JP2006075660A - 液滴吐出ヘッドの駆動方法、液滴吐出装置、デバイスの製造方法、及びデバイス - Google Patents

液滴吐出ヘッドの駆動方法、液滴吐出装置、デバイスの製造方法、及びデバイス Download PDF

Info

Publication number
JP2006075660A
JP2006075660A JP2004259316A JP2004259316A JP2006075660A JP 2006075660 A JP2006075660 A JP 2006075660A JP 2004259316 A JP2004259316 A JP 2004259316A JP 2004259316 A JP2004259316 A JP 2004259316A JP 2006075660 A JP2006075660 A JP 2006075660A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid
waveform
droplet
vibration
droplets
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004259316A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4631364B2 (ja
Inventor
Hirotsuna Miura
弘綱 三浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2004259316A priority Critical patent/JP4631364B2/ja
Publication of JP2006075660A publication Critical patent/JP2006075660A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4631364B2 publication Critical patent/JP4631364B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Coating Apparatus (AREA)
  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
  • Optical Filters (AREA)
  • Electroluminescent Light Sources (AREA)

Abstract


【課題】 着弾後の液体の挙動に起因する液体の溢れを抑制し、液体の塗布によって形成されたパターンの精度向上を実現できる液滴吐出ヘッドの駆動方法及び液滴吐出装置、当該駆動方法又は装置を用いたデバイスの製造方法、並びに当該製造方法を用いて製造されるデバイスを提供する。
【解決手段】 キャビティ121と、圧力発生素子150と、ノズル開口111とを有する液滴吐出ヘッドの駆動方法であって、駆動信号に応じてノズル開口から複数の液滴Dを順次吐出し、当該液滴を被塗布領域に着弾させて塗布液を塗布し、液滴が被塗布領域に着弾した際に、当該塗布液の外側方向の振動と、当該塗布液の内側方向の振動とが生じ、塗布液の内側方向の振動が生じると同時に、液滴が被塗布領域に着弾するように、圧力発生素子に駆動信号を印加することを特徴とする。
【選択図】 図6

