JP2007261125A - 樹脂成形体及びその成形方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】樹脂成形体の膨張層周縁部のスキン層に亀裂が発生しないようにする。
【解決手段】成形型27のキャビティ33内に射出充填した膨張促進物質入り熱可塑性樹脂Rの成形型27の成形面29a,31a近傍にスキン層19が生成された時点で、キャビティ容積を拡大させて熱可塑性樹脂Rを膨張させることにより、樹脂密度の高いスキン層19が表面に形成されるとともに多数の空隙を有しスキン層19に比べて樹脂密度の低い膨張層21が内部に形成されたパネル状のプレート本体15を備えたキャリアプレート9において、キャビティ容積拡大方向Aの両側面が固定型29及び可動型31の成形面29a,31a外方のパーティング面29c,31cによって形成され、かつキャビティ容積が拡大される前に固化したソリッド層23からなる板状リブ25をプレート本体15外周縁部にプレート本体15の板面に沿うように一体に突設する。
【選択図】図4

Description

この発明は、樹脂密度の高いスキン層が表面に形成されるとともに多数の空隙を有し上記スキン層に比べて樹脂密度の低い膨張層が内部に形成されたパネル状の成形体本体を備えた樹脂成形体及びその成形方法に関するものである。
特許文献1では、成形面に凹部が形成された固定型と、スライド型を内蔵した可動型とを型閉じした状態で、キャビティ内に繊維入り熱可塑性樹脂を射出充填し、該キャビティ内で上記繊維入り熱可塑性樹脂が固化する過程で、上記可動型内でスライド型をキャビティ容積拡大方向に後退させて繊維入り熱可塑性樹脂を膨張させることにより、空隙がなく堅いスキン層が表面全体に形成されるとともに多数の空隙を有する膨張層が内部に形成された樹脂成形体を得るようにしている。そして、この樹脂成形体では上記膨張層により軽量化を図ることができる。
特開平11−179751号公報(第3,7頁、図1)
ところで、上述の如き膨張層は、一般には、化学反応によりガスを発生させる化学的発泡材や二酸化炭素ガス及び窒素ガス等の不活性ガス(物理的発泡材)等の膨張促進物質を混入した熱可塑性樹脂を用いて形成されるが、図7に示すように、成形型aの型閉じ状態で、固定型bと可動型cとの間に形成されたキャビティd内に膨張促進物質入り熱可塑性樹脂eを射出充填した後、キャビティd内で上記熱可塑性樹脂eが固化する過程で、つまり、熱可塑性樹脂eの成形型a(固定型b、可動型c)の成形面f,g近傍にスキン層hが生成された時点で、図8に示すように、上記可動型cをキャビティ容積拡大方向i(型開き方向)に後退させてキャビティ容積を拡大させ、熱可塑性樹脂eを膨張させて膨張層jを形成すると、キャビティd外周縁部の未だ完全に固化しきっていないスキン層hが可動型cの成形面gに引っ張られるため、上記膨張層j外周縁部のスキン層hの肉厚が薄くなり、該スキン層hに亀裂kが発生することがある。このように上記膨張層j外周縁部のスキン層hに亀裂kが発生すると、膨張層j内部のガスの一部がキャビティdから固定型bと可動型cとの間を経て外部に流出されて膨張圧が低下するので、膨張層jを十分に膨張させることができず、樹脂成形体lを所期の目的とする厚みに成形することができなくなるばかりか、樹脂成形体lのスキン層hの表面が成形型aの成形面f,gに圧接されず、その表面が凹凸状あるいは波形状等に形成されて樹脂成形体lの見栄えが悪化するとともに剛性強度が低下することにもなる。
この発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、膨張成形された樹脂成形体において、膨張層周縁部のスキン層に亀裂が発生しないようにすることである。
上記の目的を達成するため、この発明は、スキン層の亀裂発生が予想される箇所の周縁部にスキン層よりも一足早く固化する部分を設けたことを特徴とし、具体的には、次のような解決手段を講じた。
すなわち、請求項1に記載の発明は、成形型のキャビティ内に射出充填した膨張促進物質入り熱可塑性樹脂の成形型の成形面近傍にスキン層が生成された時点で、キャビティ容積を拡大させて上記熱可塑性樹脂を膨張させることにより、樹脂密度の高いスキン層が表面に形成されるとともに多数の空隙を有し上記スキン層に比べて樹脂密度の低い膨張層が内部に形成されたパネル状の成形体本体を備え、上記成形体本体周縁部には、キャビティ容積拡大方向の両側面が成形型のパーティング面によって形成され、かつキャビティ容積が拡大される前に固化したソリッド層からなる板状リブが成形体本体の板面に沿うように一体に突設されていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、板状リブは、成形体本体の膨張倍率が2.0倍以上4.0倍以下のとき、板厚が0.4mm以上1.2mm以下に、突出長さが2.0mm以上8.0mm以下にそれぞれ設定されていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の樹脂成形体の成形方法であって、型閉じ状態で、固定型と可動型との間に成形体本体を成形するキャビティが形成されるとともに、該キャビティ周縁部の上記固定型及び可動型のパーティング面間に上記キャビティのキャビティ容積拡大方向の空間より狭く板状リブを成形する板状空間が上記キャビティに連通するように形成される成形型を用意し、上記成形型の型閉じ状態で、膨張促進物質入り熱可塑性樹脂を上記キャビティ内に射出充填して上記板状空間に導入し、次いで、上記熱可塑性樹脂の固化進行により上記成形型の成形面近傍における熱可塑性樹脂にスキン層が生成され、かつ上記板状空間内の熱可塑性樹脂が固化した時点で、上記可動型を後退させてキャビティ容積を拡大させ、上記熱可塑性樹脂を膨張させることを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、成形体本体の表面にスキン層が形成されるとともに、内部に多数の空隙を有する膨張層が形成され、樹脂成形体の軽量化を図ることができる。また、キャビティ容積を拡大させて熱可塑性樹脂を膨張させると、キャビティ内の未だ完全に固化しきっていないスキン層が成形型の成形面に引っ張られるが、キャビティ周縁部の成形型のパーティング面間にはキャビティ容積を拡大させる前に堅いソリッド層からなる板状リブが既に形成されているため、該板状リブに対応するスキン層の肉厚が成形型の成形面に引っ張られて薄くなっても、その周縁部に堅い板状リブがあることでスキン層に亀裂が発生するのを防止することができる。したがって、膨張層内部のガスの一部がキャビティから成形型のパーティング面間を経て外部に流出せず、膨張圧を高く確保して膨張層を十分に膨張させることができ、樹脂成形体を所期の目的とする厚みに成形することができるとともに、樹脂成形体のスキン層の表面が成形型の成形面に十分に圧接してその表面に凹凸状あるいは波形状等が形成されない見栄えの良い樹脂成形体を得ることができ、さらには樹脂成形体の剛性強度を確保することができる。
請求項2に係る発明によれば、重量増大及びコストアップを招くことなく膨張層周縁部のスキン層に亀裂が発生するのを確実に防止することができる。
請求項3に係る発明によれば、成形型の型構造を僅かに改造するだけで、成形時に上述の如き亀裂をなくすことにより所期の目的とする厚みを有し見栄え良くかつ軽量で強度剛性が優れた樹脂成形体を安価に成形することができる。
以下、この発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。
(実施形態1)
図2は自動車のサイドドア1の断面図である。該サイドドア1はドアアウタパネル3とドアインナパネル5とからなる金属製のドア本体7を備え、該ドア本体7の上記ドアインナパネル5に実施形態1に係る樹脂成形体としてのキャリアプレート(ドアモジュールプレート)9がシール材11を介して取り付けられ、ドアトリム13が上記キャリアプレート9を車室内側から被うように上記ドアインナパネル5に取り付けられている。
上記キャリアプレート9は、化学反応によりガスを発生させる化学的発泡材や二酸化炭素ガス及び窒素ガス等の不活性ガス(物理的発泡材)等の膨張促進物質とガラス繊維等の繊維とが混入された熱可塑性樹脂で成形され、その主体をなす成形体本体としてのパネル状のプレート本体15を備えている。該プレート本体15の車室外側面側の外周縁部には、図1にも示すように、上記シール材11を収容するシール溝部17が形成されている。
上記プレート本体15は、後述する成形型27のキャビティ33内に射出充填した熱可塑性樹脂Rが成形型27(固定型29、可動型31)の成形面29a,31a近傍にスキン層19が生成された時点で、キャビティ容積を拡大させて上記熱可塑性樹脂Rを膨張させることにより、図1に示すように、空隙がなく樹脂密度の高い堅いスキン層19が表面に形成されるとともに、多数の空隙(図示せず)を有し上記スキン層19に比べて樹脂密度の低い膨張層21が内部に形成されている。図2では作図上の都合によりプレート本体15を単一層として表している。
この発明の特徴として、上記プレート本体15外周縁部の板厚方向中間部には、キャビティ容積拡大方向(型開き方向)の両側面が固定型29及び可動型31の成形面29a,31a外方のパーティング面29c,31cによって形成され、かつキャビティ容積が拡大される前に固化した堅いソリッド層23からなる板状リブ25がプレート本体15の板面に沿うように全周に亘って連続して一体に突設されている。また、該板状リブ25に対応するプレート本体15のスキン層19内側、すなわち、プレート本体15の板厚方向側面のスキン層19内側には凹条部26が形成されている。この凹条部26は、キャビティ33内の未だ完全に固化しきっていないスキン層19がキャビティ容積の拡大により可動型31の成形面31aに引っ張られることによって該スキン層19の肉厚が薄くなることで成形されるものである。
上記板状リブ25は、プレート本体15の膨張倍率が2.0倍以上4.0倍以下のとき、板厚Tが0.4mm以上1.2mm以下に、突出長さLが2.0mm以上8.0mm以下にそれぞれ設定されている。ここで膨張倍率とは、[膨張後の膨張層及びスキン層を有する部分の体積/膨張させる部分の膨張前の体積]を示す。上記板厚Tを0.4mm以上1.2mm以下に設定したのは、0.4mm未満では薄すぎるため、膨張成形時にキャビティ33外周縁部の未だ完全に固化しきっていないスキン層19が可動型31の成形面31aに引っ張られると、膨張層21外周縁部のスキン層19の肉厚が薄くなって該スキン層19の板状リブ25周りに亀裂が発生し、膨張層21内部のガスの一部がキャビティ33から固定型29及び可動型31のパーティング面29c,31c間を経て外部に流出されて膨張圧が低下し、膨張層21を十分に膨張させることができず、キャリアプレート9(プレート本体15)を所期の目的とする厚みに成形することができなくなるからである。また、プレート本体15のスキン層19の表面が成形型27の成形面29a,31aに圧接されず、その表面が凹凸状あるいは波形状等に形成されてキャリアプレート9の見栄えが悪化するとともに、剛性強度が低下することにもなるからである。一方、板厚Tが1.2mmを超えると、必要以上に厚すぎてキャリアプレート9の重量が増大するとともに必要以上に熱可塑性樹脂量が使用されコストアップを招くからである。
また、上記板状リブ25の突出長さLを2.0mm以上8.0mm以下に設定したのは、2.0mm未満では短すぎるため、膨張成形時にキャビティ33外周縁部の未だ完全に固化しきっていないスキン層19が可動型31の成形面31aに引っ張られると、板状リブ25が膨張層21外周縁部のスキン層19に引きずり込まれて実質的になきに等しくなり、上記の板状リブ25の板厚Tが0.4mm未満である場合と同様に、膨張層21外周縁部のスキン層19の肉厚が薄くなって該スキン層19に亀裂が発生し、膨張層21の膨張が不十分でキャリアプレート9の厚み確保、見栄え向上及び剛性強度確保を果たすことができなくなるからである。一方、突出長さLが8.0mmを超えると、必要以上に長すぎてキャリアプレート9の面積及び重量が増大するとともに必要以上に熱可塑性樹脂量が使用されコストアップを招くからである。
このように、プレート本体15の表面全体にスキン層19が形成されるとともに内部に多数の空隙が形成されることで、キャリアプレート9の軽量化を図ることができる。
次に、キャリアプレート9の成形要領について説明する。
まず、図3に示すように、成形型27を型閉じする。固定型29の成形面29aには、キャリアプレート9のシール溝部17の裏面(車室側)形状に対応した凹条部29bが形成されているとともに、可動型31の成形面31aには、上記シール溝部17の溝形状に対応した凸条部31bが一体に突設され、型閉じ状態で、固定型29の成形面29aと可動型31の成形面31aとの間にプレート本体15を成形するキャビティ33が形成されている。また、この型閉じ状態で、該キャビティ33外周縁部の上記固定型29及び可動型31のパーティング面29c,31c間に上記キャビティ33のキャビティ容積拡大方向(型開き方向)の空間より狭く板状リブ25を成形する板状空間35が上記キャビティ33に連通するように形成されている。
次いで、成形型27のキャビティ33内に射出機(図示せず)から上述した膨張促進物質とガラス繊維等の繊維とが混入された熱可塑性樹脂R(例えばポリプロピレン樹脂)を射出充填して上記板状空間35に導入する。図3はこの射出充填状態を示している。
その後、成形型27のキャビティ33内に射出充填された熱可塑性樹脂Rの固化進行により成形型27の成形面29a,31a近傍にスキン層19が生成されるが、このスキン層19は未だ完全に固化しきっていない。一方、上記板状空間35内の熱可塑性樹脂Rは、板状空間35が型閉じ状態でキャビティ33のキャビティ容積拡大方向の空間、例えば2.5mmより狭い例えば0.5mmに設定されているため、成形型27の型温の影響を大きく受けて上記スキン層19よりも一足早く冷却されて固化し、キャビティ33周縁部の固定型29及び可動型31のパーティング面29c,31c間に堅いソリッド層23からなる板状リブ25が成形される。
そして、上記板状リブ25が成形された時点で、図4に示すように、可動型31をキャビティ容積拡大方向A(型開き方向)に後退させる。つまり、可動型31を固定型29から僅かに離れさせ、キャビティ容積を例えば2倍もしくはそれ以上に拡大させる。この段階で、熱可塑性樹脂Rは、成形型27の成形面29a,31aと接触する部分が型温の影響により早期に冷却されているため、空隙がなく堅いスキン層19となって表面層を構成する。一方、熱可塑性樹脂Rの内側部分は型温の影響を受け難く、粘度の高いゲル状態になっている。したがって、キャビティ容積の拡大により、それまで固定型29及び可動型31で圧縮されている熱可塑性樹脂Rが可動型31の成形面31aに引っ張られるとともに、熱可塑性樹脂R中の化学反応により発生したガスや不活性ガスにより膨張する。この際、熱可塑性樹脂R中の繊維も上記圧縮が軽減されて弾性的に復元し、この弾性復元力(スプリングバック現象)によっても上記熱可塑性樹脂Rが膨張する。
このことにより、空隙がなく堅いスキン層19が表面に形成されるとともに、内部に多数の空隙(図示せず)を有する膨張層21が形成されたプレート本体15が膨張成形される。また、上記板状空間35内では、可動型31が後退する段階では、熱可塑性樹脂Rが既に固化しており、堅いソリッド層23からなる板状リブ25がプレート本体15外周縁部の板厚方向中間部にプレート本体15の板面に沿うように一体に突設され、キャリアプレート9が膨張成形される。
このようにして膨張成形されたキャリアプレート9では、膨張層21外周縁部のスキン層19内側に凹条部26が形成されているだけであり、従来例の如き亀裂は発生していない。このように膨張層21外周縁部のスキン層19に亀裂が発生しないのは、型閉じ状態で、キャビティ33外周縁部の固定型29及び可動型31のパーティング面29c,31c間で熱可塑性樹脂Rが一足早く固化して堅いソリッド層23からなる板状リブ25が形成されているからである。つまり、可動型31をキャビティ容積拡大方向Aに後退させて熱可塑性樹脂Rを膨張させると、キャビティ33内の未だ完全に固化しきっていないスキン層19が可動型31の成形面31aに引っ張られ、これに伴って板状リブ25に対応するスキン層19も引っ張られてその肉厚が薄くなるが、その周縁部に堅い板状リブ25があることでスキン層19に亀裂が発生するのを防止することができるのである。したがって、膨張層21内部のガスの一部がキャビティ33から成形型27のパーティング面29c,31c間を経て外部に流出せず、膨張圧を高く確保して膨張層21を十分に膨張させることができ、キャリアプレート9(プレート本体15)を所期の目的とする厚みに成形することができるとともに、キャリアプレート9のスキン層19の表面が成形型27の成形面29a,31aに十分に圧接してその表面に凹凸状あるいは波形状等が形成されない見栄えの良いキャリアプレート9を得ることができ、さらにはキャリアプレート9の剛性強度を確保することができる。そして、このようにして膨張成形されたキャリアプレート9では、プレート本体15が膨張層21を有しないソリッド層のみからなりかつ本実施形態のプレート本体15と同一肉厚である場合に比べて、軽量化を図ることができる。
また、プレート本体15の膨張倍率が2.0倍以上4.0倍以下のとき、上記板状リブ25の板厚Tを0.4mm以上1.2mm以下に、突出長さLを2.0mm以上8.0mm以下にそれぞれ設定したので、重量増大及びコストアップを招くことなく膨張層21外周縁部のスキン層19に亀裂が発生するのを確実に防止することができる。
さらに、型閉じ状態で、キャビティ33外周縁部にキャビティ33のキャビティ容積拡大方向Aの空間より狭く板状リブ25を成形する板状空間35をキャビティ33に連通するように形成するだけの僅かな型構造の改造により、上述の如き亀裂がなく軽量で強度剛性が優れたキャリアプレート9を安価に成形することができる。
(実施形態2)
図5及び図6は実施形態2に係る樹脂成形体9′を成形する成形型27を示す。ここでは成形される樹脂成形体9′が具体的に何であるかは明示していない。この樹脂成形体9′では、成形体本体15′外周縁部における固定型29側である板厚方向一端部に、キャビティ容積拡大方向Aの両側面が固定型29及び可動型31の成形面29a,31a外方のパーティング面29c,31cによって形成され、かつキャビティ容積が拡大される前に固化したソリッド層23からなる板状リブ25が成形体本体15′の板面に沿うように全周に亘って連続して一体に突設されている。これに伴い、固定型29の成形面29a及びパーティング面29cは全体に亘って平滑面つまり面をなし、一方、可動型31の成形面31a外周縁部には、固定型29との間に板状空間35を形成するための突起部31dが全周に亘って連続して一体に突設されている。上記板状リブ25の板厚T及び突出長さLは実施形態1と同様であり、成形体本体15′がスキン層19及び膨張層21を有することや、成形要領についても実施形態1と同様であるので、同じ構成箇所には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。したがって、この実施形態2では、実施形態1と同様の作用効果を奏することができる。
なお、上記の実施形態1においても、実施形態2と同様に板状リブ25をプレート本体15外周縁部における固定型29側である板厚方向一端部に形成してもよい。また、上記の各実施形態においては、板状リブ25をプレート本体15外周縁部に全周に亘って連続して一体に突設したが、間欠的に突設してもよく、また、プレート本体15に開口部が形成されている場合には、該開口部の内周縁部に板状リブ25を一体に突設してもよい。
また、上記の各実施形態において、熱可塑性樹脂にはガラス繊維等の繊維を混入させたが、該繊維は必ずしも混入させなくてもよい。
さらに、上記の実施形態1では、樹脂成形体が自動車のサイドドアのキャリアプレート9である場合を示したが、上記の実施形態1及び2をインストルメントパネル、ドアトリム、トランクボード等の他の自動車用パネルや自動車以外の家電製品、住宅用パネル等にも適用することができるものである。
この発明は、樹脂密度の高いスキン層が表面に形成されるとともに多数の空隙を有し上記スキン層に比べて樹脂密度の低い膨張層が内部に形成されたパネル状の成形体本体を備えた樹脂成形体及びその成形方法について有用である。
実施形態1に係るキャリアプレートの板状リブ周辺部分を拡大して示す断面図である。 実施形態1に係るキャリアプレートが適用された自動車のサイドドアの下側部分を示す断面図である。 実施形態1において成形型のキャビティ内に熱可塑性樹脂を射出充填した状態を示す図1対応箇所の成形工程図である。 実施形態1において可動型をキャビティ容積が拡大する方向に僅かに後退させた状態を示す図3対応図である。 実施形態2の図3相当図である。 実施形態2の図4相当図である。 従来例の図3相当図である。 従来例の図4相当図である。
符号の説明
9 キャリアプレート(樹脂成形体)
9′ 樹脂成形体
15 プレート本体(成形体本体)
15′ 成形体本体
19 スキン層
21 膨張層
23 ソリッド層
25 板状リブ
27 成形型
29 固定型
29a 固定型の成形面
29c 固定型のパーティング面
31 可動型
31a 可動型の成形面
31c 可動型のパーティング面
33 キャビティ
35 板状空間
A キャビティ容積拡大方向
L 板状リブの突出長さ
R 熱可塑性樹脂
T 板状リブの板厚

Claims (3)

  1. 成形型のキャビティ内に射出充填した膨張促進物質入り熱可塑性樹脂の成形型の成形面近傍にスキン層が生成された時点で、キャビティ容積を拡大させて上記熱可塑性樹脂を膨張させることにより、樹脂密度の高いスキン層が表面に形成されるとともに多数の空隙を有し上記スキン層に比べて樹脂密度の低い膨張層が内部に形成されたパネル状の成形体本体を備え、
    上記成形体本体周縁部には、キャビティ容積拡大方向の両側面が成形型のパーティング面によって形成され、かつキャビティ容積が拡大される前に固化したソリッド層からなる板状リブが成形体本体の板面に沿うように一体に突設されていることを特徴とする樹脂成形体。
  2. 請求項1に記載の樹脂成形体において、
    板状リブは、成形体本体の膨張倍率が2.0倍以上4.0倍以下のとき、板厚が0.4mm以上1.2mm以下に、突出長さが2.0mm以上8.0mm以下にそれぞれ設定されていることを特徴とする樹脂成形体。
  3. 請求項1に記載の樹脂成形体の成形方法であって、
    型閉じ状態で、固定型と可動型との間に成形体本体を成形するキャビティが形成されるとともに、該キャビティ周縁部の上記固定型及び可動型のパーティング面間に上記キャビティのキャビティ容積拡大方向の空間より狭く板状リブを成形する板状空間が上記キャビティに連通するように形成される成形型を用意し、
    上記成形型の型閉じ状態で、膨張促進物質入り熱可塑性樹脂を上記キャビティ内に射出充填して上記板状空間に導入し、
    次いで、上記熱可塑性樹脂の固化進行により上記成形型の成形面近傍における熱可塑性樹脂にスキン層が生成され、かつ上記板状空間内の熱可塑性樹脂が固化した時点で、上記可動型を後退させてキャビティ容積を拡大させ、上記熱可塑性樹脂を膨張させることを特徴とする樹脂成形体の成形方法。
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