JP2014028446A - 液体吐出装置及びその制御方法 - Google Patents

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Noboru Tamura
登 田村
Shinichi Yamada
慎一 山田
Akihito Sato
彰人 佐藤
Toru Matsuyama
徹 松山
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Abstract

【課題】適切なインク吐出量や適切なドット形成位置を実現するように駆動信号の波形部分を適切に使用する。
【解決手段】液滴吐出データに応じて液滴を吐出する液体吐出装置は、駆動信号を生成する駆動信号生成部と、液体吐出ヘッドと、を備える。前記駆動信号は周期的な信号である。前記駆動信号の1周期は、(i)前記液体吐出ヘッドの1回の主走査中に、前記液滴吐出データに応じて前記液滴を吐出するために使用される液滴吐出波形部分である1つ以上の使用可能波形部分と、(ii)前記1回の主走査中に、前記液滴吐出データに拘わらず前記液滴を吐出するために使用されない液滴吐出波形部分である1つ以上の使用不可波形部分と、を含む。
【選択図】図6

Description

本発明は、インクなどの液体を吐出する液体吐出装置及びその制御方法に関するもので
ある。
代表的な液体吐出装置として、圧電素子を用いてノズルからインクを吐出するタイプの
インクジェットプリンターが存在する。このタイプのインクジェットプリンターでは、個
々のノズルにインク室が設けられており、圧電素子を駆動してインク室の容積を変化させ
ることによってノズルからインクを吐出させる。このようなインクジェットプリンターを
、以下では「圧電方式のインクジェットプリンター」と呼ぶ。圧電方式のインクジェット
プリンターでは、インク吐出を継続するとヘッド駆動回路の温度が上昇することが知られ
ており、ヘッド駆動回路の過熱を防止するための工夫がなされている。例えば、特許文献
1のインクジェットプリンターでは、温度センサーを用いずにヘッド駆動回路の温度を推
定し、この推定値が制限値を超えないように制御を行うことによってヘッド駆動回路の過
熱を防止している。
特開2009−056669号公報 特開2008−044233号公報 特開2003−266700号公報
特許文献1のインクジェットプリンターは、ヘッド駆動回路が印刷ヘッドから離れた位
置(プリンター本体)に設けられているタイプのプリンターである。本願の発明者らは、
このようなタイプのプリンターにおいて、ヘッド駆動回路の温度上昇ではなく、印刷ヘッ
ド自身の温度上昇が問題となる場合があることを発見した。すなわち、大きな印刷用紙(
例えばA2サイズ以上の用紙)の上に印刷を行う場合には、圧電素子の発熱により印刷ヘ
ッドの温度が徐々に上昇して、印刷ヘッドが過熱する恐れがあることを見いだした。
また、インクジェットプリンターでは、駆動信号の波形を工夫することによって、ノズ
ルのメニスカスを安定化することや、インクの増粘を抑制することも望まれていた(例え
ば特許文献2)。
なお、特許文献1の図5にも例示されているように、従来から、複数の駆動波形部分を
含む駆動信号を用いる場合がある。複数の駆動波形部分のうちの1つを選択して圧電素子
に印加すると、その後に、圧電素子の残留振動がある程度継続する。このような残留振動
が存在する間に次の駆動波形部分を圧電素子に印加すると、正しい量のインクを吐出でき
ないという問題もあった。
更に、個々のインクジェットプリンターにおいて、その特性に応じて、適切なインク吐
出量や、適切なドット形成位置を実現することも望まれていた。例えば、同じ型式のイン
クジェットプリンターにおいても、個々のプリンター毎の製造誤差に応じて、個々のプリ
ンター毎に適切なインク吐出量や適切なドット形成位置を実現する工夫が望まれていた。
或いは、同じインクジェットプリンターにおいても、種々の印刷モードや印刷動作(例え
ば往動時と復動時)に応じて、適切なインク吐出量や適切なドット形成位置を実現する工
夫が望まれていた(例えば特許文献3)。
そのほか、従来のインクジェットプリンターにおいては、画質の向上、部品の長寿命化
、省電力化、回路動作の安定化等も望まれていた。
なお、上述のような種々の課題は、インクジェットプリンターに限らず、圧電素子を利
用して液体を吐出するヘッドを有する液体吐出装置に共通するものである。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の
形態(aspect)として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、液滴吐出データに応じて液滴を吐出する液体吐出装置が
提供される。この液体吐出装置は、少なくとも1つ以上の波形部分を有する駆動信号を生
成する駆動信号生成部と、前記駆動信号の少なくとも一部を圧電素子に印加してノズルか
ら液滴を吐出させる液体吐出ヘッドと、を備える。前記駆動信号は周期的な信号である。
前記駆動信号の1周期は、(i)前記液体吐出ヘッドの1回の主走査中に、前記液滴吐出
データに応じて前記液滴を吐出するために使用される液滴吐出波形部分である1つ以上の
使用可能波形部分と、(ii)前記1回の主走査中に、前記液滴吐出データに拘わらず前
記液滴を吐出するために使用されない液滴吐出波形部分である1つ以上の使用不可波形部
分と、を含む。
この形態では、駆動信号の1周期に、液滴吐出波形部分として、使用可能波形部分と使
用不可波形とが発生するので、種々の条件に応じて、適切な液滴吐出量又は適切なドット
形成位置を実現するように駆動信号の液滴吐出波形部分を適切に使用できる。
(2)本発明の一形態において、前記使用不可波形部分は、前記駆動信号の1周期に発生
するいずれかの前記使用可能波形部分と同じ形状を有するものとしてもよい。
この形態では、同一の形状を有する複数の液滴吐出波形部分のうちの1つを使用不可波
形部分とし、他の1つを使用可能波形部分とすることができる。従って、種々の条件に応
じて、同一の形状を有する複数の液滴吐出波形分を、使用不可波形部分と使用可能波形部
分のいずれとするかを適宜選択することによって、適切な液滴吐出量又は適切なドット形
成位置を実現することができる。
(3)本発明の一形態において、前記駆動信号生成部は、前記使用不可波形部分として、
前記駆動信号の1周期に発生する個々の前記使用可能波形部分と同じ形状を有する前記使
用不可波形部分を、前記駆動信号の1周期に発生するようにしてもよい。
この形態では、駆動信号の1周期に発生するすべての形状の液滴吐出波形部分に関して
、同一の形状を有する複数の液滴吐出波形分を、使用不可波形部分と使用可能波形部分の
いずれとするかを適宜選択することによって、適切な液滴吐出量又は適切なドット形成位
置を実現することができる。
(4)本発明の一形態において、前記駆動信号生成部は、前記駆動信号の1周期に発生す
る複数の液滴吐出波形部分のそれぞれを前記使用可能波形部分と前記使用不可波形部分の
いずれとするか、を液体吐出動作モードに従って切り換えるようにしてもよい。
この形態では、液体吐出動作モードに応じて、複数の液滴吐出波形分を、使用不可波形
部分と使用可能波形部分のいずれとするかを切り換えることができ、この結果、適切な液
滴吐出量又は適切なドット形成位置を実現することができる。
(5)本発明の一形態において、前記駆動信号生成部は、前記液体吐出動作モードとして
、印刷解像度と、前記液体吐出ヘッドの往復動作を行うか否かと、個々の主走査線上にお
ける液滴の吐出を完了するために行われる主走査回数である主走査繰り返し数と、を含む
複数の走査パラメーターに応じて決定される複数のモードのいずれかを実行するようにし
てもよい。
この形態では、複数の走査パラメーターに応じて決定される複数のモードのうちのいず
れを実行するかに応じて、複数の液滴吐出波形分を、使用不可波形部分と使用可能波形部
分のいずれとするかを切り換えるので、複数のモード毎に適切な液滴吐出量又は適切なド
ット形成位置を実現することができる。
(6)本発明の一形態において、前記駆動信号生成部は、前記駆動信号の1周期に発生す
る複数の液滴吐出波形部分のそれぞれを前記使用可能波形部分と前記使用不可波形部分の
いずれとするか、を前記液体吐出装置の装置識別子に従って切り換えるようにしてもよい

この形態では、液体吐出装置の装置識別子に従って、複数の液滴吐出波形分を、使用不
可波形部分と使用可能波形部分のいずれとするかを切り換えるので、装置識別子で識別さ
れる個々の装置毎に適切な液滴吐出量又は適切なドット形成位置を実現することができる
本発明の他の形態は、駆動信号を生成する信号生成部と、ヘッドと、の2つの要素の内
の一つ以上の要素を備えた装置としても実現可能である。すなわち、この装置は、信号生
成部を有していても良く、有していなくても良い。また、装置は、ヘッドを有していても
良く、有していなくても良い。信号生成部が生成する駆動信号は、周期的な信号としても
良く、或いは、周期的でない信号としてもよい。駆動信号の1周期は、使用可能波形部分
と使用不可波形部分の2種類の液滴吐出波形部分を含むように構成されていてもよく、こ
れ以外の波形部分を含むように構成されていてもよい。使用可能波形部分は、例えば、液
体吐出ヘッドの1回の主走査中に、液滴吐出データに応じて前記液滴を吐出するために使
用される液滴吐出波形部分である。使用不可波形部分は、例えば、液体吐出ヘッドの1回
