JP2003165220A - 液滴吐出ヘッドおよびその駆動方法並びに液滴吐出装置 - Google Patents

液滴吐出ヘッドおよびその駆動方法並びに液滴吐出装置

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JP2003165220A JP2001369133A JP2001369133A JP2003165220A JP 2003165220 A JP2003165220 A JP 2003165220A JP 2001369133 A JP2001369133 A JP 2001369133A JP 2001369133 A JP2001369133 A JP 2001369133A JP 2003165220 A JP2003165220 A JP 2003165220A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】滴体積1pl以下の微小液滴を安定吐出できる
液滴吐出ヘッドを提供。 【解決手段】液滴を吐出するノズル2は、略ストレート
形状のストレート部を有する。圧電アクチュエータ7に
印加される駆動波形は、圧力発生室1の体積を膨張させ
てノズル部のメニスカス9を圧力発生室1側に引き込む
ための第1電圧変化プロセス51と、次いで圧力発生室
1の体積を収縮させて液滴8を吐出させるための第2電
圧変化プロセス52とを有する。第1電圧変化プロセス
51の電圧変化量および電圧変化時間は、第2電圧変化
プロセス52を印加する時点におけるメニスカスの引き
込み量Dが0.8 l≦D≦1.5 lの条件を満足
するように設定される(lはノズルのストレート部の
長さ)。これにより、第2電圧変化プロセス52の印加
時において、ノズル中央部で激しい液面干渉を発生させ
ることができ、滴体積の極めて小さな液滴を吐出するこ
とが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液滴吐出ヘッドおよ
びその駆動方法並びに液滴吐出装置に関し、特にノズル
から微小な液滴を吐出して記録媒体上に文字や画像など
を記録したり、基板上に微細パターンや薄膜の形成等を
行うための液滴吐出ヘッドおよびその駆動方法並びに液
滴吐出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】圧電アクチュエータ等の電気機械変換器
を用いて、液体が充填された圧力発生室内に圧力波(音
響波)を発生させ、その圧力波によって圧力発生室に連
結されたノズルから液滴を吐出する液滴吐出方法は一般
によく知られている。特に、インクの滴を吐出して記録
用紙上に文字や画像などの記録を行うインクジェット記
録装置は広く普及している(例えば特公昭53−121
38号公報や特開平10−193587号公報など)。
【0003】図6は、上記公報などで公知のインクジェ
ット記録装置における液滴吐出機構(イジェクタ)の一
例を示す図である。圧力発生室1には、インクを吐出す
るためのノズル2と、共通流路4を介してインクタンク
(図示せず)からインクを導くためのインク供給路5が
連結されている。また、圧力発生室1の底面には振動板
6が設けられている。液滴吐出時には、圧力発生室1の
外部に設けられた圧電アクチュエータ7によってこの振
動板6を変位させ、圧力発生室1に体積変化を生じさせ
ることにより、圧力発生室内に圧力波を発生させる。こ
の圧力波によって、圧力発生室1内に充填されていたイ
ンクの一部がノズル22を通って外部に噴射され、液滴
8となって飛翔する。飛翔した液滴8は記録紙等の記録
媒体上に着弾し、記録ドットを形成する。こうした記録
ドットの形成を、画像データに基づいて繰り返し行うこ
とによって、記録媒体上に文字や画像が記録される。
【0004】また、近年では、上記のような液滴吐出装
置を工業的に活用することが試みられている。主な活用
例としては、(a)導電性ポリマー溶液を基板上に吐出
させて配線パターンやトランジスタを形成、(b)有機
EL溶液を基板上に吐出させてELディスプレイパネル
を形成、(c)溶融状態のハンダを基板上に吐出して電
気実装用のバンプを形成、(d)UV硬化樹脂等の液滴
を基板上で積層および硬化させることにより3次元物体
を造形、(e)有機材料の溶液(レジスト溶液など)を
基板上に吐出させて有機薄膜を形成、などが挙げられ
る。このように、液滴吐出装置は画像記録用としてだけ
ではなく、広い領域で活用されつつあり、今後更にその
活用範囲が広がっていくと予想される。
【0005】こうした液滴吐出装置において、現在、大
きな技術課題となっているのが「液滴体積の減少」であ
る。すなわち、液滴吐出装置を写真画像等の印刷に用い
る場合、粒状感の少ない高い画像品質を得るためには、
記録紙上に形成する記録ドット(画素)をできるだけ小
さくすることが重要であり、そのためには非常に微小な
液滴を吐出させる必要がある。また、液滴吐出装置を工
業的用途に用いる場合にも、高密度な配線パターンや高
解像度ELディスプレイパネルを実現するためには、極
めて微小な液滴を基板上に吐出させる必要がある。必要
となる微小滴体積は、液滴吐出装置の利用方法によって
大きく異なる。例えば、画像記録(印刷)を行う場合に
は、1〜2pl(ピコリットル)の微小滴を吐出できれ
ばほぼ十分であるが、高密度な配線パターンやトランジ
スタを形成するには、0.1pl以下の微小滴を吐出さ
せる必要がある。このように、液滴吐出装置の活用範囲
が拡大されるに伴って、「滴体積の減少」がこれまで以
上に重要な技術課題となってきている。
【0006】液滴吐出ヘッドで微小滴の吐出を実行する
ための駆動方法としては、吐出直前に圧力発生室を一旦
膨張させ、ノズル開口部のメニスカスを圧力発生室側に
引き込んだ状態から液滴の吐出を行う駆動方法が知られ
ている(例えば特開昭55−17589号公報)。この
種の駆動方法で用いられる駆動波形の一例を図7(a)
に示す。なお、駆動電圧と圧電アクチュエータ動作との
関係は、アクチュエータの構造や分極方向によって異な
るが、本明細書においては、駆動電圧を増加させると圧
力発生室の体積が減少し、逆に駆動電圧を減少させると
圧力発生室の体積が増加するものとする。
【0007】図7(a)の駆動波形は、圧力発生室を膨
張させるための第1電圧変化プロセス51と、次いで圧
力発生室を圧縮し、液滴の吐出を行うための第2電圧変
化プロセス52によって構成されている。
【0008】図8は、図7(a)の駆動波形を印加した
際におけるノズル開口部のメニスカスの動きを模式的に
表わした図である。初期状態においてメニスカス9は平
坦な形状をしているが(図8(a))、吐出直前に圧力
発生室を膨張させることにより、メニスカス9は図8
(b)に示すような形状となる。すなわち、メニスカス
9の中央部が圧力発生室側に大きく引き込まれ、凹型の
メニスカス9が形成される。こうして凹型のメニスカス
9を形成した状態から、第2電圧変化プロセス52によ
って圧力発生室の圧縮を行うと、図8(c)に示すよう
に、メニスカス9の中央部に細い液柱22が形成され、
次いで、液柱22の先端部が分離して液滴8が形成され
る(図8(d))。このときの液滴径は、形成された液
柱22の太さとほぼ等しく、ノズル2の開口径よりも小
さい。すなわち、こうした駆動方法を用いることによ
り、ノズル開口径よりも小さな液滴8を吐出することが
可能となる。なお、上記のように、吐出直前のメニスカ
ス形状を制御して微小滴吐出を行う駆動方法のことを、
本明細書では以下、「メニスカス制御方式」と呼ぶ。
【0009】また、本発明者は、より小さな液滴を安定
吐出できる駆動方法として、図7(b)に示すような駆
動波形を特願平10−318443号において開示し
た。この駆動波形は、吐出直前にメニスカスを引き込む
ための第1電圧変化プロセス51、圧力発生室を圧縮し
て液柱を形成するための第2電圧変化プロセス52、液
柱先端部から滴を早期に分離させるための第3電圧変化
プロセス53、および液滴吐出後に残存する圧力波の残
響を抑制するための電圧変化プロセス54によって構成
されている。すなわち、図7(b)の駆動波形は、液滴
の早期分離および残響抑制を目的とした電圧変化を含ん
でいる。これにより、図7(a)の駆動波形を用いた場
合よりも滴体積の小さな液滴(4pl程度)を安定に吐
出させることが可能となった。
【0010】また、本発明者らは、さらに小さな微小液
滴を吐出できる方法として、圧電アクチュエータの固有
振動を利用する駆動方法を特願平11−20613号に
おいて開示した。本駆動波形では、第2電圧変化プロセ
ス52の電圧変化時間tおよび第3電圧変化プロセス
53の電圧変化時間tを、圧電アクチュエータ自体の
固有周期Tと同等もしくはそれ以下に設定している点
に特徴がある。これにより、圧電アクチュエータ自体の
固有振動が励起され、メニスカスに周波数の高い振動を
発生させることができるため、これを上記メニスカス制
御方式と組み合わせることにより、通常のメニスカス制
御方式よりも小さな滴を吐出することが可能となる。
【0011】また、本発明者らは、メニスカス制御方式
による吐出メカニズムの検討結果をもとに、微小滴吐出
に有利となる駆動波形を特願平11−237791号お
よび特願2000−146992号にて開示した。これ
らの駆動波形では、第1電圧変化プロセス51の電圧変
化時間tおよび第1電圧変化プロセス51の終了時刻
と第2電圧変化プロセス52の開始時刻との時間差t
を特定の条件を満足するように設定している。これによ
り、駆動波形の節A、節B、および節C(図7(b)参
照)で発生する粒子速度の位相をほぼ一致させ、第2電
圧プロセス52印加時における粒子速度を急激に増加さ
せることができる。後述するように、第2電圧プロセス
52印加時に大きな粒子速度変化が生じると、ノズル中
央部でメニスカスの激しい干渉が発生し、細い液柱が形
成され、その結果、非常に微小な液滴を高速で吐出する
ことが可能となる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来の駆動波形で実際に吐出できる微小滴の滴体
積は1〜2pl程度が下限であり、特に液滴吐出装置の
工業用途で要求されるような1pl以下の微小液滴を吐
出することは不可能である。
【0013】また、従来の液滴吐出装置における別の問
題点として、微小滴吐出の吐出安定性が低いという問題
がある。すなわち、図7(b)に示したような駆動波形
を用いることにより、1〜2pl程度の微小滴吐出は可
能であるが、これを複数のイジェクタから均一に実行す
ることは極めて困難である。微小滴の吐出状態がイジェ
クタ間でばらつく原因として、従来の微小滴吐出現象が
ノズル形状や圧力波に対して非常に敏感であることが挙
げられる。すなわち、ヘッド内に複数のイジェクタが配
されている場合、各イジェクタ間では、ノズルの開口径
や断面形状、発生する圧力波の固有周期などに僅かなが
らもばらつきが存在する。従来の微小滴吐出方法では、
そうしたばらつきに非常に敏感であるため、各イジェク
タ間で微小滴の吐出状態が変化し、均一な微小滴吐出を
実行することが困難である。
【0014】本発明は、上記の問題点を解決すべくなさ
れたものであり、その目的は、滴体積1pl以下の超微
小液滴の吐出を実現できる液滴吐出ヘッドおよびその駆
動方法並びに液滴吐出装置を提供することである。
【0015】また、本発明の第二の目的は、微小液滴吐
出の吐出安定性および均一性に優れた液滴吐出ヘッドお
よびその駆動方法並びに液滴吐出装置を提供することで
ある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明に係わる液滴吐出ヘッドの駆動方法は、テー
パー角の小さい略ストレート形状のストレート部を有す
るノズルと、該ノズルと連通する圧力発生室と、電気機
械変換器とを少なくとも有し、前記電気機械変換器に駆
動電圧を印加し、前記電気機械変換器を変形させて、液
体が充填された前記圧力発生室内に圧力変化を生じさせ
ることで、前記ノズルから液滴を吐出させる液滴吐出ヘ
ッドの駆動方法であって、前記駆動電圧の電圧波形が、
前記圧力発生室の体積を膨張させて前記ノズル部のメニ
スカスを前記圧力発生室側に引き込むための第1電圧変
化プロセスと、次いで前記圧力発生室の体積を収縮させ
て液滴を吐出させるための第2電圧変化プロセスとを少
なくとも含み構成されており、前記ストレート部の長さ
をlとしたとき、前記第2電圧変化プロセスを印加す
る時点における前記メニスカスの引き込み量Dが、 0.8 l≦D≦1.5 l の条件を満足するように前記第1電圧変化プロセスの電
圧変化量および電圧変化時間を設定することを特徴とす
る。
【0017】これにより、液柱形成過程において、凹形
状のメニスカスをノズル中央部で激しく干渉させること
ができ、滴体積の極めて小さな微小液滴を吐出すること
が可能となる。
【0018】ここで、本発明の作用を図9および図10
を参照しながら説明する。
【0019】前述したように、メニスカス制御方式によ
って微小滴吐出を行う場合には、第1電圧変化プロセス
によってメニスカスを圧力発生室側に引き込み、凹形状
のメニスカスを形成する(この動作を以下「引き」と呼
ぶ)。次いで、第2電圧変化プロセスによってメニスカ
スをノズル外側に向かって押し出すことにより(この動
作を以下「押し」と呼ぶ)、ノズル中央部に細い液柱を
形成させる。メニスカス制御方式で吐出される液滴の滴
径は、形成される液柱の太さとほぼ一致する。また、液
滴の飛翔速度(滴速)は液柱の成長速度とほぼ一致す
る。従って、微小な液滴を高速で飛翔させるためには、
細い液柱を高速に成長させることが重要となる。
【0020】この液柱の形成メカニズムについては、以
前に本発明者らが吐出観察実験および流体解析によって
調査を行い、ノズル中央部で液面を激しく干渉させるこ
とが、細い液柱を形成するための必要条件であることを
見出した。特願平11−237791号および特願20
00−146992号にて開示した駆動波形は、その知
見に基づいたもので、駆動波形の節A、節B、および節
C(図7(b)参照)で発生する粒子速度の位相をほぼ
一致させることにより、第2電圧プロセス印加時におけ
る粒子速度を急激に増加させ、ノズル中央部でメニスカ
スの激しい干渉を発生させている。
【0021】しかしながら、本発明者がさらに詳しく検
討を行った結果、上記駆動波形は微小滴吐出に確かに有
効であるが、ノズル形状やメニスカスの引き込み量によ
っては、必ずしも十分な微小滴吐出を実現できないこと
が判明した。これは、第2電圧変化プロセス印加時にお
けるメニスカスの動きに対する理解が不十分であったた
めであると言える。すなわち、特願平11−23779
1号および特願2000−146992号では、凹形状
のメニスカスに対して「押し」を加えると、図9に示す
ように、メニスカスの各部は液面の法線方向に移動し、
その結果、ノズル中央部に多量のインクが集中し、この
局所的な体積増加によってノズル中央部に液柱が形成さ
れると考えている。しかし、本発明者が流体解析および
実測評価によって詳しく調査した結果、凹形状のメニス
カスに対して「押し」を加えた場合、メニスカスの各部
は必ずしも液面の法線方向に移動するわけではなく、メ
ニスカスの動きはノズル形状に大きく依存することが明
らかになった。
【0022】図10は、ノズル形状によるメニスカス動
作の変化を模式的に示した図である。ここでは、メニス
カスの移動速度を、ノズル中心軸に対して平行な方向の
成分(Y成分)と、ノズル中央(中心軸)に向かう方向
の成分(R成分)の二つの成分に分けて考える。微小滴
吐出を実現するためには、R成分の大きな速度ベクトル
をメニスカスに生じさせ、ノズル中央部で激しい液面干
渉を発生させることが必要となる。
【0023】流体解析および実測評価の結果、図10
(a)に示すように、引き込まれたメニスカスがノズル
のストレート部内に留まっている場合(D≪l)に
は、「押し」を加えられたメニスカスは、Y成分が大き
な速度ベクトルをもつことが明らかになった。つまり、
D≪lの条件では、R成分の大きな速度ベクトルが得
られないため、ノズル中央部での液面干渉を効率的に発
生させることができず、微小滴吐出に不利となることが
明らかになった。
【0024】一方、図10(b)に示すように、メニス
カスの引き込み量Dとノズルストレート部の長さl
ほぼ同等に設定した場合には、「押し」を加えた際に、
R成分が支配的な速度ベクトルがメニスカスに発生する
ことが明らかになった。これは、ノズルストレート部の
下端近傍では、R成分の大きな流速分布が発生するため
であると考えられる。つまり、D≒lと設定すること
により、メニスカス先端部においてR成分の大きな速度
ベクトルを発生させることができる。これにより、ノズ
ル中央部において激しい液面干渉を発生でき、極めて細
い液柱を形成することが可能となる。
【0025】以上のように、微小滴吐出に不可欠となる
激しい液面干渉(極細液柱)を発生させるためには、特
願平11−237791号および特願2000−146
992号で述べられているように、液面速度を増加させ
るだけでなく、メニスカス先端部近傍における速度ベク
トルのR成分が増加するように、メニスカス引き込み量
Dとノズルストレート部長さlの関係を設定すること
が重要である。本発明の液滴吐出ヘッドの駆動方法で
は、ノズル中央部において激しい液面干渉を発生させら
れるように、メニスカスの引き込み量Dを0.8 l
≦D≦1.5 lの条件を満足するようになるように
設定している点に大きな特徴がある。
【0026】また、本発明の好ましい液滴吐出ヘッドの
駆動方法は、前記圧力発生室内に発生する圧力波の固有
周期をTとしたとき、前記第2電圧変化プロセスの電
圧変化時間を前記固有周期Tの1/3以下に設定す
る。これにより、第2電圧変化プロセス印加時に大きな
粒子速度が得られると共に、液柱からの液滴分離を早期
に実行することができるため、滴体積の小さな微小滴を
吐出できるという効果が得られる。
【0027】また、本発明の好ましい液滴吐出ヘッドの
駆動方法は、前記駆動電圧の電圧波形が、前記第2電圧
変化プロセスの直後に、前記圧力発生室の体積を膨張さ
せるための第3電圧変化プロセスを含み構成される。こ
れにより、液柱からの液滴分離をさらに早期に実行する
ことができるため、滴体積のさらに小さな微小滴を吐出
できるという効果が得られる。なお、上記効果を有効に
得るためには、前記第3電圧変化プロセスの電圧変化時
間は、前記固有周期Tの1/3以下に設定することが
好ましい。また、前記第2電圧変化プロセスの終了時刻
と、前記第3電圧変化プロセスの開始時刻との時間間隔
は、前記固有周期Tの1/5以下に設定することが好
ましい。
【0028】また、本発明の好ましい液滴吐出ヘッドの
駆動方法は、前記駆動電圧の電圧波形が、前記第3電圧
変化プロセスの直後に、前記圧力発生室の体積を収縮さ
せるための第4電圧変化プロセスを含み構成される。こ
れにより、微小滴吐出後の圧力波残響を抑制することが
でき、微小滴を連続吐出した際の安定性を向上できると
いう効果が得られる。なお、上記効果を有効に得るため
には、前記第4電圧変化プロセスの電圧変化時間を、前
記固有周期Tの1/2以下に設定することが好まし
い。
【0029】また、本発明の好ましい液滴吐出ヘッドの
駆動方法は、前記第1電圧変化プロセスの電圧変化時間
を、前記電気機械変換器の固有振動の固有周期Tより
も大きく、前記固有周期Tよりも小さく設定する。こ
れにより、メニスカスの引き込み時に良好なメニスカス
形状を得ることができ、微小滴吐出を安定化できるとい
う効果が得られる。
【0030】また、本発明の好ましい液滴吐出ヘッドの
駆動方法は、前記第1電圧変化プロセスの電圧変化時間
を、前記圧力発生室内における圧力波固有周期Tの略
1/2とし、かつ、前記第2電圧変化プロセスの開始時
刻を前記第1電圧変化プロセスの終了直後に設定する。
これにより、第2電圧変化プロセス印加時に、メニスカ
スに大きな粒子速度を発生させることができるため、ノ
ズル中央部での液面干渉を強化でき、滴体積のさらに小
さな微小滴を吐出することが可能になるという効果が得
られる。なお、上記効果を有効に得るためには、前記第
1電圧変化プロセスの終了時刻と、前記第2電圧変化プ
ロセスの開始時刻との時間間隔を、前記固有周期T
1/5以下に設定することが好ましい。
【0031】また、本発明の好ましい液滴吐出ヘッドの
駆動方法は、前記第1電圧変化プロセスの電圧変化時間
と、前記第1電圧変化プロセスの終了時刻と前記第
2電圧変化プロセスの開始時刻の時間間隔tを、 の関係式を満足するように設定する。これにより、第2
電圧変化プロセス印加時に、メニスカスに大きな粒子速
度を発生させることができるため、ノズル中央部での液
面干渉を強化でき、滴体積のさらに小さな微小滴を吐出
することが可能になるという効果が得られる。
【0032】また、本発明の好ましい液滴吐出ヘッドの
駆動方法は、前記第2電圧変化プロセスの電圧変化時間
を、前記電気機械変換器の固有振動の固有周期Tと同
等もしくはそれ以下に設定する。これにより、第2電圧
変化プロセス印加時に極めて大きな粒子加速度が得られ
ると共に、液柱から液滴を極めて早期に分離することが
でき、滴体積の非常に小さな微小滴を吐出できるという
効果が得られる。なお、上記効果を有効に得るために
は、前記第3電圧変化プロセスの電圧変化時間を、前記
電気機械変換器の固有振動の固有周期Tと同等もしく
はそれ以下に設定し、かつ、前記第2電圧変化プロセス
の開始時刻と前記第3電圧変化プロセスの開始時刻との
差tを、 T/2≦t≦T の条件が満足されるように設定することが好ましい。
【0033】また、上述の課題を解決するために、本発
明に係わる液滴吐出ヘッドは、テーパー角の小さい略ス
トレート形状のストレート部を有するノズル、該ノズル
と連通する圧力発生室、および電気機械変換器とを少な
くとも有し、前記電気機械変換器に、前記圧力発生室の
体積を膨張させて前記ノズル部のメニスカスを前記圧力
発生室側に引き込むための第1電圧変化プロセスと、次
いで前記圧力発生室の体積を収縮させて液滴を吐出させ
るための第2電圧変化プロセスとを少なくとも含み構成
される駆動電圧を印加し、前記圧力発生室内に圧力変化
を生じさせることにより前記ノズルから液滴を吐出させ
る液滴吐出ヘッドであって、前記第2電圧変化プロセス
を印加する時点における時における前記メニスカスの引
き込み量をDとしたとき、前記ストレート部の長さl
を D/1.5≦l≦D/0.8 の条件を満足するように設定することを特徴とする。こ
れにより、液柱形成過程において、凹形状のメニスカス
をノズル中央部で激しく干渉させることができ、滴体積
の極めて小さな微小液滴を吐出することが可能となる。
【0034】また、本発明の好ましい液滴吐出ヘッド
は、前記ノズルが、前記ストレート部と接続されたテー
パ部を有する。これにより、メニスカス引き込み時にお
けるノズル内部への気泡巻き込みを防止することがで
き、信頼性に優れた液滴吐出ヘッドを実現できるという
効果が得られる。
【0035】また、本発明の好ましい液滴吐出ヘッド
は、前記ノズルの開口径をdとしたとき、前記ストレ
ート部の長さlが、 0.8 d≦ln≦2.0 d の条件式を満足するように設定される。これにより、最
低限のメニスカス引き込みによって、微小滴吐出に有利
となる曲率半径の小さなメニスカスを得ることができる
という効果が得られる。
【0036】また、本発明の好ましい液滴吐出ヘッド
は、前記圧力波の固有周期Tを15μs以下に設定す
る。これにより、第2電圧変化プロセス印加時に大きな
メニスカス速度変化が得られ、滴体積の小さな微小滴を
吐出できるという効果が得られる。
【0037】また、本発明の好ましい液滴吐出ヘッド
は、前記電気機械変換器の固有振動の固有周期Tを5
μs以下に設定する。これにより、電気機械変換器の固
有振動を利用した駆動方法を用いる場合において、第2
電圧変化プロセス印加時に非常に大きな速度変化を生じ
ることができ、滴体積のさらに小さな微小滴を吐出でき
るという効果が得られる。
【0038】また、本発明の好ましい液滴吐出ヘッド
は、前記ノズルの開口径を20μm以下に設定する。こ
れにより、微小滴吐出に有利となる曲率半径の小さなメ
ニスカスを得ることができるという効果が得られる。
【0039】また、本発明の好ましい液滴吐出ヘッド
は、前記電気機械変換器が、圧電振動子を含み構成され
る。これにより、微小滴吐出に必要な圧力波を圧力発生
室内に有効に発生させることができるという効果が得ら
れる。なお、滴体積の小さな液滴吐出を実現するために
は、前記圧電振動子は縦振動モードの圧電振動子である
ことが好ましい。
【0040】また、本発明に係る液滴吐出装置は、前記
液滴吐出ヘッドを搭載してなることを特徴とする。これ
により、極めて微小な液滴を媒体上に吐出させることが
でき、高画質の画像記録、高密度の配線パターン形成、
高密度ディスプレイパネルの製造等を可能とすることが
できる。
【0041】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
【0042】[第1の実施の形態]図1は本発明の液滴
吐出ヘッドの第1の実施の形態におけるノズル部の拡大
図、図2はこの第1の実施の形態の液滴吐出ヘッドの駆
動波形(電気機械変換器に印加する駆動電圧の電圧波
形)を示す図である。液滴吐出ヘッド全体の基本構成
は、図6に示す従来の液滴吐出ヘッドと同一とした。
【0043】この第1の実施の形態の液滴吐出ヘッド
は、エッチング等によって穿孔加工された複数のステン
レス板(厚さ50〜150μm)を、接着剤によって積
層接合することにより作製した。ヘッドには32個の圧
力発生室1(図6の紙面垂直方向に配列)が設けられて
おり、それらは供給路5を介して共通流路4によって連
結されている。共通流路4は液体タンク(図示せず)と
連結されており、各圧力発生室1に液体を導く働きをし
ている。各圧力発生室1には、液滴8を吐出するための
ノズル2が連結されている。また、圧力発生室1の底面
には振動板6が形成されており、振動板6には電気機械
変換器としての圧電アクチュエータ(圧電振動子)7が
取り付けられている。この圧電アクチュエータ7に駆動
波形(駆動電圧)を印加すると、圧電アクチュエータ7
が変形し、液体が充填された圧力発生室1を膨張または
圧縮させる。圧力発生室1に体積変化が生じると、圧力
発生室1内に圧力波が発生する。この圧力波の作用によ
ってノズル部の液体が運動し、ノズル2から外部へ排出
されることにより液滴8が形成される。
【0044】この第1の実施の形態において、ノズル2
はポリイミドフィルムをエキシマレーザーで穿孔するこ
とにより形成した。ノズル開口径は20μm、ノズル長
さは25μmであり、ノズル2の断面形状はテーパー角
10°以下の略ストレート形状とした(図1参照)。す
なわち、この第1の実施の形態では、ノズル2はストレ
ート部のみから構成される。
【0045】供給路5はステンレス板をプレスによって
穿孔することにより形成し、開口径約30μm、長さ7
5μmのテーパー形状とした。振動板6には電鋳(エレ
クトロフォーミング)で成形したニッケルの薄板を用い
た。圧電アクチュエータ7には積層型圧電セラミクスを
用いた。
【0046】図27は、圧電アクチュエータを駆動する
ための駆動回路の基本構成を示す図である。駆動回路
は、波形発生回路41、増幅回路42、およびスイッチ
ング回路(トランスファ・ゲート回路)43を含み構成
される。波形発生回路41は、デジタル・アナログ変換
回路と積分回路とから構成され、駆動波形データをアナ
ログ変換した後、積分処理して駆動波形信号を発生す
る。増幅回路42は、波形発生回路41から供給された
駆動波形信号を電圧増幅および/または電流増幅して増
幅駆動波形信号として出力する。スイッチング回路43
a、43b、43cは、液滴吐出のオン・オフ制御を行
うもので、画像パターンデータ等をもとに生成された信
号に基づいて、駆動波形信号を圧電アクチュエータ7に
印加する。
【0047】なお、吐出させる液滴の径を多段階に切り
替える場合、すなわち滴径変調を実行する場合には、図
28に示すような駆動回路を使用する。この例の駆動回
路では、滴径を3段階(大滴、中滴、小滴)に変調する
ために、それぞれの滴径に応じた3種類の波形発生回路
41a、41b、41cを具備しており、各波形は増幅
回路42a、42b、42cによって増幅される。記録
時には、画像パターンデータ等をもとに、圧電アクチュ
エータ7に印加される駆動波形がスイッチング回路43
a、43b、43cによって切り替えられ、所望滴径の
液滴が吐出される。なお、圧電アクチュエータを駆動す
るための駆動回路は、この実施の形態に示した構成のも
のに限らず、他の構成のものを用いることも可能であ
る。
【0048】この第1の実施の形態で使用した駆動波形
は、図2に示すように、吐出直前に圧力発生室1を膨張
させるための第1電圧変化プロセス51、圧力発生室1
を急激な速度で圧縮するための第2電圧変化プロセス5
2、圧力発生室1を急激な速度で膨張させるための第3
電圧変化プロセス53、および圧力発生室1を再び急激
な速度で圧縮するための第4電圧変化プロセス54、お
よび印加電圧を基準電圧に戻すための第5電圧変化プロ
セス55によって構成されている。それぞれの電圧変化
における電圧変化時間および電圧変化量は、区間t
2μs、区間t =2μs、区間t=2μs、区間t
=0.5μs、区間t=2μs、区間t=0.3
μs、区間t=2.2μs、区間t=6μs、電圧
変化量V =15V、電圧変化量V=8V、電圧変化
量V=14V、バイアス電圧V =20Vに夫々設定
した。
【0049】この駆動波形が圧電アクチュエータに印加
されると、第1電圧変化プロセス51によってノズル開
口部のメニスカスが一旦圧力発生室側に引き込まれ、凹
形状のメニスカスを形成する(図1、図8(b)参
照)。その後、第2電圧変化プロセス52が加えられる
と、ノズル中央部に細い液柱が形成され、更に第3電圧
変化プロセス53によって液柱が早期に分断されること
により、ノズル径よりも小さな液滴が吐出される。ま
た、液滴吐出後に残存する圧力波の残響は、第4電圧変
化プロセス54によって抑制される。
【0050】ここで、メニスカスの粒子速度および位置
を理論計算によって求めるための等価電気回路モデルに
ついて説明する。図11(a)は、図6に示した液滴吐
出ヘッドを等価電気回路に置き換えたものである。ここ
で、mはイナータンス[kg/m]、rは音響抵抗
[Ns/m]、cは音響容量[m/N]、uは体積
速度[m/s]、φは圧力[Pa]を表わし、添字の
0は駆動部(圧電アクチュエータ)、添字の1は圧力発
生室、添字の2は供給路、添字の3はノズルをそれぞれ
意味している。
【0051】図11(a)の回路において、圧電アクチ
ュエータに高剛性の積層型圧電アクチュエータを使用
し、かつ、駆動波形の各電圧変化プロセスが、圧電アク
チュエータの固有振動の固有周期T(後述)よりも大
きく設定されている場合には、振動系のイナータンスm
、音響抵抗r、および音響容量cは無視すること
ができる。また、圧力波の解析時には、ノズルの音響容
量cも無視することができるため、図11(a)の回
路は図11(c)のように簡略化できる。
【0052】ノズルと供給路のイナータンスおよび音響
抵抗に、m=k・m、r=k・rの関係が成り
立つと仮定し、図12(a)のように立ち上がり角度θ
をもつ駆動波形を入力した場合について回路解析を行う
と、0≦t≦tの時間内におけるノズル部での粒子速
度v’は、 のように表わされる(Aはノズル開口面積)。
【0053】図12(b)のような複雑な形状の駆動波
形を用いた場合の粒子速度は、駆動波形の各節(A、
B、C、D)で発生する粒子速度を重ね合わせていくこ
とによって求めることができる。すなわち、図12
(b)の駆動波形で発生する粒子速度vは、 のように表わされる。
【0054】図3の実線は、図2の駆動波形を入力した
際のメニスカスの粒子速度を式(2)によって求めた結
果である。なお、式(2)により求めた粒子速度は、レ
ーザードップラー計を用いて実測した結果(図3の点
線)と良く一致しており、式(2)によってメニスカス
の粒子速度を正確に求められることが確認された。な
お、本実施の形態の液滴吐出ヘッドにおいて、圧力発生
室1内に発生する圧力波の固有周期Tは10μsであ
った。
【0055】液滴吐出直前のメニスカス引き込み量(体
積)は、図3の斜線部の面積とノズル開口径の積として
求めることができる。メニスカスの断面形状を放物線状
と近似すると、本実施の形態でのメニスカス引き込み量
(先端位置)Dは約30μmと算出される。すなわち、
本実施の形態では、図1に示すように、引き込まれたメ
ニスカスの先端がノズルの下端よりも僅かに飛び出した
状態となる。
【0056】上記のように、メニスカスの引き込み量D
をノズル長さlとほぼ同等に設定することにより、第
2電圧変化プロセス52によってメニスカスに「押し」
を加えた際に、メニスカス先端部近傍においてR成分の
大きな速度ベクトルを発生させることができる(図10
参照)。これにより、ノズル中央部において激しい液面
干渉を発生でき、極めて細い液柱を形成することが可能
となる。実際に本実施の形態の液滴吐出ヘッドを用いて
吐出実験を行った結果、滴体積1pl、滴速8m/sの
微小滴吐出を実行することができた。
【0057】図4は、メニスカスの引き込み量Dおよび
ノズル長さlを変化させて、得られる最小滴径を調べ
た結果である。メニスカスの引き込み量Dは、図2の駆
動波形における電圧変化量Vを増減することによって
変化させた。この結果から、メニスカスの引き込み量D
を0.8 l≦D≦1.5 lの範囲内に設定すると
非常に小さな滴が得られるのに対し、D≦0.8 l
では十分な微小滴吐出が実行困難であることがわかる。
これは、D≦0.8 lの条件では、メニスカスにR
成分の大きな速度ベクトルを発生させることができない
ためである。また、D≧1.5 lの範囲でも滴体積
の増加が確認された。これは、メニスカスの引き込み量
Dがノズル長さlを大きく超えると、メニスカス形状
が図13に示すようになり、メニスカスの曲率半径が増
加するためと考えられる。従って、滴体積の小さな微小
滴を安定に吐出させるためには、メニスカスの引き込み
量Dを 0.8 l≦D≦1.5 l (3) の範囲内に設定することが最適である。
【0058】また、本実施の形態では、微小滴吐出の安
定性および均一性が非常に高いことが確認された。具体
的には、ヘッド内に設けた32個のイジェクタから微小
滴を同時吐出した場合、各ノズルから吐出される微小滴
の滴体積および滴速にそれぞれ約±2%以内の均一性を
得ることができた。また、駆動周波数を1〜15kHz
の範囲で変化させても、滴体積および滴速の変化を±3
%以内に抑えられることが確認された。従来の液滴吐出
ヘッドおよび駆動方法では、イジェクタ間に約±5%以
上、駆動周波数によって約±8%以上の滴体積および滴
速の変化が発生していたのと比較すると、本発明の液滴
吐出ヘッドは、微小滴吐出の安定性および均一性に非常
に優れていると言える。
【0059】本発明の液滴吐出ヘッドおよび駆動方法
で、微小滴吐出の安定性および均一性を向上できる理由
は、微小滴吐出に必要となる極細液柱の形成方法に依っ
ている。すなわち、従来の微小滴吐出方法では、駆動波
形の最適化のみによって極細液柱の形成を行っていたた
め、イジェクタ間の固有周期Tのばらつき等によって
液柱の形成状態が変化し、結果的に滴体積や滴速に大き
なばらつきを発生させていた。一方、本発明の液滴吐出
ヘッドおよび駆動方法は、メニスカス引き込み量とノズ
ル形状の最適設定によって極細液柱を形成している。メ
ニスカス引き込み量やノズル形状は、固有周期Tなど
と比較すると、均一性を確保することが容易である。従
って、本発明の液滴吐出ヘッドおよび駆動方法では、高
い安定性および均一性を有する微小滴吐出が可能とな
る。
【0060】なお、本実施の形態では、ノズル開口径を
20μm、ノズル長さを25μmに設定したが、これは
微小滴吐出に有利となる曲率半径の小さなメニスカスを
形成するためである。すなわち、引き込まれたメニスカ
スの断面形状を放物線状と見なすと、メニスカス先端の
曲率半径Rは、 R=d /(8・D) (4) によって表わされる。
【0061】つまり、メニスカス先端の曲率半径Rを小
さくするためには、ノズル径dの減少およびメニスカ
ス引き込み量Dの増加が有効となる。そこで、本実施の
形態では、ノズル開口径を20μmと小さく設定し、さ
らにノズル長さl(≒メニスカス引き込み量D)を2
5μmと大きく設定することにより、微小滴吐出に有利
となる曲率半径の小さなメニスカスを形成した。
【0062】また、流体解析の結果、メニスカスの引き
込み量Dがノズル径dに対して一定以上大きくなる
と、メニスカス形状が放物線でなくなり、曲率半径もあ
まり減少しなくなることが明らかになった。また、吐出
実験の結果、メニスカスの引き込み量を非常に大きく設
定すると、特に連続吐出時における微小滴吐出の安定性
が低下することも明らかになった。従って、メニスカス
の引き込み量Dは必要最低限に設定することが望まし
い。
【0063】図5は、メニスカス引き込み量Dと曲率半
径Rとの関係を調べた結果である。D≦2.0 d
範囲では、DとRの間に式(4)の関係が成り立つが、
D>2.0 dの範囲では、RはDに依存しなくなる
ことが明らかになった。また、D≦0.8 dの範囲
では、小さな曲率半径Rを得ることが困難である。従っ
て、曲率半径の小さなメニスカスを最低限のメニスカス
引き込み量で得るためには、ノズル開口径dとノズル
長さl(≒メニスカス引き込み量D)の関係を、 0.8 d≦l≦2.0 d の条件式を満足するように設定することが望ましい。
【0064】また、微小滴吐出に有利な曲率半径の小さ
なメニスカスを得るためには、ノズル(またはノズルの
ストレート部)のテーパー角θは小さいことが望まし
く、具体的には10°以下であることが好ましい。ただ
し、この範囲外のテーパー角を用いても不十分ながら本
発明の効果を得ることは可能である。
【0065】なお、滴体積の小さな液滴を吐出するため
には、本実施の形態のように、第2電圧変化プロセス5
2の電圧変化時間tおよび第3電圧変化プロセス53
の電圧変化時間tを固有周期Tの1/3以下に設定
することが好ましい。また、第2電圧変化プロセス52
の終了時刻と第3電圧変化プロセス53の開始時刻との
時間間隔(t)を固有周期Tの1/5以下に設定す
ることが好ましい。なぜならば、こうした駆動波形を用
いることにより、滴吐出時に大きな粒子速度が得られる
と共に、液柱からの液滴分離を早期に実行することがで
き、滴体積の小さな微小滴を吐出することが可能となる
からである。すなわち、微小滴吐出を実行するために
は、図3の斜線部面積が小さくなるほど有利となるが、
上記のような駆動波形を用いることにより、斜線部面積
の小さな粒子速度変化を得ることが可能となる。
【0066】また、安定した微小滴吐出を実現するため
には、本実施の形態のように、第4電圧変化プロセス5
4によって液滴吐出後の圧力波残響を抑制することが有
効となる。図3の粒子速度変化において、t>12μs
では粒子速度の振幅が非常に小さくなっているが、これ
は、液滴吐出後における圧力波残響が第4電圧変化プロ
セス54によって良好に抑制されているためである。こ
のように圧力波残響が抑制されると、微小滴を連続吐出
した場合に、直前の吐出の影響を受け難くなるため、微
小滴を安定に連続吐出することが可能となる。なお、残
響抑制を効果的に実行するためには、第4電圧変化プロ
セス54の電圧変化時間tを、前記固有周期Tの1
/2以下に設定することが好ましい。
【0067】[第2の実施の形態]図14は本発明の液
滴吐出ヘッドの第2の実施の形態におけるノズル形状を
示した図である。ノズル以外の部分の構造は、第1の実
施の形態と同一とした。すなわち、本実施の形態の液滴
吐出ヘッドは、ノズルをストレート部23とテーパー部
24の組み合わせにより構成している点に特徴がある。
【0068】ノズルをこうした構造とすることにより、
ノズル内部への気泡巻き込みの発生を有効に防止するこ
とが可能となり、吐出安定性および信頼性の高い液滴吐
出ヘッドを実現することが可能となる。すなわち、本発
明では、ノズルストレート部23の長さとほぼ同程度ま
でメニスカスの引き込みを行うため、ノズル内部に気泡
を巻き込みやすいという問題がある。特に、第1の実施
の形態のようにノズルをストレート部のみで構成した場
合には、ストレート部の下端に大きな段差が形成される
ため、気泡が段差部に留まりやすく、気泡巻き込みが発
生しやすい。液滴吐出ヘッドは、圧力発生室内に発生さ
せた圧力波によって液滴を吐出させるため、流路内に気
泡が存在すると正常な圧力波を発生できなくなり、吐出
状態が大きく変化してしまう。特に、メニスカス制御に
よる微小滴吐出は圧力波の特性(振幅、固有周期)に敏
感であるため、気泡巻き込みが発生すると吐出が不可能
になってしまう可能性が高い。
【0069】そこで本実施の形態では、ノズル2をスト
レート部23とテーパー部24により構成し、ストレー
ト部23の下端に段差が発生することを防いでいる。テ
ーパー部24の形状は、気泡巻き込み防止するという作
用と、メニスカス9にR成分の大きな速度ベクトルを発
生するという作用を両立できるように設定している。本
実施の形態においてノズル2は、ステンレス板をプレス
によって穿孔することにより形成した。ノズル開口径d
は20μm、ストレート部23の長さlは25μ
m、テーパー部24の長さは30μm、テーパー部のテ
ーパー角θは約45°とした。
【0070】本実施の形態の液滴吐出ヘッドを用いて吐
出実験を実施した結果(図2の駆動波形を使用)、1p
lの微小滴を10kHzの駆動周波数で1時間連続吐出
しても、気泡巻き込みが全く発生しないことが確認され
た。一方、第1の実施の形態のインクジェット記録ヘッ
ドについても同様の吐出試験を実施したところ、約1%
のノズルで気泡巻き込みによる不吐出が発生した。この
ことから、ノズルをストレート部とテーパー部により構
成した本実施の形態は、液滴吐出ヘッドの信頼性を向上
させるのに有効であると言える。
【0071】なお、ストレート部の下端に接続する部分
の形状はテーパー形状であることが最適であるが、メニ
スカスにR成分の大きな速度ベクトルを発生でき、か
つ、気泡巻き込みの抑制作用を得ることができれば、テ
ーパー形状以外の形状を適用してもかまわない。
【0072】また、テーパー部24のテーパー角θ
は、気泡巻き込み防止するという作用と、メニスカス
先端にR成分の大きな速度ベクトルを発生するという作
用を両立するという観点から、30〜60°の範囲が好
ましいが、この範囲外のテーパー角を用いても不十分な
がら本発明の効果を得ることは可能である。
【0073】なお、ストレート部とテーパー部の組み合
わせによるノズル構成は、従来から知られているが(例
えば特開平10−226070号公報)、これらの従来
技術は、本発明とは全く異なるものである。すなわち、
従来のノズルでは、ストレート部はノズル開口径精度の
確保や液滴の吐出方向精度を向上させることを目的とし
て設けられており、その長さは通常10〜20μm程度
と小さい。また、テーパー部のテーパー角も通常20°
以下と小さい。そのため、従来のノズルを用いてメニス
カス制御方式による微小滴吐出を行った場合、本発明が
目的としている超微小滴の吐出(ノズル中央部での激し
いメニスカス干渉)を実現することは極めて困難であ
る。なぜならば、従来ノズルを用いてメニスカス制御方
式による微小滴吐出を行う場合、図15に示すように、
メニスカスはテーパー部の内部まで引き込まれる必要が
ある(ストレート部の長さが短いため)。そのため、メ
ニスカス先端の曲率半径は増大してしまう。また、テー
パー部のテーパー角が小さいため、「押し」を加えた際
にメニスカスの速度ベクトルには大きなR成分を得るこ
とが困難である。実際、図15に示した従来ノズルを用
いて微小滴吐出を行った結果、吐出できる微小滴は2p
lが限界であった。
【0074】つまり、ノズルをストレート部とテーパー
部により構成するだけでは本発明の効果を得ることはで
きず、あくまでもストレート部の長さlとメニスカス
引き込み量Dの関係を最適設定することにより始めて本
発明の効果を得ることが可能となる。
【0075】[第3の実施の形態]図16は、本発明の
液滴吐出ヘッドの第3の実施の形態における駆動波形で
ある。本駆動波形は、吐出直前に圧力発生室を膨張させ
るための第1電圧変化プロセス51、圧力発生室を急激
な速度で圧縮するための第2電圧変化プロセス52、圧
力発生室を急激な速度で膨張させるための第3電圧変化
プロセス53、および圧力発生室を再び急激な速度で圧
縮するための第4電圧変化プロセス54、および印加電
圧を基準電圧に戻すための第5電圧変化プロセス55に
よって構成されている。すなわち、本駆動波形の基本要
素は第1の実施の形態と同様であるが、第1電圧変化プ
ロセス51の電圧変化時間tを固有周期T(=2π
/E)の略1/2に設定し、かつ、第1電圧変化プロ
セス51の終了時刻と第2電圧変化プロセス52の開始
時刻との間隔(t)を非常に小さく設定している点に
特徴がある。これは、以下に述べるように、第2電圧変
化プロセス52の印加時にメニスカスに大きな粒子加速
度を発生させ、滴体積のさらに小さな微小滴を吐出可能
とするためである。
【0076】図17は、図16の駆動波形に対し、式
(2)を用いて粒子速度vを求めた結果である(式
(1)の振動成分のみを考慮)。図17において、細線
はA、B、C、Dの各節で発生するそれぞれの粒子速度
を示しており、太線はそれらを重ね合わせた粒子速度、
すなわち実際にメニスカスに生じる粒子速度変化を表わ
している。
【0077】駆動波形において、tを固有周期T
1/2に設定し、tを極めて小さく設定した場合、図
17に示すように、節A、節B、および節Cで発生する
粒子速度変化の位相はほぼ一致する。そのため、(t
+t)≦t≦(t+t+t)の時間範囲(図1
7のbの時間範囲)において、粒子速度の振幅が急激に
増加し、非常に急峻な速度変化が生じる。
【0078】前述したように、液柱形成過程におけるメ
ニスカスの速度が大きいほど、ノズル中央部で激しいメ
ニスカス干渉が発生し、微小滴の吐出に有利な極細液柱
の形成が可能となる。従って、図12(a)に示すよう
に、節A、節B、および節Cで発生する粒子速度変化の
位相はほぼ一致させ、(t+t)≦t≦(t+t
+t)の時間範囲で大きな粒子加速度を発生させる
ことは、微小滴吐出に極めて有利となる。
【0079】本実施の形態で用いた液滴吐出ヘッドの固
有周期Tは10μsであるため、第1電圧変化プロセ
ス51の電圧変化時間tは5μsに設定し、t
0.5μsに設定した。なお、上述した粒子速度の位相
一致の効果を得るためには、t は固有周期Tの1/
5以下に設定することが望ましい。
【0080】また、メニスカスの引き込み量Dが0.8
≦D≦1.5 lの条件を満足するように、電圧
変化量Vは25Vに設定した。また、区間t=2μ
s、区間t=0.5μs、区間t=2μs、区間t
=0.3μs、区間t=2.2μs、区間t=1
7μs、電圧変化量V=8V、電圧変化量V=13
V、バイアス電圧V=20Vに夫々設定した。
【0081】本実施の形態の液滴吐出ヘッドを用いて吐
出実験を行った結果、滴体積0.5pl、滴速8.2m
/sの微小滴吐出を実行することができた。このよう
に、メニスカス引き込み量Dをノズル長さlに対して
最適設定すると同時に、駆動波形の節A、節B、および
節Cで発生する粒子速度変化の位相を一致させ、「押
し」の際のメニスカスの粒子加速度を増加することによ
り、第1の実施の形態よりもさらに小さな微小滴吐出が
可能になることが確認された。すなわち、本実施の形態
は、メニスカス引き込み量Dの最適化と、「押し」の際
の粒子速度増加という、微小滴吐出に有効な二つの手段
を組み合わせたものである。
【0082】[第4の実施の形態]図18は、本発明の
液滴吐出ヘッドの第4の実施の形態における駆動波形で
ある。本駆動波形は、吐出直前に圧力発生室を膨張させ
るための第1電圧変化プロセス51、圧力発生室を急激
な速度で圧縮するための第2電圧変化プロセス52、圧
力発生室を急激な速度で膨張させるための第3電圧変化
プロセス53、圧力発生室を再び急激な速度で圧縮する
ための第4電圧変化プロセス54、および印加電圧を基
準電圧に戻すための第5電圧変化プロセス55によって
構成されている。すなわち、本駆動波形の基本要素も第
1の実施の形態および第2の実施の形態と同様である
が、第1電圧変化プロセス51の電圧変化時間tと、
第1電圧変化プロセス51の終了時刻と第2電圧変化プ
ロセス52の開始時刻との時間間隔(t)を一定の条
件を満足するように設定している点に特徴がある。これ
は、以下に述べるように、第2電圧変化プロセス52の
印加時にメニスカスに大きな粒子加速度を発生させ、滴
体積のさらに小さな微小滴を吐出可能とするためであ
る。
【0083】図19は、図18の駆動波形に対し、式
(2)を用いて粒子速度vを求めた結果である(式
(1)の振動成分のみを考慮)。図19において、細線
はA、B、C、Dの各節で発生するそれぞれの粒子速度
を示しており、太線はそれらを重ね合わせた粒子速度、
すなわち実際にメニスカスに生じる粒子速度変化を表わ
している。
【0084】式(1)から、節A、B、Cで発生する粒
子速度v、v、vの振動成分は、それぞれ のように表わすことができる。なお、粒子速度の減衰は
影響が小さいため、ここでは式(1)の減衰項は無視す
ることにする。ここで、a、a、aはそれぞれの
粒子速度の振幅であり、a=aである(駆動波形に
おける角度変化量が同一)。また、φ、φ、φ
それぞれの粒子速度変化の位相である。
【0085】正弦波の重ね合わせにより、t<t<
(t+t)での粒子速度は で表わされる。t>(t+t)では、上式で表わさ
れる粒子速度に、さらに節Cで発生する粒子速度が重畳
される。このとき、節Cで発生する粒子速度の位相φ
が上式の位相φA+Bと一致したときに、t>(t
)での振幅は最大となる。すなわち、 となるようにtを設定すれば、t<(t+t)に
おける粒子速度振幅は最大となる。
【0086】図20は、式(5)をもとに、粒子速度振
幅を最大とするtの値をプロットした結果である(T
=10μsとして計算)。tの設定値に応じて、最
適なtが存在することがわかる。
【0087】上記のように、式(5)に従ってt、t
を設定した場合、図19に示すように、(t
)≦t≦(t+t+t)の時間範囲(図19
のbの時間範囲)では、粒子速度の振幅が急激に増加
し、非常に急峻な速度変化が生じる。これにより、ノズ
ル中央部で激しいメニスカス干渉を生じさせることがで
き、微小滴の吐出に有利となる。
【0088】本実施の形態では、式(5)の条件を満足
するように、t=2μs、t=1.5μsに設定し
た。また、メニスカスの引き込み量Dが0.8 l
D≦1.5 lの条件を満足するように、V=15
Vに設定した。区間t=2μs、区間t=0.5μ
s、区間t=2μs、区間t=0.3μs、区間t
=2.3μs、区間t=8μs、電圧変化量V
10V、電圧変化量V =13V、バイアス電圧V
20Vに夫々設定した。
【0089】本実施の形態の液滴吐出ヘッドを用いて吐
出実験を行った結果、滴体積0.6pl、滴速8.0m
/sの微小滴吐出を実行することができた。
【0090】[第5の実施の形態]図21は、本発明の
液滴吐出ヘッドの第5の実施の形態における駆動波形で
ある。本駆動波形は、吐出直前に圧力発生室を膨張させ
るための第1電圧変化プロセス51、圧力発生室を急激
な速度で圧縮するための第2電圧変化プロセス52、圧
力発生室を急激な速度で膨張させるための第3電圧変化
プロセス53、圧力発生室を再び急激な速度で圧縮する
ための第4電圧変化プロセス54、および印加電圧を基
準電圧に戻すための第5電圧変化プロセス55によって
構成されている。すなわち、本駆動波形の基本要素も第
1〜第3の実施の形態と同様であるが、第2電圧変化プ
ロセス52の電圧変化時間tと、第3電圧変化プロセ
ス53の電圧変化時間tを圧電アクチュエータ自体の
固有周期Taよりも小さく設定している点に特徴があ
る。これは、以下に述べるように、第2電圧変化プロセ
ス52の印加時にメニスカスに大きな粒子加速度を発生
させ、滴体積のさらに小さな微小滴を吐出可能とするた
めである。
【0091】ここで、本実施の形態の駆動波形が滴体積
の小さな微小滴を吐出するのに有利である理由を、等価
電気回路モデルを用いて説明する。液滴吐出ヘッドの等
価電気回路は、前述したように、図11(a)によって
表わされる。圧電アクチュエータに、高剛性の圧電アク
チュエータ(縦振動モードの積層圧電アクチュエータな
ど)を使用した場合には、図11(a)の回路には、前
述した図11(c)の振動系と共に、図11(b)に示
される振動系が含まれる。図11(b)は、圧電アクチ
ュエータ自体の固有振動を示しており、固有周期Tで表わされる。なお、固有周期Tは、固定端−自由端
の棒が縦振動する際の固有周期として、 から近似的に求めることができる(Lは圧電アクチュエ
ータの長さ、ρおよびEは圧電アクチュエータ材料
の密度および弾性係数)。
【0092】本実施の形態の液滴吐出ヘッドでは、圧電
アクチュエータの長さLは1.1mm、密度ρは8.
0×10kg/m、弾性係数Eは68GPaであ
るため、圧電アクチュエータ自体の固有周期Tは1.
6μsである。
【0093】この圧電アクチュエータ自体の固有振動
は、特定の駆動波形を印加することにより励起すること
ができる。図23は、図11(a)の回路で、圧力φ
(駆動電圧に比例)を図22(a)に示すように変化さ
せた場合におけるノズル部粒子速度vの変化を求めた
結果である。圧力φの立ち上げ時間tを固有周期T
よりも大きく設定した場合には、図23(a)に示すよ
うに、粒子速度vは固有周期Tで振動する。すなわ
ち、この場合、粒子速度vは図11(c)の回路のみ
によって支配される。これが、従来の液滴吐出ヘッドに
おける圧力発生形態である。一方、圧力φの立ち上げ時
間tを固有周期Tと同等もしくはそれ以下に設定し
た場合、粒子速度vの変化は図23(b)に示すよう
になる。この場合、図11(b)の振動系が励起され、
その結果、粒子速度vの変化は固有周期Tの振動と
固有周期Tの振動が重畳したものとなる。つまり、圧
力φの立ち上げ時間を固有周期Tと同等もしくはそれ
以下に設定することにより、圧電アクチュエータ自体の
固有周期でメニスカスを振動させることが可能となる。
【0094】次に、圧力φの変化を、図22(b)に示
すような台形波形状とした場合について考える。ここ
で、立ち上げ時間tおよび立ち下げ時間tは、どち
らも固有周期Tと同等もしくはそれ以下に設定されて
おり、また、立ち上げの開始時刻と立ち下げの開始時刻
との時間差(t)を、T/2≦t≦Tに設定す
ると、メニスカスの粒子速度vは図24に示すように
変化する。すなわち、立ち上げ部57によって急激に伸
長された圧電アクチュエータが、圧電アクチュエータの
固有振動で縮もうとするタイミングに合わせて圧電アク
チュエータを収縮させる電圧変化58が印加されるた
め、圧電アクチュエータは急激に収縮し、その結果、粒
子速度vは非常に早いタイミングでv=0に戻るこ
とになる。
【0095】上記の作用を利用し、第2電圧変化プロセ
ス52の電圧変化時間tを固有周期Tと同等もしく
はそれ以下に設定することにより、「押し」の過程にお
けるメニスカス速度に大きな変化を生じさせることがで
きる。また、第3電圧変化プロセス53の電圧変化時間
を固有周期Tと同等もしくはそれ以下に設定し、
かつ、第2電圧変化プロセス52の開始時刻と第3電圧
変化プロセス53の開始時刻との差tをT/2≦t
≦Tの範囲内に設定することにより、極めて早いタ
イミングで液柱から液滴を分離させることができ、滴体
積の極めて小さな液滴を吐出することが可能となる。図
21の駆動波形は、そうした作用が得られるように、t
を0.5μs、tを1μs、tを0.5μsに設
定している。すなわち、第1〜第4の実施の形態では、
図11(c)の回路のみを利用して液滴吐出を行ってい
たのに対し、本実施の形態では、駆動部(圧電アクチュ
エータ)自体の固有振動も利用して液滴吐出を行う点が
大きな特徴である。
【0096】また、第1電圧変化プロセス51の立ち下
げ時間tは、駆動波形の節A、節B、および節Cで発
生する粒子速度変化の位相を一致させるために、固有周
期T の1/2(5μs)に設定し、第1電圧変化プロ
セス51と第2電圧変化プロセス52との時間間隔(t
)は0.2μsと小さく設定した。また、メニスカス
の引き込み量Dが0.8 l≦D≦1.5 lの条件
を満足するように、電圧変化量Vは20Vに設定し
た。この駆動波形を印加した際のメニスカスの動きをレ
ーザードップラー計によって観察した結果を図25に示
す。
【0097】実際に、図21の駆動波形を用いて吐出実
験を行った結果、滴体積0.2plの液滴が、滴速5.
1m/sで吐出されることが観察された。第1〜第4の
実施の形態よりも更に小さな液滴を吐出できたのは、上
述の圧電アクチュエータの固有振動を利用し、液柱形成
および液滴分離の過程におけるメニスカスの速度変化を
大きくしたためである。すなわち、本実施の形態は、メ
ニスカス引き込み量Dの最適化と、圧電アクチュエータ
自体の固有振動を利用したメニスカス粒子速度増加とい
う、微小滴吐出に有効な二つの手段を組み合わせたもの
である。
【0098】なお、安定した微小滴吐出を実現するため
には、駆動波形の第1電圧変化プロセス51の立ち下げ
時間tは、T<t≦Tの範囲内に設定すること
が望ましい。なぜならば、t≦Tと設定すると、t
≦t+tの時間範囲においても固有周期Tの振動
が生じてしまうため、メニスカス形状の正確な制御が困
難になったり、不要な吐出が発生したりするといった問
題が生じやすいためである。また、t>Tに設定し
た場合にも、t≦t+tの時間範囲の粒子速度v
の変化が複雑化してしまい、やはりメニスカス形状の正
確な制御が困難となる。従って、tはT<t≦T
の範囲内に設定することが望ましく、この場合、図2
5に示されるように、t≦t+tの時間範囲におい
ては固有周期Tの振動が発生しないため、安定なメニ
スカス形状の制御が可能となる。
【0099】[第6の実施の形態]図26は、本発明の
第6の実施の形態である液滴吐出装置を示す図である。
本実施の形態の液滴吐出装置は、液滴吐出ヘッドを搭載
するキャリッジ31と、キャリッジ31を主走査方向3
6に走査するための主走査機構33と、記録媒体として
の記録用紙34を副走査方向37に搬送するための副走
査機構35とを含み構成されている。
【0100】液滴吐出ヘッドはノズル面が記録用紙34
と対向するようにキャリッジ31上に搭載され、主走査
方向36に搬送されながら記録用紙34に対して液滴を
吐出することにより、一定のバンド領域38に対して記
録を行う。次いで、記録用紙34を副走査方向37に搬
送し、再びキャリッジ31を主走査方向36に搬送しな
がら次のバンド領域を記録する。こうした動作を複数回
繰り返すことにより、記録用紙34の全面にわたって画
像記録を行うことができる。
【0101】実際に、本実施の形態の液滴吐出装置を用
いて画像記録を行い、画像品質の評価を行った。液滴吐
出ヘッドには、上記第5の実施の形態で述べたヘッド構
造のものを使用した。イエロー、マゼンタ、シアン、ブ
ラックの4色のインクに対応させて、1色あたり260
個のイジェクタを有するマトリクス状配列ヘッドをキャ
リッジ31上に並べて配置し、記録用紙34上で4色の
ドットを重ねあわせることにより、フルカラーの画像記
録を行った。その結果、0.5plの微小滴を用いたた
めに、低濃度領域であるハイライト部での粒状感がまっ
たくない、極めて高い画像品質を得ることができた。
【0102】なお、本実施の形態ではヘッドをキャリッ
ジによって搬送しながら記録を行う形態としたが、ノズ
ルを記録媒体の全幅にわたって配置したライン型ヘッド
を用い、ヘッドを固定して、記録媒体のみを搬送しなが
ら記録を行うなど、別の装置形態に本発明を適用するこ
とも可能である。
【0103】また、本実施の形態では記録用紙に対する
画像記録装置(プリンタ)を挙げたが、本発明はこうし
た画像記録装置だけでなく、有機EL溶液を基板上に吐
出させてELディスプレイパネルを形成したり、溶融状
態のハンダを基板上に吐出して電気実装用のバンプを形
成するなど、様々な工業的用途を対象とした液滴吐出装
置に適用することが可能である。
【0104】以上、本発明の実施の形態について説明し
たが、上記の実施の形態は本発明に好適な実施の形態を
示したものであり、本発明はこれらに限定されるもので
はない。すなわち、本発明の主旨を逸脱することなく、
種々の変形、改良、修正、簡略化などを上記実施の形態
に加えた他の形態をもって、本発明を実施することがで
きる。
【0105】例えば、上記実施の形態では圧電アクチュ
エータに圧電定数d33を利用した縦振動モードの圧電
アクチュエータを用いたが、圧電定数d31を利用した
縦振動モードのアクチュエータなど、他の形態のアクチ
ュエータを使用してもかまわない。また、上記実施の形
態では積層型の圧電アクチュエータを用いたが、単板型
の圧電アクチュエータを用いた場合において同様の効果
を得ることができる。さらに、圧電アクチュエータ以外
の電気機械変換器、たとえば静電力や磁力を利用したア
クチュエータを利用したインクジェット記録ヘッドに対
しても、本発明を適用することが可能である。
【0106】また、上記実施の形態では、圧電アクチュ
エータへの印加電圧が常に正極性となるようにバイアス
電圧(基準電圧)Vを設定したが、圧電アクチュエー
タに負極性の電圧を印加しても問題ない場合には、バイ
アス電圧Vを0Vなど、他の電圧に設定してもかまわ
ない。
【0107】また、上記実施の形態では、図6に示すよ
うなカイザー型インクジェット記録ヘッドを用いたが、
圧電アクチュエータに設けた溝を圧力発生室とする記録
ヘッドなど、その他の構造のインクジェット記録ヘッド
に対しても本発明は同様に適用することが可能である。
【0108】また、上記実施の形態では、ノズルのスト
レート部をテーパー角の小さなテーパー形状としたが、
本発明におけるノズルのストレート部とは、必ずしも完
全なストレート形状またはテーパー形状のものに限定さ
れるわけではない。すなわち、見かけ上のテーパー角
(近似的なテーパー角)が小さければ、ストレート部の
断面形状が曲線や複数の直線によって形成されていて
も、本発明の効果を得ることは可能である。
【0109】また、上記実施の形態では、ノズルの配置
を1次元的な配列としたが、ノズルを2次元的配列とす
るなど、他のノズル配置を用いてもかまわない。
【0110】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
従来の液滴吐出装置では困難であった1pl以下の微小
滴吐出が可能になり、高画質の画像記録、高密度配線パ
ターンの形成、高解像度のディスプレイパネルの製造な
ど、様々な応用分野における超高精細パターニングを実
現することが可能となる。
【0111】また、本発明によれば、微小滴吐出の安定
性を向上することができるため、信頼性の高い液滴吐出
装置を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるノズル形状
を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における駆動波形を
示す図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態におけるノズル部粒
子速度を示す図である。
【図4】メニスカス引き込み量と液滴体積との関係を示
す図である。
【図5】メニスカス引き込み量とメニスカス先端部の曲
率半径との関係を示す図である。
【図6】液滴吐出ヘッドの基本構造を示す断面図であ
る。
【図7】従来の微小滴吐出用駆動波形を示す図である。
【図8】微小滴吐出の原理を説明するための模式図であ
る。
【図9】液柱形成メカニズムを説明するための模式図で
ある。
【図10】本発明の作用を説明するための模式図であ
る。
【図11】液滴吐出ヘッドの等価電気回路を示す図であ
る。
【図12】駆動波形とノズル部粒子速度の関係を説明す
るための図である。
【図13】メニスカス引き込み量が過大な場合のメニス
カス形状を示す図である。
【図14】本発明の第2の実施の形態におけるノズル形
状を示す図である。
【図15】従来液滴吐出ヘッドにおけるノズル形状を示
す図である。
【図16】本発明の第3の実施の形態における駆動波形
を示す図である。
【図17】本発明の第3の実施の形態におけるノズル部
粒子速度を示す図である。
【図18】本発明の第4の実施の形態における駆動波形
を示す図である。
【図19】本発明の第4の実施の形態におけるノズル部
粒子速度を示す図である。
【図20】tの値に対応した最適なtの値を示す図
である。
【図21】本発明の第5の実施の形態における駆動波形
を示す図である。
【図22】駆動波形とノズル部粒子速度の関係を説明す
るための第1の図である。
【図23】駆動波形とノズル部粒子速度の関係を説明す
るための第2の図である。
【図24】駆動波形とノズル部粒子速度の関係を説明す
るための第3の図である。
【図25】本発明の第5の実施の形態におけるノズル部
粒子速度の測定結果を示す図である。
【図26】本発明の液滴吐出装置の一実施の形態を示す
図である。
【図27】液滴吐出ヘッドの駆動回路構成を示すブロッ
ク図である。
【図28】液滴吐出ヘッドの別の駆動回路構成を示すブ
ロック図である。
【符号の説明】
1 圧力発生室 2 ノズル 4 共通流路 5 供給路 6 振動板 7 圧電アクチュエータ 8 液滴 9 メニスカス 22 液柱 23 ストレート部 24 テーパー部 51 第1電圧変化プロセス 52 第2電圧変化プロセス 53 第3電圧変化プロセス 54 第4電圧変化プロセス 55 第5電圧変化プロセス

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テーパー角の小さい略ストレート形状の
    ストレート部を有するノズルと、該ノズルと連通する圧
    力発生室と、電気機械変換器とを少なくとも有し、前記
    電気機械変換器に駆動電圧を印加し、前記電気機械変換
    器を変形させて、液体が充填された前記圧力発生室内に
    圧力変化を生じさせることで、前記ノズルから液滴を吐
    出させる液滴吐出ヘッドの駆動方法であって、前記駆動
    電圧の電圧波形が、前記圧力発生室の体積を膨張させて
    前記ノズル部のメニスカスを前記圧力発生室側に引き込
    むための第1電圧変化プロセスと、次いで前記圧力発生
    室の体積を収縮させて液滴を吐出させるための第2電圧
    変化プロセスとを少なくとも含み構成されており、前記
    ストレート部の長さをlとしたとき、前記第2電圧変
    化プロセスを印加する時点における前記メニスカスの引
    き込み量Dが、 0.8 l≦D≦1.5 l の条件を満足するように前記第1電圧変化プロセスの電
    圧変化量および電圧変化時間を設定することを特徴とす
    る液滴吐出ヘッドの駆動方法。
  2. 【請求項2】 前記圧力発生室内に発生する圧力波の固
    有周期をTとしたとき、前記第2電圧変化プロセスの
    電圧変化時間を前記固有周期Tの1/3以下に設定す
    ることを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出ヘッドの
    駆動方法。
  3. 【請求項3】 前記駆動電圧の電圧波形が、前記第2電
    圧変化プロセスの直後に、前記圧力発生室の体積を膨張
    させるための第3電圧変化プロセスを含み構成されるこ
    とを特徴とする請求項1または2の何れか一項に記載の
    液滴吐出ヘッドの駆動方法。
  4. 【請求項4】 前記第3電圧変化プロセスの電圧変化時
    間を、前記固有周期Tの1/3以下に設定することを
    特徴とする請求項1乃至3の内の何れか一項に記載の液
    滴吐出ヘッドの駆動方法。
  5. 【請求項5】 前記第2電圧変化プロセスの終了時刻
    と、前記第3電圧変化プロセスの開始時刻との時間間隔
    を、前記固有周期Tの1/5以下に設定することを特
    徴とする請求項1乃至4の内の何れか一項に記載の液滴
    吐出ヘッドの駆動方法。
  6. 【請求項6】 前記駆動電圧の電圧波形が、前記第3電
    圧変化プロセスの直後に、前記圧力発生室の体積を収縮
    させるための第4電圧変化プロセスを含み構成されるこ
    とを特徴とする請求項1乃至5の内の何れか一項に記載
    の液滴吐出ヘッドの駆動方法。
  7. 【請求項7】 前記第4電圧変化プロセスの電圧変化時
    間を、前記固有周期Tの1/2以下に設定することを
    特徴とする請求項1乃至6の内の何れか一項に記載の液
    滴吐出ヘッドの駆動方法。
  8. 【請求項8】 前記第1電圧変化プロセスの電圧変化時
    間を、前記電気機械変換器の固有振動の固有周期T
    りも大きく、前記固有周期Tよりも小さく設定するこ
    とを特徴とする請求項1乃至7の内の何れか一項に記載
    の液滴吐出ヘッドの駆動方法。
  9. 【請求項9】 前記第1電圧変化プロセスの電圧変化時
    間を、前記固有周期Tの略1/2とし、かつ、前記第
    2電圧変化プロセスの開始時刻を前記第1電圧変化プロ
    セスの終了直後に設定することを特徴とする請求項1乃
    至8の内の何れか一項に記載の液滴吐出ヘッドの駆動方
    法。
  10. 【請求項10】 前記第1電圧変化プロセスの終了時刻
    と、前記第2電圧変化プロセスの開始時刻との時間間隔
    を、前記固有周期Tの1/5以下に設定することを特
    徴とする請求項9に記載の液滴吐出ヘッドの駆動方法。
  11. 【請求項11】 前記第1電圧変化プロセスの電圧変化
    時間tと、前記第1電圧変化プロセスの終了時刻と前
    記第2電圧変化プロセスの開始時刻との時間間隔t
    を、 の関係式を満足するように設定することを特徴とする請
    求項1乃至10の内の何れか一項に記載の液滴吐出ヘッ
    ドの駆動方法。
  12. 【請求項12】 前記第2電圧変化プロセスの電圧変化
    時間を、前記電気機械変換器の固有振動の固有周期T
    と同等もしくはそれ以下に設定することを特徴とする請
    求項1乃至11の内の何れか一項に記載の液滴吐出ヘッ
    ドの駆動方法。
  13. 【請求項13】 前記第3電圧変化プロセスの電圧変化
    時間を、前記電気機械変換器の固有振動の固有周期T
    と同等もしくはそれ以下に設定し、かつ、前記第2電圧
    変化プロセスの開始時刻と、前記第3電圧変化プロセス
    の開始時刻との差tを、 T/2≦t≦T の条件が満足されるように設定することを特徴とする請
    求項12に記載の液滴吐出ヘッドの駆動方法。
  14. 【請求項14】 テーパー角の小さい略ストレート形状
    のストレート部を有するノズルと、該ノズルと連通する
    圧力発生室と、電気機械変換器とを少なくとも有し、前
    記電気機械変換器に、前記圧力発生室の体積を膨張させ
    て前記ノズル部のメニスカスを前記圧力発生室側に引き
    込むための第1電圧変化プロセスと、次いで前記圧力発
    生室の体積を収縮させて液滴を吐出させるための第2電
    圧変化プロセスとを少なくとも含み構成される駆動電圧
    を印加し、前記圧力発生室内に圧力変化を生じさせるこ
    とにより前記ノズルから液滴を吐出させる液滴吐出ヘッ
    ドであって、前記第2電圧変化プロセスを印加する時点
    における時における前記メニスカスの引き込み量をDと
    したとき、前記ストレート部の長さlを D/1.5≦l≦D/0.8 の条件を満足するように設定することを特徴とする液滴
    吐出ヘッド。
  15. 【請求項15】 前記ノズルが、前記ストレート部と接
    続されたテーパ部を有していることを特徴とする請求項
    14に記載の液滴吐出ヘッド。
  16. 【請求項16】 前記ノズルの開口径をdとしたと
    き、前記ストレート部の長さlが、 0.8 d≦l≦2.0 d の条件式を満足するように設定されていることを特徴と
    する請求項14または15の何れか一項に記載の液滴吐
    出ヘッド。
  17. 【請求項17】 前記圧力発生室内に発生する圧力波の
    固有周期Tが15μs以下であることを特徴とする請
    求項14乃至16の内の何れか一項に記載の液滴吐出ヘ
    ッド。
  18. 【請求項18】 前記電気機械変換器の固有振動の固有
    周期Tを5μs以下に設定することを特徴とする請求
    項14乃至17の内の何れか一項に記載の液滴吐出ヘッ
    ド。
  19. 【請求項19】 前記ノズルの開口径が20μm以下に
    設定されていることを特徴とする請求項14乃至18の
    内の何れか一項に記載の液滴吐出ヘッド。
  20. 【請求項20】 前記電気機械変換器が、圧電振動子を
    含み構成されることを特徴とする請求項14乃至19の
    内の何れか一項に記載の液滴吐出ヘッド。
  21. 【請求項21】 前記圧電振動子が、縦振動モードの圧
    電振動子であることを特徴とする請求項14乃至20の
    内の何れか一項に記載の液滴吐出ヘッド。
  22. 【請求項22】 請求項14乃至21のいずれか一に記
    載の液滴吐出ヘッドを搭載してなることを特徴とする液
    滴吐出装置。
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