JP2002331649A - 記録ヘッド駆動制御装置 - Google Patents

記録ヘッド駆動制御装置

Info

Publication number
JP2002331649A
JP2002331649A JP2001139028A JP2001139028A JP2002331649A JP 2002331649 A JP2002331649 A JP 2002331649A JP 2001139028 A JP2001139028 A JP 2001139028A JP 2001139028 A JP2001139028 A JP 2001139028A JP 2002331649 A JP2002331649 A JP 2002331649A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
recording head
temperature
print
printing
drive control
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001139028A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4134526B2 (ja
Inventor
Yoshihiko Ono
吉彦 小野
Masahiko Fujii
雅彦 藤井
Kenji Ikeda
賢治 池田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP2001139028A priority Critical patent/JP4134526B2/ja
Publication of JP2002331649A publication Critical patent/JP2002331649A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4134526B2 publication Critical patent/JP4134526B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録ヘッドの温度上昇に起因する画像の濃度
ムラ、濃度差およびインク吐出不能による白抜けの発生
を防止し、記録される画像の品質を向上させる。 【解決手段】 入力された画像データに基づいてインク
を吐出する記録ヘッドの駆動を制御するインクジェット
記録装置用の記録ヘッド駆動制御装置において、算出手
段により前記画像データに基づいてこれから印字すべき
印字量を算出し、制御手段により前記算出手段により算
出された印字量に基づいて前記画像データによる印字を
したときに前記記録ヘッドの温度が印字不良状態の温度
とならないように前記記録ヘッドの駆動を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録ヘッド駆動制
御装置、特に、インクを吐出する記録ヘッドの駆動を制
御するインクジェット記録装置用の記録ヘッド駆動制御
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、インクジェット記録装置の一
つとして、インクを電気熱変換体等の発熱素子により加
熱して気泡を発生させ、その気泡が成長する際の圧力に
よって当該インクを吐出し、記録を行うサーマル型イン
クジェット記録装置がある。
【0003】サーマル型インクジェット記録装置におい
ては、上記したように発熱素子を発熱させてインクを加
熱する構成であるため、連続して印字を行うと熱が記録
ヘッドに蓄熱されて記録ヘッドの温度が上昇する。一般
に、サーマル型インクジェット装置に用いられるインク
は温度によってその粘度が変化する。したがって、記録
ヘッドの温度変化や環境の温度変化によりインクの粘度
が変化し、吐出されるインク滴の量が変化する。この結
果、印字された画像に濃度差が生じたり、スキャン毎に
濃度ムラが発生する虞がある。さらに、印字率の高い連
続印字では、記録ヘッドの過昇温により吐出不能状態と
なって所謂白抜けが発生する虞があり、印字される画像
の品質が低下する。
【0004】上記したような不具合を抑制するために、
サーミスタ等の温度検知素子を用いて記録ヘッドの温度
を検知し、検知した温度に基づいて発熱素子の駆動条件
を変化させる等することで記録ヘッドの駆動を制御し、
濃度調整を行う技術がある。具体的には、例えば特開平
3−121852号公報や特開平7−125260号公
報には、印字する画像情報から記録ヘッドの温度を予測
し、その予測結果から発熱素子を発熱させる際に与える
パルスの形状を定める発明について記載されている。ま
た、特開平3−284951号公報には、記録ヘッドの
温度を検出し、検出した温度に基づいて記録ヘッドを駆
動するパルスの波形幅を変化させるよう制御する発明が
記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
サーマル型インクジェット記録装置では、以下のような
不具合がある。すなわち、従来のサーマル型インクジェ
ット記録装置においては、印字始端における記録ヘッド
の温度を検出して駆動パルスの条件を設定しているた
め、印字始端部分では設定された駆動条件によって反射
光学濃度(インク吐出量)が一定に保たれる。しかし、
図11に示すように印字が進行するにつれて記録ヘッド
の温度が上昇し、これにより反射光学濃度も上昇し、印
字始端と印字終端とで記録される画像の濃度に差が生じ
る、という問題がある。
【0006】また、図11に示すように、往復(双方
向)印字を行う場合には往印字の終了後復印字の開始前
までに記録ヘッドの温度が低下するところ、温度が低下
した状態で記録ヘッドの温度の検出が行われる。したが
って、検出された低い温度に基づいてヘッド駆動条件が
設定され、印字が行われるため、記録される画像のライ
ンとラインとで反射光学濃度に差が生じ、境界部分の濃
度に差が生じる、という問題がある。
【0007】さらに、1バンド分の画像データ量の多い
画像を印字する場合には、記録ヘッドの温度のみに着目
した記録ヘッドの駆動制御では、印字開始前に検出した
記録ヘッドの温度が低い場合であっても、印字終端部分
に至っては記録ヘッド温度が100℃を超える場合があ
り、この場合には吐出不能状態となり、白抜けの発生を
招く虞がある、という問題もある。
【0008】本発明は、上記問題を解決すべく成された
もので、記録ヘッドの温度上昇に起因する画像の濃度ム
ラ、濃度差およびインク吐出不能による白抜けの発生を
防止し、記録される画像の品質を向上させることのでき
る記録ヘッド駆動制御装置の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1の発明は、入力された画像データに基づいて
インクを吐出する記録ヘッドの駆動を制御するインクジ
ェット記録装置用の記録ヘッド駆動制御装置において、
前記画像データに基づいてこれから印字すべき印字量を
算出する算出手段と、前記算出手段により算出された印
字量に基づいて前記画像データによる印字をしたときに
前記記録ヘッドの温度が印字不良状態の温度とならない
ように前記記録ヘッドの駆動を制御する制御手段と、を
備えたことを特徴としている。
【0010】請求項1の発明は、インクジェット記録装
置用の記録ヘッド駆動装置に適用される。このインクジ
