JP2009241337A - ゴム製品の製造方法 - Google Patents

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洋治 木村
Yosuke Miyake
洋右 三宅
Takeshi Kato
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Abstract

【課題】スキン層の厚みを制御することのできるゴム製品の製造方法を提供する。
【解決手段】自動車用ドアのドア開口周縁にはオープニングトリムが装着されている。オープニングトリムは、トリム部5及び中空状のシール部6を備えるとともに、シール部表面にスキン層6aが形成されている。オープニングの製造に際しては、未加硫未発泡のゴム材料を押出した中間成形体33を金型36に嵌め込み、中空部20に対しエアーを吹き込む。そして、このエアー圧Pによりシール部6をキャビティ面36dに圧接し、発泡を抑えた状態で加熱する。これにより、シール部6の表層部が未発泡のまま加硫され、当該表層部にスキン層6aが形成される。その後、減圧された状態で加熱を続けることにより、加硫されていない残りの未加硫未発泡のゴム材料が加硫・発泡され、シール部6が完成する。
【選択図】 図9

Description

本発明は、押出成形されるゴム製品であって、特に発泡したスポンジゴム部分の表層部に非発泡のスキン層を有したゴム製品の製造方法に関するものである。
押出成形されるゴム製品としては、例えば自動車に取付けられる自動車用シール部材などが知られている。自動車用シール部材の一つに、オープニングトリムウエザストリップ(以下、単にオープニングトリムという)がある。オープニングトリムは、耐候性に優れた合成ゴム、例えばエチレン・プロピレン・ジエン共重合体(EPDM)ゴム等により形成される。
オープニングトリムは、車体のドア開口周縁部に装着されるトリム部と、当該トリム部に一体的に形成される中空状のシール部とを有している。トリム部は、強度確保の観点からインサート部材を埋設した非発泡形態のソリッドゴムにより形成される。一方、シール部は、可撓性を確保するため発泡形態のスポンジゴムによって形成される。さらに、スポンジゴム製のシール部の表層部には、耐久性・耐摩耗性の向上や、外観品質の向上等を図るため、例えば非発泡のソリッドゴム等よりなる薄肉状のスキン層が形成される。
かかるオープニングトリムは、公知の押出成形法によって未加硫状態で押し出された押出成形体を加硫することにより得られる。
より詳しくは、トリム部用のソリッドゴム材料の押出機と、シール部用のスポンジゴム材料の押出機とからそれぞれ供給される未加硫ゴム材料を1つのダイスから所定形状に同時押出する。併せて、スキン層用の押出機からシート状に押し出されたソリッドゴム材料をシール部の表面に積層する。このようにして、トリム部とシール部とが一体となった押出成形体が成形される。
このように成形された押出成形体は、まず内部発熱を利用した高周波加硫槽(UHF)に案内され、急速昇温されて一次加硫が施される。この時、その熱によりスポンジゴム材料中の発泡剤が作用して発泡が開始する。その後、外部加熱を利用した熱風加硫槽(HAV)に案内され、保温されて二次加硫が施される。これにより、加硫が完了し、その後の各種加工工程を経てオープニングトリムが完成する。
しかし、上記のように、シート状に押出されたソリッドゴム材料等を貼り合せ、スキン層を積層形成する製造方法では、比較的薄肉のスキン層を形成することが難しい。その結果として、例えば、スキン層が厚肉となってしまうと、シール部の剛性が高くなり、ドア閉力(ドアを閉鎖する際の反力)が大きくなるといった不具合が生じるおそれがある。
これに対し、シール部に対応して、未加硫未発泡のスポンジゴム材料を押出成形するとともに、まずシール部の表面に熱風を当てる又は電子線を照射する等して、その表面を未発泡状態のまま加硫させてスキン層を形成し、その後、残りの部位を加硫発泡させ、スポンジゴムとするといった製造方法もある(例えば、特許文献1参照。)。このような技術を用いることで、スポンジゴム部分の表層部位に比較的薄肉のスキン層を形成することができる。
特開平10−52867号公報
しかしながら、上述したように単に未加硫未発泡のスポンジゴム材料の表面を熱してスキン層を形成する方法では、加硫(架橋反応)と発泡とが同時に進行していくため、スキン層を比較的厚く形成しようとしても所望の厚みを得ることが困難であった。つまり、従来技術では、最終的に形成されるスキン層の厚みを制御することが困難であった。
尚、かかる課題は、オープニングトリム等の自動車用シール部材に限らず、他のゴム製品の製造に際しても内在するものである。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、スキン層の厚みを制御することのできるゴム製品の製造方法を提供することにある。
以下、上記課題等を解決するのに適した各手段につき項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果等を付記する。
手段1.発泡したスポンジゴム部分の少なくとも一部の表層部に非発泡のスキン層を有したゴム製品の製造方法であって、
少なくとも前記スポンジゴム部分に対応して、発泡剤を含有した未加硫未発泡状態のゴム材料を押し出して、押出成形体を成形する押出成形工程と、
前記押出成形体を、当該押出成形体の外周形状と少なくとも一部が同一形状のキャビティ面を有する金型に入れる型入れ工程と、
前記押出成形体の内部に形成される中空部、又は、前記押出成形体と前記金型のキャビティ面との間に形成される中空部を閉塞し、当該中空部に対し前記発泡剤による発泡圧以上の圧力のガスを注入するガス注入工程と、
前記ガスの圧力によって、前記スポンジゴム部分となる前記押出成形体の所定部分の少なくとも一部を前記キャビティ面に押付けた状態で、前記金型を介して前記押出成形体を加熱することにより、前記キャビティ面に当接した前記所定部分の表層部に未発泡のまま加硫されてなるスキン層を形成するスキン層形成工程と、
前記スキン層の形成後、前記注入したガスを抜いた状態で、加硫されていない残りの未加硫未発泡のゴム材料を加硫発泡させて前記スポンジゴム部分を形成する加硫発泡工程とを備えたことを特徴とするゴム製品の製造方法。
上記手段1の製造方法では、押出成形体を金型に入れ、中空部を塞ぎ、発泡圧以上の圧力のガスを注入して、スポンジゴム部分となる所定部分の一方側から圧力をかけ、他方側を金型に押え付けた状態で、金型を介して加熱する。これにより、ガスの圧力によってゴム材料の発泡が抑制された状態で、金型から伝わる熱により当該金型に当接した面が加熱・加硫され、スキン層が形成される。その後、所定の厚みのスキン層が形成された段階でガスを抜き、中空部内の圧力を下げた状態で加熱を続けると発泡が開始され、加硫されていない残りの未加硫未発泡のゴム材料が加硫されつつ発泡していく。このようにして、表層部に非発泡のスキン層を有したスポンジゴム部分が形成される。このような製造方法を用いれば、ガスの注入時間を制御することにより、最終形成されるスキン層の厚みをコントロールすることができる。また、少なくともスポンジゴム部分については単一材料を押出機から押出すことで成形することができるため、従来のように表層部に異なる材料からなるものを貼り合せる場合に比べ、製造工程や設備の簡素化、ひいてはコスト削減を図ることができる。
さらに、金型を使用することにより、大気開放下で自由発泡させるよりも、最終形状の寸法を一定にすることができる。また、押出成形体の表面を金型で押え付けているため、表面が滑らかな外観品質の良い製品を製造することができる。
手段2.前記スキン層の厚みが、0.1mm以上、0.5mm以下の範囲内となることを特徴とする手段1に記載のゴム製品の製造方法。
スキン層の厚みが0.1mm未満である場合には、スポンジゴム部分の耐久性等が低下するおそれがあり、0.5mmを超える場合には剛性が高くなりすぎ、スポンジゴム部分に本来必要とされる可撓性が低下するおそれがある。これに対し、スキン層の厚みが0.1mm以上0.5mm以下の範囲内に設定されていることにより、耐久性や可撓性を兼ね備えたバランスの良いゴム製品を製造することができる。
なお、別体のシート状に押出されたソリッドゴム材料等を貼り合せ、スキン層を積層形成する方法では、スキン層の厚みを0.5mm以下にすることは難しく、スキン層が0.5mmを超える比較的厚肉なものとなってしまう。逆に、電子線や熱風を当てる等を施してインテグラルなスキン層を形成する方法では、加硫と発泡とが同時に進行してしまうため、スキン層の厚みを0.1mm以上にすることは難しく、スキン層の厚みが例えば0.01mm〜0.0.2mm程度になってしまう。
手段3.前記ゴム製品は、
前記スキン層を有したスポンジゴムよりなるシール部を備えてなる自動車用シール部材であることを特徴とする手段1又は手段2に記載のゴム製品の製造方法。
自動車用シール部材のシール部は、ある程度の耐久性や可撓性、外観品質を備える必要があるため、上記製造方法がより奏効することとなる。
〔第1実施形態〕
以下に、一実施形態について図面を参照して説明する。図1に示すように、自動車1の側方にはドア2が開閉可能に設けられ、ドア2に対応するボディ側のドア開口3周縁にはゴム製品(自動車用シール部材)としてのオープニングトリム4が装着されている。本実施形態のオープニングトリム4は、主としてEPDM(エチレン−プロピレン−ジエン共重合)ゴムによって構成されており、全体として環状をなす。
図2に示すように、オープニングトリム4はトリム部5及びシール部6を備えている。トリム部5は、車内側側壁部11、車外側側壁部12及び両側壁11,12を連結する連結部13を備えており、全体として断面略U字状をなす。トリム部5の内部には金属製のインサート14が埋設されている。
車外側側壁部12の内面(車内側面)にはトリム部5の内側(車内側)に向かって延びる複数の保持リップ部15が一体形成され、車内側側壁部11の内面(車外側面)にはトリム部5の内側(車外側)に向かって延びる保持リップ部16が一体形成されている。連結部13には図示しないガーニッシュ等の内装品の端部を覆う意匠リップ18が延出形成されている。
ドア開口3周縁には、前記ボディのインナパネル21及びアウタパネル22が接合されることによりフランジ23が形成されており、このフランジ23にトリム部5が嵌め込まれることにより、オープニングトリム4がドア開口3周縁に保持される。
一方、シール部6は、車外側側壁部12から車外側に突出するようにトリム部5と一体形成されている。シール部6は、内部に中空部20を有してなる断面中空状のシール部である。そして、ドア2閉時には、シール部6がドア2の周縁に圧接されることで、ドア2と自動車1のボディとの間がシールされる。
トリム部5は、非発泡形態のEPDMソリッドゴムにより構成されている。一方、シール部6は、大部分が発泡形態のEPDMスポンジゴムよりなるが、その表層部位には非発泡のスキン層6aが形成されている。シール部6の全体の厚みW1が1.0mm程度に設定されているのに対し、スキン層6aの厚みW2は0.1mm以上0.3mm以下に設定されている。
次にオープニングトリム4の製造方法について図3〜図8を参照して説明する。図3〜図8はそれぞれオープニングトリム4の製造工程の一部を示す模式図であり、各図中においてオープニングトリム4となるワークは左側(上流側)から右側(下流側)に進みながら製造される。
まず、押出成形工程において、押出成形体としての中間成形体33〔図9(a)参照〕が押出成形される。図3に示すように、押出成形工程において使用される製造ラインでは、2台の押出機30,31が1つの共押出用のダイス32に接続されている。2台の押出機30,31のうちの一方は、トリム部5を形成するためのEPDMソリッドゴム材料を押出すソリッドゴム押出機30であり、他方は、シール部6を形成するためのEPDMスポンジゴム材料を押出すスポンジゴム押出機31である。
ソリッドゴム押出機30に対しては、未加硫のEPDMソリッドゴム材料とともにインサート14が連続的に供給される。一方、スポンジゴム押出機31に対し供給される未加硫未発泡のEPDMスポンジゴム材料には、硫黄化合物等の架橋剤が含有されるとともに、重炭酸ナトリウム等の発泡剤が含有されている。
そして、各押出機30,31から供給される材料がダイス32より同時押出され、EPDMソリッドゴム材料によってインサート14が被覆された状態のトリム部5に対応する部位と、シール部6とが一体となった中間成形体33が所定断面形状で成形される。この段階では、トリム部5に対応するインサート14を埋設した部位が、図9(a)に示すように開いた状態で略平板状に押出される。
その後、図4に示すように中間成形体33は、カッター35により所定の寸法に裁断される。裁断された中間成形体33は、続く型入れ工程にて金型36に嵌め込まれる。図9(b)に示すように、金型36は、中間成形体33の長手方向に沿った長尺状の3つの型36a,36b,36cからなる。そして、図5に示すように、これらを型締めした際には、上流側端部(図5左側)が底となる有底筒状をなし、その内部には、中間成形体33の外周形状と同一形状のキャビティ面36dが形成される。
中間成形体33は、金型36に嵌め込まれる際、金型36の上流側端部によって自身の上流側端部が押しつぶされる。これにより、シール部6がつぶれ、中空部20の上流側端部が塞がれた状態となる。
続いて、金型36の下流側端部からシール部6の中空部20に対しノズル38を挿し込み、中空部20の下流側端部を塞ぐ。これにより、中間成形体33(中空部20)の両端部が閉塞された状態となる。そして、ガス注入工程にて、ノズル38から中空部20内にガスとしての高温のエアーを吹き込む。エアーを吹き込むことで、シール部6が膨張して、図9(b)に示すように、キャビティ面36dに圧接される。エアー圧Pとしては、EPDMスポンジゴム材料の発泡圧(例えば0.6MPa)以上の圧力(例えば0.6MPa〜1.0MPa)がかけられる。これにより、シール部6の内側(中空部20側)から圧力をかけ、その反対側にあたるシール部6の外表面がキャビティ面36dに押え付けられた状態となる。
そして、中間成形体33は、金型36に入れられ、エアー圧Pをかけられた状態のまま、図6に示すように、加硫槽40に搬送され、加熱される。加熱手段としては、例えばマイクロ波加熱装置、電熱加熱装置、熱風加熱装置等が挙げられる。
金型36が高温に加熱されることにより、当該金型36と当接した中間成形体33の外表面が加熱され、当該外表面から内方へ加硫が進行していく。特にシール部6に関しては、エアー圧Pが内側からかかることによって発泡が抑制されている。そのため、金型36から伝わる熱によりキャビティ面36dに当接した表層部が未発泡のまま加硫され、当該表層部にスキン層6aが形成される(スキン層形成工程)。一方、シール部6の内側(中空部20側)は、金型36に当接していないため、加硫がそれほど進まない。なお、トリム部5に対応する部位に関しては、発泡剤が含有されてないため発泡はせず、加硫だけが進行していく。
その後、図9(c)に示すように、所定時間経過後、スキン層6aが予め設定された厚みW2に達するタイミングで、ノズル38が外されてエアー抜きが行われる。これにより、中空部20内の圧力が大気圧まで下がる。図7に示すように、大気圧条件下で加熱を続けると、シール部6においては発泡が開始され、加硫されていない残りの未加硫未発泡のEPDMスポンジゴム材料が加硫されつつ発泡していく(加硫発泡工程)。このようにして、表層部に非発泡のスキン層6aを有したシール部6が形成される。
加硫完了後、金型36ごと冷却し、図8に示すように金型36を型開きして中間成形体33を取り出す〔図9(d)参照〕。その後、中間成形体33の両端部をカッター41,42で裁断する。両端部を裁断するのは、寸法合わせを行うとともに、金型36による挟持や、ノズル38の挿入によって変形した部分を切除するためである。
所定の寸法にした後、曲げ加工を施して断面略U字状のトリム部5が形成される。その後、所定形状に折り曲げ、さらに両端部同士を接続することで上記オープニングトリム4が完成する。
以上詳述したように、表層部に非発泡のスキン層6aを有したシール部6を形成するにあたり、本実施形態の製造方法を用いれば、エアー注入時間を制御することにより、最終形成されるスキン層6aの厚みW2をコントロールすることができる。
また、少なくともシール部6については単一材料(EPDMスポンジゴム材料)を押出機31から押出すことで成形することができるため、従来のように表層部に異なる材料(ソリッドゴム材料)からなるものを貼り合せる場合に比べ、製造工程や設備の簡素化、ひいてはコスト削減を図ることができる。
さらに、本実施形態では、金型36を使用することにより、大気開放下で自由発泡させるよりも、最終形状の寸法を一定にすることができる。
なお、シール部6は、ドア2を開放したときに外観に現れる部位であるため、直接スポンジゴム部分が外表面に露出してしまうと、外観品質が低下するおそれがある。この点、本実施形態では、シール部6の表層部にスキン層6aが形成されることに加え、シール部6の表面を金型36で押え付けて形成している。結果として、表面粗度が細かく、艶のある滑らかなシール部6を成形できるため、外観品質の向上を図ることができる。
また、スキン層6aの厚みW2が比較的厚肉であると、ドア2閉時におけるシール部6の反発力が大きくなり、ドア2を閉じきる際に比較的大きな力を要するおそれがある。これに対し、本実施形態のようにスキン層6aの厚みW2を、0.1mm以上0.5mm以下に設定することにより、ある程度の耐久性を確保しつつも、適度な可撓性を備えることができ、上記不具合の発生を低減することができる。
加えて、上記製造方法によりスキン層6aを形成することにより、表層部に異なる材料からなるものを貼り合せる場合に比べ、スキン層6aとスポンジ層との明確な界面が形成されにくいため、界面剥離による不具合が起こりにくい。
〔第2実施形態〕
上記第1実施形態では、本発明の製造方法によって製造されるゴム製品(自動車用シール部材)として、オープニングトリム4が例示されているが、ゴム製品はこれに限定されるものではない。例えば、ウエザストリップ等、他のゴム製品(自動車用シール部材)に具体化することもできる。
以下、本発明に係る第2実施形態について図面を参照して説明する。図1に示すように、ドア2には、その周縁に沿ってドアウエザストリップ(以下、単にウエザストリップという)50が装着されている。
ウエザストリップ50は、複数の押出成形部51〔図10(d)参照〕と、各押出成形部51の端部同士を接続するコーナー型成形部とから構成される。押出成形部51は、EPDMスポンジゴムにより形成されている。
図10(d)に示すように、ウエザストリップ50の押出成形部51は、ドア2周縁のリテーナに取付けられる取付基部53と、当該取付基部53から延びる中空シール部55と、当該中空シール部55の付根部から外方(車外側)へ延びるシールリップ部56とを備えている。また、中空シール部55内は、ブリッジ部57により仕切られており、2つの中空部54a,54bを有している。そして、ドア2閉時には、中空シール部55及びシールリップ56がボディ側のドア開口3周縁に圧接して変形し、これにより自動車1のボディとドア2との間がシールされる。
ウエザストリップ50の押出成形部51は、上記第1実施形態のオープニングトリム4と同様の方法で成形されるため、ここでは異なる特徴部分についてのみ詳しく説明する。
本実施形態の押出成形工程では、1台の押出機によって押出された未加硫未発泡のEPDMスポンジゴム材料のみによって、中間成形体60〔図10(a)参照〕全体が成形される。
その後、中間成形体60は、所定の寸法に裁断された後、図10(b)に示すように3つの型61a,61b,61cからなる金型61に嵌め込まれる。
そして、金型61を型締めした後、2つの中空部54a,54bに対しノズルを挿し込み、高温のエアーを吹き込む。エアーを吹き込むことで、取付基部53や中空シール部55が膨張して、キャビティ面61dに圧接される。この状態で加熱されることで、図10(c)に示すように、キャビティ面61dに当接した中間成形体60の外周面全体にスキン層59が形成される。
そして、所定時間経過後、エアー抜きが行われることで発泡が開始される。残りの未加硫未発泡のEPDMスポンジゴム材料が加硫されつつ発泡し、表層部に非発泡のスキン層59を有した押出成形部51〔図10(d)参照〕が完成する。
なお、シールリップ56を形成するキャビティ空間では、エアーによる圧力はかかっていないものの、金型61が両側から密着しており、自由発泡する空間がないため、発泡の進行が抑制される。逆にエアー抜き後の加硫発泡工程においても、若干、発泡が生じるものの、発泡が生じにくくなっている。結果として、シールリップ56は、他のスポンジゴム部分に比べて発泡がやや少ない剛性の高いものとなる。
従って、本実施形態によれば、上記第1実施形態と同様の作用効果が奏されることとなる。また、取付基部53の表層部にスキン層59が形成されることにより、取付基部53の耐久性を高めることができる。これにより、例えばリテーナへの取付けの際のクリップ等による表面の損傷等を防止することができる。
〔第3実施形態〕
上記第1,2実施形態では、中空部を有するゴム製品(自動車用シール部材)が例示されているが、ゴム製品はこれに限定されるものではない。
以下、本発明に係る第3実施形態について図面を参照して説明する。自動車1の前部にはエンジンルームを開閉するエンジンフード(ボンネット)が設けられている(図示略)。エンジンルームの前縁部には、これに対向するエンジンフードの前縁部との間をシールするフードシールウエザストリップが取付けられている。
フードシールウエザストリップは、直線状に形成された押出成形部70〔図11(d)参照〕と、当該押出成形部70の両端部に連続して形成された型成形部とから構成されている。押出成形部70は、EPDMスポンジゴムにより形成されている。
押出成形部70は、エンジンルームの前縁部に固定される略平板状の取付基部71と、エンジンフードの閉時においてこれに圧接する舌片状のシール部72とを備えている。
シール部72は、取付基部71の前端部(図11左側)より上方へ延出し、前方に凸となる断面略円弧形状に形成されている。
そして、エンジンフードの閉時には、エンジンフードの前縁部がシール部72に圧接し、エンジンフードとエンジンルームとの間がシールされる。
押出成形部70は、上記第1実施形態のオープニングトリム4と同様の方法で成形されるため、ここでは異なる特徴部分についてのみ詳しく説明する。
本実施形態の押出成形工程では、1台の押出機によって押出された未加硫未発泡のEPDMスポンジゴム材料のみによって、中間成形体75〔図11(a)参照〕全体が成形される。
その後、中間成形体75は、所定の寸法に裁断された後、図11(b)に示すように2つの型77a,77bからなる金型77に嵌め込まれる。但し、本実施形態における金型77は、中間成形体75の外周形状と厳密な意味での同一形状ではなく、一部が同一形状のキャビティ面77dを有しており、金型77を型締めした際、シール部72の裏面と型77aとの間には中空部78が形成される。
そして、中空部78の両端部を塞いだ状態で、当該中空部78に対しノズルを挿し込み、高温のエアーを吹き込む。エアーを吹き込むことで、シール部72の表面が型77bに圧接される。この状態で加熱されることで、図11(c)に示すように、シール部72の裏面を除く、キャビティ面77dに当接した中間成形体75の他の部位全体にスキン層73が形成される。
そして、所定時間経過後、エアー抜きが行われることで発泡が開始される。残りの未加硫未発泡のEPDMスポンジゴム材料が加硫されつつ発泡し、表層部に非発泡のスキン層73を有した押出成形部70〔図11(d)参照〕が完成する。
なお、取付基部71を形成するキャビティ空間では、エアーによる圧力はかかっていないものの、金型77が両側から密着しており、自由発泡する空間がないため、発泡の進行が抑制される。逆にエアー抜き後の加硫発泡工程においても、若干、発泡が生じるものの、発泡が生じにくくなっている。結果として、取付基部71は、他のスポンジゴム部分に比べて発泡がやや少ない剛性の高いものとなる。
従って、本実施形態によれば、上記第1実施形態と同様の作用効果が奏されることとなる。また、取付基部71の表層部にスキン層73が形成されることにより、取付基部71の耐久性を高めることができる。これにより、例えば取付け時のクリップ等による表面の損傷等を防止することができる。
また、シール部72の裏面にスキン層73が形成されないことで、可撓性が低下してシール性が低下してしまうといった不具合を回避することができる。
尚、上記実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
(a)上記第1実施形態では、フロント側のドア2に対応する自動車ボディ側のドア開口3周縁に設けられるオープニングトリム4の製造方法について具体化しているが、第2実施形態のようにドア2の周縁部、又は、リヤドア、バックドア、ラッゲージドア(トランクリッド)、ルーフドア(スライディングルーフパネル)等の他のドアの周縁部又はそれらのドアに対向するドアの開口周縁に設けられるウエザストリップの製造方法について適用することも可能である。また、第3実施形態のフードシールウエザストリップのように、他の自動車用シール部材の製造方法は勿論のこと、ホースなど他のゴム製品の製造方法に適用してもよい。
(b)上記実施形態では、シール部6の全体の厚みW1が1.0mmに設定されているのに対し、スキン層6aの厚みW2は0.1mm以上0.3mm以下に設定されている。スキン層6aの厚みW2はこれに限定されるものではなく、任意に設定可能である。
(c)ガス注入工程の際の中空部の閉塞方法は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、第1,2実施形態では、中間成形体の両端をクランプにより挟持し、第3実施形態では両端に栓をする等して閉塞した状態でガスを注入する構成としてもよい。また、吹き込むガスとしてはエアーの他に、例えばアルゴン等の不活性ガス等を吹き込むようにしてもよい。
(d)上記実施形態では、ゴム製品を構成する素材としてEPDMを例示しているが、IR(イソプレンゴム)、CR(クロロプレンゴム)等の他のゴム材料を用いてもよい。
自動車を示す斜視図である。 一実施形態におけるオープニングトリムを示す断面図である。 押出成形工程を示す模式図である。 型入れ工程を示す模式図である。 ガス注入工程を示す模式図である。 スキン層形成工程を示す模式図である。 加硫発泡工程を示す模式図である。 型開き工程を示す模式図である。 (a)は押出成形された直後の中間成形体を示す断面図であり、(b)は金型内でガスの注入された状態の中間成形体を示す断面図であり、(c)はスキン層が形成された後、加硫・発泡が行われている状態の中間成形体を示す断面図であり、(d)は加硫を終えた中間成形体を示す断面図である。 (a)は第2実施形態に係る押出成形された直後の中間成形体を示す断面図であり、(b)は金型内でガスの注入された状態の中間成形体を示す断面図であり、(c)はスキン層が形成された後、加硫・発泡が行われている状態の中間成形体を示す断面図であり、(d)は加硫を終えた中間成形体を示す断面図である。 (a)は第3実施形態に係る押出成形された直後の中間成形体を示す断面図であり、(b)は金型内でガスの注入された状態の中間成形体を示す断面図であり、(c)はスキン層が形成された後、加硫・発泡が行われている状態の中間成形体を示す断面図であり、(d)は加硫を終えた中間成形体を示す断面図である。
符号の説明
1…自動車、2…ドア、3…ドア開口、4…オープニングトリム、5…トリム部、6…シール部、6a…スキン層、33…中間成形体、36…金型、36d…キャビティ面36d。

Claims (3)

  1. 発泡したスポンジゴム部分の少なくとも一部の表層部に非発泡のスキン層を有したゴム製品の製造方法であって、
    少なくとも前記スポンジゴム部分に対応して、発泡剤を含有した未加硫未発泡状態のゴム材料を押し出して、押出成形体を成形する押出成形工程と、
    前記押出成形体を、当該押出成形体の外周形状と少なくとも一部が同一形状のキャビティ面を有する金型に入れる型入れ工程と、
    前記押出成形体の内部に形成される中空部、又は、前記押出成形体と前記金型のキャビティ面との間に形成される中空部を閉塞し、当該中空部に対し前記発泡剤による発泡圧以上の圧力のガスを注入するガス注入工程と、
    前記ガスの圧力によって、前記スポンジゴム部分となる前記押出成形体の所定部分の少なくとも一部を前記キャビティ面に押付けた状態で、前記金型を介して前記押出成形体を加熱することにより、前記キャビティ面に当接した前記所定部分の表層部に未発泡のまま加硫されてなるスキン層を形成するスキン層形成工程と、
    前記スキン層の形成後、前記注入したガスを抜いた状態で、加硫されていない残りの未加硫未発泡のゴム材料を加硫発泡させて前記スポンジゴム部分を形成する加硫発泡工程とを備えたことを特徴とするゴム製品の製造方法。
  2. 前記スキン層の厚みが、0.1mm以上、0.5mm以下の範囲内となることを特徴とする請求項1に記載のゴム製品の製造方法。
  3. 前記ゴム製品は、
    前記スキン層を有したスポンジゴムよりなるシール部を備えてなる自動車用シール部材であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のゴム製品の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8225554B2 (en) * 2008-09-30 2012-07-24 Toyoda Gosei Co. Ltd. Door opening trim weather strip for motor vehicle
CN103085283A (zh) * 2013-01-28 2013-05-08 常熟市汽车饰件股份有限公司 一种汽车门内饰板制造工艺
JP2016141306A (ja) * 2015-02-03 2016-08-08 トヨタ自動車株式会社 車両の前部構造
CN108688119A (zh) * 2018-05-16 2018-10-23 库博汽车标准配件(昆山)有限公司 一种汽车密封件绒带贴合度在线可调的贴绒装置

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