JP2009056669A - ヘッド駆動回路の温度検出装置、画像形成装置及びヘッド駆動回路の温度検出方法 - Google Patents

ヘッド駆動回路の温度検出装置、画像形成装置及びヘッド駆動回路の温度検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】記録ヘッドを駆動するヘッド駆動回路の温度を、温度センサを用いなくても検出
できるヘッド駆動回路の温度検出装置、画像形成装置及びヘッド駆動回路の温度検出方法
を提供する。
【解決手段】プリンタ11のヘッドシーケンス部32に設けられたヘッド温度演算部55
は、一ドット当たりの電流値と、ドットカウンタ52が計数したドット数とに基づき台形
波生成回路61の温度を演算する。詳しくは、熱量加算処理部67は、一ドット当たりの
電流値とドット数とに基づき算出した発熱量を、初期値設定部65が設定した電源投入時
の初期温度に逐次加算し、一方、熱量減算処理部68は、タイマ41が計時する単位時間
経過毎の放熱量を逐次減算する。ドット電流量補正部66は、波形補正処理部53が補正
した台形波の消費電流を、基本となる台形波の基本消費電流を補正することで取得する。
【選択図】図1

Description

本発明は、プリンタ等の画像形成装置に設けられた記録ヘッドを駆動するためのヘッド
駆動回路の温度検出装置、画像形成装置及びヘッド駆動回路の温度検出方法に関する。
従来、この種の画像形成装置としてのプリンタ(記録装置)には、記録媒体(例えば用
紙)に印刷を施す記録ヘッドが設けられ、印刷データに基づく画像が記録ヘッドにより用
紙上に印刷されるようになっている。例えばインクジェットプリンタでは、記録ヘッドは
その駆動方式に応じた駆動素子がノズル毎に内蔵されており、駆動素子に駆動電圧を印加
して駆動させることでノズルからインク滴を噴射している。駆動素子としては、圧電方式
ではピエゾ素子、静電駆動方式では静電素子、サーマル方式ではヒータなどが用いられて
いる。
例えば、多数の印刷ジョブを連続して処理する場合には、ヘッド駆動回路の発熱量が放
熱量よりも多くなってヘッド駆動回路が過熱状態に陥ることがある。特にヘッド駆動回路
は、駆動素子に印加する台形波の駆動電圧を生成する台形波生成回路が内蔵されており、
この台形波生成回路が過熱しやすい。従来、記録ヘッドの過熱を防止する手段として、例
えば特許文献1には、サーミスタ等の温度センサを設け、温度センサの検出温度が閾値を
超えると、記録ヘッドによる記録速度を遅くするプリンタが開示されている。
また、記録ヘッドを搭載するキャリッジを駆動させる電動モータの発熱を検出する記録
装置が例えば特許文献2に開示されており、この文献では、温度センサを用いることなく
、電動モータの消費電力に基づき算出した発熱量と経過時間に基づき算出した放熱量と用
いて、モータ温度を推定する構成となっていた。
特開平7―178935号公報 特開2003−79186号公報
ところが、特許文献1に記載のプリンタでは、記録ヘッドやヘッド駆動回路の過熱を防
止できるが、温度センサが必要であり、プリンタの製造コストの上昇を招くという問題が
あった。特にインクジェットプリンタでは、記録ヘッドのノズル内のインクの粘度が環境
温度により変化するため、環境温度に応じた適切な制御を選択するために環境温度センサ
が設けられているものがある。このため、記録ヘッドやヘッド駆動回路の過熱防止目的の
温度センサの追加は、部品点数の増加を招きプリンタの製造コストを引き上げるという問
題を招く。
また、特許文献2に記載された電動モータの温度を消費電力から演算で推定する方法を
、ヘッド駆動回路の温度検出に適用することが考えられる。しかし、記録ヘッドの場合、
例えば100〜1000個程度の多数個のノズル毎に駆動素子が設けられ、駆動素子1個
ごとに消費電流や発熱量等を計算して求めることは、CPUにかかる演算負荷が非常に大
きくなり、CPUが行う他の制御の遅延等の悪影響も心配される。そのため、温度センサ
を用いなくとも、ヘッド駆動回路の温度を効率良く検出できる方法が望まれている。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、記録ヘッドを駆
動するヘッド駆動回路の温度を、温度センサを用いなくても検出できるヘッド駆動回路の
温度検出装置、画像形成装置及びヘッド駆動回路の温度検出方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、ヘッド駆動回路の温度検出装置であって、ドッ
トの記録が可能な記録ヘッドと、前記記録ヘッドにドットの記録が可能な駆動波形で駆動
電力を供給するヘッド駆動回路と、前記記録ヘッドが記録したドット数を計数するドット
カウンタと、前記駆動波形に基づく一ドット当たりの消費電力と前記ドット数とに基づき
前記ヘッド駆動回路の温度を演算する演算手段とを備えたことを要旨とする。なお、「駆
動電力」とは、駆動電圧、駆動電流を含む概念であり、「消費電力」とは、消費電流、消
費電圧を含む概念である。
この発明によれば、ヘッド駆動回路から記録ヘッドへ供給される駆動波形に基づく一ド
ット当たりの消費電力と、ドットカウンタにより計数された記録ヘッドが記録したドット
数とに基づき、演算手段により記録ヘッドの温度が演算される。従って、ヘッド駆動回路
の温度を検出するための温度センサがなくても、ヘッド駆動回路の温度を推定できる。
以下、本発明をプリンタに具体化した一実施形態を図1〜図10に基づいて説明する。
図2に示すように、画像形成装置としてのプリンタ11は、インクジェット式プリンタ
であって、平面視矩形状をなす本体ケース12を備えている。この本体ケース12内には
、ガイド軸13に案内されて主走査方向Xに往復動可能なキャリッジ14が設けられてい
る。このキャリッジ14は、キャリッジモータ(以下、CRモータ15という)が駆動さ
れることにより回転駆動される無端状のタイミングベルト16に固定されている。
キャリッジ14の下部に記録ヘッド17が設けられていると共に、その上部には記録ヘ
ッド17へインクを供給するインクカートリッジ18が装填されている。記録ヘッド17
はそのノズル形成面に形成された多数個のノズル一個毎に吐出駆動素子77(図3、図4
に示す)を内蔵し、各吐出駆動素子77が駆動されることでノズルから記録媒体としての
用紙19に向かってインク滴が噴射(吐出)される。なお、インク吐出駆動方式は、吐出
駆動素子として圧電素子(ピエゾ素子)を用いてインク滴を噴射する圧電方式、静電駆動
素子を用いてインク滴を噴射する静電方式、さらにはヒーターで加熱してノズル内のイン
ク中に気泡を発生させてインク滴を噴射するサーマル方式でもよい。
キャリッジ14の下方には、記録ヘッド17と用紙19との間隔(ギャップ)を規定す
るプラテン20が配置されている。キャリッジ14は印字を行わない休止時に図2におけ
る右端位置に設定されたホームポジション(待機位置)に配置され、ホームポジションに
配置されたキャリッジ14の直下には、記録ヘッド17のクリーニング等を行うメンテナ
ンス装置21が配設されている。例えばプリンタ11が待機状態にあるとき、キャリッジ
14はホームポジションに配置された状態で、メンテナンス装置21から上昇したキャッ
プ21Aによりキャッピングされ、ノズル内のインクの増粘を防止している。
本体ケース12の背面下部一端側位置(図2における右端位置)には、紙送りモータ(
以下、PFモータ22という)が配設されている。用紙19は、PFモータ22により駆
動される複数対の搬送ローラ(図示せず)によって、搬送方向(副走査方向Y)へ搬送さ
れる。そして、キャリッジ14が記録ヘッド17からインク滴を噴射させながら主走査方
向Xに一回(1パス)移動する印字動作(記録動作)と、用紙19を次の印字位置まで所
定ピッチだけ副走査方向Yへ搬送する搬送動作(紙送り動作)とが交互に行われることで
、用紙19に印刷が施される。また、本体ケース12内には、ガイド軸13に沿ってリニ
アエンコーダ24が設けられている。リニアエンコーダ24は、キャリッジ14の移動距
離に比例する数のパルスを出力し、プリンタ11ではその出力パルスを検出して把握され
るキャリッジ14の移動位置、移動速度及び移動方向に基づいて、キャリッジ14の速度
制御及び位置制御が行われる。なお、本実施形態では、搬送ローラ及びPFモータ22等
から構成されて用紙19を副走査方向Yへ移動させる機構により、搬送手段が構成されて
いる。
次に、本実施形態のプリンタ11の電気的構成を図1に基づき説明する。
図1に示すように、プリンタ11は、プリンタ全体を統括制御する主制御部31と、主
制御部31からの要求に基づき動作するヘッドシーケンス部32、CR用制御部33及び
PF用制御部34を備えている。ヘッドシーケンス部32は、主制御部31からの要求に
基づきヘッドドライバを36介して記録ヘッド17を駆動制御する。また、CR用制御部
33は、主制御部31からの要求に基づきモータドライバ37を介してCRモータ15を
駆動制御する。PF用制御部34は、主制御部31からの要求に基づきモータドライバ3
8を介してPFモータ22を駆動制御する。主制御部31、ヘッドシーケンス部32、C
R用制御部33及びPF用制御部34は、例えばCPU及びASIC(Application Spec
ific Integrated Circuit)等により構成される。例えば主制御部31、CR用制御部3
3及びPF用制御部34は、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUにより構成
される。もちろん、各部は、ハードウェア及びソフトウェアのうち少なくとも一方により
機能が実現されていれば足りる。
プリンタ11はインターフェイス39を備え、主制御部31及びヘッドシーケンス部3
2は、ホスト装置25からの印刷データをインターフェイス39を介して受信する。ホス
ト装置25は、例えばパーソナルコンピュータやコンピュータ機能内蔵のモバイル機器等
からなる。
ホスト装置25はプリンタドライバ26を有している。ユーザは、ホスト装置25のモ
ニタ27に表示された印刷条件設定画面を見ながら入力装置28を操作して印刷条件を入
力設定する。その入力設定された印刷条件に応じて印刷モード等が決定され、印刷条件に
応じた解像度変換や色変換等の画像処理が施されて生成された印刷画像データとコマンド
とを含む印刷データがプリンタドライバ26からインターフェイス39を通じて主制御部
31及びヘッドシーケンス部32に送信される。
主制御部31は、印刷データ中のコマンドを解釈し、コマンドの指示に従ってヘッドシ
ーケンス部32、CR用制御部33及びPF用制御部34にそれぞれが行うべき処理を要
求(指令)する。主制御部31は、各部への動作要求を指示する動作要求部40と、タイ
マ41とを備えている。また、プリンタ11は電源スイッチ42及び環境温度センサ43
を備える。主制御部31は電源スイッチ42からの投入信号/遮断信号に基づき電源回路
(図示せず)に対してプリンタ11の電源の投入/遮断のための処理を実行する。なお、
電源回路は、交流電源(例えば100V)から入力した交流電圧を所定の直流電圧に変換
し、各ドライバ36,37,38や主制御部31及びヘッドシーケンス部32に、それぞ
れに対応する電圧値の直流電圧を個別に供給する。
また、ヘッドシーケンス部32は環境温度センサ43からの信号を入力するようになっ
ている。ここで、環境温度センサ43は、プリンタ11の使用環境温度を検出するもので
、本体ケース12内の発熱し易い電子部品(モータ、ドライバ、電子回路等)から熱の影
響を受けない程度に遠ざけた位置に配設されている。本実施形態では、インクの粘度が環
境温度によって変化することを考慮し、環境温度に応じて吐出駆動素子77(図4参照)
に印加すべき電圧波形を補正することで、常に適切なインク噴射性能が得られるようにし
ている。
次に、ヘッドシーケンス部32の構成を説明する。ヘッドシーケンス部32は、記録ヘ
ッド17を駆動制御する機能、インク残量を演算する機能の他、ヘッドドライバ36(ヘ
ッド駆動回路)の温度(ヘッド温度)を、温度センサを用いずに、その消費電力から算出
する機能を有している。
ヘッドシーケンス部32は、ヘッド用制御部51、ドットカウンタ52、波形補正処理
部53、ヘッド温度判定処理部54、演算手段としてのヘッド温度演算部55、インク残
量演算部56及びヘッド用メモリ57を備えている。
印刷データは、インターフェイス39を介して図示しないバッファに一時記憶された後
、ヘッド用制御部51に送られる。ヘッド用制御部51は、印刷データをコマンドと印刷
画像データ(例えばCMYK表色系画像データ)とに分け、印刷画像データをヘッド用メ
モリ(以下、単にメモリ57と称す)の所定記憶領域上に画像展開し、記録ヘッド17が
一走査で印刷を行う1パス分のデータ量ずつ読み出してヘッドドライバ36を介して記録
ヘッド17へ出力する。本実施形態の印刷データは4階調画像データからなり、インク滴
のドットサイズを大中小の3種類のドットサイズで打ち分けることが可能となっている。
これらの4階調画像データはヘッド用制御部51からドットカウンタ52へも送られる
。ドットカウンタ52は、大中小のドットサイズ別にカウンタを備え、各カウンタがドッ
トサイズ別にドット数を計数する。また、本実施形態では、記録ヘッド17へ送られた4
階調画像データは、大中小のドットサイズを打ち分ける噴射波を生み出すための後述する
大中小の三種類のドットサイズに対応する三つの電圧駆動波形COM1,COM2,COM3(図5に
示す)のうち1つを選択するセレクタ信号として用いられる。
ヘッドドライバ36には、上記三つの電圧駆動波形COM1,COM2,COM3(図5に示す)を
生成する台形波生成回路61が内蔵されている。三つの電圧駆動波形COM1,COM2,COM3は
、台形波生成回路61で生成されて記録ヘッド17へ出力される。
また、三つの電圧駆動波形COM1,COM2,COM3は、印刷モードに応じた吐出波形のものが
選択される。図5(a)に示す電圧駆動波形がデフォルトとしてメモリ57に記憶された
基本波形であって、波形補正処理部53は、印刷データ中のコマンドから把握される印刷
モードに応じた基本波形(図5(a))を生成可能な波形指示データCSを不図示のテー
ブルを参照して取得する。波形指示データは、例えば電圧高さV、その電圧の保持時間t
、電圧を変化させる際の傾きθなどの波形パラメータを含む。
ところで、記録ヘッド17は同じ電圧駆動波形COM1,COM2,COM3が吐出駆動素子77(
図4)に印加されても、記録ヘッド17の個体差によってインク吐出性能が異なる。その
ため、プリンタ11の出荷時に行われる出荷テストで適正なインク滴を噴射できるように
、基本電圧駆動波形(以下、単に基本波形COM1,COM2,COM3と称す)を補正する際に参照
する駆動波形補正テーブルWT1(図6(a))がメモリ57に例えばコード情報(例え
ばQRコード)で書き込まれている。
また、環境温度によってノズル内のインクの粘度は変化する。インクの粘度が変化する
と、同じ電圧駆動波形COM1,COM2,COM3が印加された場合であっても、インク吐出性能に
違いが生じる。すなわち、環境温度Tenvが低くインク粘度が高くなっている場合は、イ
ンク吐出抵抗が大きくなり、一方、環境温度Tenvが高くインク粘度が低くなっている場
合は、インク吐出抵抗が小さくなる。このため、環境温度Tenvが高い場合は、噴射力を
弱める方向へ基本波形COM1,COM2,COM3を補正し、一方、環境温度Tenvが低い場合は、
噴射力を強める方向へ基本波形COM1,COM2,COM3を補正することにより、出力すべき電圧
駆動波形COM1,COM2,COM3を得る。メモリ57には、環境温度センサ43から入力した環
境温度Tenvに基づき基本波形を補正するための補正値を取得するための駆動波形補正テ
ーブルWT2(図6(b))が書き込まれている。
波形補正処理部53は、印刷モードに応じた基本波形COM1,COM2,COM3を取得すると、
駆動波形補正テーブルWT1,WT2を参照して、記録ヘッド17の個体差および環境温
度Tenvを反映させるための各補正値をそれぞれ取得し、各補正値を反映させた台形波を
特定しうる波形指示データCSを台形波生成回路61に出力する。波形指示データCSは
、電圧高さV、保持時間t、傾きθなどの波形パラメータ(図5(a)参照)を含むデジ
タル信号からなる。
台形波生成回路61は、波形補正処理部53から入力した波形指示データCSに基づく
台形波の電圧駆動波形COM1,COM2,COM3を生成する。ヘッド用制御部51からは印刷画像
データ(ビットマップデータ)が1パス分ずつヘッドドライバ36を介して記録ヘッド1
7へ送られ、ノズルと同数の吐出駆動素子77のうちビットマップデータに基づき駆動さ
れた吐出駆動素子77の数に応じた電流が台形波生成回路61を流れるようになっている
ヘッド温度演算部55は、吐出駆動素子77が駆動された際に台形波生成回路61を流
れる電圧駆動波形COM1,COM2,COM3の消費電流(つまり消費電力)に基づきヘッドドライ
バ36の温度を推定する。すなわち、電源投入時の温度初期値に対して、記録ヘッド17
が駆動された際に台形波生成回路61を流れる消費電流に基づき発熱量を単位駆動(本例
では1パス)毎に演算して逐次積算するとともに、その積算値から単位時間経過毎の放熱
量を減算してヘッドドライバ36の温度(以下、ヘッド温度と呼ぶこともある)を演算す
る。ヘッド温度演算部55は、温度初期値を設定する初期値設定部65と、基本波形に基
づく一ドット当たりの電流量(基本電流量)を波形補正処理部53による波形補正内容に
合わせて補正する補正手段としてのドット電流量補正部66とを備える。さらに、ヘッド
温度演算部55は、温度初期値に対し単位駆動毎の発熱量を積算(加算)する熱量加算処
理部67と、単位時間経過毎の放熱量を積算値から減算する熱量減算処理部68とを備え
ている。動作要求部40は1パス分の印刷動作を指示する際にヘッドシーケンス部32に
対して印刷要求を出力する。熱量加算処理部67は印刷要求を受け付けたヘッドシーケン
ス部32が、1パス分の印刷動作を終える度に、その1パス分の発熱量を演算してそれま
での積算値(ヘッド温度)に加算する。一方、熱量減算処理部68は、タイマ41が単位
時間を計時する度に動作要求部40から出力される一定時間経過要求を受け付けると、そ
の一定時間経過による放熱量をそれまでの積算値(ヘッド温度)から減算する熱量減算処
理を行う。こうして、ヘッド温度演算部55により、ヘッドドライバ36(台形波生成回
路61)の現時点における温度(ヘッド温度)が求められる。
ヘッド温度判定処理部54は、ヘッドドライバ36が過熱状態にあるかどうかヘッド温
度を判定する。ヘッド温度が閾値を超えたと判定された場合、ヘッド用制御部51は、ヘ
ッド温度が該閾値より低温側に設定された解除閾値未満の値になるまで印刷動作速度を遅
延させるように記録ヘッド17を制御する。この際、主制御部31からの要求に従って、
CR用制御部33及びPF用制御部34も、印刷動作速度の遅延に合わせた駆動速度でC
Rモータ15及びPFモータ22を駆動制御する。
インク残量演算部56は、ドットカウンタ52の計数値に基づいてインク消費量を求め
、インクカートリッジ18のインク初期充填量からインク消費量を減算することで、イン
ク残量を算出する。本実施形態では、インク残量を求めるために設けられたドットカウン
タ52の計数値を利用して、台形波生成回路61の発熱量の演算を行っている。
また、インク噴射用の電圧波形の他、インク噴射期間の合間には、インクを噴射させな
い程度の振幅の小さな電圧を吐出駆動素子77に与え、ノズル内のインクメニスカスを微
振動させる印字外微振動という処理が行われる。この印字外微振動は全ノズルに所定時間
だけ与えられるので、消費電流は一定であり、発熱量は一定値(固定値)となる。この印
字外微振動の一定の発熱量は予備実験を行って得た値がメモリ57に微振動固定値として
書き込まれている。ヘッド温度演算部55は、1パス終了時点における熱量加算処理時に
、この微振動固定値をメモリ57から読み出して蓄熱量Qに加算する。
図3は、記録ヘッド駆動系の回路構成を示すブロック図である。
記録ヘッド駆動系の回路は、ASIC71と、台形波生成回路61と記録ヘッド17と
を備える。本例では、ASIC71内には図1におけるヘッドシーケンス部32が回路と
して内蔵されている。ASIC71は台形波生成回路61内におけるDAC(デジタル・
アナログ・コンバータ)とAMP(増幅回路)とを含む回路72に接続されるとともに、
ノズル数と同数本設けられた制御線CLを介して記録ヘッド17内のノズルセレクタ73と
接続されている。ASIC71内の波形補正処理部53(図1を参照)は、台形波を規定
するデジタル信号からなる波形指示データCSを回路72内のDACに出力する。DAC
で変換されたアナログ信号は、AMPで例えば40Vに増幅されて二個のトランジスタ7
4,75のベースに入力される。回路72から延びるとともにノズルセレクタ73に接続
されているCOM線には、トランジスタ74,75のオン・オフに応じた台形波の電圧が印
加される。記録ヘッド17の1パス分の印刷画像データ(制御信号)が、制御線CLを介し
てパラレルでノズルセレクタ73に送信される。ノズルセレクタ73にはノズル毎の吐出
駆動素子77が接続されている。なお、COM線及び制御線CLはフレキシブル・フラット
・ケーブル(FFC)により構成されている。
図5は、台形波の電圧駆動波形を示し、図5(a)は基本波形、図5(b)は基本波形
を補正した後の電圧駆動波形を示す。例えば不揮発性メモリからなるメモリ57には、図
5(a)の基本波形を規定するデータがデフォルトとして記憶されている。基本波形は、
大・中・小のドットサイズの各々に対応する3つの台形波パルスCOM1,COM2,COM3からな
る。波形補正処理部53は、印刷モードに応じて取得した図5(a)に示す基本波形に対
して、ヘッド個体差に起因する補正と、環境温度に起因する補正とを施し、補正後の3つ
の台形波パルスCOM1,COM2,COM3からなる電圧駆動波形を台形波生成回路61へ出力する
台形波の波形形状は、前述のように、電圧高さV、傾きθ,保持時間tの3つのパラメ
ータより規定され、各台形波の3つのパラメータV,θ,tに基づき各台形波の波形形状
が決まるようになっている。基本波形の各台形波毎にパラメータV,θ,tは設定されて
いる。
図6はヘッド個体差に起因する駆動波形補正テーブルWT1を示す。メモリ57に記憶
されている駆動波形補正テーブルWT1は、プリンタ11(記録ヘッド17)に固有の値
であり、プリンタ11の出荷検査で把握された補正値である。この例では、ヘッドID「
xxxxx」の記録ヘッド17の個体差に起因するパラメータ補正値ΔVo,Δθo,Δtoが設
定されている。例えば基本波形のうちパラメータ(V,θ,t)で規定される一つの台形
波が、(V+ΔVo,θ+Δθo,t+Δto)に補正される。
また、図6(b)は環境温度に起因する駆動波形補正テーブルWT2を示す。環境温度
センサ43により検出された環境温度Tenv(n)に基づき駆動波形補正テーブルWT2を参
照してパラメータ補正値(ΔVn,Δθn,Δtn)を取得し、基本波形のうち波形パラメ
ータ(V,θ,t)で規定される一つの台形波形が、(V+ΔVn,θ+Δθn,t+Δt
n)に補正される。実際の演算は一度に行われ、波形パラメータ(V,θ,t)は、(V
+ΔVo+ΔVn,θ+Δθo+Δθn,t+Δto+Δtn)のように補正される。
図4は、ノズルセレクタの構成を示す。なお、図4に示す記録ヘッド17のノズル形成
面17Aにはインク色と同数のノズル列が形成されているが、図4ではそのうち1色分の
1列のみ示している。ノズル列は、千鳥配置されたノズル78の一群により構成されてい
る。
図4に示すように、ノズルセレクタ73は、シフトレジスタ81、ラッチ回路82、レ
ベルシフタ83、スイッチ素子84を、吐出駆動素子77ごとに備えている。台形波生成
回路61からインク噴射タイミングに同期して出力された三つの電圧駆動波形COM1,COM2
,COM3からなる噴射駆動信号DSは、ノズルセレクタ73に出力される。
各シフトレジスタ81には、発振回路(図示せず)からのクロック信号CKに同期した
ドットデータSI(例えば3ビットの階調値データ「000」「001」「010」「1
00」のうちいずれか)がそれぞれ入力される。各シフトレジスタ81はドットデータの
うち、まず上位ビットのデータを順次セットする。
ラッチ回路82は、上位ビットのデータが各シフトレジスタ81にセットされると、所
定のタイミングで入力されるラッチ信号LATに基づきシフトレジスタ81にセットされ
たデータをラッチする。
レベルシフタ83は、前記データが「1」である場合に、ラッチされたデータを所定の
電圧値(例えば数十ボルト)まで昇圧し、この昇圧したデータによってスイッチ素子84
が接続状態となる。一方、データが「0」である場合、各レベルシフタ83はデータの昇
圧を実行せず、スイッチ素子84が非接続状態となる。
スイッチ素子84は、台形波生成回路61から図4に示す噴射駆動信号DSを入力して
いる。上位ビット「1」に基づきスイッチ素子84が接続状態となるタイミングで、噴射
駆動信号DSのうち第1パルスCOM1が各スイッチ素子84に印加される。そして、上位ビ
ットのデータが出力されると、次にドットデータが中位ビットのデータにシフトされ、中
位ビット「1」に基づきスイッチ素子84が接続状態となるタイミングで、第2パルスCO
M2が各スイッチ素子84に印加される。さらに、中位ビットのデータが出力されると、次
にドットデータが下位ビットのデータにシフトされ、下位ビット「1」に基づきスイッチ
素子84が接続状態となるタイミングで、第3パルスCOM 3が各スイッチ素子84に印加
される。
すなわち、「001」のドットデータが出力されたとき、噴射駆動信号DSのうち第1
パルスCOM1だけが吐出駆動素子77に印加されて小ドットのインクが吐出される。また、
「010」のドットデータSIが出力されたとき、噴射駆動信号DSのうち第2パルスCO
M2が吐出駆動素子77に印加されて大ドットのインクが吐出され、「100」のドットデ
ータが出力されたとき、第3パルスCOM3が吐出駆動素子77に印加されて中ドットのイン
クが吐出される。このように、噴射駆動信号DSのうちドットデータSIの階調値に応じ
て選択された電圧パルスが吐出駆動素子77に印加されることにより、与えられた電圧パ
ルスに応じた強さで吐出駆動素子77が吐出駆動され、ノズル78から階調値に応じたド
ットサイズのインク滴が噴射される。
よって、ドットデータSIが「1」となった時のノズルに対応する吐出駆動素子77に
のみ通電される。このため、台形波生成回路61のうちトランジスタ74,75により構
成されるスイッチ回路76には、通電された吐出駆動素子77の数に比例した電流が流れ
ることになり、その消費電流に応じた発熱量で発熱する。
なお、図4における噴射駆動信号DSの電圧波形は、インク滴を大中小に打ち分ける構
成を説明する模式図であり、個々のパルスの電圧波形やインク特性(粘性等)や記録ヘッ
ド17の吐出特性などに応じて適切なドットサイズにインク滴を打ち分けられるよう適宜
変更してよい。また、インク滴のドットサイズについても大中小の3種類に限定されず、
大小2種類、あるいは4種類以上のドットサイズに打ち分けられるような制御も採用でき
る。さらにノズル開口サイズの異なる複数種のノズル(例えば大小のノズル)を備えた記
録ヘッドを採用し、ノズル開口サイズの異なるノズルを使い分けてインク滴のドットサイ
ズを調整する方式も採用できる。もちろん、1種類のドットサイズのみでインク滴を噴射
する方式も採用できる。
次にヘッド温度の演算について説明する。本実施形態では、ヘッド温度演算部55は台
形波生成回路61の消費電流量に基づきヘッドドライバ36(台形波生成回路61)の温
度(ヘッド温度)を推定する。
大中小各ドットサイズの台形波一個当たりの消費電流と、大中小各ドットサイズ毎のイ
ンク滴のドット数との積の総和として、1パス当たりの消費電流は求められる。つまり、
小ドットの消費電流Is、中ドットの消費電流Im、大ドットの消費電流Ilとし、1パス
当たりの小ドットのドット数Ds、中ドットのドット数Dm、大ドットのドット数Dlとす
ると、1パス当たりの消費電流I(n)は次式のように示される。
I(n)=Is(n)・Ds(n)+Im(n)・Dm(n)+Il(n)・Dl(n) …(1)
ここで、「n」は、電源投入時からnパス目を指し、例えばIs(n)は、電源投入時からn
パス目における小ドット一個当たりの消費電流、Ds(n)はnパス目における小ドットのド
ット数をそれぞれ示す。なお、大中小各ドット一個当たりの消費電流Is(n),Im(n),I
l(n)は、ヘッド個体差特性及び環境温度Tenvに応じて波形補正処理部53が行った波形
補正後の台形波(図5(b)参照)から一義的に決まる値である。
本実施形態では、ドット電流量補正部66が、予めメモリ57に記憶した大中小各ドッ
トサイズ毎の基本波形の消費電流に、波形補正内容に応じた補正を施すことで、ドットサ
イズ毎の消費電流Is(n),Im(n),Il(n)を求める。図8は、基本波形の消費電流を取得
するためにメモリ57に記憶された1ドット基本消費電流テーブル(以下、単に基本消費
電流テーブルBTという)を示す。この基本消費電流テーブルBTには、印刷モード別に
大中小各ドットサイズの基本消費電流(基本駆動電力)が格納されている。ドット電流量
補正部66は、図8に示す基本消費電流テーブルBTを参照して、その時の印刷モードに
対応した大中小各ドットサイズ毎の基本消費電流量(A,B,C)又は(D,E,F)等
を取得する。
図7は台形波の消費電流量を示すグラフである。図7(a)は印刷モードが「モード1
」のときに基本消費電流テーブルBTを参照して得られる大中小各ドットの基本波形の基
本消費電流量「A」「B」「C」を示す。
図7(a)に示す電流の基本波形は、図5(a)に示す電圧の基本波形に対応するもの
であり、図5(b)に示す波形補正後の台形波に対応する図7(b)に示す台形波の消費
電流量を求める。ここで、台形波生成回路61(スイッチ回路76)における抵抗Rは一
定とみなせるため、消費電流は電圧に比例し、図5の電圧波形と図7の電流波形は同じ形
状となる。メモリ57には、基本消費電流量「A」「B」「C」等と、図7(b)に示す
補正後の台形波の消費電流量との差分に相当する差分データが記憶されている。電圧高さ
Vの補正量ΔVに対応する消費電流量の差分ΔIV、時間tの補正量Δtに対応する消費
電流量の差分ΔIt、傾きθの補正量Δθに対応する消費電流量の差分ΔIθが、ヘッド
個体差と環境温度の各要因毎に記憶されている。なお、本例では、消費電流と時間の積で
ある台形波の面積(積分)を消費電流量として扱う。発熱量Q=K・(I^2)・R・t
=K・{(I・t)^2}・R/tで示され、この式中の(I・t)を求めることになる
。ここで、Kは定数、Rは抵抗、tは時間(但し、図5の保持時間tとは異なる)である
。なお、記号「^」は累乗を表す演算子である。
詳しくは、メモリ57には、図9(a)に示すヘッド個体差に起因する消費電流補正テ
ーブルIT1と、図9(b)に示す環境温度に起因する消費電流補正テーブルIT2とが
記憶されている。図9(a)に示す消費電流補正テーブルIT1には、ヘッドIDに関連
付けて、3つの波形パラメータである電圧高さV、傾きθ、時間t別に電流補正量ΔIV
o,ΔIθo,ΔItoが示されている。また、図9(b)に示す消費電流補正テーブルI
T2には、環境温度Tenv(j)(j=1,2,…)毎に、3つの波形パラメータである電
圧高さV、傾きθ、時間tに対応付けて電流補正量ΔIVj,ΔIθj,ΔItjが示され
ている。
ドット電流量補正部66は、図8に示す基本消費電流テーブルBTを参照して、例えば
印刷モードが「モード1」のときに大中小各ドットサイズ毎の台形波の基本消費電流「A
」「B」「C」を取得する。そして、図9(a)に示す消費電流補正テーブルIT1を参
照してヘッドID(つまりヘッド個体差)に応じた電流補正量ΔIVo,ΔIto,ΔIθ
oを取得するとともに、図9(b)に示す消費電流補正テーブルIT2を参照してその時
の環境温度Tenv(j)に対応した電流補正量ΔIVj,ΔItj,ΔIθjを取得し、これら
電流補正量を用いて、基本消費電流量「A」「B」「C」を補正する。すなわち、大ドッ
トの台形波一ドット当たりの消費電流Il(n)、中ドットの台形波一ドット当たりの消費電
流Im(n)、及び小ドットの台形波一ドット当たりの消費電流Is(n)は、それぞれ以下のよ
うになる。
Il(n)=A+ΔIVo+ΔIto+ΔIθo+ΔIVj+ΔItj+ΔIθj
Im(n)=B+ΔIVo+ΔIto+ΔIθo+ΔIVj+ΔItj+ΔIθj
Is(n)=C+ΔIVo+ΔIto+ΔIθo+ΔIVj+ΔItj+ΔIθj
ここで、電流補正量は、大中小ドット間で異なる値であってもよい。なお、本実施形態で
は、環境温度Tenvについての波形補正は電圧高さVの補正だけを行っており、ΔItjと
ΔIθjの値を「0」としている。もちろん、ΔItjとΔIθjに「0」以外の補正値を
設定してもよい。ヘッド個体差については、出荷検査結果に応じて、3つの波形パラメー
タについてΔIVo,ΔIto,ΔIθoを設定している。
このようにドット電流量補正部66は、基本波形の基本消費電流量との差分を補正量と
して取得し、その補正量を基本消費電流に加減するだけの簡単な計算で済む。例えば補正
後の台形波からその波形の占める全域の面積を計算する面倒な計算処理をしなくてもよい
メモリ57には、電源オン中に使用されるヘッド温度算出用の計算式と、電源オフ後に
使用される放熱系の計算式とが記憶されている。ヘッド温度算出用の計算式において、今
回の蓄熱量Q(n,t)pre(℃)は、前回の蓄熱量Q(n,t)lastを用いて、次式で
与えられる。
Q(n,t)pre=Q(n,t)last×αh+H(n) …(2)
ここで、αhはヘッドドライバ36(本例では特に台形波生成回路61)の放熱係数、上
記(2)式中のH(n)は、1パス当たりの発熱量で、式 H(n)=I(n)^2・R・tpass
で表される。ここで、tpassは、パス毎にタイマ41が計時した1パス当たりの所要時間
、Rはスイッチ回路76における抵抗値である。また、放熱係数αhは、単位時間To経過
前後における蓄熱量の比率(0<αh<1)を示す係数であって、本実施形態では台形波
生成回路61を用いた放熱係数測定実験により求めた値を採用している。放熱係数αhは
、台形波生成回路61に用いられている冷却フィンやヒートシンク等の放熱構造に依存す
る値をとる。
また、電源オフ後において、蓄熱量Q(n,t)preは、電源遮断時からの経過時間T
を用いて、以下の放熱系の計算式により与えられる。
Q(n,t)pre=Q(n,t)last×αh^(T/To) …(3)
ここで、Tは、電源遮断時からの経過時間、蓄熱量Q(n,t)lastは、電源遮断時にお
けるヘッド温度である。なお、蓄熱量Q(n,t)preは、ヘッドドライバ36の温度と
同じ物理量(℃)であり、以後、Q(n,t)preをヘッド温度と呼ぶ場合もある。
初期値設定部65は、上記(2)式において電源投入時の最初のQ(n,t)lastを設定
する。電源スイッチ42がオフ操作されて電源を遮断する際のヘッド温度Q(n,t)pr
eをメモリ57に書き込む一方、電源スイッチ42がオン操作されて電源を投入する際に
メモリ57から前回の電源遮断時のヘッド温度Q(n,t)preを読み取る。プリンタ1
1では、電源遮断中においても、タイマ41による計時が可能となっており、主制御部3
1は、タイマ41が計時する前回の電源遮断時からの経過時間Tが所定値を超える場合は
、環境温度センサ43の検出値に基づく現在の環境温度Tenvを初期値とする。一方、電
源遮断時からの経過時間Tが所定値以下の場合は、タイマ41が計時した電源遮断時間に
応じた時間経過分だけ放熱したものとして、上記(3)式に基づいて計算した現在のヘッド
温度を温度初期値とする。なお、所定値は、ヘッド温度が環境温度程度に十分放熱されう
る所定時間に設定され、例えば20分〜2時間の範囲内の値が設定されている。
なお、発熱量の算出タイミングは、1パス毎に限らず、例えば記録ヘッド17が非キャ
ッピング状態になってから次にキャッピング状態になるまでの期間を単位駆動としてもよ
い。
図10は、動作要求部40からの要求に応答して実施されるヘッドシーケンス部32の
処理フローを示す。以下、温度演算処理について図10に従って説明する。
さて、ユーザが電源スイッチ42をオン操作して、プリンタ11の電源がオンされると
、主制御部31内の動作要求部40は、ヘッドシーケンス部32に対して電源ON要求を
行う(ステップS1)。電源ON要求を受け付けたヘッドシーケンス部32は、まず初期
値設定処理を行う(ステップS11)。すなわち、初期値設定部65は、タイマ41が計
時した前回の電源遮断時からの経過時間が所定値を超えているか否かを判断し、所定値を
超えていなければ、前回の電源遮断時におけるヘッド温度Q(n,t)lastをメモリ57
から読み出すとともに、前記(3)式に示す放熱系の計算式に基づき、ヘッド温度Q(n,
t)lastから経過時間の間の放熱量を減算してヘッド温度の初期値を算出する。一方、経
過時間が所定値を超えている場合は、環境温度センサ43が検出した環境温度Tenvを温
度初期値とする。
次に、動作要求部40からの印刷要求がなければ、印刷要求を受け付けたときに行うべ
きステップS12〜S15を実行しない。そして、動作要求部40から一定時間経過要求
(S3)を受け付けると、ステップS16において、熱量減算処理を行う。すなわち、熱
量減算処理部68が、前記(2)式に示す計算式のうち放熱系の項(Q(n,t)last×αh
)を演算し更新する。
一方、動作要求部40から印刷要求があると(S2)、ステップS12において、まず
ヘッド温度判定処理を行う。すなわち、ヘッド温度判定処理部54は、ヘッド温度Q(n
,t)preが、予め決められた閾値を超えたか否かを判断する。ヘッド温度Q(n,t)p
reが閾値を超えた場合は、例えばキャリッジ14が1パスの印刷を終了する度に、その反
転位置で所定休止時間(例えば0.2〜3秒)の休止を入れるヘッド発熱抑制制御を行う
。閾値は例えば複数用意されており、ヘッド温度Q(n,t)preが超えた閾値が高いほ
ど休止時間が長く設定される。また、ヘッド温度Q(n,t)preが閾値より低温側に設
定された所定温度以下に降温すれば、ヘッド発熱抑制制御を中止して通常の印刷動作に復
帰する。なお、ヘッド発熱制限制御は、上記の制御内容の限定されず、例えば印刷時にお
けるCRモータ15の駆動速度Vnを通常時より遅くしてインク噴射間隔を開ける制御で
あってもよい。
ステップS13では、ドット電流量補正処理を行う。すなわち、ドット電流量補正部6
6は、基本消費電流テーブルBT(図8)を参照して、そのときの印刷モードに応じた大
中小各ドットサイズ毎の基本波形の消費電流量を取得する。さらに、ドット電流量補正部
66は、消費電流補正テーブルIT1(図9(a))を参照してヘッド個体差に応じた電
流補正量を取得するとともに、消費電流補正テーブルIT2(図9(b))を参照して、
環境温度センサ43が検出した現在の環境温度Tenvに応じた電流補正量を取得する。そ
して、基本波形の基本消費電流量に電流補正量を加減することで、波形補正後における大
中小各ドットサイズ毎の台形波の消費電流量を求める。つまり、大中小各ドットサイズ毎
に1ドット当たりの消費電流量Il(n),Im(n),Is(n)を求める。
ステップS14では、印刷動作を行う。すなわち、波形補正処理部53が基本波形の波
形補正を行って取得した補正後の台形波を規定する波形指示データCSを台形波生成回路
61へ出力するとともに、ヘッド用制御部51が印刷画像データに基づくドットデータを
、ヘッドドライバ36を介して記録ヘッド17へ出力する。これと並行してCR用制御部
33がCRモータ15を駆動制御して実施されるキャリッジ14の主走査方向への移動と
、PF用制御部34がPFモータ22を駆動制御して実施される用紙19の搬送(紙送り
)とが略交互に行われ、キャリッジ14の主走査方向の移動途中に記録ヘッド17のノズ
ル78からインク滴が噴射されることで用紙19に印刷が施される。
この印刷動作において、ヘッド用制御部51から出力されたドットデータはドットカウ
ンタ52へも出力され、ドットカウンタ52はドットデータに基づいてドットの個数を大
中小各ドットサイズ別に計数する。ヘッド用制御部51はドットデータを1パス分ずつ出
力するため、ドットカウンタ52は1パス分ずつドット数を計数する。よって、1パス終
了時点には、ドットカウンタ52には、直前の1パス分のドット数が計数されている。な
お、ドットカウンタ52は、次パスの印刷動作開始に先立ってリセットされる。
1パス分の印刷動作が終了する度に、ステップS15において、熱量加算処理が行われ
る。まずドット電流量補正部66からドットサイズ毎の1ドット当たりの消費電流量Il(
n),Im(n),Is(n)を取得するとともに、ドットカウンタ52からドットサイズ毎の1パ
ス分のドット数Dl(n),Dm(n),Ds(n)を取得する。そして、前記(1)式を用いて、I(n)
=Is(n)・Ds(n)+Im(n)・Dm(n)+Il(n)・Dl(n)により、nパス目の1パス分の消費
電流量を求める。1パス分の消費電流量I(n)が求まると、これを用いて今回の1パスに
おける発熱量H(n)を求め、この発熱量H(n)を、前記(2)式において、加算する。
また、インク滴噴射前のタイミングでインク滴を噴射させない程度の微振動用の電圧駆動
波形を吐出駆動素子77に印加することにより、インクメニスカスに微振動を付与する印
字外微振動が行われる。印字外微振動の発熱量は毎パス一定値をとるため、メモリ57か
ら読み出した微振動固定値を加算して、ヘッド温度Q(n,t)preを求める。なお、微
振動固定値の加算は毎パス行うことに限定されず、複数パス毎あるいは印刷終了時のタイ
ミングで、印刷中に計数したパス数を微振動固定値に乗じた値を加算する構成としてもよ
い。例えばキャッピング状態から解放されたキャリッジ14が印刷動作を終えて、次にキ
ャッピングされたタイミングで微振動固定値を加算する。
なお、インク滴を噴射させないノズルについては他のノズルがインク滴を噴射している
タイミングで微振動を付与してもよい。この微振動の場合は、ノズル一個当たりの微振動
固定値に、例えば1パス当たりのドット非噴射ノズルの延べ数を乗算した微振動総電流に
基づき算出した発熱量を加算することでヘッド温度Q(n,t)preを求めればよい。
また、動作要求部40から一定時間経過要求(ステップS3)を受け付けると、ステッ
プS16において、熱量減算処理を行う。前記(2)式において、前回の蓄熱量Q(n,t
)lastに放熱係数αhを乗じる演算「Q(n,t)last・αh」(0<αh<1)を行う。
この演算は、前回の蓄熱量Q(n,t)lastから放熱量(=Q(n,t)last・(1−α
h))を減算する演算に相当する。
こうして熱量加算処理と熱量減算処理が行われるタイミングが異なるが、前記(2)式に
基づく計算が行われて、現在のヘッド温度Q(n,t)pre(℃)が求められる。
そして、動作要求部40から電源OFF要求(ステップS4)を受け付けると、ステッ
プS17において、ヘッド温度保存処理を行う。すなわち、初期値設定部65は、電源遮
断時(現在)のヘッド温度Q(n,t)preを、メモリ57の所定記憶領域に保存する。
以上詳述したように本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)記録ヘッド17を駆動するヘッドドライバ36(特に台形波生成回路61)の温
度を、台形波生成回路61における消費電力(消費電流)に基づき演算したので、温度セ
ンサを用いなくても、ヘッドドライバ36の温度Q(n,t)preを推定できる。
(2)特に、一ドット当たりの消費電力(消費電流)と、ドットカウンタ52が計数し
たドット数とに基づいてヘッドドライバ36の温度を演算する構成なので、記録ヘッド1
7が各ノズルに対応して多数個の吐出駆動素子77を内蔵し、毎回の駆動(パス)におい
て駆動される吐出駆動素子77の個数が変化する構成でも、比較的簡単な演算でヘッド温
度Q(n,t)preを算出できる。
(3)ドットカウンタ52によりドット数を各ドットサイズ毎に計数し、ドットサイズ
毎のドット数と、電圧駆動波形COM1,COM2,COM3の波形形状により規定される各ドットサ
イズ別の消費電流Is(n),Im(n),Il(n)とに基づき、ヘッド温度Q(n,t)preを比
較的容易に演算できる。
(4)印刷モードに対応した基本消費電流を基本消費電流テーブルBTを参照して取得
し、その取得した基本消費電流に対して差分のデータΔIVo,ΔIθo,ΔIto,ΔI
Vj,ΔIθj,ΔItjを加減算することにより消費電流を求める演算方法を採用した。
よって、ヘッド個体差(ヘッドID)や環境温度Tenvなどのパラメータの値に応じた差
分を基本消費電流に対して加減算するだけの簡単な演算内容で消費電流を取得できる。例
えば駆動波形(台形波波形)が複雑な波形形状であっても、その複雑な波形形状の全領域
を演算する必要はなく、共通部分は既知データを利用し、変更部分だけを計算すればよい
ので、変更後の台形波に基づく消費電流を波形全域に渡り演算する構成に比べ、演算負荷
を軽減できる。
(5)前回の積算値に単位発熱量(単位駆動(1パス)当たりの発熱量)を加算すると
ともに、前回からの経過時間に基づく単位放熱量(単位時間当たりの放熱量)を減算して
蓄熱量を算出するので、ヘッド温度Q(n,t)preを比較的正確に推定できる。
(6)初期値設定部65が、電源投入時において前回の電源遮断時からの経過時間が所
定時間以下であれば、その経過時間に対応する放熱が進んだものとして算出したヘッド温
度Q(n,t)preを、電源投入時の初期温度に設定した。一方、前記経過時間が所定時
間を超えた場合は、十分放熱されているものとして、環境温度センサ43の検出値である
環境温度Tenvを初期温度に設定した。よって、電源投入時に適切な初期温度が設定され
るので、ヘッド温度Q(n,t)preを正確に推定することができる。
(7)ヘッド温度Q(n,t)preが閾値を超えた場合には、印刷動作を継続しつつキ
ャリッジ14が1パス駆動される度の駆動の合間(キャリッジ反転時)に所定休止時間(
例えば0.2〜2秒)の休止を付与する発熱制限制御を採用した。よって、ヘッドドライ
バ36(特に台形波生成回路61)の発熱を効果的に抑制することができる。
上記実施形態は以下の態様に変更してもよい。
(変形例1)発熱量の加算を単位時間毎に行ったり、放熱量の減算を単位駆動毎に行っ
たりして、発熱量の加算と放熱量の減算とを行うタイミングを揃えてもよい。
(変形例2)電流補正量の差分データの加減による補正方法ではなく、台形波が占める
波形全域の面積を計算してもよい。
(変形例3)複数の台形波を組み合わせて所定サイズのドットの記録が行われる構成も
採用できる。例えば小ドット用の台形波と中ドット用の台形波の両方を選択すると、大ド
ットの記録が行われる構成を挙げることができる。
(変形例4)前記実施形態における発熱抑制制御は、CRモータ15の駆動の合間に休
止を付与する制御ではなく、印刷を強制的に停止させる制御でもよい。
(変形例5)ヘッド温度の判定を、一つのシーケンスが終了する度に閾値をみて行って
もよい。例えば印刷を終了して待機位置へ戻った記録ヘッド17をキャッピングする度に
閾値を超えるか否かを判断する。閾値を超えている間は、その後、印字指令を受信しても
印字開始を待機したり、単位駆動(1パス)の度に休止を入れる印刷方法でもよい。
(変形例6)本発明が適用される画像形成装置はシリアルプリンタに限定されず、用紙
19の搬送方向(前後方向)と交差する方向において記録ヘッド17が最大用紙幅全域に
渡ってノズルが配列された、いわゆるフルラインタイプのプリンタに具体化してもよい。
さらに、プリンタ11を、ドットインパクト方式のプリンタに具体化してもよいし、レー
ザー方式のプリンタに具体化してもよい。
(変形例8)液体を噴射する方式の画像形成装置としては、インク滴の噴射に限定され
ず、インク以外の他の液体(機能材料の粒子が分散されている液状体を含む)を噴射する
液体噴射装置に具体化することもできる。例えば、液晶ディスプレイ、EL(エレクトロ
ルミネッセンス)ディスプレイ及び面発光ディスプレイの製造などに用いられる電極材や
色材などの材料が分散または溶解された液状体を、記録ヘッドにより、例えばシート状の
基板上に噴射して、画素パターンや配線パターン等の画像を液体噴射法で描画する画像形
成装置にも適用できる。また、例えばトナー等の粉粒体を噴射する画像形成装置にも適用
できる。
以下、前記実施形態及び各変形例から把握できる技術的思想を以下に記載する。
(1)前記演算手段は、前記駆動波形から決まる1ドット当たりの消費電力と、前記記
録ドット数とに基づいてヘッド駆動回路の発熱量を単位時間又は単位駆動毎に積算すると
ともに、時間経過に基づく放熱量を前記積算値から逐次減算して前記温度を演算すること
を特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のヘッド駆動回路の温度検出装置。
(2)前記パラメータ取得手段として、パラメータとしての環境温度を検出する環境温
度検出手段を備え、前記補正手段は、前記環境温度が高くなるほど前記記録ヘッドが記録
する流体の粘度が低下することに応じて前記記録ヘッドに供給すべき駆動電力を小さくす
るように補正することを特徴とする請求項3乃至6のいずれか一項に記載のヘッド駆動回
路の温度検出装置。
(3)前記(2)の技術的思想において、前記ヘッド駆動回路の前記温度が閾値を超え
ると、記録動作を継続しつつ該記録動作の合間に所定時間の休止を入れるように前記記録
ヘッドを制御する制御手段を更に備えたことを特徴とするヘッド駆動回路の温度検出装置
一実施形態におけるプリンタの電気的構成を示すブロック図。 プリンタの概略斜視図。 ヘッドシーケンス部と記録ヘッドとの電気的構成を示す回路図。 吐出駆動回路を示す回路図。 (a)基本となる台形波、(b)補正後の台形波をそれぞれ示す模式図。 (a),(b)駆動波形補正テーブルを示す図。 (a)基本となる台形波に基づく基本消費電流から(b)補正後の台形波に基づく消費電流を求める演算方法の説明図。 1ドット基本消費電流テーブルを示す図。 (a),(b)消費電流補正テーブルを示す図。 発熱制限制御の流れを示すシーケンシャル図。
符号の説明
11…画像形成装置としてのプリンタ、15…CRモータ、17…記録ヘッド、19…
ターゲットとしての用紙、22…PFモータ、31…主制御部、32…ヘッドシーケンス
部、36…ヘッド駆動回路としてのヘッドドライバ、40…動作要求部、41…計時手段
としてのタイマ、42…電源スイッチ、43…パラメータ取得手段を構成する環境温度セ
ンサ、51…ヘッド用制御部、52…ドットカウンタ、53…波形補正処理部、54…ヘ
ッド温度判定処理部、55…演算手段としてのヘッド温度演算部、56…インク残量演算
部、57…記憶手段としてのヘッド用メモリ、61…ヘッド駆動回路を構成する台形波生
成回路、65…電源遮断時処理手段及び初期温度設定手段としての初期値設定部、66…
補正手段としてのドット電流量補正部、67…熱量加算処理部、68…熱量減算処理部、
71…ASIC、72…回路、73…ノズルセレクタ、77…駆動素子としての吐出駆動
素子、COM1,COM2,COM3…駆動電力としての電圧駆動波形、BT…1ドット基本消費電流
テーブル、WT1…ヘッド個体差に起因する駆動波形補正テーブル、WT2…環境温度に
起因する駆動波形補正テーブル、Q(n,t)pre…今回のヘッド温度(蓄熱量)、Q(
n,t)last…前回のヘッド温度(蓄熱量)、αh…放熱係数、To…単位時間、H(n)
…ヘッド発熱量、T…経過時間、Ds…小ドットのドット数、Dm…中ドットのドット数、
Dl…大ドットのドット数、Tenv…パラメータとしての環境温度。

Claims (8)

  1. ドットの記録が可能な記録ヘッドと、
    前記記録ヘッドにドットの記録が可能な駆動波形で駆動電力を供給するヘッド駆動回路
    と、
    前記記録ヘッドが記録したドット数を計数するドットカウンタと、
    前記駆動波形に基づく一ドット当たりの消費電力と前記ドット数とに基づき前記ヘッド
    駆動回路の温度を演算する演算手段と
    を備えたことを特徴とするヘッド駆動回路の温度検出装置。
  2. 前記記録ヘッドは、ドットサイズの異なる複数種のドットを記録可能に構成され、
    前記ヘッド駆動回路は、前記ドットサイズの異なるドットを記録分け可能な前記駆動波
    形を生成し、
    前記ドットカウンタは前記ドット数をドットサイズ別に計数するように構成され、
    前記演算手段は、前記駆動波形に基づくドットサイズ毎の一ドット当たりの消費電力と
    、ドットサイズ毎の単位時間又は単位駆動当たりのドット数とに基づいて前記ヘッド駆動
    回路の温度を演算することを特徴とする請求項1に記載のヘッド駆動回路の温度検出装置
  3. 一ドット当たりの基本駆動電力を記憶する記憶手段と、
    前記基本駆動電力を補正するためのパラメータを取得するパラメータ取得手段と、
    前記パラメータを用いて前記基本駆動電力を補正する補正手段とを更に備え、
    前記演算手段は、前記補正された駆動電力を用いて前記温度を演算することを特徴とす
    る請求項1又は2に記載のヘッド駆動回路の温度検出装置。
  4. 前記基本駆動電力を補正するための差分データを前記パラメータの値と対応付けて記憶
    する記憶手段と、
    前記補正手段は、前記パラメータ取得手段により取得された前記パラメータの値に対応
    する差分データで前記基本駆動電力を補正することで一ドット当たりの消費電力を取得し

    前記演算手段は、前記一ドット当たりの消費電力と前記ドット数とを用いて前記温度を
    演算することを特徴とする請求項3に記載のヘッド駆動回路の温度検出装置。
  5. 前記記録ヘッドは記録動作中に記録を行わない期間は該記録ヘッドの駆動素子に記録を
    行わせない程度に弱い駆動波形の電圧を印加する印字外微振動を行うように構成され、
    前記演算手段は、印字外微振動のときは前記駆動波形に基づく演算を行わずに予め記憶
    する補正値を用いて温度を演算することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記
    載のヘッド駆動回路の温度検出装置。
  6. 電源の遮断に際して前記温度を記憶手段に記憶する電源遮断時処理手段と、
    環境温度を検出する環境温度センサと、
    電源遮断時からの経過時間を計時する計時手段を備え、
    電源遮断の後、次に電源が投入された際に、前記経過時間が所定値以下であれば、前記
    記憶手段が記憶する前記電源遮断時における前記温度から前記経過時間に基づく放熱量を
    減算して得た温度を電源投入後最初の初期温度として設定し、一方、前記経過時間が所定
    値を超えている場合は、当該電源投入時における前記環境温度センサの検出温度を、電源
    投入後最初の初期温度として設定する初期温度設定手段とをさらに備えたことを特徴とす
    る請求項1乃至5のいずれか一項に記載のヘッド駆動回路の温度検出装置。
  7. 記録ヘッドと、前記記録ヘッドの駆動素子に一ドット当たりの駆動波形で規定される駆
    動電力を供給するヘッド駆動回路と、前記記録ヘッドがドット記録を行うターゲットを搬
    送する搬送手段と、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の温度検出装置とを備えたこと
    を特徴とする画像形成装置。
  8. 記録ヘッドにドットの記録が可能な駆動波形で駆動電力を供給するヘッド駆動回路の温
    度検出方法であって、
    ヘッド駆動回路に供給させる駆動電力の駆動波形に基づく一ドット当たりの消費電力を
    取得する消費電力取得ステップと、
    前記記録ヘッドが記録したドット数を計数するドット計数ステップと、
    前記一ドット当たりの消費電力と前記ドット数とに基づき前記ヘッド駆動回路の温度を
    演算する演算ステップと
    を備えたことを特徴とするヘッド駆動回路の温度検出方法。
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