JP2007022371A - 衝撃吸収体 - Google Patents

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【課題】広い変位範囲にわたって低い応答荷重が得られる衝撃吸収体を提供する
【解決手段】衝撃吸収体は、軟質樹脂発泡体からなるコア10と、コア10の外表面に被着された表皮材20を有している。コア10は、特に、複数の立脚12と、立脚12間に架かる梁部11とを備える構造を有している。表皮材20は、特に、連続した単一のものが、複数の立脚12の側面を覆うように被着している。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車の内装材やバンパーアブソーバーなどに用いられる衝撃吸収体に関する。
自動車には、不慮の事故に際して自動車の乗員や被衝突者を保護するために、各種の衝撃吸収体が設けられている。例えば、自動車の室内にあるドアトリム内装材の裏面には、軟質樹脂発泡体からなる衝撃吸収体が貼着され、この衝撃吸収体によって、乗員が内装材にぶつかった際の衝撃が緩和されるようになっている。また、自動車の外面の前後に設けられるバンパーの内部には、各種の衝撃吸収体(アブソーバー)が配置され、それによって、被衝突者の脚などがバンパーにぶつかった際の衝撃が緩和されるようになっている。
衝撃吸収体は、(内装材やバンパーフェイシアを介して)対象物に衝突した際に、衝撃吸収体自身が変形することで衝突のエネルギーを吸収し、対象物に対して加えられる反力を低減する働きをする。このために、衝撃吸収体は、所定の形状保持性があって、かつ、衝撃荷重に応答して、応答荷重が所定のレベル以下になるように変形する材質あるいは構造を有するものとするのが適している。
従来から用いられている衝撃吸収体の材質としては、軟質樹脂の発泡体があり、特に、発泡性ガスを内包した樹脂ビーズを、蒸気加熱式の成形型内において加熱し、個々の樹脂ビーズを膨張させるとともに相互に融着させて一体化し、所要の形状にした、いわゆるビーズ成形体が多く用いられている。ビーズ成形体は、その変形によって適切な衝撃吸収性を発現可能であり、また、低密度化も容易であるという利点を有している。その他に用いられる衝撃吸収体としては、ウレタン樹脂の発泡体等がある。
衝撃吸収体の構造として適するのは、衝撃荷重の、予期される作用方向に平行な面での断面形状で見て、荷重を受ける本体部を、複数の薄肉立脚によって支えた構造である。このような構造に関しては幾つかの先行出願があり、その典型的な例が特許文献1である。
この従来例では、「熱可塑性樹脂を発泡させて所定密度の発泡熱可塑性樹脂を得た後、この発泡熱可塑性樹脂を金型に充填、加熱して形成される衝撃吸収部材において、基部と、この基部の少なくとも一面側に形成され、この衝撃吸収部材に作用する衝撃荷重の作用方向と同方向に突出する複数列のリブとを有すること、を特徴とする衝撃吸収部材」が開示され、「リブの断面形状を種々に変更することで、衝撃荷重の種類や大きさに応じた適切な衝撃吸収性能を有する衝撃吸収部材を容易に得ることができる」とするものである。
特開2003−341449号公報 特開2004−352028号公報 特開平5−147121号公報
上述の特許文献1に開示された構造を有する衝撃吸収体の典型的な例として作製した、2つの薄肉の立脚50(根元部分が先端部分より少し厚肉になったテーパー形状)によって本体部(梁)51を支える構造の衝撃吸収体の断面図を図6(a)に示す。図6(b)は、この衝撃吸収体に対して、本体部51の上方向から力を加え急速に変位させた場合の、変位量(ストローク)に対する応答荷重の変化の測定結果を模式的に示すグラフである。
図6(b)に示すように、衝撃吸収体に力が作用し始めるとともに、ただちに衝撃吸収体の応答荷重が変位量に比例して高まっていくが、変位量が一定の大きさになると、その後、変位量の一定の範囲において、変位が増加していくにもかかわらず、応答荷重はほとんど増加しない傾向が発現する。これは、衝撃吸収体がある程度変位すると、立脚50が少しずつ潰れ変形し、この変形に要するエネルギーとして衝撃のエネルギーが吸収され、それによって、応答荷重が大きくなるのが抑えられるためである。このように立脚が潰れ変形していく過程では、グラフの形がフラットな矩形になり、この矩形領域は、応答荷重が所定の大きさより大きくならず、すなわち、自動車から被衝突者に対して加わる力が所定のレベル以下に抑えられる、衝撃吸収体としての機能がよく発揮される領域であるといえる。変位が立脚50の潰れ変形の限度を越えてさらに大きくなると(立脚50が折れなかった場合は)、立脚50がそれ以上潰れないために、衝撃吸収体からの応答荷重が、再び変位量に比例して大きくなるようになり、衝撃吸収性能が得られなくなっていく。
したがって、応答荷重と変位量のグラフにおいて、変位量の広い範囲において矩形領域が現れることが、その衝撃吸収体の性能が高いことを示しているといえる。すなわち、矩形領域が広い衝撃吸収体を用いた場合、衝突のエネルギーが大きくても、衝突過程の間、被衝突物に対して加わる力を所定のレベル以下に抑えて、被衝突物への衝突の衝撃を軽減することができる。
この際、グラフにおいて応答荷重が高まらないフラットな矩形領域における応答荷重値は、(衝撃吸収体の設置部位等により条件が異なるが)被衝突物に大きな損傷を与えないように、所定の低いレベルに設定する必要がある。このフラットな矩形領域の応答荷重値を低くするには、1つには、衝撃吸収体の材質を軟質にする(樹脂発泡体を用いる場合、それが変形しやすくなる材料、構造とする)ことが考えられ、次には、立脚50の肉厚を薄くすることが考えられる。
しかしながら、このように立脚50の肉厚を薄くしていった場合、変位量が大きくなると、立脚50が潰れ変形しきる前に折れてしまいやすくなる。図6(b)の一点鎖線は、このように立脚50が折れてしまった場合を示している。この場合、立脚50が折れてしまった時点から、応答荷重が急落し、グラフの矩形性が早く(変位量が小さいうちに)崩れてしまっている。これは、変位量が大きくなった場合、すなわち、衝突のエネルギーが大きい場合に、衝突の過程で、衝撃吸収体による衝撃吸収性能が失われ、被衝突物に大きな衝撃が加わってしまうことを意味しており、好ましくない。
本発明者の実験の結果、従来の構成において、立脚50の平均肉厚Tを立脚50の長さLの0.3倍よりも薄くすると立脚50が折れやすくなることがわかった。すなわち、従来技術において、立脚50が、変位過程で折れないようにできる、立脚50の厚さの臨界値は、T=0.3Lである。このことは、従来技術では、立脚50を薄くすることによって、衝撃吸収体の応答荷重を軽減するのに、この臨界値T=0.3Lという限界があることを意味している。また、衝撃吸収体の材質を軟質にしていった場合、T≧0.3Lでも立脚50が折れやすくなってしまい、やはり、応答荷重の軽減に限界がある。
このように、従来技術には、衝撃吸収体の、衝撃を加えた時の応答荷重を軽減することと、衝撃吸収体による衝撃吸収性能が、広い変位範囲において維持され、すなわち、衝突エネルギーが大きい場合でも、衝突過程の間、衝撃吸収性能が維持されるようにすることとを両立させるのには限界があった。本発明の目的は、このような従来技術の限界を克服し、広い変位範囲にわたって低い応答荷重が得られる衝撃吸収体を提供することにある。
上述の目的を達成するため、本発明の衝撃吸収体は、軟質樹脂発泡体からなるコアと、コアの外表面に被着された表皮材と、を有することを特徴とする。この構成によれば、コアの外表面に被着された表皮材によって、コアに衝撃が加わった時に、コアが折れ変形するのを抑制することができる。なお、本明細書において、被着とは、表皮材がコアに対して隙間なく貼着(接着、溶着、密着を含む)していることを意味している。
特に、コアは複数の立脚と、立脚間に架かる梁部とを有する構成とするのが好ましく、この場合、表皮材を、連続した単一のものが、少なくとも2本以上の立脚の側面を覆うように被着すれば、折れ変形の発生が懸念される立脚の折れ変形を効果的に抑制することができる。
本発明の衝撃吸収体では、表皮材によって立脚の折れ変形を抑制することができるため、各立脚の、各立脚の並び方向の幅Tと、梁部との連結面から先端までの高さLの比T/Lを従来技術に比べて小さく設定しても、立脚の潰れ変形による衝撃吸収機能が、立脚が、完全に潰れ変形する前に折れ変形することによって損なわれるのを抑制することができる。そして、T/Lを小さく設定することによって、衝撃吸収体に衝撃が加わった時の応答荷重の、したがって被衝突物に加わる力、すなわち衝撃の低減を図ることができる。このようなT/Lの設定として、T/Lは、特に0.25〜0.3の範囲とするのが好ましい。