ェット記録装置は、入力された画像データに基づいてイ
ンクを吐出することにより画像を記録するもので、この
インクの吐出は記録ヘッドで行われる。記録ヘッドは、
記録ヘッド駆動制御装置により制御される。まず、記録
ヘッドによる印字をするにあたり、算出手段によって印
字量を算出する。この印字量は、画像データに基づくこ
れから印字すべき印字量である。すなわち、印字量は、
記録ヘッドを用いた実際に印字する量であり、画像デー
タのデータ量やその画像データによる画素量等の面積に
応じた量がある。また、相対的に考えれば比率を用いる
こともできる。例えば、算出手段では、入力された画像
データをビット信号に変換し、このビット信号から所定
の印字領域に対する印字量を算出することができる。こ
の場合、印字量には、例えば、印字される画素数、ピク
セル数等を用いることが好適である。
【0011】制御手段は、印字量に基づいて、画像デー
タによる印字をしたときに、記録ヘッドの温度から印字
不良状態とならないように、記録ヘッドの駆動を制御す
る。印字不良状態とは、画像データによる実際の印字と
画像データにより印字されるべき印字とが異なる状態を
いい、抜け、もれ、かすれ等がある。そこで、記録ヘッ
ドの温度が印字不良状態の温度とならないためには、印
字をするときに記録ヘッドの温度上昇を抑制すればよ
い。すなわち、インクジェット記録装置用の記録ヘッド
は、予め定めた温度を超えると印字に支障が生じる場合
がある。従って、印字不良状態の温度とならないように
記録ヘッドを駆動することで、良質な印字が可能とな
る。この場合、駆動は記録ヘッドの温度上昇を抑制する
ため記録ヘッドに与えられる負荷を小さくすればよい。
このためには、記録ヘッドに与えられる負荷を供給時間
を伸長させて与えたり、間欠的に与えたりすることで達
成できる。このとき、付与すべきエネルギの総量が同じ
になるようにする。
【0012】請求項2の発明は、前記請求項1記載の記
録ヘッド駆動制御装置において、前記制御手段は、記録
ヘッドの駆動周波数を制御することを特徴としている。
【0013】前記記録ヘッドの駆動制御の一例として、
任意の周波数による駆動信号によって周期的に駆動を行
う場合がある。この場合、周波数を変更することで単位
時間あたりの負荷を変更できる。そこで、制御手段によ
って記録ヘッドの駆動周波数を制御する。この制御は、
算出手段により算出された印字量に対応して行う。印字
量に対応して駆動周波数を変更すると、記録ヘッドに与
えられる単位時間あたりの負荷が変更される。このた
め、駆動周波数を制御することで、記録ヘッドに対する
供給エネルギが分散され、エネルギの総量が同じであっ
ても、温度上昇に寄与するエネルギ量が減少する。例え
ば、印字量が多い場合に駆動周波数を低くし、印字量が
少ない場合に駆動周波数を高くすることができる。これ
は、印字量が多いと記録ヘッドの温度浄書が大きいこと
から予測され、駆動周波数を小さくすることで単位時間
あたりの負荷が小さくなり、温度上昇を抑制することが
できるためである。またこのように駆動周波数を変化さ
せる場合に、線形的に変化させたり、段階的に変化させ
たりすることができる。これにより、記録ヘッドが印字
不良状態となることを防止し、記録ヘッドを良好な状態
に保持することができる。
【0014】請求項3の発明は、前記請求項1又は請求
項2記載の記録ヘッド駆動制御装置において、前記印字
量は、予め定めた印字領域に対する印字の比率を表す印
字率であることを特徴としている。
【0015】前記算出手段で算出される印字量には、予
め定めた印字領域に対する印字の比率を表す印字率が含
まれる。印字量は、印字すべき画像データによって変化
するが、印字率として扱うことで印字量を一般化するこ
とができ、記録ヘッドに対する印字の割合を適性に把握
することができる。
【0016】請求項4の発明は、前記請求項1乃至請求
項3の何れか1項記載の記録ヘッド駆動制御装置におい
て、前記記録ヘッドの温度を検出する検出手段をさらに
備え、前記制御手段が、前記検出手段により検出された
前記記録ヘッドの温度に基づいて前記記録ヘッドの印字
駆動状態を制御することを特徴としている。
【0017】前記記録ヘッドは、印字により温度上昇す
る。この温度上昇は記録の機差や画像データによる印字
量により異なるものとなる。そこで、前記記録ヘッドの
温度を検出する検出手段をさらに備える。検出手段によ
り記録ヘッドの温度を検出することで、記録ヘッドの温
度を把握でき、その検出温度に応じた記録ヘッドの駆動
制御が容易となる。この駆動制御は、記録ヘッドの印字
駆動状態を制御する。印字駆動状態とは、記録ヘッドに
よる印字駆動のときの、記録ヘッド自体の状態である。
すなわち、記録ヘッドがどのように駆動されるかを表し
ている。例えば、印字駆動状態の制御には、記録ヘッド
の駆動周波数による駆動であったり、記録ヘッドへの供
給電圧による駆動であったり、記録ヘッドへの供給パル
スによる駆動であったり、記録ヘッドの駆動を中止又は
休止、そして駆動と切替わる駆動であったりする。
【0018】請求項5の発明は、前記請求項4記載の記
録ヘッド駆動制御装置において、前記印字駆動状態は、
前記記録ヘッドの駆動又は休止の状態を表し、前記制御
手段は、前記検出手段により検出された前記記録ヘッド
の温度が所定の温度以上の場合に、前記記録ヘッドの駆
動を休止の状態に制御することを特徴としている。
【0019】前記印字駆動状態は、前記記録ヘッドの駆
動又は休止の状態を表すことが好ましい。すなわち、検
出手段により検出された温度が記録ヘッドが印字不良状
態となり得る温度の場合に、記録ヘッドの駆動を休止状
態すれば、記録ヘッドの温度上昇は低減される。なお、
所定の温度は印字量ごとに予め設定することができる。
【0020】請求項6の発明は、前記請求項1乃至請求
項5記載の記録ヘッド駆動制御装置において、前記記録
ヘッドは、前記インクの吐出に至らないエネルギ量のプ
レパルスと前記インクの吐出に至るエネルギ量のメイン
パルスとによって駆動され、前記制御手段は、印字領域
内で前記プレパルスの数を変化させることを特徴として
いる。
【0021】前記記録ヘッドにより印字を行う場合に
は、記録ヘッドの初期温度変動による印字の作動変動を
抑制する(良好な画像を得る)ため、記録ヘッドの温度
を安定させておくことが好ましい。例えば、予め記録ヘ
ッドを所定の温度まで上昇させることで、安定した温度
に記録ヘッドを維持させることができる。本発明では、
安定的な温度による記録ヘッドを提供するため、記録ヘ
ッドをプレパルスとメインパルスとによって駆動する。
プレパルスは、前記インクの吐出に至らないエネルギ量
のパルス、すなわち印字に直接関係しないものであり記
録ヘッドを予め所定の温度まで上昇させるために供給さ
れるパルスである。また、メインパルスは、インクの吐
出に至るエネルギ量のパルスであり、記録ヘッドを実際
に駆動しインクを吐出することで印字を可能とするパル
スである。このプレパルスについて、制御手段は、印字
領域内でプレパルスの数を変化させる。すなわち、プレ
パルスの数を変化させることで、インクの吐出に至らな
いエネルギ量のパルスが変化され、記録ヘッドの温度を
制御することができる。例えば、記録ヘッドの温度が低
い状態のときには、プレパルスの数を増加させ、反対に
記録ヘッドの温度が高い状態のときにはプレパルスの数
を減少させる。このようにしてプレパルスの数を変化さ
せることで、記録ヘッドを安定した温度による記録(印
