JP2014028447A - 液体吐出装置及びその制御方法 - Google Patents

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登 田村
Shinichi Yamada
慎一 山田
Akihito Sato
彰人 佐藤
Toru Matsuyama
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Abstract

【課題】液体吐出ヘッドにおける液体の増粘を抑制すると共に、液体吐出ヘッドの過熱を防止する。
【解決手段】液体吐出装置は、駆動信号を生成する駆動信号生成部と、液体吐出ヘッドと、を備える。前記駆動信号は周期的な信号である。前記駆動信号の1周期は、(i)前記ノズルから前記液滴を吐出するために使用される波形部分を含む液滴吐出区間と、(ii)前記ノズルから前記液滴を吐出するために使用される波形部分を含まない液滴不吐出区間と、の2つの区間からなる。前記液滴不吐出区間は、前記液滴吐出区間よりも長く、前記圧電素子に印加されても前記ノズルから前記液滴が吐出しない不吐出波形部分を含む。
【選択図】図6

Description

本発明は、インクなどの液体を吐出する液体吐出装置及びその制御方法に関するもので
ある。
代表的な液体吐出装置として、圧電素子を用いてノズルからインクを吐出するタイプの
インクジェットプリンターが存在する。このタイプのインクジェットプリンターでは、個
々のノズルにインク室が設けられており、圧電素子を駆動してインク室の容積を変化させ
ることによってノズルからインクを吐出させる。このようなインクジェットプリンターを
、以下では「圧電方式のインクジェットプリンター」と呼ぶ。圧電方式のインクジェット
プリンターでは、インク吐出を継続するとヘッド駆動回路の温度が上昇することが知られ
ており、ヘッド駆動回路の過熱を防止するための工夫がなされている。例えば、特許文献
1のインクジェットプリンターでは、温度センサーを用いずにヘッド駆動回路の温度を推
定し、この推定値が制限値を超えないように制御を行うことによってヘッド駆動回路の過
熱を防止している。
特開2009−056669号公報 特開2008−044233号公報 特開2003−266700号公報
特許文献1のインクジェットプリンターは、ヘッド駆動回路が印刷ヘッドから離れた位
置(プリンター本体)に設けられているタイプのプリンターである。本願の発明者らは、
このようなタイプのプリンターにおいて、ヘッド駆動回路の温度上昇ではなく、印刷ヘッ
ド自身の温度上昇が問題となる場合があることを発見した。すなわち、大きな印刷用紙(
例えばA2サイズ以上の用紙)の上に印刷を行う場合には、圧電素子の発熱により印刷ヘ
ッドの温度が徐々に上昇して、印刷ヘッドが過熱する恐れがあることを見いだした。
また、インクジェットプリンターでは、駆動信号の波形を工夫することによって、ノズ
ルのメニスカスを安定化することや、インクの増粘を抑制することも望まれていた(例え
ば特許文献2)。
なお、特許文献1の図5にも例示されているように、従来から、複数の駆動波形部分を
含む駆動信号を用いる場合がある。複数の駆動波形部分のうちの1つを選択して圧電素子
に印加すると、その後に、圧電素子の残留振動がある程度継続する。このような残留振動
が存在する間に次の駆動波形部分を圧電素子に印加すると、正しい量のインクを吐出でき
ないという問題もあった。
更に、個々のインクジェットプリンターにおいて、その特性に応じて、適切なインク吐
出量や、適切なドット形成位置を実現することも望まれていた。例えば、同じ型式のイン
クジェットプリンターにおいても、個々のプリンター毎の製造誤差に応じて、個々のプリ
ンター毎に適切なインク吐出量や適切なドット形成位置を実現する工夫が望まれていた。
或いは、同じインクジェットプリンターにおいても、種々の印刷モードや印刷動作(例え
ば往動時と復動時)に応じて、適切なインク吐出量や適切なドット形成位置を実現する工
夫が望まれていた(例えば特許文献3)。
そのほか、従来のインクジェットプリンターにおいては、画質の向上、部品の長寿命化
、省電力化、回路動作の安定化等も望まれていた。
なお、上述のような種々の課題は、インクジェットプリンターに限らず、圧電素子を利
用して液体を吐出するヘッドを有する液体吐出装置に共通するものである。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の
形態(aspect)として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、液体吐出装置が提供される。この液体吐出装置は、少な
くとも1つ以上の波形部分を有する駆動信号を生成する駆動信号生成部と、前記駆動信号
の少なくとも一部を圧電素子に印加してノズルから液滴を吐出させる液体吐出ヘッドと、
を備える。前記駆動信号は周期的な信号である。前記駆動信号の1周期は、(i)前記ノ
ズルから前記液滴を吐出するために使用される波形部分を含む液滴吐出区間と、(ii)
前記ノズルから前記液滴を吐出するために使用される波形部分を含まない液滴不吐出区間
と、の2つの区間からなる。前記液滴不吐出区間は、前記液滴吐出区間よりも長い。また
、前記液滴不吐出区間は、前記圧電素子に印加されても前記ノズルから前記液滴が吐出し
ない不吐出波形部分を含む。
この形態では、駆動信号の液滴不吐出区間が液滴吐出区間よりも長いので、液滴不吐出
区間が短い場合に比べて液体吐出ヘッドの温度の上昇が抑制され、液体吐出ヘッドの過熱
を防止できる。また、液滴不吐出区間が不吐出波形部分を含むので、その不吐出波形部分
を圧電素子に印加することによってノズルの液体を振動させることができ、液滴の増粘を
抑制することができる。
(2)本発明の一形態において、前記液滴不吐出区間は、前記不吐出波形部分を複数含む
ものとしてもよい。
この形態では、複数の不吐出波形部分を用いてノズルの液体を振動させることができ、
液滴の増粘をさらに抑制することができる。
(3)本発明の一形態において、前記複数の不吐出波形部分は、第1と第2の不吐出波形
部分とを含み、前記第1と第2の不吐出波形部分は、前記駆動信号が所定の電位に維持さ
れる区間を挟んで互いに離れているものとしてもよい。
この形態では、第1と第2の不吐出波形部分が互いに離れているので、適切なタイミン
グで液滴の増粘を抑制することができる。
(4)本発明の一形態において、前記液滴不吐出区間は、前記液滴吐出区間の1.5倍以
上の長さである、としてもよい。
この形態では、液体吐出ヘッドの温度の上昇が更に抑制されるので、液体吐出ヘッドの
過熱を更に確実に防止できる。
(5)本発明の一形態において、前記液滴吐出区間は、前記ノズルから前記液滴を吐出す
るために使用される波形部分を含む1つの連続する時間区間であって、前記液滴不吐出区
間は、前記ノズルから前記液滴を吐出するために使用される波形部分を含まない時間区間
である、としてもよい。
この形態においても、液体吐出ヘッドの過熱を確実に防止できる。
(6)本発明の一形態において、前記液滴吐出区間は、前記ノズルから前記液滴を吐出す
るために使用される波形部分を含む時間区間であって、前記液滴不吐出区間は、前記ノズ
ルから前記液滴を吐出するために使用される波形部分を含まない1つの連続する時間区間
である、としてもよい。
この形態においても、液体吐出ヘッドの過熱を確実に防止できる。
(7)本発明の一形態において、前記液滴吐出区間は、前記ノズルから前記液滴を吐出す
るために使用される波形部分を含む1つの連続する時間区間であって、前記液滴不吐出区
間は、前記ノズルから前記液滴を吐出するために使用される波形部分を含まない1つの連
続する時間区間である、としてもよい。
この形態においても、液体吐出ヘッドの過熱を確実に防止できる。
(8)本発明の一形態において、前記液滴吐出区間は、前記ノズルから前記液滴を吐出す
るために使用される波形部分を複数含んでいてもよい。
この形態においても、液体吐出ヘッドの過熱を確実に防止できる。
(9)本発明の一形態において、前記液滴不吐出区間は、前記圧電素子に印加されると前
記ノズルから前記液滴が吐出されるが実際には前記圧電素子に印加されることが無いダミ
ー波形部分を含んでいてもよい。
ダミー波形部分は実際には圧電素子に印加されることが無いので、液滴不吐出区間がダ
ミー波形部分を含んでいても、液体吐出ヘッドの過熱を確実に防止できる。
(10)本発明の一形態において、前記液滴吐出区間と前記液滴不吐出区間の長さは、前
記ノズルからの前記液滴の単位時間当たりの最大吐出量が6000ピコリットル/秒未満
となるように設定されていてもよい。
ノズルからの液滴の吐出量が多いと液体吐出ヘッドの温度上昇が顕著になるが、単位時
間当たりの最大吐出量を6000ピコリットル/秒未満に制限すれば、液体吐出ヘッドの
過熱を確実に防止できる。
(11)本発明の一形態において、前記駆動信号生成部は、(a)一つの駆動信号のみを
生成して前記液体吐出ヘッドに供給する、又は、(b)同時に複数の駆動信号を生成して
前記液体吐出ヘッドに供給し、前記複数の駆動信号の全体から前記液滴吐出区間及び前記
液滴不吐出区間が決定される、ようにしてもよい。
この形態では、一つの駆動信号のみが液体吐出ヘッドに供給される場合にも、或いは、
複数の駆動信号が液体吐出ヘッドに供給される場合にも、液体吐出ヘッドの過熱を確実に
防止でき、また、液滴の増粘を抑制することができる。
本発明の他の形態は、駆動信号を生成する信号生成部と、ヘッドと、の2つの要素の内
の一つ以上の要素を備えた装置としても実現可能である。すなわち、この装置は、信号生
成部を有していても良く、有していなくても良い。また、装置は、ヘッドを有していても
良く、有していなくても良い。信号生成部が生成する駆動信号は、周期的な信号としても
良く、或いは、周期的でない信号としてもよい。駆動信号の1周期は、液滴吐出区間と液
滴不吐出区間との2つの区間を含むように構成されていてもよく、これ以外の区間を含む
ように構成されていてもよい。液滴吐出区間は、ノズルから前記液滴を吐出するために使
用される波形部分を含む時間区間であるものとしてもよく、それ以外の波形部分を含む時
間区間であるものとしてもよい。液滴不吐出区間は、ノズルから液滴を吐出するために使
用される波形部分を含まない時間区間であるものとしてもよく、他の波形部分を含む時間
区間であるものとしてもよい。液滴不吐出区間は、液滴吐出区間よりも長いものとしても
よいが、液滴吐出区間よりも短いものとしてもよい。また、前記液滴不吐出区間は、前記
圧電素子に印加されても前記ノズルから前記液滴が吐出しない不吐出波形部分を含む物と
しても良く、不吐出波形部分を含まなくても良い。
こうした装置は、例えば液体吐出装置として実現できるが、液体吐出装置以外の他の装
置としても実現可能である。このような形態によれば、ヘッドの加熱防止や、ノズルのメ