Description

本発明は、所定の液体を液滴として吐出する液滴吐出ヘッドの駆動方法及び液滴吐出装置、当該駆動方法又は装置を用いたデバイスの製造方法、並びに当該製造方法を用いて製造されるデバイスに関する。
液滴吐出装置に設けられる液滴吐出ヘッドは、所定の液体を収容する圧力発生室と、圧力発生室を加圧するピエゾ(PZT)素子等の圧力発生素子と、圧力発生室に連通するノズル開口とを含んで構成されている。かかる構成の液滴吐出ヘッドにおいては、圧力発生素子に駆動信号を印加して圧力発生室の液体を加圧することで、微少量の液体がノズル開口から液滴として吐出される。
圧力発生素子に印加する駆動信号は、例えば圧力発生室の容積を増大させて圧力発生室内に負圧を発生させる引込部と、増大した圧力発生室の容積を一定時間保持する保持部と、圧力発生室の容積を急激に減少させて圧力発生室内を加圧する押出部と、ノズル開口における液体の液面(メニスカス)の振動を抑制する制振部とを有している。かかる駆動信号を圧力発生素子に連続して印加することにより、ノズル開口から所定量の液滴が連続して吐出される。なお、従来の液滴吐出ヘッドの駆動方法については、例えば以下の特許文献1,2を参照されたい。
特開2004−001479号公報 特開2001−047619号公報
ところで、近年において、上述した液滴吐出装置はプリンタ等の画像形成装置以外に、液晶表示装置等の表示装置で用いられるカラーフィルタ、マイクロレンズアレイ、その他の微細なパターンを有する各種デバイスの製造に用いられてきている。例えば、カラーフィルタの製造工程においては、赤(R)、緑(G)、青(B)からなる各色のインクを所定の位置に所定量だけ吐出させるために液滴吐出装置が用いられている。
このような用途に液滴吐出装置を用いる場合においては、液体が塗布される被塗布領域に相対的な撥液性及び親液性を有する部位や、バンクと呼ばれる隔壁を予め形成するのが一般的である。このような部位や隔壁を形成することで、撥液部に塗布された液体を親液部に流動させたり、隔壁の内側に液体を留まらせたりすることが可能となっている。
しかしながら、本発明者は、上記のような撥液部、親液部、及びバンクを形成して被塗布領域内に液体を留まらせようとしても、着弾後の液体の挙動によっては被塗布領域から液体が溢れてしまうことを確認した。また、例えばカラーフィルタの製造において、このような液体の溢れが生じてしまうと、隣接画素に着色インクの混色が生じ、不良が生じてしまうという問題を見出した。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、着弾後の液体の挙動に起因する液体の溢れを抑制し、液体の塗布によって形成されたパターンの精度向上を実現できる液滴吐出ヘッドの駆動方法及び液滴吐出装置、当該駆動方法又は装置を用いたデバイスの製造方法、並びに当該製造方法を用いて製造されるデバイスを提供することを目的とする。
本発明者は、液滴吐出装置を用いて液体を被塗布領域に液体を留まらせるために、撥液部、親液部、及びバンクを形成しても、撥液部の表面が一旦濡れることによって液体に含まれる溶媒分子等が撥液部の表面に残留してしまい、その表面エネルギが変化して撥液性が低下してしまうことに着目した。また、被塗布領域に複数の液滴が着弾すると、当該被塗布領域の表面において液体が振動し、かつ、接触面積が拡大したり収縮したりしながら液体が被塗布領域に塗布されることを見出した。
そして、本発明者は、このような被塗布領域における液滴着弾後の液体の挙動に起因して、被塗布領域から液体が溢れてしまうことを見出した。また、例えばカラーフィルタの製造において、このような液体の溢れが生じてしまうと、隣接画素に着色インクの混色が生じ、不良が生じてしまうという問題を見出した。
そこで、本発明者は、上記に基づいて以下の手段を有する本発明を想到した。
即ち、本発明の液滴吐出ヘッドの駆動方法は、所定の液体を収容するキャビティと、印加される駆動信号に応じた圧力を前記キャビティ内に発生させる圧力発生素子と、前記圧力発生素子により加圧された前記液体が液滴として吐出されるノズル開口とを有する液滴吐出ヘッドの駆動方法であって、前記駆動信号に応じて前記ノズル開口から複数の前記液滴を順次吐出し、当該液滴を被塗布領域に着弾させて塗布液を塗布し、前記液滴が前記被塗布領域に着弾した際に、当該塗布液の外側方向の振動と、当該塗布液の内側方向の振動とが生じ、前記塗布液の内側方向の振動が生じると同時に、前記液滴が前記被塗布領域に着弾するように前記圧力発生素子に前記駆動信号を印加することを特徴としている。
この発明によれば、ノズル開口から吐出された液滴は、塗布液として被塗布領域に着弾し、その後に運動エネルギによって濡れ広がり、その後に表面力によって縮まる。即ち、被塗布領域と液体との接触面積が拡大したり縮小したりしながら、塗布液が塗布される。更に、順次にノズル開口から液滴が吐出し、被塗布領域上の塗布液に着弾することで、塗布液の外側方向の振動と、塗布液の内側方向の振動とが生じる。ここで、圧力発生素子に駆動信号が印加されることで、塗布液の内側方向の振動が生じると同時に液滴が被塗布領域に着弾する。すると、塗布液の内側方向の振動と、液滴の着弾による濡れ広がりとが相殺されて、塗布液の濡れ広がりを抑制することができ、隔壁や親液部から塗布液が溢れるのを防止できる。
一方、従来においては、塗布液の内側方向の振動が生じると同時に液滴が被塗布領域に着弾するように、圧力発生素子に駆動信号が印加されていないので、当該内側方向の振動により、塗布液が収縮する現象が生じてしまう。これにより、被塗布領域において塗布液が一旦接触するものの、塗布液が塗布されていない部分ができてしまう。このような部分においては、塗布液に含まれる溶媒分子等が残留してしまい、被塗布領域の表面エネルギが変化しているので、液滴の着弾による濡れ広がりが生じてしまい、所望の被塗布領域のみに塗布液を収容させることができない。
本発明は、上記のように、塗布液の内側方向の振動が生じると同時に液滴が被塗布領域に着弾するように圧力発生素子に駆動信号が印加されるので、塗布液の内側方向の振動と、液滴の着弾による濡れ広がりとが相殺されて、塗布液の濡れ広がりを抑制することができ、隔壁や親液部から塗布液が溢れるのを防止できる。従って、従来のような問題を解決することができる。
また、本発明の液滴吐出ヘッドの駆動方法は、前記駆動信号は、連続した複数の波形からなる波形群を含み、当該波形群のうちの少なくとも一つの波形は、前記塗布液の内側方向の振動を打ち消すための液滴を吐出する打ち消し波形であり、前記圧力発生素子に当該打ち消し波形を印加することを特徴としている。
本発明によれば、駆動信号が、塗布液の内側方向の振動を打ち消すための液滴を吐出する打ち消し波形を有しているので、塗布液の内側方向の振動と、液滴の着弾による濡れ広がりとが相殺されて、塗布液の濡れ広がりを抑制することができ、隔壁や親液部から塗布液が溢れるのを防止できる。
また、ここで、打ち消し波形は、塗布液の内側方向の振動が生じると同時に液滴が被塗布領域に着弾するように、圧力発生素子に印加されることで、塗布液の内側方向の振動と、液滴の着弾による濡れ広がりとを相殺することができる。
また、本発明の液滴吐出ヘッドの駆動方法は、前記波形群のうち少なくとも一つの波形は、前記キャビティ内に収容される前記液体の前記キャビティにおける振動周期にほぼ同期する同期波形であり、前記圧力発生素子に当該同期波形を印加することを特徴としている。
この発明によれば、キャビティに収容される液体のノズル開口における振動周期にほぼ同期して圧力発生素子に駆動信号が印加されるため、液滴を吐出する度にノズル開口における液体の液面(メニスカス)の振動が抑制されるのを待つことなく、メニスカスの振動に同期して液滴が吐出される。これにより液滴の吐出周波数を高めることができる。従来波形では周波数を高めることができなかったため、1滴目の振動が終わる前に次の液滴を吐出することができなかった。これに対して、本発明では吐出周波数を高めることができ、1滴目の振動にタイミングを合わせて次の液滴を吐出することが可能となった。
また、このような波形が、少なくとも2つの連続している場合には、波形群が液体の振動周期に同期して圧力発生素子に印加されるため、波形群に含まれる波形に応じた加圧及び減圧がキャビティ内においてなされて液滴が吐出される。このため、例えば液体の粘度に応じて波形を変えば、種々の粘度を有する液体を液滴として容易に吐出することができる。特に、粘度が高い液体であっても精確に且つ安定して吐出することができる。
また、本発明の液滴吐出ヘッドの駆動方法は、前記波形は、前記キャビティの容積を増大させて前記キャビティ内に負圧を発生させる第1波形部と、前記圧力発生素子の駆動を一定時間停止する第2波形部と、前記キャビティの容積を急激に減少させて前記キャビティ内を加圧する第3波形部と、前記圧力発生素子の駆動を一定時間停止する第4波形部と、からなることを特徴としている。
この発明によれば、波形群に含まれる波形が第1波形部〜第4波形部の計4つの波形部から構成されているため、例えば液体の粘度等に応じてその波形形状を自在に変化させることができる。例えば、粘度の高い液体に対しては、第1波形部をキャビティ内に負圧を速やかに発生させる形状にすることで、キャビティ内に十分粘度の高い液体を充填させることができる。また、第3波形部をキャビティ内を速やかに加圧する形状にすることで多くの液体を一度に吐出させることもできる。
また、本発明の液滴吐出ヘッドの駆動方法は、前記駆動信号は、前記ノズル開口における前記液体の振動を抑制する抑制波形を含むことを特徴としている。
この発明によれば、駆動信号がノズル開口における液体の振動を抑制する抑制波形を含んでいるため、上述した波形群を圧力発生素子に印加して連続的に液滴を吐出させた後であってもノズル開口における液体の振動を抑えることができる。
また、本発明の液滴吐出ヘッドの駆動方法は、前記波形群に含まれる波形の各々は、波高値が徐々に小さくなる波形であることを特徴としている。
この発明によれば、波形群に含まれる波形は、波高値が徐々に小さくなる波形であるため、液滴が吐出される度にその吐出速度及び液滴の大きさが減少する。これによって、液滴が着弾するときの衝撃を弱めることができ、液滴が出されるべき位置以外の位置への液滴の付着を防止することができる。
また、本発明の液滴吐出ヘッドの駆動方法は、前記液滴が前記被塗布領域に着弾する際の前記塗布液の振動を撮像し、当該撮像した画像から前記塗布液の内側方向の振動が生じる時間を測定し、当該測定結果に基づいて前記駆動信号を作成することを特徴としている。
この発明によれば、塗布液の振動を撮像し、その撮像画像から塗布液の内側方向の振動が生じる時間を測定して駆動信号を作成することで、実際の測定結果に基づいた駆動信号を作成することができる。そして、この駆動信号を用いてノズル開口から液滴を吐出することにより、塗布液の内側方向の振動が生じると同時に液滴が被塗布領域に着弾させることができる。従って、塗布液の内側方向の振動と、液滴の着弾による濡れ広がりとを相殺することができ、塗布液の濡れ広がりを抑制することができ、隔壁や親液部から塗布液が溢れるのを防止できる。
また、本発明の液滴吐出ヘッドの駆動方法は、前記被塗布領域の周囲には隔壁が設けられており、当該隔壁の内側の前記被塗布領域に前記塗布液を充填させることを特徴としている。
本発明によれば、隔壁に囲まれた被塗布領域において、当該被塗布領域内の塗布液における内側方向の振動が生じると同時に液滴を被塗布領域に着弾させることができる。従って、塗布液の内側方向の振動と、液滴の着弾による濡れ広がりとが相殺されて、塗布液の濡れ広がりを抑制することができ、隔壁から塗布液が溢れるのを防止できる。
また、本発明の液滴吐出装置は、所定の液体を収容するキャビティと、印加される駆動信号に応じた圧力を前記キャビティ内に発生させる圧力発生素子と、前記圧力発生素子により加圧された前記液体が液滴として吐出されるノズル開口とを有する液滴吐出ヘッドを備える液滴吐出装置であって、前記駆動信号に応じて前記ノズル開口から複数の前記液滴を順次吐出し、当該液滴を被塗布領域に着弾させて塗布液を塗布し、前記液滴が前記被塗布領域に着弾した際に、当該塗布液の外側方向の振動と、当該塗布液の内側方向の振動とが生じ、前記塗布液の内側方向の振動が生じると同時に、前記液滴が前記被塗布領域に着弾するように前記圧力発生素子に前記駆動信号を印加することを特徴としている。
この発明によれば、ノズル開口から吐出された液滴は、塗布液として被塗布領域に着弾し、その後に運動エネルギによって濡れ広がり、その後に表面力によって縮まる。即ち、被塗布領域と液体との接触面積が拡大したり縮小したりしながら、塗布液が塗布される。更に、順次にノズル開口から液滴が吐出し、被塗布領域上の塗布液に着弾することで、塗布液の外側方向の振動と、塗布液の内側方向の振動とが生じる。ここで、圧力発生素子に駆動信号が印加されることで、塗布液の内側方向の振動が生じると同時に液滴が被塗布領域に着弾する。すると、塗布液の内側方向の振動と、液滴の着弾による濡れ広がりとが相殺されて、塗布液の濡れ広がりを抑制することができ、隔壁や親液部から塗布液が溢れるのを防止できる。
一方、従来においては、塗布液の内側方向の振動が生じると同時に液滴が被塗布領域に着弾するように、圧力発生素子に駆動信号が印加されていないので、当該内側方向の振動により、塗布液が収縮する現象が生じてしまう。これにより、被塗布領域において塗布液が一旦接触するものの、塗布液が塗布されていない部分ができてしまう。このような部分においては、塗布液に含まれる溶媒分子等が残留してしまい、被塗布領域の表面エネルギが変化しているので、液滴の着弾による濡れ広がりが生じてしまい、所望の被塗布領域のみに塗布液を収容させることができない。
本発明は、上記のように、塗布液の内側方向の振動が生じると同時に液滴が被塗布領域に着弾するように圧力発生素子に駆動信号が印加されるので、塗布液の内側方向の振動と、液滴の着弾による濡れ広がりとが相殺されて、塗布液の濡れ広がりを抑制することができ、隔壁や親液部から塗布液が溢れるのを防止できる。従って、従来のような問題を解決することができる。
また、本発明のデバイスの製造方法は、所定箇所に機能性を有するパターンが形成されたワークを備えたデバイスの製造方法であって、先に記載の液滴吐出ヘッドの駆動方法又は液滴吐出装置を用いて、前記液滴吐出ヘッドが備える前記ノズル開口から前記所定の液体を吐出する吐出工程を含むことを特徴としている。
この発明によれば、上記の何れかに記載の液滴吐出ヘッドの駆動方法又は液滴吐出装置を用いて液滴吐出ヘッドが備えるノズル開口から所定の液体を高い液滴の吐出周波数で吐出させているため、デバイスを効率よく製造することができ、スループットの向上を図ることができる。
また、本発明のデバイスは、上記のデバイスの製造方法を用いて製造される。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態による液滴吐出ヘッドの駆動方法、液滴吐出装置、デバイスの製造方法、及びデバイスについて詳細に説明する。
〔液滴吐出装置〕
図1は、本発明の一実施形態による液滴吐出装置の概略構成を示す斜視図である。なお、以下の説明においては、必要であれば図中にXYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。XYZ直交座標系は、XY平面が水平面に平行な面に設定され、Z軸が鉛直上方向に設定される。また、本実施形態では吐出ヘッド(液滴吐出ヘッド)20の移動方向がX方向に設定され、ステージSTの移動方向がY方向に設定されている。
図1に示す通り、本実施形態の液滴吐出装置IJは、ベース10と、ベース10上でガラス基板等の基板Pを支持するステージSTと、ステージSTの上方(+Z方向)において支持され、基板Pに対して所定の液滴を吐出可能な吐出ヘッド20とを含んで構成されている。ベース10とステージSTとの間には、ステージSTをY方向に移動可能に支持する第1移動装置12が設けられている。また、ステージSTの上方には、吐出ヘッド20をX方向に移動可能に支持する第2移動装置14が設けられている。
吐出ヘッド20には、流路18を介して吐出ヘッド20から吐出される液滴の溶媒(液体)を貯蔵するタンク16が接続されている。また、ベース10上には、キャッピングユニット22とクリーニングユニット24とが配置されている。制御装置26は、液滴吐出装置IJの各部(例えば、第1移動装置12及び第2移動装置14等)を制御して液滴吐出装置IJの全体の動作を制御する。
上記の第1移動装置12はベース10の上に設置されており、Y軸方向に沿って位置決めされている。この第1移動装置12は、例えばリニアモータによって構成され、ガイドレール12a,12aと、このガイドレール12aに沿って移動可能に設けられているスライダー12bとを備えている。このリニアモータ形式の第1移動装置12のスライダー12bは、ガイドレール12aに沿ってY軸方向に移動して位置決め可能である。
また、スライダー12bはZ軸回り(θZ)用のモータ12cを備えている。このモータ12cは、例えばダイレクトドライブモータであり、モータ12cのロータはステージSTに固定されている。これにより、モータ12cに通電することでロータとステージSTとは、θZ方向に沿って回転してステージSTをインデックス(回転割り出し)することができる。すなわち、第1移動装置12は、ステージSTをY軸方向及びθZ方向に移動可能である。ステージSTは基板Pを保持し、所定の位置に位置決めするものである。また、ステージSTは不図示の吸着保持装置を有しており、この吸着保持装置が作動することによってステージSTに設けられた不図示の吸着穴を通して基板PをステージSTの上に吸着して保持する。
上記の第2移動装置14は、支柱28a,28aを用いてベース10に対して立てて取り付けられており、ベース10の後部10aにおいて取り付けられている。この第2移動装置14はリニアモータによって構成され、支柱28a,28aに固定されたコラム28bに支持されている。第2移動装置14は、コラム28bに支持されているガイドレール14aと、ガイドレール14aに沿ってX軸方向に移動可能に支持されているスライダー14bとを備えている。スライダー14bはガイドレール14aに沿ってX軸方向に移動して位置決め可能である。上記の吐出ヘッド20はスライダー14bに取り付けられている。
吐出ヘッド20は、揺動位置決め装置としてのモータ30,32,34,36を有している。モータ30を駆動すれば吐出ヘッド20をZ方向に沿って上下動させることができ、任意のZ方向の位置で吐出ヘッド20を位置決めすることができる。モータ32を駆動すれば、吐出ヘッド20をY軸回りのβ方向に沿って揺動させることができ、吐出ヘッド20の角度を調整することができる。モータ34を駆動すれば、吐出ヘッド20をX軸回りのγ方向に沿って揺動させることができ、吐出ヘッド20の角度を調整することができる。モータ36を駆動すれば、吐出ヘッド20をZ軸回りのα方向に沿って揺動させることができ、吐出ヘッド20の角度を調整することができる。
このように、図1に示す吐出ヘッド20は、Z方向に直線移動可能であって、α方向、β方向、及びγ方向に沿って揺動して角度を調整することができるようにスライダ14bに支持されている。吐出ヘッド20の位置及び姿勢は、ステージST側の基板Pに対する液滴吐出面20aの位置又は姿勢が所定の位置又は所定の姿勢となるように、制御装置26によって精確に制御される。なお、吐出ヘッド20の液滴吐出面20aには液滴を吐出する複数のノズル開口が設けられている。
上述の吐出ヘッド20から吐出される液滴としては、着色材料を含有するインク、金属微粒子等の材料を含有する分散液、PEDOT:PSS等の正孔注入材料や発光材料等の有機EL物質を含有する溶液、液晶材料等の高粘度の機能性液体、マイクロレンズの材料を含有する機能性液体、たんぱく質や核酸等を含有する生体高分子溶液等の種々の材料を含有する液滴が採用される。
ここで、吐出ヘッド20の構成について説明する。図2は吐出ヘッド20の分解斜視図であり、図3は吐出ヘッド20の主要部の一部を示す透視図である。図2に示す吐出ヘッド20は、ノズル板110、圧力室基板120、振動板130、及び筐体140を含んで構成されている。図2に示す通り、圧力室基板120は、キャビティ121、側壁122、リザーバ123、及び供給口124を備えている。キャビティ121は、圧力室であってシリコン等の基板をエッチングすることにより形成されるものである。側壁122は、キャビティ121間を仕切るよう構成され、リザーバ123は、各キャビティ121に液体を充填する時に液体を供給可能な共通の流路として構成されている。供給口124は、各キャビティ121に液体を導入可能に構成されている。
また、図3に示す通り、振動板130は、圧力室基板120の一方の面に貼り合わせ可能に構成されている。振動板130には圧力発生素子としての圧電体素子150が設けられている。圧電体素子150は、ペロブスカイト構造を持つ強誘電体の結晶であり、振動板130上に所定の形状で形成されて構成されている。この圧電体素子150は、制御装置26から供給される駆動信号に対応して体積変化を生ずることが可能に構成されている。ノズル板110は、圧力室基板120に複数設けられたキャビティ(圧力室)121の各々に対応する位置にそのノズル開口111が配置されるよう、圧力室基板120に貼り合わせられている。ノズル板110を貼り合わせた圧力室基板120は、更に、図2に示す通り、筐体140に填められて液滴吐出ヘッド20を構成している。
吐出ヘッド20から液滴を吐出するには、まず、制御装置26が液滴を吐出させるための駆動信号を吐出ヘッド20に供給する。液体は吐出ヘッド20のキャビティ121に流入しており、駆動信号が吐出ヘッド20に供給されると吐出ヘッド20に設けられた圧電体素子150がその駆動信号に応じた体積変化を生ずる。この体積変化は振動板130を変形させ、キャビティ121の体積を変化させる。この結果、そのキャビティ121のノズル開口111から液滴が吐出される。液滴が吐出されたキャビティ121には吐出によって減った液体が新たにタンクから供給される。
図1に戻り、第2移動装置14は、吐出ヘッド20をX軸方向に移動させることで、吐出ヘッド20をクリーニングユニット24又はキャッピングユニット22の上部に選択的に位置決めさせることができる。つまり、デバイス製造作業の途中であっても、例えば吐出ヘッド20をクリーニングユニット24上に移動すれば、吐出ヘッド20のクリーニングを行うことができる。また、吐出ヘッド20をキャッピングユニット22の上に移動すれば、吐出ヘッド20の液滴吐出面20aにキャッピングを施したり、液滴をキャビティ121に充填したり、ノズル開口111の目詰まり等による吐出不良を回復させたりすることが可能となる。
つまり、クリーニングユニット24及びキャッピングユニット22は、ベース10上の後部10a側で、吐出ヘッド20の移動経路直下に、ステージSTと離間して配置されている。ステージSTに対する基板Pの搬入作業及び搬出作業はベース10の前部10b側で行われるため、これらクリーニングユニット24又はキャッピングユニット22により作業に支障を来すことはない。
クリーニングユニット24は、吐出ヘッド20のノズル開口111等のクリーニングをデバイス製造工程中や待機時に定期的に又は随時に行うことができる。キャッピングユニット22は、吐出ヘッド20の液滴吐出面20aが乾燥しないように、デバイスを製造しない待機時にこの液滴吐出面20aにキャッピングを施したり、液滴をキャビティ121に充填する際に用いたり、また、吐出不良が生じた吐出ヘッド20を回復させるものである。なお、図2及び図3においては、説明の簡単のために整列された複数のノズル開口111を一列のみ図示しているが、ノズル開口111が複数列に亘って整列された構成であっても良い。
次に、本実施形態の液滴吐出装置IJの電気的な機能構成について説明する。図4は、本発明の一実施形態による液滴吐出装置の電気的な機能構成を示すブロック図である。なお、図4においては、図1〜図3に示した部材に相当するブロックには同一の符号を付してある。図4に示す通り、液滴吐出装置IJを制御する電気的な構成は、制御コンピュータ50、制御装置26、及び駆動回路60を含んで構成される。
制御コンピュータ50は、例えばCPU(中央処理装置)、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)等の内部記憶装置、ハードディスク、CD−ROM等の外部記憶装置、並びに液晶表示装置又はCRT(Cathode Ray Tube)等の表示装置を含んで構成され、ROM又はハードディスクに記憶されたプログラムに従って、液滴吐出装置IJの動作を制御する制御信号を出力する。この制御コンピュータ50は、例えばケーブル等を用いて図1に示す液滴吐出装置IJに設けられる制御装置26と接続されている。
制御装置26は、制御コンピュータ50から吐出位置情報及び吐出条件等を受信するインターフェイス51と、DRAM(Dynamic RAM)及びSRAM(Static RAM)からなり、各種データの記録を行うRAM52と、各種データ処理を行うためのルーチン等を記録したROM53と、CPU等からなる制御部54と、発振回路55と、駆動回路60に供給する駆動信号COMを生成する駆動信号生成部56と、インターフェイス57とを含んで構成されている。
次に、上記構成における制御装置26が液滴を吐出する時の基本的な動作について説明する。制御コンピュータ50から吐出位置情報及び吐出条件等が送出されてくると、これらの情報はインターフェイス51を介してRAM52の一部として設けられた受信バッファ52aに記憶される。受信バッファ52aに記憶された吐出位置情報は、コマンド解析が行われてからRAM52の一部として設けられた中間バッファ52bへ送られる。中間バッファ52b内では制御部54によって中間コードに変換された中間データが保持され、ステージST上における実際の液滴の吐出位置等の情報を付加する処理が制御部54によって実行される。
次に、制御部54は、中間バッファ52bに記憶された中間データの各々を解析してデコード化した後、中間データ毎のドットパターンデータを出力バッファ52cに展開して記憶させる。以上の処理が終了すると、N個のうちの1つのドットパターンデータから吐出ヘッド20の1スキャン分に相当するドットパターンデータがインターフェイス57を介して吐出データSIとして駆動回路60に順次シリアル転送される。吐出データSIの転送は、発振回路55からのクロック信号CLKに同期して行われる。N個のうちの1つのドットパターンデータの転送が完了すると、次のドットパターンデータの転送が同様に行われる。このように、N個のドットパターンデータが出力バッファ52cからインターフェイス57を介して駆動回路60に順次転送される。これと同時に、第1移動装置12及び第2移動装置14に対する駆動信号がインターフェイス57を介して出力される。
また、駆動回路60に設けられた圧電体素子150を駆動するための駆動信号COMが駆動信号生成部56で生成され、インターフェイス57を介して駆動回路60に転送される。このとき、制御部54は駆動回路60に転送されるN個のドットパターンデータ毎に駆動信号COMを駆動信号生成部56に生成させる。駆動信号COMの転送も発振回路55からのクロック信号CLKに同期して行われる。以上の吐出データSI、駆動信号COM、及びクロック信号CLK以外に、後述するラッチ信号LATがインターフェース27から駆動回路60に出力される。
駆動回路60は、シフトレジスタ61、ラッチ回路62、レベルシフタ63、及びスイッチ回路64を含んで構成されている。なお、図4においては図示を簡略化しているが、圧電体素子150は吐出ヘッド20に形成されたノズルの数だけ(例えば、360個(180個×2列))設けられており、スイッチ回路64内には各々の圧電体素子150に対応させてスイッチ素子(図示省略)が複数設けられている。
上記シフトレジスタ61は、制御装置26から転送されてきた吐出データSIをシリアル/パラレル変換するものである。ラッチ回路62は、制御装置26からラッチ信号LATが出力された時に、シフトレジスタ61によってパラレル変換された吐出データSIをラッチする。レベルシフタ63は、ラッチ回路62から出力される吐出データSIをスイッチ回路64を駆動することができる電圧、例えば数十ボルト程度の所定の電圧まで昇圧する。
スイッチ回路64は、レベルシフタ63から出力される吐出データSIに応じて、駆動信号COMを圧電体素子150に供給するか否かを制御する。つまり、スイッチ回路64内に設けられる各スイッチ素子に加わる吐出データSIの電圧レベルが「1」である期間中は、対応する圧電体素子150に駆動信号COMを印加し、吐出データSIの電圧レベルが「0」である期間中は、対応する圧電体素子150への駆動信号COMの印加を遮断する。また、スイッチ回路64には制御部54からの選択信号SELが供給されており、この選択信号によって圧電体素子150に印加する駆動信号COMの波形を選択可能に構成されている。
〔駆動信号の基本波形〕
次に、駆動信号COMの基本波形について説明する。図5は、駆動信号COMの基本波形の一例を示す図である。駆動信号COMは連続した複数の波形(波形要素)からなる波形群を含んでいる。なお、以下では、図5(a)に示す通り、1つの波形群に波形w1〜w6の計6個の波形が含まれる場合を例に挙げて説明する。波形群に含まれる波形の各々は、ノズル開口111から液滴を一滴吐出させるための波形である。
波形群に含まれる波形の各々は、図5(c)に示す通り、図2及び図3に示すキャビティ121の容積を増大させてキャビティ121内に負圧を発生させる引込部c1,c2,…(第1波形部)と、増大したキャビティ121の容積を一定時間保持する保持部h1,h2,…(第2波形部)と、キャビティ121の容積を急激に減少させてキャビティ121内を加圧する押出部d1,d2,…(第3波形部)と、減少したキャビティ121の容積を一定時間保持する保持部i1,i2,…(第4波形部)とを有している。なお、以下の説明では、波形の各部の時間を示す場合には、記号「T」にその部分を示す符号を沿えて表す。例えば、押出部d1の時間は「Td1」と表す。
上記の引込部c1,c2,…は駆動信号COMの電圧を中間電位Vc又は最低電位Vbから最大電位Vhまでほぼ直線的に上昇させる部分であり、保持部h1,h2,…は最大電位を所定時間保持する部分である。また、押出部d1,d2,…は駆動信号COMの電圧を最大電位Vhから最低電位Vbまでほぼ直線的に下降させる部分であり、保持部i1,i2,…は最低電位を所定時間保持する部分である。
以上説明した波形の1つが圧電体素子150に印加されると、圧電体素子150は図6に示す動作を行って液滴を一滴吐出する。図6は、圧電体素子150の液滴吐出時における動作を示す図である。まず、例えば図5(c)に示す駆動信号COMの電圧値が上昇する引込部c2が圧電体素子150に印加されると、図6(a)に示す通り、圧電体素子150がキャビティ121の容積を膨張させる方に撓んでキャビティ121に負圧が発生する。これによって、液体がリザーバ123からキャビティ121に供給される。また、図示の通りノズル開口111における液体も僅かにキャビティ121内部方向へ引き込まれることで、メニスカスがノズル開口111内に引き込まれる。
次に、引込部c2に続く保持部h2が圧電体素子150に印加されると、保持部h2が供給されている間はキャビティ121の容積が膨張した状態に保持される。次いで、押出部d2が圧電体素子150に印加されると、圧電体素子150が急速にキャビティ121の容積を収縮させる方向に撓み、キャビティ121に正圧が発生する。これにより、図6(b)に示す通り、ノズル開口111から液滴Dが吐出される。押出部d2に続く保持部i2が圧電体素子150に印加されると、保持部h2が供給されている間はキャビティ121の容積が収縮した状態に保持され、図6(c)に示す通り、ノズル開口111におけるメニスカスが僅かに凸状になる。この状態で次の波形の引込部c3が印加されて以下同様の吐出動作が行われ、複数の波形を連続して圧電体素子150に印加することで連続した液滴の吐出動作が行われる。
以上の通り、本実施形態の駆動信号COMに含まれる波形群をなす波形の各々は、従来の駆動波形に含まれる波形に設けられていたメニスカスの振動を抑制する制振部が省略されている。従って、圧電体素子150に駆動信号COMが印加されると、ノズル開口111からはその波形群に含まれる6個の波形分の液滴が、メニスカスの振動が抑制されるのを待つことなく連続して吐出されることになる。
また、本実施形態の駆動信号COMにおいては、図5(b)に示すように波形群G1,G2の各々に続けて抑制波形w0が設けられている。このような抑制波形w0が設けられることによって、波形群G1に続いて波形群G2による吐出をする際のノズル開口111における液体の液面の振動(メニスカス)を抑制することが可能となる。ところで、抑制波形w0による制振が行われない場合では、波形群G1と波形群G2とによって連続吐出すると正常なメニスカスが形成されないまま吐出されることとなり、飛行曲がりや吐出精度低下、もしくは液滴が全く吐出されない等、の吐出不良が生じてしまう。そこで、波形群G1,G2の各々に続けて抑制波形w0を設けることによって、波形群G1による吐出後のメニスカスが制振するので、吐出不良が生じることなく、正常に液滴の連続吐出を行うことが可能となる。
なお、制振波形w0の有無の設定は、吐出される液体の粘度によって適宜選択可能である。例えば、粘度が高い場合ではノズル開口における残留振動が低いために、抑制波形w0を省略することが可能となる。一方、粘度が低い場合ではその残留振動が高いために抑制波形w0を設定する必要がある。
また、上述した通り、本実施形態では1つの波形毎にメニスカスの振動が抑制されるのを待つことなく連続して液滴を吐出することで吐出周波数を向上させているため、図1に示す流路18を介してタンク16から液体の供給が滞る虞がある。これを解消するために、抑制波形w0を設けてもよい。波形群G1,G2等に続けて抑制波形w0を設けることで、タンク16からの液体供給が滞ることがないので、液体供給不足の予防が可能となる。なお、連続して液滴を吐出した場合でもタンク16からの液体の供給不足が生ずる虞が低いときには、抑制波形w0を省略することが可能である。
また、本実施形態では1つの波形毎にメニスカスの振動が抑制されるのを待つことなく連続して液滴を吐出することで吐出周波数を向上させている。そのため、連続して液滴を吐出しない場合や吐出周波数が低い場合と比較して、圧電体素子150により多くの電気エネルギが供給されてしまうこととなる。これによって圧電体素子150が過熱してしまう虞や、圧電体素子150を駆動するスイッチ回路64が過熱してしまう虞がある。これを解消するために、抑制波形w0を設けてもよい。波形群G1,G2等に続けて抑制波形w0を設けることで、圧電体素子150やスイッチ回路64の過熱を抑制することが可能となる。なお、圧電体素子150やスイッチ回路64の過熱が生ずる虞が低いときには、抑制波形w0を省略することが可能である。
〔液滴の着弾挙動〕
次に、ノズル開口111から吐出された液滴Dが基板Pの表面に着弾する際の挙動について、図7を参照して説明する。
図7は、図1の基板Pの一部を拡大した断面図であって、複数の液滴Dが着弾することで塗布液が塗布される被塗布領域PAを示している。
まず、図7(a)に示すように、ノズル開口111から吐出されて液滴Dが被塗布領域PAに着弾する。ここで、液滴Dの容量は、約10pl以下の微量液滴である。
次に、図7(b)に示すように、被塗布領域PAに着弾した液滴Dは、運動エネルギによって数マイクロ秒の間に、被塗布領域PAの両側に向けて液滴Dは濡れ広がる。即ち、被塗布領域と液滴Dとの接触面積が拡大する。
その後、図7(c)に示すように、被塗布領域PAおいて液滴Dは、表面力によって数マイクロ秒の間に縮まり、即ち、被塗布領域と液滴Dとの接触面積が縮小する。
そして、このような振動が生じた後に、図7(d)のように安定して塗布液Lが被塗布領域PAに塗布される。
ここで、図7(a)〜(d)においては、1滴の液滴Dによって塗布液Lが被塗布領域PAに塗布されているが、実際には複数の液滴Dが被塗布領域PAに塗布されることによって、塗布液Lが形成される。
この場合、図7(a)に示すように1滴目の液滴Dが着弾した後にした後に、図7(b)、(c)に示す挙動が行われている間に、2滴目の液滴Dが着弾するようになっている。更に複数の液滴Dが着弾する場合には、複数の液滴Dによって形成された塗布液Lが被塗布領域PAにおいて外側や内側に振動している状態で順次液滴Dが着弾する。
そして、本実施形態においては、本発明の特徴点に記載したように、塗布液Lの内側方向の振動が生じると同時に、液滴Dが被塗布領域PAに着弾するように(塗布液Lに着弾するように)している。そして、このようなタイミングで塗布液Lを着弾させるために、圧電体素子150に駆動信号COMを印加するようになっている。そして、当該駆動信号COMには、塗布液Lの内側方向の振動を打ち消すための液滴Dを吐出する、打ち消し波形が含まれている。
〔打ち消し波形〕
図8は、上記の打ち消し波形を含む駆動信号COMの一例を示す図である。
本実施形態で吐出する液滴D及び吐出条件は、ρ=1Kg/m、σ=27mN/m、速度=5m/s、体積10pl*n(n:吐出回数)としている。そして、1滴目の液滴Dを吐出するための周期を約15μ秒とし、2滴目の着弾後が20μ秒、3滴目が25μ秒、4滴目が30μ秒、となるように、駆動信号COMを設定している。
なお、液滴Dが球体である場合においては、振動の固有周期は体積の平方根に比例するようになっている。
そして、図8に示すように、5滴目の吐出に関して打ち消し波形を利用している。当該5滴目は、4滴の固有周期の略半分のタイミングで吐出している。これにより、5滴目の液滴Dを吐出した後の塗布液Lの広がりを抑制することが可能となる。
なお、打ち消し波形としては、任意の吐出を液滴振動の逆位相のタイミングにしてもよい。
このような液滴Dの着弾挙動は、液滴Dの体積、密度、表面張力、速度(着弾時の変形度)などによって決まり、打ち消し波形を吐出するタイミングは、このような物理的特性に基づいて決定することも可能であるが、本実施形態では、予め着弾状態を撮像し、その撮像画像から、塗布液Lの内側方向の振動が生じる時間を測定し、当該測定結果に基づいて駆動信号を作成している。
具体的には、予めハイスピードカメラやストロボシステムを用いてこの時間を計測しておく。そして、ちょうど塗布液Lの内側方向の振動が戻るときに、次の液滴Dが落ちるように波形(打ち消し波形)を作成しておく。このようにすることで、着弾時の広がりが相殺されて塗布液Lの広がりを抑えることができ、被塗布領域PAからインクが溢れるのを防ぐことができる。
上述したように、本実施形態においては、塗布液Lの内側方向の振動と、液滴Dの着弾による濡れ広がりとが相殺されて、塗布液Lの濡れ広がりを抑制することができ、塗布液が溢れるのを防止できる。
一方、従来においては、塗布液Lの内側方向の振動が生じると同時に液滴Dが被塗布領域PAに着弾するように、圧電体素子150に駆動信号COMが印加されていないので、当該内側方向の振動により、塗布液Lが収縮する現象が生じてしまう。これにより、被塗布領域PAにおいて塗布液Lが一旦接触するものの、塗布液Lが塗布されていない部分ができてしまう。このような部分においては、塗布液Lに含まれる溶媒分子等が残留してしまい、被塗布領域PAの表面エネルギが変化しているので、液滴Dの着弾による濡れ広がりが生じてしまい、所望の被塗布領域PAのみに塗布液を収容させることができない。
本実施形態においては、塗布液Lの内側方向の振動が生じると同時に液滴Dが被塗布領域PAに着弾するように圧電体素子150に駆動信号COMが印加されるので、塗布液Lの内側方向の振動と、液滴Dの着弾による濡れ広がりとが相殺されて、塗布液Lの濡れ広がりを抑制することができ、塗布液Lが溢れるのを防止できる。従って、従来のような問題を解決することができる。
また、塗布液Lの振動を撮像し、その撮像画像から塗布液Lの内側方向の振動が生じる時間を測定して駆動信号COMを作成することで、実際の測定結果に基づいた駆動信号COMを作成することができる。そして、この駆動信号COMを用いてノズル開口111から液滴Dを吐出することにより、塗布液Lの内側方向の振動が生じると同時に液滴Dが被塗布領域PAに着弾させることができる。従って、塗布液Lの内側方向の振動と、液滴Dの着弾による濡れ広がりとを相殺することができ、塗布液Lの濡れ広がりを抑制することができ、塗布液Lが溢れるのを防止できる。
なお、本実施形態においては、被塗布領域PAに塗布液Lを塗布する場合について説明したが、バンク(隔壁)によって被塗布領域PAが囲まれている場合でも、同様にバンク内の被塗布領域PAに塗布液Lを塗布することができる。
また、上記の被塗布領域PAは、他の部分よりも相対的な親液性を有していてもよい。この場合、被塗布領域PAを除く部分は撥液性を有していることが好ましい。上記のように、着弾時の塗布液Lの広がりを抑えることができるので、撥液部に塗布液Lが接触することがないので、被塗布領域PAのみに塗布液Lを塗布することができる。
また、本実施形態においては、更に複数の液滴Dを吐出して塗布液Lを塗布してもよい。例えば、20滴を超えるような複数の液滴Dを吐出して被塗布領域PAに塗布する場合、打ち消し波形による吐出は、中間の液滴数から後半の液滴数(例えば20滴吐出なら、5〜15滴目付近)の振動を打ち消すようにするとよい。このようにしても、塗布液Lの内側方向の振動を抑制することができる。また、液滴の量が多くなってくると振幅自体は小さくなるので、振動を容易に抑制することができる。
また、このように液滴Dの吐出回数が多い場合、1〜4滴目のような前半の吐出数では多少広がっても被塗布領域の周縁部まで到達しないので、後述する同期波形を用いて高周波の液滴吐出を行うのが好ましい。
次に、同期波形について説明する。
〔同期波形〕
上記のように、打ち消し波形が不要な吐出においては、キャビティ内に収容される液体のノズル開口における振動周期にほぼ同期する同期波形を用いることにより、高粘度の液体であっても高周波で液滴吐出を行うことができる。
具体的には、ノズル開口111におけるメニスカスの周期にほぼ同期させて圧電体素子150に駆動信号COMを印加する。つまり、メニスカスがノズル開口111内に向かう振動の周期でキャビティ121の容積を膨張させてキャビティ121内に液体を引き込み、メニスカスがノズル開口111の外に向かう振動の周期でキャビティ121を収縮させてノズル開口111から液滴を吐出する。このようにすることで、液滴Dの連続吐出が可能となり、吐出不良が生ずることなく、連続して液滴を吐出することができる。
キャビティ121の容積を増大させてキャビティ121内に負圧を発生させる引込部c1,c2,…の時間Tc1,Tc2,…、及び、キャビティ121の容積を急激に減少させてキャビティ121内を加圧する押出部d1,d2,…の時間Td1,Td2,…は、圧電体素子150の固有振動周期Taとほぼ同じ時間に設定される。これは、圧電体素子150の残留振動を防止して、複数のノズル開口111から吐出される液滴の重量ばらつきを防止するためである。
また、液体をキャビティ121内に引き込むタイミング、及び液滴をノズル開口111から吐出するタイミングを調整するために、キャビティ121の容積を一定時間保持する保持部h1,h2,…及び保持部i1,i2,…の時間が調整される。キャビティ121の固有周期(メニスカスの振動周期)をTcとすると、波形群をなす波形w1〜w6各々の保持部h1〜h6の保持時間Th1〜Th6は以下の(1)式で表され、保持部i1〜i6の保持時間Ti1〜Ti6は以下の(2)式で表される。但し、以下の(1)式及び(2)式中の変数nは、1≦n≦6を満たす整数である。
(3/4)×Tc−Tcn≦Thn≦(5/4)×Tc−Tcn ……(1)
(3/4)×Tc−Tdn≦Tin≦(5/4)×Tc−Tdn ……(2)
保持部h1〜h6の保持時間Th1〜Th6が上記(1)式の左辺又は右辺の値に近い値に設定される場合には吐出効率が良く、値(Tc−Tcn)に近い値に設定される場合には、複数設けられたキャビティ121の固有周期Tcのばらつきの影響を受けにくくなる。同様に、保持部i1〜i6の保持時間Ti1〜Ti6が上記(2)式の左辺又は右辺の値に近い値に設定される場合には吐出効率が良く、値(Tc−Tdn)に近い値に設定される場合には、複数設けられたキャビティ121の固有周期Tcのばらつきの影響を受けにくくなる。保持部h1〜h6の保持時間Th1〜Th6及び保持部i1〜i6の保持時間Ti1〜Ti6を何れの時間に設定するかは、各キャビティ121の固有周期Tcのばらつき具合等を考慮して適宜設定すればよい。
また、ノズル開口111から吐出される液滴の吐出量のばらつきを調整するには、まず引込部c1,c2,…の時間Tc1,Tc2,…と押出部d1,d2,…の時間Td1,Td2,…とを連動させて変化させつつ、各ノズル開口111から吐出される液滴の重量を測定する。そして、吐出重量(吐出量)の変化量が最小なるときの値を引込部c1,c2,…の時間Tc1,Tc2,…及び押出部d1,d2,…の時間Td1,Td2,…に設定する。これにより、ノズル開口111間の吐出重量のばらつきを最小にすることができる。
また、吐出ヘッド20が複数設けられている場合には、保持部h1,h2,…の保持時間Th1,Th2,…と保持部i1,i2,…の保持時間Ti1,Ti2,…を連動させて変化させつつ、各ノズル開口111から吐出される液滴の重量を測定し、吐出重量(吐出量)の変化量が最小なるときの値を保持部h1,h2,…の保持時間Th1,Th2,…及び保持部i1,i2,…の保持時間Ti1,Ti2,…に設定する。これにより吐出ヘッド20間の吐出重量のばらつきを最小にすることができる。
また、上述した波形群を圧電体素子150に印加した場合に、液体の種類によって最初に吐出される液体の液滴の吐出重量が異なることがある。粘度が低い液体(例えば、粘度が5mPa・s程度の液体)の場合には、最初に吐出される液滴は、吐出速度が速く且つ量が多くなる傾向にある。このため、ノズル開口111におけるメニスカスが十分戻りきる前に2滴目を吐出する波形が圧電体素子150に印加されてしまい、2滴目に吐出される液滴は、速度が遅く且つ量が少なくなる傾向がある。
図9は、本実施形態の駆動信号を用いてノズル開口111から吐出される液滴の吐出状況を示す図であって、(a)は吐出液滴間に速度等の差がある場合の吐出状況を示す図であり、(b)は吐出液滴間に速度等の差がない場合の吐出状況を示す図である。図9において、D1〜D6は、前述した波形群を圧電体素子150に印加したときにノズル開口111から吐出される6滴の液滴を示している。また、図9に示す例においては、6滴目の液滴D6を吐出した後に、サテライトSが発生している。
最初に吐出された1滴目の液滴D1と2滴目の液滴D2との間に速度等の差がある場合には、図9(a)に示す通り、液滴D1と液滴D2とが離れてしまい、しかもこれらの間に液滴D1に続く霧状のミストmが発生する。この状況を解消するためには、図5(c)に示す駆動信号COMの中間電位Vc(基準レベル)を高く設定して、波形群をなす最初の引込部c1による液体のキャビティ121への引き込み量を少なくすることにより、液滴D1と液滴D2との速度及び吐出量の差を小さくすることができる。
かかる調整を行うことで、図9(b)に示す通り、液滴D1と液滴D2との距離をほぼ最小にすることができ、液滴D1〜液滴D6をほぼ等間隔で吐出することができる。なお、中間電位Vcの設定値は任意で良いが、例えば最大電位Vhを100%とし、最低電位Vbを0%と表した場合には、25〜60%程度の範囲に設定することが望ましい。また、前述した波形群を圧電体素子150に印加して粘度が低い液体を吐出した場合には、最後の液滴D6を吐出した後の残留振動も大きくなってしまう。中間電位Vcを高くすると、液滴D6を吐出した後のメニスカスの制振の効果を大きくすることができるため、周波数特性を向上させることもできる。
粘度が高い液体(例えば、粘度が10mPa・s程度の液体)の場合には、逆に中間電位Vcを低く(例えば、25%以下)設定するのが望ましい。中間電位Vcを低く設定すると、ノズル開口111におけるメニスカスの振動が大きくなり、最初の液滴D1から安定して吐出することができる。なお、液体の粘度が高いと残留振動の減衰も速いため、中間電位Vcを低くしても問題はない。
以上説明した駆動波形COMを圧電体素子150に印加することで、液滴を吐出する度にノズル開口111におけるメニスカスの振動が抑制されるのを待つことなく、連続して液滴を吐出することができる。これにより液滴の吐出周波数を高めることができる。例えば、従来の液滴の吐出周波数は20kHz程度であったが、本発明を適用することにより70kHz程度まで高めることができる。また、粘度が高い液体であっても粘度が低い液体であっても、液滴として精確に且つ安定して吐出することができる。
更に、駆動波形COMの中間電位Vcを設定することにより、駆動波形に含まれる波形群をなす各波形によって吐出される液滴の速度及び吐出量を調整することができるため、液滴のサテライト、ミスト等の発生を低減することができる。例えば、従来の駆動波形を用いて液滴を吐出したときに、1mmの尾を引くポリマー系の液体であっても、本実施形態の駆動波形COMを用いれば、殆ど尾を無くすことができる。これにより、従来の駆動波形を用いたときには使用不可であった液体も使用可能になる。
〔駆動信号の変形例〕
図10は、駆動信号の第1変形例を示す図である。前述した通り、駆動信号COMの基本波形は、複数の波形からなる波形群と、これに続く抑制波形w0とを含んでいるが、図10に示す第1変形例では、波形群に続いて液滴の尾の発生、及び液滴の吐出後に生ずるサテライト又はミストを防止するための終端波形w11,w12が設けられている点が相違する。
図10(a)に示す終端波形w11は、引込部c11、保持部h11、及び押出部d11からなる。終端波形w11の引込部c11の時間Tc11はキャビティ121の固有周期Tcとほぼ一致するよう設定されている。また、保持部h11の保持時間Th11は(Tc/2)程度に設定され、押出部d11の時間Td11は(2×Tc)程度に設定されている。
図10(a)に示す駆動信号COMを圧電体素子150に印加すると、波形群が印加されている間は図5を参照して説明した動作が行われて液滴が吐出される。波形群をなす波形w6の印加が終了すると、終端波形w11をなす引込部c11が印加される。上述した通り、引込部c11の時間Tc11はキャビティ121の固有周期Tcとほぼ一致するよう設定されているため、引き込み後のノズル開口111におけるメニスカスの残留振動が抑えられる。次に、保持部h11が圧電体素子150に印加された後で押出部d11が印加され、キャビティ121の固有周期Tcの2倍の時間をかけて駆動信号COMの電圧が緩やかに中間電位(抑制波形w0)に戻る。
以上の終端波形w11を圧電体素子150に印加することで、ノズル開口111におけるメニスカスを振動させることなく初期位置に戻すことができるため、速やかに次の液滴の吐出に備えることができる。また、図10(a)に示す駆動信号COMにおいては、波形群の印加による液滴の吐出が終了した後で、終端波形w11をなす引込部c11でノズル開口111近傍の液体を大きく引き込んでいるため、液滴の尾の発生、及びサテライトの発生を抑えることができる。
図10(b)に示す終端波形w12は、引込部c12のみからなる。この終端波形w12の引込部c12の時間Tc12はキャビティ121の固有周期Tcの2倍(2×Tc)程度に設定されている。なお、引込部c12の時間Tc12はキャビティ121の固有周期Tc程度であっても良く、固有周期Tcの3倍程度又はそれ以上であっても良い。この図10(b)に示す終端波形w12は、図10(a)に示す終端波形w11とは異なり制振を行わない波形である。
図10(b)に示す駆動信号COMを圧電体素子150に印加すると、波形群が印加されている間は図5を参照して説明した動作が行われて液滴が吐出される。波形群をなす波形w6の印加が終了すると、終端波形w12をなす引込部c12が印加されて駆動信号COMの電圧が緩やかに中間電位(抑制波形w0)に戻る。液体が例えば高分子を含むものである場合には、ノズル開口111から液体を吐出しても高分子の切れが悪く長く尾を引くものがある。
かかる場合には、図10(a)に示す終端波形w11を用いて無理に制振を行って尾の部分を切るようにすると、ミストが発生してノズル開口111の近傍に付着してしまい吐出不良が生ずることがある。図10(b)に示す駆動信号COMは、無理な制振を行わずに吐出した液体が自然に切れるようにしたものである。この駆動信号COMを用いることで、長時間の吐出でも安定した吐出が可能になり、吐出周波数を上げることもできる。
図<9>は、駆動信号の第2変形例を示す図である。図<9>に示す駆動信号COMは、波形群に含まれる6つの波形のうち、最後の波形として他の波形w1〜w5とは異なる形状を有する波形w7を含んでいる点が異なる。この波形7は、他の波形w1〜w5よりも最大電位が低く設定されているとともに、液滴の吐出速度低下を補うために押出部が他の波形w1〜w5よりも短く設定されている。このように、形状が異なる波形w7を波形群に含めるのは、液滴の吐出量を調整するためである。つまり、複数のノズル開口111から吐出される液滴の量にはばらつきが生ずるため、調整用の波形w7を含めることで各ノズル開口111から吐出される液滴の吐出量のばらつきを減らしている。なお、図<9>においては、波形群に図10(b)に示した終端波形w12が続く場合を例に挙げて図示している。
この駆動信号COMを実現するために、駆動信号COMに含まれる波形群をなす波形を選択する選択信号SELを用いている。図<9>(a)に示す通り、選択信号SELが波形群の最初から終端波形w12の終わりまでH(ハイ)レベルである場合には、波形w1〜w5,w7及び終端波形w12が圧電体素子150に印加されて、波形w1〜w5,w7に基づく計6滴の液滴がノズル開口111から吐出される。これに対し、波形w7がスイッチ回路64に供給されるタイミングで選択信号SELがL(ロー)レベルである場合には、その期間の間は波形w5の保持部の電位(最低電位)が保持されるため、波形w1〜w5及び終端波形w12が圧電体素子150に印加されて、波形w1〜w5に基づく計5滴の液滴がノズル開口111から吐出される。
図11は、駆動信号の第2変形例を示す図である。図11に示す駆動信号COMは、波形群をなす6つの波形w21〜w26の形状が互いに異なっている。図11に示す例では、波形w21〜w26の各々は波形群の後になるにつれて最大電位(波高値)が徐々に低くなるように設定されている。図11に示す駆動信号COMを圧電体素子150に印加すると、波形w21〜w26が圧電体素子150に印加される毎に、ノズル開口111から吐出される液滴の吐出速度が低下する。また、速度低下に併せて吐出量も少なくなって液滴が微小化するため、液滴の着弾時における衝撃を弱められる。
複数の一定量の液滴を一定速度で所定の着弾領域に着弾させて充填する場合を考えると、最初の液滴を充填するときには着弾領域は空であるため液滴が着弾領域から溢れる虞はないが、吐出する液滴数が増加するにつれて着弾領域から溢れてしまう虞が考えられる。図11に示す駆動信号COMを用いて吐出される液滴の吐出速度を徐々に低下させるとともに、吐出量を徐々に少なくすることにより、後に吐出した液滴が着弾領域から溢れるのを防止することができる。
〔デバイスの製造方法〕
次に、本発明の一実施形態によるデバイスの製造方法について説明する。なお、以下の説明では、前述した液滴吐出装置IJを用いてカラーフィルタ基板を製造する製造方法を例に挙げて説明する。図12は、液滴吐出装置IJを用いてRGBパターンを形成する工程を含めたカラーフィルタ基板の一連の製造工程を示す図である。なお、図1においては、説明を簡略化したが、液滴吐出装置IJは、R(赤)、G(緑)、及びB(青)の液滴をそれぞれ吐出可能に構成されているとする。
カラーフィルタ基板の製造に用いられる基板Pは、例えば長方形型薄板形状の透明基板であり、適度の機械的強度と共に光透過性の高い性質を兼ね備えている。この基板Pとしては、例えば、透明ガラス基板、アクリルガラス、プラスチック基板、プラスチックフィルム及びこれらの表面処理品等が好ましく用いられる。なお、この基板Pには、RGBパターン形成工程の前工程において、生産性を上げる観点から、複数のカラーフィルタ領域が予めマトリックス状に形成されており、これらカラーフィルタ領域をRGBパターン形成工程の後工程で切断することにより、液晶表示装置に適合するカラーフィルタ基板として用いられるようになっている。
ここで、図13は、液滴吐出装置IJが備える各液滴吐出装置により形成されるRGBパターン例を示す図であり、(a)はストライプ型のパターンを示す斜視図であり、(b)はモザイク型のパターンを示す部分拡大図であり、(c)はデルタ型のパターンを示す部分拡大図である。図13に示す通り、各カラーフィルタ領域には、R(赤色)の粘性体、G(緑色)の粘性体、及びB(青色)の粘性体が、後述の液滴吐出ヘッド18より所定のパターンで形成されるようになっている。この形成パターンとしては、図13(a)に示すストライプ型のパターンの他に、図13(b)に示すモザイク型のパターン、又は、図13(c)に示すデルタ型のパターンなどがあるが、本発明ではその形成パターンに関し、特に限定はされない。なお、図13(a)においては、簡単のために吐出ヘッド20から液滴を1つのB(青色)領域に吐出する例を図示しているが、生産効率を向上するために、吐出ヘッド20からは一度に複数の領域に対して液滴が吐出される。
図12に戻り、前工程であるブラックマトリックス形成工程では、図12(a)に示す通り、透明の基板Pの一方の面(カラーフィルタ基板の基礎となる面)に対して、光透過性のない樹脂(好ましくは黒色)を、スピンコート等の方法により、所定の厚さ(例えば、2μm程度)に塗布し、その後、フォトリソグラフィ法等の方法によりマトリックス状にブラックマトリックスBM,…を形成していく。これらブラックマトリックスBM,…の格子で囲まれる最小の表示要素は、所謂フィルターエレメントFE,…といわれ、基板P面内の一方向(例えばX軸方向)の巾寸法が30μmであり、この方向に直交する方向(例えば、Y軸方向)の長さ寸法が100μm程度の大きさの窓である。基板P上にブラックマトリックスBM,…を形成した後は、図示しないヒータにより熱を加えることで、基板P上の樹脂を焼成することがなされる。
このようにしてブラックマトリックスBMが形成された基板PはステージST上に吸着保持され、図1に示す液滴吐出装置IJを用いたRGBパターンの形成工程が行われる。RGBパターン形成工程では、まず図12(b)に示す通り、所定のパターンを形成するための所定位置のフィルターエレメントFE,…内に、赤色の液滴RDを着弾させる。この時の各液滴RDの量は、加熱工程における液滴RDの体積減少量を考慮した充分な量となっている。
このようにして所定の全てのフィルターエレメントFE,…に赤色の液滴RDが充填された後の基板Pは、所定の温度(例えば70度程度)で乾燥処理される。この時、液滴RDの溶媒が蒸発すると、図12(c)に示す通り液滴RDの体積が減少するので、体積減少が激しい場合には、カラーフィルタ基板として充分な粘性体膜厚が得られるまで、液滴RDの着弾作業と乾燥作業とが繰り返される。この処理により、液滴RDの溶媒が蒸発して、最終的に液滴RDの固形分のみが残留して膜化する。
乾燥処理された基板Pは冷却された後で再び液滴吐出装置IJのステージST上に保持される。そして、図12(b)に示す通り、所定のパターンを形成するための所定位置のフィルターエレメントFE,…内に、緑色の液滴GDを着弾させる。この時の各液滴GDの量は、加熱工程における液滴GDの体積減少量を考慮した充分な量となっている。このようにして所定の全てのフィルターエレメントFE,…に緑色の液滴GDが充填された後の基板Pは、所定の温度(例えば、70度程度)で乾燥処理される。この時、液滴GDの溶媒が蒸発すると、図12(c)に示す通り液滴GDの体積が減少するので、体積減少が激しい場合には、カラーフィルタ基板として充分な粘性体膜厚が得られるまで、液滴GDの着弾作業と乾燥作業とが繰り返される。この処理により、液滴GDの溶媒が蒸発して、最終的に液滴GDの固形分のみが残留して膜化する。
乾燥処理された基板Pは冷却された後で再び液滴吐出装置IJのステージST上に保持される。そして、図12(b)に示す通り、所定のパターンを形成するための所定位置のフィルターエレメントFE,…内に、青色の液滴BDを着弾させる。この時の各液滴BDの量は、加熱工程における液滴BDの体積減少量を考慮した充分な量となっている。このようにして所定の全てのフィルターエレメントFE,…に青色の液滴BDが充填された後の基板Pは、図12(c)に示す通り所定の温度(例えば、70度程度)で乾燥処理される。この時、液滴BDの溶媒が蒸発すると、液滴BDの体積が減少するので、体積減少が激しい場合には、カラーフィルタとして充分な粘性体膜厚が得られるまで、液滴BDの着弾作業と乾燥作業とが繰り返される。この処理により、液滴BDの溶媒が蒸発して、最終的に液滴BDの固形分のみが残留して膜化する。
以上により、RGBパターン形成工程が完了する。その後は引き続き、図12(d)以降に示す後工程が行われる。後工程の1つである図12(d)に示す保護膜形成工程では、液滴RD,GD,BDを完全に乾燥させるために、所定の温度で所定時間加熱を行う。乾燥が終了すると、粘性体膜が形成された基板Pの表面保護及び表面平坦化を目的として保護膜CRが形成される。この保護膜CRは、例えばスピンコート法、ロールコート法、又はリッピング法等の方法を用いて形成される。保護膜形成工程に続く図12(e)に示した透明電極形成工程では、スパッタ法又は真空吸着法等の方法を用いて、保護膜CRの全面を覆うように透明電極TLが形成される。透明電極形成工程に続く図12(f)に示すパターニング工程では、透明電極TLが、画素電極PLとしてパターニングされる。なお、液晶表示パネルの駆動にTFT(Thin Film Transistor)等のスイッチング素子を用いる場合にはこのパターニング工程は不要となる。以上説明した各工程を経て、図12(f)に示すカラーフィルタ基板CFが製造される。
上述した液滴吐出装置IJを用いて赤色の液滴RD、緑色の液滴GD、及び青色の液滴BDを吐出してフィルターエレメントFEに着弾させるときには、図1に示す第1移動装置12と第2移動装置14とを駆動して吐出ヘッド20と基板Pとを相対的に移動させている。各液滴の着弾精度を確保するために、液滴の吐出中には吐出ヘッド20と基板Pとの相対移動速度を一定にしている。このため、吐出ヘッド20からの液滴の吐出周波数が低いと、一度に1つのフィルターエレメントFEに着弾する液滴数が少なくなる。
図14は、カラーフィルタ基板製造時の液滴の着弾状況の一例を示す図である。なお、図14中における矢印は、吐出ヘッド20と基板Pとの相対移動方向を示している。カラーフィルタ基板上に設定されるフィルターエレメントFEに液滴を着弾させる場合には、開口ノズル111から吐出された液滴がフィルターエレメントFEを取り囲むブラックマトリックスBM(バンク)に着弾すると、液滴がフィルターエレメントFEから溢れる可能性があるため、液滴の吐出誤差を考慮して相対移動方向における両端から所定の距離Gaだけ離れた位置に液滴を着弾させている。
液滴の吐出周波数が低いと、図14(a)に示す通り、1つのフィルターエレメントFEに対して一度に3滴程度しか着弾させることができない。このため、十分な量の液滴をフィルターエレメントFEに充填させるには、吐出ヘッド20の開口ノズル111の数を増やす、吐出ヘッド20と基板Pとの相対移動速度を低下させる、基板Pの表面全体を複数回に亘って走査する等の対策が必要になる。しかしながら、吐出ヘッド20の開口ノズル111の数を増やすと、液滴吐出装置IJのコストが上昇し、メンテナンスが困難になる。また、吐出ヘッド20と基板Pとの相対移動速度を低下させ、又は、基板Pの表面全体の走査回数を増加すると生産性が著しく低下するとともに、液滴RD,GD,BDの乾燥むらによる色むらが発生する虞がある。
これに対し、本発明の液滴吐出ヘッドの駆動方法を用いて圧電体素子150を駆動すれば液滴吐出周波数を高めることができるため、例えば図14(b)に示す通り、1つのフィルターエレメントFEに対して一度に9滴程度着弾させることが可能になる。これにより、吐出ヘッド20と基板Pとの相対移動速度を低下させる必要がないため、生産性を大幅に向上させることができる。また、基板Pの表面全体の走査回数に亘って走査する必要がないため、液滴RD,GD,BDの乾燥むらを防ぐことができ、更にフィルターエレメントFE内における液滴の濡れ広がりを向上させることができるとともに、膜厚の均一性を高めることができる。更に、本発明では、打ち消し波形を用いることにより、塗布液Lの内側方向の振動を打ち消すための液滴Dを吐出しているので、濡れ広がりに起因する、液滴がフィルターエレメントFEから溢れるのを効果的に防止することもできる。
以上の製造工程を経て製造されたカラーフィルタ基板CFと対向基板(図示省略)とを対向配置させ、その間に液晶を挟持させる工程を経て液晶表示装置が製造される。このようにして製造された液晶表示装置、CPU(中央処理装置)等を備えたマザーボード、キーボード、ハードディスク等の電子部品を筐体内に組み込むことで、例えばノート型のパーソナルコンピュータ(デバイス)が製造される。
〔その他のデバイスの製造方法〕
また、本実施形態の液滴吐出装置IJは、膜を形成する成膜装置又はマイクロレンズアレイ、液晶表示装置、有機EL装置、プラズマ型表示装置、電界放出ディスプレイ(FED:Field Emission Display)等を製造するためにも用いることができる。図15及び図16は、それぞれ、本発明の実施形態による液滴吐出装置を用いて製造した光インタコネクション装置用のマイクロレンズアレイの説明図である。吐出装置において、図15及び図16に示す透明基板からなる対象物W1の所定の位置に液滴吐出ヘッドから感光性の透明樹脂(液状粘性物)を吐出した後、紫外線硬化させて、透明基板上の所定位置に所定の大きさのマイクロレンズLを形成すれば、光インタコネクション装置用のマイクロレンズアレイ70a,70bを製造することができる。
ここで、図15に示すマイクロレンズアレイ70aでは、マイクロレンズLがX方向及びY方向にマトリクス状に配列されている。また、図16に示すマイクロレンズアレイ70bでは、マイクロレンズLがX方向及びY方向に不規則に分散して形成されている。なお、マクロレンズアレイは、光インタコネクション装置の他、液晶パネルにも用いられているが、この液晶表示装置用のマイクロレンズを製造するにあたっても、本発明を適用したインクジェット式装置を用いれば、フォトリソグラフィ技術を用いる必要がないので、マイクロレンズアレイの生産効率を向上することができる。
図17は、有機EL装置の構成の一例を示す断面図である。図17に示す通り、有機EL装置301は、基板311、回路素子部321、画素電極331、バンク部341、発光素子351、陰極361(対向基板)、及び封止用基板371から構成された有機EL素子302に、フレキシブル基板(図示省略)の配線及び駆動IC(図示省略)を接続したものである。回路素子部321は基板311上に形成され、複数の画素電極331が回路素子部321上に整列している。そして、各画素電極331間にはバンク部341が格子状に形成されており、バンク部341により生じた凹部開口344に、発光素子351が形成されている。陰極361は、バンク部341及び発光素子351の上部全面に形成され、陰極361の上には、封止用基板371が積層されている。
有機EL素子を含む有機EL装置301の製造プロセスは、バンク部341を形成するバンク部形成工程と、発光素子351を適切に形成するためのプラズマ処理工程と、発光素子351を形成する発光素子形成工程と、陰極361を形成する対向電極形成工程と、封止用基板371を陰極361上に積層して封止する封止工程とを備えている。
発光素子形成工程は、凹部開口344、即ち画素電極331上に正孔注入/輸送層352及び発光層353を形成することにより発光素子351を形成するもので、正孔注入/輸送層形成工程と発光層形成工程とを有している。そして、正孔注入/輸送層形成工程は、正孔注入/輸送層352を形成するための第1組成物(機能液)を各画素電極331上に吐出する第1液滴吐出工程と、吐出された第1組成物を乾燥させて正孔注入/輸送層352を形成する第1乾燥工程とを有し、発光層形成工程は、発光層353を形成するための第2組成物(機能液)を正孔注入/輸送層352の上に吐出する第2液滴吐出工程と、吐出された第2組成物を乾燥させて発光層353を形成する第2乾燥工程とを有している。この発光素子形成工程では、吐出装置を用いて上記発光素子を形成する。
図18は、プラズマ型表示装置の構成の一部を示す分解斜視図である。図18に示す通り、プラズマ型表示装置400は、互いに対向して配置された基板401,402及びこれらの基板401,402の間に形成される放電表示部410を含んで構成される。放電表示部410は、複数の放電室416が集合されたものである。複数の放電室416のうち、赤色放電室416(R)、緑色放電室416(G)、青色放電室416(B)の3つの放電室416が対になって1画素を構成するように配置されている。
基板401の上面には所定の間隔でストライプ状にアドレス電極411が形成され、アドレス電極411と基板401の上面とを覆うように誘電体層419が形成されている。誘電体層419上には、アドレス電極411,411間に位置し、且つ各アドレス電極411に沿うように隔壁415が形成されている。隔壁415は、アドレス電極411の幅方向左右両側に隣接する隔壁と、アドレス電極411と直交する方向に延設された隔壁とを含む。また、隔壁415によって仕切られた長方形状の領域に対応して放電室416が形成されている。また、隔壁415によって区画される長方形状の領域の内側には蛍光体417が配置されている。蛍光体417は、赤、緑、青の何れかの蛍光を発光するものであり、赤色放電室416(R)の底部には赤色蛍光体417(R)が、緑色放電室416(G)の底部には緑色蛍光体417(G)が、青色放電室416(B)の底部には青色蛍光体417(B)がそれぞれ配置されている。
一方、基板402には、先のアドレス電極411と直交する方向に複数の表示電極412がストライプ状に所定の間隔で形成されている。更に、これらを覆うように誘電体層413、及びMgO等からなる保護膜414が形成されている。基板401と基板402とは、アドレス電極411と表示電極412とを互いに直交させるように対向させて相互に貼り合わされている。アドレス電極411及び表示電極412は、図示略の交流電源に接続されている。各電極に通電することにより、放電表示部410において蛍光体417が励起発光してカラー表示が可能となる。本発明の実施形態による吐出装置は、隔壁415によって区画される長方形状の領域の内側に蛍光体417を配置するために用いられる。
図19は、電界放出素子を備えた電界放出ディスプレイ(FED)の構成を示す図であって、(a)はFEDを構成するカソード基板とアノード基板の配置関係を概略的に示す分解斜視図であり、(b)はFEDのカソード基板に設けられる駆動回路の概略構成を示す回路図であり、(c)はカソード基板の要部を示す斜視図である。図19(a)に示す通り、FED500は、カソード基板500aとアノード基板500bとを対向配置した構成である。
カソード基板500aは、図19(a),(b)に示す通り、ゲート線501と、エミッタ線502と、ゲート線501及びエミッタ線502に接続された電界放出素子503とからなる所謂単純マトリクス駆動回路を備えている。ゲート線501にはゲート信号V1,V2,…,Vmが供給され、エミッタ線502には、エミッタ信号W1,W2,…,Wnが供給される。また、アノード基板500bは、電子が当ることにより発光する性質を有する蛍光体を備えており、この蛍光体として赤、緑、青の何れかの蛍光を発光する蛍光体が設けられている。
図19(c)に示す通り、電界放出素子503はエミッタ線502に接続されたエミッタ電極503aと、ゲート線501に接続されたゲート電極503bとを備えた構成である。また、エミッタ電極503aは、エミッタ電極503a側からゲート電極503bに向かって小径化するエミッタティップ505と呼ばれる突起部を備えており、このエミッタティップ505に対応した位置にはゲート電極503bに孔部504が形成されており、この孔部504内にエミッタティップ505の先端が配置されている。
電界放出素子503に設けられたエミッタ電極503aとゲート電極503bとの間に電圧を供給すると、電界の作用によってエミッタティップ505から孔部504に向かって電子510が移動し、エミッタティップ505の先端から電子510が放出される。能出された電子510が、カソード基板500aに対向配置されたアノード基板500bの蛍光体に当たることで蛍光体が発光する。このため、ゲート線501のゲート信号V1,V2,…,Vm、及びエミッタ線502のエミッタ信号W1,W2,…,Wnを制御してFED500を駆動すれば所望の色を表示させることが可能になる。本発明の実施形態による吐出装置は、アノード基板500bに蛍光体を配置するために用いられる。
上記の液晶表示装置、有機EL装置、プラズマ型表示装置、FED等のデバイスは、ノート型コンピュータ及び携帯電話等の電子機器に設けられる。だだし、本発明にいう電子機器は、上記のノート型コンピュータ及び携帯電話に限られる訳ではなく、種々の電子機器に適用することができる。例えば、液晶プロジェクタ、マルチメディア対応のパーソナルコンピュータ(PC)及びエンジニアリング・ワークステーション(EWS)、ページャ、ワードプロセッサ、テレビ、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、電子手帳、電子卓上計算機、カーナビゲーション装置、POS端末、タッチパネルを備えた装置等の電子機器に適用することが可能である。
本発明の液滴吐出装置の概略構成を示す斜視図。 吐出ヘッド20の分解斜視図。 吐出ヘッド20の主要部の一部を示す透視図。 本発明の液滴吐出装置の電気的な機能構成を示すブロック図。 駆動信号COMの基本波形の一例を示す図。 圧電体素子150の液滴吐出時における動作を示す図。 基板の一部を拡大した被塗布領域の断面拡大図。 打ち消し波形を含む駆動信号の一例を示す図。 本実施形態の駆動信号を用いて吐出される液滴吐出状況を示す図。 駆動信号の第1変形例を示す図。 駆動信号の第2変形例を示す図。 液滴吐出装置IJを用いたカラーフィルタ基板の製造工程を示す図。 カラーフィルタ基板のRGBパターン例を示す図。 カラーフィルタ基板製造時の液滴の着弾状況の一例を示す図。 マイクロレンズアレイの説明図。 マイクロレンズアレイの説明図。 有機EL装置の構成の一例を示す断面図。 プラズマ型表示装置の構成の一部を示す分解斜視図。 電界放出素子を備えた電界放出ディスプレイの構成を示す図。
符号の説明
20 吐出ヘッド(液滴吐出ヘッド)、26 制御装置(駆動部)、60 駆動回路(駆動部)、111 ノズル開口、121 キャビティ、150 圧電体素子(圧力発生素子)、c1,c2,…引込部(第1波形部)、d1,d2,… 押出部(第3波形部)、h1,h2,… 保持部(第2波形部)、i1,i2,… 引込部(第4波形部)、COM 駆動信号、w0 抑制波形、w11,w12 終端波形、D 液滴、PA 被塗布領域、 L 塗布液


Claims (11)

  1. 所定の液体を収容するキャビティと、印加される駆動信号に応じた圧力を前記キャビティ内に発生させる圧力発生素子と、前記圧力発生素子により加圧された前記液体が液滴として吐出されるノズル開口とを有する液滴吐出ヘッドの駆動方法であって、
    前記駆動信号に応じて前記ノズル開口から複数の前記液滴を順次吐出し、当該液滴を被塗布領域に着弾させて塗布液を塗布し、
    前記液滴が前記被塗布領域に着弾した際に、当該塗布液の外側方向の振動と、当該塗布液の内側方向の振動とが生じ、
    前記塗布液の内側方向の振動が生じると同時に、前記液滴が前記被塗布領域に着弾するように、前記圧力発生素子に前記駆動信号を印加することを特徴とする液滴吐出ヘッドの駆動方法。
  2. 前記駆動信号は、連続した複数の波形からなる波形群を含み、
    当該波形群のうちの少なくとも一つの波形は、前記塗布液の内側方向の振動を打ち消すための液滴を吐出する打ち消し波形であり、
    前記圧力発生素子に当該打ち消し波形を印加することを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出ヘッドの駆動方法。
  3. 前記波形群のうち少なくとも一つの波形は、前記キャビティ内に収容される前記液体の前記キャビティにおける振動周期にほぼ同期する同期波形であり、
    前記圧力発生素子に当該同期波形を印加することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液滴吐出ヘッドの駆動方法。
  4. 前記波形は、前記キャビティの容積を増大させて前記キャビティ内に負圧を発生させる第1波形部と、
    前記圧力発生素子の駆動を一定時間停止する第2波形部と、
    前記キャビティの容積を急激に減少させて前記キャビティ内を加圧する第3波形部と、
    前記圧力発生素子の駆動を一定時間停止する第4波形部と、
    からなることを特徴とする請求項2又は請求項3記載の液滴吐出ヘッドの駆動方法。
  5. 前記駆動信号は、前記ノズル開口における前記液体の振動を抑制する抑制波形を含むことを特徴とする請求項4記載の液滴吐出ヘッドの駆動方法。
  6. 前記波形群に含まれる波形の各々は、波高値が徐々に小さくなる波形であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の液滴吐出ヘッドの駆動方法。
  7. 前記液滴が前記被塗布領域に着弾する際の前記塗布液の振動を撮像し、当該撮像した画像から前記塗布液の内側方向の振動が生じる時間を測定し、当該測定結果に基づいて前記駆動信号を作成することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の液滴吐出ヘッドの駆動方法。
  8. 前記被塗布領域の周囲には隔壁が設けられており、当該隔壁の内側の前記被塗布領域に前記塗布液を充填させることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の液滴吐出ヘッドの駆動方法。
  9. 所定の液体を収容するキャビティと、印加される駆動信号に応じた圧力を前記キャビティ内に発生させる圧力発生素子と、前記圧力発生素子により加圧された前記液体が液滴として吐出されるノズル開口とを有する液滴吐出ヘッドを備える液滴吐出装置であって、
    前記駆動信号に応じて前記ノズル開口から複数の前記液滴を順次吐出し、当該液滴を被塗布領域に着弾させて塗布液を塗布し、
    前記液滴が前記被塗布領域に着弾した際に、当該塗布液の外側方向の振動と、当該塗布液の内側方向の振動とが生じ、
    前記塗布液の内側方向の振動が生じると同時に、前記液滴が前記被塗布領域に着弾するように、前記圧力発生素子に前記駆動信号を印加することを特徴とする液滴吐出装置。
  10. 所定箇所に機能性を有するパターンが形成されたワークを備えたデバイスの製造方法であって、
    請求項1から請求項8の何れか一項に記載の液滴吐出ヘッドの駆動方法、又は、請求項9に記載の液滴吐出装置を用いて、前記液滴吐出ヘッドが備える前記ノズル開口から前記所定の液体を吐出する吐出工程を含むことを特徴とするデバイスの製造方法。
  11. 請求項10記載のデバイスの製造方法を用いて製造されたことを特徴とするデバイス。


