JP5748036B2 - 車両用空調ダクト - Google Patents

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本発明は、車両用に配設される車両用空調ダクトに関する。
近年、RV車等のような広い車室を有する自動車には、後部座席に対しても良好な空調が可能になるように、車両前方にだけでなく車両の後部にもエアコンが搭載されている。そこから排出された空気を天井両側(ルーフサイド)に配設された空調ダクトを用いて後部座席全体に分配することが行われている。
ところで、車両衝突事故時に乗員が車両の内側に強打する衝撃を防ぐために、例えば、車室の内側に貼られる内装材に衝撃吸収機能を付与することが求められてきている。同様に、そのような要求は空調ダクトに対しても望まれている。
これらの要求を満たすために開発された空調ダクト(ルーフサイドダクト)の一例が特許文献1に記載されている。
この特許文献1のルーフサイドダクトでは、衝撃吸収機能を備えるために、略V字の溝部が取付壁部の長手方向に沿って形成された構造を備えている。V字の溝部の溝底に衝撃が加わると、その衝撃の一部が溝部の側壁の段階的な破壊に用いられるため、乗員の頭部への衝撃は効果的に軽減する。
一方、衝撃吸収機能を備えるために空調ダクトの周囲の補強を必要とする部分に別体の補強材を添着させる方法も開発されている(特許文献2参照)。
いずれの場合も空調ダクト自体を補強するものである。
特許第3403325号公報 特開2005ー112199号公報
ところで、車体設計上、空調ダクトの配設経路に沿った領域にも乗員が強打することによる衝撃を吸収する必要がある部分がある。この場合、その部分に衝撃吸収部を別途設けなければならない。
しかし車室内においては、空調ダクトを取り付けた後に、その衝撃吸収部を取り付けようとすると、空調ダクトそのものが取り付け作業をする上での大きな支障となる。
或いは衝撃吸収部を取り付けた後に空調ダクトを取り付ける際も同様な作業上の支障が生じ、極めて厄介である。しかも、空調ダクトと衝撃吸収部の両方の取り付けを必要とするため作業時間も長くなり、効率が悪い。
そのため、車両内において効率の良い空調ダクトや衝撃吸収部の取り付け作業が要請されていた。
本発明は以上の問題点を解決すべく開発されたものである。
すなわち、本発明は、取り付け作業を効率良く行うことができる車両用空調ダクトを提供することを目的とする。
本発明者は、以上のような課題背景をもとに鋭意研究を重ねた結果、空調ダクト本体以外の他の部材の衝撃吸収機能に付与する衝撃吸収部を前もって空調ダクト本体と一体に設けておくことにより、取り付け作業を極めて効率良くできることを見出し、その知見に基づいて本発明を完成させたものである。
すなわち本発明は、(1)、車両のボディ外装板と内装材との間に配設され衝撃吸収機能を有する発泡状態の熱可塑性樹脂から形成された車両用空調ダクトであって、中空の矩形断面形状を有するダクト本体と該ダクト本体以外の部材である内装材に対して衝撃吸収機能を付与し補強する対他部材補強部とよりなり、該対他部材補強部は、板状基部と該板状基部に立設された周囲壁とその頂端面からなる円錐台状又は角錐台状の衝撃吸収リブとよりなり、且つダクト本体の長手方向に沿って複数個並設されており、前記板状基部がダクト本体の一側壁面の延長として形成され、複数の衝撃吸収リブが板状基部を介してダクト本体に沿って一体化されており、前記ダクト本体はエア注入により形成されており、且つ対他部材補強部はコンプレッションにより形成されている、車両用空調ダクトに存する。
また、本発明は、(2)、前記対他部材補強部が備える形状により衝撃吸収機能が付与されている上記(1)記載の車両用空調ダクトに存する。
また、本発明は、()、衝撃吸収リブを結合する渡しリブが形成されている上記(1)記載の車両用空調ダクトに存する。
また、本発明は、()、前記ダクト本体は発泡倍率が2.0倍以上の発泡状態の熱可塑性樹脂からなり、前記対他部材補強部は、発泡倍率が1〜1.5倍の発泡状態の熱可塑性樹脂から形成される上記()記載の車両用空調ダクトに存する。
なお、本発明の目的に沿ったものであれば上記(1)から()の発明を適宜組み合わせた構成も採用可能である。
本発明の衝撃吸収機能を有する車両用空調ダクトにおいては、エアコンから排出された空気の流通路となるダクト本体と、ダクト本体以外の部材に対して衝撃吸収機能を付与する対他部材補強部と、が一体に並設された形状となっている。
そのため、ダクト本体を室内に取り付ける(配設する)のと同時に対他部材補強部も取り付ける(配設される)ことができるので、取り付け作業(配設作業)が極めて効率的に行える。
また対他部材補強部はダクト本体の外部に一体に並設されていることから、ダクト本体の機能を低下させることがない。そのためダクト本体の形状に影響されず対他部材補強部には衝撃吸収に適した形状を採用することができる。
対他部材補強部のダクト本体とを一体成形することにより、生産効率が向上し且つ製造コストも低減する。
図1は、本発明の実施形態の車両用空調ダクトを示す斜視図である。 図2は、本実施形態の車両用空調ダクトを示す平面図である。 図3は、車両用空調ダクトの配設状態示す説明図である。 図4は、衝撃吸収リブの構造の一部を断面で示す図であり、(A)は渡しリブのない衝撃吸収リブ、(B)は渡しリブのある衝撃吸収リブを示す。 図5は、4角錐台状の衝撃吸収リブを示し、(A)は、衝撃吸収リブの平面図、(B)は衝撃吸収リブの断面図を示す。 図6は、対他部材補強部を異なった位置に設けた例を示し、(A)は対他部材補強部1を一ヶ所に設けた場合、(B)は対他部材補強部1を複数ヶ所に設けた場合を示す。 図7は、ダクト本体自体にも衝撃吸収部分が設けられた車両用空調ダクトを示す斜視図である。 図8は、車両用空調ダクトの製造方法を示す説明図であり、(A)は金型を閉じる前を示し、(B)は金型を閉じた後を示す。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。
また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
図1は、本実施形態の車両用空調ダクトを示す斜視図である。
図2は、本実施形態の車両用空調ダクトを示す平面図である。
これらの図に示すように、本実施形態の車両用空調ダクトAは、ダクト本体2以外の部材に対して衝撃吸収機能を付与する対他部材補強部1と、空調空気の流路となるダクト本体2とが並設されおり、しかも対他部材補強部1とダクト本体2とはダクト本体2の稜線部22近傍にて一体に形成されている。
言い換えるとダクト本体2の一側壁面2Aの延長に形成されている。
尚、対他部材補強部1は衝撃吸収リブ11とダクト本体2に一体化される板状基部12とからなる。
ここで衝撃吸収リブ11は板状基部12の一部を突出形成したものであり、板状基部12から立設された周囲壁11Bと該周囲壁11Bの天井である頂端面11Aからなる。
そして頂端面11Aの下方には開口部11Cが形成されている。
このように、対他部材補強部1とダクト本体2とは一体となっているため、車内にダクト本体2を取り付けることにより、対他部材補強部1も同時に取り付けることができる。
このため、ダクト本体2の取り付け作業と、対他部材補強部1の取り付け作業とを別々に行うことにより、先に配設された部材が次の部材の取り付け作業の支障となるような問題は生じなくなるので、車両用空調ダクトAの配設作業を極めて効率よく行うことができる。
図3は、車両用空調ダクトの配設状態示す説明図である。図に示すように、車両用空調ダクトAは車両のボディ外装板Sと、内装材Rとの間に配設されることから、対他部材補強部1が位置する内装材Rの部分に衝撃吸収機能が与えられる。
この図では対他部材補強部1に形成された立体中空の衝撃吸収リブ11の頂端面11Aがボディ外装板S、開口部11Cが内装パネルR側に向けられている。
(対他部材補強部)
ダクト本体2と一体となった対他部材補強部1は、ダクト本体2以外の部材に対して衝撃吸収機能を付与するものである。
本実施形態においては、対他部材補強部1は車両用空調ダクトAを覆うルーフパネル等の内装材の裏側に当接するように配設されて衝撃吸収機能を発揮する。
このことにより、車両側面衝突事故等が発生した際に、例えば乗員が車両内で頭部をルーフパネル等に強打しても、対他部材補強部1よってその衝撃が吸収されることから、頭部を損傷するような危険から回避することができる。
対他部材補強部1はその形状により、またはそれを形成する材料の特性により、或いは形状と材料の相乗効果によってダクト本体以外の部材に衝撃吸収能力を付与するものである。
まず、衝撃吸収能力を付与する対他部材補強部1の形状としては、種々の形状があるが、その1例について述べる。
対他部材補強部1に衝撃吸収リブ11を備える車両用空調ダクトAが図1に示されている。
図4は、衝撃吸収リブ11の構造を理解するために一部を断面で示す図である。
対他部材補強部1は、平板状の板状基部12と該板状基部から突出した円錐台状(又は截頭円錐状)の衝撃吸収リブ11とを備え、板状基部12がダクト本体2と一体となっている。
衝撃吸収リブ11は、円錐台状をしており水平な頂端面11Aと傾斜した周囲壁11Bとを有し断面は台形状となる。
このように衝撃吸収リブ11の周囲壁11Bが傾斜しているため、頂端面11Aを垂直方向に押すように衝撃が加わった場合でも、その周囲壁11Bは途中で突然折れて衝撃エネルギーを吸収するのではなく、壁面が潰れるように徐々に変形していき衝撃エネルギーを吸収していく。
尚、後述するように、周囲壁の傾斜角度θは必要とする衝撃吸収量を得るために適宜選択が可能であるが、25°未満とすることが好ましい。
衝撃吸収リブ11の高さ(通常、1cm〜3cm程度)では、開口部となる底面と頂端面との面積比を1:0.50〜1:0.95程度に設計すれば良い。
尚、開口部となる底面の面積の値と頂端面の面積の値が近いほど付与できる衝撃吸収能力が最も高まる。
衝撃吸収リブ11の衝撃吸収力をより向上するためには、衝撃吸収リブ間を結合する渡しリブ11Dを設けることが好ましい(図4(B)参照)。
ところで衝撃吸収リブ11は、上述したような円錐台状に限らず、多角錐台状(又は截頭角錐状)のものも当然適用される。尚、その場合も断面は台形状となる。
図5は、4角錐台状の衝撃吸収リブ11を示しており、衝撃吸収リブ11は対他部材補強部1に複数個設けられている。
図5(A)は、衝撃吸収リブ11を示す平面図であり、図5(B)はその断面図を示し、等間隔に配列された3個の衝撃吸収リブ11のうち、中央とその右側に配置された衝撃吸収リブ間には互いのリブの周囲壁11Bを結合する渡しリブ11Aが設けられている。
なお、渡しリブ11Dは、必ずしも全ての衝撃吸収リブ間に設ける必要はなく、必要な箇所のみでも当然よい。
そしてその渡しリブの断面は無垢或いは中空を問わない。
ここで、対他部材補強部1に設けられる衝撃吸収リブ11の数は、内装材に対して付与する衝撃吸収能力の観点から、5個/100cm〜15個/100cmが好ましい。
衝撃吸収リブ11の形成個数がこの範囲よりも少ないと、内装材に対して十分な大きさの衝撃吸収能力を付与できず、この範囲よりも多いと、各衝撃吸収リブが細くなりすぎ、逆に十分な大きさの衝撃吸収能力を付与することができなくなるとともに衝撃吸収リブを成形することが困難となる。
衝撃吸収能力を付与する対他部材補強部1の材料としては種々のものがあるが、部材に衝撃吸収機能を付与するうえで必要なヤング率を有する熱可塑性樹脂が使われる。
通常、ダクト本体2の材料に熱可塑性樹脂が採用されることから、一体成形を行う際の容易さを勘案すると他部材補強部1の材料としても熱可塑性樹脂が採用される。
また、最近のダクト本体2が軽量性の観点から発泡性の熱可塑性樹脂で成形されることから、他部材補強部1の材料としても発泡樹脂が採用される。
対他部材補強部1の材料として超臨界状態の気体または重曹などを発泡剤として用いた発泡樹脂を採用した場合には、発泡ブロー成形等により発泡倍率が2〜5倍程度まで高くすることが可能である。
しかし発泡倍率を高めることにより対他部材補強部1の剛性が著しく低下(すなわち保形性が小さくなる)するため、内装材の衝撃吸収能力を必要十分なものとすることができない。
発泡ブロー成形により形成されたダクトの衝撃吸収能力を必要十分なものとするためには、対他部材補強部1を(1)ヤング率の高い材料で構成すること、(2)密度および体積を増加させること、(3)他の部材をインサートすること等が考えられるが、ダクト本体と対他部材補強部1を一体に形成する場合には上記(1)〜(3)の方法は必ずしも好ましいとはいえない。
このため、発泡状態のダクト本体2と対他部材補強部1を発泡ブロー成形によって一体に形成する場合にあっては、発泡倍率を2.0〜3.0倍のとするとともに、対他部材補強部1に形成される衝撃吸収リブ11の形状、特に板状基部12に対する周囲壁24の起立角度を25°未満、好ましくは20°以下、さらに好ましくは10°以下に調整する。
これにより、軽量化された発泡状態のダクト本体2に一体に形成される対他部材補強部1であっても所望の衝撃吸収性能を得ることができる〔表1参照〕。
〔表1〕
Figure 0005748036
表1は、各発泡倍率(車両用空調ダクトを構成する熱可塑性樹脂の密度をダクト本体2の壁面の見かけ密度で割った値を発泡倍率とした)のダクト本体2に一体に形成した対他部材補強部1の周囲壁11Bの傾斜角度θにおける衝撃吸収性能を示すものである。
前記表1におけるダクトを構成する熱可塑性樹脂としては、230℃におけるMFRが2.1g/分の長鎖分岐構造を導入したプロピレン単独重合体(ボレアリス社製、Daploy WB130)70wt%と230℃におけるMFRが5.1g/分のエチレン−プロピレンブロック共重合体(日本ポリプロ社製、ニューフォーマーFB3312)30wt%の混合物を用いた。
混合樹脂の密度は約0.91g/cmであった。
当該ダクトを発泡ブロー成形するにあたって、発泡剤および核剤としてタルクMB3重量部と着色剤として黒色MB1重量部を添加して、押出機にて混練した後にマンドレルとダイ外筒の間の円筒状空間であるダイ内アキュムレーターに貯留し、リング状ピストンを用いて円筒状のパリソンとして分割金型に押出した。
型締め後パリソン内に0.1MPaの圧力でエアを吹き込んで発泡状態のダクトを得た。発泡倍率は発泡剤の充填量を調整することにより、2.0倍、2.5倍、3.0倍のダクトを得た。
MFRはJIS K−7210に準じて試験荷重2.16kgで測定したものである。
衝撃吸収性能は衝撃吸収リブ11の圧縮ひずみ50%における荷重応力を常温にて測定し、評価した。
発泡倍率が2.0倍のものにあっては傾斜角度θが25°未満で良好な衝撃吸収性を示し、さらに傾斜角度θが20°以下となると荷重応力が向上して高い衝撃吸収性能を発揮することができる。
しかし、傾斜角度θが10°以下では荷重応力が高くなり過ぎて搭乗者の頭部を保護するうえで好ましくない。
また、ダクト本体2の発泡倍率を2.5倍に設定した場合には、傾斜角度θが13°以下、好ましくは11°以下とすることで、搭乗者の頭部を保護するうえで好ましい衝撃吸収性能を得ることができた。
さらに、ダクト本体2の発泡倍率を3.0倍に設定した場合には、傾斜角度が4°以下で好ましい衝撃吸収性能を得ることができた。
尚、圧縮ひずみ50%とは、衝撃吸収リブ11の圧縮前の当初の高さから圧縮荷重により押し潰されて高さが半分に変形されたときの変位を示す。
ここで、対他部材補強部1は、先述したように、ダクト本体2以外の部材に対して衝撃吸収機能を付与するものである。
そのため衝撃吸収機能を付与したい位置(例えば、頭部等が衝突する位置)にダクト本体2と一体に成形しておくこととなる。
この対他部材補強部1が位置する内装材の部分は強化されて衝撃吸収機能を持つ。
図6は、その例を概略的に示した説明図であり、図6(A)は対他部材補強部1を一ヶ所に設けた例、図6(B)は対他部材補強部1を複数ヶ所に設けた例を示す。
図6(A)の場合はダクト本体2の周辺の内装材の1カ所に、図6(B)の場合はダクト本体2の周辺の内装材の2カ所に衝撃吸収機能が付与されている。
対他部材補強部1が、当接する内装材の部分は当然、衝撃吸収機能を発揮することとなる。
尤も、衝撃吸収機能を付与する部分が、ダクト本体2に沿って広範囲である場合は、対他部材補強部1はダクト本体2の全長に渡って一体に形成される。
(ダクト本体)
ダクト本体2は、中空の例えば断面が矩形の部材で、合成樹脂で形成されているが、車両用空調ダクトAの軽量化の観点から発泡樹脂で形成されることが好ましい。
発泡成形における発泡倍率はダクト本体2の保形性を保つための観点から2〜15倍程度が採用されるが、衝撃吸収機能を有する対他部材補強部1を一体に形成するためにダクト本体の発泡倍率は2〜3倍の範囲に設定される。
なお、ダクト本体2に形状的な衝撃吸収機能を付与するには、先述した対他部材補強部1のように、板状基部12に対する衝撃吸収リブの周囲壁11Bの起立状態を調整する。
つまり、周囲壁11Bの傾斜角度θを大きくとるほど衝撃吸収性能は低くなり、一方傾斜角度θを小さくするほど衝撃吸収性能は高まる。
尚、対他部材補強部1は後述するように分割金型を用いてコンプレッションされることにより形成されるため、ダクト本体2とは異なる発泡倍率、具体的には1〜1.5倍程度の発泡倍率の採用が好ましい。
これにより、対他部材補強部1が複雑な形状であってもダクト本体2に対して一体に形成することが容易となる。
ところで、先述したように、対他部材補強部1はダクト本体2以外の部材に対して衝撃吸収機能を付与するものであるが、ダクト本体2自体が衝撃吸収部分を備えていても当然良い。
衝撃吸収機能を付与したい位置がダクト本体2自体にある場合でも、ダクト本体2以外の位置にある場合でも、或いはダクト本体自体とダクト本体2以外の位置にある場合でも、 本発明のダクト本体2を取り付けることにより、必要とする部分に衝撃吸収機能を容易に付与することができる。
図7は、ダクト本体自体にも衝撃吸収部分が設けられた車両用空調ダクトを示す斜視図である。
ダクト本体2の一方の壁面から、その壁面に対向する壁面に向かって衝撃吸収リブ21を突出形成させることで、この部分についてダクト本体2の衝撃吸収性が付与される。
次に、本実施形態の車両用空調ダクトAの製造方法の一例を示す。
図8は、車両用空調ダクトAの製造方法を示す説明図であり、図8(A)は金型を閉じる前を示し、図8(B)は金型を閉じた後を示す。
図に示すように、本実施形態の車両用空調ダクトAは、発泡樹脂のパリソンPを用いてブロー成形によって製造される。
金型4はダクト本体2となる部分を成形するダクト本体成形部4Aと、対他部材補強部1となる部分を成形する対他部材補強部成形部4Bとを有しており、金型4を閉じダクト本体成形部4A側にエアを注入すると中空のダクト本体と板状の補強部とが結合部3を介して一体成形される。
ダクト本体の発泡倍率と補強部の発泡倍率とは、熱可塑性樹脂に対して充填される発泡剤の量およびダクト本体成形部4Aと対他部材補強部成形部4Bのそれぞれのキャビティの容積によって決定される。
以上、本発明をその一実施形態を例に説明したが、本発明は上述した実施形態のみに限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
例えば、対他部材補強部を形成する材料を、前記ダクト本体を形成する材料と異にすることにより衝撃吸収機能を付与することも可能である。
すなわちダクト本体のような気体を流す役割とは異なった役割を担う材料、すなわち他の部材に対する衝撃を吸収する役割を付与するに適した材料を使うことで衝撃吸収機能を区画して付与することができる。
1…対他部材補強部
11…衝撃吸収リブ
11A…頂端面
11B…周囲壁
11C…開口部
11D…渡しリブ
12…板状基部
2…ダクト本体
2A…側壁面
21…ダクト本体の衝撃吸収リブ
22…稜線部
23…パーティングライン
3…結合部
4…金型
4A…ダクト本体成形部
4B…対他部材補強部成形部
A…車両用空調ダクト
P…パリソン
R…内装パネル
S…ボディ外装板
θ…傾斜角度

Claims (4)

  1. 車両のボディ外装板と内装材との間に配設され衝撃吸収機能を有する発泡状態の熱可塑性樹脂から形成された車両用空調ダクトであって、
    中空の矩形断面形状を有するダクト本体と該ダクト本体以外の部材である内装材に対して衝撃吸収機能を付与し補強する対他部材補強部とよりなり、
    該対他部材補強部は、板状基部と該板状基部に立設された周囲壁とその頂端面からなる円錐台状又は角錐台状の衝撃吸収リブとよりなり、且つダクト本体の長手方向に沿って複数個並設されており、
    前記板状基部がダクト本体の一側壁面の延長として形成され、複数の衝撃吸収リブが板状基部を介してダクト本体に沿って一体化されており、
    前記ダクト本体はエア注入により形成されており、且つ対他部材補強部はコンプレッションにより形成されている、
    ことを特徴とする車両用空調ダクト。
  2. 前記対他部材補強部が備える形状により衝撃吸収機能が付与されているものであることを特徴とする、請求項1記載の車両用空調ダクト。
  3. 前記衝撃吸収リブを結合する渡しリブが形成されていることを特徴とする、請求項1記載の車両用空調ダクト。
  4. 前記ダクト本体は発泡倍率が2.0倍以上の発泡状態の熱可塑性樹脂からなり、前記対他部材補強部は、発泡倍率が1〜1.5倍の発泡状態の熱可塑性樹脂から形成されることを特徴とする、請求項記載の車両用空調ダクト。
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