ニスカスの安定化、インクの増粘の抑制、画質の向上、部品の長寿命化、省電力化、回路
動作の安定化等の種々の課題の少なくとも1つを解決することができる。前述した各形態
の技術的特徴の一部又は全部は、いずれもこの装置に適用することが可能である。
本発明は、装置以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、液体吐出方法
および装置、その制御方法および制御装置、それらの方法または装置の機能を実現するた
めのコンピュータープログラム、そのコンピュータープログラムを記録した一時的でない
記録媒体(non-transitory storage medium)等の形態で実現することができる。
本発明の実施例における印刷システムの概略構成を示す説明図。 制御部の内部構成を示すブロック図。 スイッチング制御部の構成を示すブロック図。 参考例の駆動信号の波形を示すタイミングチャート。 ドットサイズと選択パルスの関係の例を示す説明図。 第1実施形態の駆動信号の波形を示すタイミングチャート。 インク吐出量とヘッド最高温度との関係を示すグラフ。 第2実施形態の駆動信号の波形を示すタイミングチャート。 第3実施形態の駆動信号の波形を示すタイミングチャート。 第4実施形態におけるスイッチング制御部の構成を示すブロック図。 第4実施形態の複数の駆動信号の波形を示すタイミングチャート。 非多重主走査記録方式の説明図。 多重主走査記録方式の説明図。 第5実施形態において多重主走査記録方式で印刷を行う場合の駆動信号パルスの使用状態を説明する説明図。 第5実施形態における印刷モードを示す説明図。
以下の順番に従って各種の実施形態を説明する。
・第1実施形態:インク不吐出区間の延長例1
・第2実施形態:インク不吐出区間の延長例2
・第3実施形態:インク不吐出区間がダミーパルスを含む例
・第4実施形態:マルチ駆動信号の使用例
・第5実施形態:多重主走査記録方式における駆動信号の使用例
・変形例
・第1実施形態:インク不吐出区間の延長例1
図1は、本発明の一実施形態における印刷システムの概略構成を示す説明図である。本
実施形態の印刷システムは、プリンター100と、プリンター100に印刷データPDを
供給するホストコンピューター90と、を備えている。プリンター100は、コネクター
12を介してホストコンピューター90と接続されている。
本実施形態のプリンター100は、液滴を吐出する液体吐出装置の1種であるインクジ
ェットプリンターである。プリンター100は、液体としてのインクを吐出することによ
って印刷媒体上にインクドットを形成し、これにより、印刷データPDに応じた文字、図
形、画像等を記録する。
このプリンター100は、印刷ヘッド60を搭載するキャリッジ30(搬送台)と、キ
ャリッジ30を主走査方向(図1の左右方向)に沿って往復移動させる主走査動作を行う
主走査駆動機構と、印刷媒体としての用紙Pを主走査方向と交差する副走査方向に搬送す
る副走査動作を行う副走査駆動機構と、印刷に関する種々の指示・設定操作を行うための
操作パネル14と、プリンター100の各部を制御する制御部40と、を備えている。な
お、キャリッジ30は、フレキシブルケーブルを介して制御部40と接続されている。
プリンター100によって印刷を行う際には、印刷ヘッド60を主走査方向に移動させ
ながら印刷ヘッド60のノズルからインクを吐出させる主走査動作と、印刷媒体に対する
印刷ヘッド60の位置を副走査方向に相対的に移動させる副走査動作と、が繰り返し実行
される。
キャリッジ30を主走査方向に沿って往復移動させる主走査駆動機構は、キャリッジモ
ーター32と、主走査方向と平行に架設されてキャリッジ30を摺動可能に保持する摺動
軸34と、プーリー38と、を有している。キャリッジモーター32とプーリー38は、
摺動軸34の両端付近に配置されており、両者の間には無端の駆動ベルト36が張り渡さ
れている。キャリッジ30は、駆動ベルト36に連結されている。キャリッジモーター3
2が回転すると駆動ベルト36が回転し、これに応じてキャリッジ30が摺動軸34に沿
って移動する。なお、キャリッジ30は、往動と復動の双方向に移動可能である。例えば
、往動はキャリッジ30が図1の右方向に向かう動作であり、復動は左方向に向かう動作
である。
用紙Pを副走査方向に搬送する副走査駆動機構は、紙送りモーター22を有している。
紙送りモーター22の回転は用紙搬送ローラー26に伝達され、用紙搬送ローラー26の
回転により用紙Pが副走査方向に沿って搬送される。
キャリッジ30には、それぞれ所定の色(例えば、シアン(C)、ライトシアン(Lc
)、マゼンタ(M)、ライトマゼンタ(Lm)、イエロー(Y)、ブラック(K))のイ
ンクが収容された複数のインクカートリッジ70が搭載される。インクカートリッジ70
に収容されたインクは、印刷ヘッド60に供給される。必ずしも、インクカードリッジは
キャリッジに搭載される必要はなく、インクカードリッジを装着する機構を別に持ち、そ
こからキャリッジに搭載された印刷ヘッドにインクが供給される機構を設けてもよい。印
刷ヘッド60は、インクを吐出する複数のノズルと、各ノズルに対応して設けられた圧電
素子とを有している。本実施形態では、ノズル駆動素子として、容量性負荷である圧電素
子(ピエゾ素子)を用いている。圧電素子に駆動信号が印加されると、ノズルに連通する
インク室の振動板が変形してインク室内に圧力変化を生じさせ、その圧力変化によってノ
ズルからインクが吐出される。インクの吐出量は、圧電素子に印加される駆動信号の波高
値や、駆動信号の電圧変化の傾きなどの波形パラメーターに応じて変化する。これらの波
形パラメーターを変化させることによって、印刷媒体上に形成されるインクドットの大き
さを変更することができる。なお、本明細書において、インクドットを単に「ドット」と
も呼ぶ。
図2は、制御部40の内部構成を示すブロック図である。制御部40は、第1のインタ
ーフェイス41と、第1のインターフェイス41を介して入力された印刷データPDに基
づいて各種の処理を実行する主制御部42と、紙送りモーター22を駆動する紙送りモー
ター駆動部43と、印刷ヘッド60を駆動するヘッド駆動部45と、キャリッジモーター
32を駆動するキャリッジモーター駆動部46と、第2のインターフェイス47と、を有
している。また、プリンター100は、キャリッジ30の移動に伴ってパルス状の出力信
号を制御部40に出力するエンコーダー33を備えている。主制御部42は、エンコーダ
ー33の出力信号に基づいて、キャリッジ30の主走査方向に沿った位置を検出する。な
お、本明細書では、ヘッド駆動部45を「ヘッド駆動信号生成部」とも呼ぶ。また、3つ
の駆動部43,45,46を含む制御部40の全体を、「駆動信号生成部」とも呼ぶ。
主制御部42は、CPU51と、RAM52と、ROM53と、を含んでいる。主制御
部42による各種の機能は、RAM52又はROM53に格納されたコンピュータープロ
グラムをCPU51が実行することによって実現される。
主制御部42は、ホストコンピューター90から入力された印刷データPDを受領する
。主制御部42は、印刷データPDに各種の処理を実行することによって印刷ヘッド60
を駆動するために使用する各種のデータを生成して、ヘッド駆動部45に出力する。また
、主制御部42は、エンコーダー33の出力信号に基づいて、印刷ヘッド60の駆動タイ
ミングを規定するタイミング信号PTSを生成して、ヘッド駆動部45に供給する。ヘッ
ド駆動部45は、主制御部42から与えられた各種のデータや信号に従って、基準クロッ
ク信号SCKと、ラッチ信号LATと、パルス選択信号PSSと、チャンネル信号CHと
、駆動信号COMとを含む制御信号を生成し、これらの制御信号を印刷ヘッド60に供給
する。主制御部42は、更に、紙送りモーター駆動部43やキャリッジモーター駆動部4
6に対して、各々の駆動動作に使用する信号を出力する。紙送りモーター駆動部43は、
紙送りモーター22を駆動するための制御信号を出力する。キャリッジモーター駆動部4
6は、キャリッジモーター32を駆動するための制御信号を出力する。
図3は、印刷ヘッド60内に設けられているスイッチング制御部61の構成を示すブロ
ック図である。スイッチング制御部61には、ヘッド駆動部45から、上述した各種の制
御信号PSS,SCK,LAT,CH,COMが供給される。スイッチング制御部61は
、パルス選択信号PSSを保存するシフトレジスター部63と、シフトレジスター部63
からの出力信号を一時的に保存するラッチ部64と、ラッチ部64からの出力信号の電圧
レベルをシフトして選択スイッチ部66に供給するレベルシフター部65と、駆動信号C
OMを個々の圧電素子67に選択的に供給する選択スイッチ部66とを有している。圧電
素子67は、個々のノズルからインクを吐出させるノズル駆動素子として機能する。なお
、シフトレジスター部63とラッチ部64とレベルシフター部65と選択スイッチ部66
のそれぞれは、ノズルの数(すなわち圧電素子67の数)に等しい回路要素をそれぞれ含
んでいる。例えば、印刷ヘッド60に存在するノズルの数が100個の場合には、シフト
レジスター部63は100個のシフトレジスターを含んでいる。他の回路部64,65,
66も同様である。なお、以下では、選択スイッチ部66に含まれる個々の選択スイッチ
を呼ぶ際にも、選択スイッチ部66と同じ符号「66」を付して「選択スイッチ66」と
呼ぶことがある。
シフトレジスター部63には、各ノズル用のパルス選択信号PSSが入力されて保存さ
れる。その後、基準クロック信号SCKの入力パルスに応じて、シフトレジスター部63
内におけるパルス選択信号PSSの記憶位置が順次後段にシフトする。パルス選択信号P
SSは、個々の圧電素子67に対して、駆動信号COMに含まれる複数のパルスのうちの
いずれのパルスを印加するかを決定するために使用される信号である。後で詳述するよう
に、このパルス選択信号PSSに応じて駆動信号COMの一部又は全部のインク吐出パル
スを圧電素子67に印加すると、インク量の異なる複数のインク滴のうちのいずれかのイ
ンク滴をノズルから吐出させることができる。ラッチ部64は、ラッチ信号LAT及びチ
ャンネル信号CHのパルス発生タイミングで、シフトレジスター部63の出力信号を順次
ラッチする。ラッチ信号LATは、1画素の記録動作の開始タイミングにおいてハイレベ
ルとなる信号である。チャンネル信号CHは、駆動信号COMに含まれる個々のパルスの
オン/オフを切り換える所定のタイミングにおいてそれぞれハイレベルとなる信号である
。ラッチ部64でラッチされた信号は、レベルシフター部65により、選択スイッチ66
をオン状態又はオフ状態にする電圧レベル(オンレベル又はオフレベル)に変換される。
レベルシフター部65の出力信号は、対応する選択スイッチ66の制御端子に供給されて
、個々の選択スイッチ66をオン又はオフする。こうしてオン状態となった選択スイッチ
66からは、その選択スイッチ66に接続された圧電素子67に駆動信号COMが供給さ
れる。一方、オフ状態となった選択スイッチ66からは、その選択スイッチ66に接続さ
れた圧電素子67に駆動信号COMが供給されない。なお、選択スイッチ66がオフ状態
となった後も、対応する圧電素子67の入力電圧(入力端子の電圧)はその直前の電圧に
維持されることが好ましい。図3中の符号HGNDは、圧電素子67の接地端である。本
明細書において、駆動信号COMは、複数の圧電素子67に共通に使用し得るので、「共
通駆動信号COM」とも呼ぶ。
図4は、参考例において印刷ヘッド60に供給される制御信号COM,LAT,CHの
一例を示す説明図である。ラッチ信号LATは、1つの画素(印刷画素)の開始タイミン
グt01に、1つのパルスが発生する信号である。ラッチ信号LATのパルスで規定され
る周期を「画素周期Px」と呼ぶ。駆動信号COMは、各々の画素周期Pxの中に、複数
のパルスDP1,DP2,VP1,DP3を含んでいる。これらのパルスDP1,DP2
,VP1,DP3以外の部分では、駆動信号COMは、予め設定された定常電位Vstに
維持されている。1つの画素周期Pxに発生する4つのパルスのうちの3つのパルスDP
1,DP2,DP3は、圧電素子67を駆動してノズルからインクを吐出するために使用
される一単位の波形部分である。これらのパルスDP1,DP2,DP3を、「インク吐
出パルス」とも呼ぶ。なお、「波形部分」とは、駆動信号COMの一部分であって、かつ
、電圧変化を含む一部分を意味する。また、「パルス」とは、駆動信号COMの電圧レベ
ルが変化している区間を少なくとも含み、その電圧レベルが定常電位Vstとは異なるレ
ベルに維持される区間を含み得る1つの連続した波形部分を意味する。「パルス」を、「
変動波形部分」又は「変動部分」とも呼ぶ。
図4のパルスVP1は、圧電素子67に印加されてもノズルからインクが吐出されない
が、ノズルにおけるメニスカスに微振動を与えるためのパルスである。このような微振動
パルスVP1は、ノズルのメニスカスの状態を改善するために使用される。例えば、微振
動パルスVP1は、メニスカスに微振動を与えることによって、その後のノズルからのイ
ンク吐出の特性を改善することを目的として使用可能である。あるいは、微振動パルスV
P1は、メニスカスに微振動を与えることによって、メニスカスとインク室におけるイン
クの流動を促進し、それらの場所におけるインクの粘度が過度に増大することを防止する
ことを目的として使用可能である。なお、微振動パルスVP1のように、そのパルスが単
独で圧電素子67に印加されてもノズルからインクが吐出されないパルスを「インク不吐
出パルス」とも呼ぶ。
駆動信号COMに含まれるパルスDP1,DP2,VP1,DP3の各々は、所定の定
常電位Vstから略台形状、略山状、略谷状などの波形を示すように変化し、最後に定常
電位Vstまで戻る1つの波形部分から構成されている。各パルスより前の期間、及び、
各パルスの後の期間では、駆動信号COMの電圧レベルが定常電位Vstに維持される。
なお、本明細書において、「駆動信号COMが定常電位Vstに維持される」という文言
は、ノイズや誤差によるわずかな変動は許容するものの、駆動信号COMのレベルがその
電位Vstから実質的に(有意に)変動しないことを意味する。「定常電位Vst」を「
中間電位Vst」とも呼ぶ。
インク室の構造にも依存するが、各パルスの立ち上がり部分は、例えば、ノズルに連通
するインク室の容積を拡大し、パルスの立ち下がり部分は、インク室の容積を縮小してイ
ンクをノズルから押し出す。そのため、これらのインク吐出パルスDP1,DP2,DP
3を圧電素子67に印加することにより、ノズルからインクが吐出されて、印刷媒体上の
画素位置にインクドットが形成される。一方、微振動パルスVP1は、電圧変化がインク
吐出パルスよりも少ないので、微振動パルスVP1を圧電素子67に印加しても、ノズル
からインクが吐出されることは無い。
駆動信号COMにおいて、インク吐出パルスDP1,DP2,DP3の波形(電圧変化
の傾きや波高値)は、互いに異なっている。インク吐出パルスの波形が異なると、インク
の吐出量(すなわち、印刷媒体上に形成されるインクドットの大きさ)が異なる。そこで
、個々の画素周期Pxにおいてインク吐出パルスDP1,DP2,DP3の中から1つま
たは複数のパルスを選択して圧電素子67に供給することにより、ノズルから所望の量の
インクを吐出することができる。ノズルからインクが吐出されたか否かは、印刷媒体上に
インクドットが形成されたか否かを調べることによって判定することができる。なお、或
る波形部分の「波高値」とは、その波形部分における電圧の極大値と極小値の両方を意味
する。パルスDP1,DP2,DP3の例のように、1つのパルスに複数の波高値が存在
する場合がある。或る波形部分における電圧の極大値と極小値のうちで、定常電位Vst
からの差分が最も大きな電圧を「ピーク電圧」とも呼ぶ。
図5は、ドットサイズと選択パルスの関係の例を示す説明図である。この例では、印刷
データの画素階調値と、パルス選択信号PSSの値と、ドットサイズと、選択されるパル
スとの関係が示されている。画素階調値は2ビットの2進数で表されており、パルス選択
信号PSSの値は4ビットの2進数で示されている。画素階調値からパルス選択信号PS
Sへの変換は、予め準備された変換テーブルを用いて、主制御部42又はヘッド駆動部4
5によって実行される。このパルス選択信号PSSの値に応じて、図4の駆動信号COM
のパルスDP1〜DP3,VP1のうちの一部のパルスが選択されて圧電素子67に供給
される。この結果、ドットサイズとして、ドット無し(インクドットを形成しない)と、
小ドットと、中ドットと、大ドットの4種類のドットサイズが区別される。小ドットと、
中ドットと、大ドットの3種類のドットは、ノズルからのインクの吐出量が互いに異なる
。例えば、小ドット用のインク吐出量は8ピコリットルであり、中ドット用は19ピコリ
ットル、大ドット用は24ピコリットルである。なお、図5は単なる一例であり、プリン
ターの型式に応じて種々のサイズのインクドットを形成するように、駆動信号COMのパ
ルスの形状や数を設定可能である。また、1画素周期Px内で2つ以上のインク吐出パル
ス(例えばパルスDP1とDP2)を選択すれば、より大きなドットを形成することも可
能である。なお、図5の例では、ドット無しの場合に微振動パルスVP1を選択して圧電
素子67に供給していたが、この代わりに、ドット無しの場合にはいずれのパルスも選択
せずに圧電素子67にパルスを全く供給しないようにしてもよい。
図4に戻り、ラッチ信号LATは、1画素周期Pxの開始タイミングt01においてハ
イレベルとなる信号である。駆動信号COMの最初のパルスDP1が個々の圧電素子67
に供給されるか否かは、このタイミングt01においてラッチ部64(図3)にラッチさ
れるパルス選択信号PSSのレベル(ハイ又はロー)に応じて決定される。一方、チャン
ネル信号CHは、2番目以降のパルスDP2,VP1,DP3の使用の有無を決定するタ
イミングt02,t03,t04を示すために、これらのタイミングt02,t03,t
04においてそれぞれハイレベルとなる信号である。2番目以降のパルスDP2,VP1
,DP3が個々の圧電素子67に供給されるか否かは、これらのタイミングt02,t0
3,t04においてラッチ部64にラッチされるパルス選択信号PSSのレベルに応じて
決定される。なお、1つの画素周期Pxの終了タイミングt05は、次の画素周期Pxの
開始タイミングt01となっている。図4の駆動信号COMは、その1画素周期Px内に
、圧電素子67に供給することのできる4つのパルスDP1,DP2,VP1,DP3を
含んでいるので、これらの4つのパルスの使用の有無を決定するタイミングを規定するパ
ルスとして、ラッチ信号LATの1パルスと、チャンネル信号CHの3パルスと、の合計
4つのパルスが使用されている。また、パルス選択信号PSS(図5)も、これに対応し
た4ビットの信号である。
図4を観察すると、画素周期Pxとは別に、駆動信号COMの周期Pcomを認識する
ことができる。駆動信号COMの周期Pcomは、図4の上方に示されているように、定
常電位Vstから電圧レベルが変化し始める時点を開始点とし、画素周期Pxと長さが等
しい時間区間として定義することができる。駆動信号COMは、この周期Pcom毎に同
じ波形が繰り返し発生する周期的な信号である。以下では、この周期Pcomを、「駆動
信号周期Pcom」とも呼ぶ。但し、駆動信号COMのみを観察した場合には、駆動信号
周期Pcomの開始点をいずれのタイミングに取るかには任意性がある。例えば、いずれ
かのパルスにおいて電圧レベルの変化が終了して定常電位Vstに戻った時点を、駆動信
号周期Pcomの開始点とすることも可能である。但し、図4の例では、最初のパルスD
P1において定常電位Vstから電圧レベルが変化し始める時点を駆動信号周期Pcom
の開始点としている。
ところで、図4に示すような駆動信号COMを用いてヘッドを駆動すると、以下のよう
な問題が発生する可能性がある。図4の下方には、印刷ヘッド60(図2)のヘッド温度
の時間的変化を示している。図4の例では、画素周期Px(及び駆動信号周期Pcom)
が比較的短いため、時間の経過に応じてヘッド温度が急速に上昇している。このようなヘ
ッド温度の上昇率は、画素周期Pxが短いほど顕著であり、また、ヘッド温度の最高値は
、走査方向に沿った印刷媒体の幅(主走査方向幅)が大きいほど高くなる。例えば、A2
以上の大判の印刷媒体上に印刷を行う場合には、ヘッド温度が過度に上昇してしまい、印
刷ヘッドの寿命低下や印刷ヘッドの破損を引き起こす可能性がある。特にプリンターの環
境温度が高く、かつ、1回の主走査中に大きなドットを連続的に形成する場合のような最
悪条件では、このような印刷ヘッドの過熱が問題となる。なお、画素周期Pxは、印刷ヘ
ッド60の主走査速度(すなわちキャリッジ速度)が高いほど短くなる。従って、印刷ヘ
ッドの過熱の問題は、印刷ヘッド60の主走査速度が高いほど顕著である。以下で説明す
る各種の実施形態では、このような印刷ヘッドの過熱の問題を解決することが可能である
。なお、「1回の主走査」とは、往動方向と復動方向のうちのいずれか一つの同じ方向に
沿って、連続的又は間欠的に、印刷ヘッドを印刷媒体に対して相対的に移動させる動作を
意味する。ここで、「連続的に」とは、移動がとぎれること無く行われることを意味し、
「間欠的に」とは、移動と停止とが交互に行われることを意味する。通常は、主走査の移
動は連続的に行われるが、間欠的に行われてもよい。また、「印刷ヘッドを印刷媒体に対
して相対的に移動させる」という語句は、印刷ヘッドを移動させる場合に限らず、印刷媒
体を移動させる場合も含んでいる。
図6は、第1実施形態の駆動信号の波形を示すタイミングチャートである。図6の駆動
信号COMに含まれる3つのインク吐出パルスDP1,DP2,DP3及び1つの微振動
パルスVP1の波形は、図4と同じである。また、これらのパルスDP1,DP2,VP
1,DP3と、それらのためのタイミングt11,t12,t13,t14の位置との相
互関係も、図4と同じである。また、図5に示した関係も、パルス選択信号PSSの値(
後述)以外は同様に成立する。
図6と図4との大きな違いの1つは、図6では、駆動信号周期Pcom及び画素周期P
xが、図4に比べて大幅に延長されている点である。より具体的には、図6の駆動信号C
OMは、最後のインク吐出パルスDP3が定常電位Vstに戻った後に、この定常電位V
stに維持されている期間NEPが図4に比べて大幅に長い。この期間NEPは、ノズル
からインクを吐出させるために使用されるインク吐出パルスを全く含んでいないので、「
インク不吐出区間NEP」と呼ぶことができる。また、1つの駆動信号周期Pcomの最
初のインク吐出パルスDP1の開始タイミングから最後のインク吐出パルスDP3の終了
タイミングまでの1つの連続する時間区間EEPを、「インク吐出区間EEP」と呼ぶこ
とができる。なお、「1つの駆動信号周期Pcomの最初のインク吐出パルス」としては
、インク吐出区間EEPが最も短くなるパルスを選ぶことが好ましい。例えば、図6の例
において、仮に、第2のインク吐出パルスDP2の開始タイミングをインク吐出区間EE
Pの開始タイミングとして選ぶと仮定すると、そのインク吐出区間EEPは、第2のイン
ク吐出パルスDP2の開始タイミングから、次の画素周期Pxにおける第1のインク吐出
パルスDP1の終了タイミングまでにわたる極めて長い期間になってしまう。一方、図6
に示したように、第1のインク吐出パルスDP1の開始タイミングをインク吐出区間EE
Pの開始タイミングとして選ぶと、そのインク吐出区間EEPは、他のインク吐出パルス
DP2又はDP3の開始タイミングを選んだ場合よりも短くなる。
図6と図4との違いの2つ目は、図6では、インク不吐出区間NEPにおいて、駆動信
号COMに複数の微振動パルスVP11〜VP15が発生している点である。また、これ
らの微振動パルスVP11〜VP15の前のタイミングt91において、チャンネル信号
CHのパルスが発生している。微振動パルスVP11〜VP15は、インク吐出区間EE
Pの微振動パルスVP1と異なる形状を有しているが、微振動パルスVP1と同じ形状を
有するものとしてもよい。また、微振動パルスVP11〜VP15は、同じ形状を有する
ものとしても良く、或いは、互いに異なる形状を有するものとしても良い。前述したよう
に、微振動パルスVP11〜VP15は、ノズルにおけるメニスカスに微振動を与えるこ
とによって、インクの流動を促進し、インクの粘度が過度に増大するという機能を有する
。図6のように、インク不吐出区間NEPが長い場合には、インクの粘度が増大し易い傾
向にある。そこで、図6のように、インク不吐出区間NEPに微振動パルスを発生するよ
うにすれば、インクの粘度が過度に増大してしまうことを抑制できるという利点がある。
なお、インク不吐出区間NEPに含まれる微振動パルスの数は、1つでも良く、或いは2
以上の複数個でも良い。但し、インクの増粘を適切に抑制するためには、インク不吐出区
間NEPが複数の微振動パルスを含むことが好ましい。更に、インク不吐出区間NEPに
おいて、複数の微振動パルスの間が、定常電位Vstを挟んで互いに離れていることが更
に好ましい。この理由は、1個の微振動パルスによってもインクの増粘の抑制効果がある
ので、微振動パルスを間欠的に発生させた方が、より長い時間にわたってインクの増粘を
抑制し易いからである。なお、インク不吐出区間NEPの微振動パルスVP11〜VP1
6は、選択された一部のノズルの圧電素子67のみに印加されるようにしても良いが、す
べてのノズルの圧電素子67に印加されるようにすることが好ましい。なお、パルス選択
信号PSS(図5)には、微振動パルスVP11〜VP16のタイミングt91のための
1ビットが追加される。この追加の1ビットを常に「1」に設定すれば、すべてのノズル
の圧電素子67に微振動パルスVP11〜VP16が印加される。一方、この追加の1ビ
ットをノズル毎に「1」又は「0」のいずれかに設定すれば、選択された一部のノズルの
圧電素子67にのみ微振動パルスVP11〜VP16が印加される。
1つのインク吐出区間EEPの長さと1つのインク不吐出区間NEPの長さの合計は、
駆動信号周期Pcomと等しい。このように、図6では、駆動信号COMの各々の周期P
comは、1つの連続するインク吐出区間EEPと、1つの連続するインク不吐出区間N
EPと、の2つの区間に区分されている。なお、インク吐出区間EEPを「第1の区間」
とも呼び、インク不吐出区間NEPを「第2の区間」とも呼ぶ。
一般的に言えば、インク吐出区間EEPは、1つの駆動信号周期Pcomに含まれるM
個(Mは1以上の整数)のインク吐出パルスをすべて含む1つの連続した時間区間である
。或いは、インク吐出区間EEPは、M個のうちの最初のインク吐出パルスの開始タイミ
ングから、最後のインク吐出パルスの終了タイミングまでの1つの連続する時間区間であ
ると考えることも可能である。一方、インク不吐出区間NEPは、1つの駆動信号周期P
comの中でインク吐出区間EEPを除く1つの連続する時間区間である。或いは、イン
ク不吐出区間NEPは、インク吐出パルスを全く含まない区間のうちで最も長い区間であ
ると考えることも可能である。なお、1つの駆動信号周期Pcomに含まれるインク吐出
パルスの数Mは1でも良い。但し、典型的な例では、Mは2以上の整数である。
なお、これまでに説明した駆動信号の波形に関する用語の定義をまとめると、以下の通
りである。
(1) 「波形部分」
「波形部分」とは、駆動信号COMの一部分であって、かつ、電圧変化を含む一部分を
意味する。
(2) 「パルス」
「パルス」とは、定常電位Vstに維持されている区間を含まないが、駆動信号COM
の電圧レベルが変化している区間を少なくとも含み、その電圧レベルが定常電位Vstと
は異なるレベルに維持される区間を含み得る1つの連続した波形部分を意味する。
(3) 「インク吐出パルス」
「インク吐出パルス」とは、ノズルからインクを吐出するために使用されるパルスであ
る。
(4) 「インク不吐出パルス」
「インク不吐出パルス」とは、そのパルスが単独で圧電素子に印加されてもノズルから
インクが吐出されないパルスである。
(5) 「波高値」
或る波形部分の「波高値」とは、その波形部分における電圧の極大値と極小値の両方を
意味する。
(6) 「ピーク電圧」
或る波形部分の「ピーク電圧」とは、その波形部分における電圧の極大値と極小値のう
ちで、定常電位Vstからの差分が最も大きな電圧を意味する。
(7) 「画素周期Px」
「画素周期Px」とは、1つの印刷画素に対応する時間区間を意味する。
(8) 「駆動信号周期Pcom」
「駆動信号周期Pcom」とは、定常電位Vstから電圧レベルが変化し始める時点、
又は、電圧レベルの変化が終了して定常電位Vstに戻った時点をその開始点とし、画素
周期Pxと長さが等しい時間区間である。
(9) 「インク不吐出区間NEP」
「インク不吐出区間NEP」とは、1つの駆動信号周期Pcom内において、インク吐
出パルスを全く含まない1つの連続した時間区間のうちで最も長い区間である。
(10) 「インク吐出区間EEP」
「インク吐出区間EEP」とは、1つの駆動信号周期Pcom内において、インク不吐
出区間NEPを除く1つの連続した時間区間である。通常は、インク吐出区間EEPは、
1つの駆動信号周期Pcomに含まれるM個(Mは1以上の整数)のインク吐出パルスの
うちの最初のインク吐出パルスの開始タイミングから、最後のインク吐出パルスの終了タ
イミングまでの1つの連続する時間区間である。
図6の下方には、第1実施形態におけるヘッド温度の時間的変化が例示されている。こ
の駆動信号COMは、インク不吐出区間NEPが長いので、この区間NEPで印刷ヘッド
60が冷却されて、ヘッド温度が過度に上昇することが無い。従って、大判の印刷媒体(
例えばA2サイズ以上の印刷用紙)に印刷しても、印刷ヘッド60の過熱を防止すること
が可能である。この意味では、インク不吐出区間NEPを、インク吐出区間EEPよりも
長く設定することが好ましい。なお、本願の発明者らの試算によれば、インク不吐出区間
NEPをインク吐出区間EEPの1.5倍以上に設定すれば、過酷な条件下においても常
に印刷ヘッド60の過熱を防止できる点で、より好ましい。但し、インク不吐出区間NE
Pの延長に伴って、印刷ヘッド60の主走査速度(キャリッジ速度)は低下する。
主走査方向の幅がそれほど大きくない印刷媒体(例えばA3サイズ以下の印刷用紙)で
は、印刷ヘッド60の温度はそれほど高くなることが無い。従って、この場合には、図6
に比べてインク不吐出区間NEPがより短い駆動信号や、図4に示した駆動信号を用いる
ことが可能である。すなわち、主走査方向の幅が一定の値以下の印刷媒体を用いて印刷を
行う場合には、インク不吐出区間NEPを、インク吐出区間EEPよりも短く設定するよ
うにしてもよい。
ところで、駆動信号COMとしては、印刷媒体の主走査幅の全体にわたる1回の主走査
の期間を通じて、同一の周期Pcomを有する駆動信号COMを使用することが好ましい
。但し、異なる主走査においては、駆動信号周期Pcomを異なる長さに設定してもよい
。例えば、偶数番目の主走査と奇数番目の主走査とにおいて、駆動信号周期Pcomを異
なる長さに設定してもよい。更に、1枚の印刷媒体上における印刷処理の全期間を通じて
、十分に長い同一の周期Pcomを有する駆動信号COMを使用することが好ましい。こ
うすれば、印刷動作の継続中に徐々にヘッド温度が上昇するとしても、ヘッド温度が過度
に上昇してしまうことを防止できる。なお、駆動信号周期Pcomの長さを変化させると
、ドットの形成位置も変化するので、画質の劣化を引き起こす可能性がある。この観点か
らは、駆動信号周期Pcomの長さは、少なくとも個々の主走査の期間を通じて一定に保
つことが好ましく、1枚の印刷媒体上における印刷処理の全期間を通じて一定に保つこと
が更に好ましい。
なお、駆動信号COMの1画素周期Px内に含まれるパルスの種類や数は、図6の例以
外のものを採用可能である。例えば、駆動信号COMの1画素周期Px内に含まれるパル
スの数を1としても良い。但し、駆動信号COMの1画素周期Px内に含まれるインク吐
出パルスの数を2以上とすれば、2種類以上のサイズの異なるドットを形成できるので好
ましい。タイミング信号LAT,CHのパルス数の合計と、それらのパルスの発生タイミ
ングは、1画素周期Px内に含まれる駆動信号COMのパルスの数と位置とに応じて適宜
設定される。
図7は、実施形態におけるインク吐出量とヘッド最高温度との関係を示す説明図である
。縦軸は、1走査においてヘッド温度が到達しうる最高温度を示している。横軸は、個々
のノズルからの単位時間当たりのインク吐出量[ピコリットル/秒]を示している。なお
、横軸の下に示したように、単位時間当たりのインク吐出量は、キャリッジ速度が高いほ
ど大きい。或いは、単位時間当たりのインク吐出量は、画素周期Px(駆動信号周期Pc
om)が小さいほど大きい。図7は、1回の主走査中に、すべての画素に大ドット用のイ
ンク滴を吐出する場合の例を示している。一般に、インク滴の量が多いほど駆動信号CO
Mの変化が大きいので、インク吐出によるヘッド温度の上昇幅も大きい。キャリッジ速度
が高く、単位時間当たりのインク吐出量が6000ピコリットル/秒を超えると、ヘッド
最高温度がその上限値Tlimに達する恐れがある。従って、単位時間当たりのインクの
最大吐出量は、6000ピコリットル/秒未満とすることが好ましい。このような制限は
、インク不吐出区間NEPが十分に長くなるように、インク不吐出区間NEPとインク吐
出区間EEPの比率を設定することで実現可能である。
以上のように、第1実施形態では、個々の駆動信号周期Pcomを構成する2つの区間
EEP,NEPのうちで、インク不吐出区間NEP(第2の区間)をインク吐出区間EE
P(第1の区間)よりも長く設定したので、ヘッドの過熱を防止することが可能である。
また、インク不吐出区間NEPが微振動パルスを含むので、微振動パルスを圧電素子に印
加することによってノズルのインクを振動させることができ、インクの増粘を抑制するこ
とができる。なお、第1実施形態で説明した種々の好ましい設定や態様は、以下で説明す
る他の実施形態にも適用可能である。
・第2実施形態:インク不吐出区間の延長例2
図8は、第2実施形態の駆動信号の波形を示すタイミングチャートである。図8と図6
の違いは、図8では2番目のインク吐出パルスDP1と微振動パルスVP1との間が図4
から延長されている点であり、他の信号形状は図6とほぼ同じである。より具体的には、
図8の駆動信号COMは、2番目のインク吐出パルスDP2が定常電位Vstに戻った後
に、ほぼ定常電位Vstに維持されているが、間欠的に微振動パルスVP11〜VP15
,VP1が発生する。また、微振動パルスVP1の後には、第3のインク吐出パルスDP
3が発生し、引き続いて他のインク吐出パルスDP1,DP2が発生する。なお、これら
のパルスDP1,DP2,VP11〜VP15,VP1,DP3のためのタイミングt2
1,t22,t92,t23〜t25も、適宜変更されている。
前述したように、微振動パルスVP11〜VP15,VP1は、圧電素子67に供給さ
れてもノズルからインクが吐出されないパルスである。また、前述した通り、インク不吐
出区間NEPは、インク吐出パルスを全く含まない区間のうちで最も長い区間として定義
される。従って、図8では、インク不吐出区間NEPの中に微振動パルスVP11〜VP
15,VP1が含まれている。
第1実施形態(図6)及び第2実施形態(図8)から理解できるように、1つの駆動信
号周期Pcomに2つ以上のインク吐出パルスが含まれている場合には、インク不吐出区
間NEPは、駆動信号COMに含まれるインク吐出パルスのうちの任意の2つのインク吐
出パルスの間にインク不吐出区間NEPが存在するように、駆動信号COMの波形を設定
することが可能である。具体的には、図6や図8とは異なる駆動信号波形として、第1の
インク吐出パルスDP1と第2のインク吐出パルスDP2との間にインク不吐出区間NE
Pが発生するように、駆動信号COMの波形を設定してもよい。また、微振動パルスは、
インク吐出区間EEPとインク不吐出区間NEPの一方又は両方において発生するように
してもよく、或いは、全く発生しないようにしてもよい。なお、図8の例では、図6と同
様に、画素周期Pxの開始タイミングがラッチ信号LATによって決定されているものと
して描かれているが、画素周期Pxの開始タイミングをこれ以外のタイミング(例えばタ
イミングt23やタイミングt24)に設定してもよい。
以上の第2実施形態においても、個々の駆動信号周期Pcomを構成する2つの区間E
EP,NEPのうちで、インク不吐出区間NEP(第2の区間)をインク吐出区間EEP
(第1の区間)よりも長く設定したので、ヘッドの過熱を防止することが可能である。ま
た、インク不吐出区間NEPが微振動パルスを含むので、微振動パルスを圧電素子に印加
することによってノズルのインクを振動させることができ、インクの増粘を抑制すること
ができる。
・第3実施形態:インク不吐出区間がダミーパルスを含む例
図9は、第3実施形態の駆動信号の波形を示すタイミングチャートである。図9と図6
の違いは、図9ではインク不吐出区間NEPにおいて、図6の3つの微振動パルスVP1
2〜VP14の代わりにダミーパルスDUM1,DUM2が含まれている点であり、他の
信号形状は図6とほぼ同じである。これらのダミーパルスDUM1,DUM2は、圧電素
子67に印加されるとノズルからインクが吐出されるが、実際には圧電素子67に印加さ
れることが無い波形部分である。ダミーパルスを「ダミー波形部分」とも呼ぶ。図9に示
されているように、インク不吐出区間NEP内において、ダミーパルスDUM1,DUM
2が発生する前のタイミングt35において、チャンネル信号CHのパルスが発生してお
り、このパルスに応じて全ノズルの選択スイッチがオフされる。なお、全ノズルの選択ス
イッチをオフするためには、すべてのノズルに関するパルス選択信号PSS(図5)の最
後に、値「0」の1ビットを追加しておくことが好ましい。このように、駆動信号COM
のダミーパルスDUM1,DUM2は、実際には圧電素子67に印加されることが無く、
ダミーパルスDUM1,DUM2に応じてインクが吐出されることも無い。従って、ダミ
ーパルスDUM1,DUM2は、微振動パルスVP1と同様に、インク不吐出パルスの一
種である。図9において、ダミーパルスDUM1,DUM2が追加されている点と、ダミ
ーパルス用のチャンネル信号CHのパルス(タイミングt35)が追加されている点以外
は、図6に示した第1実施形態と同じである。なお、図9のタイミングt31〜t34,
t36は、図6のタイミングt11〜t15にそれぞれ対応している。また、図9では、
ダミーパルスの前後にある微振動パルスVP11,VP15のためのタイミングt93,
t94において、チャンネル信号CHのパルスが発生している。こうすれば、所望のノズ
ルの圧電素子67に微振動パルスVP11,VP15を印加することができ、インクの増
粘を抑制することが可能である。
ダミーパルスDUM1,DUM2は、例えば、ヘッド駆動部45の電圧安定性を維持す
るために使用することが可能である。通常の使用状態では、ヘッド駆動部45内における
電流リークは、極めて僅かで無視できる程度である。しかし、高温・高湿度の過酷な環境
条件下では、ヘッド駆動部45内の電流リークが増加する可能性が考えられる。このよう
な場合に、ヘッド駆動部45内の回路要素を動作させずに静的な状態を維持すると、駆動
信号COMの電位が定常電位Vstから徐々に低下してしまう可能性がある。そこで、ダ
ミーパルスDUM1,DUM2のようなインク不吐出パルスを意図的に発生させることに
よって、ヘッド駆動部45の電圧安定性を維持し、駆動信号COMの電位の低下を防止す
ることが可能である。なお、通常の使用状態ではこのような電位の低下は発生しないとし
ても、過酷な最悪条件下において発生する可能性があれば、通常の使用状態においてもダ
ミーパルスを使用することが好ましい。
この第3実施形態においても、個々の駆動信号周期Pcomを構成する2つの区間EE
P,NEPのうちで、インク不吐出区間NEP(第2の区間)をインク吐出区間EEP(
第1の区間)よりも長く設定したので、ヘッドの過熱を防止することが可能である。また
、インク不吐出区間NEPが微振動パルスを含むので、微振動パルスを圧電素子に印加す
ることによってノズルのインクを振動させることができ、インクの増粘を抑制することが
できる。また、インク不吐出区間NEPにおいてダミーパルスを発生させたので、ヘッド
駆動部45の電圧安定性を維持することが可能である。
・第4実施形態:マルチ駆動信号の使用例
図10は、第4実施形態におけるスイッチング制御部61のブロック図であり、第1実
施形態の図3に対応する図である。図10と図3との違いは、図10では、スイッチ制御
部61a内に、2組のシフトレジスター部63a,63bと、2組のラッチ部64a,6
4bと、2組のレベルシフター部65a,65bと、2組の選択スイッチ部66a,66
bが設けられている点である。2組のシフトレジスター部63a,63bには、異なるパ
ルス選択信号PSS1,PSS2が供給されている。但し、2組のシフトレジスター部6
3a,63bには、同一のクロック信号SCKが供給されている。2組のラッチ部64a
,64bには、同一のラッチ信号LATと同一のチャンネル信号CHが供給されている。
但し、2組のラッチ部64a,64bに、異なるラッチ信号LATと異なるチャンネル信
号CHを供給するようにしてもよい。2組の選択スイッチ部66a、66bには、2つの
異なる駆動信号COM1,COM2が供給されている。符号の末尾に文字「a」を付した
回路部63a,64a,65a,66aは、第1の駆動信号COM1のパルスを選択する
ために使用される。また、符号の末尾に文字「b」を付した回路部63b,64b,65
b,66bは、第2の駆動信号COM2のパルスを選択するために使用される。各ノズル
に関して設けられた2つの選択スイッチ66a,66bの出力端子は、そのノズルの1つ
の圧電素子67に共通に接続されている。従って、個々のノズルの圧電素子67には、2
つの駆動信号COM1,COM2のいずれかを選択的に供給することができる。
図11は、第4実施形態で使用される2つの駆動信号の波形を示すタイミングチャート
である。第1の駆動信号COM1は、2つのインク吐出パルスDP1,DP3と、微振動
パルスVP1,VP11〜VP15とを含んでいる。第1の駆動信号COM1のパルスD
P1,VP1,DP3のためのタイミングは、チャンネル信号CHのパルスタイミングt
41,t43,t44である。また、インク不吐出区間NEPにおける微振動パルスVP
11〜VP15のためのタイミングは、チャンネル信号CHのパルスタイミングt95で
ある。一方、第2の駆動信号COM2は、2つのインク吐出パルスDP2,DP4と、微
振動パルスVP2,VP21〜VP25とを含んでいる。第2の駆動信号COM2のパル
スDP2,VP2,DP4のためのタイミングは、チャンネル信号CHのパルスタイミン
グt42,t43,t44である。また、インク不吐出区間NEPにおける微振動パルス
VP21〜VP25のためのタイミングは、チャンネル信号CHのパルスタイミングt9
5である。この例では、2つの駆動信号COM1,COM2に含まれる4つのインク吐出
パルスDP1〜DP4の組み合わせによって、多種類のインクドットを形成することが可
能である。例えば、4種類のインク吐出パルスDP1〜DP4のいずれか1つのみを選択
することによって、4種類のインク量の異なるインクドットを形成できる。また、1画素
周期Pxにおいて2つ以上のインク吐出パルスを選択することを許容して、より大きなイ
ンクドットを形成するようにしてもよい。
図11の最上部に示すように、駆動信号周期Pcomは、インク吐出区間EEP(第1
の区間)と、インク不吐出区間NEP(第2の区間)に区分されている。但し、この例の
ように複数の駆動信号が同時に発生する場合には、インク吐出区間EEPとインク不吐出
区間NEPの区分は、複数の駆動信号の全体から決定される。具体的には、図11におい
て、第1の駆動信号COM1のみを考えた場合のインク吐出区間EEP1は、その最初の
インク吐出パルスDP1の開始タイミングから、最後のインク吐出パルスDP3の終了タ
イミングまでの1つの連続する時間区間として決定できる。第1の駆動信号COM1のイ
ンク不吐出区間NEP1は、インク吐出区間EEP1以外の区間である。一方、第2の駆
動信号COM2のみを考えた場合のインク吐出区間EEP2は、その最初のインク吐出パ
ルスDP2の開始タイミングから、最後のインク吐出パルスDP4の終了タイミングまで
の1つの連続する時間区間として決定できる。第2の駆動信号COM2のインク不吐出区
間NEP2は、インク吐出区間EEP2以外の区間である。これらの2つの駆動信号CO
M1,COM2の全体におけるインク吐出区間EEPは、第1の駆動信号COM1のイン
ク吐出区間EEP1と、第2の駆動信号COM2のインク吐出区間EEP2の論理和(O
R)を取った区間である。また、2つの駆動信号COM1,COM2の全体におけるイン
ク不吐出区間NEPは、第1の駆動信号COM1のインク不吐出区間NEP1と、第2の
駆動信号COM2のインク不吐出区間NEP2の論理積(AND)を取った区間である。
なお、このインク不吐出区間NEPは、駆動信号周期Pcomからインク吐出区間EEP
を除外した区間となっている。
なお、ヘッド駆動部45は、3つ以上の駆動信号を同時に発生して印刷ヘッド60に供
給するようにしてもよい。複数の駆動信号を利用すれば、異なる大きさを有するインクド
ットの数を増加させることが可能である。なお、一般に、複数の駆動信号が同時に発生す
る場合におけるインク吐出区間EEPとインク不吐出区間NEPは、すべての駆動信号を
重ね合わせて仮想的な1つの駆動信号を合成し、その仮想的な1つの駆動信号においてイ
ンク吐出区間とインク不吐出区間とを決定したもの、と考えることも可能である。
この第4実施形態では、ヘッド駆動部45が、複数の駆動信号を同時に生成して印刷ヘ
ッドに供給する場合にも、そのインク不吐出区間NEP(第2の区間)をインク吐出区間
EEP(第1の区間)よりも長く設定したので、ヘッドの過熱を防止することが可能であ
る。また、インク不吐出区間NEPが微振動パルスを含むので、微振動パルスを圧電素子
に印加することによってノズルのインクを振動させることができ、インクの増粘を抑制す
ることができる。
・第5実施形態:多重主走査記録方式における駆動信号の使用例
第5実施形態では、多重主走査記録方式と呼ばれる印刷動作において、上述した実施形
態の駆動信号を使用する。そこで、以下ではまず、多重主走査記録方式について説明し、
その後で、多重主走査記録方式における駆動信号の使用方法を説明する。
図12は、通常のドット記録方式(非多重主走査記録方式)の一例を示すための説明図
である。図12(A)は、4個のノズルを用いた場合の副走査送りの一例を示しており、
図12(B)はそのドット記録方式のパラメーターを示している。図12(A)において
、数字を含む実線の丸は、各パス(pass)における4個のノズルの副走査方向の位置を示
している。ここで、「パス」とは1回の主走査を意味している。丸の中の数字0〜3は、
ノズル番号である。この例では、4個のノズルの位置は、1回の主走査が終了する度に副
走査方向に送られる。但し、実際には、副走査方向の送りは紙送りモーター22(図2)
によって用紙を移動させることによって実現されている。
図12(A)の左端に示すように、この例では副走査送り量Lは4画素の一定値である
。従って、副走査送りが行われる度に、個々のノズルの位置が4画素ずつ副走査方向にず
れてゆく。各ノズルは、1回の主走査中にそれぞれの主走査線上のすべての画素位置にお
いてドット記録が許容されている。図12(A)の右端には、個々の主走査線上において
ドット記録を行うノズルの番号が示されている。なお、ノズルの副走査方向位置を示す丸
印から右方向(主走査方向)に伸びる破線で描かれた主走査線では、その下に隣接する主
走査線においてドットを記録できないので、実際にはドットの記録が禁止される。一方、
主走査方向に伸びる実線で描かれた主走査線は、その下に隣接する主走査線上においてド
ットを記録し得る。このように、隣接する主走査線上で実際にドット記録を行える主走査
線の範囲を、以下では有効記録範囲(または「有効印刷範囲」)と呼ぶ。但し、印刷媒体
の上端付近及び下端付近において、より小さな送り量で副走査送りを実行することによっ
て、図12に示した有効記録範囲以外の範囲(記録不可範囲)においてもドット記録を行
うことが可能である。
図12(B)の上部には、このドット記録方式に関する種々の走査パラメーターが示さ
れている。走査パラメーターには、ノズルピッチk[画素]と、使用ノズル個数N[個]
と、主走査繰り返し数sと、実効ノズル個数Neff[個]と、副走査送り量L[画素]と
が含まれている。この例では、ノズルピッチkは3画素である。ノズルピッチの値kは、
1以上の任意の整数に設定可能であるが、画質の観点からは、2以上の整数に設定するこ
とが好ましい。また、図12の例において、任意の1色分の使用ノズル個数Nは4個であ
る。なお、使用ノズル個数Nは、各色のインクの吐出用に実装されている複数個のノズル
の中で実際に使用されるノズルの個数である。実際には、1色当たり数十個のノズルが使
用されるのが普通だが、ここでは簡単の便宜上、使用ノズル個数Nを4個としている。主
走査繰り返し数sは、各主走査線上においてドット形成のための主走査が実行される回数
を意味している。たとえば、主走査繰り返し数sが2のときには、各主走査線上において
ドット形成のために2回の主走査が実行され、この際、通常は、一回の主走査において1
画素おきの画素位置において間欠的にドット記録が許容される。図12の場合には、主走
査繰り返し数sは1なので、一回の主走査において個々の主走査線上の全画素位置におい
てドット記録が許容される。実効ノズル個数Neff は、使用ノズル個数Nを主走査繰り返
し数sで割った値である。この実効ノズル個数Neff は、一回の主走査でドット記録が完
了する主走査線の正味の本数を示しているものと考えることができる。
図12(B)の表には、各パスにおける副走査送り量Lと、その累計値ΣLと、ノズル
のオフセットFとが示されている。ここで、オフセットF(位置ズレ量)とは、最初のパ
ス1におけるノズルの周期的な位置(図12では4画素おきの位置)をオフセットが0で
ある基準位置と仮定した時に、その後の各パスにおけるノズルの位置が基準位置から副走
査方向に何画素離れているかを示す値である。たとえば、図12(A)に示すように、パ
ス1の後には、ノズルの位置は副走査送り量L(=4画素)だけ副走査方向に移動する。
一方、ノズルピッチkは3画素である。従って、パス2におけるノズルのオフセットFは
1である(図12(A)参照)。同様にして、パス3におけるノズルの位置は、初期位置
からΣL=8画素移動しており、そのオフセットFは2である。パス4におけるノズルの
位置は、初期位置からΣL=12画素移動しており、そのオフセットFは0である。3回
の副走査送り後のパス4ではノズルのオフセットFは0に戻るので、3回の副走査を1サ
イクルとして、このサイクルを繰り返すことによって、有効記録範囲の主走査線上のすべ
ての画素位置にドットを記録することができる。図12の例からも解るように、ノズルの
位置が初期位置からノズルピッチkの整数倍だけ離れた位置にある時には、オフセットF
はゼロである。一般に、オフセットFは、副走査送り量Lの累計値ΣLをノズルピッチk
で割った余り(ΣL)%kで与えられる。ここで、「%」は、除算の余りをとることを示
す演算子である。
主走査繰り返し数sが1の場合には、有効記録範囲において記録対象となる主走査線に
抜けや重複が無いようにするために、以下の条件を満たすように走査パラメーターが設定
される。
条件c1:1サイクルの副走査送り回数は、ノズルピッチkに等しい。
条件c2:1サイクル中の各回の副走査送り後のノズルのオフセットFは、0〜(k−
1)の範囲のそれぞれ異なる値となる。
条件c3:副走査の平均送り量(ΣL/k)は、使用ノズル数Nに等しい。
上記の各条件については、例えばJP2002?11859Aにおいて、その図6に沿
って詳述されているので、ここではその説明を省略する。
図13は、主走査繰り返し数sが2の場合のドット記録方式の一例を示すための説明図
である。主走査繰り返し数sが1を超える場合には、同一の主走査線上でs回の主走査が
実行される。主走査繰り返し数sが1を超える場合のドット記録方式を「多重主走査記録
方式」と呼ぶ。また、主走査繰り返し数sが1に等しいドット記録方式を「非多重主走査
記録方式」と呼ぶ。
図13に示すドット記録方式の走査パラメーターは、図12(B)に示した走査パラメ
ーターの中で、主走査繰り返し数sと副走査送り量Lとを変更したものである。図13(
A)からも解るように、図13のドット記録方式における副走査送り量Lは2画素の一定
値である。図13(A)においては、偶数回目のパスのノズルの位置を、菱形で示してい
る。通常は、図13(A)の右端に示すように、偶数回目のパスで記録される画素位置は
、奇数回目のパスで記録される画素位置と、主走査方向に1画素分だけずれている。従っ
て、同一の主走査線上の複数の画素位置は、異なる2つのノズルによってそれぞれ間欠的
に記録されることになる。たとえば、有効記録範囲内の最上端の主走査線は、パス2にお
いて2番のノズルで1画素おきの画素位置において間欠的にドットが記録された後に、パ
ス5において0番のノズルで1画素おきの画素位置において間欠的にドットが記録される
。この多重主走査記録方式では、各ノズルは、1回の主走査中に1個の画素位置において
ドット記録を許容した後に、次の(s−1)個の画素位置においてドット記録を禁止する
ように、間欠的なタイミングでノズルが駆動される。
図13(B)の表の最下段には、1サイクル中の各パスのオフセットFの値が示されて
いる。1サイクルは6回のパスを含んでおり、パス2からパス7までの各パスにおけるオ
フセットFは、0〜2の範囲の値を2回ずつ含んでいる。また、パス2からパス4までの
3回のパスにおけるオフセットFの変化は、パス5からパス7までの3回のパスにおける
オフセットFの変化と等しい。図13(A)の左端に示すように、1サイクルの6回のパ
スは、3回ずつの2組の小サイクルに区分することができる。このとき、1サイクルは、
小サイクルをs回繰り返すことによって完了する。
一般に、主走査繰り返し数sが1を超える場合には、上述した第1ないし第3の条件c
1〜c3は、以下の条件c1’〜c3’のように書き換えられる。
条件c1’:1サイクルの副走査送り回数は、ノズルピッチkと主走査繰り返し数sと
を乗じた値(k×s)に等しい。
条件c2’:1サイクル中の各回の副走査送り後のノズルのオフセットFは、0〜(k
−1)の範囲の値であって、それぞれの値がs回ずつ出現する。
条件c3’:副走査の平均送り量{ΣL/(k×s)}は、実効ノズル数Neff (=N
/s)に等しい。
上記の条件c1’〜c3’は、主走査繰り返し数sが1の場合にも成立する。従って、
条件c1’〜c3’は、主走査繰り返し数sの値に係わらず、一般的に成立する条件であ
ると考えられる。すなわち、上記の3つの条件c1’〜c3’を満足すれば、有効記録範
囲において、記録される画素位置に抜けや不要な重複が無いようにドット記録を実行する
ことができる。但し、多重主走査記録方式でドット記録を行う場合には、s回の主走査に
おいて、ドット記録を許容する画素位置を互いに主走査方向にずらすという条件も設定さ
れる。なお、図12,図13では、副走査送り量Lが一定値である場合について説明した
が、上記の条件c1’〜c3’は、副走査送り量Lが一定値である場合に限らず、副走査
送り量として複数の異なる値の組み合わせを使用する場合にも適用可能である。
以上のような多重主走査記録方式の動作は、主走査方向に沿った各々の主走査線上にお
いて、1回の主走査では各々の主走査線上において要求されるインクの吐出の全体を完了
せず、2回以上の主走査によって完了する記録動作であると考えることが可能である。な
お、図13の印刷動作においては、主走査動作と副走査動作とを交互に繰り返し実行して
いたが、主走査動作と副走査動作とを交互に行う必要は無い。例えば、主走査動作を2回
行った後に副走査動作を1回行うような印刷動作も採用可能である。
図14は、第5実施形態において、駆動信号COMを用いて多重主走査記録方式で印刷
を行う場合のパルスの使用状態を説明する図である。この駆動信号COMは、図6に示し
た第1実施形態の駆動信号COMと同じである。この代わりに、他の実施形態の駆動信号
を使用するようにしてもよい。
図14の下部には、同一の主走査線上を走査する2回のパスにおいて、駆動信号COM
のインク吐出パルスを使用することが許可されるか否かが示されている。即ち、最初のパ
ス(パス番号1のパス)では、偶数画素位置ではインク吐出パルスが使用可能であるが、
奇数画素位置では駆動信号COMのインク吐出パルスが一切使用不可とされている。換言
すれば、最初のパスでは、偶数画素位置ではインク吐出が許容されているが、奇数画素位
置ではインク吐出が一切禁止されている。一方、2番目のパスでは、最初のバスとは反対
に、奇数画素位置ではインク吐出パルスが使用可能であるが、偶数画素位置では駆動信号
COMのインク吐出パルスが一切使用不可とされている。インク吐出パルスの使用が許可
される画素位置では、図5のいずれかのパルス選択信号PSSが使用される。一方、イン
ク吐出パルスの使用が禁止される画素位置では、パルス選択信号PSSとして、ドット無
しであることを示す値「0010」(又は「0000」)が使用される。
図14に示すように、多重主走査記録方式の印刷動作において、同一の主走査線上にお
けるインクの吐出を複数回のパスによって完了する場合には、個々のパスにおいては、最
大でも1画素位置おきに(すなわち2画素に1画素の割合で)圧電素子67に駆動信号C
OMが印加されるだけである。従って、多重主走査方式において上述した他の実施形態で
説明した駆動信号COMを使用すれば、ヘッドの温度上昇を更に抑制することができると
いう利点がある。
図15は、第5実施形態において、種々の印刷設定パラメーターによって設定可能な印
刷モードを示す図である。この例では、印刷設定パラメーターとして、印刷解像度と、主
走査繰り返し数sと、最大インク量と、往復動作と、キャリッジ速度と、の5つのパラメ
ーターが使用されている。そして、これらのパラメーターの組み合わせに応じて、互いに
異なる8つの印刷モードM1〜M8が設定されている。「印刷解像度」の欄は、[主走査
方向解像度]×[副走査方向解像度]を示している。また、「最大インク量」の欄は、個
々の印刷モードにおいて、1画素当たりに吐出可能な最も大きなインク滴の量を示してい
る。また、「往復動作」の欄において、「Bi−d」は双方向印刷を示し、「Uni−d
」は単方向印刷を示す。なお、双方向印刷は、往動と復動の両方の主走査においてインク
の吐出を行う印刷を意味し、単方向印刷は、往動と復動のうちから予め選択された一方の
主走査においてのみインクの吐出を行う印刷を意味する。
第1の印刷モードM1は、印刷解像度が360×360dpi、主走査繰り返し数sが
1回、最大インク量が24ピコリットル、往復動作が双方向、キャリッジ速度が高い、と
いうモードである。一方、第8の印刷モードM8は、印刷解像度が1440×720dp
i、主走査繰り返し数sが2回、最大インク量が8ピコリットル、往復動作が単方向、キ
ャリッジ速度が低い、というモードである。なお、このようなパラメーターと印刷モード
の関係は、例えば、コンピューター90のプリンタードライバーや、主制御部42のRO
M53(図2)内に予め格納しておくことが可能である。
なお、印刷モードは、図15に示した全部のパラメーターに応じて決定されている必要
は無く、これらのうちの一部に応じて決定されていてもよい。例えば、印刷解像度と、主
走査繰り返し数と、往復動作と、の3つのパラメーターに応じて印刷モードが決定されて
いてもよい。
図15に示す印刷モードのうちで、最初の4つの印刷モードM1〜M4は最大インク量
が最も大きいので、この点では、他の4つの印刷モードM5〜M8よりもヘッド温度が上
昇し易いと考えられる。また、第1実施形態の図7において説明したように、キャリッジ
速度が高いほどヘッド温度が上昇し易い傾向にある。従って、印刷モードM1〜M4にお
いては、ヘッドが過熱しないように、キャリッジ速度を過度に大きくしないことが好まし
い。また、図6で説明したように、駆動信号COMのインク不吐出区間NEPが、インク
吐出区間EEPよりも長くなるように、これらの区間NEP,EEPを設定することが好
ましい。
図15の下方の4つの印刷モードM5〜M8では、ヘッド温度の上昇が比較的緩やかで
あると期待される。従って、これらの印刷モードM5〜M8では、ヘッド温度の上昇の点
でもっとも厳しい印刷モード(例えばモードM1)に比べて、駆動信号周期Pcomにお
けるインク不吐出区間NEPの割合を小さくするようにしてもよい。但し、この場合にも
、インク不吐出区間NEPは、インク吐出区間EEPよりも長いことが好ましい。
上述した第5実施形態においても、インク不吐出区間NEPがインク吐出区間EEPよ
りも長くなるように設定した駆動信号COMを用いて印刷を行うようにしたので、ヘッド
温度の上昇を緩和することができる。特に、多重主走査記録方式では、一回の主走査動作
中に、個々の走査線上の一部の画素位置においてインク吐出が許容され、他の画素位置で
はインク吐出が禁止されるので、ヘッド温度の上昇を更に緩和することが可能である。ま
た、インク不吐出区間NEPが微振動パルスを含むので、微振動パルスを圧電素子に印加
することによってノズルのインクを振動させることができ、インクの増粘を抑制すること
ができる。
・変形例:
なお、この発明は上記の実施形態や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱
しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変
形も可能である。
・変形例1:
上述した各種の実施形態では、駆動信号の一部のみを選択して圧電素子に印加するよう
な形態を採用していた。この代わりに、駆動信号の全部を圧電素子に印加するような形態
にも本発明を適用可能である。この場合にも、駆動信号周期をインク吐出区間EEP(第
1の区間)とインク不吐出区間NEP(第2の区間)の2つの区間に区分して、インク不
吐出区間NEPをインク吐出区間EEPよりも長く設定すれば、ヘッドの過熱を防止する
ことが可能である。
・変形例2:
本発明は、インクジェットプリンターに限らず、インク以外の他の液体を吐出する任意
の液体吐出装置(「液体噴射装置」とも呼ぶ)にも適用することができる。例えば、以下
のような各種の液体吐出装置に適用可能である。
(1)ファクシミリ装置等の画像記録装置
(2)液晶ディスプレイ等の画像表示装置用のカラーフィルタの製造に用いられる色材吐
出装置
(3)有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイや、面発光ディスプレイ (Field Em
ission Display、FED)等の電極形成に用いられる電極材吐出装置
(4)バイオチップ製造に用いられる生体有機物を含む液体を吐出する液体吐出装置
(5)精密ピペットとしての試料吐出装置
(6)潤滑油の吐出装置
(7)樹脂液の吐出装置
(8)時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を吐出する液体吐出装置
(9)光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫
外線硬化樹脂液等の透明樹脂液を基板上に吐出する液体吐出装置
(10)基板などをエッチングするために酸性又はアルカリ性のエッチング液を吐出する
液体吐出装置
(11)他の任意の微小量の液滴を吐出させる液体吐出ヘッドを備える液体吐出装置
なお、「液滴」とは、液体吐出装置から吐出される液体の状態をいい、粒状、涙状、糸
状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう「液体」とは、液体吐出装置が吐
出させることができるような材料であれば良い。例えば、「液体」は、物質が液相である
ときの状態の材料であれば良く、粘性の高い又は低い液状態の材料、及び、ゾル、ゲル水
、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような液状態
の材料も「液体」に含まれる。また、物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属
粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散または混合されたものなど
も「液体」に含まれる。また、液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したような
インクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インクおよび油性インク
並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種の液体状組成物を包含するものとする
・変形例3:
上記実施形態において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェ
アに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一
部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。
本発明は、上述の実施形態や実施形態、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸
脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記
載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施形態、変形例中の技術的特徴は、
上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達
成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術
的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可
能である。
12…コネクター
14…操作パネル
22…紙送りモーター
26…用紙搬送ローラー
30…キャリッジ
32…キャリッジモーター
33…エンコーダー
34…摺動軸
36…駆動ベルト
38…プーリー
40…制御部(駆動信号生成部)
41…第1のインターフェイス
42…主制御部
43…紙送りモーター駆動部
45…ヘッド駆動部
46…キャリッジモーター駆動部
47…第2のインターフェイス
51…CPU
52…RAM
53…ROM
60…印刷ヘッド
61…スイッチング制御部
63…シフトレジスター部
64…ラッチ部
65…レベルシフター部
66…選択スイッチ部
67…圧電素子
70…インクカートリッジ
90…コンピューター
100…プリンター

Claims (22)

  1. 少なくとも1つ以上の波形部分を有する駆動信号を生成する駆動信号生成部と、
    前記駆動信号の少なくとも一部を圧電素子に印加してノズルから液滴を吐出させる液体吐
    出ヘッドと、
    を備えた液体吐出装置であって、
    前記駆動信号は周期的な信号であり、
    前記駆動信号の1周期は、
    (i)前記ノズルから前記液滴を吐出するために使用される波形部分を含む液滴吐出区間
    と、
    (ii)前記ノズルから前記液滴を吐出するために使用される波形部分を含まない液滴不
    吐出区間と、
    の2つの区間からなり、
    前記液滴不吐出区間は、前記液滴吐出区間よりも長く、前記圧電素子に印加されても前
    記ノズルから前記液滴が吐出しない不吐出波形部分を含む、ことを特徴とする液体吐出装
    置。
  2. 請求項1に記載の液体吐出装置であって、
    前記液滴不吐出区間は、前記不吐出波形部分を複数含む、液体吐出装置。
  3. 請求項2に記載の液体吐出装置であって、
    前記複数の不吐出波形部分は、第1と第2の不吐出波形部分とを含み、前記第1と第2
    の不吐出波形部分は、前記駆動信号が所定の電位に維持される区間を挟んで互いに離れて
    いる、液体吐出装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の液体吐出装置であって、
    前記液滴不吐出区間は、前記液滴吐出区間の1.5倍以上の長さである、液体吐出装置
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の液体吐出装置であって、
    前記液滴吐出区間は、前記ノズルから前記液滴を吐出するために使用される波形部分を
    含む1つの連続する時間区間であって、
    前記液滴不吐出区間は、前記ノズルから前記液滴を吐出するために使用される波形部分
    を含まない時間区間である、液体吐出装置。
  6. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の液体吐出装置であって、
    前記液滴吐出区間は、前記ノズルから前記液滴を吐出するために使用される波形部分を
    含む時間区間であって、
    前記液滴不吐出区間は、前記ノズルから前記液滴を吐出するために使用される波形部分
    を含まない1つの連続する時間区間である、液体吐出装置。
  7. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の液体吐出装置であって、
    前記液滴吐出区間は、前記ノズルから前記液滴を吐出するために使用される波形部分を
    含む1つの連続する時間区間であって、
    前記液滴不吐出区間は、前記ノズルから前記液滴を吐出するために使用される波形部分
    を含まない1つの連続する時間区間である、液体吐出装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の液体吐出装置であって、
    前記液滴吐出区間は、前記ノズルから前記液滴を吐出するために使用される波形部分を
    複数含む、液体吐出装置。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の液体吐出装置であって、
    前記液滴不吐出区間は、前記圧電素子に印加されると前記ノズルから前記液滴が吐出さ
    れるが実際には前記圧電素子に印加されることが無いダミー波形部分を含む、液体吐出装
    置。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の液体吐出装置であって、
    前記液滴吐出区間と前記液滴不吐出区間の長さは、前記ノズルからの前記液滴の単位時
    間当たりの最大吐出量が6000ピコリットル/秒未満となるように設定されている、液
    体吐出装置。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の液体吐出装置であって、
    前記駆動信号生成部は、
    (a)一つの駆動信号のみを生成して前記液体吐出ヘッドに供給する、
    又は、
    (b)同時に複数の駆動信号を生成して前記液体吐出ヘッドに供給し、前記複数の駆動信
    号の全体から前記液滴吐出区間及び前記液滴不吐出区間が決定される、
    液体吐出装置。
  12. 圧電素子を用いてノズルから液滴を吐出させる液体吐出ヘッドに、少なくとも1つ以上
    の波形部分を有する駆動信号を供給することによって、前記液体吐出ヘッドからの液滴の
    吐出を制御する方法であって、
    前記駆動信号は周期的な信号であり、
    前記駆動信号の1周期は、
    (i)前記ノズルから前記液滴を吐出するために使用される波形部分を含む液滴吐出区間
    と、
    (ii)前記ノズルから前記液滴を吐出するために使用される波形部分を含まない液滴不
    吐出区間と、
    の2つの区間からなり、
    前記液滴不吐出区間は、前記液滴吐出区間よりも長く、前記圧電素子に印加されても前
    記ノズルから前記液滴が吐出しない不吐出波形部分を含む、ことを特徴とする方法。
  13. 請求項12に記載の方法であって、
    前記液滴不吐出区間は、前記液滴が吐出しない不吐出波形部分を複数含む、方法。
  14. 請求項13に記載の方法であって、
    前記複数の不吐出波形部分は、第1と第2の不吐出波形部分とを含み、前記第1と第2
    の不吐出波形部分は、前記駆動信号が所定の電位に維持される区間を挟んで互いに離れて
    いる、方法。
  15. 請求項12〜14のいずれか一項に記載の方法であって、
    前記液滴不吐出区間は、前記液滴吐出区間の1.5倍以上の長さである、方法。
  16. 請求項12〜15のいずれか一項に記載の方法であって、
    前記液滴吐出区間は、前記ノズルから前記液滴を吐出するために使用される波形部分を
    含む1つの連続する時間区間であって、
    前記液滴不吐出区間は、前記ノズルから前記液滴を吐出するために使用される波形部分
    を含まない時間区間である、方法。
  17. 請求項12〜15のいずれか一項に記載の方法であって、
    前記液滴吐出区間は、前記ノズルから前記液滴を吐出するために使用される波形部分を
    含む時間区間であって、
    前記液滴不吐出区間は、前記ノズルから前記液滴を吐出するために使用される波形部分
    を含まない1つの連続する時間区間である、方法。
  18. 請求項12〜15のいずれか一項に記載の方法であって、
    前記液滴吐出区間は、前記ノズルから前記液滴を吐出するために使用される波形部分を
    含む1つの連続する時間区間であって、
    前記液滴不吐出区間は、前記ノズルから前記液滴を吐出するために使用される波形部分
    を含まない1つの連続する時間区間である、方法。
  19. 請求項12〜18のいずれか一項に記載の方法であって、
    前記液滴吐出区間は、前記ノズルから前記液滴を吐出するために使用される波形部分を
    複数含む、方法。
  20. 請求項12〜19のいずれか一項に記載の方法であって、
    前記液滴不吐出区間は、前記圧電素子に印加されると前記ノズルから前記液滴が吐出さ
    れるが実際には前記圧電素子に印加されることが無いダミー波形部分を含む、方法。
  21. 請求項12〜20のいずれか一項に記載の方法であって、
    前記液滴吐出区間と前記液滴不吐出区間の長さは、前記ノズルからの前記液滴の単位時
    間当たりの最大吐出量が6000ピコリットル/秒未満となるように設定されている、方
    法。
  22. 請求項12〜21のいずれか一項に記載の方法であって、
    (a)一つの駆動信号のみを前記液体吐出ヘッドに供給する、
    又は、
    (b)同時に複数の駆動信号を前記液体吐出ヘッドに供給し、前記複数の駆動信号の全体
    から前記液滴吐出区間及び前記液滴不吐出区間が決定される、
    方法。
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