JP2009196629A - 車両用衝撃吸収構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】自動車の衝撃発生時に乗員が内装部材に対して複数の箇所で接触するような場合に衝撃吸収性能を向上させることを課題とする。
【解決手段】車体パネル40と該車体パネル40よりも車室SP1側の内装部材20との間に設置される車両用衝撃吸収構造体1に、カップ状に形成され、広径側の面10cが開口する一方で狭径側の面10bが閉じ、衝撃入力時に割れを誘起させる線状の誘起部位12が側面部10aにおいて広径側の縁部10fから狭径側の縁部10eへ向かう途中まで形成された複数の衝撃吸収部10と、該複数の衝撃吸収部10を広径側の縁部10fで連結する連結部11とを設ける。
【選択図】図3

Description

本発明は、車体パネルと該車体パネルよりも車室側の内装部材との間に設置される車両用衝撃吸収構造体に関する。
自動車のボディを構成する車体パネルの乗員室側には、内装部材が設置されている。これら内装部材と車体パネルとの間において該内装部材に乗員が接触する可能性が高い箇所に対応する位置には、衝撃吸収構造体が配置される。
特許文献1,2には、円錐台形の複数の衝撃吸収突起と、この衝撃吸収突起の縁部と連結支持する面状連結部とを備える車両用衝撃吸収部材が開示されている。
特許文献1記載の衝撃吸収部材の側面部には、衝撃入力時の変形ストロークを大きくさせるため、矩形状の開口が複数形成されている。これらの開口により、車両用衝撃吸収部材が衝撃を受けると、外周側面部が潰れるように変形する。
また、特許文献2記載の車両用衝撃吸収部材は、衝撃入力時の変形ストロークを大きくさせるため、頂面部に複数の開口が形成され、外周側面部にも複数の開口が形成されている。これらの頂面部及び側面部の開口により、衝撃吸収部材が衝撃を受けると、頂面部及び外周側面部が潰れるように変形する。
特開2007−137288号公報 特開2007−190971号公報
特許文献1,2に記載の衝撃吸収部材は、衝撃入力時の変形ストロークを大きくすることにより、変位初期の荷重(応力)を発生させた後の変位で略一定の荷重となる領域を広くしている。しかし、自動車の衝撃発生時に乗員が内装部材に複数の箇所で当たる場合、このような衝撃吸収性能が最適な衝撃吸収性能とならないことがある。
以上を鑑み、本発明は、自動車の衝撃発生時に乗員が内装部材に複数の箇所で当たるような場合に衝撃吸収性能を向上させることを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明は、車体パネルと該車体パネルよりも車室側の内装部材との間に設置される車両用衝撃吸収構造体であって、カップ状に形成され、広径側の面が開口する一方で狭径側の面が閉じ、衝撃入力時に割れを誘起させる線状の誘起部位が側面部において広径側の縁部から狭径側の縁部へ向かう途中まで形成された複数の衝撃吸収部と、該複数の衝撃吸収部を広径側の縁部で連結する連結部とを具備することを特徴とする。
上記衝撃吸収構造体に衝撃が入力されるとき、複数の衝撃吸収部は変位の初期で荷重(反力)を発生させた後に上記線状の誘起部位によって割れる傾向がある。衝撃入力時に複数の衝撃吸収部が割れると、変位初期の荷重を発生させた後の荷重が小さくなる。これにより、衝撃発生時に乗員が内装部材に複数の箇所で当たるような場合に衝撃吸収性能を向上させることができる。
また、本発明は、車体パネルと該車体パネルよりも車室側の内装部材との間に設置される車両用衝撃吸収構造体であって、カップ状に形成され、広径側の面が開口する一方で狭径側の面が閉じた複数の第一の衝撃吸収部と、該第一の衝撃吸収部と高さの異なるカップ状に形成され、広径側の面が開口する一方で狭径側の面が閉じ、衝撃入力時に割れを誘起させる線状の誘起部位が側面部において広径側の縁部から狭径側の縁部へ向かう途中まで形成された複数の第二の衝撃吸収部と、前記複数の第一の衝撃吸収部及び前記複数の第二の衝撃吸収部を広径側の縁部で連結する連結部とを具備することを特徴とする。
上記衝撃吸収構造体に衝撃が入力されるとき、複数の第二の衝撃吸収部が変位の初期で荷重を発生させた後に上記線状の誘起部位によって割れる傾向がある。衝撃入力時に複数の第二の衝撃吸収部が割れると、変位初期の荷重を発生させた後の荷重が小さくなる。また、第一の衝撃吸収部と第二の衝撃吸収部とは高さが異なるので、変位初期の荷重の発生タイミングが異なる。
以上により、衝撃発生時に乗員が内装部材に複数の箇所で当たるような場合に衝撃吸収性能を向上させることができる。
ここで、本発明にいうカップ状には、外形が楕円錐台形状(円錐台形状を含む)や多角錘台形状といった錐台形状等とされた形状が含まれる。また、本発明にいう広径側は、錐台形状等の両底部のうち面積の大きい方の底部側を意味する。さらに、本発明にいう狭径側は、前記両底部のうち面積の小さい方の底部側を意味する。
また、本発明にいう誘起部位には、カップ状の衝撃吸収部の側面部を貫通したスリット、該側面部に形成された溝、該側面部を薄肉化した薄肉部、等が含まれる。本発明にいう線状の誘起部位には、直線状の誘起部位、曲線状の誘起部位、折れ線状の誘起部位、等が含まれる。例えば、前記スリットには、所定の幅で開口した略矩形状のスリット、所定の幅で蛇行するように開口したスリット、幅が変わりながら開口したスリット、等が含まれる。
さらに、上記連結部と上記複数の衝撃吸収部とは、一体的に形成されてもよいし、別々に形成された後に組み合わされてもよい。
請求項1、請求項7に係る発明によれば、自動車の衝撃発生時に乗員が内装部材に複数の箇所で当たるような場合に衝撃吸収性能を向上させることが可能な車両用衝撃吸収構造体を提供することができる。
請求項2〜請求項6、請求項8に係る発明によれば、衝撃吸収性能をさらに向上させることができる。
(1)第一の実施形態:
図1は、本発明の第一の実施形態に係る車両用衝撃吸収構造体1を採用した路上走行自動車AU1の要部を前後方向D1と平行な垂直断面にて示す要部断面図である。図1に示す乗用自動車AU1では、車体パネル40が車室SP1を囲むよう接合されて車体が構成されている。また、車体パネル40の車室側には各種内装部材20が設置されている。衝撃吸収構造体1は、例えば、内装部材20と車体パネル40との間に形成された隙間SP2に配置され、内装部材20の裏面(車外側の面)20aに取り付けられて固定される。本実施形態の衝撃吸収構造体1は、車体パネル40と内装部材20との間であって比較的スペースに制約のある箇所に使用するのに好適である。
車体パネル40は、路上走行自動車AU1の車体を構成する骨格として機能するものである。車体パネル40は、車体の天井部を形成するルーフパネル40a、ルーフパネルを支えるピラー、ドアを形成するドアパネル、車体の床部を形成するフロアパネル等からなる。上記した車体パネル40は例えば鋼板等をプレス加工して形成される。
内装部材20は、車体の乗員室側を被覆して内装材として好適な意匠性を付与するとともに、断熱性、吸音性などを付与するものである。図1に示す内装部材20は、ルーフパネル40aの車室側に設けられるルーフライナ内装材21、ピラーの車室側に設けられるピラーガーニッシュ内装材22、ドアパネルの車室側に設けられるドアトリム内装材23、等から構成されている。
内装部材20は、例えば内装基材の車室側の面に表皮材が積層されて形成される。内装基材には、熱可塑性樹脂等の樹脂成形材料をプレス成形等により成形したもの、樹脂成形材料を発泡させて成形したもの、発泡させた樹脂にバインダを含浸ないし塗布して成形したもの、熱可塑性樹脂繊維等の繊維を集合させて成形したもの、等が用いられる。表皮材には、不織布、織物、編物、等が用いられる。
図2は、自動車のルーフパネル40aとルーフライナ内装材21との間に設置された衝撃吸収構造体1を乗員99とともに模式的に示す要部垂直断面図である。衝撃吸収構造体1は、衝撃吸収部10(後述)が形成された側の面をルーフパネル40aに向けて、ルーフライナ内装材21においてルーフパネル40aに対向する面に固定されている。例えば、基部(連結部)11において衝撃吸収部10が形成された面と反対側の面に接着剤を塗布して衝撃吸収構造体1をルーフライナ内装材21に貼り付けることにより、衝撃吸収構造体1がルーフライナ内装材21に固定される。
本発明者らは、頭部保護を目的として、ルーフパネルとルーフライナ内装材との間に種々の衝撃吸収構造体を配置して衝撃試験を繰り返し行なった。その中で、ルーフライナ内装材に対して乗員ダミー人形の額が先に当たった後に乗員ダミー人形の顎がピラーガーニッシュ内装材に当たる等、内装部材に対する乗員ダミー人形の頭部の接触が複数段階となることが判ってきた。特に、乗員の顎が当たる箇所の内装部材の裏側(車外側)には、カーテンエアバッグの展開ガイド部材、アシストグリップ、コートフック、ピラーパネルと内装部材との結合部材、等の比較的硬質な構成部品が車体パネルに組み付けられることがある。ここで、展開ガイド部材は、カーテンエアバッグがピラーガーニッシュ内装材とピラーパネルとの間に展開されるのを防いで、カーテンエアバッグが乗員室内に展開されるようにガイドする部材である。展開ガイド部材は、ピラーガーニッシュ内装材に一体成形される場合もある。展開ガイド部材等の構成部品が車体パネルに組み付けられる場合、内装部材に顎が当たるときの前記構成部品の圧縮荷重による乗員頭部への荷重を十分に考慮することが好ましい。
ここで、図33(a)に示すように、衝撃吸収部材の通常の圧縮荷重(応力)F−変位s曲線は、単純な右肩上がりの曲線CU91、又は、変位初期の領域R91及び略一定の荷重となる領域R92を有する矩形波形曲線CU92となる。このため、通常のF−s曲線を示す衝撃吸収部材では、変位初期の圧縮荷重Fを発生させた後の変位sにおいて高い反力を維持することとなる。
内装部材に対する乗員ダミー人形頭部の接触が2段階となると、図33(b)に示すように、領域R92の高い反力に2回目の接触によるF−s曲線CU93の圧縮荷重が加わる。乗員の顎に対応する位置で内装部材の裏側に展開ガイド部材等の構成部品が配置される場合、この構成部品の圧縮荷重による反力が乗員ダミー人形頭部に加わる。乗員ダミー人形頭部に加わる荷重は、1回目の接触によるF−s曲線と2回目の接触によるF−s曲線とを合成したF−s曲線CU94の荷重となる。これにより、変位初期の圧縮荷重を発生させた後の領域R92において、乗員ダミー人形頭部に加わる荷重が最適とならず、自動車の衝突試験を行う際に乗員頭部の傷害値が最適とならないことがある。内装材に対する乗員ダミー人形頭部の接触が3段階以上となる場合も、同様である。
本願発明者らは、カップ状の衝撃吸収部の形状や材質や板厚を検討するとともに、その圧縮荷重−変位曲線の挙動を分析した。その結果、本願発明者らは、変位の過程で衝撃吸収部の圧縮荷重を低下させることによって、乗員の頭部に加わる反力が過大になることなく、乗員頭部へ加わる衝撃を効率的に吸収し、乗員頭部の傷害値を低下させることができることを見出した。
図3は、衝撃吸収構造体1の斜視図である。図4(a)は、衝撃吸収構造体1を図3のA1−A1の位置で破断して示す端面図である。図4(b)は、衝撃吸収構造体1を図3のA2−A2の位置で破断して示す端面図である。図5は、衝撃吸収構造体1を衝撃吸収部10の一つが含まれるように切り取って示した部分拡大図である。
本衝撃吸収構造体1は、カップ状に形成された複数の衝撃吸収部10と、この衝撃吸収部10とともに一体形成されたシート状の基部(連結部)11とを有し、車体パネル40と内装部材20との間に設置される。各衝撃吸収部10は、広径側の面10cが開口する一方で狭径側の面10bが閉じ、衝撃入力時に割れを誘起させる線状の誘起部位12が側面部10aにおいて広径側の縁部10fから狭径側の縁部10eへ向かう途中まで形成されている。衝撃吸収部10は、内装部材20に衝撃荷重が加えられた際、この衝撃荷重による衝撃エネルギーを吸収する機能を有する。また、基部11は、複数の衝撃吸収部10を広径側の縁部10fで連結する。シート状とされた基部11は、所定間隔を空けて配列された複数の衝撃吸収部10を支持する機能を有する。
本実施形態の衝撃吸収部10は、基部11に対して縦横等間隔に配列され、基部11と一体化されている。図3に示す衝撃吸収構造体1は自動車の前後方向D1に4個、車幅方向に4個となる計16個の衝撃吸収部10を有しているが、衝撃吸収部の数は複数であれば限定されない。各衝撃吸収部10は、外形が円錐台形状に形成され、中空部HO1を有している。該衝撃吸収部10は、円錐台形状の下底部(広径側の面)10cが開口して中空部HO1と繋がり、円錐台形状の上底部(狭径側の面)10bが閉じている。本実施形態の誘起部位12は、側面部10aにおいて下底部10cの縁部10fから上底部10bの縁部10eへ向かう途中まで直線上に延びるスリット12aとされている。各側面部10aには、複数のスリット12aが形成されている。各スリット12aは、側面部10aに対して途中高さまで略一定の幅で矩形状に側面部10aを貫通し、シート状の基部11と直交するように直線状に延びている。本実施形態のスリット12a,12aは、側面部10aに対して相対向する位置に形成されている。
また、上底部10bと側面部10aの境界部分には、緩やかな曲面を描くように湾曲部10dが形成されている。
なお、衝撃吸収部10を円錐台形状とすることにより、衝撃吸収構造体を成形した後の型開き動作がし易くなり、成形性を向上させることができる。また、上底部と側面部の境界部分に湾曲部10dが有ることにより、衝撃吸収部を射出成形する際の成形性がより一層向上し、離型性もよくなり、成形不良といった不具合の発生を可及的に防止できる。
基部11は、複数の衝撃吸収部10を連結する機能を有するとともに、内装部材20や車体パネル40に取り付けるための接着剤の塗布面等の座面としても機能する。基部11は、可撓性を持たせるように材質や厚みを設計することが好ましい。これは、基部11に可撓性を付与することによって、例えば、ルーフライナ内装材21のような局所的に湾曲した形状を有するものであってもその形状に追随させることが可能となるためである。
衝撃吸収構造体1を形成する材料は、衝撃を吸収する材料であればよいが、衝撃を適度に吸収する観点から樹脂材料(エラストマーを含む)が好ましい。樹脂材料を用いて形成される衝撃吸収構造体1は、発泡させた材質でもよいが、衝撃をより適度に吸収する観点から樹脂材料を発泡させることなく成形した樹脂成形品が好ましい。樹脂材料を構成する樹脂(エラストマーを含む)には、合成樹脂が好ましく、衝撃吸収部に適度な衝撃吸収性を付与する観点から熱可塑性樹脂が特に好ましいが、熱硬化性樹脂を用いることも可能である。熱可塑性樹脂には、特に好適な衝撃吸収性を衝撃吸収部に付与する観点から、ポリプロピレンやポリエチレン等のオレフィン系樹脂、オレフィン系樹脂にエラストマーを添加した樹脂、等が好ましい。樹脂材料には、充てん材等の添加剤が添加されてもよい。添加剤の配合比は、樹脂の性質を十分に発揮させる観点から、例えば樹脂の重量比以下の重量比とされる。樹脂成形材料の成形には、射出成形、プレス成形、押出成形、等を用いることができる。
ところで、特開2007-137288号公報や特開2007-190971号公報に記載された衝撃吸収部材は、衝撃入力時に頂面部や外周側面部が潰れるように変形しなければならないため、シャルピー衝撃強さが20J/m2以上(例えば30J/m2程度)の樹脂材料が用いられる。ここで、シャルピー衝撃強さは、2006年12月20日に制定されたJIS K7111-1(プラスチック−シャルピー衝撃特性の求め方)に規定されたシャルピー衝撃強さとする。このような樹脂材料が用いられた衝撃吸収部材の圧縮荷重F−変位s曲線は、例えば図33(b)に示すように、変位初期に荷重が立ち上がった後の変位sで略一定の荷重となる領域R2が生じる。このような荷重−変位特性が最適な衝撃吸収性能となることもある。しかし、頭部保護を目的としてルーフパネルとルーフライナ内装材との間等に配置される衝撃吸収構造体では、上述のように最適な衝撃吸収性能とならないことが分かってきた。
図33(b)に示すように、比較例に係る衝撃吸収部材の荷重F−変位s曲線は、衝撃吸収部材の変位初期に荷重Fが立ち上がって最大初期荷重F1となり、その後、この最大初期荷重F1をほぼ保った状態で変位が推移した後、衝撃吸収部材がほとんど変位しなくなった時点で荷重が急激に上昇していく曲線CU92となっている。
衝撃吸収部材が最大初期荷重F1を維持する結果、維持している荷重が2回目以降の接触時に乗員頭部に対して加わると考えられる。すなわち、一度目の接触により加わる反力と再度の接触により加わる反力との合成荷重が乗員に加わり、最適な衝撃吸収性能にならないと考えられる。
図6(a)は、本実施形態の衝撃吸収構造体1を用いて衝撃試験を行うことにより得られる荷重F−変位s曲線の一例を示している。本実施形態では、衝撃吸収構造体を図6(a)に示すようなF−s曲線となる衝撃吸収部を有する構造とすることにより、自動車の衝撃発生時に乗員が内装部材に複数の箇所で当たるような場合に乗員頭部の傷害値を低減させ、衝撃吸収性能を向上させるようにしている。
図6(a)に示すような荷重−変位曲線を得るための衝撃吸収構造体1の材料は、シャルピー衝撃強さが1.0J/m2以上(より好ましくは1.5J/m2以上)、7.1J/m2以下(より好ましくは6.0J/m2以下)の樹脂材料が好ましい。シャルピー衝撃強さを上述した比較例よりも小さくすることにより、衝撃入力時に衝撃吸収部10が割れ易くなり、図6(a)に示すような荷重−変位曲線が得られる。ここで、衝撃吸収部10を形成する材料のシャルピー衝撃強さを前記下限以上とするのは、最大初期荷重が発生した後の荷重を適度に大きくするためである。一方、シャルピー衝撃強さを前記上限以下とするのは、誘起部位12により衝撃入力時に衝撃吸収部10の割れを誘起し易くするためである。