JP2004259316A 2004-09-07 2004-09-07 液滴吐出ヘッドの駆動方法、液滴吐出装置、デバイスの製造方法、及びデバイス Expired - Fee Related JP4631364B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004259316A JP4631364B2 (ja) 2004-09-07 2004-09-07 液滴吐出ヘッドの駆動方法、液滴吐出装置、デバイスの製造方法、及びデバイス

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004259316A JP4631364B2 (ja) 2004-09-07 2004-09-07 液滴吐出ヘッドの駆動方法、液滴吐出装置、デバイスの製造方法、及びデバイス

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006075660A true JP2006075660A (ja) 2006-03-23
JP4631364B2 JP4631364B2 (ja) 2011-02-16

Family

ID=36155568

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004259316A Expired - Fee Related JP4631364B2 (ja) 2004-09-07 2004-09-07 液滴吐出ヘッドの駆動方法、液滴吐出装置、デバイスの製造方法、及びデバイス

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4631364B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009533253A (ja) * 2006-04-12 2009-09-17 フジフィルム ディマティックス, インコーポレイテッド 液滴射出装置および液滴射出方法
JP2011000545A (ja) * 2009-06-19 2011-01-06 Sharp Corp 液滴塗布状態判定装置および液滴塗布状態判定方法及びそれを用いた液滴塗布装置
JP2014028447A (ja) * 2012-07-31 2014-02-13 Seiko Epson Corp 液体吐出装置及びその制御方法
JP2014028450A (ja) * 2012-07-31 2014-02-13 Seiko Epson Corp 液体吐出装置及びその制御方法
US9381740B2 (en) 2004-12-30 2016-07-05 Fujifilm Dimatix, Inc. Ink jet printing

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03189166A (ja) * 1989-12-19 1991-08-19 Canon Inc インクジェット記録方法
JP2001188116A (ja) * 1999-12-27 2001-07-10 Seiko Epson Corp 電気光学装置部品の製造方法
JP2002365424A (ja) * 2001-06-12 2002-12-18 Matsushita Electric Ind Co Ltd カラーフィルタの製造方法および製造装置
JP2003266010A (ja) * 2002-11-14 2003-09-24 Seiko Epson Corp 液滴吐出による材料の配置方法、表示装置、表示装置の製造方法、及び、電子機器
JP2004058428A (ja) * 2002-07-29 2004-02-26 Ricoh Co Ltd インクジェット記録装置
JP2004154763A (ja) * 2002-09-12 2004-06-03 Seiko Epson Corp 製膜装置とその駆動方法、及びデバイス製造方法とデバイス製造装置並びにデバイス
JP2006035076A (ja) * 2004-07-26 2006-02-09 Seiko Epson Corp 液滴付与方法、液滴吐出装置、電気光学装置の製造方法および電子機器

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03189166A (ja) * 1989-12-19 1991-08-19 Canon Inc インクジェット記録方法
JP2001188116A (ja) * 1999-12-27 2001-07-10 Seiko Epson Corp 電気光学装置部品の製造方法
JP2002365424A (ja) * 2001-06-12 2002-12-18 Matsushita Electric Ind Co Ltd カラーフィルタの製造方法および製造装置
JP2004058428A (ja) * 2002-07-29 2004-02-26 Ricoh Co Ltd インクジェット記録装置
JP2004154763A (ja) * 2002-09-12 2004-06-03 Seiko Epson Corp 製膜装置とその駆動方法、及びデバイス製造方法とデバイス製造装置並びにデバイス
JP2003266010A (ja) * 2002-11-14 2003-09-24 Seiko Epson Corp 液滴吐出による材料の配置方法、表示装置、表示装置の製造方法、及び、電子機器
JP2006035076A (ja) * 2004-07-26 2006-02-09 Seiko Epson Corp 液滴付与方法、液滴吐出装置、電気光学装置の製造方法および電子機器

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9381740B2 (en) 2004-12-30 2016-07-05 Fujifilm Dimatix, Inc. Ink jet printing
JP2009533253A (ja) * 2006-04-12 2009-09-17 フジフィルム ディマティックス, インコーポレイテッド 液滴射出装置および液滴射出方法
JP2011000545A (ja) * 2009-06-19 2011-01-06 Sharp Corp 液滴塗布状態判定装置および液滴塗布状態判定方法及びそれを用いた液滴塗布装置
JP2014028447A (ja) * 2012-07-31 2014-02-13 Seiko Epson Corp 液体吐出装置及びその制御方法
JP2014028450A (ja) * 2012-07-31 2014-02-13 Seiko Epson Corp 液体吐出装置及びその制御方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4631364B2 (ja) 2011-02-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7850267B2 (en) Method of controlling drive of function liquid droplet ejection head; function liquid droplet ejection apparatus; electro-optic device; method of manufacturing LCD device, organic EL device, electron emission device, PDP device, electrophoretic display device, color filter, organic EL; method of forming spacer, metallic wiring, lens, resist, and light diffusion body
KR100690539B1 (ko) 액체 방울 토출 장치, 전기 광학 장치, 전기 광학 장치의제조 방법 및 전자 기기
JP4888346B2 (ja) 液状体の塗布方法、有機el素子の製造方法
US7490920B2 (en) Method of driving droplet jetting head, droplet jetting apparatus, and device manufacturing method
KR100633366B1 (ko) 헤드 구동 장치 및 방법과, 액적 토출 장치
TW200403152A (en) Device for manufacturing display, and method for manufacturing display
JP2008149292A (ja) 液状体の描画方法、カラーフィルタの製造方法、有機el素子の製造方法
CN107215114B (zh) 控制膜厚度分布的喷墨印刷方法及制造显示装置的方法
JP2007152339A (ja) 吐出方法およびカラーフィルタの製造方法、電気光学装置および電子機器
JP2017056402A (ja) 液滴吐出方法、液滴吐出プログラム、液滴吐出装置
KR20060047348A (ko) 액적 토출 장치, 전기 광학 장치, 전자 기기 및 액적 토출방법
JP4631364B2 (ja) 液滴吐出ヘッドの駆動方法、液滴吐出装置、デバイスの製造方法、及びデバイス
JP2007130536A (ja) 液滴吐出量測定方法、液滴吐出量測定用治具、液滴吐出量調整方法、液滴吐出量測定装置、描画装置、デバイス及び電気光学装置並びに電子機器
JP2006061806A (ja) 液滴吐出ヘッドの駆動方法、液滴吐出装置、デバイスの製造方法、及びデバイス
WO2016166965A1 (ja) 液滴吐出方法、液滴吐出装置、プログラム
JP2005305241A (ja) 液滴吐出装置を用いた描画方法および液滴吐出装置、並びに電気光学装置の製造方法、電気光学装置および電子機器
JP2009183859A (ja) 液滴吐出装置及び薄膜形成方法
JP4325483B2 (ja) ワーク処理装置、液滴吐出装置、並びに電気光学装置の製造方法
JP2005349385A (ja) 液滴吐出装置、電気光学装置、電子機器、および液滴吐出方法
JP2009183857A (ja) 液滴吐出装置及び薄膜形成方法
JP2007007544A (ja) 液滴吐出方法、液滴吐出装置、電気光学装置及び電子機器
JP2007125514A (ja) 液滴吐出量測定方法、液滴吐出量測定用治具、液滴吐出量調整方法、液滴吐出量測定装置、描画装置、デバイス及び電気光学装置並びに電子機器
JP2017094235A (ja) 液滴吐出方法および液滴吐出プログラム
JP2010210986A (ja) 液滴吐出方法及びカラーフィルターの製造方法
JP2010269227A (ja) 液滴吐出装置

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20070403

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070611

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100210

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100525

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100706

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100727

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100902

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101019

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101101

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4631364

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131126

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313532

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees