JP2008080730A - インク吐出量測定方法及びインク吐出量測定システム - Google Patents

インク吐出量測定方法及びインク吐出量測定システム Download PDF

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Abstract

【課題】記録ヘッドの温度上昇による測定誤差を回避可能なインク吐出量測定方法及びインク吐出量測定システムを提供する。
【解決手段】インクジェット記録装置10とスキャナ12とホストコンピュータ(PC)14とを含むインク吐出量測定システム1では、インクジェット記録装置10に備えられる記録ヘッドの温度を検出し、その検出結果に基づいて駆動信号に温度補償処理が施される。インクジェット記録装置10は温度補償された駆動信号を用いて記録媒体上にドットを記録し、記録媒体上に記録されたドットはスキャナ12で読み取られ、該読取結果はPC14に送出される。PC14では、スキャナ12の読取結果からドットのピクセル数をカウントし、ピクセル数とインク吐出量との相関関係を表す吐出量相関テーブルを参照してこのピクセル数に対応するインク吐出量が求められる。
【選択図】図1

Description

本発明はインク吐出量測定方法及びインク吐出量測定システムに係り、特に安価なシステムのもと低解像度の画像読取手段であっても、精度良くインク吐出量を測定することができるインク吐出量測定方法及びインク吐出量測定システムに関する。
インクジェット記録装置において、記録ヘッドに複数形成される各ノズルからのインクの吐出量を均一にすることは、印刷品質の安定化を図る観点から重要なことである。そのため、メンテナンス時などにおいて各ノズルからのインクの吐出量を正確に測定することが望まれている。
そこで、従来よりインクなどの微量な液滴量を測定する方法として、重量法によるインク滴体積測定方法と吸光度法による滴体積測定方法とが存在する。
重量法によるインク滴体積測定方法とは、まず、一定時間、一定の間隔でインクを吐出させ、その時間内のインクの使用量(重量)を化学天秤等で測定する。そして、その後インクの吐出回数でインク使用量を除算することにより1吐出当りの平均液適量(平均吐出量)を求める方法である。
また、吸光度法による滴体積測定方法とは、まず、インクを透明な容器に封入し、片面からある強度の光を照射し、反対側の面から出てくる光(吸光度)を観測する。そして、吸光度はインク濃度と比例することが知られており(Lambert−Beerの法則)、この方法からインク濃度が求められる。滴体積を測定するには、予めインクの濃度と吐出量の関係を示す検量線を求めて、得られたインク濃度から滴体積を算出し、滴体積を吐出回数で除算することで1吐出当りの平均吐出量を求める方法である。
そして、特許文献1、2では、前記吸光度法に基づいた方法で、予め濃度-滴体積の相関関係(検量線)を求めておき、オンラインにおいて、透過光源とCCDを用いて、CCDから(透過した)輝度(逆数が濃度)を測定し、検量線から、1ノズル当りの吐出量を瞬時に測定している。
特開平9−48111号公報 特開平10−230593号公報
しかしながら、インクを吐出する際のヘッドの温度上昇(ヘッド内のインクの温度上昇)に伴いインク粘度が低下し、結果としてインクの吐出体積が増加することが起こり得る。このようなヘッドの温度上昇に起因するインクの吐出体積の増加はドットサイズの誤差として測定結果に重畳されてしまい、温度上昇によるドットサイズの誤差が測定結果に影響を与えてしまう。また、CCDなどの撮像素子を用いてドットを撮像し、撮像結果からドットサイズを求め、ドットサイズとインク吐出量との関係からインク吐出量を判断する方法では、30μm程度の微小サイズのドットにおける数μm程度の非常に小さい変化量を測定対象とすると撮像素子の解像度が問題となる。例えば、4800dpi程度の市販品レベルの低解像度スキャナによってドットのサイズを測定すると、5μm以下の範囲を正確に測定することが難しい。したがって、5μm以下の非常に小さい変化量を測定対象とする場合には、高解像度の高価な撮像装置が必要になる。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、記録ヘッドの温度上昇による測定誤差を回避可能なインク吐出量測定方法及びインク吐出量測定システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明に係るインク吐出量測定方法は、所定の駆動信号を印加して記録ヘッドから吐出されたインクによって記録媒体上に記録されたドットのサイズを読み取り、読取結果に基づいてインク吐出量を測定するインク吐出量測定方法であって、前記記録ヘッドの温度変化に対してインク吐出量が一定となる前記記録ヘッドの温度と前記駆動信号の値との相関関係を表す温度相関テーブルを記憶する温度相関テーブル記憶工程と、前記記録ヘッドの温度を検出する温度検出工程と、前記温度相関テーブルを参照して、前記温度検出工程によって検出された記録ヘッドの温度が基準温度に対して高い場合には前記駆動信号の値を小さくするように前記駆動信号の値に温度補償処理を施す温度補償処理工程と、前記温度補償処理工程によって温度補償処理が施された駆動信号を印加して前記記録ヘッドからインクを吐出させるインク吐出工程と、前記インク吐出工程によって吐出されたインクにより前記記録媒体上に記録されたドットのサイズを読み取る画像読取工程と、前記画像読取工程の読取結果に基づいて前記記録ヘッドから吐出されたインク吐出量を算出するインク吐出量算出手段と、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、記録ヘッドの温度を検出し、その検出結果に基づいて温度相関テーブルを参照して記録ヘッドの温度が変化しても吐出量が一定になるように駆動信号の値を補償するので、記録ヘッドの温度上昇によりインクの粘度が変化した結果インク吐出量が増加することを回避でき、インク吐出量を正確に測定することができる。
また、請求項2に記載の発明によれば、請求項1記載のインク吐出量測定方法の一態様に係り、前記駆動信号の値及び前記画像読取工程に用いられる画像読取手段の画素数、前記インク吐出量の相関関係を表す吐出量相関テーブルを記憶する吐出量相関テーブル記憶工程と、前記画像読取工程による読取結果に基づいて記録媒体上に記録されたドットが占める前記画素数を測定する画素数測定工程と、前記画素数測定工程で測定された画素数が被測定対象ドットの画素数から次の画素数へ変化するまで、前記駆動信号の値を一定の割合で変化させながら前記インク吐出工程及び前記画像読取工程、前記画素数測定工程を繰り返し、被測定対象ドットの画素数から次の画素数へ変化した境界に対応する駆動信号の値を求める駆動信号可変工程と、前記駆動信号可変工程によって求められた実際の画素数が変化する境界に対応する駆動信号と、前記吐出量相関テーブルから求められる理論上の画素数が変化する境界に対応する駆動信号と、の差分を算出する差分算出工程と、前記差分算出工程によって算出された前記差分を前記被測定対象のドットを記録する際の理論上の駆動信号の値から減じて前記被測定対象のドットに対応するみかけの駆動信号の値を求めるみかけの駆動信号算出工程と、を含み、前記インク吐出量算出工程は、前記吐出量相関テーブルを参照して前記みかけの駆動信号に対応するインク吐出量を被測定対象のドットのインク吐出量として算出することを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、被測定対象ドットの画素数から次の画素数へ変化するときの実際の駆動信号の値(Vmeasure)を求め、この駆動信号の値(Vmeasure)と、被測定対象ドットの画素数から次の画素数へ変化する理論上の駆動信号(Vpixel)と、の差分(Vpixel−Vmeasure)を求め、被測定対象のドットを記録する際の理論上の駆動信号の値(V)から差分(Vpixel−Vmeasure)を減じて被測定対象のドットを形成する見かけ上の駆動信号(V=V−(Vpixel−Vmeasure))を求め、予め記録されている吐出量相関テーブルを参照して見かけ上の駆動信号(V)に対応するインク吐出量が求められる。したがって、安価なシステムのもと低解像度の画像読取手段を用いても、精度良くインク吐出量を測定することができる。
「理論上」とは、測定対象のインク液滴の事前に把握されている値を示し、演算により求められる値や実験により求められる値、シミュレーション上の値などがある。また、「理論上の駆動信号の値」とは、測定対象のインク液滴に対して事前に吐出量相関テーブルで有している値である。
駆動信号可変工程では、駆動信号の値を被測定対象のドットを記録する温度補償された駆動信号の値から所定量(ΔV)のきざみで変化させ、駆動信号の値を変化させるごとに記録媒体上にインクを吐出し、記録媒体上に記録されたドットを読み取り、該ドットが占める画素数を測定する。そして、測定された画素数が次の画素数に変化するまでこの一連の動作を繰り返す。
本発明に適用される読取手段の分解能は、読取手段の最小読取単位(1画素)に対して駆動信号の値の変化量(ΔV)に対応するドットサイズの変化量(インク吐出量の変化量)よりも低くてもよい。
吐出量相関テーブルにおける「インク吐出量」は「インクの滴体積」と置き換えてもよく、もしくは、吐出量相関テーブルに「インク吐出量」を「インク体積」の両方を作成してもよい。
「駆動信号を印加して記録ヘッドからインクを記録媒体上に吐出する」にあたっては、例えば、駆動信号を印加して圧力発生素子に電気的エネルギーを付与し、圧力発生素子において電気的エネルギーが機械的エネルギーに変換されて、この機械的エネルギーが記録ヘッド内のインクに作用してノズルからインクが吐出される手法が考えられる。
「記録媒体」は、記録ヘッドの作用によって画像の記録を受ける媒体(被画像形成媒体、記録媒体、記録媒体、受像媒体、インクジェット記録装置の場合の吐出媒体、被吐出媒体など呼ばれ得るもの)であり、連続用紙、カット紙、シール用紙、OHPシート等の樹脂シート、フイルム、布、中間転写媒体、インクジェット記録装置によって配線パターンが印刷されるプリント基板、その他材質や形状を問わず、様々な媒体を含む。
また、請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2記載のインク吐出量測定方法の一態様に係り、前記吐出量相関テーブル記憶手段は、前記基準温度に対応する1種類の吐出量相関テーブルが記憶されていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、複数の温度に対応して複数の吐出量相関テーブルを用意しなくて済むので、吐出量相関テーブルが記憶される記憶手段の容量の低減化に寄与する。
また、前記目的を達成するために請求項4に記載の発明に係るインク吐出量測定システムは、記録媒体上にインクを吐出する記録ヘッドと、前記記録ヘッドに所定の駆動信号を印加する駆動信号印加手段と、前記記録媒体上に記録されたドットのサイズを読み取る画像読取手段と、前記画像読取手段の読取結果に基づいてインク吐出量を測定するインク吐出量測定手段と、前記記録ヘッドの温度変化に対してインク吐出量が一定となる前記記録ヘッドの温度と前記駆動信号の値との相関関係を表す温度相関テーブルが記憶される温度相関テーブル記憶手段と、前記記録ヘッドの温度を検出する温度検出手段と、前記温度相関テーブルを参照して、前記温度検出手段によって検出された記録ヘッドの温度が基準温度に対して高い場合には前記駆動信号の値を小さくするように前記駆動信号の値に温度補償処理を施す温度補償処理手段と、を含むことを特徴とする。
「画像読取手段」としては、イメージセンサ(撮像素子)を利用した画像読取装置(撮像信号を処理する信号処理手段を含む)を用いることができる。例えば、CCDスキャナなどが考えられる。
請求項4に記載の記録ヘッド及び駆動信号印加手段、温度検出手段を具備する画像記録装置と、画像読取手段を具備する画像読取装置と、温度相関テーブル記憶手段及び温度補償処理手段、インク吐出量測定手段を具備する画像処理装置と、から構成される態様も可能である。
画像記録装置の一例を挙げると、記録ヘッド(インクジェットヘッド)からインクを吐出して記録媒体上に所望の画像を記録するインクジェット記録装置がある。
また、画像読取装置にはCCDイメージセンサなどの撮像手段を備えたスキャナ装置がある。
温度相関テーブル記憶手段と吐出量相関テーブル記憶手段とを画像処理装置に備え、これら記憶手段を兼用する態様も可能である。
また、請求項5に記載の発明は、請求項4記載のインク吐出量測定システムの一態様に係り、前記駆動信号の値及び前記画像読取手段の画素数、前記インク吐出量の相関関係を表す吐出量相関テーブルを記憶する吐出量相関テーブル記憶手段と、前記画像読取手段による読取結果に基づいて記録媒体上に記録されたドットが占める前記画素数を測定する画素数測定手段と、前記画素数測定手段によって測定された画素数が被測定対象ドットの画素数から次の画素数へ変化するまで、前記駆動信号の値を一定の割合で変化させながら前記記録ヘッドからインクを吐出させるとともに、前記画像読取によるドットサイズの読み取り及び前記画素数測定手段による画素数の測定を繰り返し、被測定対象ドットの画素数から次の画素数へ変化した境界に対応する駆動信号の値を求める駆動信号可変手段と、前記駆動信号可変手段によって求められた実際の画素数が変化する境界に対応する駆動信号と、前記吐出量相関テーブルから求められる理論上の画素数が変化する境界に対応する駆動信号と、の差分を算出する差分算出手段と、前記差分算出手段によって算出された前記差分を前記被測定対象のドットを記録する際の理論上の駆動信号の値から減じて前記被測定対象のドットに対応するみかけの駆動信号の値を求めるみかけの駆動信号算出手段と、を備え、前記インク吐出量測定手段は、前記吐出量相関テーブルを参照して前記みかけの駆動信号に対応するインク吐出量を被測定対象のドットのインク吐出量として算出することを特徴とする。
請求項5に記載の差分算出手段及びみかけの駆動信号算出手段を具備する画像処理装置を備える態様も可能である。