の主走査中に、液滴吐出データに拘わらず前記液滴を吐出するために使用されない液滴吐
出波形部分である。好ましい例では、1回の主走査中において、使用可能波形部分を用い
て液滴を吐出することは許容されるが、使用不可波形部分を用いて液滴を吐出することは
禁止される。使用不可波形部分は、例えば、圧電素子に印加されるとノズルから液滴が吐
出されるが実際には圧電素子に印加されることが禁止される波形である。
こうした装置は、例えば液体吐出装置として実現できるが、液体吐出装置以外の他の装
置としても実現可能である。このような形態によれば、ヘッドの加熱防止や、ノズルのメ
ニスカスの安定化、インクの増粘の抑制、画質の向上、部品の長寿命化、省電力化、回路
動作の安定化等の種々の課題の少なくとも1つを解決することができる。前述した各形態
の技術的特徴の一部又は全部は、いずれもこの装置に適用することが可能である。
本発明は、装置以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、液体吐出方法
および装置、その制御方法および制御装置、それらの方法または装置の機能を実現するた
めのコンピュータープログラム、そのコンピュータープログラムを記録した一時的でない
記録媒体(non-transitory storage medium)等の形態で実現することができる。
本発明の実施例における印刷システムの概略構成を示す説明図。 制御部の内部構成を示すブロック図。 スイッチング制御部の構成を示すブロック図。 参考例の駆動信号の波形を示すタイミングチャート。 ドットサイズと選択パルスの関係の例を示す説明図。 第1実施形態の駆動信号の波形を示すタイミングチャート。 インクジェットプリンターの特性に応じてインク吐出パルスの使用の許否を切り換える例を示す説明図。 第2実施形態の駆動信号の波形を示すタイミングチャート。 第3実施形態の駆動信号の波形を示すタイミングチャート。 第3実施形態における往動時と復動時のパルスの使用状態を示すタイミングチャート。 第2参考例における往動時と復動時のパルスの使用状態を示すタイミングチャート。 第3実施形態と第2参考例におけるドットの配置例を示す説明図。 非多重主走査記録方式の説明図。 多重主走査記録方式の説明図。 第4実施形態において多重主走査記録方式で印刷を行う場合の駆動信号パルスの使用状態を説明する説明図。 第4実施形態における印刷モードを示す説明図。 第4実施形態における動作モードと選択パルスの関係例を示す説明図。
以下の順番に従って各種の実施形態を説明する。
・第1実施形態:冗余インク吐出パルスの使用例1
・第2実施形態:冗余インク吐出パルスの使用例2
・第3実施形態:往復動作における冗余インク吐出パルスの使用例
・第4実施形態:多重主走査記録方式における駆動信号の使用例
・変形例
・第1実施形態:冗余インク吐出パルスの使用例1
図1は、本発明の一実施形態における印刷システムの概略構成を示す説明図である。本
実施形態の印刷システムは、プリンター100と、プリンター100に印刷データPDを
供給するホストコンピューター90と、を備えている。プリンター100は、コネクター
12を介してホストコンピューター90と接続されている。
本実施形態のプリンター100は、液滴を吐出する液体吐出装置の1種であるインクジ
ェットプリンターである。プリンター100は、液体としてのインクを吐出することによ
って印刷媒体上にインクドットを形成し、これにより、印刷データPDに応じた文字、図
形、画像等を記録する。なお、印刷データPDは、プリンター100内部で作成されても
良い。印刷データPDは、液滴が吐出されることによって媒体の上に描かれる画像を表す
データであり、「液滴吐出データ」とも呼ぶ。
このプリンター100は、印刷ヘッド60を搭載するキャリッジ30(搬送台)と、キ
ャリッジ30を主走査方向(図1の左右方向)に沿って往復移動させる主走査動作を行う
主走査駆動機構と、印刷媒体としての用紙Pを主走査方向と交差する副走査方向に搬送す
る副走査動作を行う副走査駆動機構と、印刷に関する種々の指示・設定操作を行うための
操作パネル14と、プリンター100の各部を制御する制御部40と、を備えている。な
お、キャリッジ30は、フレキシブルケーブルを介して制御部40と接続されている。
プリンター100によって印刷を行う際には、印刷ヘッド60を主走査方向に移動させ
ながら印刷ヘッド60のノズルからインクを吐出させる主走査動作と、印刷媒体に対する
印刷ヘッド60の位置を副走査方向に相対的に移動させる副走査動作と、が繰り返し実行
される。
キャリッジ30を主走査方向に沿って往復移動させる主走査駆動機構は、キャリッジモ
ーター32と、主走査方向と平行に架設されてキャリッジ30を摺動可能に保持する摺動
軸34と、プーリー38と、を有している。キャリッジモーター32とプーリー38は、
摺動軸34の両端付近に配置されており、両者の間には無端の駆動ベルト36が張り渡さ
れている。キャリッジ30は、駆動ベルト36に連結されている。キャリッジモーター3
2が回転すると駆動ベルト36が回転し、これに応じてキャリッジ30が摺動軸34に沿
って移動する。なお、キャリッジ30は、往動と復動の双方向に移動可能である。例えば
、往動はキャリッジ30が図1の右方向に向かう動作であり、復動は左方向に向かう動作
である。
用紙Pを副走査方向に搬送する副走査駆動機構は、紙送りモーター22を有している。
紙送りモーター22の回転は用紙搬送ローラー26に伝達され、用紙搬送ローラー26の
回転により用紙Pが副走査方向に沿って搬送される。
キャリッジ30には、それぞれ所定の色(例えば、シアン(C)、ライトシアン(Lc
)、マゼンタ(M)、ライトマゼンタ(Lm)、イエロー(Y)、ブラック(K))のイ
ンクが収容された複数のインクカートリッジ70が搭載される。インクカートリッジ70
に収容されたインクは、印刷ヘッド60に供給される。必ずしも、インクカードリッジは
キャリッジに搭載される必要はなく、インクカードリッジを装着する機構を別に持ち、そ
こからキャリッジに搭載された印刷ヘッドにインクが供給される機構を設けてもよい。印
刷ヘッド60は、インクを吐出する複数のノズルと、各ノズルに対応して設けられた圧電
素子とを有している。本実施形態では、ノズル駆動素子として、容量性負荷である圧電素
子(ピエゾ素子)を用いている。圧電素子に駆動信号が印加されると、ノズルに連通する
インク室の振動板が変形してインク室内に圧力変化を生じさせ、その圧力変化によってノ
ズルからインクが吐出される。インクの吐出量は、圧電素子に印加される駆動信号の波高
値や、駆動信号の電圧変化の傾きなどの波形パラメーターに応じて変化する。これらの波
形パラメーターを変化させることによって、印刷媒体上に形成されるインクドットの大き
さを変更することができる。なお、本明細書において、インクドットを単に「ドット」と
も呼ぶ。
図2は、制御部40の内部構成を示すブロック図である。制御部40は、第1のインタ
ーフェイス41と、第1のインターフェイス41を介して入力された印刷データPDに基
づいて各種の処理を実行する主制御部42と、紙送りモーター22を駆動する紙送りモー
ター駆動部43と、印刷ヘッド60を駆動するヘッド駆動部45と、キャリッジモーター
32を駆動するキャリッジモーター駆動部46と、第2のインターフェイス47と、を有
している。また、プリンター100は、キャリッジ30の移動に伴ってパルス状の出力信
号を制御部40に出力するエンコーダー33を備えている。主制御部42は、エンコーダ
ー33の出力信号に基づいて、キャリッジ30の主走査方向に沿った位置を検出する。な
お、本明細書では、ヘッド駆動部45を「ヘッド駆動信号生成部」とも呼ぶ。また、3つ
の駆動部43,45,46を含む制御部40の全体を、「駆動信号生成部」とも呼ぶ。
主制御部42は、CPU51と、RAM52と、ROM53と、を含んでいる。主制御
部42による各種の機能は、RAM52又はROM53に格納されたコンピュータープロ
グラムをCPU51が実行することによって実現される。
主制御部42は、ホストコンピューター90から入力された印刷データPDを受領する
。主制御部42は、印刷データPDに各種の処理を実行することによって印刷ヘッド60
を駆動するために使用する各種のデータを生成して、ヘッド駆動部45に出力する。また
、主制御部42は、エンコーダー33の出力信号に基づいて、印刷ヘッド60の駆動タイ
ミングを規定するタイミング信号PTSを生成して、ヘッド駆動部45に供給する。ヘッ
ド駆動部45は、主制御部42から与えられた各種のデータや信号に従って、基準クロッ
ク信号SCKと、ラッチ信号LATと、パルス選択信号PSSと、チャンネル信号CHと
、駆動信号COMとを含む制御信号を生成し、これらの制御信号を印刷ヘッド60に供給
する。主制御部42は、更に、紙送りモーター駆動部43やキャリッジモーター駆動部4
6に対して、各々の駆動動作に使用する信号を出力する。紙送りモーター駆動部43は、
紙送りモーター22を駆動するための制御信号を出力する。キャリッジモーター駆動部4
6は、キャリッジモーター32を駆動するための制御信号を出力する。
図3は、印刷ヘッド60内に設けられているスイッチング制御部61の構成を示すブロ
ック図である。スイッチング制御部61には、ヘッド駆動部45から、上述した各種の制
御信号PSS,SCK,LAT,CH,COMが供給される。スイッチング制御部61は
、パルス選択信号PSSを保存するシフトレジスター部63と、シフトレジスター部63