樹脂材料で形成される衝撃吸収部10の厚みは、0.4〜1.2mmであることが好ましく、0.6〜1.0mmであることがより好ましい。衝撃吸収部10の厚みが前記下限以上であれば、衝撃を受けたときの荷重の立ち上がりが良好となり、荷重増加領域R91における最大荷重が適度に増加し、衝撃吸収量が適度に増加する。また、衝撃吸収部10の厚みが前記上限以下であれば、衝撃吸収部10が衝撃を受けたときに衝撃吸収部の側面部10aの変形が適度に容易となり、適度な衝撃吸収性能が得られる。
樹脂材料で形成される基部11の厚みは、0.5〜1.5mmであることが好ましく、0.7〜1.3mmであることがより好ましい。基部11の厚みが前記下限以上であれば、衝撃吸収構造体の形状保持性が適度に付与され、且つ、剛性が適度に得られることにより割れや変形等の不具合の発生が抑止される。また、基部11の厚みが1.5mm以下であれば、衝撃吸収部10の変形が適度に阻害され、衝撃吸収性能の低下が抑止される。
なお、基部11と衝撃吸収部10とは、同じ厚みで形成してもよいし、異なる厚みで形成してもよい。また、基部11と衝撃吸収部10とは、同じ材料で形成してもよいし、異なる材料で形成してもよい。
図4(b)に示すように、衝撃吸収部10の高さをHとするとき、各スリット12aの高さhは、(4/7)H以上、(6/7)H以下であることが好ましい。ここで、衝撃吸収部の高さHとは、図4(b)に示すように、基部11の衝撃吸収部10が連結された側の表面から上底部10bまでの長さを意味する。また、スリットの高さhは、基部11と連結した下底部10cの縁部10fからの長さを意味する。 スリット12aの幅は2mm以上、4mm以下であることが好ましい。スリット12aの幅が2mm以上であれば、衝撃吸収部10の破壊が適度に起き易くなり、適度な衝撃吸収性能が得られる。また、スリット12aの幅が4mm以下であれば、荷重−変位曲線の変位初期における荷重のピークが適度に高い値となり、適度な衝撃吸収性能が得られる。
また、良好な衝撃吸収性能を得る観点から、線状の誘起部位12は、下底部の縁部10fから形成することが好ましい。上底部の縁部10eから誘起部位を形成すると、上底部側が低荷重で破壊し易くなり、誘起部位を形成していない下底部側は断面二次モーメントが大きく縦横のアスペクト比が小さいため潰れにくく、荷重−変位曲線において急激に荷重が高くなる底付き状態への移行が早くなると推察される。一方、本衝撃吸収構造体1は、比較的径の大きい下底部10c側に誘起部位12が形成されているため、変位初期では衝撃吸収部全体で荷重を受け止め、最大初期荷重が発生した後には衝撃吸収部のほぼ全体が破壊して底付き状態への移行がより高変位側となると推察される。このようなことから、本衝撃吸収構造体1は、線状の誘起部位12が側面部10aにおいて広径側の縁部10fから狭径側の縁部10eへ向かう途中まで形成している。
なお、衝撃吸収部に線状の誘起部位を複数形成する場合、誘起部位同士を等間隔に形成することが好ましい。これは、衝撃吸収部がバランスよく破壊され、衝撃吸収性能が安定するためである。
衝撃吸収部10の高さHは、車体パネル又は内装部材に接触しない高さでもよいし、接触する高さでもよい。
次に、本衝撃吸収構造体1の作用、効果を説明する。
図6(a)に例示するように、本実施形態の衝撃吸収構造体1の荷重F−変位s曲線CU1は、変位初期において最大初期荷重が発生した後、一時的に荷重が低下する反力低下領域R11が現れる曲線となる。これは、以下の理由によるものと考えられる。
衝撃吸収構造体1への衝撃入力時、まず、衝撃吸収部10が最大初期荷重を発生させるまで変位する。この変位のある段階で、スリット12aを起点として側面部10aに割れが発生すると考えられる。この割れの進行により、F−s曲線に反力低下領域R11が生じ、衝撃吸収部10が壊され、乗員に加わる反力が低下する。
内装部材に対する乗員の接触が2段階となると、図6(b)に例示するように、反力低下領域R11の反力に2回目の接触によるF−s曲線CU2の圧縮荷重が加わる。ここで、図6(b)の横軸は、乗員頭部が最初に内装部材に当たる時点を変位s=0としたときの乗員の変位sを示している。図6(b)の縦軸は、乗員頭部に入力される荷重Fを示している。乗員の顎に対応する位置で内装部材の裏側に展開ガイド部材等の構成部品が配置される場合、この構成部品の圧縮荷重による反力が乗員頭部に加わる。変位初期の圧縮荷重を発生させた後の領域において、1,2回目の接触によるF−s曲線を合成したF−s曲線CU3の荷重は、反力低下領域R11の存在により、図33(b)に示す比較例よりも低くなる。これにより、自動車の衝突試験を行う際に乗員頭部の傷害値を低減させることができ、自動車の衝撃発生時に乗員頭部の保護機能を向上させることができる。
以上より、本発明によると、自動車の衝撃発生時に乗員が内装部材に複数の箇所で当たるような場合に衝撃吸収性能を向上させることが可能な車両用衝撃吸収構造体を提供することができる。
[実施例]
以下、第一の実施形態の実施例を示して具体的に本発明を説明するが、本発明は実施例により限定されるものではない。
[試験方法]
米国連邦自動車安全基準(FMVSS;Federal Motor Vehicle Safety Standards)201(U)に規定された試験方法に従い、衝撃吸収構造体サンプルの変位s及び応答荷重Fを測定し、荷重−変位曲線を得た。具体的には、図7の模式図に示したように、仰角50°で傾斜させた剛体PL1に設置した衝撃吸収構造体サンプルS1に対して質量4.54kgのフリーモーションヘッドフォーム(FMH)と呼ばれるダミー人形の頭部を24km/hの速度で衝突させたときの荷重−変位曲線を得た。
試験で使用した衝撃吸収構造体サンプル1は、図3で示したように、シート状の基部11に対して衝撃吸収部10が4×4列で等間隔に配列された形状とし、ポリプロピレンを射出成形することによって一体的に成形した。ここで、基部11を100×100mmの略正方形とし、基部11及び衝撃吸収部10の厚みを0.75mmとし、衝撃吸収部10の上底部10bの直径を10mmとし、衝撃吸収部10の高さHを14mmとし、各衝撃吸収部10の中心間距離を25mmとした。
衝撃吸収構造体サンプルS1として、スリット高さh、スリット幅、スリット本数、スリット形状、及び、シャルピー衝撃強さを変化させた実施例1〜13のサンプルと、比較例1〜3のサンプルとを準備した。各実施例及び各比較例のスリット高さ、スリット幅、スリット本数、スリット形状、及び、シャルピー衝撃強さを表1に示す。なお、比較例1ではスリットを形成せず、比較例2ではスリットを上底部10bの縁部10eから側面部10aの途中高さまで形成し、比較例3はスリット12aを衝撃吸収部10の高さHと同じ高さまで形成している。
Figure 2009196629
[スリット高さhについて]
図8は、衝撃吸収部の側面部に形成されたスリットの高さhを変えた実施例1〜5及び比較例3の衝撃試験により得られた荷重−変位曲線を示す図である。
スリット高さhが最も低い実施例1(h/Hが1/2)では、反力低下領域における荷重低下が3kN付近で停滞している。また、スリット高さhが徐々に高くなると、最大初期荷重は次第に増加していく。また、スリット高さhを徐々に高くしていくと、反力低下領域において荷重の低下量が大きくなる。なお、スリット高さhが14mmである比較例3では、最大初期荷重が実施例1〜5に比べて大きく低下し、且つ、最大初期荷重の低下後に再度荷重が増加する領域が現れた。
すなわち、スリット高さhが衝撃吸収部の高さHの4/7以上になると、荷重−変位曲線において、最大初期荷重の値が適度に大きくなって衝撃エネルギーの吸収量が多くなり、反力低下領域での荷重の低下量が適度に大きくなって乗員に負荷される反力が小さくなる。一方、スリット高さhが衝撃吸収部の高さHの6/7以下になると、最大初期荷重が適度に大きくなって衝撃エネルギーの吸収量が多くなり、乗員に負荷される反力が小さくなる。
以上より、スリット高さhは、(4/7)H以上、(6/7)H以下が好適であることが判った。
[スリット幅について]
図9は、スリット幅を変えた実施例4,6とスリットを形成していない比較例1との衝撃試験により得られた荷重−変位曲線を示す図である。
比較例1では、衝撃吸収部10の破壊による反力低下領域が現れない。一方、スリット幅を2mmとした実施例4では、変位初期で最大初期荷重が現れた後、荷重が低下する反力低下領域も現れるため、良好な波形曲線となっている。また、スリット幅を4mmとした実施例6では、実施例4と比べて変位初期の最大初期荷重が低下するものの、反力低下領域が現れる波形曲線となっている。
すなわち、スリット幅が2mm以上であれば、最大初期荷重発生後に衝撃吸収部10の破壊が起こりやすくなり乗員に負荷する反力を低減させることができる。また、スリット幅が2mm以上、4mm以下であれば、荷重−変位曲線の最大初期荷重の値が適度に高くて衝撃エネルギーを吸収する量が多く、乗員に与える反力を低減させることもできる。
以上により、反力低下領域を得るためにはスリット幅を2〜4mmとすることが好適であり、衝撃エネルギーをより吸収するためにはスリット幅を2mmに近くすることが好ましいことが判った。
[スリットの本数について]
図10は、スリットの本数を変えた実施例4,7,8,9とスリットを形成していない比較例1との衝撃試験により得られた荷重−変位曲線を示す図である。
スリットの本数を1、2、3、4本で形成した実施例4、7、8、9の各荷重−変位曲線では、最大初期荷重の発生後、反力低下領域が現れている。一方、スリットを形成していない比較例1では、最大初期荷重の発生後に反力低下領域が現れなかった。
以上より、スリットの本数は2本〜4本であることが好適であることが判った。
[スリットの位置について]
図11は、比較例2と実施例3との衝撃試験により得られた荷重−変位曲線を示す図である。ここで、実施例3のサンプルは、衝撃吸収部の下底部の縁部10fから上底部の縁部10eへ向かう途中まで高さ9mmのスリットを形成している。一方、比較例2のサンプルは、衝撃吸収部の上底部の縁部10eから下底部の縁部10fへ向かう途中まで高さ9mmのスリットを形成している。
比較例2では、変位初期における最大初期荷重の値が実施例3に比べて低く、最大初期荷重の低下後に再び荷重が増加する小さなピークが現れ、実施例3と比較して底付き状態への移行も早かった。一方、実施例3では、比較例2と比較して、最大初期荷重の発生後、反力低下領域が現れ、荷重−変位曲線の山と谷も比較例2よりも大きくなっている。
以上より、スリットは、上底部の縁部10eからではなく、下底部の縁部10fから形成することが好ましいことが判った。これは、以下の理由によると推察される。
衝撃吸収部10の外形は錐台形状であるため、比較例2の場合、スリットを形成した上底部10b側は下底部10c側に比べて断面二次モーメントが低くなり、上底部側が低荷重で破壊し易くなっている。スリットを形成していない下底部側は、断面二次モーメントが大きく縦横のアスペクト比が小さいため潰れにくく、底付き状態への移行が早くなる。一方、実施例3の場合、比較的径の大きい下底部10c側にスリットが形成されているため、変位初期では衝撃吸収部全体で荷重を受け止め、最大初期荷重が発生した後には衝撃吸収部のほぼ全体が破壊して底付き状態への移行がより高変位側となる。このようなことから、スリットを下底部の縁部から形成した方が上底部の縁部から形成するよりも良好な衝撃吸収性能が得られると推察される。
[シャルピー衝撃強さについて]
図12は、JIS K7111-1に規定されたシャルピー衝撃強さを異ならせた実施例4,10,11の衝撃試験により得られた荷重−変位曲線を示した図である。
シャルピー衝撃強さが4.5J/m2の実施例4、及び、シャルピー衝撃強さが7.1J/m2の実施例10で良好な最大初期荷重及び反力低下領域が現れた。一方、シャルピー衝撃強さが24J/m2の実施例11では、最大初期荷重が他の実施例に比べて低く、反力低下領域における荷重の減少量も少ない曲線となった。
以上より、シャルピー衝撃強さは、7.1J/m2以下であることが好ましく、4.5J/m2以下であることがよリ好ましいことが判った。
[スリットの向きについて]
図13は、実施例4,12,13のスリットの向きを説明するための図である。実施例4は、スリット12aを基部11に対して略垂直に形成している。実施例12は、スリット12aを基部11に対して斜めに形成するとともに、相対向する2本のスリットの傾斜方向を一致させて形成している(図中では、斜め1と記載)。また、実施例13は、スリット12aを基部11に対して斜めに形成するとともに、相対向する2本のスリットの傾斜方向が一致しないよう形成している(図中では、斜め2と記載)。
図14は、実施例4,12,13の衝撃試験により得られた荷重−変位曲線を表わした図である。実施例4は、実施例12,13に比べて最大初期荷重の値が高く、その後の荷重も右肩下がりに減少している。一方、実施例12では、最大初期荷重は実施例4より小さく、その後、荷重は一端減少するがすぐに増加に転じている。また、実施例13では、最大初期荷重の値は最も小さく、その後、荷重の値は増減を繰り返し、底付きを迎えている。
以上より、衝撃吸収部に形成するスリットの向きは、基部11に対して略垂直であることが好ましいことが判った。
(2)第二の実施形態:
図15は第二の実施形態に係る車両用衝撃吸収構造体2の外観を示す斜視図、図16は衝撃吸収構造体2の平面図、図17は自動車の要部を前後方向と平行な垂直断面にて例示する要部断面図、図18は自動車の要部を車幅方向と平行な垂直断面にて例示する要部断面図、である。
本衝撃吸収構造体2の複数の衝撃吸収部は、複数の第一の衝撃吸収部110と、該第一の衝撃吸収部110と高さの異なる複数の第二の衝撃吸収部120とを含んでいる。また、衝撃吸収構造体2の複数の衝撃吸収部110,120は、複数の第一の衝撃吸収部110からなる第一の領域R1と、複数の第二の衝撃吸収部120からなる第二の領域R2とが組み合わされて構成されている。各衝撃吸収部110,120は、カップ状に形成され、広径側の面(下底部110c,120c)が開口する一方で狭径側の面(上底部110b,120b)が閉じ、衝撃入力時に割れを誘起させる線状の誘起部位112,122が側面部110a,120aにおいて広径側の縁部110f,120fから狭径側の縁部110e,120eへ向かう途中まで形成されている。これらの衝撃吸収部110,120を連結部101が広径側の縁部110f,120fで連結している。
本衝撃吸収構造体2は、車幅方向D2に3個、自動車の前後方向D1に7個となる計21個の衝撃吸収部110,120を有している。ここで、最前列の3個と最後列の3個が第二の領域R2の衝撃吸収部120とされ、第二の領域R2に挟まれた15個が第一の領域R1の衝撃吸収部110とされている。また、第一の衝撃吸収部110の高さH1は、第二の衝撃吸収部120の高さH2よりも低くされている。衝撃吸収部110,120の高さの差H2−H1は、例えば、5mm以上とすることができる。
誘起部位112,122は、第一の実施形態と同様のスリットとされ、衝撃吸収部の側面部110a,120aに対して4本形成されている。むろん、各衝撃吸収部に形成するスリットの数は、4本以外でもよい。各スリット112の高さは(4/7)H1以上(6/7)H1以下が好ましく、各スリット122の高さは(4/7)H2以上(6/7)H2以下が好ましい。
本実施形態の連結部101は、各衝撃吸収部の下底部の縁部110f,120fから前後方向D1及び車幅方向D2に対して略45°ずれた方向に向かって突出して該方向の衝撃吸収部110,120同士を架橋している。また、該方向に突出した架橋部同士が交差し、交差した部位の前後及び左右に衝撃吸収部110,120が存在する箇所の連結部101が十字状に形成されている。衝撃吸収部110,120同士を架橋部で連結することによって、衝撃吸収構造体の曲げ性能が向上し、ルーフライナ内装材やルーフパネル等の湾曲部分に衝撃吸収構造体を貼り付ける場合でも容易に衝撃吸収構造体を湾曲部位に追従させることができる。また、内装部材や車体パネルへの接着面を多くするため、最外列の衝撃吸収部110,120から外方へ突出した架橋部の先端部に略円形の膨出部101aを形成している。そして、膨出部101aを有する連結部101を接着剤で内装部材20の裏面に接着する等して、衝撃吸収構造体2を内装部材20に取り付けている。むろん、連結部101を車体パネル40の車室側の面に接着する等して、衝撃吸収構造体2を車体パネル40に取り付けてもよい。
衝撃吸収構造体2を形成する材料は、第一の実施形態で示した材料を用いることができる。衝撃吸収構造体2の厚み等の諸元も、第一の実施形態と同様である。
衝撃吸収構造体2は、第一の実施形態の衝撃吸収構造体1も含めて、例えば、ルーフライナ内装材21の裏面において、車幅方向D2の縁部近くに配置される。この場合、例えば、自動車の上部コーナー部から乗員室内側へ一定間隔をおいた位置に衝撃吸収構造体2が配置される。ルーフライナ内装材の中央付近であれば、ルーフパネルの可撓性が比較的大きいため、乗員頭部の傷害値が大きくなり難い。また、車室の側面部は、自動車の衝撃発生時にカーテンエアバッグが展開して乗員を保護する。しかし、自動車の上部コーナー部は、カーテンエアバッグの展開ガイド部材、アシストグリップ、コートフック、ピラーパネルと内装部材との結合部材、等の比較的硬質な構成部品が車体パネルに組み付けられ、該構成部品が配置されている箇所の内装部材に乗員の顎部が衝撃発生時に当たることがある。図18には、衝撃試験時に乗員ダミー人形FMHの顎が当たる箇所のピラーガーニッシュ内装材22の裏側で構成部品42がピラー40bに取り付けられていることが例示されている。図示の構成部品42は、図17に示すように、第一の領域R1の衝撃吸収部110から車幅方向外側となる箇所に設けられている。
以上より、乗員の額部分に入力される荷重に加えて顎部分に入力される荷重が合成され、乗員頭部の傷害値が比較的大きくなる傾向がある。
そこで、図18に例示するように、ピラーガーニッシュ内装材22付近のルーフライナ内装材21の裏面に配置される衝撃吸収構造体2を車幅方向D2の縁部から乗員室内側へ一定間隔をおいた位置としている。むろん、ピラーガーニッシュ内装材22から離れた箇所のルーフライナ内装材21の裏面に衝撃吸収構造体を配置してもよいし、ルーフライナ内装材21の前後方向D1の縁部に対して長手方向を車幅方向D2に向けて衝撃吸収構造体を配置してもよいし、ルーフライナ内装材21の四隅の部分に対してL字状の衝撃吸収構造体を配置してもよい。
また、該衝撃吸収構造体2は、車幅方向D2よりも前後方向D1の方が長くされる。衝撃吸収構造体2は、自動車の前後方向D1にわたって一体的に成形されたものでもよいが、成形上の都合により前後方向D1にわたって何個かに分割して成形されてもよい。車幅方向D2の衝撃吸収部110,120の数は、3個以外にも、2個、4個、等でもよい。
本実施形態の衝撃吸収構造体2は、図17,18に示すように、車体パネル40と内装部材20との隙間SP2に配置されたリンフォース41に合わせて衝撃吸収部110,120の高さを異ならせている。リンフォース41は、車体を補強するため車体パネル40に取り付けられる長尺な金属製の部材であり、図17,18の例では長手方向を車幅方向D2に向けてルーフパネル40aに取り付けられている。衝撃吸収構造体2の前縁部及び後縁部となる第二の領域R2の衝撃吸収部120は、連結部101とリンフォース41との間隔よりも高くなっている。そこで、リンフォース41に対向する第一の領域R1の衝撃吸収部110を第二の衝撃吸収部120よりも低くしている。
なお、第一の衝撃吸収部110の高さH1は、リンフォース41に接触しない高さでもよいし、接触する高さでもよい。また、第二の衝撃吸収部120の高さH2は、車体パネルに接触しない高さでもよいし、接触する高さでもよい。
また、リンフォース以外の構成部品に対向する箇所に設置される衝撃吸収構造体についても、内装部材に向かって凸とされた構成部品に対向する第一の領域に比較的低い衝撃吸収部を配置し、残りの領域に比較的高い衝撃吸収部を配置すればよい。
なお、上述した衝撃吸収構造体2を形成する材料のシャルピー衝撃強さは、第一の実施形態で示した理由により、1.0J/m2以上7.1J/m2以下が好ましく、1.5J/m2以上6.0J/m2以下がより好ましい。
以上説明したように、高さの異なる衝撃吸収部を組み合わせることによって、リンフォースや構成部品を避けて、任意のスペースを埋めることが可能となる。従って、衝撃吸収構造体の設置場所について、自由度が高められる。
図19は、図18に示す自動車で衝撃試験を行うときに乗員ダミー人形FMHの頭部へ加わる荷重Fの変化を例示している。ここで、横軸は、乗員ダミー人形FMHの額が内装部材20に当たった時点を変位s=0としたときの乗員ダミー人形FMHの変位sを示している。縦軸は、乗員ダミー人形FMHの頭部に入力される荷重Fを示している。
図18の矢印D11の方向へ移動してきた乗員ダミー人形FMHの額がルーフライナ内装材21に当たると、衝撃吸収部110,120に圧縮荷重が作用し、最大初期荷重となるまで反力Fが増加する。その後、誘起部位112,122を起点として側面部110a,120aに割れが発生し、衝撃吸収部110,120が壊され、反力が低下する反力低下領域R11が生じる。図19では、乗員ダミー人形FMHの額に入力される荷重F11を荷重−変位曲線CU11で示している。
また、額の接触に遅れて乗員ダミー人形FMHの顎がピラーガーニッシュ内装材22等の内装部材20に当たると、構成部品42に圧縮荷重が作用し、反力Fが増加する。図19では、乗員ダミー人形FMHの顎に入力される荷重F12を荷重−変位曲線CU12で示している。
乗員ダミー人形FMHの頭部に入力される荷重Fは、ほぼ、荷重−変位曲線CU11で表される荷重F11と荷重−変位曲線CU12で表される荷重F12との合計となる。図19では、合計荷重Fの変化を破線の荷重−変位曲線CU13で示している。図19に示すように、衝撃吸収部110,120による荷重−変位曲線CU11に反力低下領域R11があるため、頭部に入力される荷重F11が最大初期荷重となった後の合成荷重Fの曲線CU13の増加が抑えられる。従って、本衝撃吸収構造体2によっても、乗員頭部の傷害値を低減させることができ、自動車の衝撃発生時に内装部材に対する乗員の接触が複数段階となるような場合に衝撃吸収性能を向上させることが可能となる。
また、乗員の額と顎とがほぼ同じタイミングで内装部材に当たるような場合にも、本衝撃吸収構造体2を使用することができる。
図20は自動車の要部を前後方向と平行な垂直断面にて例示する要部断面図、図21は自動車の要部を車幅方向と平行な垂直断面にて例示する要部断面図、である。
図20に示す衝撃吸収構造体2は、リンフォース等の構成部品の無い場所で車体パネル40と内装部材20との隙間SP2に配置されている。これにより、比較的低い第一の衝撃吸収部110と車体パネル40との間に隙間SP3が形成されている。図21には、衝撃試験時に乗員ダミー人形FMHの顎が当たる箇所のピラーガーニッシュ内装材22の裏側で構成部品42がピラー40bに取り付けられていることが例示されている。図示の構成部品42は、図20に示すように、第一の領域R1の衝撃吸収部110から車幅方向外側となる箇所に設けられている。
衝撃試験時に乗員ダミー人形FMHの顎が内装部材20に当たるのと同じタイミングで額が内装部材20に当たるような場合、比較的低い衝撃吸収部とルーフパネルとの間に隙間SP3を生じるように衝撃吸収構造体を配置することによって、額部分からの荷重入力を顎部分からの荷重入力から遅らせることができる。
図22は、図21に示す自動車で衝撃試験を行うときに乗員ダミー人形FMHの頭部へ加わる荷重Fの変化を例示している。横軸及び縦軸は、図19と同様である。
図21の矢印D12の方向へ移動してきた乗員ダミー人形FMHの額及び顎がほぼ同時に内装部材20に当たると、衝撃吸収構造体2については先に比較的高い第二の衝撃吸収部120に圧縮荷重が作用し、遅れて比較的低い第一の衝撃吸収部110に圧縮荷重が作用する。その結果、乗員ダミー人形FMHの額に入力される荷重F11の曲線CU21は、図19の曲線CU11と比べて、最大初期荷重が低くなり、ピークがなだらかとなる。
また、構成部品42に圧縮荷重が作用することにより乗員ダミー人形FMHの顎に入力される荷重F12の曲線CU22は、曲線CU21よりも早く立ち上がる。
乗員ダミー人形FMHの頭部に入力される荷重Fは、ほぼ、荷重−変位曲線CU21で表される荷重F11と荷重−変位曲線CU22で表される荷重F12との合計となる。図22では、合計荷重Fの変化を破線の荷重−変位曲線CU23で示している。図22に示すように、衝撃吸収構造体2による荷重−変位曲線CU21の立ち上がりが構成部品42による荷重−変位曲線CU22の立ち上がりよりも遅いため、乗員ダミー人形FMHの頭部に加わる荷重を低く維持することができる。従って、本衝撃吸収構造体2によっても、乗員頭部の傷害値を低減させることができ、自動車の衝撃発生時に乗員が内装部材に複数の箇所で当たるような場合に衝撃吸収性能を向上させることが可能となる。
なお、第一の領域R1及び第二の領域R2を有する衝撃吸収構造体は、様々な変形例が考えられる。
図23に示す車両用衝撃吸収構造体3は、複数の衝撃吸収部110,120が車幅方向D2の途中で第一の領域R1と第二の領域R2とに分けられている。第一の領域R1の衝撃吸収部110は、リンフォース等の構成部品に対向する箇所に配置されてもよいし、車体パネル40との間に隙間(SP3)を確保するように配置されてもよい。本衝撃吸収構造体3によっても、自動車の衝撃発生時に乗員が内装部材に複数の箇所で当たるような場合に衝撃吸収性能を向上させることが可能となる。
(3)第三の実施形態:
図24は第三の実施形態に係る車両用衝撃吸収構造体4の外観を示す斜視図、図25は自動車の要部を前後方向と平行な垂直断面にて例示する要部断面図、である。
本衝撃吸収構造体4の複数の衝撃吸収部も、複数の第一の衝撃吸収部110と、該第一の衝撃吸収部110と高さの異なる複数の第二の衝撃吸収部120とを含んでいる。ここで、各第一の衝撃吸収部110は、カップ状に形成され、広径側の面(下底部110c)が開口する一方で狭径側の面(上底部110b)が閉じている。しかし、第一の衝撃吸収部110には、衝撃入力時に割れを誘起させる誘起部位が形成されていない。各第二の衝撃吸収部120は、第一の衝撃吸収部110と高さの異なるカップ状に形成され、広径側の面(下底部120c)が開口する一方で狭径側の面(上底部120b)が閉じ、衝撃入力時に割れを誘起させる線状の誘起部位122が側面部120aにおいて広径側の縁部120fから狭径側の縁部120eへ向かう途中まで形成されている。衝撃吸収構造体4の複数の衝撃吸収部110,120は、複数の第一の衝撃吸収部110からなる第一の領域R1と、複数の第二の衝撃吸収部120からなる第二の領域R2とが組み合わされて構成されている。
これらの衝撃吸収部110,120は、広径側の縁部110f,120fで連結部101により連結されている。
本衝撃吸収構造体4は、最前列の3個と最後列の3個が誘起部位122を有する第二の衝撃吸収部120とされ、第二の領域R2に挟まれた9個が誘起部位の無い第一の衝撃吸収部110とされている。また、第一の衝撃吸収部110の高さH1は、第二の衝撃吸収部120の高さH2よりも低くされている。高さの差H2−H1は、例えば、5mm以上とすることができる。誘起部位122は、第一及び第二の実施形態と同様のスリットとされ、衝撃吸収部の側面部120aに対して2本形成されている。各スリット122の高さは、(4/7)H2以上(6/7)H2以下が好ましい。連結部101は、膨出部101aが無いことを除いて第二の実施形態と同様の構造とされている。むろん、連結部101に膨出部101aを設けてもよい。衝撃吸収構造体4を形成する材料は、第一の実施形態で示した材料を用いることができる。衝撃吸収構造体4の厚み等の諸元も、第一の実施形態と同様である。
本衝撃吸収構造体4は、圧縮荷重に対して展開ガイド部材等の構成部品42のストロークが大きくて底付きが遅く、構成部品42が配置されている箇所の内装部材に乗員の顎部が衝撃発生時に当たり、かつ、乗員の額と顎とがほぼ同じタイミングで内装部材に当たるような場合に使用すると好適である。
図25に示す衝撃吸収構造体4は、リンフォース等の構成部品の無い場所で車体パネル40と内装部材20との隙間SP2に配置されている。構成部品42は、第一の領域R1の衝撃吸収部110から車幅方向外側となる箇所に設けられている。
図26は、図25に示す自動車で衝撃試験を行うときに乗員ダミー人形FMHの頭部へ加わる荷重Fの変化を例示している。横軸及び縦軸は、図19と同様である。
乗員ダミー人形FMHの額及び顎がほぼ同時に内装部材20に当たると、構成部品42に圧縮荷重が作用することにより乗員ダミー人形FMHの顎に入力される荷重F12の曲線CU32は、最大初期荷重となった後に荷重が下がる曲線となる。一方、衝撃吸収構造体4については先にスリット122の有る第二の衝撃吸収部120に圧縮荷重が作用し、遅れてスリットの無い第一の衝撃吸収部110に圧縮荷重が作用する。比較的低い衝撃吸収部110に誘起部位が無いため、乗員ダミー人形FMHの額に入力される荷重F11の曲線CU31は、最大初期荷重となった後に略一定の荷重となる領域が現れる。
乗員ダミー人形FMHの頭部に入力される荷重Fは、ほぼ、荷重−変位曲線CU31で表される荷重F11と荷重−変位曲線CU32で表される荷重F12との合計となる。図26では、合計荷重Fの変化を破線の荷重−変位曲線CU33で示している。図26に示すように、構成部品42による荷重−変位曲線CU32で荷重が低下したときに衝撃吸収構造体4による荷重−変位曲線CU31で最大初期荷重となった後に略一定の荷重となるので、乗員ダミー人形FMHの頭部に加わる荷重を長く略一定に保つことができる。従って、本衝撃吸収構造体4により、乗員頭部の傷害値を低減させることができ、自動車の衝撃発生時に乗員が内装部材に複数の箇所で当たるような場合に衝撃吸収性能を向上させることが可能となる。
なお、第二の衝撃吸収部120をシャルピー衝撃強さが7.1J/m2以下の樹脂材料で形成すれば、第二の衝撃吸収部120に誘起部位が無くても似たような効果が得られる。
また、第一の衝撃吸収部110をシャルピー衝撃強さaR1が7.2J/m2以上の樹脂材料で形成し、第二の衝撃吸収部120をシャルピー衝撃強さaR2が1.0〜7.1J/m2(より好ましくは1.5〜6.0J/m2)の樹脂材料で形成してもよい。
(4)第四の実施形態:
図27は第四の実施形態に係る車両用衝撃吸収構造体5の外観を示す斜視図である。
本衝撃吸収構造体5の複数の衝撃吸収部も、複数の第一の衝撃吸収部110と、該第一の衝撃吸収部110と高さの異なる複数の第二の衝撃吸収部120とを含んでいる。しかし、第三の実施形態と異なり、衝撃入力時に割れを誘起させる誘起部位の無い第一の衝撃吸収部110が比較的高く、誘起部位122を有する第二の衝撃吸収部120が比較的低くされている。また、複数の第一の衝撃吸収部110からなる第一の領域R1が最前列及び最後列に配置され、複数の第二の衝撃吸収部120からなる第二の領域R2が第一の領域R1に挟まれて配置されている。その他は、第三の実施形態と同様である。衝撃吸収構造体5の設置位置も、図25で示した衝撃吸収構造体4と同様である。
本衝撃吸収構造体5は、圧縮荷重に対して構成部品42のストロークが小さくて底付きが早く、構成部品42が配置されている箇所の内装部材に乗員の顎部が衝撃発生時に当たり、かつ、乗員の額と顎とがほぼ同じタイミングで内装部材に当たるような場合に使用すると好適である。
図28は、衝撃吸収構造体5を設置した自動車で衝撃試験を行うときに乗員ダミー人形FMHの頭部へ加わる荷重Fの変化を例示している。横軸及び縦軸は、図19と同様である。
乗員ダミー人形FMHの額及び顎がほぼ同時に内装部材20に当たると、構成部品42に圧縮荷重が作用することにより乗員ダミー人形FMHの顎に入力される荷重F12の曲線CU42は、最大初期荷重となった後に荷重が下がり、その後荷重が上昇して底付きとなる曲線となる。一方、衝撃吸収構造体4については先にスリット122の無い第一の衝撃吸収部110に圧縮荷重が作用し、遅れてスリットの有る第二の衝撃吸収部120に圧縮荷重が作用する。比較的低い衝撃吸収部110に誘起部位が有るため、乗員ダミー人形FMHの額に入力される荷重F11の曲線CU41は、最大初期荷重となった後に荷重が低下する反力低下領域が現れる。
乗員ダミー人形FMHの頭部に入力される荷重Fは、ほぼ、荷重−変位曲線CU41で表される荷重F11と荷重−変位曲線CU42で表される荷重F12との合計となる。図28では、合計荷重Fの変化を破線の荷重−変位曲線CU43で示している。図28に示すように、構成部品42による荷重−変位曲線CU42で荷重が低下したときに衝撃吸収構造体5による荷重−変位曲線CU41で最大初期荷重となり、その後、曲線CU41の荷重が低下するので、合成荷重の底付きを遅らせることができる。従って、本衝撃吸収構造体4により、乗員頭部の傷害値を低減させることができ、自動車の衝撃発生時に乗員が内装部材に複数の箇所で当たるような場合に衝撃吸収性能を向上させることが可能となる。
なお、第一の衝撃吸収部110をシャルピー衝撃強さaR1が7.2J/m2以上の樹脂材料で形成し、第二の衝撃吸収部120をシャルピー衝撃強さaR2が1.0〜7.1J/m2(より好ましくは1.5〜6.0J/m2)の樹脂材料で形成してもよい。
(5)第五の実施形態:
図29は第五の実施形態に係る車両用衝撃吸収構造体6の外観を示す斜視図である。
本衝撃吸収構造体6の複数の衝撃吸収部も、複数の第一の衝撃吸収部110と、該第一の衝撃吸収部110と高さの異なる複数の第二の衝撃吸収部120とを含んでいる。各衝撃吸収部110,120には、衝撃入力時に割れを誘起させる誘起部位112,122が形成されている。誘起部位112,122は、第一の実施形態と同様のスリットとされ、衝撃吸収部の側面部110a,120aに対して2本形成されている。ここで、第一の衝撃吸収部110は、JIS K7111-1に規定されるシャルピー衝撃強さaR1が7.2J/m2以上の樹脂材料(エラストマーを含む)で形成されている。第二の衝撃吸収部120は、JIS K7111-1に規定されるシャルピー衝撃強さaR2が1.0J/m2以上(より好ましくは1.5J/m2以上)、7.1J/m2以下(より好ましくは6.0J/m2以下)の樹脂材料(エラストマーを含む)で形成されている。その他は、第三の実施形態と同様である。衝撃吸収構造体6の設置位置も、図25で示した衝撃吸収構造体4と同様である。
なお、衝撃吸収構造体6は、2色成形により一体成形することができる。
本実施形態では、衝撃試験を行うと、図26で示したように乗員ダミー人形FMHの頭部へ加わる荷重Fが変化する。すなわち、乗員ダミー人形FMHの額及び顎がほぼ同時に内装部材20に当たると、衝撃吸収構造体6については先に比較的割れ易い第二の衝撃吸収部120に圧縮荷重が作用し、遅れて比較的割れ難い第一の衝撃吸収部110に圧縮荷重が作用する。比較的低い衝撃吸収部110が割れ難いため、乗員ダミー人形FMHの額に入力される荷重F11の曲線CU31は、最大初期荷重となった後に略一定の荷重となる領域が現れる。構成部品42による荷重−変位曲線CU32で荷重が低下したときに衝撃吸収構造体6による荷重−変位曲線CU31で最大初期荷重となった後に略一定の荷重となるので、乗員ダミー人形FMHの頭部に加わる荷重を長く略一定に保つことができる。従って、本衝撃吸収構造体6により、衝撃発生時に乗員が内装部材に複数の箇所で当たるような場合に衝撃吸収性能を向上させることが可能となる。
(6)第六の実施形態:
図30は第六の実施形態に係る車両用衝撃吸収構造体7の外観を示す斜視図である。
本衝撃吸収構造体7の複数の衝撃吸収部も、複数の第一の衝撃吸収部110と、該第一の衝撃吸収部110と高さの異なる複数の第二の衝撃吸収部120とを含んでいる。しかし、第五の実施形態と異なり、シャルピー衝撃強さaR1が7.2J/m2以上の樹脂材料で形成された第一の衝撃吸収部110が比較的高く、シャルピー衝撃強さaR2が1.0〜7.1J/m2(より好ましくは1.5〜6.0J/m2)の樹脂材料で形成された第二の衝撃吸収部120が比較的低くされている。また、複数の第一の衝撃吸収部110からなる第一の領域R1が最前列及び最後列に配置され、複数の第二の衝撃吸収部120からなる第二の領域R2が第一の領域R1に挟まれて配置されている。その他は、第五の実施形態と同様である。衝撃吸収構造体7の設置位置も、図25で示した衝撃吸収構造体4と同様である。
本実施形態では、衝撃試験を行うと、図28で示したように乗員ダミー人形FMHの頭部へ加わる荷重Fが変化する。すなわち、乗員ダミー人形FMHの額及び顎がほぼ同時に内装部材20に当たると、衝撃吸収構造体7については先に比較的割れ難い第一の衝撃吸収部110に圧縮荷重が作用し、遅れて比較的割れ易い第二の衝撃吸収部120に圧縮荷重が作用する。比較的低い衝撃吸収部110が割れ易いため、乗員ダミー人形FMHの額に入力される荷重F11の曲線CU41は、最大初期荷重となった後に荷重が低下する反力低下領域が現れる。構成部品42による荷重−変位曲線CU42で荷重が低下したときに衝撃吸収構造体7による荷重−変位曲線CU41で最大初期荷重となり、その後、曲線CU41の荷重が低下するので、合成荷重の底付きを遅らせることができる。従って、本衝撃吸収構造体7により、衝撃発生時に乗員が内装部材に複数の箇所で当たるような場合に衝撃吸収性能を向上させることが可能となる。
なお、第三〜第六の実施形態より、本発明は、車体パネルと内装部材との間に設置される衝撃吸収構造体であって、
カップ状に形成され、広径側の面が開口する一方で狭径側の面が閉じ、JIS K7111-1に規定されるシャルピー衝撃強さが7.2J/m2以上の樹脂材料(エラストマーを含む)で形成された複数の第一の衝撃吸収部と、
該第一の衝撃吸収部と高さの異なるカップ状に形成され、広径側の面が開口する一方で狭径側の面が閉じ、JIS K7111-1に規定されるシャルピー衝撃強さが1.0J/m2以上、7.1J/m2以下の樹脂材料(エラストマーを含む)で形成された複数の第二の衝撃吸収部と、
前記複数の第一の衝撃吸収部及び前記複数の第二の衝撃吸収部を広径側の縁部で連結する連結部とを具備する側面を有する。
上記衝撃吸収構造体に衝撃が入力されるとき、比較的割れやすい複数の第二の衝撃吸収部が変位の初期で荷重を発生させた後に割れる傾向がある。衝撃入力時に複数の第二の衝撃吸収部が割れると、変位初期の荷重を発生させた後の荷重が小さくなる。また、第一の衝撃吸収部と第二の衝撃吸収部とは高さが異なるので、変位初期の荷重の発生タイミングが異なる。
以上により、衝撃発生時に乗員が内装部材に複数の箇所で当たるような場合に衝撃吸収性能を向上させることができる。
(7)第七の実施形態:
図31は、第七の実施形態に係る車両用衝撃吸収構造体8を取り付けた自動車の要部を前後方向と平行な垂直断面にて例示している。本自動車は、衝撃試験時に乗員ダミー人形FMHの顎が当たる箇所のピラーガーニッシュ内装材22の裏側で構成部品42がピラー40bに取り付けられていることが例示されている。
本衝撃吸収構造体8は、最前列の3個と最後列の3個が最も高い第二の領域R2の衝撃吸収部120とされ、第二の領域R2に挟まれた15個が第一の衝撃吸収部110とされている。ここで、構成部品42から車幅方向内側となる箇所の第一の衝撃吸収部110Aが最も低く、該衝撃吸収部110Aから前後の第二の衝撃吸収部120に向かって配置された第一の衝撃吸収部110B,110Cが徐々に高くなっている。その他は、第二の実施形態と同様である。
衝撃試験時に乗員ダミー人形の額がルーフライナ内装材21等の内装部材20に当たるとき、内装部材の変形は額が当たる箇所が最も大きい。本衝撃吸収構造体8は、乗員ダミー人形の額が当たる箇所の内装部材の裏側に配置された第一の衝撃吸収部110Aが最も低く、該衝撃吸収部110Aを中心として各衝撃吸収部110B,110C,120の高さが漸増しているので、衝撃吸収部110A,110B,110C,120と車体パネル40との間の隙間SP3が額の接触により想定される内装部材の車外方向への湾曲に合わせられている。このため、衝撃入力時に各衝撃吸収部110A,110B,110C,120がほぼ同時に衝撃吸収を開始し、各衝撃吸収部の底付きタイミングが近づく。従って、衝撃吸収構造体の衝撃吸収性能を可及的に発揮させることができる。
以上より、本発明は、車体パネルと内装部材との間に設置される衝撃吸収構造体であって、衝撃試験時に乗員ダミー人形が最初に内装部材に当たる箇所である衝突ポイントに対応する衝撃吸収部が最も低く、前記衝突ポイントから離れるに従って衝撃吸収部の高さが漸増した衝撃吸収構造体の側面を有する。
また、本発明は、車体パネルと内装部材との間に衝撃吸収構造体を設置した自動車の衝撃吸収構造であって、衝撃試験時に乗員ダミー人形が最初に内装部材に当たる箇所である衝突ポイントに対応する衝撃吸収部が最も低く、前記衝突ポイントから離れるに従って衝撃吸収部の高さが漸増した衝撃吸収構造体を設置した側面を有する。
さらに、第二〜第七の実施形態より、本発明は、車体パネルと内装部材との間に設置される衝撃吸収構造体であって、
カップ状に形成され、広径側の面が開口する一方で狭径側の面が閉じた複数の衝撃吸収部と、
前記複数の衝撃吸収部を広径側の縁部で連結する連結部とを具備し、
前記複数の衝撃吸収部は、複数の第一の衝撃吸収部と、該第一の衝撃吸収部よりも高い複数の第二の衝撃吸収部とを含み、複数の前記第一の衝撃吸収部からなる内側領域と、該第一の領域を挟む位置に設けられた複数の前記第二の衝撃吸収部からなる外側領域とが組み合わされて構成されている側面を有する。
自動車の衝撃発生時に乗員が内装部材に当たると、該内装部材は乗員の接触ポイントを中心として車外方向へ湾曲する。ここで、衝撃吸収構造体の内側領域の第一の衝撃吸収部が外側領域の第二の衝撃吸収部よりも低いので、第一の衝撃吸収部による荷重の発生タイミングが第二の衝撃吸収部による荷重の発生タイミングに近づけられる。これにより、各衝撃吸収部の底付きタイミングが近づき、衝撃吸収性能が向上する。
(8)変形例:
本発明には様々な変形例が存在する。
衝撃吸収部の形状であるカップ状は、面積の大きい方の底部が開口する一方で面積の小さい方の底部が閉じた中空状の形状を意味する。従って、衝撃吸収部10,110,120の外形は、円錐台形状以外の楕円錐台形状、四角錘台形状等の多角錘台形状、等であってもよい。衝撃吸収部を多角錘台形状で構成する場合は、衝撃吸収部における上底部は面積が小さい方の矩形面となり、下底部は面積が大きい方の矩形面となる。同様に、誘起部位は、上底部と下底部とを結ぶ側面に形成されることとなる。
誘起部位12,112,122は、図32(a)に示すように誘起部位12を、側面部10aを貫通しない溝12bや、図32(b)に示すように側面部10aの一部を該側面部10aの厚みより薄い厚みとした薄肉部12cにより形成するものであってもよい。なお、誘起部位12を溝により形成する際、溝の内壁を側面部10aより薄くする薄肉部とするものであってもよい。
衝撃吸収構造体1〜8を自動車に取り付ける際、衝撃吸収部の上底部が内装部材20に向くように車体パネル40に取り付けてもよい。また、衝撃吸収部の上底部を内装部材20や車体パネル40に取り付けて固定してもよい。衝撃吸収部の上底部も固定すれば、衝撃吸収部に対してある角度を持って荷重が入力される場合であっても、横倒れして衝撃吸収量が低下することを抑止することができ、荷重の入力角度によらず良好な衝撃吸収性能を発揮する衝撃吸収構造を自動車に形成することができる。また、衝撃吸収構造体の固定方法は、接着剤による接着以外にも、クリップ、タッカー、ねじ部品など各種の取付手段によって代替することができる。
衝撃吸収部の線状の誘起部位の向きを、隣接する各衝撃吸収部で異なるように形成してもよい。例えば、各衝撃吸収部10にスリット12aを2本形成する場合、隣接する衝撃吸収部10においてスリット12aを90°ずつ異なる位置に形成してもよい。スリット12aの配向に偏りが生じないように衝撃吸収部10を配列すると、荷重の入力方向が変わっても衝撃吸収性能にばらつきが生じ難くなると推察され、衝撃吸収構造体の衝撃吸収性能が向上すると推察される。
スリット12aは、成形時に形成する他、衝撃吸収構造体を形成した後に切り欠いて形成してもよい。試験の結果、スリット12aの形状を変化させることによって、最大初期荷重の値が変化していく傾向が見られる。このため、所望の衝撃吸収特性、所望の荷重−変位曲線を得るために、衝撃吸収部の材質や板厚を変更することなく、スリット12aの形状を変化させることによって、最大初期荷重の値を調整することが可能となる。これにより、試作段階において、型修正及び新たに型を作製し直すといった工程を低減する等、型作製コスト及び型作製に要する工数を低減させることも可能となる。
なお、本発明は、上述した実施形態や変形例に限られず、上述した実施形態及び変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、公知技術並びに上述した実施形態及び変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、等も含まれる。
自動車の要部を前後方向と平行な垂直断面にて例示する要部断面図である。 衝撃吸収構造体を車体パネルと内装部材との間に配置した状態を例示する要部断面図である。 衝撃吸収構造体の外観を例示する斜視図である。 図3に示す衝撃吸収構造体を破断して示す端面図である。 図3に示す衝撃吸収構造体を衝撃吸収部の一つが含まれるように切り取って示した部分拡大図である。 衝撃吸収構造体を用いて衝撃試験を行うことにより得られる荷重−変位曲線を示す図である。 衝撃試験方法を模式的に示す図である。 スリットの高さhを変えた実施例1〜5及び比較例3の衝撃試験により得られた荷重−変位曲線を示す図である。 スリットの幅を変えた実施例4,6及び比較例1の衝撃試験により得られた荷重−変位曲線を示す図である。 スリットの本数を変えた実施例4,7,8,9及び比較例1の衝撃試験により得られた荷重−変位曲線を示す図である。 比較例2及び実施例3の衝撃試験により得られた荷重−変位曲線を示す図である。 シャルピー衝撃強さの異なる実施例4,10,11の衝撃試験により得られた荷重−変位曲線を示す図である。 実施例4,12,13のスリット形状を説明するための図である。 実施例4,12,13の衝撃試験により得られた荷重−変位曲線を示す図である。 第二の実施形態に係る衝撃吸収構造体の外観を例示する斜視図である。 図15に示す衝撃吸収構造体の平面図である。 自動車の要部を前後方向と平行な垂直断面にて例示する要部断面図である。 自動車の要部を車幅方向と平行な垂直断面にて例示する要部断面図である。 図18に示す自動車で乗員ダミー人形頭部に加わる荷重を例示する図である。 自動車の要部を前後方向と平行な垂直断面にて例示する要部断面図である。 自動車の要部を車幅方向と平行な垂直断面にて例示する要部断面図である。 図21に示す自動車で乗員ダミー人形頭部に加わる荷重を例示する図である。 変形例に係る衝撃吸収構造体の外観を示す斜視図である。 第三の実施形態に係る衝撃吸収構造体の外観を例示する斜視図である。 自動車の要部を前後方向と平行な垂直断面にて例示する要部断面図である。 図25に示す自動車で乗員ダミー人形頭部に加わる荷重を例示する図である。 第四の実施形態に係る衝撃吸収構造体の外観を例示する斜視図である。 図27に示す衝撃吸収構造体を取り付けた自動車で乗員ダミー人形頭部に加わる荷重を例示する図である。 第五の実施形態に係る衝撃吸収構造体の外観を例示する斜視図である。 第六の実施形態に係る衝撃吸収構造体の外観を例示する斜視図である。 第七の実施形態に係る衝撃吸収構造体を取り付けた自動車の要部を前後方向と平行な垂直断面にて例示する要部断面図である。 誘起部位の変形例を説明するための垂直端面図である。 比較例に係る衝撃吸収構造体を用いて衝撃試験を行うことにより得られる荷重−変位曲線を示す図である。
1,2,3,4,5,6,7,8…車両用衝撃吸収構造体、
10…衝撃吸収部、
10a…側面部、10b…上底部(狭径側の面)、10c…下底部(広径側の面)、
10d…湾曲部、10e…狭径側の縁部、10f…広径側の縁部、
11…シート状の基部(連結部)、
12,112,122…線状の誘起部位、
12a…スリット、12b…溝、12c…薄肉部、
20…内装部材、21…ルーフライナ内装材、22…ピラーガーニッシュ内装材、
40…車体パネル、40a…ルーフパネル、40b…ピラー、
41…リンフォース、42…構成部品、
101…連結部、101a…膨出部、
110…第一の衝撃吸収部、120…第二の衝撃吸収部、
AU1…自動車、D1…前後方向、D2…車幅方向、
R1…第一の領域、R2…第二の領域、R11…反力低下領域、
SP1…車室、SP2,SP3…隙間

Claims (8)

  1. 車体パネルと該車体パネルよりも車室側の内装部材との間に設置される車両用衝撃吸収構造体であって、
    カップ状に形成され、広径側の面が開口する一方で狭径側の面が閉じ、衝撃入力時に割れを誘起させる線状の誘起部位が側面部において広径側の縁部から狭径側の縁部へ向かう途中まで形成された複数の衝撃吸収部と、
    該複数の衝撃吸収部を広径側の縁部で連結する連結部とを具備することを特徴とする車両用衝撃吸収構造体。
  2. 前記衝撃吸収部は、JIS K7111-1に規定されるシャルピー衝撃強さが1.0J/m2以上、7.1J/m2以下の樹脂材料(エラストマーを含む)で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用衝撃吸収構造体。
  3. 前記誘起部位は、前記衝撃吸収部の側面部において前記広径側の縁部から前記狭径側の縁部に向かう途中まで直線状に延びるスリットとされていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用衝撃吸収構造体。
  4. 前記スリットが前記衝撃吸収部の側面部に複数形成され、
    前記連結部からの前記衝撃吸収部の高さをHとするとき、前記スリットのそれぞれの高さが(4/7)H以上(6/7)H以下とされている、請求項3に記載の車両用衝撃吸収構造体。
  5. 前記複数の衝撃吸収部は、複数の第一の衝撃吸収部と、該第一の衝撃吸収部と高さの異なる複数の第二の衝撃吸収部とを含むことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の車両用衝撃吸収構造体。
  6. 前記複数の衝撃吸収部は、複数の前記第一の衝撃吸収部からなる第一の領域と、複数の前記第二の衝撃吸収部からなる第二の領域とが組み合わされて構成されていることを特徴とする請求項5に記載の車両用衝撃吸収構造体。
  7. 車体パネルと該車体パネルよりも車室側の内装部材との間に設置される車両用衝撃吸収構造体であって、
    カップ状に形成され、広径側の面が開口する一方で狭径側の面が閉じた複数の第一の衝撃吸収部と、
    該第一の衝撃吸収部と高さの異なるカップ状に形成され、広径側の面が開口する一方で狭径側の面が閉じ、衝撃入力時に割れを誘起させる線状の誘起部位が側面部において広径側の縁部から狭径側の縁部へ向かう途中まで形成された複数の第二の衝撃吸収部と、
    前記複数の第一の衝撃吸収部及び前記複数の第二の衝撃吸収部を広径側の縁部で連結する連結部とを具備することを特徴とする車両用衝撃吸収構造体。
  8. 前記第一の衝撃吸収部は、JIS K7111-1に規定されるシャルピー衝撃強さが7.2J/m2以上の樹脂材料(エラストマーを含む)で形成され、
    前記第二の衝撃吸収部は、JIS K7111-1に規定されるシャルピー衝撃強さが1.0J/m2以上、7.1J/m2以下の樹脂材料(エラストマーを含む)で形成されていることを特徴とする請求項7に記載の車両用衝撃吸収構造体。
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