JP2977313B2 - 記録装置および記録制御方法 - Google Patents

記録装置および記録制御方法

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JP2977313B2
JP2977313B2 JP7927091A JP7927091A JP2977313B2 JP 2977313 B2 JP2977313 B2 JP 2977313B2 JP 7927091 A JP7927091 A JP 7927091A JP 7927091 A JP7927091 A JP 7927091A JP 2977313 B2 JP2977313 B2 JP 2977313B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクを吐出するため
に利用される熱エネルギを発生する電気熱変換体(発熱
素子)を複数備えた記録ヘッド内に生じる温度差に応じ
て記録制御を行なう記録方法及びそれを実施する記録装
置に関する。特に本発明は、インク吐出状態が記録画像
を支配するインクジェット記録を採用した事務機器一般
に用いられるプリンタ,複写機,ファクシミリ,等の記
録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のインクジェット記録ヘッドを用い
たインクジェット装置において、膜沸騰を利用した熱エ
ネルギ記録方式は、圧電素子を利用したものに比べて格
別に記録特性や解像度が良く光エネルギ等を利用した他
の熱エネルギ記録に比較しても優れたものとして実用化
されている。
【0003】ところで、従来のワイヤドットプリンタや
活字印字プリンタでは記録ヘッドに発熱素子を用いない
もののワイヤを駆動するソレノイドや電磁コイルの発熱
のために変位機構自体の応答性が悪くなり、記録不能に
なる場合がある。これを解決するべく種々の提案がなさ
れている。例えば、実開昭55-70256号公報には、この問
題を解決するため印字方式を双方向から片方向へ切換え
て放熱期間を大量にとることでソレノイドを使用可能に
するものが開示されている。また、特開昭57-157781 号
公報はワイヤドットのコイルへの励磁電流による発熱の
異常昇温を放熱させるため同様に双方向から片方向へ切
換えることを開示している。
【0004】もともと、この種のソレノイドやコイルの
発熱は、長期の蓄熱によるものであり、記録速度もそれ
ほど早いものでない。しかも、そこで判定される温度
は、記録不能に陥いる異常高温を見るものであり、温度
分布を判別できるものではない。
【0005】一方、インクジェット記録においては、外
部環境の温度変化に左右されるインク粘性の影響を防止
するため、外部環境温度に応じて記録速度や記録周波
数,キャリッジの移動速度を制御する発明が米国特許第
4,544,931号明細書に開示されている。また、米国特許
第 4,910,528号明細書は、発熱素子を用いたインクジェ
ット記録ヘッドの温度を検知して記録条件を定めるもの
を開示する。しかし、いずれにおいてもヘッド用温度セ
ンサは1つのみであり、(外気検知センサは開示されて
いない)、部分温度をヘッド全体の温度としているに過
ぎない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発熱素子の問題は、
記録ヘッド液路内に熱作用面を形成するインクジェット
記録において特に顕著となるインク吐出のばらつきであ
る。この原因は、熱エネルギがインクや液路構成部材へ
蓄積されていくことで、温度が異なる領域を作り易いこ
とにある。一般に熱転写記録で用いられるサーマルヘッ
ドは、インク液路をもたないので、蓄熱の問題はさほど
大きな問題ではない。しかし、将来的に微少な温度差を
利用して高画質,高階調の画像形成をする場合には問題
となるかもしれない。
【0007】いずれにしても、従来の単一の温度センサ
による記録ヘッドの温度制御にあっては、吐出を阻害す
るような重度の不良の発生が防げるが、例えば複数の吐
出口ないし液路を配置してなる所謂マルチノズルヘッド
において、複数液路夫々の吐出量の差異を有効に抑える
ことはできなかった。
【0008】ここで、複数液路夫々で吐出量に差異が生
じる一つの理由を説明することで、本発明の背景を説明
する。
【0009】図6は解像度360dpi(ドット/インチ)、
吐出口数48のインクジェット記録ヘッドを搭載したイン
クジェット記録装置において、文字数1500文字の一般的
な英文文書を記録したときの、各吐出口からの吐出数を
求めてグラフ化したものである。
【0010】この図からも明らかなように、一般的な英
文文書の記録でも吐出口間の吐出数には顕著な差があ
る。すなわち、前記のインクジェットの吐出原理から明
らかなように、吐出数の差は熱エネルギを印加した回数
の差であり、各流路内のインクに温度差を発生させる。
この温度差によって、同等の印加電圧,パルス幅で駆動
しても泡の発泡長に差が生じ、結果として各吐出口間の
吐出量に差が生じる。
【0011】各吐出口間で吐出量に差が生じると、具体
的には以下のような問題が生じる。
【0012】吐出量と記録媒体上でのドット面積の間に
は相関関係がある。図7に示すように、吐出量の多い吐
出口と少ない吐出口とが混在すると、形成ドット同士の
重なり幅に差が生じ、例えば吐出ドット数で階調表現を
行う疑似階調等を記録した場合、均一な濃度にならねば
ならぬ箇所に、ムラが生じたり、あるいは部分的に黒い
すじが生じたり、反対に白いすじが目立ったりする等の
問題が生じることが判明した。
【0013】本発明は、かかる問題を解決し、吐出口間
の吐出量の差を低減して、濃度ムラや黒すじ、白すじの
発生を抑えることができるインクジェット記録装置を提
供せんとするものである。
【0014】本発明の他の目的は、記録ヘッド内に生じ
る温度差あるいは記録ヘッドの温度分布を検知、好まし
くは予想して、上記温度差を抑制あるいは温度分布を均
一化するだけの短時間の中断を持つだけで記録を速かに
行える記録制御方法及び記録装置の提供にある。
【0015】本発明のさらに他の目的は、熱エネルギに
よる気泡形成方式のインクジェット記録装置であっても
中断時間を極めて短かいものにできる記録装置を提供す
るものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】そのために、本発明は、
インクを吐出するための複数の吐出口と、インクを吐出
するために利用されるエネルギを発生する電気熱変換体
をそれぞれ有し、前記複数の吐出口にそれぞれ連通した
複数の流路とを配列してなる記録ヘッドを走査しながら
記録動作を行なうことで記録画像を形成する記録装置で
あって、前記記録ヘッドの記録動作によって前記流路の
配列方向の端部間に生じる温度差を検知する検知手段
と、該検知手段によって検知された温度差に基づいて、
当該温度差を抑制するように前記記録ヘッドによる記録
動作を制御する制御手段と、を具えたことを特徴とす
る。ここで、前記検知手段は、前記流路内における温度
を検出して前記温度差を検知する手段を有するものとす
ることができる。
【0017】また、本発明の他の記録装置は、記録ヘッ
ドに配されたインクを吐出するための複数の吐出口のそ
れぞれにおける単位時間当たりのインク吐出数を計数す
ることで前記記録ヘッドの温度分布を検知する検知手段
と、該検知手段による計数値が所定以上である吐出口が
存在した場合に、検知された温度分布に基づく前記記録
ヘッド内の温度差を抑制するように前記記録ヘッドによ
る記録動作を制御する制御手段と、を具えたことを特徴
とする。
【0018】これらの記録装置にあって、圧力を作用さ
せることにより前記記録ヘッドの前記複数の吐出口から
インクを強制的に排出させる排出手段と、前記検知に基
づいて前記排出手段を駆動する第2制御手段とをさらに
具えることができる。
【0019】また、前記記録ヘッドは、インクを吐出す
るために利用されるエネルギとしてインクに膜沸騰を生
じさせる熱エネルギを発生する電気熱変換体を、前記複
数の吐出口のそれぞれに対応して有するものとすること
ができる。
【0020】また、前記制御手段は、インクの吐出周波
数を下げるよう制御を行なう手段、インクの吐出を一時
中断するよう制御を行なう手段、または前記記録ヘッド
を載置するキャリッジの走査を 500ミリ秒以下停止させ
る手段とすることができる。
【0021】また、本発明は、複数の吐出口にそれぞれ
対応した熱エネルギ発生素子を備えたインクジェット記
録ヘッドを用いて記録媒体に記録を行う記録制御方法で
あって、前記記録ヘッド内の温度分布を判定する工程
と、該判定結果に基づいて記録の続行または記録中断を
決定するとともに、前記判定結果に基づいて記録中断時
間を決定する工程と、当該決定された中断時間、記録を
中断した後に、記録を開始する工程と、を具えたことを
特徴とする。
【0022】ここで、前記熱エネルギ発生素子は記録信
号に応じた電気駆動信号によりインクに気泡を形成する
電気熱変換素子であり、前記中断時間は、500 ミリ秒以
下の時間とすることができる。
【0023】また、前記判定は、所定の複数の領域のそ
れぞれに設けられた温度検知機構の検知温度に応じて行
われるものとすることができる。または、前記判定は、
所定の複数の領域にそれぞれ供給される記録信号の単位
時間あたりのデューティ比と該所定の複数の領域にそれ
ぞれ供給されたトータルのデューティとによって行われ
るものとすることができ、当該判定によって実行される
中断時間は、500 ミリ秒以下の時間とすることができ
る。
【0024】
【作用】本発明によれば、記録中の記録ヘッド内に生じ
る温度差ないしは記録ヘッドの温度分布を検知または判
定し、インク吐出周波数の低減、インク吐出動作の一時
中断あるいは記録のための走査の停止などにより記録動
作を制御することによって、各吐出口から吐出される1
ドットあたりのインク液滴(吐出量)の変動を低減でき
るので、記録パターンに係わらず、記録画像上の濃度ム
ラや黒すじ,白ずじ等の発生を抑え、高画質品位の記録
を行うことが可能となる。
【0025】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を具体
的に説明する。
【0026】(第1実施例) 図1は本発明を適用可能なインクジェット記録装置の一
例を示す斜視図である。
【0027】先ず記録装置の全体構成を説明すると、図
に於て、1は紙,プラスチックシート等よりなる記録媒
体(以下記録シートという)であって、カセット等に複
数枚積層されたシート1が図1には図示しない給紙ロー
ラによって一枚ずつ供給される。そしてさらに一定間隔
を隔てて配置され、それぞれ個々のステッピングモータ
(図示せず)によって駆動される第1搬送ローラ対3お
よび第2搬送ローラ対4によって矢印A方向に搬送され
る。
【0028】5は記録シート1に記録を行うためのイン
クジェット記録ヘッドである。インクはインクカートリ
ッジ10より供給され、各吐出口から画信号に応じて吐出
される。この記録ヘッド5およびインクカートリッジ10
はキャリッジ6に搭載され、キャリッジ6にはベルト7
およびプーリ8a,8b を介してキャリッジモータ23が連結
している。従って、キャリッジモータ23の駆動によりキ
ャリッジ6がガイドシャフト9に沿って往復走査する。
【0029】以上の構成の下に、記録ヘッド5が矢印B
方向に移動しながら画信号に応じてインクを記録シート
1に吐出して画像を記録し、必要に応じて記録ヘッド5
はホームポジションに戻って回復系手段2により吐出口
の目詰まり等を解消して、吐出状態を良好にすると共
に、搬送ローラ対3,4が駆動して記録シート1を矢印
A方向に1行分搬送する。これを繰り返すことによって
記録シート1に所望の記録を行うものである。なお、回
復系手段2は、記録ヘッド5の吐出口形成面に接合可能
なキャップと、これに連通して吐出口形成面に吸引力を
作用するポンプ等からなるものである。
【0030】ここで以上の記録装置の各部を駆動させる
ための制御系について説明する。
【0031】図2はその制御系の構成例を示し、例えば
マイクロプロセッサ等のCPU20a、そのCPU20aの制御プロ
グラムや各種データを格納しているROM20b、およびCPU2
0aのワークエリアとして使用されると共に、各種データ
の一時保存等を行うRAM20c等を備えた制御部20と、イン
ターフェース21と、操作パネル22と、各モータ(キャリ
ッジ駆動用のモータ23、給紙モータ駆動用のモータ24、
第1搬送ローラ対駆動用のモータ25、第2搬送ローラ対
駆動用のモータ26)と、各モータを駆動するためのドラ
イバ27と、記録ヘッド駆動用ドライバ28とからなる。
【0032】制御部20はインターフェース21を介して操
作パネル22からの各種情報(例えば文字ピッチ,文字種
類等)を入力し、外部装置29からの画信号を入力する。
また制御部20はインターフェース21を介して各モータ23
〜26を駆動させるためのON,OFF信号、および画信号を
出力し、画信号によって各部を駆動させる。
【0033】また、タイマ30およびカウンタ32によって
単位時間あたりに各吐出口から吐出がなされた吐出数の
情報は、インターフェース21を介して制御部20に転送さ
れる。
【0034】以上の構成において、単位時間あたりに吐
出した吐出数によって、各流路内およびその近傍のイン
ク温度の昇温の度合いは大きく異なるが、本実施例では
設定した温度以上に昇温が起こらないよう制御を行う。
【0035】設定温度以上に昇温が起こらないよう制御
する構成を、以下実験結果を交えて説明する。
【0036】解像度400dpi(ドット/インチ)、吐出口
数128 本を有するヘッドを有し、記録速度4000[ドット
/sec・ 吐出口]で記録を行うインクジェット記録装置を
用いた実験では、 1ライン(約200mm )の全吐出口
フル吐出記録を行うと、液路近傍のインク温度は約10℃
昇温する(ΔT=10℃) 。
【0037】これは記録画像上の反射濃度でみると、昇
温していないときの反射濃度と比較して約10%の増加に
なる。
【0038】 昇温したヘッド(インク)を記録を行
わずに放置すると、元の温度(外気温と平衡状態の温
度)に戻る。
【0039】 昇温した状態で記録を継続すると、記
録によって昇温しようとする要因と、外気へ放熱して降
温しようとする要因とのバランスによって、ヘッド(イ
ンク)温度は定まる。
【0040】ここで、仮に対象となる装置により記録し
た反射濃度の変化率を10%以内と設定するならば、上記
昇温と降温とのバランスによってΔT=10℃以内となる吐
出間隔「N」(ドット/ 単位時間)を求め、この吐出間
隔「N」をあらかじめROM20b内に格納しておき、単位時
間ごとにカウンタ32から転送されてくるノズルごとの吐
出数のデータと、該「N」とを比較し、いずれか1吐出
口でも単位時間あたりの吐出数が「N」を越えていた場
合には記録スピードを落としていくよう制御することに
より、すなわち吐出間隔を制御することにより、液路近
傍の昇温は抑えられる。
【0041】図3は上記構成よりなる記録装置による記
録動作手順の一例を示す。
【0042】まず、ステップS1で記録命令が入力される
と、タイマ30およびカウンタ32をリセットし(ステップ
S2)、記録を開始する(ステップS3)。このとき、カウ
ンタ32によって各吐出口ごとの吐出数をカウントしてい
く(ステップS4)。制御部20はタイマ30からの情報を受
けて単位時間経過したかを監視し(ステップS5)、単位
時間経過しておらず、且つ次ラインの記録命令があれば
(ステップS6)、ステップS3に戻って再び記録動作を行
い、記録命令がなければステップS5に戻って単位時間経
過したかの監視を続ける。
【0043】ここで、単位時間経過したならば、各吐出
口の吐出数と昇温が抑えられる吐出間隔「N」とを比較
し(ステップS7)、 「N」以上吐出した吐出口がなけれ
ばステップS1に戻り記録命令を待つ。もし、「N」以上
に吐出を行った吐出口があった場合には、昇温が進行し
ていき吐出口ごとの吐出量に差がでることを避けるため
に、あらかじめ設定されているテーブル( 500msec
以下の中断条件)に従って記録速度を落とし(ステップ
S8) 、ステップS1に戻って記録命令を待つ。
【0044】なお、記録速度を低下させるとは、具体的
には記録のための吐出周波数を下げる(吐出間隔をあげ
る)とともに、本例のようなシリアルプリンタ形態の装
置にあっては記録ヘッドの走査速度をこれに応じて低下
させることである。これに対し、記録媒体の幅に対応し
た範囲にわたって吐出口を配列した形態の所謂フルマル
チタイプの記録ヘッドに本発明を適用する場合には、吐
出周波数を下げるとともに記録媒体の搬送速度を低下さ
せればよい。
【0045】前述のごとく制御を行うことにより、記録
に際して昇温が進行する以上の間隔で吐出する吐出口が
無くなるので、流路ごとの泡の発泡長のばらつき、すな
わち液路ごとの吐出量のばらつきを防止できる。よっ
て、濃度ムラや黒すじ,白すじ等の発生を防ぎ、高画質
品位を達成することができる。
【0046】また、昇温と降温のバランスを保つ、前記
吐出間隔「N」は、記録装置が置かれている外気温度に
よっても影響を受けることがある。よって、「N」を外
気温度との関数f(t)=Nt として設定してもよい。
【0047】また、図2において外部装置29より入力さ
れた記録信号はインターフェイス21を経て制御部20のRA
M20c(受信バッファ)に送られるが、記録信号(コー
ド)は、液路の1本1本に対応した電気熱変換体へのヒ
ート信号に変換される。ここで、本実施例では吐出を行
い液路近傍のインク温度が昇温した後に制御が行われる
ことになるが、ヒート信号に変換した時点で計数動作を
行い、 昇温が生じる前に適切な記録速度を設定するよう
にしてもよい。また、単位時間あたりに吐出した前回さ
らには前々回の吐出数のデータを記録速度制御の基準に
入れてもよい。
【0048】いずれにしても、吐出ドット数に係るデー
タに基づいて液路近傍のインク温度の分布を検知するよ
うにし、当該検知に応じて記録速度を制御して吐出間隔
を制御することにより、液路近傍のインク温度の昇温度
合いを制御し、各吐出口間の吐出量の差異を低減するこ
とができる。その結果、記録パターンに係わらず、記録
画像上の濃度ムラや黒すじ,白すじ等の発生を防ぎ、高
画質品位の記録を行うことが可能となる。
【0049】いずれにしても、本発明実施例は、従来で
いう異常温度に至らない微小な温度分布のムラに対して
作動することができるので、従来のように異常温度が通
常記録温度に至るまでの長期的非記録時間を必要としな
い。それのみならず、従来のように異常温度に至るまで
に発生する記録ムラを大幅に改善できるので、従来の温
度に応じた記録制御より優れた画像形成を達成できる。
【0050】なお、図2において 100〜 105はより詳細
な具体例として後述する制御を実行するのに用いられる
各部であり、これらの機能については後述する。
【0051】(第2実施例) 次に、ヘッド内のインク温度分布を検出する他の実施例
について説明する。
【0052】第1実施例では、単位時間あたりの吐出口
ごとの吐出数をカウントして流路内インク温度を推定し
たが、以下のように全液路を直接、温度測定する構成で
もよい。
【0053】図4は、本例に係るマルチノズル型記録ヘ
ッドにおける所定の流路構成の説明図である。
【0054】図中X・Y間に駆動信号が印加されると、
電気熱変換体34が発熱し、保護膜36を通して流路33内の
インクIに熱エネルギが伝達され、膜沸騰が起こってバ
ブルBが発生し、これに応じてインク滴Dが吐出口から
吐出する。ここで、電気熱変換体34の熱的影響を受けず
に、かつ液路に十分近い位置に配置された抵抗変化検出
型温度センサ35での電圧降下を、図中Y・Z間で検出
し、インク温度を検出する。この構成は全液路に対して
設けられているので、より精度の良い情報が得られる。
これに基づいてヘッドの温度分布をより正確に判定でき
上例と同様の記録速度制御を行うことでより一層安定し
た画像を形成できる。
【0055】単一の温度センサを用いて行う従来の温度
検出では、多数ある流路のうちの一部分だけの温度変化
が検出され、これに基づいて全体を画一的に制御してい
るため、誤差が大きかった。よって重度の吐出不良の発
生は回避できたが、吐出口ごとの吐出量の差異による濃
度ムラ等までは対処することはできなかった。
【0056】しかし、本実施例では記録ヘッドを最大の
部分領域に分けてこれを夫々検知するものである。即
ち、各流路ごとに温度を検出して制御を行うので、吐出
口ごとのインクの吐出量のばらつきを低減することがで
き、高画質品位の記録を達成できる。
【0057】なお、本実施例では全流路の温度検出を行
っているが、記録装置の用途によっては、例えばプログ
ラムのリストを記録したり、文書等の記録が中心となる
キャラクタプリンタであるならば、図6から明らかなよ
うに吐出頻度が高い吐出口と低い吐出口とが容易に想定
できるので、温度分布を支配するような複数(2個以
上)の領域等のように必要部分だけの検出(この場合、
温度ではなくdutyでも良い)が行われるようにしたもの
であってもよい。継ぎ目を良好にすることを主体とする
ときは、図6の吐出口番号(1〜8)と(41〜48)に対
しての比較を行えば良く、全体濃度としては吐出口番号
(13〜16)と吐出口番号(35〜38)との比較を行えば良
い。無論これらの組合わせに限られない。
【0058】また、シリアル走査によって所定幅毎に記
録を行う場合には、該所定幅毎のつなぎ目で特に濃度ム
ラが目だち易くなる。これはシリアル走査の記録では、
第n走査目の最下端吐出口で記録したラインと、第n+1
走査目の最上端吐出口で記録したラインとが記録画上で
のつなぎ目を形成するので、最下端吐出口と最上端吐出
口間で温度差が有ると、前記のごとく濃度ムラを発生せ
しめるのである。
【0059】よって、図5に示すように、べースプレー
ト37上の液路33の配列範囲両端に2つの温度センサ(例
えば抵抗変化検出型温度センサ35)を設けて、その温度
センサの電圧降下を図中Y′・Z′間で検出し、その検
出した温度差が所定の値を越えた場合に前述のような制
御を行うようにしてもよい。
【0060】さらに、第1実施例において採用した、単
位時間あたりの吐出回数による温度検出部と温度センサ
による温度検出部との組み合わせで温度分布を得て記録
制御を行うようにしてもよい。これは、ヘッドの構成等
の制約条件により流路近傍に温度センサを配置すること
が困難な場合等に特に有効である。また、温度センサと
吐出回数との併用で、対象領域の温度をより正確に検知
するようにしても良い。
【0061】(第3実施例)次にノズル内のインク温度
の昇温をさらに有効に防止する実施例について説明す
る。
【0062】前記2実施例では、吐出に伴う昇温と放熱
に伴う降温のバランスを、記録速度を変えることで平衡
させ、各吐出口の吐出量を制御した。この制御は、異常
温度以下で特に有効であるが、異常温度を越えた時に
は、従来よりは短時間で記録へ復帰できるものの、500m
sec を越える場合がある。本実施例はこのような異常温
度を越える場合のモードであり、図1に示した回復系2
を用いる。
【0063】吐出による昇温は液路近傍の狭い範囲で起
こる現象で、インクカートリッジ10内のインクにまで影
響が及ぶことは少ない。よって、第1実施例のような吐
出数に係るデータに基づいた温度検知手段または第2実
施例のようなセンサによる温度検知手段により、昇温防
止対策が必要になった時点でキャリッジ4を吸引回復位
置に帰還させ、吸引動作を行うことによって昇温インク
をヘッド内から吸い出してリフレッシュすることで、迅
速にかつ確実に降温させることが可能となる。
【0064】従って、前記実施例の記録速度制御方式を
行うモードと本回復モードとを切換えて併有し、流路近
傍のインク温度降温制御を行うことも極めて有効であ
る。
【0065】ここで、回復系2は、吐出口の目詰まり等
を解消する機能を有する、インクジェット記録装置が常
設している構成のものでよい。一例を記せば、回復系2
は記録ヘッド5に対し進退駆動され、前進位置で記録ヘ
ッド前面を密閉するキャップ手段と、前記キャップ手段
を通してインク吐出口からインクを吸引するポンプ手段
とを備えている。すなわち、キャップ手段で記録ヘッド
を密閉した状態でポンプを動作させることにより、キャ
ップ手段内に負圧を発生させ、ノズルからインクを吸い
出す構成である。
【0066】(制御系の他の構成) 図11は、本発明のホスト100 からインクジェット記録ヘ
ッド5までの別構成の駆動制御手段200 を示すブロック
図である。204 は通常の中央制御手段である。本例では
記録ヘッド5の2つの領域、即ち、第1記録部57,第2
記録部52を温度分布を決定する対象領域としている。本
例では、通常ブロック駆動される1ブロックごとを第
1,第2記録部としている。このブロック単位を制御対
象とすると、duty比の精度が確実になるので好ましいも
のとなる。無論、制御対象を2ブロック毎としたり、3
ブロック毎としても良い。
【0067】201 は、第1記録部51へ供給される駆動信
号の判定を行うduty判定手段としてのブロックで、1)
単位時間当りのdutyと、2)total のdutyとを計測しつ
づける。同様に202 は、第1記録部52へ供給される駆動
信号の判定を行う。
【0068】203 は、ブロック201,202 で計測されたdu
ty判定のデータを中央制御手段204から受けとり、total
dutyおよびduty比に対する停止時間判定ブロックであ
る。このブロックのように、対応する第1,第2記録部
夫々に専用のduty判定手段を設けることで必要に応じた
データを随時引き出すことができる。このduty判定手段
に、第1,第2記録部夫々のセンサによる温度データを
供給するようにすることも可能である。なお、通常イン
クジェット記録スピードが200mm/sec 〜400mm/sec に対
して、上述した中断時間は極めて小さいことは明らかで
あり、本発明の優位性を証明するものである。
【0069】(詳細な具体例) 次に、図2において各部 100〜105 を用いた構成、並び
に図8〜図10を用いて、実用的な具体例を詳細に述べ
る。
【0070】本具体例の制御目的は、シリアルプリンタ
では主走査方向のつなぎ目に生じる「つなぎスジ」の防
止にある。この「つなぎスジ」の主原因の1つである吐
出口群上端部温度と下端部温度の温度差、即ち上端部と
下端部の吐出量差を防止する。
【0071】具体的数値例は以下の表の通りである。
【0072】
【表1】
【0073】図8のステップst1で印字コードが入力さ
れると、該印字コードを2値の吐出コードへ変換する
(ステップst2)。これを図2を用いて具体的に説明す
ると、パーソナルコンピュータ等の外部装置 100から入
力された印字コードはduty演算のためのゲートアレイ 1
01内の受信バッファ 103に蓄えられる。受信バッファ 1
03に蓄えられた印字コードは吐出口毎の「吐出する」/
「吐出しない」の2値の吐出コードへ変換されプリント
バッファ 102に転送される。この時上半分の吐出口群の
吐出duty(du)を図2のラインduty入力バッファ105
に、下半分の吐出口群の吐出duty(dd)を図2のライン
入力バッファ 104に設定し(ステップst3,st4)、印
字を開始する(ステップst5)、CPU20aは任意のタイミ
ングで該ライン入力バッファ 104,105 を参照でき上半
分の吐出口群の吐出duty及び下半分の吐出口群の吐出du
tyを検出できる。
【0074】1行印字後、duty比演算ルーチンによって
x1を、total-duty演算ルーチンによってx2を演算し
(ステップst6,st7)、キャリッジ休止時間(t)を
算出し、該算出値に応じてキャリッジの走査を制御す
る。具体的には本実施例ではキャリッジの休止時間
(t)を以下の重回帰式によって算出する。
【0075】 t=ax1+bx2+c(但し、a,b,cは定数で本実施例では a=b=100,c=0 x1,x2は変数(詳細は以下帰す。)) またduty比(x1)は図9に示すステップst61〜st66を
含むduty比演算ルーチンによって以下のように演算され
る。
【0076】上半分の吐出口群のdutyと下半分の吐出口
群のdutyの比が 1.5未満ならばx1=0、duty比が 2.0
以上の場合x1=2、それ以外ではx1=1と設定す
る。
【0077】 即ち、 (du>dd)の時(du/dd<1.5 ) もしくは、(dd>du)の時(dd/du<1.5 )ならば(x1=0) (du>dd)の時(du/dd≧2.0 ) もしくは、(dd>du)の時(dd/du≧2.0 )ならば(x1=2) (dd>du)の時(1.5 ≦dd/du<2.0 )ならば(x1=1) と設定する。
【0078】total-duty(x2)は図10に示すステップst
71〜st76を含むtotal-duty演算ルーチンによって以下の
ように演算される。
【0079】上半分の吐出口群のdutyと下半分の吐出口
群のdutyの和が10%以下ならばx2=0,50%以上ならば
x2=2、それ以外の時x2=1と設定する。
【0080】 即ち、 (du+dd<0.1 )ならば(x2=0) (dd+du≧0.5 )ならば(x2=2) (0.1 ≦du+dd<0.5 )ならば(x2=1) と設定する。
【0081】ここで、回帰式について説明する。
【0082】記録ヘッドが走査して記録を行うシリアル
型のインクジェット記録装置において、走査によるつな
ぎ部のスジを目立たなくするためのキャリッジ休止時間
(t)は、上方吐出口の吐出dutyと下方吐出口の吐出du
tyのduty比が大きいほど、上方吐出口と下方吐出口の吐
出量差が大きくなってしまい、降温するのに比較的多く
の時間を要する。
【0083】また、トータルdutyが大きい場合にはヘッ
ドの蓄熱が大きくなり吐出量が増す。大きな蓄熱が起こ
った後長時間に渡る印字休止が起こった場合(イメージ
画像の転送等)休止の前後で印字ムラが生じてしまう。
【0084】上記回帰式は、走査によるつなぎスジの原
因となる上記2項目を説明変数として重回帰式を立て、
目的変数としてキャリッジの休止時間(t)を求めてい
る。
【0085】各説明変数の定数「a,b」は、各説明変
数の重みを表し本実施例では等価で共に100 である。
尚、本実施例ではキャリッジの休止時間でヘッド温度の
制御を行ったが、ヘッド駆動周波数,印字方向,吸引回
復動作、及びこれらの組み合わせで制御する方式で有っ
ても良い。
【0086】また、デューティの検出に上半分の吐出口
群のデューティと、下半分の吐出口群のデューティを用
いたが、上方吐出口群の一部と下方吐出口群の一部を用
いる方式であっても良く、3箇所以上の複数箇所のデュ
ーティを検出し制御する方式で有っても良い。
【0087】また、本実施例ではキャリッジの休止時間
を1次の重回帰式によって演算したが、他の回帰に従う
もので有ってもよい。
【0088】(その他)なお、本発明は、特にインクジ
ェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために
利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段
(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エ
ネルギによりインクの状態変化を生起させる方式の記録
ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすもので
ある。かかる方式によれば記録の高密度化,高精細化が
達成できるからである。
【0089】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成
長,収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第4463359号明細書,同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが
できる。
【0090】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書,米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭59−138461号公報に基いた構成として
も本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの
形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。
【0091】さらに、記録装置が記録できる記録媒体の
最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのよう
な記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによっ
てその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の
記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0092】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装
置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や
装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチ
ップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一
体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0093】また、本発明の記録装置の構成として、記
録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加す
ることは本発明の効果を一層安定できるので、好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或
は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或
はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げるこ
とができる。
【0094】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数
のインクに対応して複数個数設けられるものであっても
よい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては
黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるか
いずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色
によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備
えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0095】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェ
ット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものを用いてもよ
い。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状
態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せし
めることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発
を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化す
るインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの
記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状イ
ンクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では
すでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与
によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も
本発明は適用可能である。このような場合のインクは、
特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−7
1260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部
または貫通孔に液状又は固形物として保持された状態
で、電気熱変換体に対して対向するような形態としても
よい。本発明においては、上述した各インクに対して最
も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するもので
ある。
【0096】さらに加えて、本発明インクジェット記録
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0097】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
記録中の記録ヘッド内に生じる温度差ないしは記録ヘッ
ドの温度分布を検知或いは判定し、インク吐出周波数の
低減、インク吐出動作の一時中断あるいは記録のための
走査の停止などにより記録動作を制御することによっ
て、各吐出口から吐出される1ドットあたりのインク液
滴(吐出量)の変動を記録ヘッドの複数領域に対して抑
制或いは定常的に低減できるので、記録パターンに係わ
らず、記録画像上の濃度ムラや黒すじ,白すじ等の発生
を抑え、高画質品位の記録を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用可能なインクジェット記録装置の
一例を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施例に係るインクジェット記録装
置の制御系の構成例を示すブロック図である。
【図3】その記録動作制御手順の一例を示すフローチャ
ートである。
【図4】本発明の他の実施例に係る記録ヘッドの模式図
である。
【図5】本発明のさらに他の実施例に係る記録ヘッドの
模式図である。
【図6】吐出ごとの吐出数のばらつきを説明するための
説明図である。
【図7】吐出量のばらつきによるドットの形成状態を説
明するための説明図である。
【図8】図2において、ホスト入力側からのデータに応
じて行う具体的な制御手段のフローチャートである。
【図9】図8に示すフローチャート中のduty比判定のサ
ブルーチンを示すフローチャートである。
【図10】図8に示すフローチャート中のtotal-duty判
定サブルーチンを示すフローチャートである。
【図11】本発明の温度分布判定の所定複数領域単位別
記録情報に基づく実施例の説明図である。
【符号の説明】
1 記録シート 2 回復系 5 記録ヘッド 6 キャリッジ 10 インクカートリッジ 20 制御部 23〜26 モータ 30 タイマ 32 カウンタ 33 液路 34 電気熱変換体 35 温度センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松原 美由紀 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 杉本 仁 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 新井 篤 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 田鹿 博司 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 平林 弘光 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−116857(JP,A) 特開 平1−299045(JP,A) 実開 昭60−179443(JP,U) 米国特許4910528(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41J 2/05 B41J 2/01

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを吐出するための複数の吐出口
    と、インクを吐出するために利用されるエネルギを発生
    する電気熱変換体をそれぞれ有し、前記複数の吐出口に
    それぞれ連通した複数の流路とを配列してなる記録ヘッ
    ドを走査しながら記録動作を行なうことで記録画像を形
    成する記録装置であって、 前記記録ヘッドの記録動作によって前記流路の配列方向
    の端部間に生じる温度差を検知する検知手段と、 該検知手段によって検知された温度差に基づいて、当該
    温度差を抑制するように前記記録ヘッドによる記録動作
    を制御する制御手段と、 を具えたことを特徴とする記録装置。
  2. 【請求項2】 前記検知手段は、前記流路内における温
    度を検出して前記温度差を検知する手段を有することを
    特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  3. 【請求項3】 記録ヘッドに配されたインクを吐出する
    ための複数の吐出口のそれぞれにおける単位時間当たり
    のインク吐出数を計数することで前記記録ヘッドの温度
    分布を検知する検知手段と、 該検知手段による計数値が所定以上である吐出口が存在
    した場合に、検知された温度分布に基づく前記記録ヘッ
    ド内の温度差を抑制するように前記記録ヘッドによる記
    録動作を制御する制御手段と、 を具えたことを特徴とする記録装置。
  4. 【請求項4】 圧力を作用させることにより前記記録ヘ
    ッドの前記複数の吐出口からインクを強制的に排出させ
    る排出手段と、前記検知に基づいて前記排出手段を駆動
    する第2制御手段とをさらに具えたことを特徴とする請
    求項1または請求項3に記載の記録装置。
  5. 【請求項5】 前記記録ヘッドは、インクを吐出するた
    めに利用されるエネルギとしてインクに膜沸騰を生じさ
    せる熱エネルギを発生する電気熱変換体を、前記複数の
    吐出口のそれぞれに対応して有することを特徴とする請
    求項1または請求項3に記載の記録装置。
  6. 【請求項6】 前記制御手段は、インクの吐出周波数を
    下げるよう制御を行なう手段であることを特徴とする請
    求項1または請求項3に記載の記録装置。
  7. 【請求項7】 前記制御手段は、インクの吐出を一時中
    断するよう制御を行なう手段であることを特徴とする請
    求項1または請求項3に記載の記録装置。
  8. 【請求項8】 前記制御手段は、前記記録ヘッドを載置
    するキャリッジの走査を 500ミリ秒以下停止させる手段
    であるを特徴とする請求項7に記載の記録装置。
  9. 【請求項9】 複数の吐出口にそれぞれ対応した熱エネ
    ルギ発生素子を備えたインクジェット記録ヘッドを用い
    て記録媒体に記録を行う記録制御方法であって、 前記記録ヘッド内の温度分布を判定する工程と、 該判定結果に基づいて記録の続行または記録中断を決定
    するとともに、前記判定結果に基づいて記録中断時間を
    決定する工程と、 当該決定された中断時間、記録を中断した後に、記録を
    開始する工程と、 を具えたことを特徴とする記録制御方法。
  10. 【請求項10】 前記熱エネルギ発生素子は記録信号に
    応じた電気駆動信号によりインクに気泡を形成する電気
    熱変換素子であり、前記中断時間は、500 ミリ秒以下の
    時間であることを特徴とする請求項9に記載の記録制御
    方法。
  11. 【請求項11】 前記判定は、所定の複数の領域のそれ
    ぞれに設けられた温度検知機構の検知温度に応じて決定
    されることを特徴とする請求項9に記載の記録制御方
    法。
  12. 【請求項12】 前記判定は、所定の複数の領域にそれ
    ぞれ供給される記録信号の単位時間あたりのデューティ
    比と該所定の複数の領域にそれぞれ供給されたトータル
    のデューティとによって決定されることを特徴とする請
    求項9に記載の記録制御方法。
  13. 【請求項13】 前記判定によって実行される時間は、
    500 ミリ秒以下の時間であることを特徴とする請求項1
    2に記載の記録制御方法。
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