JP2005112199A - 車両用ダクト - Google Patents

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Abstract

【課題】軽量化、断熱性能および吸音性能の向上、作業工数削減によるコストダウン等を図ると共に、乗員保護機能の向上をも図り得るようにする。
【解決手段】車両用ダクトDは、ルーフサイド部14に位置するインナーパネル16に対し、乗員室20側から取付けられる成形天井部材30の一部と、樋状に形成されて、成形天井部材30の裏面に当接面48を密着させた状態で該成形天井部材30に固定されるダクト壁部材40とからなる。そして、ダクト壁部材40のダクト壁42および鍔部44に、別途成形した衝撃吸収部材50を装着して構成される。ダクト壁部材40は、発泡樹脂シート材から真空成形されたもので、このダクト壁部材40の成形作業工程および該ダクト壁部材40に対する衝撃吸収部材50の装着作業工程が同時になされる。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両用ダクトに関し、更に詳細には、車両の乗員室におけるルーフ部の内側に配設される車両用ダクトに関するものである。
近年生産される自動車(車両)では、正面衝突事故の発生時における乗員の傷害軽減は勿論、側面衝突事故の発生時における乗員の傷害軽減を図る種々の対策が施されている。例えば図14は、図13のX−X線断面図であって、自動車の車体10のルーフ12におけるルーフサイド部14を断面状態で示したもので、ルーフ12の左右に位置するルーフサイド部14は、車体10の骨格構造を形成する車体構成部材の一つであるインナーパネル16と、このインナーパネル16の外側に位置して車体10の外部意匠面を形成するアウターパネル18とから構成されている。また乗員室20内には、所要形状に成形された車両内装部材の一つである成形天井部材30が、インナーパネル16を被覆するように乗員室20側からこのインナーパネル16に装着されている。そしてルーフサイド部14においては、インナーパネル16と成形天井部材30との間に、車体前後方向へ延在する所要幅の空間22が画成されており、乗員室20の後部空間の空調に供される調温空気を移送するための車両用ダクトD1や、各種ハーネス(図示せず)等の配設スペースとして利用されている。なお、図14中の符号24は吸音シート材であり、符号26はドアシール用のモール部材である。
図14に例示した従来の車両用ダクトD1は、高密度ポリエチレン等の合成樹脂を材質とするブロー成形製の中空筒状体が主流である。しかしながら、このようなブロー成形製の車両用ダクトD1は、基本的にエアコンユニットから送出された調温空気を案内する機能しか具備しておらず、例えば側面衝突事故の発生に際して乗員の頭部が成形天井部材30を介しルーフサイド部14へ衝突した場合には、その衝撃力によって比較的容易に圧潰変形してしまい、乗員頭部の傷害軽減を図るために供し得ない。このため図14に例示したように、前述した空間22内に衝撃吸収部材28を配設して、この衝撃吸収部材28で衝撃を吸収して乗員頭部の傷害軽減を図る対策が講じられている。この衝撃吸収部材28としては、例えば硬質ウレタン、アルミパイプ、ハニカムボード、樹脂製リブ等が採用されている。なお、ルーフサイド部14に衝撃吸収部材28を装着した傷害軽減対策に関しては、例えば特許文献1に開示されている。
特開2001−322506号公報
ところで、図14に例示した従来の車両用ダクトD1は、ダクト壁部の厚みが1mm程度と薄肉に形成されているが、前述したように高密度ポリエチレンを材質としているため、ルーフ12の前後方向へ延在する長さに成形すると比較的重量が嵩んでしまう。このため、車体10の軽量化の障害となっていたと共に、車体10の最上部に位置するルーフサイド部14に配設されるために走行性能に悪影響を及ぼす問題を内在していた。また、断熱性能が低いため、ダクト内外の温度差によりダクト壁部の外表面および/または内表面に結露が発生し、かびや細菌および悪臭等の発生を誘発する欠点も指摘される。更に、吸音性能や遮音性能が低いため、図示しないエアコンユニットで発生する運転騒音を図示しない空気吹出口へそのまま伝達してしまい、乗員室内の快適性を損なう課題もあった。
一方、車両用ダクトD1と衝撃吸収部材28とを収容した空間22は、図14から明らかなように殆ど隙間がなくなってしまい、側面衝突事故に対する傷害軽減に有効とされるカーテンエアバッグ装置を配設する配設スペースを確保できない。このため、車両用ダクトD1と共に、衝撃吸収部材28およびカーテンエアバッグ装置の両方を一緒に配設することが不可能であり、衝撃吸収部材28またはカーテンエアバッグ装置の何れか一方のみを配設するしかなく、効果的な乗員保護を図り得ない課題をも内在していた。更には、車両用ダクトD1と衝撃吸収部材28および成形天井部材30が全くの別部材として個別に構成されているため、自動車の組立ラインにおいては、インナーパネル16に対する車両用ダクトD1の組付作業と、衝撃吸収部材28の組付作業と、成形天井部材30の組付作業とが各々別作業工程となり、作業工数および作業時間が嵩んでコストアップを招来する課題等もあった。
従って本発明では、軽量化、断熱性能および吸音性能の向上、作業工数削減によるコストダウン等を図ると共に、衝撃吸収部材およびカーテンエアバッグ装置の両方を配設可能として乗員保護機能の向上を図り得るようにした車両用ダクトを提供することを目的とする。
前記課題を解決し、所期の目的を達成するため本発明は、車両の乗員室におけるルーフサイド部の内側に配設される車両用ダクトであって、
ルーフサイド部に位置する車体構成部材に対し、乗員室側から取付けられる車両内装部材の一部と、
樋状に形成され、その長手方向へ延在する当接面を前記車両内装部材の裏面に密着させた状態で該車両内装部材に固定されるダクト壁部材とからなり、
前記ダクト壁部材の壁部に、別途成形した衝撃吸収部材を装着するよう構成したことを特徴とする。
なおダクト壁部材は、真空成形型を利用して合成樹脂製の発泡シート部材から成形するのが望ましい。
また、真空成形型に衝撃吸収部材を予めセットしたもとでダクト壁部材の成形を行なうことで、ダクト壁部材の成形および該ダクト壁部材に対する衝撃吸収部材の装着を同時に行なうことが望ましい。
更に、衝撃吸収部材に係止部を設け、ダクト壁部材の壁部に該係止部が係止することで、ダクト壁部材に対する衝撃吸収部材の固定を行なうようにするのが望ましい。
本発明に係る車両用ダクトによれば、従来から実施されている車両内装部材と、発泡樹脂シート材を成形して得られたダクト壁部材とから形成したことにより、これら車両内装部材およびダクト壁部材が何れも軽量に形成されているので、従来の車両用ダクトと比較して大幅な軽量化が図られるようになり、車体の軽量化に寄与し得ると共に走行性能に悪影響を及ぼすことが回避される有益な効果を奏する。また、車両内装部材およびダクト壁部材は何れも断熱性能に優れているので、ダクト内外の温度差による結露が発生し難くなり、かびや細菌の繁殖および悪臭等の発生を好適に抑制できる利点がある。更に、車両内装部材およびダクト壁部材は何れも吸音性能や遮音性能に優れているので、エアコンユニットで発生する運転騒音を好適に吸収するようになり、この運転騒音が空気流出口へ接続される空気吹出口へ伝達されることを防止し得る利点もある。
また、ダクト壁部材の壁部に衝撃吸収部材を配設するようにしたため、従来では衝撃吸収部材用とされた配設スペースを、カーテンエアバッグ装置の配設スペースに利用し得るようになり、乗員頭部の傷害低減に有効に機能する衝撃吸収部材とカーテンエアバッグ装置との両方を一緒に配設することが可能となり、乗員保護性能の大幅な向上が期待できる。一方、自動車の組立ラインにおいては、車両用ダクトの組付作業工程と車両内装部材の組付作業工程とが同時に実施されるため、作業工数および作業時間が短縮されてコストダウンを図り得る等の利点もある。
次に、本発明に係る車両用ダクトにつき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。なお本実施例では、車体10を構成するインナーパネル16とアウターパネル18、および成形天井部材30は、図14に例示した従来のものと同一形状で例示し、これに伴ってインナーパネル16と成形天井部材30との間に画成された空間22も同一形状・サイズとなっている。従って、図14に既出の部材・部位と同一の部材・部位については、同一の符号を付して説明する。
図1は、好適実施例に係る車両用ダクトDを配設した車体のルーフサイド部14の概略断面図、図2は、車両用ダクトDを略示した部分斜視図、図3は図2のIII−III線断面図である。本実施例の車両用ダクトDは、ルーフサイド部14に位置するインナーパネル(車体構成部材)16に対し、乗員室20側から取付けられる成形天井部材(車両内装部材)30の一部32と、樋状に形成されて、その長手方向へ延在する当接面48を前記成形天井部材30の裏面に密着させた状態で該成形天井部材30に固定されるダクト壁部材40とからなっている。更に、このダクト壁部材40のダクト壁(壁部)42および鍔部(壁部)44に、別途成形した衝撃吸収部材50を装着して構成されている。すなわち車両用ダクトDは、その壁部における略1/4の領域が、成形天井部材30(の一部32)から形成されている。
成形天井部材30は、基本的には図14に例示した従来のものと同一のものであって、例えばウレタン発泡体またはレジンフェルト等からなる芯材34と、この芯材34の表面(乗員室20に臨む外面)に積層した不織布等の表面材36と、芯材34の裏面(インナーパネル16に臨む外面)に積層した不織布等の裏面材38とからなる3層構造となっており、これら芯材34、表面材36および裏面材38からなる3層構造のシート状素材を熱プレス等に基づいてルーフ12の内側形状に成形したものである。このような成形天井部材30は、前述した各素材からなる積層体であるから軽量であり、熱プレスにより成形された芯材34により適度の形状保持性を有している一方、厚みT1=3〜5mm程度となっているために断熱性能や吸音性能に優れた特性を有している。なお、芯材34と表面材36、芯材34と裏面材38とは、ガラス繊維層を介して積層されているものと、ガラス繊維層を介さずに直接的に積層されているものとがある。
ダクト壁部材40は、横断面形状が略コ字形を呈する樋状のダクト壁(壁部)42と、このダクト壁42における短手方向の両端縁から外方へ延出して長手方向へ延在する鍔部(壁部)44,44とを一体的に連設して構成され、横断面形状が所謂ハット形状を呈している。このダクト壁部材40は、後述すると共に図7等に例示するように、例えばポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)等の合成樹脂を発泡成形して得られた発泡樹脂シート材Sを、真空成形型70を利用した真空成形に基づいて得られたものである。なお、本実施例におけるダクト壁部材40は、平行に延在する2つのダクト壁42,42を鍔部44で連設した単一部材として構成されており、これにより本実施例の車両用ダクトDでは2つの空気流通空間46,46が画成されている。
前述した発泡樹脂シート材Sは、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)等の合成樹脂を、例えば25倍程度に発泡させて厚みT2=2〜3mm程度となるように発泡成形して得られたもので、同一サイズ・厚みを有する無発泡タイプの高密度ポリエチレンを材質とする樹脂シート材と比較すると、重量は概ね1/2程度(50%程度軽量)となっている。従って、この発泡樹脂シート材Sを真空成形して得られるダクト壁部材40は、形状保持性が低いために変形し易いものの、軽量であり、断熱性、吸音性、遮音性および防振性等に優れた特性を具有している。
衝撃吸収部材50は、公知の射出成形技術等に基づいて成形されたもので、図5に例示するように、前述したダクト壁部材40の形状に基づき合計3個の衝撃吸収リブ体52,54,56で構成されている。すなわち、第1衝撃吸収リブ体52はダクト壁部材40における各ダクト壁42,42の間に位置し、第2衝撃吸収リブ体54は一方のダクト壁42の側方に位置すると共に、第3衝撃吸収リブ体56は他方のダクト壁42の側方に位置するようになっている。なお、第1衝撃吸収リブ体52と第2衝撃吸収リブ体54、第1衝撃吸収リブ体52と第3衝撃吸収リブ体56とは、これらと一体的に形成された複数個の連結帯体部58で相互に連結され、衝撃吸収部材50は単一成形部材として取扱い得るようになっている。
前述した第1〜第3の各衝撃吸収リブ体52,54,56は、車両用ダクトDの長手方向(車体10の前後方向)へ延在する第1リブ60と、この第1リブ60の長手方向へ所要間隔毎に位置して該第1リブ60に対して交差する複数の第2リブ62とが一体的に成形されたもので、曲げ弾性率が約600MPa程度のポリプロピレンから形成され、各々の第1リブ60および第2リブ62の厚みは1〜1.5mmとされている。また、各々の第2リブ62において、ダクト壁部材40に接する側の端縁部には、鋭角状に突出した係止爪部(係止部)64が形成されており、図4に例示するように、各々の係止爪部64がダクト壁42における縦壁部分42Aの外面へ食い込んで係止することで、ダクト壁42に対する衝撃吸収部材50の固定が図られるようになっている。
また、第1〜第3の各衝撃吸収リブ体52,54,56における第1リブ60の下端縁には、図5に例示したように、第1リブ60の長手方向へ所要間隔毎に突片66が下方へ突出した状態に形成されている。これら突片66は、衝撃吸収部材50がダクト壁部材40に装着される際に鍔部44に突入した状態となり(図7)、この突入状態において先端部位を押し潰すように熱変形させることで(図8)、鍔部44に係止される拡頭形状の係止突片68に成形されて鍔部44へ係止するようになり(図4)、鍔部44に対する衝撃吸収部材50の固定が図られるようになっている。すなわち、ダクト壁部材40と衝撃吸収部材50とは、前述した各係止爪部64および各係止突片68とがダクト壁42および鍔部44へ各々係止することで、相互が分離不能に固定されるようになっている。
前述のように成形されたダクト壁部材40は、衝撃吸収部材50を装着したもとで、例えばホットメルトや種々接着剤等により、ダクト壁部材40における各鍔部44に設けた当接面48を成形天井部材30の裏面所要位置に接着することで、この成形天井部材30に固定される。従って、相互に接着された成形天井部材30とダクト壁部材40とにより、空気流入口および空気流出口に連通する空気流通空間46,46を画成した車両用ダクトDが形成される。
このように実施例の車両用ダクトDは、従来から実施されている成形天井部材30と、発泡樹脂シート材Sを成形して得られたダクト壁部材40とから形成したことにより、次のような特徴を有する。すなわち、成形天井部材30およびダクト壁部材40は何れも軽量に形成されているので、図14に例示した従来の車両用ダクトD1と比較して大幅な軽量化が図られるようになり、車体10の軽量化に寄与し得ると共に走行性能に悪影響を及ぼすことが回避される。また、成形天井部材30およびダクト壁部材40は何れも断熱性能に優れているので、ダクト内外の温度差による結露が発生し難くなり、かびや細菌の繁殖および悪臭等の発生を好適に抑制できる。更に、成形天井部材30およびダクト壁部材40は何れも吸音性能や遮音性能に優れているので、図示しないエアコンユニットで発生する運転騒音を好適に吸収するようになり、この運転騒音が空気流出口へ接続される空気吹出口へ伝達されることを防止し得る。
また実施例の車両用ダクトDは、ダクト壁42の側部に画成された狭い隙間を利用して第1〜第3の衝撃吸収リブ体52,54,56から構成される衝撃吸収部材50を配設可能としたため、図14に例示した従来の衝撃吸収部材28の配設スペースを、例えばカーテンエアバッグ装置CAの配設スペースに利用し得る。従って、インナーパネル16と成形天井部材30の間に画成された空間22を拡大することなく、乗員頭部の傷害低減に有効に機能する衝撃吸収部材50とカーテンエアバッグ装置CAとの両方をこの空間22へ共に配設することが可能となり、乗員保護性能の大幅な向上が期待できる。
なお、車両用ダクトDを構成するダクト壁部材40は、発泡樹脂シート材Sから成形されて形状保持性が低いものの、衝撃吸収部材50を構成する第1〜第3の各衝撃吸収リブ体52,54,56がダクト壁42および鍔部44に係止していることで、形状保持が好適に図られるようになっている。従って、ダクト内外の圧力差によるダクト壁部材40の変形が適切に規制される。
(車両用ダクトの成形方法)
次に、前述のように構成された本実施例の車両用ダクトDの成形方法につき、図6〜図10を参照しながら説明する。
本実施例の車両用ダクトDを構成する成形天井部材30は、熱プレス等の成形方法に基づいて従来と同様に成形される。またダクト壁部材40は、図6(a)に例示した真空成形型70を利用して発泡樹脂シート材Sから真空成形され、更に、この真空成形型70に対して別途成形された衝撃吸収部材50を予めセットしておくことにより、ダクト壁部材40の成形作業工程およびこのダクト壁部材40に対する衝撃吸収部材50の装着作業工程を同時に行なうようになっている。
真空成形型70は、図6(a)に例示したように、ダクト壁部材40の外形形状を前提として形成され、多数の空気挿通孔74を穿設した成形面72と、衝撃吸収部材50の各衝撃吸収リブ体52,54,56をセットするためのセット部76と、空気吸引装置78とから構成されている。このように構成された真空成形型70に対し、別途インジェクション成形した衝撃吸収部材50をセットすることで(図6(a))、セット部76にセットされた第1〜第3の各衝撃吸収リブ体52,54,56に形成された係止爪部64および突片66が、成形面72から突出した状態となる(図6(b))。
そして先ず、対向配置したクランプ80,80で発泡樹脂シート材Sの端部を把持したもとで、図示しない電熱ヒータ等の加熱装置により、該発泡樹脂シート材Sを所定温度(例えば150℃程度)に加熱して適宜軟化させる。このもとで図7に例示するように、各クランプ80,80を成形面72の側へ移動させて発泡樹脂シート材Sを成形面72へ吸引密着させ、この発泡樹脂シート材Sに成形面72の形状を付与する。この際、成形面72から突出した各々の係止爪部64および突片66が、発泡樹脂シート材Sに食い込んだ状態となる。
成形面72に対する発泡樹脂シート材Sの吸引密着が完了したら、図8に例示するように、適宜温度に加熱した加圧成形体82を、成形面72へ近接移動させて各鍔部44に突入状態にある突片66の先端部位を押し潰して、この突片66の成形を行なう。これにより、先端部位が拡頭形状に変形した係止突片68が成形されると共に鍔部44が平坦状に押圧成形され、係止突片68が鍔部44へ係止した状態となる。
成形面72に吸引密着させた発泡樹脂シート材Sが冷却・硬化してダクト壁部材40の成形が完了したら、図9に例示するように、成形されたダクト壁部材40とこれに装着された衝撃吸収部材50を一体的に脱型する。次いで後工程において、図10に例示するように、不要部分84を切除することにより、ダクト壁部材40の成形が完了する。
そして、衝撃吸収部材50を装着した状態で成形が完了したダクト壁部材40は、図11に例示するように、別途成形された成形天井部材30の所要位置(一部32)に対し、ホットメルト等の接着剤86を塗布した各鍔部44の当接面48を押し付けて接着することで、成形天井部材30に接着固定される。これにより、成形天井部材30とダクト壁部材40とを接着して構成される本実施例の車両用ダクトDが形成される。すなわち、本実施例の車両用ダクトDは、成形天井部材30と一体的に取扱い得るようになる。
従って、図12に例示するように、インナーパネル16へカーテンエアバッグ装置CAを予め組付けたもとで、ダクト壁部材40を接着した成形天井部材30をこのインナーパネル16に組付けることで、成形天井部材30の組付作業工程と車両用ダクトDの組付作業工程とが同時に完了する。すなわち、自動車の組立ラインにおいては、車両用ダクトDの組付作業工程と成形天井部材30の組付作業工程とが同時に実施されるため、作業工数および作業時間が短縮されてコストダウンが期待できる。
なお前述した実施例では、真空成形型70に対して別途成形された衝撃吸収部材50を予めセットしておき、ダクト壁部材40の成形作業工程およびこのダクト壁部材40に対する衝撃吸収部材50の装着作業工程を同時に行なう場合を例示したが、両作業工程を別々に行なうようにしてもよい。すなわち、真空成形型70においてダクト壁部材40の成形を行なった後、脱型した成形完了後のダクト壁部材40に対して別途成形された衝撃吸収部材50を装着することも可能である。
また前述した実施例では、衝撃吸収部材50を装着したダクト壁部材40を成形天井部材30を接着した後に、これらダクト壁部材40と成形天井部材30とを一体的にインナーパネル16に組付ける場合を例示した。しかしながら、衝撃吸収部材50を装着したダクト壁部材40を予めインナーパネル16へ組付けた後、成形天井部材30をインナーパネル16へ組付けるようにし、この際にダクト壁部材40と成形天井部材30とを接着させるようにしてもよい。
更に前述した実施例では、平行に延在する2つのダクト壁42,42を鍔部44で連設したダクト壁部材40を例示したが、ダクト壁部材40の形状はこれに限定されるものではなく、単一のダクト壁42からなるものや、3つ以上のダクト壁42からなるものとしてもよい。また、ダクト壁42の断面形状もこれに限定されるものではない。なお、ダクト壁部材40の形状・形態が変更された場合には、これに伴って衝撃吸収部材50の形状・形態も変更される。
一方、前述した実施例では、車両内装部材30として成形天井部材を例示したが、車両内装部材はこれに限定されるものではなく、例えば成形天井部材の側縁部に沿ってルーフサイド部14に配設されるルーフサイドガーニッシュ、ルーフサイド部14から車体10のピラー部に亘って配設されるピラーガーニッシュ等、乗員頭部が衝突する可能性のある部位に配設される車両内装部材の全てが対象とされる。
本発明に係る車両用ダクトは、車両の乗員室におけるルーフサイド部の内側に配設されるものであって、乗用車等の各種タイプの自動車に実施可能である。
本実施例の車両用ダクトを配設したルーフサイド部の概略断面図である。 本実施例の車両用ダクトを部分的に示した概略斜視図である。 図2のIII−III線断面図である。 図3の部分拡大図である。 車両内装部材を形成する成形天井部材、ダクト壁部材および該ダクト壁部材に装着される衝撃吸収部材を分解した状態で示した部分斜視図である。 (a)は、ダクト壁部材を成形するための真空成形型に別途成形した衝撃吸収部材をセットする状態を示した説明断面図、(b)は、衝撃吸収部材をセットした真空成形型の説明断面図である。 真空成形型により、発泡樹脂シート材からダクト壁部材を成形する状態を示した説明断面図である。 ダクト壁部材の成形後に、押圧部材により係止突片を成形する状態を示した説明断面図である。 真空成形されたダクト壁部材と、このダクト壁部材に装着された衝撃吸収部材とを、真空成形型から一体的に脱型する状態を示した説明断面図である。 不要部分を切除することでダクト壁部材の成形が完了することを示した説明断面図である。 別途成形された成形天井部材へ、衝撃吸収部材を装着したダクト壁部材を接着することを示した説明断面図である。 本実施例の車両用ダクトを設けた成形天井部材を、車体のインナーパネルへ組付ける状態を示した説明断面図である。 自動車の乗員室内を示した概略説明図である。 図13のX−X線断面図であって、ルーフサイド部に画成された空間内にブロー成形製の車両用ダクトおよび衝撃吸収部材が配設された状態を示している。
符号の説明
14 ルーフサイド部
16 インナーパネル(車体構成部材)
30 成形天井部材(車両内装部材)
40 ダクト壁部材
42 ダクト壁(壁部)
44 鍔部(壁部)
48 当接面
50 衝撃吸収部材
64 係止爪部(係止部)
68 係止突片(係止部)
70 真空成形型
D 車両用ダクト
S 発泡樹脂シート材

Claims (4)

  1. 車両の乗員室におけるルーフサイド部(14)の内側に配設される車両用ダクト(D)であって、
    ルーフサイド部(14)に位置する車体構成部材(16)に対し、乗員室側から取付けられる車両内装部材(30)の一部と、
    樋状に形成され、その長手方向へ延在する当接面(48)を前記車両内装部材(30)の裏面に密着させた状態で該車両内装部材(30)に固定されるダクト壁部材(40)とからなり、
    前記ダクト壁部材(40)の壁部(42,44)に、別途成形した衝撃吸収部材(50)を装着するよう構成した
    ことを特徴とする車両用ダクト。
  2. 前記ダクト壁部材(40)は、真空成形型(70)を利用して発泡樹脂シート材(S)から成形される請求項1記載の車両用ダクト。
  3. 衝撃吸収部材(50)を前記真空成形型(70)にセットしたもとでダクト壁部材(40)の成形を行なうことで、ダクト壁部材(40)の成形作業工程および該ダクト壁部材(40)に対する衝撃吸収部材(50)の装着作業工程が同時になされる請求項2記載の車両用ダクト。
  4. 前記衝撃吸収部材(50)は係止部(64,68)を有し、ダクト壁部材(40)の壁部(42,44)に該係止部(64,68)が係止することで、ダクト壁部材(40)に対する衝撃吸収部材(50)の固定が図られる請求項1〜3の何れかに記載の車両用ダクト。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010235002A (ja) * 2009-03-31 2010-10-21 Kyoraku Co Ltd 車両用空調ダクト
JP2011051180A (ja) * 2009-08-31 2011-03-17 Kyoraku Co Ltd 発泡成形品

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