JP3891478B2 - 自動車用内装部品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、側突時に乗員の腰部等がぶつかるインパクトエリアに衝撃吸収パットを設けた自動車用内装部品に係り、特に、側突時における理想的な衝撃吸収性能が得られる自動車用内装部品に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常、車両の側壁パネルの室内側に装着される内装部品には、側方から衝撃が加わった際、乗員に加わる衝撃荷重を吸収できる衝撃吸収機能を備えている。
【0003】
例えば、図11(a)に示す自動車用ドアトリム1は、PP(ポリプロピレン)樹脂等の合成樹脂をモールドプレス成形、射出成形することによりドアトリム基材1aを所要形状に成形するとともに、アームレスト1b、ドアポケット1c、スピーカグリル1dを一体に設けることでドアトリム1の機能を満足させている。
【0004】
そして、ドアトリム1のドアトリム基材1aの裏面には、例えば乗員の腰部と対応する箇所には、図11(b)に示すように、腰部インパクトエリアとして、衝撃吸収パット2がホットメルト系接着剤等により接着固定されている。この衝撃吸収パット2としては、モールドウレタンが従来から使用されている。
【0005】
また、図示はしないが、乗員の肩部が触れ易い肩部インパクトエリアについても、図11(b)に示す衝撃吸収パット2が並設される場合もある。
【0006】
そして、ドアトリム1の腰部インパクトエリアに衝撃吸収パット2を装着したケースでは、実際に車両の側方に側突等により荷重が加わった場合、衝撃吸収パット2の圧縮変形及び破断により衝撃を吸収している。図12は、ウレタンモールドからなる衝撃吸収パット2の荷重/ストローク曲線を示している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このように、ドアトリム1のインパクトエリアの裏面にモールドウレタン等からなる衝撃吸収パット2を設置した場合、衝撃吸収パット2の圧縮変形及び破断により良好な衝撃吸収性能が得られるものの、衝撃初期時の反力が図12のグラフに示すように小さく、かつエネルギー吸収代をそれ程大きく確保できないという傾向にあり、更に衝撃吸収機能を高めるためには、これらの点を解決することが急務とされていた。
【0008】
この発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、インパクトエリアに対応して、衝撃吸収パットを備えた自動車用内装部品において、側突等、外部からの衝撃荷重が加わった際、反力特性の初期立ち上がりが速く、かつピーク反力が上がり過ぎることがなく、適正値を維持できる等、理想的な衝撃吸収性能が得られる自動車用内装部品を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この出願の請求項1に記載の発明は、所要形状に成形されたトリム基材からなり、インパクトエリアにおけるトリム基材裏面に衝撃吸収パットを固着した自動車用内装部品において、前記トリム基材の裏面に、衝撃荷重が加わった際、反力特性の初期立ち上がりを速めるプレート状リブが設けられるとともに、衝撃吸収パットは、分割体から構成され、各分割体を上記プレート状リブの両面で支持する一方、前記プレート状リブに座屈用の剛性低下部が形成されていることにより、車両に外方からの衝撃荷重が加わった際、この剛性低下部の座屈変形により衝撃荷重を吸収できるようにしたことを特徴とする。
【0010】
ここで、剛性低下部としては、単一、あるいは複数の凹溝、単一、あるいは複数の開口、あるいは凹溝と開口を組み合わせたものなど、適宜選択して良い。
【0011】
そして、請求項1に記載の自動車用内装部品によれば、インパクトエリアにおけるトリム基材の裏面には、衝撃吸収パット取付面から延びるプレート状リブが設けられ、このプレート状リブに衝撃吸収パットが固着されているため、側突等、車両に外部からの衝撃が加わった際、この衝撃吸収パットとプレート状リブにより受けることになり、衝撃荷重が初期時における立ち上がりを速めることができる。
【0012】
更に、プレート状リブに座屈用の剛性低下部が設けられているため、外部からの衝撃荷重が所定値に達すれば、この剛性低下部が座屈することにより、プレート状リブが破断するため、ピーク時の反力がそれ程大きくならず、ピーク時の反力を適正値に維持できる。
【0013】
この出願の請求項2に記載の発明は、前記プレート状リブは、トリム基材の裏面に一体に成形されていることを特徴とする。
【0014】
ここで、トリム基材と一体にプレート状リブを成形するためには、トリム基材に射出成形、モールドプレス成形等が使用できる。
【0015】
そして、請求項2に記載の自動車用内装部品によれば、トリム基材を成形する成形金型に穿設加工を行なうだけで、簡単にプレート状リブを一体化できる。
【0016】
この出願の請求項3に記載の発明は、前記プレート状リブは、トリム基材とは別体に構成され、取付用フランジを介してトリム基材に固着されることを特徴とする。
【0017】
ここで、トリム基材とプレート状リブを別体構成とするのは、トリム基材に一体にリブを成形するのが困難な繊維板、複合繊維板等をホットプレス成形等により成形したものが用いられた場合であり、プレート状リブは、トリム基材に取り付けるためにフランジ状の取付用ブラケットがプレート状リブの端縁に一体成形された断面ほぼT字状のプレート状リブが使用される。
【0018】
そして、請求項3に記載の自動車用内装部品によれば、トリム基材の材質として、廉価な材質のものが使用できるとともに、トリム基材の成形金型を簡単に加工できる。
【0019】
この出願の請求項4に記載の発明は、前記プレート状リブは、トリム基材の裏面に対して略垂直に成形されていることを特徴とする。
【0020】
この出願の請求項5に記載の発明は、前記プレート状リブの先端に左右方向に延在する押圧プレートが設けられ、この押圧プレートとトリム基材とにより衝撃吸収パットを挟持したことを特徴とする。
【0021】
そして、請求項5に記載の自動車用内装部品によれば、プレート状リブの先端に左右方向に延在する押圧プレートが一体に設けられているため、例えば、衝撃荷重が側方から加わった際、この衝撃荷重がプレート状リブからずれた場合においてもこの押圧プレートを介してプレート状リブに荷重が加わり、荷重吸収の許容範囲を広げることができる。
【0022】
更に、この押圧プレートとトリム基材との間で衝撃吸収パットを挟持するという構成であるため、衝撃吸収パットの接着力に加えて押圧プレートの挟持力が付加されるため、衝撃吸収パットの接合強度をより強化することができる。
【0023】
この出願の請求項6に記載の発明は、前記押圧プレートは、両側縁が中央部よりも低位置となるように傘状、あるいは湾曲状に設定されていることを特徴とする。
【0024】
そして、請求項6に記載の自動車用内装部品によれば、プレート状リブの先端に設ける押圧プレートは、傘状、あるいは湾曲状に形成されているため、斜め方向からの衝撃荷重が加わった場合でも、プレート状リブに荷重を適正に伝達することができる。
【0025】
また、傘状、湾曲状に設定されているため、押圧プレートの両側縁が衝撃吸収パットに線接触状で接触しているとともに、弾性反発力を付与した状態で保持されていることにより、接合強度を強化することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る自動車用内装部品を自動車用ドアトリムに適用した実施形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0027】
図1は本発明を適用した自動車用ドアトリムを示す正面図、図2は本発明の第1実施形態を示す衝撃吸収パットの取付構造を示す説明図、図3は同衝撃吸収パットを取り付けた状態を示す斜視図、図4は同衝撃吸収パットを取り付けた状態を示す断面図である。また、図5は本発明に係る第1実施形態におけるプレート状リブの変形例を示す各斜視図である。
【0028】
図6,図7は本発明の第2実施形態を示すもので、図6は衝撃吸収パットの取付状態を示す説明図、図7は衝撃吸収パットの取付構造を示す断面図である。また、図8,図9は本発明の第3実施形態及び第4実施形態を示す衝撃吸収パットの取付構造の各説明図、図10は本発明の第1実施形態と従来例との荷重/ストローク曲線を比較して示すグラフである。
【0029】
図1乃至図5において、本発明を自動車用ドアトリムに適用した第1実施形態について説明する。
【0030】
自動車用ドアトリム10は、所要形状に成形されたドアトリム基材11から構成され、このドアトリム基材11は、PP(ポリプロピレン)樹脂、あるいはタルクを混入したPP樹脂を射出成形、又はモールドプレス成形することにより所要形状に成形されている。また、中央部に室内側に膨出するアームレスト12、その下方に備品を収容できるドアポケット13、そのフロント側にスピーカグリル14が一体成形されている。
【0031】
そして、図1中点線で示す部位は、ドアトリム基材11の裏面に取り付ける衝撃吸収パット20であり、この衝撃吸収パット20設置箇所は、乗員の腰部がぶつかる腰部インパクトエリアAに相当する。
【0032】
上記自動車用ドアトリム10は、腰部インパクトエリアAにおけるドアトリム基材11裏面に衝撃吸収パット20が固着されている。この衝撃吸収パット20としては、モールドウレタン、あるいはオレフィン系樹脂発泡体、オレフィン系樹脂発泡ビーズ体等が適用されるが、コスト及び衝撃吸収性を考慮すれば、ウレタン樹脂のモールド成形体、すなわちモールドウレタンが好ましい。
【0033】
また、本実施形態に使用する衝撃吸収パット20は、ウレタンの発泡密度が0.02〜0.23g/cm3で、50%圧縮時における、反力が3〜5kgfのモールドウレタンを使用している。
【0034】
ところで、本発明に係る自動車用ドアトリム10は、理想的な衝撃吸収性能、すなわち、初期立ち上がりが速く、かつ反力ピーク値を過度に大きくならないように制御できる点に着目し、図2で示す分解斜視図、図3に示す取付状態図のように構成した。
【0035】
図2に示すように、腰部インパクトエリアAにおけるドアトリム基材11裏面には、ドアトリム10を図示しない車体パネルにクリップを介して取り付けるためのクリップ座15及び衝撃吸収パット20を適切位置に位置決めするためのロケートピン16が図示するように突設形成されており、このクリップ座15とロケートピン16との間にドアトリム基材11の裏面から面直方向に延びるプレート状リブ30がドアトリム基材11と一体成形されている。
【0036】
また、このプレート状リブ30には、横方向に延びる2条の凹溝31が開設されている。プレート状リブ30の縦×横×厚み寸法は、80mm×80mm×3mmで、凹溝31の溝深さは、2mmに設定されている。
【0037】
また、衝撃吸収パット20を取り付ける箇所は、図2中斜線で示すように、プレート状リブ30を境にしてクリップ座15側及びロケートピン16側に略対称位置に設定され、ポリエチレン樹脂等のホットメルト系接着剤をドアトリム基材11の裏面ならびにプレート状リブ30の両側面に塗布した後、衝撃吸収パット20を取り付ける。
【0038】
この衝撃吸収パット20は、左右2分割体(20A,20B)から構成され、一方側の衝撃吸収パット20Aは、クリップ座15に係止固定できるように差込片21が形成され、ドアトリム基材11の裏面及びプレート状リブ30の一方側面(凹溝31を形成した側面)に接着固定される。
【0039】
他方側の分割体である衝撃吸収パット20Bは、ロケートピン16を差し込むためのロケート孔22が開設されており、ロケートピン16を含めたドアトリム基材11の裏面及びプレート状リブ30の他方側面に接着剤を介して接着固定される。図3,図4は、ドアトリム基材11の腰部インパクトエリアA裏面側に衝撃吸収パット20を接着固定した状態を示している。
【0040】
このように、本発明の第1実施形態における自動車用ドアトリム10においては、衝撃吸収パット20をプレート状リブ30により支持固定するという構成を採用したため、図4に示す断面図から明らかなように、側突等、車両に側方からの衝撃荷重が加わった際、ドアパネルからの衝撃荷重(図中Fで示す)が加われば、従来では衝撃吸収パット20自体の圧縮変形により、初期荷重の立ち上がりが遅い傾向にあったが、衝撃荷重Fを主にプレート状リブ30により受けるため、衝撃初期時における立ち上がりが速い。このことは、図10のグラフ中(a)ポイントから明らかである。
【0041】
更に、プレート状リブ30には、2列の凹溝31が形成されているため、所定値の衝撃荷重により凹溝31を基にプレート状リブ30が破断することにより、荷重ピーク値を引き下げることができる。このことは図10のグラフ中(b)ポイントから明らかである。
【0042】
従って、この第1実施形態における自動車用ドアトリム10にあっては、モールドウレタンからなる衝撃吸収パット20の支持構造として、ドアトリム基材11の腰部インパクトエリアAの裏面にプレート状リブ30を一体成形し、このプレート状リブ30により衝撃荷重Fを受ける構造としたため、衝撃初期時における立ち上がりが速く、かつプレート状リブ30に形成した凹溝31により、座屈を誘発するため、衝撃反力のピーク値が過大にならず、適正なピーク値に調整することができ、理想的な衝撃吸収性能が得られることになる。
【0043】
この第1実施形態においては、プレート状リブ30の座屈構造として、2列の凹溝31を形成したが、凹溝31に替えて部分的に剛性を低下させる構成としては種々のものが考えられる。例えば、図5(a)〜(d)に示す変形例を採用することもできる。
【0044】
図5(a)に示すように、プレート状リブ30に複数の開口32を並設してもこの開口32を基に座屈が誘発できる。図5(b)に示すように、縦横方向に延びる格子状リブ33により、プレート状リブ30を構成しても、上述した開口32と同様の効果が得られ、衝撃荷重の反力ピーク値を適正に引き下げることができる。図5(c)に示すように、凹溝31と開口32を組み合わせることも可能であり、図5(d)に示すように、凹溝31をプレート状リブ30の両面に設けるようにしても良い。
【0045】
次いで、図6,図7は、本発明の第2実施形態を示すもので、この第2実施形態についても自動車用ドアトリム10の腰部インパクトエリアAに取り付ける衝撃吸収パット20の支持構造に適用される。
【0046】
図6に示す自動車用ドアトリム10におけるドアトリム基材11は、木質繊維板や複合樹脂板等、第1実施形態に使用するドアトリム基材11よりも成形性に劣るが、廉価な材質を使用したもので、クリップ座15a、ロケートピン16a及びプレート状リブ30は、ドアトリム基材11とは別途成形されたものを接着固定、あるいは超音波溶着固定により接合固定している。
【0047】
すなわち、この第2実施形態においては、木質繊維板等からなるトリム基材11の裏面に取り付けられるクリップ座15a及びロケートピン16aは、それぞれ取付用ブラケット15b,16bが設けられ、これら取付用ブラケット15b,16bによりドアトリム基材11裏面所定箇所に取り付けられる。
【0048】
同様に、プレート状リブ30についても、ドアトリム基材11取付面側に取付用フランジ34が形成され、略T字状の断面形状を備えている。尚、このT字状のプレート状リブ30についても、部分的に剛性を低下させて、座屈を誘発する構成として、2列の凹溝31が形成されている。
【0049】
そして、この第2実施形態においても、図7に示すように、側突等、外部からの衝撃荷重Fが加われば、プレート状リブ30により衝撃を受けるため、衝撃初期時の立ち上がりが非常に速く、かつプレート状リブ30に設けた凹溝31によりピーク値の反力を抑えることができ、理想的な衝撃吸収機能が得られる。
【0050】
次いで、図8は本発明の第3実施形態を示すもので、図8では便宜的にプレート状リブ30と衝撃吸収パット20についてのみ図示したが、クリップ座15やロケートピン16等は上述実施形態と同一構成であるので図示は省略する。
【0051】
そして、この第3実施形態においては、トリム基材11と一体に成形されているプレート状リブ30の先端に左右方向に水平に延びる押圧プレート35が一体に成形されている。
【0052】
そして、この押圧プレート35は、例えば図示するように、プレート状リブ30の中心からずれた位置への衝撃荷重(図中F1,F2)に対して、この押圧プレート35を介して、プレート状リブ30に上記衝撃荷重F1,F2が伝達され、衝撃ポイントがずれた場合でも、プレート状リブ30の支持により、衝撃初期時の立ち上がりを速めることができる。
【0053】
更に、この押圧プレート35は、ドアトリム基材11の裏面との間で衝撃吸収パット20A,20Bを挟持固定できるため、衝撃吸収パット20の接着強度に加えて、衝撃吸収パット20をより強固に支持することができるという付随的な利点がある。尚、図示は省略したが、プレート状リブ30に凹溝31や開口32を設けることにより、反力ピーク値を引き下げることができるのは勿論である。また、プレート状リブ30をドアトリム基材11と別体構造とするためには、取付用フランジ34を介して固定すれば良い。
【0054】
次に、図9は第3実施形態の変形態様を示すもので、水平状の押圧プレート35に替えて、図9(a)に示す湾曲状押圧プレート35a、図9(b)に示すように傘状押圧プレート35bを使用している。
【0055】
そして、この湾曲状押圧プレート35aや傘状押圧プレート35bは、水平状の押圧プレート35と同等の機能、すなわち、衝撃ポイントがずれても、プレート状リブ30に衝撃力を伝達することができる他に、例えば、図9(a),(b)中、F3,F4のように、斜め方向からの衝撃荷重が加わった場合でも、プレート状リブ30に衝撃力を伝達することができ、斜め方向からの衝撃荷重F3,F4に対しても有効に機能する。
【0056】
特に、分割体である衝撃吸収パット20A,20Bの厚みが異なった場合でも、湾曲状押圧プレート35a、傘状押圧プレート35bの弾性変形を使用して、良好に衝撃吸収パット20A,20Bを押付け固定することができ、この弾性押圧力により、衝撃吸収パット20の支持強度をより強固なものにすることができる。
【0057】
また、図9に示す湾曲状押圧プレート35aや傘状押圧プレート35bを使用するタイプの場合でも、取付用フランジ34を形成した別体タイプのものや、プレート状リブ30に凹溝31や開口32を形成することができる点は図8と同様である。
【0058】
尚、図9中湾曲状フランジ36、傘状フランジ37から衝撃吸収パット20A,20Bに加わる押圧力をf1,f2で示す。
【0059】
図10は、本発明の第1実施形態における衝撃吸収パット20の支持構造と従来の衝撃吸収パット2のみの場合の荷重/ストローク(侵入量)曲線を示すもので、本発明の第1実施形態を実線、従来例を点線でそれぞれ示す。
【0060】
そして、図10のグラフ中、(a)ポイントのように、衝撃初期時の立ち上がりが速く、かつ(b)ポイントのように、プレート状リブ30に設けた凹溝31により、座屈によるピーク値の圧力を抑えることができる。
【0061】
尚、本実施形態では、衝撃吸収パット20は接着固定したが、溶着固定でも良く、特に、限定するものではない。
【0062】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明に係る自動車用内装部品は、インパクトエリアにおけるトリム基材裏面に取り付ける衝撃吸収パットは、トリム基材の裏面から延びるプレート状リブにより支持され、側方からの衝撃が加わった際、プレート状リブがこの衝撃荷重を受けるため、初期立ち上がりが速く、かつプレート状リブに設けた凹溝、開口等の剛性低下部の座屈変形による反力ピーク値の過度の上昇を抑え、理想的な衝撃吸収機能が得られるという効果を有する。
【0063】
更に、衝撃吸収パットは、トリム基材裏面に固定されるだけでなくプレート状リブの両面に固定されるため、衝撃吸収パットの取付強度を強化することができ、経時変化によっても脱落することがなく、品質性能を高めることができるという効果を有する。
【0064】
また、プレート状リブ先端に左右方向に延在する押圧プレートを設ければ、押圧プレートにより衝撃吸収パットを押圧固定できるため、衝撃吸収パットの取付強度を強固にすることができるとともに、特に押圧プレートを傘状、あるいは湾曲状に設定すれば、弾性押圧力により、支持強度をより高め、かつ衝撃吸収パットの厚み寸法の変動に対応することができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す自動車用ドアトリムの正面図である。
【図2】図1に示す自動車用ドアトリムにおける衝撃吸収パットの取付状態を示す説明図である。
【図3】図1に示す自動車用ドアトリムにおけるインパクトエリアを裏面側から見た斜視図である。
【図4】図1に示す自動車用ドアトリムにおける衝撃吸収パットの取付構造を示す断面図である。
【図5】図1に示す自動車用ドアトリムにおける衝撃吸収パットの取付構造に使用するプレート状リブの変形例を示す各斜視図である。
【図6】本発明の第2実施形態を適用した自動車用ドアトリムにおけるインパクトエリアを裏面側から見た斜視図である。
【図7】図6に示す自動車用ドアトリムにおける衝撃吸収パットの取付構造を示す断面図である。
【図8】本発明の第3実施形態における衝撃吸収パットの取付構造を示す断面図である。
【図9】図8に示す衝撃吸収パットの取付構造の変形例を示す各断面図である。
【図10】本発明と従来例との荷重/ストロークの相関関係を示すグラフである。
【図11】(a)従来の自動車用ドアトリムの正面図、(b)従来の自動車用ドアトリムに取り付ける衝撃吸収パットの斜視図である。
【図12】従来の衝撃吸収パットの荷重/ストローク曲線を示すグラフである。
【符号の説明】
10 自動車用ドアトリム
11 ドアトリム基材
15,15a クリップ座
16,16a ロケートピン
20,20A,20B 衝撃吸収パット
21 差込片
22 ロケート孔
30 プレート状リブ
31 凹溝
32 開口
33 格子状リブ
34 取付用フランジ
35 押圧プレート
35a 湾曲状押圧プレート
35b 傘状押圧プレート
A 腰部インパクトエリア
Claims (6)
- 所要形状に成形されたトリム基材(11)からなり、インパクトエリア(A)におけるトリム基材(11)裏面に衝撃吸収パット(20)を固着した自動車用内装部品において、
前記トリム基材(11)の裏面に、衝撃荷重が加わった際、反力特性の初期立ち上がりを速めるプレート状リブ(30)が設けられるとともに、衝撃吸収パット(20)は、分割体(20A,20B)から構成され、各分割体(20A,20B)を上記プレート状リブ(30)の両面で支持する一方、前記プレート状リブ(30)に座屈用の剛性低下部(31,32)が形成されていることにより、車両に外方からの衝撃荷重が加わった際、この剛性低下部(31,32)の座屈変形により衝撃荷重を吸収できるようにしたことを特徴とする自動車用内装部品。 - 前記プレート状リブ(30)は、トリム基材(11)の裏面に一体に成形されていることを特徴とする請求項1に記載の自動車用内装部品。
- 前記プレート状リブ(30)は、トリム基材(11)とは別体に構成され、取付用フランジ(34)を介してトリム基材(11)に固着されることを特徴とする請求項1に記載の自動車用内装部品。
- 前記プレート状リブ(30)は、トリム基材(11)の裏面に対して略垂直に成形されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の自動車用内装部品。
- 前記プレート状リブ(30)の先端に左右方向に延在する押圧プレート(35)が設けられ、この押圧プレート(35)とトリム基材(11)とにより衝撃吸収パット(20)を挟持したことを特徴とする請求項4に記載の自動車用内装部品。
- 前記押圧プレート(35)は、両側縁が中央部よりも低位置となるように傘状、あるいは湾曲状に設定されていることを特徴とする請求項5に記載の自動車用内装部品。
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