コアの折れ変形の、表皮材による抑制作用を効果的に得るため、表皮材の、コアに対する剥離強度は3.4N/25mm幅以上に設定するのが好ましい。また、表皮材としては、衝撃吸収体が通常置かれることが想定される環境温度を考慮して−30〜80℃の環境下において、引張り強度が150N以上であり、伸び率が35%以上のものとするのが好ましい。このような表皮材としては、特にスパンボンド不織布を好適に用いることができる。
コアへの表皮材の被着は、特に、コアおよび/または表皮材の表面を微溶融させ、表皮材をコアに対して溶着させて行うことができる。
本発明によれば、コアに表皮材を被着することによって、衝撃吸収体に衝撃が加わった時に、衝撃吸収体が潰れ変形して衝撃吸収機能を発揮する際、衝撃吸収体が折れ変形して、まだ潰れ変形が完了していない早期のうちに衝撃吸収機能が失われるのを抑制することができる。言い換えれば、本発明によって、広い変位範囲にわたって低い応答荷重が得られる衝撃吸収体が得られ、すなわち、本発明の衝撃吸収体を用いることによって、大きな衝撃エネルギーを吸収可能であり、かつ、衝撃吸収時に、被衝突物に及ぼされる力の低減を図ることができる。
以下、図面をもとに本発明の好適な実施形態を説明する。
図1は、本実施形態の衝撃吸収体の外観図であり、図2は、図1のA−A線に沿った断面図である。なお、衝撃吸収体は、ほぼ同一の断面形状を保ちながら長尺に延びる構造を有するものであり、図1は、長尺の衝撃吸収体の一部を切り出して示している。
本実施形態の衝撃吸収体は、軟質樹脂発泡体からなるコア10と、コアの外側に被着する表皮材11とからなっている。コア10は、平坦な板状の梁部11と、梁部11の両側部分から梁部11に対して直角方向に延びる薄肉の2本の立脚12とからなる構造を有している。この衝撃吸収体は、衝突時、矢印Fによって示されるように、立脚12に対してほぼ平行な方向に衝撃が加わることが予期される配置で、自動車の内装材の内側や、バンパー内などに取り付けられる。表皮材20は、連続した一枚の表皮材20によって2つの立脚12の両側面、および梁部11の、2つの立脚12間の面を覆うように、コア10に被着している。
コア10の立脚12は、安定性を高めるため、根元の肉厚Tが先端の肉厚Tより少し厚いテーパー形状とするのが好ましい。梁部11の肉厚は、立脚12の肉厚と同等であってよい。立脚12の間隔は、およそ50〜100mmとすることができ、衝撃吸収体に要求される形状などに合わせて適宜設定することができ、また立脚12は、さらに多数設けてもよい。
コア10の材質として最も適するのは、軟質樹脂の発泡体であり、特に、発泡性ガスを内包した樹脂ビーズを、蒸気加熱式の成形型内において、個々の樹脂ビーズを膨張させるとともに相互に融着させて一体化することによって所要の形状にした、いわゆるビーズ成形体を用いることができる。
表皮材20がコア10の外表面に被着していることが本実施形態の衝撃吸収体の特徴である。この構成では、表皮材20の特性がコア10の特性に組み合わされ、複合的に衝撃吸収体としての特性を発現する。
その結果、本実施形態の衝撃吸収体では、立脚12の平均脚幅T(=(T+T)/2)を従来技術に比べて薄くしても、立脚12を折れにくくすることができる。すなわち、表皮材20によって、コア10の立脚12が折れ変形しようとする変位が抑制され、また、立脚12が潰れ変形した際、コア10の粉砕片が表皮材20内に閉じ込められ、立脚12が折れるような完全な粉砕が抑制される。
したがって、立脚12が完全に潰れ変形するまでの間、衝撃吸収性能が維持され、それによって、衝突エネルギーが比較的大きな場合でも、衝突過程の間、衝撃吸収性能が維持されることを保証しながら、応答荷重の軽減、すなわち、被衝突物にかかる力の軽減を図ることができる。このような効果を得るため、本実施形態における立脚12の平均脚幅は、立脚12の高さLに対して、0.25〜0.3倍の範囲とするのが適する。
表皮材20の特性としては、ある程度以上の引張り強度と伸び率を兼ね備えていることが本発明に適する。すなわち、衝撃吸収体が変位させられる過程で、立脚12が折れ変形をしようとすると、表皮材20に対して、引張り力が作用するので、表皮材20の引張り強度によって、折れ変形が抑制される。また、表皮材20が一定の伸び率を有することによって、表皮材20が破断するのを抑制し、表皮材20が立脚12の折れ変形の抑制作用を維持することができる。
表皮材20の、上記の好ましい特性を数値で表すと、表皮材の引張り強度が150N以上、伸び率が35%以上とするのが好ましいことが実験によって確認された。自動車内において、衝撃吸収体が配置される部位の環境を考慮すれば、−30〜80℃の環境下において、上記の特性値を満足するようにするのが好ましい。この条件を満たす、表皮材20の素材としては、例えばスパンボンド不織布があり、またフィルムを用いることもできる。スパンポンド不織布には、接着剤を用いなくても、スパンポンド不織布の表面を微溶融させることによってコア10に溶着させて容易に被着することができるという利点もある。なお、引張り強度としては、JIS L 1906(一般長繊維不織布試験方法)に準じ、資料から幅5cm×約30cmの試験片を繊維方向に3枚採取し、これらそれぞれえを、定速伸長型引張試験機に、つかみ間隔を20cmにして取り付け、10cm/分の引張り速度で、試験片が切断するまでの荷重を測定し、平均値を求めた。
また、表皮材20の被着は、剥離強度が3.4N/25mm幅以上とするのが好ましいことが実験によって確認された。すなわち、表皮材20がコア10の立脚12に対してずれるのを抑制することによって、立脚12の折れ変形の抑制効果を高めることができる。なお、剥離強度としては、JIS K 6854(接着剤の剥離接着強さ試験方法)に準じ、長さ200mmのサンプルにおいて、両端を試験機のつかみ治具に取り付け、10cm/分の速度で表皮材20を剥離し、接着部分の残りが約10cmになるまでの値を測定した。
また、表皮材20は、単一の連続したものが、コア10の2本の立脚12の側面を覆うように被着した構成とするのが好ましい。それによって、立脚12毎に別々の表皮材20を被着した場合に比べて、立脚12の折れ抑制作用が効果的に得られることが実験によって確認された。なお、立脚12は、3本以上設けた構成としてもよく、この場合にも、単一の表皮材20を少なくとも2本以上の立脚12の側面全体を覆うようにコア10に被着するのが好ましい。また、表皮材20は、例えば、立脚12の先端のみに被着した場合には、立脚の折れ防止作用がほとんど得られないので、少なくとも、立脚12の側面の大部分を覆うように被着する必要がある。
以下、本発明の実施例として、本発明による衝撃吸収体をアブソーバーとして用いたバンパーアッセンブリー模型によって、性能を評価した結果について説明する。
アブソーバー仕様
・コアの材質:JSP株式会社製、PP樹脂系の発泡性樹脂粒子を蒸気加熱式の成形型内に充填して加熱成形し、密度0.18g/cm3の成形体を得た。
・コアの形状:図3(c)に示すように、2つの立脚を備える断面形状で、長さ150mm以上の長尺体とした。
・コアのサイズ:立脚高さ34.0mm、平均脚幅9.5mm(根元10.0mm、先端9.0mm)、梁部板厚10.0mm、脚間距離100mm、T/L=0.28
・表皮材の材質:ユニチカ株式会社製、PP樹脂製のスパンボンド不織布、単位面積重量0.0045g/cm2(常温での引張り強度150N、伸び率35%)
・表皮材の被着領域:コアの一方の立脚の外側側面上部からこの立脚の先端、内側側面、梁部の底面、他方の立脚の内側側面、この立脚の先端を経て、この立脚の外側側面上部まで完全に覆うように被着した。
・表皮材の被着方法:スパンボンド不織布の被着面を加熱して微弱に溶融させコアに溶着させた。冷却後のスパンボンド不織布の、コアに対する剥離強度は3.4N/25mm幅であった。
バンパーカバー仕様
・材質:ポリプロピレン製樹脂プレート
・サイズ:厚さ3.0mm
・配置:アブソーバーの梁部の上面に重ねて配置。
試験条件
アブソーバーに重ねたバンパーカバー30(図3(b)、(c))上に、長さ150mm、幅100mmの衝撃面を設定し、試験治具として脚形の押圧子を用いて、速度53000mm/sでバンパーに高速の変位を与え、それに応答して押圧子に加わる応答荷重を測定した。また、アブソーバーの変形の様子を撮影して確認した。
結果、評価
図3(a)に、変位に対する応答荷重の変化の測定結果のグラフを示す。破線は本実施例の結果、実線は、図3(b)に示すように、表皮材を被着しなかった、従来技術に対応する比較例の結果を示している。図3(a)および変形の様子の撮影結果から、比較例では変位が20mmを越えたあたりから、薄肉な立脚の折れ、崩壊が生じ、これに伴い応答荷重が急速に低下して、衝撃吸収体としての機能が失われることが分かった。これに対して実施例では、比較例のような応答荷重の低下を生じることがなかった。これは、立脚にスパンボンド表皮材が被着していることによって、折れに対して粘りが得られ、変位が20mmを超えても立脚が折れず、形が崩れなかったためである。その結果、実施例の構成では、応答荷重が、立脚の潰れ変形の限界、すなわち衝撃吸収の限界の変位30mm付近まで一定に保たれる、矩形の理想的なグラフが得られた。すなわち、実施例の構成によれば、衝撃吸収体による衝撃吸収性能を最大限に維持しながら、応答荷重の軽減を図ることができるという効果が得られることが確認できた。
また、図4は、コアに対する表皮材の剥離強度を変化させた場合についての同様の試験結果を示している。図5から剥離強度を3.4N/25mm以上とすることによって、より理想的な矩形状の特性が得られ、すなわち立脚の折れ変形の抑制作用が効果的に得られることが分かる。同様に、図5は、表皮材の引っ張り強度と伸び率を変化させた場合についての試験結果を示している。図5から、引張り強度を150N以上、伸び率を35%以上とすることによって、より理想的な矩形状の特性が得られ、すなわち立脚の折れ変形の抑制作用が効果的に得られることが分かる。
なお、上記の実施例では、表皮材を加熱溶融させてコアに被着させる例を示したが、表皮材の被着方法としては、コアの形状や、コアと表皮材の材質などに応じて適宜適した方法を用いることができる。そのような例としては、(a)コアの成形時に、成形型内に表皮材をセットし、成形のための加熱による、コアおよび/または表皮材の溶融を利用して両者を融着させる、(b)コアの成形後、二次加工的に、コアと表皮材を両面接着テープによって接着する、といった方法が挙げられる。このような種々の被着方法を適宜選択して用いることによって、種々のケースにおいて、表皮材をコアに十分な剥離強度を有するように被着することができ、それによって、変位した時にコアが折れ変形するのを抑制でき、優れた特性の衝撃吸収体が得られることが期待できる。
本発明の実施形態の衝撃吸収体の外観図。 図1の衝撃吸収体の断面図。 (a)は、実施例と比較例の衝撃吸収体の変位に対する応答荷重の変化の測定結果を示すグラフ、(b)、(c)はそれぞれ比較例と実施例の衝撃吸収体の断面形状と寸法(mm)を示す図。 コアに対する表皮材の剥離強度を変えた時の衝撃吸収体の変位に対する応答荷重の変化の測定結果を示すグラフ。 表皮材の引張り強度と伸び率を変えた時の衝撃吸収体の変位に対する応答荷重の変化の測定結果を示すグラフ。 従来例の衝撃吸収体の断面図。
符号の説明
10 コア
11 梁部
12,50 立脚
20 表皮材
30 バンパーカバー
51 本体部

Claims (7)

  1. 軟質樹脂発泡体からなるコアと、
    該コアの外表面に被着された表皮材と、
    を有することを特徴とする衝撃吸収体。
  2. 前記コアは複数の立脚と、該立脚間に架かる梁部とを有し、前記表皮材は、連続した単一のものが、少なくとも2本以上の前記立脚の側面を覆うように被着している、請求項1に記載の衝撃吸収体。
  3. 前記各立脚の、該各立脚の並び方向の幅Tと、前記梁部との連結面から先端までの高さLの比T/Lが0.25〜0.3の範囲にある、請求項2に記載の衝撃吸収体。
  4. 前記表皮材の、前記コアに対する剥離強度が3.4N/25mm幅以上である、請求項1から3のいずれか1項に記載の衝撃吸収体。
  5. 前記表皮材は、−30〜80℃の環境下において、引張り強度が150N以上であり、伸び率が35%以上である、請求項1から4のいずれか1項に記載の衝撃吸収体。
  6. 前記表皮材はスパンボンド不織布である、請求項1から5のいずれか1項に記載の衝撃吸収体。
  7. 前記表皮材は、前記コアおよび/または前記表皮材の表面を微溶融させることによって、前記コアに対して溶着されている、請求項1から6のいずれか1項に記載の衝撃吸収体。
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Cited By (3)

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KR101228683B1 (ko) * 2008-07-10 2013-01-31 (주)엘지하우시스 자동차용 범퍼 백빔

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