字)へ移行でき、記録ヘッドが初期温度変動による印字
不良状態となるのを防止することができる。なお、メイ
ンパルスの数を変化させることによっても記録ヘッドの
温度を制御することができる。
【0022】請求項7の発明は、前記請求項6記載の記
録ヘッド駆動制御装置において、前記画像データに基づ
いて前記記録ヘッドによってこれから印字される予測累
積印字量を算出する予測累積印字量算出手段と、前記予
測累積印字量算出手段に基づいて算出された予測累積印
字量に基づいてプレパルスの数を変化させるべき前記記
録ヘッドの位置を決定する決定手段と、をさらに備え、
前記記録ヘッドが前記決定手段により決定された位置に
到達したときに前記プレパルスの数を変化させることを
特徴としている。
【0023】記録ヘッドは、画像データによるパルス駆
動で制御される。この画像データは得られる印字により
変動する。従って、画像データによって印字するための
パルス(メインパルス)数が変動するので、その温度も
変動する。また、前記記録ヘッドは、印字量や継続的に
印字したときの印字量である累積印字量によってその温
度の上昇の度合いが異なる。そこで、予測累積印字量算
出手段では、前記画像データに基づいて前記記録ヘッド
によってこれから印字される予測累積印字量を算出す
る。継続的に印字しする予測累積印字量が多い場合に
は、記録ヘッドによる印字を継続すると記録ヘッドの温
度の上昇の度合いが高く印字不良状態の温度となりやす
い。このため、決定手段により、予測累積印字量に基づ
いて記録ヘッドの位置を把握し予測累積印字量に基づい
てプレパルスの数を変化させるべき記録ヘッドの位置を
決定する。例えば、予測累積印字量が一定の量以上とな
る位置を決定し、この位置に記録ヘッドが到達したとき
にプレパルスの数を変化させる。このように、プレパル
スの数を適宜変化させることで、印字の際に、記録ヘッ
ドを印字不良状態とならないように制御することができ
る。
【0024】請求項8の発明は、前記請求項6記載の記
録ヘッド駆動制御装置において、前記画像データに基づ
いて前記記録ヘッドによって印字される累積印字量を算
出する累積印字量算出手段をさらに備え、前記累積印字
量算出手段により算出された累積印字量に基づいて前記
プレパルスの数を変化させることを特徴としている。
【0025】前記記録ヘッドは、印字量や継続的に印字
したときの印字量である累積印字量によってその温度の
上昇の度合いが異なる。そこで、前記画像データに基づ
いて前記記録ヘッドによって印字される累積印字量を算
出する累積印字量算出手段をさらに備える。継続的に印
字した累積印字量が多い場合には、記録ヘッドによる印
字を継続すると記録ヘッドの温度の上昇の度合いが高く
印字不良状態の温度となりやすい。このため、累積印字
量算出手段で算出した累積印字量に基づいてプレパルス
の数を変化させる。プレパルスの変化は、記録ヘッドの
温度が印字不良状態の温度とならないように制御するた
めである。例えば、累積印字量が多い場合にはプレパル
スを減少させ、累積印字量が少ない場合にはプレパルス
を増加するなどして、前記プレパルスの数を適宜変化さ
せることで、記録ヘッドを安定した温度による記録(印
字)へ移行でき、記録ヘッドが初期温度変動による印字
不良状態となるのを防止することができる。
【0026】請求項9の発明は、前記請求項6乃至請求
項8の何れか1項記載の記録ヘッド駆動制御装置におい
て、前記制御手段は、前記検出手段により検出した記録
ヘッドの温度に基づいて前記プレパルスの数を変化させ
ることを特徴としている。
【0027】記録ヘッドの駆動制御では、記録ヘッドの
実際の温度は変動しているので記録ヘッドの実際の温度
に即して駆動制御をすることが効率的である。そこで、
前記制御手段が前記検出手段により検出した温度に基づ
いて、プレパルスの数を変化させる。例えば、記録ヘッ
ドの温度が高いと印字不良状態になる場合もあり、印字
中に適宜温度を検出することで、記録ヘッドの実際の温
度を把握した制御が可能となる。例えば、検出した温度
が高い場合にはプレパルスの数を減少し、検出した温度
が低い場合にはプレパルスの数を増加する等してプレパ
ルスの数を変化させる。この場合、温度の検出は所定の
印字領域に対する印字中に定期的に行い、所定の印字領
域に対する印字中にプレパルスの数を変化させること
で、継続的に印字するときの温度把握が容易となり、実
時間による制御が可能となる。これにより、記録ヘッド
が印字不良状態となるのを防止することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)以下、図面
を参照して本発明の第1の実施の形態について説明す
る。
【0029】図1は、本発明の第1の実施の形態にかか
るインクジェット記録装置用の記録ヘッド制御装置10
の概略構成を示すブロック図である。記録ヘッド駆動制
御装置10は、記録ヘッド14、当該記録ヘッド14の
駆動およびその制御を行う記録ヘッド駆動制御部12、
画像処理部16、およびインクジェット記録装置(図示
せず)から画像データを受信する入力部18を備えてい
る。
【0030】記録ヘッド14は、複数の発熱抵抗体(図
示せず)を有し、後述する駆動パルス制御回路22によ
る制御により図示しない電源から供給されるエネルギを
熱に変換して気泡を発生させ、そのバルブの圧力によっ
てインク滴をノズルから吐出し、記録を行う。
【0031】サーミスタ32は、記録ヘッド14の温度
の検出手段として機能するものであり、記録ヘッド14
に付設され、適宜記録ヘッド14の温度を測定する。
【0032】画像処理部16には、入力部18から画像
データが入力され、設定された印字モードに従って各抵
抗体をON/OFFするビット信号に変換して、変換し
た信号を駆動パルス制御回路22に送る。また、入力さ
れた画像データにより所定の印字領域(例えば、1バン
ド分)に対する印字量(印字率)の計算を行う。
【0033】記録ヘッド駆動制御部12は、CPU2
0、駆動パルス制御回路22、ルックアップテーブル2
4、マルチプレパルステーブル26、印字ピクセルカウ
ンタ28、およびA/D変換部30を含んでいる。
【0034】駆動パルス制御回路22は、記録ヘッド1
4を駆動するための駆動パルスを記録ヘッド14に送信
する。なお、駆動パルスには、インクの吐出に至らない
エネルギ量のマルチプレパルス(プレパルス)と、イン
クの吐出に至るエネルギ量のメインパルスとが含まれ
る。図2に駆動パルスの一例を示した。図2では、記録
ヘッド14に含まれる発熱抵抗体の1回の駆動を4つの
駆動パルスで行う例を示している。この例では、インク
を吐出させないでインクを加熱するためのマルチプレパ
ルスP1と、実際にインクを吐出させるためのメインパ
ルスP3とを発熱抵抗体に印加してインクを吐出させ
る。なお、単一のパルスによって発熱抵抗体を駆動して
も良い。
【0035】ルックアップテーブル24には、印字量と
記録ヘッド14の所定の印字領域での印字可能上限温度
(吐出不能状態/白抜けの発生がない)を対応付けたデ
ータが格納されている。図3に、ルックアップテーブル
の内容の一例を示した。図3では、印字量の70%を閾
値として印字駆動周波数を18kHz(図3(A)参
照)と9kHz(図3(B)参照)とに切り替わるもの
として、それぞれの印字量に対して印字可能なヘッドの
上限温度Tcが設定されている。
【0036】マルチプレパルステーブル26には、記録
ヘッド14の温度、記録ヘッド14に供給するメインパ
ルスの累積数、マルチプレパルス数とを対応つけたデー
タが格納されている。図4に、マルチプレパルスの内容
の一例を示した。図4に示したマルチプレパルステーブ
ルの内容は一例であり、数値等は適用する記録ヘッド1
4に応じて設定されることが好ましい。図4の例では、
メインパルスP3を固定し、単位プレパルスP1の数を
記録ヘッドの温度とメインパルス累積数に応じて設定し
ているが、この例に限定されるものではなく、メインパ
ルスP3を可変とすることもできる。
【0037】印字ピクセルカウンタ28は、駆動パルス
制御回路22より出力されるメインパルスの累積数をカ
ウントするものであり、記録ヘッド14が実際にインク
をどれだけ吐出するのかを把握するものである。
【0038】CPU20は、主として、記録ヘッド駆動
制御部12において行われる処理の各種制御プログラム
を実行する。また、CPU20は、画像処理部16から
得られた画像データの印字量、サーミスタ32より得ら
れた記録ヘッド14の温度、印字ピクセルカウンタ28
より得られたメインパルス累積数のデータにより駆動パ
ルスの条件を決定する。決定された駆動パルス条件を、
駆動パルス制御回路22に送信する。
【0039】A/D変換部30はサーミスタ32により
測定されたアナログ温度信号をディジタル温度信号に変
換し、CPU20に送信する。
【0040】以下、第1の実施の形態にかかる記録ヘッ
ド駆動制御装置10の記録ヘッド駆動制御部12の処理
の流れについて説明する。図5は、記録ヘッド駆動制御
部12の処理の一例を示すフローチャートである。な
お、ここでは1頁の画像を複数の帯状領域である1バン
ド毎に印字する場合の1バンド分の印字を行う場合につ
いて説明する。
【0041】図5のステップ100では、画像処理部1
6が入力部18から送信された画像データを読込む。次
のステップ102では、読込んだ画像データに基づいて
所定領域、すなわち、1バンド分の印字量Cvの算出を
行い、次のステップ104に進む。
【0042】ステップ104では、ステップ102で算
出された印字率Cvとルックアップテーブル24に格納
されている駆動周波数を切換えるための閾値Ckとを比
較し、印字率Cvが閾値Ckよりも大きいか否かの判断を
行う。この判断が肯定された場合、すなわち印字率Cv
が閾値Ckよりも大きいと判断された場合にはステップ
106に進み、駆動周波数として9kHzが設定される。
また、この判断が否定された場合、すなわち印字率Cv
が閾値Ckよりも小さいと判断された場合にはステップ
108に進み、駆動周波数として18kHzが設定され
る。
【0043】次のステップ110では、記録ヘッド14
の温度が検出される。具体的には、温度検出手段として
のサーミスタ32により記録ヘッド14のアナログ温度
信号を検出し、検出されたアナログ温度信号をA/D変
換部30によりディジタル温度信号に変換して温度デー
タThを取得し、次のステップ112に進む。
【0044】ステップ112では、ステップ110で検
出された記録ヘッド14の温度Thとルックアップテー
ブル24に示されている印字率Cv毎の上限温度Tcと
比較し、検出した温度Thが上限温度Tcよりも大きい
か否かを判断する。この判断が肯定された場合、すなわ
ち検出された温度Thが上限温度Tcよりも大きいと判
断された場合にはステップ114に進み、ステップ11
4において印字を休止する。印字を休止して所定の時間
が経過した後には、再びステップ110に戻り上記した
処理を繰返す。
【0045】また、ステップ112の判断が否定された
場合、すなわち検出した温度Thが上限温度Tcよりも
小さいと判断された場合にはステップ116に進む。ス
テップ116では、検出した記録ヘッドの温度Thに基
づいてマルチプレパルステーブル26に示される範囲毎
に区切られた記録ヘッド温度列欄およびメインパルスの
累積数0の部分を参照し、マルチプレパルス数を決定
し、駆動パルス条件を決定する。なお、駆動パルスに
は、記録ヘッドのインクを吐出させるためのヒータに供
給する駆動パルスであるメインパルスと、メインパルス
の前にヒータに供給するインクを吐出させるまでには至
らない駆動パルスであるプレパルスとが含まれる。
【0046】ステップ116で駆動パルス条件が決定さ
れると、ステップ116で決定された駆動パルス条件が
駆動パルス制御回路22に送信され、送信された駆動パ
ルス条件が記録ヘッド14の各発熱抵抗体のON/OF
Fデータに変換され、変換されたデータが図示しないヘ
ッドドライバを介して記録ヘッド14に送信され、ステ
ップ118へ進む。ステップ118では、記録ヘッド1
4が、このデータを受けて所定領域に対する印字を開始
する。
【0047】印字が開始されると、ステップ120に進
み、駆動パルス制御回路22から記録ヘッド14へ送ら
れるデータの内、メインパルスについての波形データが
印字ピクセルカウンタ28にも送信される、印字ピクセ
ルカウンタ28においてメインパルス数のカウントが行
われ、累積印字ピクセルのカウントが行われる。
【0048】続いて、ステップ122において、駆動パ
ルス制御回路22から記録ヘッド14へのデータ送信毎
に、印字ピクセルの累積数とマルチプレパルステーブル
26に格納されている累積印字ピクセル閾値とを比較
し、プレパルスの変更が必要か否かを判断する。この判
断が肯定された場合、すなわちプレパルスの変更が必要
と判断された場合には、ステップ124に進み、累積印
字ピクセルの閾値に対応させてマルチプレパルス数を変
更設定しステップ126へ進む。ステップ122の判断
が否定された場合、すなわちプレパルス数の変更が必要
でないと判断された場合には、ステップ126へ進む。
【0049】ステップ126では、所定の領域である1
バンド分の印字が終了したか否かについて判断され、こ
の判断が否定されるとステップ122に戻りマルチプレ
パルスと累積印字ピクセル数との比較、すなわちプレパ
ルス数の変更が必要であるか否かの判断動作が繰返され
る。ステップ126の判断が肯定され、1バンド分の印
字が終了したと判断された場合には本ルーチンが終了す
る。
【0050】より具体的に、図2に示すプレパルスP1
およびメインパルスP3によって発熱抵抗体を駆動し、
図3に示すデータがルックアップテーブル24に格納さ
れ、図4に示すデータがマルチプレパルステーブル26
に格納されている場合について考える。
【0051】例えば、入力部18に入力された画像デー
タが画像処理部16において読込まれ(ステップ10
0)、印字率が30%と算出されたとする(ステップ1
02)。このときルックアップテーブル24を参照し
て、印字率が閾値である70%よりも小さいことから駆
動周波数として18kHzが選択される(ステップ10
4、108)。
【0052】続いて、記録ヘッド14の温度検出が行わ
れ、検出された温度が35℃であったとする(ステップ
110)。この場合、ルックアップテーブル24を参照
すると、印字率30%の印字可能な記録ヘッド14の上
限温度は63℃であるので(ステップ112)、印字休
止することなく駆動パルス決定の準備に入る。検出され
た記録ヘッド14の温度が35℃であるのでマルチプレ
パルステーブル26の記録ヘッド温度列欄およびメイン
パルス累積数の欄を参照すると、単位プレパルスP1と
して0.1μsec、マルチプレパルス数Pnとして
4、インターバルP2として0.5μsec、メインパ
ルスP3として1.8μsecが駆動パルス条件として
決定される(ステップ116)。
【0053】このような駆動周波数、駆動パルス条件に
より印字が開始され(ステップ118)、印字の開始と
同時に印字ピクセルカウンタ28によって、累積の印字
ピクセルがカウントされていく(ステップ120)。そ
して、この印字ピクセルカウンタ28の値は絶えずマル
チプレパルステーブル26の累積印字ピクセル数の閾値
と比較される(ステップ122)。例えば、印字ピクセ
ルカウンタ28のカウンタ値が27000を超えた場合
には、マルチプレパルス数を初期値の4から3に変更
し、54000を超えた場合には、さらに3から2に変
更して行く。このマルチプレパルス数の変更判断動作は
1バンドの印字終了まで繰り返される(ステップ12
6)。
【0054】なお、本実施の形態においては、プレパル
ス(マルチプレパルス)を変更させることにより記録ヘ
ッドの温度を制御する構成としたが、メインパルスの数
を変更させることで記録ヘッドの温度を制御する構成と
することもできる。また、図6に本実施の形態にかかる
インクジェット記録装置10によってマルチプレパルス
数を変更させつつ、1バンドの印字を行う場合(実線)
の印字始端から印字終端までの記録ヘッドの温度変化
と、従来のインクジェット記録装置によってマルチプレ
パルス数を変化させないで1バンドの印字を行う場合
(破線)の『印字始端から印字終端までの記録ヘッドの
温度変化とを比較する説明図を示した。
【0055】これによれば、印字に伴う記録ヘッドの昇
温は、従来のインクジェット記録装置の如くマルチプレ
パルス数を一定に保った記録ヘッドでは55℃まで昇温
したのに対し、本実施の形態の如くマルチプレパルス数
を適宜変更させた記録ヘッドでは45℃までの昇温にと
どまった。従って、本実施の形態のインクジェット記録
装置における記録ヘッドと従来のインクジェット記録装
置における記録ヘッドとの温度には印字終端において図
6中の矢印Aの分だけ差が生じる。
【0056】また図7に、1バンドの印字を行った場合
の印字始端から印字終端までの反射光学濃度を反射光学
濃度計(X−RiteInc.社製 X−Rite93
8)を用いて測定し、累積印字ピクセル毎の反射光学濃
度の分布を示した。これによれば、累積印字ピクセル数
が増加するにつれて反射光学濃度が上昇するが、従来の
インクジェット記録装置の如くプレパルス数を一定とし
て印字を行った場合における印字始端と印字終端との濃
度差が0.08であるのに対し、本実施の形態の如くマ
ルチプレパルス数を適宜変化させて印字を行った場合に
おける印字始端と印字終端との濃度差は0.01まで抑
制することができた。従って、濃度差が印字始端と印字
終端との濃度差が殆どなくなり、画質の向上を図ること
ができる。
【0057】なお、図6および図7の例で用いた記録ヘ
ッドは256個のノズルを24ドット/mmの解像度に
対応するピッチで配列したものであり、記録ヘッドの駆
動電圧は25V、動周波数は18kHz、記録ヘッドの
初期温度は35℃である。また、初期の駆動パルス条件
として、単位プレパルスP1を0.1μsecとし、プ
レパルス数Pnを4、インターバルP2を0.5μse
c、メインパルスP3を18μsecとした。マルチプ
レパルス数は順次変化し、印字始端では4であるが印字
終端では0となっている。
【0058】このように、前記第1の実施の形態によれ
ば、印字すべき入力データの印字率によって駆動周波数
を選択、決定し、記録ヘッド14の温度と累積ピクセル
数に応じてマルチプレパルス数を適宜変更して記録ヘッ
ドの過昇温を防止し、記録ヘッドを安定した温度に保
ち、インク吐出の安定化を図る。これにより、記録ヘッ
ドの昇温に起因する記録画像の濃度差、濃度ムラ、イン
ク吐出不能による白抜けの発生を防止することができ、
記録される画像の品質が向上する。
【0059】(第2の実施の形態)以下、本発明の第2
の実施の形態について説明する。図8は本発明の第2の
実施の形態にかかるインクジェット記録装置用の記録ヘ
ッド駆動装置50の概略構成を示すブロック図である。
なお、本実施の形態においては、前記第1の実施の形態
で示したものと同一のものには同一の符号を付し、その
説明を省略する。
【0060】記録ヘッド駆動制御装置50は、上記した
第1の実施の形態と同様に記録ヘッド14、記録ヘッド
14の駆動およびその制御を行う記録ヘッド駆動制御部
12、画像処理部16、およびインクジェット記録装置
(図示せず)から画像データを受信する入力部18を備
えている。
【0061】記録ヘッド駆動制御部12は、CPU2
0、駆動パルス制御回路22、ルックアップテーブル2
4、マルチプレパルステーブル26、A/D変換部3
0、ヘッドキャリッジポジションデータバッファ36、
およびキャリッジポジション/ピクセルデータ演算部3
8を含んでいる。
【0062】ヘッドキャリッジポジションデータバッフ
ァ36は、記録ヘッド14のヘッドキャリッジ(図示せ
ず)の主走査方向(記録ヘッド14のスキャン方向)に
関するデータが格納されており、記録ヘッド14が実際
に何れの位置まで印字を終了しているかを把握するもの
である。
【0063】キャリッジポジション/ピクセルデータ演
算部38は、画像処理部16から受信した画像データに
基づいて累積印字ピクセル数に対するヘッドキャリッジ
の位置との対応を演算する。
【0064】以下、第2の実施の形態にかかる記録ヘッ
ド駆動制御装置50の記録ヘッド駆動制御部12の処理
の流れについて説明する。図9は、記録ヘッド駆動制御
部12の処理の一例を示すフローチャートである。な
お、ここでは1頁の画像を複数の帯状領域である1バン
ド毎に印字する場合の1バンド分の印字を行う場合につ
いて説明する。
【0065】図9のステップ200からステップ216
までは、上記した第1の実施の形態にかかるインクジェ
ット記録装置10の記録ヘッド駆動制御部12における
処理と同様であり、図5のステップ100からステップ
116と同様の処理が行われる。すなわち、図9のステ
ップ200では、画像処理部16が入力部18から送信
された画像データを読込み、次のステップ202では、
読込んだ画像データに基づいて所定領域、すなわち1バ
ンド分の印字量Cvの算出を行う。
【0066】ステップ204では、ステップ202で算
出された印字率Cvとルックアップテーブル24に格納
されている駆動周波数を切換えるための閾値Ckとを比
較し、印字率Cvが閾値Ckよりも大きいか否かの判断を
行う。この判断において、印字率Cvが閾値Ckよりも大
きいと判断された場合にはステップ106に進み、駆動
周波数として9kHzが設定され、この判断において印字
率Cvが閾値Ckよりも小さいと判断された場合にはステ
ップ208に進み、駆動周波数として18kHzが設定
される。
【0067】次のステップ210では、温度検出手段と
してのサーミスタ32により記録ヘッド14のアナログ
温度信号を検出し、検出されたアナログ温度信号をA/
D変換部30によりディジタル温度信号に変換して温度
データThを取得することで記録ヘッド14の温度が検
出され、ステップ212に進む。
【0068】ステップ212では、ステップ210で検
出された記録ヘッド14の温度Thとルックアップテー
ブル24に示されている印字率Cv毎の上限温度Tcと
比較し、検出した温度Thが上限温度Tcよりも大きい
か否かを判断する。この判断において、検出された温度
Thが上限温度Tcよりも大きいと判断された場合には
ステップ214に進み、ステップ214において印字を
休止する。印字を休止して所定の時間が経過した後に
は、再びステップ210に戻り上記した処理を繰返す。
【0069】また、ステップ212の判断において、検
出した温度Thが上限温度Tcよりも小さいと判断され
た場合にはステップ216に進む。ステップ216で
は、検出した記録ヘッドの温度Thに基づいてマルチプ
レパルステーブル26に示される範囲毎に区切られた記
録ヘッド温度列欄およびメインパルスの累積数0の部分
を参照し、マルチプレパルス数を決定し、駆動パルス条
件を決定する。なお、駆動パルスには、記録ヘッド14
のインクを吐出させるためのヒータに供給する駆動パル
スであるメインパルスと、メインパルスの前にヒータに
供給するインクを吐出させるまでには至らない駆動パル
スであるプレパルスとが含まれる。
【0070】ステップ216で駆動パルス条件が決定さ
れると、ステップ216で決定された駆動パルス条件が
駆動パルス制御回路22に送信され、送信された駆動パ
ルス条件が記録ヘッド14の各発熱抵抗体のON/OF
Fデータに変換され、変換されたデータが図示しないヘ
ッドドライバを介して記録ヘッド14に送信され、ステ
ップ218へ進む。
【0071】ステップ218では、画像処理部16にお
いて演算処理された印字ピクセルデータに基づいて、印
字ピクセル数に対するヘッドキャリッジの位置の演算が
行われる。次のステップ220では、ステップ216で
決定された駆動パルス条件およびステップ206または
ステップ209で選択決定された駆動周波数が駆動パル
ス制御回路22に送信され、送信されたデータが駆動パ
ルス制御回路22において記録ヘッド14の各発熱抵抗
体のON/OFFデータに変換される。変換されたデー
タは、図示しないヘッドドライバを介して記録ヘッド1
4へ送信され、記録ヘッド14がこれを受けて印字を開
始し、次のステップ222へ進む。
【0072】次のステップ222では、記録ヘッド14
による印字の開始と同時にヘッドキャリッジポジション
データバッファ36より記録ヘッド14のキャリッジ位
置データを読込み、キャリッジポジション/ピクセルデ
ータ演算部38からのデータにより累積印字ピクセル数
に換算し、次のステップ224に進む。
【0073】ステップ224では、駆動パルス制御回路
22からの記録ヘッド14へのデータの送信が行われる
度に印字ピクセルの累積数とマルチプレパルステーブル
26に格納されている累積印字ピクセル閾値とを比較
し、プレパルスの変更が必要であるか否かを判断する。
この判断が肯定された場合、すなわちプレパルスの変更
が必要と判断された場合には、ステップ226に進み、
累積印字ピクセルの閾値に対応させてマルチプレパルス
数を変更設定しステップ226へ進む。なお、図10に
マルチプレパルス数の切換えのタイミングを示した。ス
テップ224の判断が否定された場合、すなわちプレパ
ルス数の変更が必要でないと判断された場合には、ステ
ップ228へ進む。
【0074】ステップ228では、所定の領域である1
バンド分の印字が終了したか否かについて判断され、こ
の判断が否定されるとステップ224に戻りマルチプレ
パルスと累積印字ピクセル数との比較、すなわちプレパ
ルス数の変更が必要であるか否かの判断動作が繰返され
る。ステップ228の判断が肯定され、1バンド分の印
字が終了したと判断された場合には本ルーチンが終了す
る。
【0075】なお、本実施の形態においては、プレパル
ス(マルチプレパルス)を変更させることにより記録ヘ
ッドの温度を制御する構成としたが、メインパルスの数
を変更させることで記録ヘッドの温度を制御する構成と
することもできる。
【0076】このように、前記第2の実施の形態によれ
ば、印字すべき入力データの印字率によって駆動周波数
を選択、決定し、記録ヘッド14の温度と累積ピクセル
数に応じてマルチプレパルス数を適宜変更して記録ヘッ
ドの過昇温を防止し、インク吐出の安定化を図ること
で、記録ヘッドの昇温に起因する記録画像の濃度差、濃
度ムラ、インク吐出不能による白抜けの発生を防止する
ことができ、記録される画像の品質が向上する。
【0077】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、記
録ヘッドの温度上昇に起因する画像の濃度ムラ、濃度差
およびインク吐出不能による白抜けの発生を防止し、記
録される画像の品質を向上させることができる、という
優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態にかかる記録ヘッ
ド駆動制御装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】 前記実施の形態にかかる記録ヘッド駆動制御
装置の駆動パルス制御回路から送出される駆動パルスの
一例を示す説明図である。
【図3】 前記実施の形態にかかる記録ヘッド駆動制御
装置のルックアップテーブルの内容の一例を示す説明図
である。
【図4】 前記実施の形態にかかる記録ヘッド駆動制御
装置のマルチプレパルステーブルの内容の一例を示す説
明図である。
【図5】 前記実施の形態にかかる記録ヘッド駆動制御
装置の記録ヘッド駆動制御部における処理の一例を示す
フローチャートである。
【図6】 前記実施の形態にかかる記録ヘッド駆動制御
装置によって1バンドの印字を行った場合と、従来の記
録ヘッド駆動制御装置によって1バンドの印字を行った
場合との記録ヘッドの温度変化を示す説明図である。
【図7】 前記実施の形態にかかる記録ヘッド駆動制御
装置によって1バンドの印字を行った場合と、従来の記
録ヘッド駆動制御装置によって1バンドの印字を行った
場合との反射光学濃度を示す説明図である。
【図8】 本発明の第2の実施の形態にかかる記録ヘッ
ド駆動制御装置の概略構成を示すブロック図である。
【図9】 前記実施の形態にかかる記録ヘッド駆動制御
装置の記録ヘッド駆動制御部における処理の一例を示す
フローチャートである。
【図10】 前記実施の形態にかかる記録ヘッド駆動制
御装置において1バンドの印字を行う場合におけるマル
チプレパルス数の切換えのタイミングを示す説明図であ
る。
【図11】 従来のサーマル型インクジェット記録装置
において、1バンド印字した場合の印字始端から印字終
端までの反射光学濃度の変化を表すグラフである。
【図12】 従来のサーマル型インクジェット記録装置
において、往復(双方向)連続印字した場合の印字始端
ら印字終端までの反射光学濃度の変化を表すグラフであ
る。
【符号の説明】
10 記録ヘッド駆動制御装置 12 記録ヘッド駆動制御部(制御手段) 14 記録ヘッド 16 画像処理部(算出手段) 18 入力部 20 CPU 22 駆動パルス制御回路 24 ルックアップテーブル 26 マルチプレパルステーブル 28 印字ピクセルカウンタ(累積印字量算出手段) 30 A/D変換部 32 サーミスタ(検出手段) 36 ヘッドキャリッジポジションデータバッファ 38 キャリッジポジション/ピクセルデータ演算部
(予測累積印字量算出手段) 50 記録ヘッド駆動制御装置
フロントページの続き (72)発明者 池田 賢治 神奈川県海老名市本郷2274番地 富士ゼロ ックス株式会社海老名事業所内 Fターム(参考) 2C056 EA06 EB07 EB30 EB49 EC07 EC42 EC67 EC75

