JP4951164B2 - 衝撃吸収部材 - Google Patents

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Description

本発明は、衝撃荷重が作用したときに、そのエネルギの一部を吸収して衝撃を緩和する衝撃吸収部材に関し、特に、自動車のバンパ、側突パッド、足元衝撃吸収パッド等の用途に適した発泡熱可塑性樹脂製の衝撃吸収部材に関する。
例えば、自動車においては、万一の衝突時に乗員を保護するために、客室へのダメージを最小限に抑えることを目的として、ボディーを構造的に変形しやすくしたり、バンパ、天井、ドア、乗員座席の足元周り等に衝撃吸収部材を設け、この衝撃吸収部材に衝突時の衝撃をできるだけ吸収させることが一般に行われている。
従来、衝撃吸収部材としては、熱硬化性の発泡ウレタンが多く用いられていた。しかしながら、このような熱硬化性の発泡ウレタンは、リサイクルが困難である上、コスト的にも割高であるばかりでなく、耐水性、耐熱性の経時安定性に課題があり、初期衝撃吸収性能の維持が困難であった。
そこで、近年、リサイクルが容易で、包装用の緩衝材として広く用いられている発泡ポリスチレンや発泡ポリプロピレンなどの発泡熱可塑性樹脂が、上記のような目的の衝撃吸収部材として多く使用されるようになってきた。
しかしながら、このような発泡熱可塑性樹脂も、衝撃吸収性能面で次のような問題がある。すなわち、発泡ポリスチレンや発泡ポリプロピレン等の発泡熱可塑性樹脂で形成された衝撃吸収部材においては、一度受けた衝撃荷重によって、圧縮ひずみが50%を超えると、内部に発生する圧縮応力が急激に上昇し、以後、衝撃吸収部材としての性能が著しく低下する。
なお、ここで、圧縮ひずみとは、衝撃吸収部材の元の厚みに対する圧縮変形の割合を意味し、以下の説明ではひずみ量(%)で表す。
したがって、発泡熱可塑性樹脂の衝撃吸収部材を自動車バンパなどの用途に用いる場合は、圧縮ひずみ(ひずみ量)が許容される圧縮応力の範囲内で設計されなければならないため、最大許容圧縮応力に至るエネルギ量が十分でなくなるという問題がある。
また、多様な衝撃荷重に対応し、要求される圧縮応力の範囲内で要求される衝撃吸収性能を発現するためには、衝撃吸収部材の肉厚を大きくする必要があり、バンパ、天井、床、ドアなどの各部の寸法を大きくせざるを得ないといった問題がある。
一般に、自動車に用いられる衝撃吸収部材は、設置スペースの関係から、衝撃吸収部材の潰れ代は限られており、およそ30〜100mm程度である。他方、衝撃吸収部材は、衝突時の乗員保護を目的とすることから、人に加わる圧縮応力を、数10N/cm以内に抑えなければならない。
また、衝撃吸収部材の働き(すなわち、衝撃吸収エネルギ)は、衝突による衝撃吸収部材の潰れ代と、そのときの応力値の積分値で表されることから、許容できる圧縮応力値の範囲内で、より大きい潰れ代を確保することが必要とされる。
本発明者らは、先に、発泡樹脂成形品からなり、特定のリブ構造を有する発泡成形品が高い衝撃吸収性能を示すこと見出した(特許文献1参照)。すなわち、この衝撃吸収部材は、基部と、この基部の少なくとも一面側に形成され、衝撃荷重の作用方向と同方向に突出する複数列のリブとを有しており、衝撃荷重が作用したとき、リブが屈曲しながら圧縮されることにより、許容できる圧縮応力値の範囲内で、より大きい潰れ代を確保することができる。
しかしながら、特許文献1の衝撃吸収部材は、比較的簡単な形状で設計される衝撃吸収部材としては有効であるが、多様な形状の衝撃吸収部材として用いるには、改善の余地があった。例えば、衝撃吸収部材の設置面に凹凸があり、この凹凸に応じてリブの高さを調整する必要がある場合に、設置面の凸部に対応する領域、すなわちリブの高さを低くした領域で潰れ代が不足し、必要な衝撃吸収性能が得られない可能性がある。
特開2003−341449