からの出力信号を一時的に保存するラッチ部64と、ラッチ部64からの出力信号の電圧
レベルをシフトして選択スイッチ部66に供給するレベルシフター部65と、駆動信号C
OMを個々の圧電素子67に選択的に供給する選択スイッチ部66とを有している。圧電
素子67は、個々のノズルからインクを吐出させるノズル駆動素子として機能する。なお
、シフトレジスター部63とラッチ部64とレベルシフター部65と選択スイッチ部66
のそれぞれは、ノズルの数(すなわち圧電素子67の数)に等しい回路要素をそれぞれ含
んでいる。例えば、印刷ヘッド60に存在するノズルの数が100個の場合には、シフト
レジスター部63は100個のシフトレジスターを含んでいる。他の回路部64,65,
66も同様である。なお、以下では、選択スイッチ部66に含まれる個々の選択スイッチ
を呼ぶ際にも、選択スイッチ部66と同じ符号「66」を付して「選択スイッチ66」と
呼ぶことがある。
シフトレジスター部63には、各ノズル用のパルス選択信号PSSが入力されて保存さ
れる。その後、基準クロック信号SCKの入力パルスに応じて、シフトレジスター部63
内におけるパルス選択信号PSSの記憶位置が順次後段にシフトする。パルス選択信号P
SSは、個々の圧電素子67に対して、駆動信号COMに含まれる複数のパルスのうちの
いずれのパルスを印加するかを決定するために使用される信号である。後で詳述するよう
に、このパルス選択信号PSSに応じて駆動信号COMの一部又は全部のインク吐出パル
スを圧電素子67に印加すると、インク量の異なる複数のインク滴のうちのいずれかのイ
ンク滴をノズルから吐出させることができる。ラッチ部64は、ラッチ信号LAT及びチ
ャンネル信号CHのパルス発生タイミングで、シフトレジスター部63の出力信号を順次
ラッチする。ラッチ信号LATは、1画素の記録動作の開始タイミングにおいてハイレベ
ルとなる信号である。チャンネル信号CHは、駆動信号COMに含まれる個々のパルスの
オン/オフを切り換える所定のタイミングにおいてそれぞれハイレベルとなる信号である
。ラッチ部64でラッチされた信号は、レベルシフター部65により、選択スイッチ66
をオン状態又はオフ状態にする電圧レベル(オンレベル又はオフレベル)に変換される。
レベルシフター部65の出力信号は、対応する選択スイッチ66の制御端子に供給されて
、個々の選択スイッチ66をオン又はオフする。こうしてオン状態となった選択スイッチ
66からは、その選択スイッチ66に接続された圧電素子67に駆動信号COMが供給さ
れる。一方、オフ状態となった選択スイッチ66からは、その選択スイッチ66に接続さ
れた圧電素子67に駆動信号COMが供給されない。なお、選択スイッチ66がオフ状態
となった後も、対応する圧電素子67の入力電圧(入力端子の電圧)はその直前の電圧に
維持されることが好ましい。図3中の符号HGNDは、圧電素子67の接地端である。本
明細書において、駆動信号COMは、複数の圧電素子67に共通に使用し得るので、「共
通駆動信号COM」とも呼ぶ。
図4は、参考例において印刷ヘッド60に供給される制御信号COM,LAT,CHの
一例を示す説明図である。ラッチ信号LATは、1つの画素(印刷画素)の開始タイミン
グt01に、1つのパルスが発生する信号である。ラッチ信号LATのパルスで規定され
る周期を「画素周期Px」と呼ぶ。駆動信号COMは、各々の画素周期Pxの中に、複数
のパルスDP1,DP2,VP1,DP3を含んでいる。これらのパルスDP1,DP2
,VP1,DP3以外の部分では、駆動信号COMは、予め設定された定常電位Vstに
維持されている。1つの画素周期Pxに発生する4つのパルスのうちの3つのパルスDP
1,DP2,DP3は、圧電素子67を駆動してノズルからインクを吐出するために使用
される一単位の波形部分である。これらのパルスDP1,DP2,DP3を、「インク吐
出パルス」とも呼ぶ。なお、「波形部分」とは、駆動信号COMの一部分であって、かつ
、電圧変化を含む一部分を意味する。また、「パルス」とは、駆動信号COMの電圧レベ
ルが変化している区間を少なくとも含み、その電圧レベルが定常電位Vstとは異なるレ
ベルに維持される区間を含み得る1つの連続した波形部分を意味する。「パルス」を、「
変動波形部分」又は「変動部分」とも呼ぶ。
図4のパルスVP1は、圧電素子67に印加されてもノズルからインクが吐出されない
が、ノズルにおけるメニスカスに微振動を与えるためのパルスである。このような微振動
パルスVP1は、ノズルのメニスカスの状態を改善するために使用される。例えば、微振
動パルスVP1は、メニスカスに微振動を与えることによって、その後のノズルからのイ
ンク吐出の特性を改善することを目的として使用可能である。あるいは、微振動パルスV
P1は、メニスカスに微振動を与えることによって、メニスカスとインク室におけるイン
クの流動を促進し、それらの場所におけるインクの粘度が過度に増大することを防止する
ことを目的として使用可能である。なお、微振動パルスVP1のように、そのパルスが単
独で圧電素子67に印加されてもノズルからインクが吐出されないパルスを「インク不吐
出パルス」とも呼ぶ。
駆動信号COMに含まれるパルスDP1,DP2,VP1,DP3の各々は、所定の定
常電位Vstから略台形状、略山状、略谷状などの波形を示すように変化し、最後に定常
電位Vstまで戻る1つの波形部分から構成されている。各パルスより前の期間、及び、
各パルスの後の期間では、駆動信号COMの電圧レベルが定常電位Vstに維持される。
なお、本明細書において、「駆動信号COMが定常電位Vstに維持される」という文言
は、ノイズや誤差によるわずかな変動は許容するものの、駆動信号COMのレベルがその
電位Vstから実質的に(有意に)変動しないことを意味する。「定常電位Vst」を「
中間電位Vst」とも呼ぶ。
インク室の構造にも依存するが、各パルスの立ち上がり部分は、例えば、ノズルに連通
するインク室の容積を拡大し、パルスの立ち下がり部分は、インク室の容積を縮小してイ
ンクをノズルから押し出す。そのため、これらのインク吐出パルスDP1,DP2,DP
3を圧電素子67に印加することにより、ノズルからインクが吐出されて、印刷媒体上の
画素位置にインクドットが形成される。一方、微振動パルスVP1は、電圧変化がインク
吐出パルスよりも少ないので、微振動パルスVP1を圧電素子67に印加しても、ノズル
からインクが吐出されることは無い。
駆動信号COMにおいて、インク吐出パルスDP1,DP2,DP3の波形(電圧変化
の傾きや波高値)は、互いに異なっている。インク吐出パルスの波形が異なると、インク
の吐出量(すなわち、印刷媒体上に形成されるインクドットの大きさ)が異なる。そこで
、個々の画素周期Pxにおいてインク吐出パルスDP1,DP2,DP3の中から1つま
たは複数のパルスを選択して圧電素子67に供給することにより、ノズルから所望の量の
インクを吐出することができる。ノズルからインクが吐出されたか否かは、印刷媒体上に
インクドットが形成されたか否かを調べることによって判定することができる。なお、或
る波形部分の「波高値」とは、その波形部分における電圧の極大値と極小値の両方を意味
する。パルスDP1,DP2,DP3の例のように、1つのパルスに複数の波高値が存在
する場合がある。或る波形部分における電圧の極大値と極小値のうちで、定常電位Vst
からの差分が最も大きな電圧を「ピーク電圧」とも呼ぶ。
図5は、ドットサイズと選択パルスの関係の例を示す説明図である。この例では、印刷
データの画素階調値と、パルス選択信号PSSの値と、ドットサイズと、選択されるパル
スとの関係が示されている。画素階調値は2ビットの2進数で表されており、パルス選択
信号PSSの値は4ビットの2進数で示されている。画素階調値からパルス選択信号PS
Sへの変換は、予め準備された変換テーブルを用いて、主制御部42又はヘッド駆動部4
5によって実行される。このパルス選択信号PSSの値に応じて、図4の駆動信号COM
のパルスDP1〜DP3,VP1のうちの一部のパルスが選択されて圧電素子67に供給
される。この結果、ドットサイズとして、ドット無し(インクドットを形成しない)と、
小ドットと、中ドットと、大ドットの4種類のドットサイズが区別される。小ドットと、
中ドットと、大ドットの3種類のドットは、ノズルからのインクの吐出量が互いに異なる
。例えば、小ドット用のインク吐出量は8ピコリットルであり、中ドット用は19ピコリ
ットル、大ドット用は24ピコリットルである。なお、図5は単なる一例であり、プリン
ターの型式に応じて種々のサイズのインクドットを形成するように、駆動信号COMのパ
ルスの形状や数を設定可能である。また、1画素周期Px内で2つ以上のインク吐出パル
ス(例えばパルスDP1とDP2)を選択すれば、より大きなドットを形成することも可
能である。なお、図5の例では、ドット無しの場合に微振動パルスVP1を選択して圧電
素子67に供給していたが、この代わりに、ドット無しの場合にはいずれのパルスも選択
せずに圧電素子67にパルスを全く供給しないようにしてもよい。なお、印刷データ(す
なわち「液滴吐出データ」)は、いずれのパルスを選択するかを示すデータでは無く、液
滴が吐出されることによって媒体の上に描かれる画像を表すデータである。この点で、印
刷データは、いずれのパルスを選択するかを示すパルス選択信号PSSとは異なる。
図4に戻り、ラッチ信号LATは、1画素周期Pxの開始タイミングt01においてハ
イレベルとなる信号である。駆動信号COMの最初のパルスDP1が個々の圧電素子67
に供給されるか否かは、このタイミングt01においてラッチ部64(図3)にラッチさ
れるパルス選択信号PSSのレベル(ハイ又はロー)に応じて決定される。一方、チャン
ネル信号CHは、2番目以降のパルスDP2,VP1,DP3の使用の有無を決定するタ
イミングt02,t03,t04を示すために、これらのタイミングt02,t03,t
04においてそれぞれハイレベルとなる信号である。2番目以降のパルスDP2,VP1
,DP3が個々の圧電素子67に供給されるか否かは、これらのタイミングt02,t0
3,t04においてラッチ部64にラッチされるパルス選択信号PSSのレベルに応じて
決定される。なお、1つの画素周期Pxの終了タイミングt05は、次の画素周期Pxの
開始タイミングt01となっている。図4の駆動信号COMは、その1画素周期Px内に
、圧電素子67に供給することのできる4つのパルスDP1,DP2,VP1,DP3を
含んでいるので、これらの4つのパルスの使用の有無を決定するタイミングを規定するパ
ルスとして、ラッチ信号LATの1パルスと、チャンネル信号CHの3パルスと、の合計
4つのパルスが使用されている。また、パルス選択信号PSS(図5)も、これに対応し
た4ビットの信号である。
図4を観察すると、画素周期Pxとは別に、駆動信号COMの周期Pcomを認識する
ことができる。駆動信号COMの周期Pcomは、図4の上方に示されているように、定
常電位Vstから電圧レベルが変化し始める時点を開始点とし、画素周期Pxと長さが等
しい時間区間として定義することができる。駆動信号COMは、この周期Pcom毎に同
じ波形が繰り返し発生する周期的な信号である。以下では、この周期Pcomを、「駆動
信号周期Pcom」とも呼ぶ。但し、駆動信号COMのみを観察した場合には、駆動信号
周期Pcomの開始点をいずれのタイミングに取るかには任意性がある。例えば、いずれ
かのパルスにおいて電圧レベルの変化が終了して定常電位Vstに戻った時点を、駆動信
号周期Pcomの開始点とすることも可能である。但し、図4の例では、最初のパルスD
P1において定常電位Vstから電圧レベルが変化し始める時点を駆動信号周期Pcom
の開始点としている。
ところで、図4に示すような駆動信号COMを用いてヘッドを駆動すると、以下のよう
な問題が発生する可能性がある。第1の問題は、インク吐出量の変動や、インクドットの
形成位置の変動の問題である。従来技術でも説明したように、同じ型式のインクジェット
プリンターにおいても、個々のプリンター毎に製造誤差が存在する。このため、駆動信号
波形が固定されている場合には、個々のプリンターにおいて、適切なインク吐出量や、適
切なドット形成位置を実現できない可能性がある。第2の問題は、印刷ヘッドの過熱であ
る。図4の下方には、印刷ヘッド60(図2)のヘッド温度の時間的変化を示している。
図4の例では、画素周期Px(及び駆動信号周期Pcom)が比較的短いため、時間の経
過に応じてヘッド温度が急速に上昇している。このようなヘッド温度の上昇率は、画素周
期Pxが短いほど顕著であり、また、ヘッド温度の最高値は、走査方向に沿った印刷媒体
の幅(主走査方向幅)が大きいほど高くなる。例えば、A2以上の大判の印刷媒体上に印
刷を行う場合には、ヘッド温度が過度に上昇してしまい、印刷ヘッドの寿命低下や印刷ヘ
ッドの破損を引き起こす可能性がある。特にプリンターの環境温度が高く、かつ、1回の
主走査中に大きなドットを連続的に形成する場合のような最悪条件では、このような印刷
ヘッドの過熱が問題となる。なお、画素周期Pxは、印刷ヘッド60の主走査速度(すな
わちキャリッジ速度)が高いほど短くなる。従って、印刷ヘッドの過熱の問題は、印刷ヘ
ッド60の主走査速度が高いほど顕著である。以下で説明する各種の実施形態では、これ
らのうちの少なくとも一部の問題を解決することが可能である。なお、「1回の主走査」
とは、往動方向と復動方向のうちのいずれか一つの同じ方向に沿って、連続的又は間欠的
に、印刷ヘッドを印刷媒体に対して相対的に移動させる動作を意味する。ここで、「連続
的に」とは、移動がとぎれること無く行われることを意味し、「間欠的に」とは、移動と
停止とが交互に行われることを意味する。通常は、主走査の移動は連続的に行われるが、
間欠的に行われてもよい。また、「印刷ヘッドを印刷媒体に対して相対的に移動させる」
という語句は、印刷ヘッドを移動させる場合に限らず、印刷媒体を移動させる場合も含ん
でいる。
図6は、第1実施形態の駆動信号の波形を示すタイミングチャートである。図6の駆動
信号COMには、6つのインク吐出パルスDP1a,DP1b,DP2a,DP2b,D
P3a,DP3bと、1つの微振動パルスVP1とが含まれている。最初の2つのインク
吐出パルスDP1a,DP1bの波形は互いに同一であり、図4の1番目のインク吐出パ
ルスDP1の波形と同じである。同様に、次の2つのインク吐出パルスDP2a,DP2
bの波形は互いに同一であり、図4の2番目のインク吐出パルスDP2の波形と同じであ
る。更に、最後の2つのインク吐出パルスDP3a,DP3bの波形は互いに同一であり
、図4の3番目のインク吐出パルスDP3の波形と同じである。また、図6の微振動パル
スVP1も、図4のものと同じである。図6では、これらの7つのパルスDP1a,DP
1b,DP2a,DP2b,VP1,DP3a,DP3bのためのタイミングt11(=
t18)〜t17において、ラッチ信号LAT又はチャンネル信号CHのパルスが発生し
ている。
第1実施形態の駆動信号COMでは、1つの駆動信号周期Pcomの間に、3種類のイ
ンク吐出パルスDP1,DP2,DP3について、それぞれ複数の同一波形のインク吐出
パルスが発生している。従って、これらの3種類のインク吐出パルスDP1,DP2,D
P3について、個々のインクジェットプリンターの特性や、印刷動作の条件などに応じて
、複数の同一波形のインク吐出パルスのいずれかをそれぞれ選択して使用することが可能
である。こうすれば、適切な液滴吐出量又は適切なドット形成位置を実現するようにイン
ク吐出パルスを適切に使用できる。
図7は、個々のインクジェットプリンターの特性に応じてインク吐出パルスの使用の可
能と不能とを切り換える例を示す説明図である。この例では、個々のインクジェットプリ
ンターの特性を示す識別子として、装置特性IDが使用されている。装置の型式が同一で
、かつ、装置特性が互いに異なるプリンターに対して、異なる装置特性IDを付与するこ
とが好ましい。例えば、装置の型式が同一で、かつ、インク吐出特性が異なるプリンター
に対して、異なる装置特性IDを付与することが好ましい。装置特性IDを単に「装置I
D(装置識別子)」とも呼ぶ。装置特性IDが異なると、インク吐出に実際に使用される
インク吐出パルスとして、異なる位置のパルスを使用することが好ましい場合がある。例
えば、装置特性IDがID1であるプリンターでは、小ドットと中ドットと大ドットの形
成のために、インク吐出パルスDP2a,DP3a,DP1aがそれぞれ使用される。一
方、装置特性IDがID2であるプリンターでは、小ドットと中ドットと大ドットの形成
のために、インク吐出パルスDP2b,DP3b,DP1bがそれぞれ使用される。更に
、装置特性IDがID2であるプリンターでは、小ドットと中ドットと大ドットの形成の
ために、インク吐出パルスDP2a,DP3a,DP1bがそれぞれ使用される。このよ
うに、装置特性IDに応じて、使用が許容されるインク吐出パルスと使用が不能とされる
インク吐出パルスとを切り換えることによって、個々の装置のインク吐出特性に応じて、
適切なインク吐出量又は適切なドット形成位置を実現するようにインク吐出パルスを適切
に使用することができる。なお、本明細書において、同じ量のインク滴を吐出するために
使用され得る複数のインク吐出パルスを「冗余(redundant)インク吐出パルス」とも呼ぶ
。図6及び図7の例では、パルスDP1a,DP1bが冗余インク吐出パルスである。同
様に、パルスDP2a,DP2bが冗余インク吐出パルスであり、パルスDP3a,DP
3bも冗余インク吐出パルスである。
図7において、選択パルスとして使用されないインク吐出パルスは、印刷動作中に使用
が不能とされる。本明細書において、1つの駆動信号周期Pcomに発生する複数のイン
ク吐出パルスのうち、液滴吐出データに応じてインクを吐出するために使用されるパルス
を「使用可能パルス」又は「使用可能波形部分」と呼ぶ。また、インク吐出パルスのうち
、液滴吐出データに拘わらずインクを吐出するために使用されないパルスを「使用不可パ
ルス」又は「使用不可波形部分」と呼ぶ。使用不可パルスは、使用可能パルスのいずれか
と同じ形状を有していることが好ましい。こうすれば、装置特性や動作モードなどの条件
に応じて、使用可能パルスと使用不可パルスを適切に切り替えることが可能である。
なお、図7の例では、個々のインクジェットプリンターの特性に応じて使用可能パルス
と使用不可パルスの設定を切り替えていたが、インクジェットプリンターの特性以外のパ
ラメーターに応じて設定を切り替えるようにしてもよい。例えば、印刷動作(印刷解像度
や、往動と復動の区別)に応じて使用可能パルスと使用不可パルスの設定を切り替えても
よい。
なお、これまでに説明した駆動信号の波形に関する用語の定義をまとめると、以下の通
りである。
(1) 「波形部分」
「波形部分」とは、駆動信号COMの一部分であって、かつ、電圧変化を含む一部分を
意味する。
(2) 「パルス」
「パルス」とは、定常電位Vstに維持されている区間を含まないが、駆動信号COM
の電圧レベルが変化している区間を少なくとも含み、その電圧レベルが定常電位Vstと
は異なるレベルに維持される区間を含み得る1つの連続した波形部分を意味する。
(3) 「インク吐出パルス」
「インク吐出パルス」とは、ノズルからインクを吐出するために使用されるパルスであ
る。
(4) 「インク不吐出パルス」
「インク不吐出パルス」とは、そのパルスが単独で圧電素子に印加されてもノズルから
インクが吐出されないパルスである。
(5) 「波高値」
或る波形部分の「波高値」とは、その波形部分における電圧の極大値と極小値の両方を
意味する。
(6) 「ピーク電圧」
或る波形部分の「ピーク電圧」とは、その波形部分における電圧の極大値と極小値のう
ちで、定常電位Vstからの差分が最も大きな電圧を意味する。
(7) 「画素周期Px」
「画素周期Px」とは、1つの印刷画素に対応する時間区間を意味する。
(8) 「駆動信号周期Pcom」
「駆動信号周期Pcom」とは、定常電位Vstから電圧レベルが変化し始める時点、
又は、電圧レベルの変化が終了して定常電位Vstに戻った時点をその開始点とし、画素
周期Pxと長さが等しい時間区間である。
(9) 「使用可能パルス」
「使用可能パルス」とは、1つの駆動信号周期Pcomに発生する複数のインク吐出パ
ルスのうち、液滴吐出データに応じてインクを吐出するために使用されるパルスである。
(10) 「使用不可パルス」
「使用不可パルス」とは、1つの駆動信号周期Pcomに発生する複数のインク吐出パ
ルスのうち、液滴吐出データに拘わらずインクを吐出するために使用されないパルスであ
る。
なお、図6に示した第1実施形態の駆動信号COMを用いると、印刷ヘッド60の過熱
を防止できるという利点もある。すなわち、図6の駆動信号COMでは、図4の駆動信号
に比べて駆動信号周期Pcomが長い。また、駆動信号周期Pcomの中で、圧電素子6
7にインク吐出パルスが印加される時間区間の割合は、図4よりも図6の方が格段に小さ
い。図6の駆動信号COMを使用すれば、圧電素子67にインク吐出パルスが印加されな
い時間区間が図4に比べて長くなるので、その時間区間において印刷ヘッド60を冷却す
ることが可能である。従って、大判の印刷媒体(例えばA2サイズ以上の印刷用紙)に印
刷を行っても、印刷ヘッド60の過熱を防止することが可能である。
使用可能パルスと使用不可パルスの設定は、印刷媒体の主走査幅の全体にわたる1回の
主走査の期間を通じて維持することが好ましい。ここで、「使用可能パルスと使用不可パ
ルスの設定」とは、1つの駆動信号周期Pcomに含まれる複数のインク吐出パルスのう
ちのいずれを使用可能パルスとし、いずれを使用不可パルスとするか、の設定を意味して
いる。但し、異なる主走査においては、使用可能パルスと使用不可パルスの設定を切り替
えてもよい。例えば、偶数番目の主走査と奇数番目の主走査とにおいて、使用可能パルス
と使用不可パルスの設定を切り替えてもよい。更に、1枚の印刷媒体上における印刷処理
の全期間を通じて、使用可能パルスと使用不可パルスの設定を維持することが好ましい。
こうすれば、ドットの形成位置が安定するので、画質を向上させることが可能である。な
お、或るインク吐出パルスの使用が不能とされる場合には、パルス選択信号PSSにおけ
るそのインク吐出パルスのビット位置の値が、画素階調値に拘わらずに「0」に設定され
る。
図6の例では、1つの駆動信号周期Pcomに含まれるインク吐出パルスの種類の数M
は3であったが、1つの駆動信号周期Pcomに含まれるインク吐出パルスの種類の数M
は1でも良い。但し、典型的な例では、Mは2以上の整数である。1つの駆動信号周期P
comにおいて、M種類のインク吐出パルスのすべてについて複数の同一形状のパルスが
発生する必要は無いが、少なくとも1種類のインク吐出パルスについては同一形状のパル
スが2回以上発生することが好ましい。また、1つの駆動信号周期Pcomにおいて、M
種類のインク吐出パルスのすべてについて複数の同一形状のパルスが発生することがさら
に好ましい。この場合には、駆動信号の1周期に発生するすべての形状のインク吐出パル
スに関して、同一の形状を有する複数のインク吐出パルスを、使用可能パルスと使用不可
パルスのいずれとするかを適宜選択することができる。この結果、適切な液滴吐出量又は
適切なドット形成位置をより良く実現することができる。
以上のように、第1実施形態では、個々の駆動信号周期Pcomにおいて使用可能パル
スと使用不可パルスとを含む駆動信号COMを発生したので、個々のインクジェットプリ
ンターの特性や、印刷動作の条件などに応じて、適切なインク吐出量又は適切なドット形
成位置を実現するようにインク吐出パルスを適切に使用できる。また、印刷ヘッド60の
過熱を防止することが可能である。なお、第1実施形態で説明した種々の好ましい設定や
態様は、以下で説明する他の実施形態にも適用可能である。
・第2実施形態:冗余インク吐出パルスの使用例2
図8は、第2実施形態の駆動信号の波形を示すタイミングチャートである。図8と図6
の違いは、図8のインク吐出パルスDP1b#,DP2b#,DP3b#が、これらと対
応する図6のインク吐出パルスDP1b,DP2b,DP3bと波形がやや異なるパルス
となっている点であり、他の信号形状は図6とほぼ同じである。より具体的に言えば、図
8のインク吐出パルスDP1b#,DP2b#,DP3b#は、図6のインク吐出パルス
DP1b,DP2b,DP3bよりも極大値の小さなパルスである。なお、図8のパルス
のタイミングt21〜t28は、図6のタイミングt11〜t18と同一である。なお、
ドットサイズと選択パルスの関係としては、図7で説明したものを使用するものとしても
よく、或いは他の関係を使用するものとしてもよい。
図8の例では、同じ量のインクを吐出するためのインク吐出パルスとして、互いに波形
が異なるインク吐出パルス(例えばDP1aとDP1b#)が、1つの駆動信号周期Pc
om内で発生している。従って、個々のプリンター特性や、印刷動作の条件などに起因し
て、所望量のインク滴を吐出するための適切な波形形状が異なる場合にも、これらの複数
のインク吐出パルスのうちのいずれかを使用可能パルスとして他を使用不可パルスとする
かを選択することによって、適切な量のインク滴を吐出することが可能である。
以上の第2実施形態においても、個々の駆動信号周期Pcomにおいて使用可能パルス
と使用不可パルスとを含む駆動信号COMを発生したので、個々のインクジェットプリン
ターの特性や、印刷動作の条件などに応じて、適切なインク吐出量を実現するようにイン
ク吐出パルスを適切に使用できる。また、印刷ヘッド60の過熱を防止することが可能で
ある。
・第3実施形態:往復動作における冗余インク吐出パルスの使用例
図9は、第3実施形態の駆動信号の波形を示すタイミングチャートである。図9と図6
の違いは、図9では1つの駆動信号周期Pcomの中に、図4と同じ4つのパルスで構成
されるパルスセットが、2セット発生している点である。第1セットは、3つのインク吐
出パルスDP1a,DP2a,DP3aと、1つの微振動パルスVP1aとを含んでいる
。第2セットも、3つインク吐出パルスDP1b,DP2b,DP3bと、1つの微振動
パルスVP1bとを含んでいる。なお、各セットの1番目のインク吐出パルスDP1a,
DP1bの波形は互いに同一である。同様に、2番目のインク吐出パルスDP2a,DP
2bの波形も互いに同一であり、3番目のインク吐出パルスDP3a,DP3bの波形も
互いに同一である。また、微振動パルスVP1a,VP1bの波形も互いに同一である。
なお、図9のタイミングt31(=t39)〜t38は、これらの8つのパルスのための
タイミングである。
図10は、第3実施形態における往動時と復動時のパルスの使用状態を示すタイミング
チャートである。駆動信号COMの波形は、図9に示したものと同一である。図10の下
部には、往動時と復動時のそれぞれにおいて、第1セットと第2セットのうちの一方のパ
ルスセットの使用が許可され、他方のパルスセットの使用が不能とされることが示されて
いる。具体的には、この例では、往動時には第1セットの使用が許可されて第2セットの
使用が不能とされ、一方、復動時には第1セットの使用が不能とされて第2セットの使用
が許可されている。こうすれば、以下の図11及び図12に即して説明するように、往動
時と復動時におけるドット形成位置をより整合させることが可能である。
図11は、第2参考例における往動時と復動時のパルスの使用状態を示すタイミングチ
ャートである。第2参考例では、図10に示した2つのパルスセットのうちの第1セット
のみを有する駆動信号COMを用いた場合の例を示している。ここでは、往動時も復動時
もいずれも第1セットを使用してインクの吐出を行う。
図12(A),(B)は、図10に示した第3実施形態の駆動信号COMと、図11に
示した第2参考例の駆動信号COMと、をそれぞれ用いて形成したドットの配置例を示し
ている。往動時には、第3実施形態と第2参考例のいずれの場合にも第1セットのパルス
を使用するので、各画素におけるドットの位置は同じである。一方、復動時には、第3実
施形態では第2セットを使用し、第2参考例では第1セットを使用するので、各画素にお
けるドットの位置がやや異なる。より具体的には、図12(B)に示す第2参考例では、
往動時と復動時において形成されるドットが、画素位置の左右の逆の端部に配置されてし
まうので、画質が低下する可能性がある。なお、図12では小ドットの場合を描いている
が、中ドットや大ドットでも同様な配置となる。特に、第2参考例では、中ドットや大ド
ットを用いて実線を印刷した場合に、まっすぐな実線を印刷することが難しい可能性があ
る。一方、第3実施形態では、往動時と復動時において形成されるドットの左右の位置が
より整合しているので、第2参考例に比べて画質が向上するものと期待される。
この第3実施形態においても、個々の駆動信号周期Pcomにおいて使用可能パルスと
使用不可パルスとを含む駆動信号COMを発生したので、個々のインクジェットプリンタ
ーの特性や、印刷動作の条件などに応じて、適切なインク吐出量又は適切なドット形成位
置を実現するようにインク吐出パルスを適切に使用できる。また、印刷ヘッド60の過熱
を防止することが可能である。
・第4実施形態:多重主走査記録方式における駆動信号の使用例
第4実施形態では、多重主走査記録方式と呼ばれる印刷動作において、上述した実施形
態の駆動信号を使用する。そこで、以下ではまず、多重主走査記録方式について説明し、
その後で、多重主走査記録方式における駆動信号の使用方法を説明する。
図13は、通常のドット記録方式(非多重主走査記録方式)の一例を示すための説明図
である。図13(A)は、4個のノズルを用いた場合の副走査送りの一例を示しており、
図13(B)はそのドット記録方式のパラメーターを示している。図13(A)において
、数字を含む実線の丸は、各パス(pass)における4個のノズルの副走査方向の位置を示
している。ここで、「パス」とは1回の主走査を意味している。丸の中の数字0〜3は、
ノズル番号である。この例では、4個のノズルの位置は、1回の主走査が終了する度に副
走査方向に送られる。但し、実際には、副走査方向の送りは紙送りモーター22(図2)
によって用紙を移動させることによって実現されている。
図13(A)の左端に示すように、この例では副走査送り量Lは4画素の一定値である
。従って、副走査送りが行われる度に、個々のノズルの位置が4画素ずつ副走査方向にず
れてゆく。各ノズルは、1回の主走査中にそれぞれの主走査線上のすべての画素位置にお
いてドット記録が許容されている。図13(A)の右端には、個々の主走査線上において
ドット記録を行うノズルの番号が示されている。なお、ノズルの副走査方向位置を示す丸
印から右方向(主走査方向)に伸びる破線で描かれた主走査線では、その下に隣接する主
走査線においてドットを記録できないので、実際にはドットの記録が禁止される。一方、
主走査方向に伸びる実線で描かれた主走査線は、その下に隣接する主走査線上においてド
ットを記録し得る。このように、隣接する主走査線上で実際にドット記録を行える主走査
線の範囲を、以下では有効記録範囲(または「有効印刷範囲」)と呼ぶ。但し、印刷媒体
の上端付近及び下端付近において、より小さな送り量で副走査送りを実行することによっ
て、図13に示した有効記録範囲以外の範囲(記録不可範囲)においてもドット記録を行
うことが可能である。
図13(B)の上部には、このドット記録方式に関する種々の走査パラメーターが示さ
れている。走査パラメーターには、ノズルピッチk[画素]と、使用ノズル個数N[個]
と、主走査繰り返し数sと、実効ノズル個数Neff[個]と、副走査送り量L[画素]と
が含まれている。この例では、ノズルピッチkは3画素である。ノズルピッチの値kは、
1以上の任意の整数に設定可能であるが、画質の観点からは、2以上の整数に設定するこ
とが好ましい。また、図13の例において、任意の1色分の使用ノズル個数Nは4個であ
る。なお、使用ノズル個数Nは、各色のインクの吐出用に実装されている複数個のノズル
の中で実際に使用されるノズルの個数である。実際には、1色当たり数十個のノズルが使
用されるのが普通だが、ここでは簡単の便宜上、使用ノズル個数Nを4個としている。主
走査繰り返し数sは、各主走査線上においてドット形成のための主走査が実行される回数
を意味している。たとえば、主走査繰り返し数sが2のときには、各主走査線上において
ドット形成のために2回の主走査が実行され、この際、通常は、一回の主走査において1
画素おきの画素位置において間欠的にドット記録が許容される。図13の場合には、主走
査繰り返し数sは1なので、一回の主走査において個々の主走査線上の全画素位置におい
てドット記録が許容される。実効ノズル個数Neff は、使用ノズル個数Nを主走査繰り返
し数sで割った値である。この実効ノズル個数Neff は、一回の主走査でドット記録が完
了する主走査線の正味の本数を示しているものと考えることができる。
図13(B)の表には、各パスにおける副走査送り量Lと、その累計値ΣLと、ノズル
のオフセットFとが示されている。ここで、オフセットF(位置ズレ量)とは、最初のパ
ス1におけるノズルの周期的な位置(図13では4画素おきの位置)をオフセットが0で
ある基準位置と仮定した時に、その後の各パスにおけるノズルの位置が基準位置から副走
査方向に何画素離れているかを示す値である。たとえば、図13(A)に示すように、パ
ス1の後には、ノズルの位置は副走査送り量L(=4画素)だけ副走査方向に移動する。
一方、ノズルピッチkは3画素である。従って、パス2におけるノズルのオフセットFは
1である(図13(A)参照)。同様にして、パス3におけるノズルの位置は、初期位置
からΣL=8画素移動しており、そのオフセットFは2である。パス4におけるノズルの
位置は、初期位置からΣL=12画素移動しており、そのオフセットFは0である。3回
の副走査送り後のパス4ではノズルのオフセットFは0に戻るので、3回の副走査を1サ
イクルとして、このサイクルを繰り返すことによって、有効記録範囲の主走査線上のすべ
ての画素位置にドットを記録することができる。図13の例からも解るように、ノズルの
位置が初期位置からノズルピッチkの整数倍だけ離れた位置にある時には、オフセットF
はゼロである。一般に、オフセットFは、副走査送り量Lの累計値ΣLをノズルピッチk
で割った余り(ΣL)%kで与えられる。ここで、「%」は、除算の余りをとることを示
す演算子である。
主走査繰り返し数sが1の場合には、有効記録範囲において記録対象となる主走査線に
抜けや重複が無いようにするために、以下の条件を満たすように走査パラメーターが設定
される。
条件c1:1サイクルの副走査送り回数は、ノズルピッチkに等しい。
条件c2:1サイクル中の各回の副走査送り後のノズルのオフセットFは、0〜(k−
1)の範囲のそれぞれ異なる値となる。
条件c3:副走査の平均送り量(ΣL/k)は、使用ノズル数Nに等しい。
上記の各条件については、例えばJP2002?11859Aにおいて、その図6に沿
って詳述されているので、ここではその説明を省略する。
図14は、主走査繰り返し数sが2の場合のドット記録方式の一例を示すための説明図
である。主走査繰り返し数sが1を超える場合には、同一の主走査線上でs回の主走査が
実行される。主走査繰り返し数sが1を超える場合のドット記録方式を「多重主走査記録
方式」と呼ぶ。また、主走査繰り返し数sが1に等しいドット記録方式を「非多重主走査
記録方式」と呼ぶ。
図14に示すドット記録方式の走査パラメーターは、図13(B)に示した走査パラメ
ーターの中で、主走査繰り返し数sと副走査送り量Lとを変更したものである。図14(
A)からも解るように、図14のドット記録方式における副走査送り量Lは2画素の一定
値である。図14(A)においては、偶数回目のパスのノズルの位置を、菱形で示してい
る。通常は、図14(A)の右端に示すように、偶数回目のパスで記録される画素位置は
、奇数回目のパスで記録される画素位置と、主走査方向に1画素分だけずれている。従っ
て、同一の主走査線上の複数の画素位置は、異なる2つのノズルによってそれぞれ間欠的
に記録されることになる。たとえば、有効記録範囲内の最上端の主走査線は、パス2にお
いて2番のノズルで1画素おきの画素位置において間欠的にドットが記録された後に、パ
ス5において0番のノズルで1画素おきの画素位置において間欠的にドットが記録される
。この多重主走査記録方式では、各ノズルは、1回の主走査中に1個の画素位置において
ドット記録を許容した後に、次の(s−1)個の画素位置においてドット記録を禁止する
ように、間欠的なタイミングでノズルが駆動される。
図14(B)の表の最下段には、1サイクル中の各パスのオフセットFの値が示されて
いる。1サイクルは6回のパスを含んでおり、パス2からパス7までの各パスにおけるオ
フセットFは、0〜2の範囲の値を2回ずつ含んでいる。また、パス2からパス4までの
3回のパスにおけるオフセットFの変化は、パス5からパス7までの3回のパスにおける
オフセットFの変化と等しい。図14(A)の左端に示すように、1サイクルの6回のパ
スは、3回ずつの2組の小サイクルに区分することができる。このとき、1サイクルは、
小サイクルをs回繰り返すことによって完了する。
一般に、主走査繰り返し数sが1を超える場合には、上述した第1ないし第3の条件c
1〜c3は、以下の条件c1’〜c3’のように書き換えられる。
条件c1’:1サイクルの副走査送り回数は、ノズルピッチkと主走査繰り返し数sと
を乗じた値(k×s)に等しい。
条件c2’:1サイクル中の各回の副走査送り後のノズルのオフセットFは、0〜(k
−1)の範囲の値であって、それぞれの値がs回ずつ出現する。
条件c3’:副走査の平均送り量{ΣL/(k×s)}は、実効ノズル数Neff (=N
/s)に等しい。
上記の条件c1’〜c3’は、主走査繰り返し数sが1の場合にも成立する。従って、
条件c1’〜c3’は、主走査繰り返し数sの値に係わらず、一般的に成立する条件であ
ると考えられる。すなわち、上記の3つの条件c1’〜c3’を満足すれば、有効記録範
囲において、記録される画素位置に抜けや不要な重複が無いようにドット記録を実行する
ことができる。但し、多重主走査記録方式でドット記録を行う場合には、s回の主走査に
おいて、ドット記録を許容する画素位置を互いに主走査方向にずらすという条件も設定さ
れる。なお、図13,図14では、副走査送り量Lが一定値である場合について説明した
が、上記の条件c1’〜c3’は、副走査送り量Lが一定値である場合に限らず、副走査
送り量として複数の異なる値の組み合わせを使用する場合にも適用可能である。
以上のような多重主走査記録方式の動作は、主走査方向に沿った各々の主走査線上にお
いて、1回の主走査では各々の主走査線上において要求されるインクの吐出の全体を完了
せず、2回以上の主走査によって完了する記録動作であると考えることが可能である。な
お、図14の印刷動作においては、主走査動作と副走査動作とを交互に繰り返し実行して
いたが、主走査動作と副走査動作とを交互に行う必要は無い。例えば、主走査動作を2回
行った後に副走査動作を1回行うような印刷動作も採用可能である。
図15は、第4実施形態において、駆動信号COMを用いて多重主走査記録方式で印刷
を行う場合のパルスの使用状態を説明する図である。この駆動信号COMは、図10に示
した第3実施形態の駆動信号COMと同じである。この代わりに、他の実施形態の駆動信
号を使用するようにしてもよい。
図15の下部には、同一の主走査線上を走査する2回のパスにおいて、駆動信号COM
のインク吐出パルスを使用することが許容されるか否かが示されている。即ち、最初のパ
ス(パス番号1のパス)では、偶数画素位置では液滴吐出データに応じてインク吐出パル
スが使用されるが、奇数画素位置では液滴吐出データに拘わらず駆動信号COMのインク
吐出パルスが一切使用されない。換言すれば、最初のパスでは、偶数画素位置ではインク
吐出が許容されているが、奇数画素位置ではインク吐出が一切禁止されている。また、最
初のパスの偶数画素位置において、第1セットのインク吐出パルスが使用可能であり、第
2セットは使用不可である。一方、2番目のパスでは、最初のバスとは反対に、奇数画素
位置ではインク吐出パルスが使用可能であるが、偶数画素位置では駆動信号COMのイン
ク吐出パルスが一切使用不可とされている。図15の下部には、2番目のパスが往動の場
合と復動の場合の2つの場合を示している。2番目のパスが往動の場合には、奇数画素位
置において、第1セットのインク吐出パルスが使用可能であり、第2セットは使用不可で
ある。一方、2番目のパスが復動の場合には、奇数画素位置において、第1セットのイン
ク吐出パルスが使用不可であり、第2セットは使用可能である。このように第1セットと
第2セットの2つのパルスセットの使用許容と使用不可とを切り換えるようにすれば、往
動か復動か、及び、奇数画素位置か偶数画素位置かに応じて、適切なドット形成位置を実
現するようにインク吐出パルスを適切に使用できる。
図15に示すように、多重主走査記録方式の印刷動作において、同一の主走査線上にお
けるインクの吐出を複数回のパスによって完了する場合には、個々のパスにおいては、最
大でも1画素位置おきに(すなわち2画素に1画素の割合で)圧電素子67に駆動信号C
OMが印加されるだけである。従って、多重主走査方式において上述した他の実施形態で
説明した駆動信号COMを使用すれば、ヘッドの温度上昇を更に抑制することができると
いう利点がある。
図16は、第4実施形態において、種々の印刷設定パラメーターによって設定可能な印
刷モードを示す図である。この例では、印刷設定パラメーターとして、印刷解像度と、主
走査繰り返し数sと、最大インク量と、往復動作と、キャリッジ速度と、の5つのパラメ
ーターが使用されている。そして、これらのパラメーターの組み合わせに応じて、互いに
異なる8つの印刷モードM1〜M8が設定されている。「印刷解像度」の欄は、[主走査
方向解像度]×[副走査方向解像度]を示している。また、「最大インク量」の欄は、個
々の印刷モードにおいて、1画素当たりに吐出可能な最も大きなインク滴の量を示してい
る。また、「往復動作」の欄において、「Bi−d」は双方向印刷を示し、「Uni−d
」は単方向印刷を示す。なお、双方向印刷は、往動と復動の両方の主走査においてインク
の吐出を行う印刷を意味し、単方向印刷は、往動と復動のうちから予め選択された一方の
主走査においてのみインクの吐出を行う印刷を意味する。
第1の印刷モードM1は、印刷解像度が360×360dpi、主走査繰り返し数sが
1回、最大インク量が24ピコリットル、往復動作が双方向、キャリッジ速度が高い、と
いうモードである。一方、第8の印刷モードM8は、印刷解像度が1440×720dp
i、主走査繰り返し数sが2回、最大インク量が8ピコリットル、往復動作が単方向、キ
ャリッジ速度が低い、というモードである。なお、このようなパラメーターと印刷モード
の関係は、例えば、コンピューター90のプリンタードライバーや、主制御部42のRO
M53(図2)内に予め格納しておくことが可能である。
なお、印刷モードは、図16に示した全部のパラメーターに応じて決定されている必要
は無く、これらのうちの一部に応じて決定されていてもよい。例えば、印刷解像度と、主
走査繰り返し数と、往復動作と、の3つのパラメーターに応じて印刷モードが決定されて
いてもよい。
図17は、第4実施形態における動作モードと選択パルスの関係の例を示す説明図であ
る。図17の左欄に示す「動作モード」は、図16の印刷モードと、往動/復動のいずれ
かと、を組み合わせたモードを意味している。第1の印刷モードM1は、双方向印刷であ
り、往動時と復動時において異なるパルスが使用される。従って、第1の印刷モードM1
は、往動時の動作モードと、復動時の動作モードと、の2つの異なる動作モードを含んで
いる。第2の印刷モードM2は、単方向印刷なので、往動時(又は復動時)の動作モード
が1つだけ存在する。なお、図17では、駆動信号としては、第3実施形態(図10及び
図11)のものを使用しているが、他の駆動信号を使用してもよい。
図17を見れば理解できるように、第1の印刷モードM1の往動時の動作モードで使用
されるインク吐出パルスは、復動時の動作モードで使用されるインク吐出パルスと異なっ
ている。これに応じて、第1の印刷モードM1の往動時と復動時において、パルス選択信
号PSSの値が互いに異なる値に設定されている。こうすれば、それぞれの動作モードに
応じて、適切なインク吐出量や適切なドット形成位置を実現するようにインク吐出パルス
を適切に使用することができる。なお、第2の印刷モードM2で使用されるインク吐出パ
ルスは、第1の印刷モードM1の個々の動作モードで使用されるインク吐出パルスと若干
異なっている。これらの例からも理解できるように、動作モードに適したインク吐出パル
スを使用するように、使用可能パルスと使用不可パルスの設定を切り替えることによって
、適切なインク吐出量や適切なドット形成位置を実現することが可能である。
なお、同じインクジェットプリンターで使用可能な複数の動作モードは、印刷解像度と
、ヘッドの往復動作を行うか否かと、主走査繰り返し数と、を含む複数の走査パラメータ
ーに応じて決定することが可能である。すなわち、これらの走査パラメーターのうちの少
なくとも1つが異なる複数の動作モードに関して、使用可能パルスと使用不可パルスの設
定を切り替えるようにすることが好ましい。こうすれば、その動作モードに応じて適切な
インク吐出量や適切なドット形成位置を実現できる。なお、図17の例では、双方向印刷
の往動時と復動時を異なる動作モードとして設定していたが、この代わりに、双方向印刷
の往動時と復動時を同じ動作モードとして設定し、往動時と復動時において、使用可能パ
ルスと使用不可パルスの設定を同じものに維持するようにしてもよい。
上述した第4実施形態においても、個々の駆動信号周期Pcomにおいて使用可能パル
スと使用不可パルスとを含む駆動信号COMを発生したので、動作モードに応じて、適切
なインク吐出量や適切なドット形成位置を実現するようにインク吐出パルスを適切に使用
できる。また、使用不可パルスの時間区間では、印刷ヘッド60が冷却されるので、印刷
ヘッド60の過熱を防止することが可能である。
・変形例:
なお、この発明は上記の実施形態や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱
しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変
形も可能である。
・変形例1:
上述した各種の実施形態では、駆動信号の一部のみを選択して圧電素子に印加するよう
な形態を採用していた。この代わりに、駆動信号の全部を圧電素子に印加するような形態
にも本発明を適用可能である。また、ヘッド駆動部45は、複数の駆動信号を同時に発生
して印刷ヘッドに供給するようにしてもよい。複数の駆動信号を利用すれば、異なる大き
さを有するインクドットの数を増加させることが可能である。
・変形例2:
本発明は、インクジェットプリンターに限らず、インク以外の他の液体を吐出する任意
の液体吐出装置(「液体噴射装置」とも呼ぶ)にも適用することができる。例えば、以下
のような各種の液体吐出装置に適用可能である。
(1)ファクシミリ装置等の画像記録装置
(2)液晶ディスプレイ等の画像表示装置用のカラーフィルタの製造に用いられる色材吐
出装置
(3)有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイや、面発光ディスプレイ (Field Em
ission Display、FED)等の電極形成に用いられる電極材吐出装置
(4)バイオチップ製造に用いられる生体有機物を含む液体を吐出する液体吐出装置
(5)精密ピペットとしての試料吐出装置
(6)潤滑油の吐出装置
(7)樹脂液の吐出装置
(8)時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を吐出する液体吐出装置
(9)光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫
外線硬化樹脂液等の透明樹脂液を基板上に吐出する液体吐出装置
(10)基板などをエッチングするために酸性又はアルカリ性のエッチング液を吐出する
液体吐出装置
(11)他の任意の微小量の液滴を吐出させる液体吐出ヘッドを備える液体吐出装置
なお、「液滴」とは、液体吐出装置から吐出される液体の状態をいい、粒状、涙状、糸
状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう「液体」とは、液体吐出装置が吐
出させることができるような材料であれば良い。例えば、「液体」は、物質が液相である
ときの状態の材料であれば良く、粘性の高い又は低い液状態の材料、及び、ゾル、ゲル水
、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような液状態
の材料も「液体」に含まれる。また、物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属
粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散または混合されたものなど
も「液体」に含まれる。また、液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したような
インクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インクおよび油性インク
並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種の液体状組成物を包含するものとする
・変形例3:
上記実施形態において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェ
アに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一
部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。
本発明は、上述の実施形態や実施形態、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸
脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記
載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施形態、変形例中の技術的特徴は、
上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達
成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術
的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可
能である。
12…コネクター
14…操作パネル
22…紙送りモーター
26…用紙搬送ローラー
30…キャリッジ
32…キャリッジモーター
33…エンコーダー
34…摺動軸
36…駆動ベルト
38…プーリー
40…制御部(駆動信号生成部)
41…第1のインターフェイス
42…主制御部
43…紙送りモーター駆動部
45…ヘッド駆動部
46…キャリッジモーター駆動部
47…第2のインターフェイス
51…CPU
52…RAM
53…ROM
60…印刷ヘッド
61…スイッチング制御部
63…シフトレジスター部
64…ラッチ部
65…レベルシフター部
66…選択スイッチ部
67…圧電素子
70…インクカートリッジ
90…コンピューター
100…プリンター

Claims (12)

  1. 少なくとも1つ以上の波形部分を有する駆動信号を生成する駆動信号生成部と、
    前記駆動信号の少なくとも一部を圧電素子に印加してノズルから液滴を吐出させる液体吐
    出ヘッドと、
    を備え、液滴吐出データに応じて前記液滴を吐出する液体吐出装置であって、
    前記駆動信号は周期的な信号であり、
    前記駆動信号の1周期は、
    (i)前記液体吐出ヘッドの1回の主走査中に、前記液滴吐出データに応じて前記液滴を
    吐出するために使用される液滴吐出波形部分である1つ以上の使用可能波形部分と、
    (ii)前記1回の主走査中に、前記液滴吐出データに拘わらず前記液滴を吐出するため
    に使用されない液滴吐出波形部分である1つ以上の使用不可波形部分と、
    を含む、ことを特徴とする液体吐出装置。
  2. 請求項1に記載の液体吐出装置であって、
    前記使用不可波形部分は、前記駆動信号の1周期に発生するいずれかの前記使用可能波
    形部分と同じ形状を有する、液体吐出装置。
  3. 請求項2に記載の液体吐出装置であって、
    前記駆動信号生成部は、前記使用不可波形部分として、前記駆動信号の1周期に発生す
    る個々の前記使用可能波形部分と同じ形状を有する前記使用不可波形部分を、前記駆動信
    号の1周期に発生する、液体吐出装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の液体吐出装置であって、
    前記駆動信号生成部は、前記駆動信号の1周期に発生する複数の液滴吐出波形部分のそ
    れぞれを前記使用可能波形部分と前記使用不可波形部分のいずれとするか、を液体吐出動
    作モードに従って切り換える、液体吐出装置。
  5. 請求項4に記載の液体吐出装置であって、
    前記駆動信号生成部は、前記液体吐出動作モードとして、印刷解像度と、前記液体吐出
    ヘッドの往復動作を行うか否かと、個々の主走査線上における液滴の吐出を完了するため
    に行われる主走査回数である主走査繰り返し数と、を含む複数の走査パラメーターに応じ
    て決定される複数のモードのいずれかを実行する、液体吐出装置。
  6. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の液体吐出装置であって、
    前記駆動信号生成部は、前記駆動信号の1周期に発生する複数の液滴吐出波形部分のそ
    れぞれを前記使用可能波形部分と前記使用不可波形部分のいずれとするか、を前記液体吐
    出装置の装置識別子に従って切り換える、液体吐出装置。
  7. 圧電素子を用いてノズルから液滴を吐出させる液体吐出ヘッドに、少なくとも1つ以上
    の波形部分を有する駆動信号を供給することによって、液滴吐出データに応じて前記液体
    吐出ヘッドからの液滴の吐出を制御する方法であって、
    前記駆動信号は周期的な信号であり、
    前記駆動信号の1周期は、
    (i)前記液体吐出ヘッドの1回の主走査中に、前記液滴吐出データに応じて前記液滴を
    吐出するために使用される液滴吐出波形部分である1つ以上の使用可能波形部分と、
    (ii)前記1回の主走査中に、前記液滴吐出データに拘わらず前記液滴を吐出するため
    に使用されない液滴吐出波形部分である1つ以上の使用不可波形部分と、
    を含む、ことを特徴とする方法。
  8. 請求項7に記載の方法であって、
    前記使用不可波形部分は、前記駆動信号の1周期に発生するいずれかの前記使用可能波
    形部分と同じ形状を有する、方法。
  9. 請求項8に記載の方法であって、
    前記使用不可波形部分として、前記駆動信号の1周期に発生する個々の前記使用可能波
    形部分と同じ形状を有する前記使用不可波形部分を、前記駆動信号の1周期に発生する、
    方法。
  10. 請求項7〜9のいずれか一項に記載の方法であって、
    前記駆動信号の1周期に発生する複数の液滴吐出波形部分のそれぞれを前記使用可能波
    形部分と前記使用不可波形部分のいずれとするか、を液体吐出動作モードに従って切り換
    える、方法。
  11. 請求項10に記載の方法であって、
    前記液体吐出動作モードとして、印刷解像度と、前記液体吐出ヘッドの往復動作を行う
    か否かと、個々の主走査線上における液滴の吐出を完了するために行われる主走査回数で
    ある主走査繰り返し数と、を含む複数の走査パラメーターに応じて決定される複数のモー
    ドのいずれかを実行する、方法。
  12. 請求項7〜9のいずれか一項に記載の方法であって、
    前記駆動信号の1周期に発生する複数の液滴吐出波形部分のそれぞれを前記使用可能波
    形部分と前記使用不可波形部分のいずれとするか、を前記液体吐出ヘッドからの液滴の吐
    出を行う液体吐出装置の装置識別子に従って切り換える、方法。
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