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力された画像データに基づいてインク
    を吐出する記録ヘッドの駆動を制御するインクジェット
    記録装置用の記録ヘッド駆動制御装置において、 前記画像データに基づいてこれから印字すべき印字量を
    算出する算出手段と、 前記算出手段により算出された印字量に基づいて前記画
    像データによる印字をしたときに前記記録ヘッドの温度
    が印字不良状態の温度とならないように前記記録ヘッド
    の駆動を制御する制御手段と、 を備えたことを特徴とする記録ヘッド駆動制御装置。
  2. 【請求項2】 前記制御手段は、記録ヘッドの駆動周波
    数を制御することを特徴とする請求項1記載の記録ヘッ
    ド駆動制御装置。
  3. 【請求項3】 前記印字量は、予め定めた印字領域に対
    する印字の比率を表す印字率であることを特徴とする請
    求項1又は請求項2記載の記録ヘッド駆動制御装置。
  4. 【請求項4】 前記記録ヘッドの温度を検出する検出手
    段をさらに備え、 前記制御手段は、前記検出手段により検出された前記記
    録ヘッドの温度に基づいて前記記録ヘッドの印字駆動状
    態を制御することを特徴とする請求項1乃至請求項3の
    何れか1項記載の記録ヘッド駆動制御装置。
  5. 【請求項5】 前記印字駆動状態は、前記記録ヘッドの
    駆動又は休止の状態を表し、 前記制御手段は、前記検出手段により検出された前記記
    録ヘッドの温度が所定の温度以上の場合に、前記記録ヘ
    ッドの駆動を休止の状態に制御することを特徴とする請
    求項4記載の記録ヘッド駆動制御装置。
  6. 【請求項6】 前記記録ヘッドは、前記インクの吐出に
    至らないエネルギ量のプレパルスと前記インクの吐出に
    至るエネルギ量のメインパルスとによって駆動され、 前記制御手段は、印字領域内で前記プレパルスの数を変
    化させることを特徴とする請求項1乃至請求項5記載の
    記録ヘッド駆動制御装置。
  7. 【請求項7】 前記画像データに基づいて前記記録ヘッ
    ドによってこれから印字される予測累積印字量を算出す
    る予測累積印字量算出手段と、 前記予測累積印字量算出手段に基づいて算出された予測
    累積印字量に基づいてプレパルスの数を変化させるべき
    前記記録ヘッドの位置を決定する決定手段と、 をさらに備え、 前記記録ヘッドが前記決定手段により決定された位置に
    到達したときに前記プレパルスの数を変化させることを
    特徴とする請求項6記載の記録ヘッド駆動制御装置。
  8. 【請求項8】 前記画像データに基づいて前記記録ヘッ
    ドによって印字される累積印字量を算出する累積印字量
    算出手段をさらに備え、 前記累積印字量算出手段により算出された累積印字量に
    基づいて前記プレパルスの数を変化させることを特徴と
    する請求項6記載の記録ヘッド駆動制御装置。
  9. 【請求項9】 前記制御手段は、前記検出手段により検
    出した記録ヘッドの温度に基づいて前記プレパルスの数
    を変化させることを特徴とする請求項6乃至請求項8の
    何れか1項記載の記録ヘッド駆動制御装置。
JP2001139028A 2001-05-09 2001-05-09 記録ヘッド駆動制御装置 Expired - Fee Related JP4134526B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001139028A JP4134526B2 (ja) 2001-05-09 2001-05-09 記録ヘッド駆動制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001139028A JP4134526B2 (ja) 2001-05-09 2001-05-09 記録ヘッド駆動制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002331649A true JP2002331649A (ja) 2002-11-19
JP4134526B2 JP4134526B2 (ja) 2008-08-20

Family

ID=18985876

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001139028A Expired - Fee Related JP4134526B2 (ja) 2001-05-09 2001-05-09 記録ヘッド駆動制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4134526B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005231059A (ja) * 2004-02-17 2005-09-02 Fuji Xerox Co Ltd インクジェット記録装置
JP2008168625A (ja) * 2006-12-13 2008-07-24 Canon Inc 記録装置、記録システム及び記録ヘッドの保温制御方法
JP2010162888A (ja) * 2008-12-19 2010-07-29 Canon Inc 記録装置および記録方法
JP2019177657A (ja) * 2018-03-30 2019-10-17 株式会社リコー 液体吐出装置、制御方法及び制御プログラム

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4866412B2 (ja) 2008-10-10 2012-02-01 インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション 間欠的な複数の読取り要求に対して最適なテープ速度を選択可能なテープドライブ、テープドライブ記録システム、及び、最適なテープ速度の選択方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005231059A (ja) * 2004-02-17 2005-09-02 Fuji Xerox Co Ltd インクジェット記録装置
JP2008168625A (ja) * 2006-12-13 2008-07-24 Canon Inc 記録装置、記録システム及び記録ヘッドの保温制御方法
JP2010162888A (ja) * 2008-12-19 2010-07-29 Canon Inc 記録装置および記録方法
JP2012158190A (ja) * 2008-12-19 2012-08-23 Canon Inc 記録装置
JP2019177657A (ja) * 2018-03-30 2019-10-17 株式会社リコー 液体吐出装置、制御方法及び制御プログラム
JP7119508B2 (ja) 2018-03-30 2022-08-17 株式会社リコー 液体吐出装置、制御方法及び制御プログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JP4134526B2 (ja) 2008-08-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6193344B1 (en) Ink jet recording apparatus having temperature control function
JP3272786B2 (ja) 熱式インク・ジェット・プリンタ
JP2009056669A (ja) ヘッド駆動回路の温度検出装置、画像形成装置及びヘッド駆動回路の温度検出方法
US6820958B2 (en) Method for controlling the drive energy of an ink jet print apparatus and the ink jet print apparatus
JP3099549B2 (ja) インクジェット記録装置におけるヘッド予備駆動方法
JP2002331649A (ja) 記録ヘッド駆動制御装置
JPH11192724A (ja) インクジェットプリント装置およびインク有無判定方法
JPH0631921A (ja) サーマルインクジェット印字装置
JP3143596B2 (ja) インクジェット記録方法およびその装置
JPH1120148A (ja) インクジェット記録装置の制御方法およびインクジェット記録装置
US8474941B2 (en) Inkjet printing apparatus and inkjet printing method
JP2008195027A (ja) インクジェット記録装置及びその記録方法
JP2008087326A (ja) インクジェット記録装置およびその記録方法
JP3165752B2 (ja) インクジェット記録装置
JPH11138950A (ja) プリント装置およびプリント方法
JP2004122533A (ja) インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法
JP2003089196A (ja) インクジェット記録装置及び該装置におけるインクの温度制御方法
JP3521661B2 (ja) インクジェット記録装置およびその記録方法
JP2977313B2 (ja) 記録装置および記録制御方法
JP3486547B2 (ja) インクジェットプリンタと、記録ヘッドの温度制御方法
JPH09277503A (ja) 記録装置及び方法
US5808632A (en) Recording apparatus and method using ink jet recording head
JPH06344638A (ja) 記録装置及び該装置における消費電力制御方法
KR101347070B1 (ko) 어레이타입 화상형성장치 및 그의 화상보상방법
JPH05169658A (ja) インクジェット記録装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040909

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060908

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060912

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061110

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070918

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071114

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080507

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080520

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110613

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110613

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120613

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130613

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140613

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees