JP2017202727A - サービスホールカバー - Google Patents

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Abstract

【課題】 インナーパネルに簡単に取り付けてサービスホールを塞ぐことが可能となって作業性が向上すると共に、成形不良の発生を有効に防止する。【解決手段】サービスホールカバー30は、サービスホール18を覆った際にインナーパネル14の側になる発泡シート32と、該発泡シート32に接着した硬質シート34とから構成される。発泡シート32の周縁近傍に、サービスホール18の開口周縁に嵌合可能な嵌合部36が形成されている。また、硬質シート34の中央部周辺に、該硬質シート34が前記発泡シート32と反対側に突出して該発泡シート32との間に空間を画成する通路44が突出形成されている。【選択図】図4

Description

この発明は、サービスホールカバーに関し、更に詳細には、車両のインナーパネルとアウターパネルとの間に各種電装品等を組み込む作業等の便宜のために、該インナーパネルに開設した所要寸法のサービスホール(開口部)を簡単に塞ぐことができるサービスホールカバーに関するものである。
自動車等の車両には、各種電装品等を組み込む作業等の便宜のために、所要寸法の大きさのサービスホールが開設されている。例えば、車両用ドア10は、図12に示すように、車両外側になるアウターパネル12と、車両内側になるインナーパネル14とからなり、両パネル12,14の間に、垂直に昇降するウィンドウ16や該ウィンドウ16をモータで昇降させる機構等の電装品(図示せず)を介在させる空間15が画成されている。前記インナーパネル14の適所には、所要寸法の大きさのサービスホール(開口部)18が開設され、前記ウィンドウ昇降機構等の電装品を前記空間15内に組み込む際に、作業者の手が該空間15へ容易に到達して組み込み作業をなし得るようになっている。なお、図12において符号20は、前記ドア10におけるインナーパネル14の外側(車両の内側になる)をカバーするドア内装パネルを示している。
前記インナーパネル14のサービスホール18は開口部であるから、前記両パネル12,14の空間15へ各種電装品を組み付ける作業が終了すると、該サービスホール18は、例えばポリエチレン(PE)シートに吸遮音材を貼り付けたサービスホールカバー21で覆われる。具体的には、前記ポリエチレンシートからなるサービスホールカバー21は、前記サービスホール18の開口形状に倣った形状であって、かつ該サービスホール18の開口寸法より若干大きい寸法に設定されている。そして、前記サービスホール18を有する前記インナーパネル14の外周縁に、自己粘着テープ(例えば、ブチルゴム系粘着剤である所謂ブチルテープ)を貼着した後、前記サービスホールカバー21を前記自己粘着テープに当てがって押圧することでインナーパネル14に貼り付ける。これにより前記サービスホール18は、前記サービスホールカバー21により全面的に覆われる。なお、車両走行時の音や前記電装品が発する音等を吸収乃至遮蔽するために、前記サービスホールカバー21に適宜の吸遮音材が設けられることは前述した通りである。
特公平3−24365号公報
前記インナーパネル14に開設したサービスホール18は、前述したように、例えば車両用ドア10の空間15に電装品等を組み込むための大きな開口部であるから、該開口部を経て車両走行時の各種騒音が車内へ侵入して来てしまう。このため、適宜の吸遮音材を取り付けた前記サービスホールカバー21で前記サービスホール18を塞ぐのであるが、前記のように自己粘着テープを使用して前記インナーパネル14の周縁に接着してから取り付ける必要があるため、作業性が悪く煩雑である、という難点がある。
そこで、前述した従来のサービスホールカバー21に内在する課題を解決するため出願人は、硬質シートおよび発泡シートを重ねて立体形状に成形した積層構造のサービスホールカバーを提案して別途出願した。この別途出願したサービスホールカバーは、サービスホールを塞いだ状態でインナーパネルへの取り付けが簡単にでき、取付作業の効率が向上して極めて有用である。しかし、別途出願に係る前記サービスホールカバーは、前記硬質シートと発泡シートとを重ねた積層シートの成形前に、両シートを加熱により軟化させた状態にはするものの、両シートを熱接着はしていない。従って、前記硬質シートおよび発泡シートを重ねた積層シートを、成形型により所要の立体形状に真空成形する際に、両シート間に介在した空気の逃げ場がないために、該空気が両シート間に残存することとなり、両シートの接着性が低下してシート間の剥離や成形不良が発生するおそれがある。
前記課題を解決するため、本願の請求項1に係る発明は、車両のインナーパネルに開設したサービスホールを塞ぐサービスホールカバーにおいて、
前記サービスホールカバーは、前記サービスホールを塞いだ際に前記インナーパネルに接する側になる発泡シートと、該発泡シートに接着した硬質シートとから構成されており、
前記サービスホールカバーは、前記発泡シート側に、前記サービスホールと嵌合する嵌合部が形成されており、
前記嵌合部には、前記硬質シートが前記発泡シートと反対側に突出した壁部によって、該発泡シートとの間に空間を画成した通路が形成されていることを要旨とする。
請求項1に係る発明によれば、サービスホールカバーは、嵌合部をサービスホールに嵌合させればインナーパネルに取り付けることができ、取り付け作業性の向上を図り得る。そしてサービスホールカバーは、硬質シートに形成された壁部によって発泡シートとの間に空間を有する通路が形成されているので、両シートを圧着する際に、該発泡シートと硬質シートとの間に介在する空気が前記空間に移動するため両シートの密着性が高まり、両シートの接着性が向上する。しかも、サービスホールカバーの面積の大半を占める嵌合部に前記壁部が形成されていることで、該サービスホールカバーの剛性が更に高められる。また、サービスホールカバーは、発泡シートと該発泡シートに接着した硬質シートとから構成されているので、該硬質シートにより形状保持性が確保される。
請求項2に係る発明では、前記通路は閉空間であって、線状に形成されていることを要旨とする。
請求項2に係る発明によれば、発泡シートおよび硬質シートの間に介在する空気が、空気溜め部として機能する通路へ移動し易くなる。また、嵌合部においては、前記通路を除く部分で発泡シートと硬質シートとの熱接着(融着)面積を大きく確保することができる。
請求項3に係る発明では、前記通路は、線状に複数形成されると共に、相互に交差していることを要旨とする。
請求項3に係る発明によれば、嵌合部の広い領域に通路を画成する壁部が延在しているので、サービスホールカバーの剛性が全体として向上する。
請求項4に係る発明では、前記嵌合部には、前記サービスホールの開口縁部に係合する係合爪部が形成されていることを要旨とする。
請求項4に係る発明によれば、嵌合部をサービスホールに押し込むことで係合爪部が該サービスホールの開口縁部に係合されるので、サービスホールカバーをインナーパネルに簡単かつ確実に取り付けることができる。
本発明に係るサービスホールカバーによれば、発泡シートに形成した嵌合部により、インナーパネルに簡単に取り付けてサービスホールを塞ぐことが可能となって作業性が向上すると共に、硬質シートに形成した通路によって成形不良の発生を有効に防止し得る。
(a)は、本発明の一実施例に係るサービスホールカバーを背面側から観察した斜視図であり、(b)は、該サービスホールカバーを正面側から観察した斜視図である。 サービスホールカバーをインナーパネルに取り付けてサービスホールを塞いだ状態で示す概略図である。 (a)は、サービスホールカバーの正面図であり、(b)は、該サービスホールカバーの背面図である。 (a)は、図3(a)のIVa−IVa線断面図であって、C1部を拡大して示してあり、(b)は、図3(a)のIVb−IVb線断面図であって、C2部を拡大して示してある。 (a)は、第1成形型および第2成形型からなるサービスホールカバーの成形装置の断面図であって、両成形型を開放した状態で示してあり、(b)は、両成形型を閉成した状態を示す断面図である。 第2成形型を第2成形面側から見た斜視図である。 (a)は、第1成形型および第2成形型により発泡シートおよび硬質シートを挟んで予備成形品を真空成形している状態を示す断面図であり、(b)は、(a)におけるC3部の拡大図であり、(c)は、(a)におけるC4部拡大図である。 (a)は、両成形型を開放して、成形された予備成形品を脱型した状態を示す断面図であり、(b)は、予備成形品の周縁をトリミングしてサービスホールカバーを成形した状態を示す断面図である。 図2のIX−IX線断面図であって、C5部を拡大して示してある。 別形態の係合爪部が設けられたサービスホールカバーを、インナーパネルに取り付けてサービスホールを塞いだ状態を示す断面図であって、C6部を拡大して示してある。 発泡シートの硬質シートとの間に通路を画成するために該硬質シートに形成した壁部の別形態例を示した図面であって、(a)は、通路を環状に画成した形態例を示し、(b)は、短手方向の断面形状がU字形状をなす壁部を示し、(c)は、短手方向の断面形状がコ字形状をなす壁部を示している。 従来の車両用ドアの概略縦断面図である。
次に、本発明に係るサービスホールカバーにつき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下に説明する。実施例では、図12に示す車両用ドアのインナーパネルに開設したサービスホールを塞ぐサービスホールカバーについて説明するが、該インナーパネルは車両用ドアに付帯するパネルに限るものではない。なお、以後の説明では、インナーパネルに対してサービスホールカバーを取り付けた状態を基準として横方向および縦方向を規定すると共に、該インナーパネルの厚み方向を前後方向と云い、また車内側を指向する方向を前側と云うものとする。
(サービスホール18について)
例えば、車両用ドア10のインナーパネル14は鋼板をプレス成形したものであって、図2に示すように、該インナーパネル14には複数(実施例では2つ)のサービスホール18が開設されている。前記サービスホール18は、前述したように前記アウターパネル12とインナーパネル14との空間15に電装品等を組み込むための作業用開口部であって、実施例に係るのサービスホールカバー30は前記インナーパネル14の右上部に開設されたサービスホール18(18A)を塞ぐものである。このサービスホール18(18A)は、横長の開口部として形成されており、その内縁を、上縁部18a、下縁部18bおよび左右の側縁部18c,18dと称する。そして、上縁部18aは略横方向に直線状に延在すると共に、右側縁部18dは縦方向に直線状に延在している。また、左側縁部18cは縦方向において湾曲して延在すると共に、下縁部18bは横方向において雲形に延在している。
(当受け部22について)
また、図2および図9に示すように、前記インナーパネル14には、前記サービスホール18の開口縁部の周りを囲んで一段窪んだ形状になっている当受け部22が設けられている。この当受け部22は、図9に示すように、前記サービスホールカバー30を前記サービスホール18に当てがって塞いだ状態でインナーパネル14に取り付けた際に、該サービスホールカバー30の外周に沿設したフランジ38(後述)を安定的に当接させるものである。
(サービスホールカバー30について)
実施例のサービスホールカバー30は、殊に図4(a)および図4(b)に示すように、発泡シート32と、該発泡シート32に重ね合わせた硬質シート34とからなる2層の積層シートPとして構成されている。このサービスホールカバー30は、図5、図7および図8に示す工程を経て製造されるもので、該工程で前記発泡シート32と硬質シート34とは熱接着される(後述)。そして、図9に示すように、前記サービスホール18を塞いだ状態でサービスホールカバー30をインナーパネル14に取り付けた際に、前記発泡シート32の面は前記インナーパネル14に接する側(後側)になり、前記硬質シート34は車内側(前側)となる。なお、発泡シート32および硬質シート34が熱接着されたサービスホールカバー30は、立体形状に成形されており、前記サービスホール18を塞いで前記空間15へ突出する嵌合部36と、該嵌合部36の外周囲に沿設されたフランジ38と、該フランジ38の後側に設けられた係合爪部40とを備えている(何れも後述)。このサービスホールカバー30は、前記フランジ38および係合爪部40をサービスホール18の開口縁部に係合させることで、前記インナーパネル14に取り付けられて該サービスホール18を完全に閉塞する。
(発泡シート32について)
前記発泡シート32は、発泡成形された合成樹脂のシート材である。実施例の発泡シート32は、ポリウレタン(PU)を発泡成形した軟質のシート材を材質とし、所要の弾力性および柔軟性を備えている。前記発泡シート32は、独立気泡構造の発泡シートであって、通気性や吸水性を有していない。従って、車両走行時に発生する各種騒音を吸収・遮蔽する機能に優れている。そして、発泡シート32は厚み方向に圧縮変形が可能である。また、発泡シート32の厚みは2.0〜15.0mmの範囲が好ましい。
(硬質シート34について)
前記硬質シート34は、合成樹脂を材質とするシート材であって、実施例の合成樹脂は、前記発泡シート32にポリエチレンを採用しているため、ソリッドのポリエチレン(PE)シートを材質としている。このため前記硬質シート34は形状保持性を有している。また、凹状(後から観察すると凸状)に形成されることで、外力に対して適度の剛性を有し、外力により撓み変形や曲げ変形が発現した場合でも、この外力が解除された際には弾性域では元の形状に復帰するようになっている。なお、硬質シート34の厚みは0.3〜1.5mmの範囲が好ましい。
(嵌合部36について)
前記サービスホールカバー30の嵌合部36は、図1および図3に示すように、該サービスホールカバー30により前記サービスホール18を塞ぐと、該サービスホール18の内部へ進入して前記空間15に臨む凸形状になっていて、底板部36aと、該底板部36aを囲んで環状に延在する側板部36bとからなる。前記底板部36aは、前記サービスホール18より若干小さい寸法に設定されると共に、該サービスホール18の開口輪郭に略合致した外形輪郭を有している。前記底板部36aは、外縁部分よりも中央部分が前方に位置するよう湾曲している。また、前記側板部36bは、底板部36aの外縁に連なって前方へ立ち上がっている。そして、前記側板部36bの前縁は、前記サービスホール18の開口形状と略同じ形状となっている。このように凸形状になっている嵌合部36は、図9に示すように、前記サービスホールカバー30をインナーパネル14に取り付ける際に前記サービスホール18内に進入して、前記底板部36aが該インナーパネル14よりも後側(アウターパネル12の側)に位置する。
(フランジ38について)
前記フランジ38は、殊に図4に示すように、サービスホールカバー30の周縁に形成されている。すなわちフランジ38は、前記嵌合部36の前縁から延出して斜め外方へ偏向した部位となっており、前側に位置する前記硬質シート34により形状保持されると共に、後側に位置する発泡シート32により柔軟性および吸遮音特性を確保している。そして前記フランジ38は、図9に示すように、サービスホールカバー30をインナーパネル14に取り付ける際に前記当受け部22に対して前側から当接して、当該サービスホールカバー30が前記空間15内へ入り込むことを規制する。そして、前記サービスホールカバー30をインナーパネル14に取り付けた状態では、前記フランジ38が当受け部22に密着して該サービスホール18の周囲を全周に亘って封止するため、車両用ドア10の前記空間15内に進入した雨水が該サービスホール18からインナーパネル14の前側(車内)へ入ることが防止される。また、外部騒音の車内への進入も低減できる。
(係合爪部40について)
前記係合爪部40は、図1〜図4および図9(殊に図4の拡大部)に示すように、前記嵌合部36を形成する側板部36bにおいて、前記発泡シート32に一体形成されたものである。この係合爪部40は、前記サービスホールカバー30の嵌合部36を前記サービスホール18に当てがって押し込んだ際に、該サービスホール18の開口周縁において前記インナーパネル14の後面に係合することで、該サービスホールカバー30が該インナーパネル14から前側へ離脱することを規制する。実施例のサービスホールカバー30には、前記係合爪部40が、前記嵌合部36の周方向へ断続的に複数(実施例では5個)形成されている。前記5つの係合爪部40の夫々は、前記サービスホール18の開口縁に沿って位置する前記当受け部22の後側に係合して、該当受け部22の前側に前記フランジ38が密着した状態を維持する。また、各係合爪部40が前記当受け部22の後側に係合することで、車両走行中の振動や車両用ドア10を閉めた際の衝撃がサービスホールカバー30に伝達された場合でも、該サービスホールカバー30がインナーパネル14から離脱するのを防止し得る。
前記各係合爪部40は、図7(b)を参照して製造方法の個所で後述するように、前記嵌合部36を形成する側板部36bにおいて、前記発泡シート32を部分的に外方へ膨出させて形成される。各係合爪部40は、発泡シート32において、前記嵌合部36の側板部36bを構成する部分に形成されるもので、該発泡シート32だけで形成されている。そして、前記発泡シート32の膨出により形成された各係合爪部40の内側には、硬質シート34との間に空洞42が形成されている。これにより、前記係合爪部40は硬質シート34に接着されておらず、前記空洞42の存在により弾性変形を容易に生じさせる。
(通路44について)
そして、実施例のサービスホールカバー30には、前記硬質シート34の嵌合部36と対応する部位に、該硬質シート34が前記発泡シート32とは反対側に突出する壁部48によって、該発泡シート32との間に空気溜め部として機能する空間を画成した通路44が形成されている。この通路44は閉空間であって、該通路44は、前記硬質シート34と前記発泡シート32とを真空成形してサービスホールカバーを成形する際に(後述)、同時に該硬質シート34に形成される。
図1(b)、図3(a)および図4(a)に示すように、前記通路44は、前記硬質シート34の嵌合部36における底板部36aに、該底板部36aから前記発泡シート32と反対に突出して該発泡シート32から離間した半樋状の壁部48と前記発泡シート32とにより画成されている。実施例に示す壁部48は、リブ状に前記硬質シート34から突出するものであって、該壁部48は、サービスホールカバー30の縦方向へ直線状に延在する第1壁部48Aと、該サービスホールカバー30の横方向へ直線状に延在する第2壁部48Bとからなる。前記第1壁部48Aは、横方向へ離間して複数(実施例では4つ)形成されていると共に、前記第2壁部48Bは、縦方向へ離間して複数(実施例では2つ)形成されている。これにより、第1壁部48Aと第2壁部48Bとは略直角の関係で交差しており、前記通路44は、各第1壁部48Aおよび各第2壁部48Bにより格子状に延在している。
前記第1壁部48Aおよび第2壁部48Bは、図4(a)に示すように、前記底板部36aから斜めに立ち上がると共に短手方向で対向する一対の斜壁49,49からなり、夫々の壁部48A,48Bの短手方向で破断した断面形状が略V字形状となっている。また、各第1壁部48Aは、その長手方向の一端部および他端部の夫々が、前記嵌合部36の前記側板部36bに連なっている。
実施例のサービスホールカバー30は、前記嵌合部36の底板部36aに前記複数の第1壁部48Aおよび複数の第2壁部48Bからなる壁部48を格子状に形成したことにより、該壁部48が所謂リブ構造をなして該底板部36aの面剛性が高められている。これにより底板部36aは、該底板部36aの厚み方向である前後方向から外力が付与された際に撓み変形が発現し難くなっており、サービスホールカバー30の全体的な剛性も高められている。このように、前記サービスホール18内へ進入して前記空間15内に位置する前記嵌合部36の底板部36aの面剛性が高められていることで、前記空間15内に進入した車外騒音による該底板部36aの振動が抑制されて、該底板部36aが振動することによる騒音の伝達が低減される。
また、実施例のサービスホールカバー30は、前記硬質シート34に、前記発泡シート32と反対側へ突出した硬質の前記壁部48(第1壁部48Aおよび第2壁部48B)を形成されることにより、後述するように、当該壁部48と該発泡シート32との間に、空気溜め部として機能する閉空間を画成した通路44が形成されている。これにより、積層した非接着状態の硬質シート34および発泡シート32を挟みながら立体形状に成形する際に、両シート32,34間に介在している空気が前記通路44内へ移動することが許容される。従って、図4(b)に示すように、発泡シート32と硬質シート34との熱接着(融着)面積が大きく確保されているので、該通路44および前記各係合爪部40を除いた部分においては、両シート32,34の密着が高まって適切に接着されている。
(成形装置50について)
次に、前述したサービスホールカバー30を製造する成形装置50について説明する。実施例のサービスホールカバー30は、図5および図6に示す成形装置50により成形される。この成形装置50は、第1成形型(第1型部)52と、図示省略した作動手段の作動により該第1成形型52に対して近接・離間移動して開閉するよう配設された第2成形型(第2型部)54とを備えている。この第2成形型54は、作動手段の作動に基づいて、第1成形型52に近接して閉成した成形位置(図5(a)、図7(a)参照)および該第1成形型52から離間して開放した開放位置(図5(a)、図8(a)参照)の間を開閉する。また、成形装置50は、サービスホールカバー30を構成する前記発泡シート32および硬質シート34を重ね合わせた状態で両シート32,34の周縁を環状に把持するシート把持体56を備えている。すなわち、成形装置50は、前記シート把持体56により重ね合わせた状態に把持した平坦状の発泡シート32および平坦状の硬質シート34を、第1成形型52および第2成形型54で挟み込むことで、立体形状をなす前記サービスホールカバー30を成形する。
(第1成形型52について)
前記成形装置50の第1成形型52は、図5に示すように、第2成形型54に対向する部位(上部)に、上方へ向いた第1成形面58が設けられている。この第1成形面58は、前記サービスホールカバー30の後面の形状を反転した凹凸状をなしている。また第1成形面58には、サービスホールカバー30における前記嵌合部36を形成するための凹部58aが形成されている。そして第1成形面58には、前記シート把持体56に把持された発泡シート32の下側外面が押し付けられる。
また、前記第1成形型52の第1成形面58には、前記サービスホールカバー30の各係合爪部40を成形するための複数(実施例では5つ)の係合爪用凹部60が形成されている。各係合爪用凹部60は、前記凹部58aの側壁面において該側壁面に開口するように凹ませてあり、各係合爪部40の外面形状を反転した凹状をなしている。そして、図5(b)および図7に示すように、前記第1成形型52と第2成形型54とを閉成した状態において、前記係合爪用凹部60とそれに対応する前記突部70a(後述)との間に形成されるクリアランスは、加熱前の前記積層シートPの厚みより大きくなるよう寸法設定してある。従って、第1成形型52と第2成形型54とを閉成した状態で真空成形を行うと、前記係合爪用凹部60により発泡シート32に形成された前記係合爪部40および硬質シート34の間に、前記空洞42が形成される。
そして、第1成形型52には、前記各係合爪用凹部60を含む第1成形面58の所要位置に、複数の第1吸引孔62が開口形成されている。各第1吸引孔62は、第1成形型52内に形成された第1通気路64を介して、該第1成形型52の外面に開口形成された第1排気孔66と連通している。更に、第1成形型52には、前記第1排気孔66から空気を吸引する第1吸気装置68が配設されている。すなわち、第1成形型52は、第1吸気装置68を作動させることで第1成形面58の各第1吸引孔62から空気を吸引して、前記発泡シート32を該第1成形面58および各係合爪用凹部60に密着させて真空成形する真空成形型である。
(第2成形型54について)
前記成形装置50の第2成形型54には、図5および図6に示すように、前記第1成形型52に対向する部位(下側)に、下方へ向いた第2成形面70が設けられている。この第2成形面70は、前記サービスホールカバー30の前面の形状を反転した凸状をなしており、サービスホールカバー30の前記嵌合部36を形成する突部70aが、前記サービスホール18の輪郭形状に対応する輪郭形状で凸設されている。前記第2成形面70には、前記シート把持体56に把持された硬質シート34の上側外面が押し付けられる。そして、第2成形型54の第2成形面70は、前記成形位置において、前記第1成形型52の第1成形面58との間に、前記サービスホールカバー30(積層シートP)の厚みに基づいた間隔で対向するようになっている。具体的には、前記第1成形面58と第2成形面70との間隔は、積層シートPの厚み(成形前の発泡シート32の厚みと硬質シート34の厚みとを合わせた厚み)より僅かに小さく設定されている。但し、第1成形型52の係合爪用凹部60と第2成形型54との間は、発泡シート32と硬質シート34とを重ね合わせた厚みより大きい間隔としている。従って、前記第1成形型52と第2成形型54とを相対的に閉成すると、前記積層シートPには、前記サービスホール18に進入可能な前記嵌合部36が、前記第1成形面58と第2成形面70との間に形成される。これにより、第1成形型52および第2成形型54が相対的に閉成した状態では、前記発泡シート32が厚み方向に適宜圧縮されて、該発泡シート32および硬質シート34が互いに押し付けられる。
また、前記第2成形型54には、前記第2成形面70に、複数の第2吸引孔72が開口形成されている。これら第2吸引孔72は、前記突部70aの頂面および該突部70aの外側を囲む壁面に開口形成されている。各第2吸引孔72は、第2成形型54内に形成された第2通気路74を介して、該第2成形型54の外面に開口形成された第2排気孔76と連通している。更に、第1成形型52には、前記第2排気孔76から空気を吸引する第2吸気装置78が配設されている。すなわち、第2成形型54は、第2吸気装置78を作動させることで第2成形面70の各第2吸引孔72から空気を吸引して、前記硬質シート34を該第2成形面70に密着させて真空成形する真空成形型である。
また、前記第2成形型54には、図5および図6に示すように、前記サービスホールカバー30に前記壁部48を形成する溝部80が形成されている。この溝部80は、第2成形型54における前記突部70aの外面(頂面)に凹状に形成されており、壁部48の前記第1壁部48Aを形成する第1溝部80Aと、該壁部48の前記第2壁部48Bを形成する第2溝部80Bからなる。すなわち、第1溝部80Aは、前記4つの第1壁部48Aを夫々形成するための4つが離間すると共に平行に形成されており、前記第2溝部80Bは、前記2つの第2壁部48Bを形成するための2つが平行に形成されており、前記突部70aの外面には、各第1溝部80Aおよび各第2溝部80Bが格子状に延在形成されている。そして、各第1溝部80Aおよび各第2溝部80Bは、図5および図6に示すように、短手方向の断面形状が略V字形状をなす溝である。なお、型閉めした状態において、前記溝部80の底部と第1成形型52の第1成形面58との間の寸法は、前記発泡シート32と硬質シート34とを重ね合わせた厚みよりも大きくなるよう設定されている。
(加熱手段について)
実施例の成形装置50には、前記シート把持体56で把持した平坦状の積層シートPの発泡シート32および硬質シート34を、所定の成形温度まで加熱する加熱手段(図示せず)を備えている。この加熱手段は、前記第1成形型52および第2成形型54によりサービスホールカバー30を成形する前に、発泡シート32を前記嵌合部36、フランジ38および係合爪部40の形状に変形可能な状態まで加熱して軟化させるものである。また、硬質シート34を、前記嵌合部36およびフランジ38の形状に変形可能な状態まで加熱して軟化させる。但し、前記発泡シート32および硬質シート34は、軟化する状態までに温度制御されるに止まり、この段階では両シート32,34が熱接着されるものではない。
(サービスホールカバー30の製造方法について)
次に、図5〜図8を引用して、前記成形装置50による実施例のサービスホールカバー30の製造方法について説明する。なお、前記発泡シート32および硬質シート34は、予め所要寸法に裁断されている。
(発泡シート32および硬質シート34の軟化工程)
先ず、前記発泡シート32および硬質シート34を、前記シート把持体56,56により重ね合わせた状態で把持する。なお、シート把持体56で把持した積層シートPは、発泡シート32および硬質シート34が重ね合わせた状態に重なっているだけであり、両シート32,34は互いに接着されてはいない。このようにシート把持体56,56で把持した積層シートPを、図示しないヒータ等の加熱手段により加熱して軟化させる。
(発泡シート32および硬質シート34のセット)
次に、図5(a)に示すように、前記第2成形型54を、第1成形型52の上方へ開放して開放位置に待機させる。そして、前記シート把持体56,56を第1成形型52の上方へ移動させ、予備加熱により軟化した積層シートP(発泡シート32および硬質シート34)を、該第1成形型52の第1成形面58の上方に位置させる。
(発泡シート32および硬質シート34の成形工程)
次に、前記第1成形型52に配設した前記第1吸気装置68および前記第2成形型54に配設した前記第2吸気装置78を夫々作動させた状態で、第2成形型54を開放位置から成形位置に向けて閉成させる。ここで、第2成形型54が成形位置まで閉成する直前の適宜タイミングにおいて、前記シート把持体56,56で把持された積層シートPの発泡シート32が、第1成形型52の第1成形面58に接触する。この際に、図7に示すように、前記各第1吸引孔62から空気が真空吸引されていることで、発泡シート32は、凹部58aの周囲、該凹部58aおよび各係合爪用凹部60に吸引されて密着し、該凹部58aおよび各係合爪用凹部60の外面に沿った立体形状に真空変形される。
一方、第2成形型54が成形位置まで移動する直前のタイミングにおいて、前記シート把持体56で把持された積層シートPの硬質シート34が、第2成形型54の第2成形面70に接触する。この際に、図7に示すように、前記各第2吸引孔72から空気が真空吸引されていることで、硬質シート34は、第2成形面70の突部70aおよびその周囲に真空吸引されて密着し、該第2成形面70に沿った立体形状に真空変形される。そして、硬質シート34が第2成形面70の外面に密着する際に、該硬質シート34において、該第2成形面70の突部70aに凹設された前記溝部80の各第1溝部80Aに対応した部分が、発泡シート32から離間すると共に該第1溝部80Aへ膨出して第1溝部80Aに密着するようになる。また、硬質シート34が第2成形面70の外面に密着する際に、該硬質シート34において、該第2成形面70の突部70aの外面に凹設された前記溝部80の各第2溝部80Bに対応した部分が、発泡シート32から離間すると共に該第2溝部80Bへ膨出して、この第2溝部80Bに密着するようになる。これにより、嵌合部36の底板部36aには、各第1溝部80Aに密着した部分に前記各第1壁部48Aが形成され、各第2溝部80Bに密着した部分に前記各第2壁部48Bが形成される。
次に、図7に示すように、前記第2成形型54を前記成形位置まで閉成させて、第1成形型52の第1成形面58に密着した発泡シート32と、第2成形型54の第2成形面70に密着した硬質シート34とを、該第1成形型52および第2成形型54により厚み方向両側から挟んで押し付ける。そして、前記硬質シート34と発泡シート32との間に介在している空気が、前記壁部48(第1壁部48Aおよび第2壁部48B)と該発泡シート32との間に画成された前記通路44へ移動するようになる。従って、前記硬質シート34および発泡シート32は、前記壁部48の形成部分を除いた部分において密着するようになる。また、発泡シート32において、第1成形型52の前記各係合爪用凹部60に密着している部分も、硬質シート34から離間していて該硬質シート34には接着されず、該発泡シート32と硬質シート34との間には空洞42が画成される。これにより、厚み方向から挟まれた発泡シート32および硬質シート34は、加圧されると共に軟化していることで、前記壁部48の形成部分および前記各係合爪部40の形成部分を除いた部分が密着して融着により熱接着される。
前記第1成形型52および第2成形型54を型閉めした状態で所定時間に亘り保持することで、第1成形型52および該第2成形型54で押圧された前記発泡シート32と硬質シート34との互いに密着した部分を熱接着する。これにより、発泡シート32と硬質シート34とが接着している前記嵌合部36と、該発泡シート32と硬質シート34とが接着している前記フランジ38と、硬質シート34から離間した発泡シート32からなる各係合爪部40とが立体形状をなす予備成形品Wが成形される。
(予備成形品の脱型工程)
所定時間の経過後に、図8(a)に示すように、前記第2成形型54を前記第1成形型52から離間させて型開きし、シート把持体56を第1成形型52から離間させることで、成形された予備成形品Wを該第1成形型52から脱型する。なお、第1成形型52の各係合爪用凹部60により真空成形された各係合爪部40は、予備成形品Wの脱型方向において該第1成形型52の第1成形面58と重なっており、各係合爪部40の空洞42が容易に弾性変形することで、第1成形型52から予備成形品Wの離脱が許容される。
(トリミング工程)
成形された予備成形品Wは、後工程において、図8(b)に示すように、シート把持体56で把持されていた部分を含む不要部分を、カッター等の切断手段によりトリミングする。これにより、前記サービスホール18(18A)の輪郭形状より一回り大きいサイズの外部輪郭をなす実施例のサービスホールカバー30が成形される。
(インナーパネル14へのサービスホールカバー30の取り付け)
前記成形装置50により成形された実施例のサービスホールカバー30は、図9に示すように、サービスホール18(18A)が開設されたインナーパネル14に対し、該サービスホール18に嵌合部36を整合させた状態で前側から押し付けて取り付ける。この際に、サービスホールカバー30に形成された各係合爪部40は、サービスホール18の開口縁部に当接するようになる。この状態で、サービスホールカバー30を後方へ更に押すことにより、サービスホール18の開口縁部に押された各係合爪部40は、前記空洞42の空間が潰されて縮小されるように弾性変形する。これにより、各係合爪部40は、潰れるように弾性変形することでサービスホール18を通過することが許容され、弾性変形した状態で該サービスホール18を通過してインナーパネル14の後側へ移動する。そして、各係合爪部40は、サービスホール18からインナーパネル14の後方へ抜け出ると、該サービスホール18の開口縁部による押し付けが解除されることで元の形状に弾性復帰する。なお、必要に応じて、前記フランジ38の発泡シート32の部分に自己粘着テープを貼着したもとで、サービスホールカバー30をインナーパネル14に取り付けるようにしてもよい。
前記各係合爪部40は、図9に示すように、前記空洞42の空間がもとの容積に拡大するように弾性復帰することで、サービスホール18の開口縁部に沿って延在する前記当受け部22に対し、インナーパネル14の後側から係止する。一方、サービスホールカバー30のフランジ38は、前記当受け部22に対してインナーパネル14の前側から当接する。従って、サービスホールカバー30は、フランジ38および各係合爪部40が前記当受け部22に前後から当接および係止することで、サービスホール18を塞いだ状態でインナーパネル14に取り付けられる。
図2および図9に示すように、インナーパネル14に取り付けられた実施例のサービスホールカバー30は、発泡シート32がサービスホール18から空間15内に露出している。また、サービスホールカバー30は、フランジ38における発泡シート32の部分がサービスホール18の開口縁部に沿って延在する前記当受け部22に前側から弾力的に当接すると共に、発泡シート32からなる各係合爪部40が該当受け部22に後側から弾力的に係止することで、インナーパネル14に弾力的に掛止される。これにより、サービスホールカバー30は、サービスホール18の外周囲をフランジ38で封止した状態で該サービスホール18を塞ぐようになる。従って、サービスホールカバー30は、空間15内に入った雨水がサービスホール18を介してインナーパネル14の前側へ進入することを防止する。また、サービスホールカバー30は、車両の外部から空間15内に進入した車外騒音を発泡シート32で吸収、遮断し得るので、車外騒音がサービスホール18から車内へ入るのを低減させる。
従って、実施例のサービスホールカバー30によれば、発泡シート32と硬質シート34とが接着された2層の積層シートPになっているので、該硬質シート34により形状保持性が確保される。そして、前記発泡シート32と硬質シート34は、前記壁部48により通路44が画成された部分および前記各係合爪部40が形成された部分を除く部分において、両シート32,34の熱接着(融着)面積が大きく確保されているので、インナーパネル14に取り付けられた使用期間中における両シート32,34の剥離が起こり難く、発泡シート32が弛んだり車体振動により動くことを防止し得る。
そして、車両用ドア10のインナーパネル14に取り付けたサービスホールカバー30は、一方の面となる発泡シート32がサービスホール18に臨んでいるので、車両走行時の車外騒音を吸収・遮断し、該車外騒音がサービスホール18を介して車内へ入ることを低減する。従って、実施例のサービスホールカバー30は、別途の吸遮音材を後付けすることは必ずしも要求せず、コスト低減を図り得る。また、サービスホールカバー30は、各係合爪部40をサービスホール18の開口縁部に沿った当受け部22に嵌合させるだけで、該サービスホール18を塞いだ状態でインナーパネル14に取り付けることができ、取り付け作業性の向上を図り得る。そして、サービスホールカバー30をインナーパネル14に取り付ける作業時に、サービスホール18に整合させた前記嵌合部36の底板部36aを押しても、格子状に形成された前記壁部48により面剛性が向上した該底板部36aの変形が抑制されるので、サービスホールカバー30が不用意に変形することを防止し得る。
更に、実施例のサービスホールカバー30は、前記サービスホール18内へ進入して前記空間15内に位置する当該嵌合部36の底板部36aの面剛性が高められていることで、前記空間15内に進入した車外騒音による該底板部36aの振動が抑制される。これにより、底板部36aの振動が抑制され、該底板部36aが振動することによる騒音の伝達が低減される。
また、実施例のサービスホールカバー30の各係合爪部40は、前記嵌合部36の側板部36bにおいて、前記発泡シート32を部分的に外方へ膨出させることにより形成される。従って、発泡シート32の膨出部分と硬質シート34との間に空洞42が形成されているので、各係合爪部40は、空洞42により弾性変形が容易に発現する。これにより、インナーパネル14に対してサービスホールカバー30を取り付ける際には、各係合爪部40が弾性変形し易いことで、該インナーパネル14に対する当該サービスホールカバー30の取り付け作業が格段に容易となる。また、インナーパネル14に対してサービスホールカバー30を適切な姿勢で取り付けることができる。
また、実施例のサービスホールカバー30には、前記サービスホール18の内部へ進入する嵌合部36が形成されていることで、サービスホールカバー30が立体形状をなしており、該サービスホールカバー30の剛性を高めることができる。そして、嵌合部36がサービスホール18の内部へ進入することで、サービスホールカバー30がインナーパネル14の外側(前側)へ突出しないので、インナーパネル14と該インナーパネル14に取り付けられるドア内装パネル20との間隔を狭めることができ、車両用ドア10を車体に閉成した際に車内を広くすることができる。
また、実施例のサービスホールカバーの製造方法によれば、前記硬質シート34に前記発泡シート32と反対側へ突出した前記壁部48(第1壁部48Aおよび第2壁部48B)を形成することにより、当該壁部48と該発泡シート32との間に閉空間を画成した通路44を形成することができる。これにより、積層した非接着状態の硬質シート34および発泡シート32を挟んで立体形状に成形する際に、両シート32,34間に介在していた空気が前記通路44内へ移動することが許容する。従って、図4(b)に示すように、前記通路44および前記各係合爪部40を除いた部分における両シート32,34の密着が高められて、これにより両シート32,34を融着により熱接着することができる。
また、前述したサービスホールカバーの製造方法によれば、真空吸引した第1成形型52および第2成形型54を相対的に閉成して、硬質シート34および発泡シート32を重ねた積層シートPを両成形型52,54の間に介在させることで、立体形状をなすと共に発泡シート32に係合爪部40が形成された積層構造のサービスホールカバー30を製造することができる。殊に、発泡シート32が第1成形型52における第1成形面58の係合爪用凹部60に真空吸引されることで、該発泡シート32が変形した係合爪部40を好適に形成することができる。
そして、前述したサービスホールカバーの製造方法によれば、硬質シート34により形状保持性を有すると共に発泡シート32により吸遮音機能を有するサービスホールカバー30を成形することができる。また、サービスホールカバー30の成形と同時に、発泡シート32に各係合爪部40を成形すると共に硬質シート34に壁部48を成形することができるので、製造コストを低減することができる。また、発泡シート32に成形された係合爪部40と硬質シート34との間に空洞42を形成することができるので、弾性変形が容易な該係合爪部40を成形することができる。これにより、車両用ドア10のインナーパネル14に対する取り付け作業を格段に容易にしたサービスホールカバー30を製造することができる。
(変更例)
本発明に係るサービスホールカバーは、実施例に例示の形態に限らず種々の変更が可能である。
(1)実施例では、車体における車両用ドア10のインナーパネル14に開設されたサービスホール18を例示したが、本願のサービスホールカバーが取り付けられるサービスホールは、車両用ドア10以外のインナーパネルに開設されたサービスホールも対象とされる。
(2)インナーパネル14に開設されるサービスホール18は、車両用ドア10の形状や大きさに応じて開口形状、開口寸法、開口位置が異なっている。このため、サービスホールカバー30は、塞ぐ対象のサービスホール18に合わせて外形形状および寸法が異なる。
(3)発泡シート32に設けられる係合爪部40の数は、実施例で例示した5個に限るものではなく、サービスホールカバー30の形状やサイズに応じて6個以上または4個以下であってもよい。
(4)発泡シート32に形成される係合爪部40の断面形状は、実施例で例示した形状に限らない。例えば、図10に示すように、前方にいくにつれて突出量が大きくなる鉤状であってもよい。このような鉤状の係合爪部40の場合には、サービスホールカバー30をインナーパネル14に取り付ける際に、サービスホール18に対して該係合爪部40が引っ掛かり難くなり、該係合爪部40をサービスホール18に対して掛止し易くすることができる。
(5)発泡シート32と硬質シート34との間に閉空間の通路44を画成するために該硬質シート34に形成される壁部48は、実施例で例示した形態に限らない。先ず、嵌合部36の底板部36aに形成される壁部48の延在態様については、実施例で例示した格子状に限るものではなく、例えば一例として図11(a)に示すように、環状に延在するように形成してもよい。また、壁部48の第1壁部48Aおよび第2壁部48Bは、直線状に延在するものに限らず、曲線状に延在するようにしたり、ジグザグに延在するようにしてもよい。
(6)硬質シート34に形成される壁部48は、短手方向の断面形状が実施例で例示したV字形状に限らない。例えば、図11(b)に示すように、壁部48の短手方向の断面形状が、U字形状または半円形状であってもよい、また、図11(c)に示すように、壁部48の短手方向の断面形状が、矩形状としてもよい。
(7)実施例では、1つの嵌合部36を設けたサービスホールカバー30により、1つのサービスホール18を塞ぐ構成を例示したが、2つ以上の嵌合部36を設けた1つのサービスホールカバー30により、2つ以上のサービスホール18を塞ぐように構成してもよい。
(8)実施例では、ポリエチレン(PE)製の発泡シートおよびポリエチレン(PE)製の硬質シートを使用したサービスホールカバー30を例示したが、これら発泡シートおよび硬質シートの材質はこれに限るものではなく、熱可塑性樹脂(好ましくはオレフィン系樹脂)であればよい。但し、発泡シートおよび硬質シートは、互いに熱接着(融着)が可能な樹脂の組み合わせとすることが好ましく、例えばポリプロピレン(PP)の発泡シートとポリプロピレン(PP)のソリッドの硬質シートとしてもよい。
(9)発泡シートとしては、比重が0.015〜0.1、圧縮応力が35KPa〜90KPa(JIS K6767 圧縮歪25%)のものが好ましく、また硬質シートは、比重が0.9〜0.97、曲げ弾性率が780MPa(JIS K7171)以上のものが好ましい。
(10)成形装置50の第1成形型52および第2成形型54は、上下方向に近接、離間して開閉するものに限らず、第1成形型52および第2成形型54が横方向または斜め方向に近接、離間して開閉するものであってもよい。
14 インナーパネル,18 サービスホール,30 サービスホールカバー,
32 発泡シート,34 硬質シート,36 嵌合部,40 係合爪部,44 通路,
48 壁部

Claims (4)

  1. 車両のインナーパネルに開設したサービスホールを塞ぐサービスホールカバーにおいて、
    前記サービスホールカバーは、前記サービスホールを塞いだ際に前記インナーパネルに接する側になる発泡シートと、該発泡シートに接着した硬質シートとから構成されており、
    前記サービスホールカバーは、前記発泡シート側に、前記サービスホールと嵌合する嵌合部が形成されており、
    前記嵌合部には、前記硬質シートが前記発泡シートと反対側に突出した壁部によって、該発泡シートとの間に空間を画成した通路が形成されている
    ことを特徴とするサービスホールカバー。
  2. 前記通路は閉空間であって、線状に形成されている請求項1記載のサービスホールカバー。
  3. 前記通路は、線状に複数形成されると共に、相互に交差している請求項1または2記載のサービスホールカバー。
  4. 前記嵌合部には、前記サービスホールの開口縁部に係合する係合爪部が形成されている請求項1〜3の何れか一項に記載のサービスホールカバー。
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