JP2010149791A - 空調用ダクト - Google Patents
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Abstract
【解決手段】薄肉のインストルメントパネルに振動溶着される空調用ダクトのダクト部1を、蓋部2と本体部3とが組み合わされてなるようにし、蓋部2にはインストルメントパネルの背面に対面する凹形状の対面部20を設る。溶着突部を島状に点在させるとともに、溶着突部の先端部を直径8mm以下にする。その結果、空調用ダクトとインストルメントパネルとの間に空気層を形成でき、結露を抑制できる。ダクト部1は、蓋部2と本体部3とが組み合わされてなり、容易かつ安価に製造できる。また振動溶着後のインストルメントパネルの意匠性悪化を抑制でき、かつ、空調用ダクトをインストルメントパネルに強固に一体化できる。
【選択図】図1
Description
該車両用空調装置に接続される少なくとも1つの導入口と、該導入口と離間配置されている少なくとも1つの吹出口と、を持つ筒状のダクト部を持ち、
該ダクト部は、周壁の一部を構成する対面部を持つ蓋部と、該周壁のなかで該対面部以外の部分を構成する一般部を持つ本体部と、が組み合わされてなり、
該対面部は、凹形状をなすとともに該インストルメントパネルの背面に対面し、
該対面部の周縁部と該一般部の周縁部との少なくとも一方には、該インストルメントパネルの背面に対面する突起状をなし島状に点在する複数の溶着突部が形成され、
該溶着突部は、振動溶着時に溶融する溶融予定部と、該振動溶着時に残存して該インストルメントパネルの該背面に接合する接合予定部と、を持ち、
該接合予定部の先端部は、直径8mm以下であることを特徴とする。
実施例1の空調用ダクトを模式的に表す斜視図を図1に示す。実施例1の空調用ダクトの要部拡大分解斜視図を図2に示す。実施例1の空調用ダクトにおける溶着突部の寸法を説明する説明図を図3に示す。実施例1の空調用ダクトをインパネ側から見た様子を模式的に表す要部拡大説明図を図4に示す。実施例1の空調用ダクトを製造している様子を説明する説明図を図5〜図7に示す。なお、図5〜図7は、実施例1の空調用ダクトを図1中A−A位置で切断した様子を表す。以下、実施例において上、下、左、右、前、後とは図1に示す上、下、左、右、前、後を指す。また、振動溶着時の振動方向とは左右方向を指す。溶着突部の長さとは、左右方向の長さを指す。溶着突部の高さとは、上下方向の長さを指す。溶着突部の幅とは前後方向の長さを指す。
実施例2の空調用ダクトは、溶着突部の形状以外は実施例1の空調用ダクトと同じものである。実施例2の空調用ダクトをインパネ側から見た様子を模式的に表す要部拡大説明図を図8に示す。
比較例1の空調用ダクトは、溶着突部の形状および通過孔の形状以外は実施例1の空調用ダクトと同じものである。比較例1の空調用ダクトをインパネ側から見た様子を模式的に表す要部拡大説明図を図9に示す。
比較例2の空調用ダクトは、溶着突部の形状および通過孔の形状以外は実施例1の空調用ダクトと同じものである。比較例2の空調用ダクトをインパネ側から見た様子を模式的に表す要部拡大説明図を図10に示す。
実施例1〜実施例2および比較例1〜比較例2の空調用ダクトにおける連絡フランジ部38を所定形状に切り取って、各空調用ダクトのテストピースを製作した。また、PPを材料とするインパネ8のテストピースを製作した。インパネ8のテストピースは、空調用ダクトのテストピースより僅かに大型である。実施例1〜実施例2および比較例2の空調用ダクトのテストピースはそれぞれ1個ずつ製作し、比較例1の空調用ダクトのテストピースは2個製作した。インパネ8のテストピースとしては、板厚1.5mmのものを4個製作し、板厚2.5mmのものを1個製作し、板厚2.0mmのものを1個製作した。各空調用ダクトのテストピースおよび各インパネ8のテストピースを用いて、以下の試料1〜試料5を製作した。なお、各空調用ダクトのテストピースには、2つの貫通孔(第1貫通孔)を形成した。各インパネ8のテストピースには、第1貫通孔に対面する位置に、2つの貫通孔(第2貫通孔)を形成した。第2貫通孔は第1貫通孔よりも大径であった。
各空調用ダクトのテストピースにおける、接合予定部50bの先端面の面積の総和を算出した。そして、各空調用ダクトのテストピースにおけるフランジ部35の上面(詳しくは連絡フランジ部38の上面)全体の面積(100%)のなかで、この先端面の面積が占める割合(%)を算出した。各空調用ダクトのテストピースにおける溶着面割合を表1に示す。
試料1〜試料5の溶着体をインパネ8のテストピース側から目視し、試料1〜試料5の溶着体の意匠性を評価した。インパネ8のテストピースの表面に生じている凹凸が5μm未満のものを特に意匠性に優れる(A)と評価し、5μm以上10μm未満の凹凸がみられるものを意匠性に優れる(B)と評価し、10μm以上の凹凸がみられるものを意匠性に劣る(C)と評価した。試料1〜試料5の溶着体の意匠性を表1に示す。
図11に示すように、試料1および試料6の溶着体90における各第1貫通孔91および第2貫通孔92にアイボルト93を挿通した。第2貫通孔92にはナット94を挿入し、このナット94をアイボルト93の先端に締結した。ナット94は第2貫通孔92に入り込み、インパネ8における第1貫通孔91の周縁部に当接した。試料1および試料6の溶着体90の端部を固定治具95に固定し、アイボルト93を図略の引張装置に取り付けた。そして、引張装置を溶着体90から離れる方向に移動させた。このとき、引張方向の荷重を徐々に増大させつつ、空調用ダクトのテストピース96がインパネ8のテストピース97から剥がれるまで、アイボルト93を引っ張った。そして、空調用ダクトのテストピース96がインパネ8のテストピース97から剥がれた時点でアイボルト93に加えていた引張方向の荷重を測定した。空調用ダクトのテストピース96がインパネ8のテストピース97から剥がれた時点における荷重が294N未満である場合を剥がれ強度に劣る(×)と評価し、294N以上1000N未満である場合を剥がれ強度に優れる(○)と評価し、1000N以上である場合を剥がれ強度に特に優れる(◎)と評価した。試料1および試料6の溶着体90の剥がれ強度を表1に示す。以下、空調用ダクトのテストピース96を単に空調用ダクトと略し、インパネ8のテストピース97を単にインパネと略する。
4:吹出口 6:ヒンジ部 8:インパネ
20:対面部 25:副フランジ部 30:一般部
35:フランジ部 50:溶着突部 50a:溶融予定部
50b:接合予定部
Claims (6)
- 車両用空調装置に接続され、樹脂製のインストルメントパネルの背面に振動溶着される樹脂製の空調用ダクトであって、
該車両用空調装置に接続される少なくとも1つの導入口と、該導入口と離間配置されている少なくとも1つの吹出口と、を持つ筒状のダクト部を持ち、
該ダクト部は、周壁の一部を構成する対面部を持つ蓋部と、該周壁のなかで該対面部以外の部分を構成する一般部を持つ本体部と、が組み合わされてなり、
該対面部は、凹形状をなすとともに該インストルメントパネルの背面に対面し、
該対面部の周縁部と該一般部の周縁部との少なくとも一方には、該インストルメントパネルの背面に対面する突起状をなし島状に点在する複数の溶着突部が形成され、
該溶着突部は、振動溶着時に溶融する溶融予定部と、該振動溶着時に残存して該インストルメントパネルの該背面に接合する接合予定部と、を持ち、
該接合予定部の先端部は、直径8mm以下であることを特徴とする空調用ダクト。 - 前記接合予定部の先端部は、直径2mm以下である請求項1に記載の空調用ダクト。
- 前記接合予定部の先端部は、五角形以上の断面多角形状をなす請求項1または請求項2に記載の空調用ダクト。
- 前記接合予定部の先端部は、断面円形状をなす請求項1または請求項2に記載の空調用ダクト。
- 前記インストルメントパネルの板厚は2.0mm以下である請求項1〜請求項4の何れか一つに記載の空調用ダクト。
- 前記蓋部と前記ダクト部とを揺動可能に連結するヒンジ部を持ち、
前記蓋部と前記ダクト部と該ヒンジ部とは、前記蓋部と前記ダクト部とが離間するとともに該ヒンジ部を介して一体化された状態で一体成形されている請求項1〜請求項5の何れか一つに記載の空調用ダクト。
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