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたもので、衝撃荷重が作用したときの圧縮応力が予め定められた値以下で、予め定められた動的圧縮ひずみの間を推移することで、より高い衝撃吸収エネルギが確保できる衝撃吸収部材であって、特に自動車の用途に適し、しかも、多様な形状の衝撃吸収部材に好適に用いることができる衝撃吸収部材の提供を目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の衝撃吸収部材は、熱可塑性樹脂を発泡させて所定密度の発泡熱可塑性樹脂を得た後、この発泡熱可塑性樹脂を金型に充填、加熱して形成される衝撃吸収部材において、基部と、この基部の少なくとも一面側に形成され、衝撃荷重の作用方向と同方向に突出する複数列のリブとを有し、これらのリブ形成領域には、前記基部を介して隣接列のリブと連結される連結型リブの形成領域と、前記基部に形成されるスリット孔を介して隣接列のリブと分離される独立型リブの形成領域とが含まれる構成としてある。
このようにすると、基部に形成されるスリット孔を介して隣接列のリブと分離される独立型リブの形成領域においては、基部を介して隣接列のリブと連結される連結型リブの形成領域よりも大きな潰れ代を確保することができるので、衝撃吸収部材の形状や要求される衝撃吸収性能に応じて、衝撃吸収部材の所定領域で潰れ代を調整することが可能になる。
これにより、衝撃荷重が作用したときの圧縮応力が予め定められた値以下で、予め定められた動的圧縮ひずみの間を推移することで、より高い衝撃吸収エネルギが確保できる衝撃吸収部材であって、特に自動車の用途に適したものでありながら、多様な形状の衝撃吸収部材に好適に用いることができる。
ここで、本発明の衝撃吸収部材は、前記リブの高さを設置面の凹凸に応じて調整するとともに、高さの低いリブを前記独立型リブとした構成としてある。
このようにすることによって、本発明は、衝撃吸収部材の設置面に凹凸があり、この凹凸に応じてリブの高さを調整する必要がある場合に、設置面の凸部に対応する領域、すなわちリブの高さを低くした領域で潰れ代が不足し、必要な衝撃吸収性能が得られないという問題を解決することができる。
また、本発明の衝撃吸収部材は、前記独立型リブの平面面積が、前記衝撃吸収部材の全体平面面積の5%〜70%であるものとして構成してある。
このようにすると、リブ同士を連結する基部の必要面積を確保しつつ、独立型リブの形成領域を設定し、この領域において潰れ代を増加させることができる。
また、本発明の衝撃吸収部材は、前記基部の厚みが、前記衝撃吸収部材の全厚の0.1倍〜0.3倍であるものとして構成してある。
このようにすると、必要なリブ同士の連結強度を確保しつつ、広い範囲でリブの高さを調整することができる。
また、本発明の衝撃吸収部材は、前記リブの平均幅が、前記衝撃吸収部材の全厚の0.05倍〜0.3倍であるものとして構成してある。
このようにすると、衝撃吸収部材の発泡成形を困難にすることなく、衝撃吸収部材の内部に適度な圧縮応力を発生させることができる。
また、本発明の衝撃吸収部材は、前記リブの幅が前記基部側から先端側までテーパ状に減少するように形成され、前記基部側から前記先端側までの傾斜角度αが、前記基部の垂線に対して0°≦α≦7°の範囲内であるものとして構成してある。
このようにすると、成形時の離型が容易になるだけでなく、過剰な傾斜角度によって潰れ代が減少する等の問題を回避することができる。
また、本発明の衝撃吸収部材は、前記発泡熱可塑性樹脂の密度が、0.02g/ml〜0.2g/mlであるものとして構成してある。
このようにすると、衝撃吸収部材の重量の低減を困難にすることなく、衝撃吸収部材の内部に適度な圧縮応力を発生させることができる。
また、本発明の衝撃吸収部材は、前記発泡熱可塑性樹脂が、発泡スチレン系共重合体であるものとして構成してある。
このようにすると、衝撃吸収部材の発泡成形を容易にして製造コストが削減できるだけでなく、衝撃吸収部材のリサイクル性を高めることができる。
本発明によれば、衝撃荷重が作用したときの圧縮応力が予め定められた値以下で、予め定められた動的圧縮ひずみの間を推移することで、より高い衝撃吸収エネルギが確保できる衝撃吸収部材であって、特に自動車の用途に適したものでありながら、多様な形状の衝撃吸収部材に好適に用いることができる。
以下、本発明の衝撃吸収部材について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1〜図4は、本発明の実施形態に係る衝撃吸収部材のリブ形成領域の例を示すもので、図1の(a)は一例の斜視図、(b)はそのA−A断面図、図2の(a)は、他の例を示す平面図、(b)は、そのA−A断面図、図3の(a)は、さらに他の例を示す平面図、(b)は、そのA−A断面図、図4の(a)は、さらに他の例を示す平面図、(b)は、そのA−A断面図である。図5の(a)は、本発明の実施形態に係る衝撃吸収部材(実施例1)を示す斜視図、(b)は、そのA−A断面図、図6は、本発明の実施形態に係る衝撃吸収部材のリブ形状の他例を示す斜視図、図7は、衝撃吸収部材の参考例を示す斜視図である。
図1〜図7に示す衝撃吸収部材1〜6は、熱可塑性樹脂を発泡させて所定密度の発泡熱可塑性樹脂を得た後、この発泡熱可塑性樹脂を金型に充填、加熱して形成される発泡樹脂成形品であり、基部11と、この基部11の少なくとも一面側に形成され、衝撃荷重の作用方向と同方向に突出する複数列のリブ12とを有している。ここで、基部11は、平板状であって、リブ12は、基部11の一面に均等間隔で平行に形成されているとともに、基部11の一端から他端までほぼ直線状に延びているが、本発明の衝撃吸収部材は、このような形状のものに限定されず、多様な形状のものに適用できる。
本発明の実施形態に係る衝撃吸収部材1〜6のリブ形成領域には、基部11を介して隣接列のリブ12と連結される連結型リブ12aの形成領域と、基部11に形成されるスリット孔13を介して隣接列のリブ12と分離される独立型リブ12bの形成領域とが含まれている。
スリット孔13を介して隣接列のリブ12と分離される独立型リブ12bにあっては、基部11に対して垂直方向に作用する衝撃荷重によって圧縮された場合、スリット孔13も潰れ空間として利用できるので、同形状の連結型リブ12aよりも大きな潰れ代を確保することができる。
したがって、本発明の衝撃吸収部材1〜6によれば、任意のリブ形成領域で潰れ代を調整することができ、その結果、多様な形状の衝撃吸収部材において必要な衝撃吸収性能を確保することが可能になる。
独立型リブ12bの平面面積は、衝撃吸収部材1〜6の全体平面面積の5%〜70%とすることが好ましい。5%未満とすると、独立型リブ12bによる潰れ代の増加作用を十分に得ることができず、また、70%を超えると、リブ12同士を連結する基部11の面積減少により、衝撃吸収部材1〜6の全体強度が不足するおそれがある。
衝撃吸収部材1〜6の全体平面積における独立型リブ12bの占める割合を大きくする場合は、独立型リブ12b(スリット孔13)の長さが所定の長さを超えないようにすることが好ましい。例えば、図2〜図4に示す衝撃吸収部材2〜4のように、リブ12の長さ方向において、連結型リブ12aと独立型リブ12bを交互に配置することにより、独立型リブ12bの長さを抑えるようにする。このようにすると、独立型リブ12bの倒れによる衝撃吸収性能の低下を防止することができる。
図5に示すように、リブ12の高さt1は、設置面の凹凸に応じて部分的に調整してあり、高さt1の低いリブ12を独立型リブ12bとしてある。このようにすると、設置面の凸部に対応する領域、すなわちリブ12の高さを低くした領域でも潰れ代を十分に確保することができる。
基部11の厚みt2は、衝撃吸収部材1〜6の全厚t3の0.1倍〜0.3倍とすることが好ましい。0.1倍未満とすると、基部11の厚みt2が不足し、必要なリブ12同士の連結強度が得られなくなる。また、0.3倍を超えると、リブ12の高さt1が低くなり、リブ12の高さ調整範囲が不足するおそれがある。
図6に示すように、リブ12の幅t5、t6は、基部側から先端側までテーパ状に減少するように設定することができる。この場合、基部側から先端側までの傾斜角度αは、基部11の垂線に対して0°≦α≦7°の範囲内とすることが好ましい。傾斜角度αを0°未満とすると、成形時の離型が困難になり、また、7°を超えると、基部側の幅t5が大きくなりすぎ、必要な潰れ代が確保できなくなる。
リブ12の平均幅t4=(t5+t6)/2は、衝撃吸収部材1〜6の全厚t3の0.05倍〜0.3倍とすることが好ましい。0.05倍未満とすると、リブ12の幅が小さくなりすぎ、衝撃吸収部材の発泡成形が困難になるだけでなく、衝撃荷重が作用したときにリブ12が座屈し、十分な衝撃吸収性能が得られなくなる。また、0.3倍を超えると、衝撃吸収部材1〜6の内部に発生する圧縮応力が大きくなりすぎ、必要とする衝撃吸収性能が十分に得られない。
図7に示すように、衝撃吸収部材1〜6は、衝撃荷重の作用方向と同方向に複数重ねた状態で使用することができる。このようにすると、より大きな衝撃荷重に対して、大きな衝撃吸収性能を発揮する衝撃吸収部材が得られる。
次に、衝撃吸収部材1〜6の作用について説明する。
衝撃吸収部材1〜6は、図に矢印で示されるように、基部11に対して垂直の衝撃荷重が作用した場合、リブ12に生じる圧縮応力により衝撃を吸収する。したがって、リブ12の高さt1は、必要な潰れ代を確保するために、衝撃吸収部材1〜6の全厚t3に相当する高さであることが好ましい。そして、図1〜図4に示す衝撃吸収部材1〜4では、全てのリブ12の高さt1が衝撃吸収部材1〜6の全厚t3に相当し、しかも、一部のリブ形成領域は、前述した独立型リブ12bの形成領域となっているので、この領域では、他の領域、つまり連結型リブ12の形成領域よりも、大きい潰れ代を確保することができる。
また、図5に示すように、衝撃吸収部材5の設置面に凹凸があり、この凹凸に応じてリブ12の高さを調整する必要がある場合には、設置面の凸部に対応する領域、すなわちリブ12の高さを低くした領域で潰れ代が不足し、必要な衝撃吸収性能が得られない可能性があるが、高さの低いリブ12を独立型リブ12bとすれば、リブ12の高さを低くした領域でも潰れ代を十分に確保することができる。
このような衝撃吸収部材1〜6によれば、その形状や要求される衝撃吸収性能に応じて、衝撃吸収部材1〜6の所定領域で潰れ代を調整することが可能になる。これにより、衝撃荷重が作用したときの圧縮応力が予め定められた値以下で、予め定められた動的圧縮ひずみの間を推移することで、より高い衝撃吸収エネルギが確保できる衝撃吸収部材であって、特に自動車の用途に適したものでありながら、多様な形状の衝撃吸収部材に好適に用いることができる。
なお、本発明の実施形態を示す図は、衝撃吸収部材1〜6の一部を示したものであり、リブの列数、高さ、幅等は、使用分野により要求される最大圧縮応力に応じて、適宜決定することができる。また、衝撃吸収部材1〜6の全体形状も用途に合わせて各形状に成形することができる。
また、リブ12の断面形状は上記の台形に限らず、三角形や半円形等であってもよい。また、リブ12は、衝撃荷重の作用方向に沿って連続的に幅が変化するものに限らず、段階的に幅が変化するものであってもよい。このようにすることで、衝撃に対してリブ折れによる応力の低下を抑制し、また、圧縮ひずみが大きくなっても急激な応力の上昇を抑制することができるという利点がある。
衝撃吸収部材1〜6の基部11及びリブ12を構成する材料としては、使用される用途により様々な材料を用いることができる。好ましくは、発泡熱可塑性樹脂から構成される。
衝撃吸収部材1〜6に使用される熱可塑性樹脂の材料としては、種々のものが使用可能である。例えば、ポリスチレンや、スチレンと、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−メチルスチレン、無水マレイン酸、フェニルマレイミドシクロヘキシルマレイミド等のマレイミド系単量体、アクリル酸、アクリル酸エステル等のアクリル酸系単量体、メタクリル酸、メタクリル酸エステル等のメタクリル酸系単量体を共重合させたスチレン系共重合体、又はメタクリル酸系単量体の単独重合体、メタクリル酸系単量体及びアクリル酸系単量体の2種類以上の組合せによる共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂等が挙げられる。
上記の中でも、製造コスト、リサイクル性、発泡成形性等の点から、スチレン系共重合体が好ましく、耐熱性、耐油性に優れるアクリロニトリル・スチレン共重合体が製造コストや性能の点から好適である。なお、発泡性アクリロニトリル・スチレン共重体の樹脂としては、例えば、日立化成工業(株)製の(商品名:HIBEADS GR)を用いることができる。もちろん、上記した本発明の要件を備えるものであって、自動車用の衝撃吸収部材として用いることができるのであれば、他の樹脂を用いてもよい。
本発明の衝撃吸収部材に使用される熱可塑性樹脂の発泡剤としては、発泡性スチレン系樹脂等の製造に一般的に用いられている発泡剤を用いることができる。この発泡剤は、常温常圧下で気体又は液体であり、かつ上記熱可塑性樹脂を溶解しないような易揮発性有機化合物であるのが好ましい。例えば、ブタン、プロパン、ペンタン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン等の環式脂肪族炭化水素等が挙げられる。
本発明の衝撃吸収部材は、上記の熱可塑性樹脂及び発泡剤を含む発泡性熱可塑性樹脂粒子を一次発泡させて、所定の密度の発泡熱可塑性樹脂粒子を得た後、所定の形状を有する金型に充填、加熱して形成される。
本発明の衝撃吸収部材を構成する発泡熱可塑性樹脂の密度は、0.02g/ml〜0.2g/mlであることが好ましい。密度が、0.02g/ml未満では、要求される圧縮応力を達成する物性を得ることが難しい場合があり、0.2g/mlより大きいと、圧縮応力値が高くなるばかりでなく、衝撃吸収部材の重量の低減が困難になるおそれがある。より好ましくは、0.04g/ml〜0.1g/mlである。
本発明の衝撃吸収部材は、発泡樹脂がもつ衝撃吸収性能と特定のリブ構造が相乗的に働き、高い衝撃吸収性能を発現できる。
以下、実施例及び比較例により、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
実施例1
(1)発泡性熱可塑性樹脂粒子の一次発泡
発泡性アクリロニトリル・スチレン共重合樹脂粒子(日立化成工業株式会社製:HIBEADS GR)を発泡スチロール用のバッチ発泡機(日立化成テクノプラント株式会社製:HBP−500LW)を用い、嵩密度0.067g/ml(発泡倍率:15倍)に一次発泡した後、成形までの18時間、通気性の良いサイロに保管した。
(2)衝撃吸収部材の製造
発泡スチロール用成形機(日立化成工業株式会社製:モルデックス10VS)に、下記表1に示すリブ構造となる形状を有する金型をセットし、型締めした。上記(1)で一次発泡した樹脂粒子を金型に充填し、0.08MPaのゲージ圧の水蒸気で25秒間加熱し、金型ごと水冷し、真空冷却した後、成形品を金型から取り出した。このとき、成形品を構成する発泡熱可塑性樹脂の密度は0.067g/mlであった。
(3)衝撃吸収部材の衝撃吸収性能の評価
上記(2)で得られた発泡樹脂成形品の衝撃荷重試験を行った。衝撃荷重試験は、試験体より広い平面をもち、質量が可変できるおもりを、試験体表面に垂直に規定速度で落下させて、おもりに生じた加速度(G値)と試験体の厚さ変化量を測定し、衝撃吸収材の衝撃吸収性能を評価した。
比較例1
金型を交換した他は、実施例1と同様にして、下記の表1に示す形状を有する衝撃吸収部材を作製し、実施例1と同様にして衝撃吸収性能を評価した。
実施例1、比較例1で製造した衝撃吸収部材の衝撃吸収性能を、動的圧縮応力に対する圧縮ひずみ量で表すグラフを図9に示す。
Figure 0004951164
図9のグラフから、実施例1に係る衝撃吸収部材は、多様な形状において対応可能でありながら、圧縮ひずみ量に対する動的圧縮応力の変化の小さい衝撃吸収部材であることがわかる。
本発明は、衝撃荷重が作用したときに、そのエネルギの一部を吸収して衝撃を緩和する衝撃吸収部材に適用することができ、衝撃吸収性能に優れているため、特に、自動車の用途、例えば、バンパ、側突パッド、足元衝撃吸収パッド等に好適に用いることができる。
(a)は、本発明の実施形態に係る衝撃吸収部材のリブ形成領域の一例を示す斜視図、(b)は、そのA−A断面図である。 (a)は、本発明の実施形態に係る衝撃吸収部材のリブ形成領域の他例を示す平面図、(b)は、そのA−A断面図である。 (a)は、本発明の実施形態に係る衝撃吸収部材のリブ形成領域の他例を示す平面図、(b)は、そのA−A断面図である。 (a)は、本発明の実施形態に係る衝撃吸収部材のリブ形成領域の他例を示す平面図、(b)は、そのA−A断面図である。 (a)は、本発明の実施形態に係る衝撃吸収部材の一例(実施例1)を示す斜視図、(b)は、そのA−A断面図である。 本発明の実施形態に係る衝撃吸収部材のリブ形状の他例を示す斜視図である。 衝撃吸収部材の参考例を示す斜視図である。 (a)は、従来例に係る衝撃吸収部材(比較例1)の斜視図、(b)は、そのA−A断面図である。 実施例1及び比較例1で製造した衝撃吸収部材の衝撃吸収性能(動的圧縮応力に対する圧縮ひずみ量の関係)を示すグラフである。
符号の説明
1〜6 衝撃吸収部材
11 基部
12 リブ
12a 連結型リブ
12b 独立型リブ
13 スリット孔

Claims (7)

  1. 熱可塑性樹脂を発泡させて所定密度の発泡熱可塑性樹脂を得た後、この発泡熱可塑性樹脂を金型に充填、加熱して形成される衝撃吸収部材において、
    平板状の基部と、この基部の少なくとも一面側に列状に形成され、衝撃荷重の作用方向と同方向に突出する複数列のリブとを有し、
    これらのリブ形成領域には、
    前記基部を介して隣接列のリブと連結される連結型リブの形成領域と、
    前記基部に形成されるスリット孔を介して隣接列のリブと分離される独立型リブの形成領域とが含まれており、
    前記リブの高さを設置面の凹凸に応じて調整するとともに、高さの低いリブを前記独立型リブとした
    ことを特徴とする衝撃吸収部材。
  2. 前記独立型リブの平面面積が、前記衝撃吸収部材の全体平面面積の5%〜70%であることを特徴とする請求項1記載の衝撃吸収部材。
  3. 前記基部の厚みが、前記衝撃吸収部材の全厚の0.1倍〜0.3倍であることを特徴とする請求項1又は2に記載の衝撃吸収部材。
  4. 前記リブの平均幅が、前記衝撃吸収部材の全厚の0.05倍〜0.3倍であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の衝撃吸収部材。
  5. 前記リブの幅が前記基部側から先端側までテーパ状に減少するように形成され、前記基部側から前記先端側までの傾斜角度αが、前記基部の垂線に対して0°≦α≦7°の範囲内であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の衝撃吸収部材。
  6. 前記発泡熱可塑性樹脂の密度が、0.02g/ml〜0.2g/mlであることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の衝撃吸収部材。
  7. 前記発泡熱可塑性樹脂が、発泡スチレン系共重合体であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の衝撃吸収部材。
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