吸収構造体の改良された構造を提供
することをも、その解決課題とするものである。
【0017】
【解決手段】そして、本発明にあっては、上述の如き課
題の解決のために、合成樹脂材料からなり、平板形状を
呈する天板の両方の面の全面に、複数の薄肉のリブを、
それぞれ所定の高さをもって一体的に立設せしめた車両
用衝撃吸収構造体を、その特徴とするものである。
【0018】なお、そのような本発明に従う車両用衝撃
吸収構造体の好ましい第一の態様によれば、前記天板の
両方の面の全面に立設せしめられた前記複数のリブにお
いて、該天板の一方の面における複数のリブとその他方
の面における複数のリブとが、互いに異なる変形乃至は
破壊強さを有するように構成されることとなる。
【0019】また、本発明の望ましい第二の態様によれ
ば、前記天板の一方の面における複数のリブの厚さとそ
の他方の面における複数のリブの厚さとが相互に異なら
しめられて、それら天板の一方の面における複数のリブ
とその他方の面における複数のリブとが、互いに異なる
変形乃至は破壊強さを有するように構成される。
【0020】さらに、本発明の有利な第三の態様によれ
ば、前記天板の一方の面における複数のリブの間隔とそ
の他方の面における複数のリブの間隔とが相互に異なら
しめられて、それら天板の一方の面における複数のリブ
とその他方の面における複数のリブとが、互いに異なる
変形乃至は破壊強さを有するように構成される。
【0021】
【作用・効果】すなわち、本発明に従う上記の車両用衝
撃吸収構造体にあっては、平板形状を呈する天板の全面
に、複数の薄肉のリブが、所定の高さをもって一体的に
立設せしめられていることから、衝撃力が加わった際
に、それら複数の薄肉のリブが効率的に変形乃至は破壊
され得て、その衝撃エネルギーが有効且つ安定的に吸収
され得るのである。
【0022】そして、特に、かかる車両用衝撃吸収構造
体においては、複数の薄肉のリブが、天板の両面に対し
て、立設せしめられているところから、複数のリブが天
板の一方の面のみに立設せしめられる従来のものに比し
て、各リブの高さが有利に低く構成され得るのであり、
また、リブ全体の高さを高めるに際しても、天板の一方
の面に立設せしめられたリブの高さとその他方の面に設
けられたリブの高さとをそれぞれ高く為すようにすれ
ば、各リブの高さの個々の増加量が効果的に抑制され得
るのである。それ故、かかる車両用衝撃吸収構造体にあ
っては、リブ全体の高さが高い形状が要求される場合に
おいても、その成形時に用いられる金型内部の、各リブ
を与える成形キャビティの長さ寸法が有利に短く為され
得、その結果、成形時において、各リブを与える金型内
部の成形キャビティ内への溶融樹脂材料の充填が不十分
となるようなことが有利に回避され得るのであり、また
それによって、欠肉や反り等の成形不良が惹起せしめら
れるようなことも効果的に解消され得るのである。しか
も、そのように、かかる車両用衝撃吸収構造体において
は、各リブの高さが低く構成され得ていることから、従
来のものとは異なり、各リブの厚さを可及的に均一に為
すために、抜き勾配を小さく為す必要が皆無ならしめら
れ得、それによって、その成形時において、成形品の離
型が困難となるようなことも有効に防止され得るのであ
る。
【0023】従って、本発明に従う構造とされた車両用
衝撃吸収構造体にあっては、リブ高さの高い形状が要求
される際にも、成形不良の発生や離型性の低下等の不具
合を招くことなく、優れた成形性をもって、その要求が
有利に達成せしめられ得るのである。そして、その結果
として、かかる車両用衝撃吸収構造体においては、衝撃
ストロークのストローク量が大きく、衝撃エネルギーの
吸収がより十分に行なわれ得ると共に、比較的大きな設
置スペースを有するドアやクォーターパネル等の車両部
品に取り付けられる車両用衝撃吸収構造体として、特に
好適に使用され得ることとなるのであり、またそれによ
って、乗員、特にその腰部へのドアやクォーターパネル
の衝突時における衝撃エネルギーの吸収が極めて有効に
且つ容易に実現され得ることとなるのである。
【0024】なお、上記した本発明の第一の態様に従う
構成が採用される場合には、天板の一方の面における複
数のリブとその他方の面における複数のリブとが、互い
に異なる変形乃至は破壊強さを有するように構成されて
いるところから、例えば、衝撃力が加えられた際に、荷
重値が、ある一定の値に達するまでは、天板の一方の面
における複数のリブのみが変形乃至は破壊されるように
為し、そしてその一定の値を越えた時点から、天板の他
方の面における複数のリブが変形乃至は破壊され始める
ように構成したり、或いはそれら天板の一方の面におけ
る複数のリブの変形乃至は破壊速度とその他方の面にお
ける複数のリブの変形乃至は破壊速度とを、相互に異な
らしめたりすることが、可能となるのである。
【0025】それ故、かかる場合においては、天板の一
方の面における複数のリブの衝撃吸収特性とその他方の
面における複数のリブの衝撃吸収特性とを、種々変化さ
せることによって、変形乃至は破壊の進行段階における
前半の段階と後半の段階とにおいて、部分的に、或いは
変形乃至は破壊の進行段階における前半の段階から後半
の段階を通じて、全体的に、衝撃吸収特性を自由に変化
させることが出来るのであり、またそれによって、所望
の衝撃吸収特性が極めて容易に得られることとなるので
ある。
【0026】また、本発明の第二の態様に従う構成か採
用される場合には、天板の一方の面における複数のリブ
の変形乃至は破壊強さとその他方の面における複数のリ
ブの変形乃至は破壊強さとが、有利に且つ容易に異なら
しめられ得るのである。
【0027】さらに、本発明の第三の態様に従う構成が
採用される場合にあっても、天板の一方の面における複
数のリブの変形乃至は破壊強さとその他方の面における
複数のリブの変形乃至は破壊強さとが、有利に且つ容易
に異ならしめられ得ることとなるのである。
【0028】
【実施例】以下、本発明を更に具体的に明らかにするた
めに、本発明の代表的な実施例について、図面を参照し
つつ、詳細に説明することとする。
【0029】先ず、図1乃至図4には、本発明に従う構
造を有する車両用衝撃吸収構造体の一例として、自動車
のドアの内部に取り付けられる衝撃吸収構造体が、それ
ぞれ、概略的に示されている。それらの図からも明らか
なように、衝撃吸収構造体10は、全体として、矩形の
筐形形状を呈しており、天板12の一方の面の全面に、
複数のメインリブ14が、またその他方の面の全面に、
複数の補助リブ16が、それぞれ、格子状に組み合わさ
れた状態で、一体的に立設せしめられて、構成されてい
る。
【0030】より具体的には、この衝撃吸収構造体10
を構成する天板12は、所定の合成樹脂材料から成って
おり、所定の厚さを有する矩形平板形状をもって構成さ
れているのである。
【0031】一方、複数のメインリブ14は、それぞ
れ、極めて薄い肉厚を有する矩形平板形状をもって成っ
ており、そのうちの4つのものが、天板12の一方の面
上に所定高さ突出する状態で、その長さ方向に連続して
延びるように、またそれとは別の9つのものが、該4つ
のものと同様な状態で、天板12の幅方向に連続して延
びるように、構成されている。そして、それら天板12
の長さ方向に延びる4つのメインリブ14とその幅方向
に延びる別の9つのメインリブ14は、互いに交差する
状態で、天板12の幅方向とその長さ方向に、それぞれ
等間隔をおいて位置せしめられている。かくして、複数
のメインリブ14が、天板12の一方の全面に、格子状
形態をもって、一体的に立設せしめられているのであ
る。なお、ここでは、それら複数のメインリブ14の高
さが、天板12の幅方向の一方の側から他方の側に向か
って次第に高くなるように構成されており、それによっ
て、衝撃吸収構造体10の全体形状が、取り付けられる
べきドア内部の設置スペースの形状に対応せしめられ得
るようになっている。
【0032】また、そのような配置形態を有する複数の
メインリブ14のうち、天板12の長さ方向両端縁部に
配置される2つのものの外面には、リップ状の取付部1
8,18が、側方に所定寸法突出する状態で、それぞれ
一体的に設けられている。更に、この取付部18,18
には、ボルト用孔20,20が、それぞれ形成されてい
る。これによって、衝撃吸収構造体10が、ドア内部の
所定の取付部位に対して、ボルト固定や嵌込み固定等に
より、位置固定的に取り付けられ得るようになっている
のである。
【0033】また、複数の補助リブ16も、それぞれ、
全体として、肉厚の薄い矩形平板形状をもって成ってお
り、天板12の他方の面上に所定高さ突出し、且つその
長さ方向に連続して延びる4つの補助リブ16と、天板
12の他方の面上に所定高さ突出し、且つその幅方向に
連続して延びる別の5つの補助リブ16とが、前記複数
のメインリブ14と同様な状態で、天板12の他方の面
上に位置せしめられ、以て天板12の他方の全面に、格
子状に組み合わされて、一体的に立設せしめられてい
る。
【0034】かくして、本実施例に係る衝撃吸収構造体
10にあっては、天板12の両方の面の全面に、複数の
薄肉のメインリブ14と補助リブ16とが、それぞれ所
定の高さをもって一体的に立設せしめられて成る一体成
形品として、構成されているのである。
【0035】そして、そのような構成を有する衝撃吸収
構造体10にあっては、特にメインリブ14と補助リブ
16とにおいて、それぞれの高さ及び肉厚と各格子の一
マスの大きさが、互いに異ならしめられている。
【0036】すなわち、かかる衝撃吸収構造体10にお
いては、図4からも明らかなように、補助リブ16の肉
厚が、メインリブ14のそれよりも厚くされているので
あり、また補助リブ16の天板12からの突出高さが、
メインリブ14の何れのものよりも、低くされているの
である。更に、図2及び図3に示される如く、補助リブ
16の格子の一マスの大きさ、換言すれば、補助リブ1
6の、天板12の幅方向における配置間隔が、メインリ
ブ14のそれに比して、所定寸法大きくされているので
ある。
【0037】要するに、本実施例に係る衝撃吸収構造体
10にあっては、補助リブ16の肉厚が、メインリブ1
4の肉厚よりも厚くされていることによって、衝撃に対
する破壊強さにおいて、補助リブ16がメインリブ14
よりも大きく為されているのであり、またそれと同時
に、補助リブ16の、天板12の幅方向における配置間
隔が、メインリブ14のそれに比して所定寸法大きくさ
れていることによって、補助リブ16の破壊強さが有利
にチューニングされているのである。そして、補助リブ
16の天板からの突出高さが、メインリブ14のそれに
比して低くされていることによって、換言すれば、メイ
ンリブ14のリブ高さが、補助リブ16のリブ高さより
も高くされていることによって、所定の衝撃力が加えら
れた際に、メインリブ14の破壊量(衝撃ストローク
量)が、補助リブ16のそれよりも大きくなるように設
定されているのである。
【0038】かくして、本実施例に係る衝撃吸収構造体
10にあっては、衝突等により、所定の衝撃力が加えら
れた際に、その荷重値が、ある一定の値になるまでは、
メインリブ14のみが破壊せしめられて、補助リブ16
が原形を保持せしめられ得、そして、荷重値が、その一
定の値を越えた時点から、補助リブ16が破壊され得る
ようになっているのであり、また、そのような破壊の進
行段階において、メインリブ14が破壊される前半の段
階で、より大きな衝撃エネルギーの吸収量が得られるよ
うになっているのである。
【0039】なお、そのように、衝撃時において、先に
メインリブ14が破壊され、その後に補助リブ16が破
壊され得るように、補助リブ16の破壊強さがチューニ
ングされた衝撃吸収構造体10は、有利には、以下の如
くして、製造されることとなる。
【0040】すなわち、先ず、所定厚さの天板12の一
方の面上に、薄い肉厚と所定の高さとを有する複数のメ
インリブ14が、所定の間隔をもって格子状に組み合わ
されて、また該天板12の他方の面上に、それら複数の
メインリブ14よりも厚い肉厚と所定の高さとを有する
複数の補助リブ16が、該複数のメインリブ14と同一
の間隔をもって格子状に組み合わされて、それぞれ、一
体的に立設せしめられた中間製品を、射出成形や圧縮成
形等によって成形する。
【0041】次いで、この得られた中間製品を用い、そ
れに設けられた複数の補助リブ16(天板12の長さ方
向に延びる補助リブ16及び/又はその幅方向の延びる
補助リブ16)を部分的にカットして、それら複数の補
助リブ16の配置間隔を部分的に若しくは全体的に複数
のメインリブ14の配置間隔よりも大きく為し、それに
よって、補助リブ16の破壊強さが、メインリブ14の
破壊強さよりも所定の分だけ大きくなるようにチューニ
ングし、以て目的とする衝撃吸収構造体10を得るので
ある。なお、かくして得られた衝撃吸収構造体10を自
動車のドアの内部の所定の取付部位に取り付ける際に
は、通常、メインリブ14が車室内側(乗員に対向する
側)に向けた状態で、取り付けられることとなる。
【0042】このように、本実施例に係る衝撃吸収構造
体10にあっては、天板12の一方の面上に、複数のメ
インリブ14が、またその他方の面上に、複数の補助リ
ブ16が、それぞれ一体的に立設せしめられているとこ
ろから、リブ全体の高さが高い形状が要求される場合に
おいても、その高さの増加分が、それら複数のメインリ
ブ14と補助リブ16に対して有利に分散(分割)せし
められ得て、各リブ14,16の高さの個々の増加が効
果的に抑制され得るのであり、それによって、その成形
時に用いられる金型の内部に形成された各リブ14,1
6を与える成形キャビティの長さ寸法の増加や抜き勾配
の増加も有利に低く抑えられ得て、成形に際して、かか
る成形キャビティ内への溶融樹脂材料の充填が不十分と
なったり、得られる製品の離型が困難となったりするよ
うなことが効果的に回避され得るのである。
【0043】従って、かかる衝撃吸収構造体10におい
ては、リブ高さの高い形状が、成形性が損なわれること
なく、有利に実現せしめられ得るのであり、また、その
結果として、衝撃ストロークのストローク量が大きく、
衝撃エネルギーの吸収がより十分に行なわれ得ると共
に、比較的大きな設置スペースを有するドアやクォータ
ーパネル等の車両部品に取り付けられる車両用衝撃吸収
構造体として、特に好適に使用され得、更にそれによっ
て、乗員、特にその腰部へのドアやクォーターパネルの
衝突時における衝撃エネルギーの吸収が極めて有効に且
つ容易に実現され得ることとなるのである。
【0044】また、本実施例に係る衝撃吸収構造体10
にあっては、補助リブ16の破壊強さが、メインリブ1
4のそれよりも所定の分だけ大きくされて、衝撃力が加
えられた際に、荷重値が、ある一定の値に達するまで
は、メインリブ14のみが破壊され、そしてその一定の
値を越えた時点から、補助リブ16が破壊され始めるよ
うになっていることから、それらメインリブ14と補助
リブ16のそれぞれの衝撃吸収特性を種々変化させれ
ば、破壊の進行段階における、メインリブ14が破壊さ
れる前半の段階と、補助リブ16が破壊される後半の段
階とにおいて、衝撃吸収構造体10の固有の衝撃吸収特
性を自由に変化させ得るのであり、またそれによって、
所望の衝撃吸収特性が容易に得られることとなるのであ
る。
【0045】さらに、かかる衝撃吸収構造体10におい
ては、複数の補助リブ16の肉厚寸法と互いの配置間隔
が、メインリブ14のそれらよりも大きくされて、各補
助リブ16の破壊強さが、メインリブ14のそれに対し
て所定の分だけ大きくなるようにチューニングされてい
ることから、補助リブ16の所定の破壊強さを有利に且
つ容易に得ることが出来るといった利点がある。
【0046】更にまた、かかる衝撃吸収構造体10にあ
っては、メインリブ14の高さが、補助リブ16よりも
高くされて、破壊の進行段階において、メインリブ14
が破壊される前半の段階で、目的とする衝撃エネルギー
の吸収がより十分に行なわれ得るようになっているとこ
ろから、かかるメインリブ14の破壊強さを変化させる
ことによって、基本となる衝撃吸収特性を自由に変化せ
しめることが出来るのである。
【0047】また、本実施例に係る衝撃吸収構造体10
においては、複数のメインリブ14と複数の補助リブ1
6とが、それぞれ、天板12の両方の面の全面に、所定
の格子状形態をもって立設せしめられていることから、
衝撃力が加えられる位置によって、それら複数のメイン
リブ14と補助リブ16の破壊量(変位量)に差が生ず
るようなことが有利に阻止され得、それによって、衝撃
位置の違いによる衝撃エネルギーの吸収量のバラツキの
発生が効果的に防止され得るのである。
【0048】因みに、本発明に従う構造とされた衝撃吸
収構造体10が、上述の如き優れた特徴を有するもので
あることは、本発明者らによって、以下の如くして行わ
れた実験の結果からも、明確に認識されるところであ
る。
【0049】すわなち、先ず、所定の配合剤の配合によ
り互いに硬度が異ならしめられた、ポリプロピレンを主
剤とする2種類のポリオレフィン系樹脂を準備し、これ
らを用いて、それぞれ射出成形を行ない、図1に示され
る如き全体形状と、図2に示される如きメインリブ14
の配置形態とを有し、更にメインリブ14よりも厚肉と
された補助リブ16の配置形態が、図5〜図8に示され
る如く、各々異なる形態とされ、それによって、補助リ
ブ16の破壊強さがそれぞれ異ならしめられた8種類の
衝撃吸収構造体10を得た。それら8種類の衝撃吸収構
造体10のうち、低硬度のポリオレフィン系樹脂からな
り、補助リブ16の配置形態が図5〜図8に示される如
き形態とされたものを、それぞれ供試体1〜4とし、ま
た、高硬度のポリオレフィン系樹脂からなり、補助リブ
16の配置形態が図5〜図8に示される如き形態とされ
たものを、それぞれ供試体5〜8とした。なお、それら
各供試体の形状寸法は、長さ:240mm、幅:80mm、
メインリブの最大高さ:60mm、メインリブの最小高
さ:35mm、補助リブの高さ:30mm、メインリブの厚
さ:0.8mm、補助リブの厚さ:1.0mm、天板の厚
さ:3.0mmとした。
【0050】そして、それら供試体1〜8を用い、従来
と同様にして、それぞれの衝撃吸収特性(荷重−変位特
性)を調べた。得られた供試体1〜8の衝撃吸収特性
を、図9〜図16に、それぞれ示した。
【0051】それら図9〜図11からも明らかなよう
に、供試体1〜3の衝撃吸収特性は、荷重値が約4kN
に達する辺りを境にして、その前半部分が略同様な傾向
を示しているのに対して、その後半部分が、それぞれ、
異なった傾向を示している。これは、荷重値が約4kN
に達するまでは、主にメインリブ14が破壊されて、そ
の間における衝撃吸収特性に対して、供試体1〜3にお
いて同じ配置形態とされたメインリブ14の有する特性
が反映されていることを示しており、そして荷重値が4
kNを越えた辺りから、補助リブ16が破壊され始め
て、それ以降における衝撃吸収特性に対して、供試体1
〜3において互いに異なる配置形態とされた補助リブ1
6の有する特性が、それぞれ反映されていることを示し
ているのである。
【0052】また、それと同様に、図13〜図15に示
される如く、供試体5〜7の衝撃吸収特性も、荷重値が
約5kNに達する辺りを境にして、その前半部分が略同
様な傾向を示しているのに対して、その後半部分が、そ
れぞれ、異なった傾向を示している。これも、供試体5
〜7において、荷重値が約5kNに達するまでの範囲内
は、主にメインリブ14が破壊されて、それらの衝撃吸
収特性に対して、メインリブ14の有する特性が反映さ
れ、また荷重値が約5kNを越えた辺りから、補助リブ
16が破壊され始めて、補助リブ16の有する特性が反
映されていることを示しているのである。
【0053】さらに、図12と図16に示される如く、
供試体4と供試体8の衝撃吸収特性は、それぞれ、供試
体1〜3と供試体5〜7のそれとは明らかに異なる傾向
を示している。これは、供試体4と供試体8とにおい
て、それぞれの補助リブ16の配置間隔が、それら以外
の供試体1〜3及び5〜7よりもかなり大きくされてい
ることによって、補助リブ16の破壊強さが著しく低下
せしめられ、その結果、破壊の進行の初期段階から、補
助リブ16とメインリブ14とが同時に破壊されて、そ
れら補助リブ16の有する特性とメインリブ14の有す
る特性が合成され、それが、各供試体4,8の衝撃吸収
特性の全体に反映されていることを示しているのであ
る。
【0054】従って、これらのことから、メインリブ1
4と補助リブ16の厚さや配置間隔を相互に異ならしめ
られて、それぞれの破壊強さが互いに異なるように構成
された衝撃吸収構造体10においては、その構成材料の
材質に拘わらず、その衝撃吸収特性が部分的に或いは全
体的に、自由に変化させられ得、またそれによって、所
望の衝撃吸収特性が有利且つ容易に得られることが、明
確に認識され得るのである。
【0055】以上、本発明の代表的な実施例について詳
述してきたが、これは文字通りの例示であって、本発明
は、そのような具体例にのみ、限定して解釈されるもの
ではない。
【0056】例えば、前記実施例では、所定の衝撃力が
加えられた際に、メインリブ14や補助リブ16が破壊
されることによって、その衝撃エネルギーが吸収され得
るようになっていたが、衝撃時において、それらメイン
リブ14や補助リブ16が撓む等して、変形せしめられ
ることによって、衝撃エネルギーが吸収され得るように
構成されていても、何等差し支えない。
【0057】また、前記実施例では、メインリブ14と
補助リブ16とが、その厚さと配置間隔が異ならしめら
れて、それぞれの破壊強さが互いに異なるように構成さ
れていたが、それら各リブ14,16の厚さのみを異な
らしめたり、また配置間隔のみを異ならしめたり、或い
はそれぞれの破壊強さに関係する他の要素を異ならしめ
たりすることによって、それぞれの破壊強さが相互に異
なるように為すことも可能である。なお、前述の如く、
メインリブ14と補助リブ16の変形によって、衝撃エ
ネルギーが吸収せしめられるようになっている場合に
は、上記と同様にして、それらメインリブ14と補助リ
ブ16の変形強さが互いに異なるように構成されること
となる。また、メインリブ14と補助16の破壊強さや
変形強さを何等異ならしめることなく、それらが同一の
変形乃至は破壊強さを有するように構成しても、勿論良
い。
【0058】さらに、前記実施例では、衝撃吸収構造体
10の全体形状が、矩形の筐形形状をもって構成されて
いたが、その全体形状は、特にこれに限定されるもので
はなく、取り付けられる車両部品の形状や設置スペース
の形状等に応じて、適宜に決定されるものである。
【0059】更にまた、前記実施例では、天板12とそ
の両面に立設せしめられるメインリブ14及び補助リブ
16の形状が、それぞれ、略矩形形状とされていたが、
それらの形状も、前記車両部品やその設置スペースの形
状等に応じて、適宜に変更され得るものである。
【0060】また、前記実施例では、複数のメインリブ
14の高さが、天板12の幅方向の一方の側から他方の
側に向かって次第に高くなるように構成されていると共
に、補助リブ16の高さが、それらメインリブ14の何
れのものよりも低くなるように構成されていたが、それ
ら複数のメインリブ14をすべて同一の高さと為しても
良く、更にはそれらメインリブ14の高さを補助リブ1
6と同一か若しくはそれよりも低い高さと為しても良い
のである。
【0061】さらに、天板12の大きさも、特に限定さ
れるものではなく、前記車両部品やその設置スペースの
大きさ等によって、適宜に決定されるものであること
は、勿論である。
【0062】また、それら天板12、メインリブ14、
補助リブ16の厚さも、特に限定されるものではない
が、有利には、天板12の厚さが、1.5mmを越え、且
つ5mm未満とされ、メインリブ14と補助リブ16の厚
さが、0.6〜1.2mm程度とされていることが望まし
い。けだし、天板12の厚さが1.5mm以下である場合
には、天板の変形乃至は破壊強さが小さくなり過ぎて、
所定の衝撃力が加えられた際に、簡単に変形乃至は破壊
されてしまい、効率的な衝撃エネルギーの吸収を行なう
ことが困難となるからであり、また、その厚さが5mmを
越える場合には、厚くなり過ぎて、成形サイクルが長く
なるばかりでなく、成形過程における冷却時の収縮差に
よって、該天板12に一体的に設けられる複数のリブ1
4,16が変形して、衝撃エネルギーの吸収が安定して
行なわれ得なくなる恐れがあるからである。更に、メイ
ンリブ14と補助リブ16の厚さが0.6mm未満である
場合には、薄過ぎて、成形が困難となるからであり、ま
たそれが1.2mmを越える場合には、逆に厚過ぎて、変
形乃至は破壊強さが必要以上に大きくなり、変形乃至は
破壊による効率的な衝撃エネルギーの吸収が行なわれ得
なくなってしまうからである。そして、その意味からし
て、メインリブ14と補助リブ16の厚さは、0.7〜
1.0mm程度とされていることが、より望ましい。
【0063】さらに、前記実施例では、複数のメインリ
ブ14と複数の補助リブ16が、天板12の両方の面上
に、格子状形態をもって、それぞれ、立設せしめられて
いたが、それらメインリブ14と補助リブ16とが、天
板12の両方の面の全面に一体的に立設せめしられてい
るのであれば、その配置形態は何等限定されるものでは
なく、如何なる形態とされていても良いのである。な
お、特にそれらメインリブ14と補助リブ16とが、格
子状形態をもって配置せしめられる場合には、荷重値を
必要以上に高めることなく、その格子の一マスの大きさ
を可及的に小さく為して、衝撃位置の違いによる衝撃エ
ネルギーの吸収量のバラツキをより有利に防止せしめる
上で、格子の一マスにおいて、互いに隣合う2つの辺の
何れか一方の辺の長さが30〜50mmとされ、また他方
の辺の長さが30mmを越えて50mm以下とされているこ
とが望ましい。
【0064】更にまた、それらメインリブ14と補助リ
ブ16の配置枚数も、前記実施例における如きものに、
何等限定されるものでないことは、言うまでもないとこ
ろである。
【0065】また、そのような構成とされた衝撃吸収構
造体10を与える合成樹脂材料の種類も、特に限定され
るものではないが、ドアやクォーターパネル等に取り付
けられる衝撃吸収構造体、つまり乗員の腰部に対する衝
撃エネルギーを吸収せしめる衝撃吸収構造体として使用
される場合には、有利には、アイゾット衝撃値が5kgcm
/cm以上で、且つ曲げ弾性率が5000〜20000kg
/cm2 であるポリオレフィン系樹脂材料が用いられる。
けだし、そのような合成樹脂材料が用いられることによ
って、十分に大きな衝撃ストロークを確保しつつ、乗員
の腰部に対する衝撃エネルギーを吸収せしめるための衝
撃吸収構造体として要求される衝撃吸収特性が効果的に
得られるからである。なお、ここで用いられるポリオレ
フィン系樹脂材料としては、具体的には、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン及びそれらのブロックコポリマー、
ランダムコポリマー、ポリマーアロイ等が例示され得
る。
【0066】さらに、前記実施例では、天板12の長さ
方向両端縁部に配置されるメインリブ14,14の外面
に、リップ状の取付部18,18設けられて、所定の取
付部位に対して、ボルト固定や嵌込み固定等により、位
置固定的に取り付けられ得るようになっていたが、その
ような取付部18,18を何等設けることなく、衝撃吸
収構造体10の所定部位に接着剤を塗布して、該所定の
取付部位に接着固定するようにしても良い。更に、成形
が可能であれば、該所定の取付部位を有する車両部品と
一体的に成形するようにしても、何等差し支えない。
【0067】なお、前記実施例では、天板12の両方の
面上に立設せしめられる複数のリブにおいて、衝撃吸収
構造体10の破壊時に、先に破壊されるリブをメインリ
ブ14、後に破壊されるリブを補助リブ16と称したに
過ぎないのであり、それ故、先に補助リブが変形乃至は
破壊され、後にメインリブが変形乃至は破壊されるよう
に構成される場合には、かかる補助リブとメインリブと
に対して、前記実施例における如き破壊強さの小さなメ
インリブ14の構造と破壊強さの大きな補助リブ16の
構造とが、それぞれ採用せしめられることとなるのであ
り、更にそれら補助リブとメインリブとが同時に破壊さ
れるように為す場合には、前記実施例とは異なって、同
じような破壊強さを具備せしめられ得るような構造が採
用されることとなるのである。
【0068】加えて、前記実施例では、本発明を自動車
のドアの内部に取り付けられる衝撃吸収構造体に対して
適用したものの具体例を示したが、本発明が、その他、
自動車のクォーターパネル、ピラーガーニッシュ、ドア
グラブ、インストルメントパネル、クラスター等の自動
車部品や、その他、所定の衝撃エネルギーの吸収が行な
われるべき車両部品の何れに対しても、有利に適用され
得るものであることは、勿論である。
【0069】その他、一々列挙はしないが、本発明は、
当業者の知識に基づいて、種々なる変更,修正,改良等
を加えた態様において実施され得るものであり、また、
そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限
り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであること
は、言うまでもないところである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う車両用衝撃吸収構造体の一例を示
す斜視説明図である。
【図2】図1におけるA矢視説明図である。
【図3】図1におけるB矢視説明図である。
【図4】図2におけるC−C断面説明図である。
【図5】本発明に従う車両用衝撃吸収構造体の別の例を
示す平面説明図であって、図3に対応する図である。
【図6】本発明に従う車両用衝撃吸収構造体の更に別の
例を示す平面説明図であって、図3に対応する図であ
る。
【図7】本発明に従う車両用衝撃吸収構造体の他の例を
示す平面説明図であって、図3に対応する図である。
【図8】本発明に従う車両用衝撃吸収構造体の更に他の
例を示す平面説明図であって、図3に対応する図であ
る。
【図9】図5に示される如き構造を有し、且つ低硬度の
ポリオレフィン系樹脂にて構成された車両用衝撃吸収構
造体の衝撃吸収特性を説明するための図である。
【図10】図6に示される如き構造を有し、且つ低硬度
のポリオレフィン系樹脂にて構成された車両用衝撃吸収
構造体の衝撃吸収特性を説明するための図である。
【図11】図7に示される如き構造を有し、且つ低硬度
のポリオレフィン系樹脂にて構成された車両用衝撃吸収
構造体の衝撃吸収特性を説明するための図である。
【図12】図8に示される如き構造を有し、且つ低硬度
のポリオレフィン系樹脂にて構成された車両用衝撃吸収
構造体の衝撃吸収特性を説明するための図である。
【図13】図5に示される如き構造を有し、且つ高硬度
のポリオレフィン系樹脂にて構成された車両用衝撃吸収
構造体の衝撃吸収特性を説明するための図である。
【図14】図6に示される如き構造を有し、且つ高硬度
のポリオレフィン系樹脂にて構成された車両用衝撃吸収
構造体の衝撃吸収特性を説明するための図である。
【図15】図7に示される如き構造を有し、且つ高硬度
のポリオレフィン系樹脂にて構成された車両用衝撃吸収
構造体の衝撃吸収特性を説明するための図である。
【図16】図8に示される如き構造を有し、且つ高硬度
のポリオレフィン系樹脂にて構成された車両用衝撃吸収
構造体の衝撃吸収特性を説明するための図である。
【図17】従来の車両用衝撃吸収構造体の一例を示す断
面説明図である。
【図18】従来の車両用衝撃吸収構造体の別の例を示す
断面説明図である。
【符号の説明】
10 衝撃吸収構造体 12 天板 14 メインリブ 16 補助リブ 18 取付部 20 ボルト用孔

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂材料からなり、平板形状を呈す
    る天板の両方の面の全面に、複数の薄肉のリブを、それ
    ぞれ所定の高さをもって一体的に立設せしめたことを特
    徴とする車両用衝撃吸収構造体。
  2. 【請求項2】 前記天板の両方の面の全面に立設せしめ
    られた前記複数のリブにおいて、該天板の一方の面にお
    ける複数のリブとその他方の面における複数のリブと
    が、互いに異なる変形乃至は破壊強さを有するように構
    成されている請求項1に記載の車両用衝撃吸収構造体。
  3. 【請求項3】 前記天板の一方の面における複数のリブ
    の厚さとその他方の面における複数のリブの厚さとが相
    互に異ならしめられて、それら天板の一方の面における
    複数のリブとその他方の面における複数のリブとが、互
    いに異なる変形乃至は破壊強さを有するように構成され
    ている請求項2に記載の車両用衝撃吸収構造体。
  4. 【請求項4】 前記天板の一方の面における複数のリブ
    の間隔とその他方の面における複数のリブの間隔とが相
    互に異ならしめられて、それら天板の一方の面における
    複数のリブとその他方の面における複数のリブとが、互
    いに異なる変形乃至は破壊強さを有するように構成され
    ている請求項2又は請求項3に記載の車両用衝撃吸収構
    造体。
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