本発明によれば、記録ヘッドの温度を検出し、その検出結果に基づいて吐出量が一定になるように温度相関テーブルを参照して駆動信号の値を補償するので、記録ヘッドの温度上昇によりインクの粘度が変化した結果インク吐出量が増加することを回避でき、インク吐出量を正確に測定することができる。
以下添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
〔インク吐出量測定システムの全体構成〕
図1は、本発明のインク吐出量測定システム1の全体構成を表す図である。図1に示すように、本実施形態のインク吐出量測定システム1は、記録媒体上に画像(ドット)を記録するインクジェット記録装置10(画像記録装置)と、インクジェット記録装置10によって記録された画像を読み取るスキャナ12(画像読取装置)と、スキャナ12の読取結果に基づいてインクジェット記録装置10から記録媒体に吐出されたインク液滴の吐出量を求めるホストコンピュータ14(画像処理装置)と、を含んで構成されている。
図1に示すそれぞれの構成機器間は所定のインターフェース規格に準拠した接続方式を用いて接続されている。図1には、本発明に係るインク吐出量測定システム1を構成する構成機器間をケーブル16、18で接続する態様を例示したが、無線LANなどの非接触方式の通信インターフェースを用いてもよい。即ち、本インク吐出量測定システム1に適用される各構成機器間の接続形態は有線、無線を問わず、また、接続規格は各構成機器に応じて任意のものを適用することができる。
詳細は後述するが、インクジェット記録装置10は、記録媒体(図10に符号52、図22に符号414で図示)上にインク液滴を吐出するノズル(図10に符号51−1〜51−5、図24(a)に符号451で図示)を有するKCMYの各色に対応した記録ヘッド(図8に符号20、図22に符号450K,450C,450M,450Yで図示)と、記録ヘッドと記録媒体とを相対的に移動させる搬送手段(図22(a)に符号422で図示)と、該記録ヘッドのインク吐出制御や搬送手段の搬送制御を行う制御ブロック(図27参照)と、を具備し、記録媒体と記録ヘッドとを相対的に移動させながら記録ヘッドから吐出されたインク液滴によって記録媒体上に所望のカラー画像を形成し得る。
スキャナ12は、インクジェット記録装置10によって記録媒体上に形成された画像(ドット)を読み取る撮像素子(例えば、CCD)と、ケーブル16を介して撮像素子によって読み取られた画像の読取データ(読取結果)をホストコンピュータ14に提供する出力部と、を具備している。
本発明に適用されるスキャナ12の解像度(撮像素子の解像度)は、高解像度を要求するものではなく市販品レベルの低解像度のものであってもよいが、ドットの最小サイズ(インク液滴の最小吐出量)に対応する解像度を有する必要がある。例えば、インク液滴量が2plで30μmの直径を有するドットを読み取る場合には、4800dpi(1ピクセルの幅が略5μm以下)以上の解像度のものを適用することが求められる。
ホストコンピュータ14は、スキャナ12から提供された読取結果に対して量子化処理を施してピクセル数(画素数)を計測し、該ピクセル数に基づいて記録媒体上に形成されたドットのインク液滴の吐出量を算出する。また、ホストコンピュータ14は、ケーブル18を介して記録媒体上に形成される画像のデータ(例えば、RGBの画像データ)をインクジェット記録装置10に提供する。
インクジェット記録装置10では、ホストコンピュータ14から画像データを取得するとCUPやFPGAなどを含んだ画像処理ブロック(図27のプリント制御部480や画像バッファメモリ482を含むブロック)によってKCMYのドットデータに変換するとともに、該ドットデータに応じた駆動信号の波形データを生成する。該画像処理ブロックは駆動信号の波形データを駆動回路ブロック(図27のヘッドドライバ484)に提供し、該駆動回路ブロックは駆動信号の波形データに基づいて各ノズルに対応して設けられる圧力発生素子(図25の圧電素子458)を駆動してノズルからインク液滴を吐出する。
本例の記録ヘッドは、記録ヘッド内部の温度(記録ヘッド内部のインク温度)を検出する温度センサ(図12の符号200)を具備し、インクジェット記録装置10は温度センサから得られる記録ヘッドの温度情報をホストコンピュータ14に提供する。ホストコンピュータ14では、温度センサから提供された温度情報に基づいて記録ヘッドに印加される駆動信号の値に対する温度補償値を求め、該温度補償値をインクジェット記録装置10に提供する。
なお、温度センサは記録ヘッド内の温度分布に対応して複数個所に設けるとよいが、記録ヘッド内のインクが存在する領域の温度が全域にわたって略均一であれば、少なくとも記録ヘッド内の任意の位置(例えば、記録ヘッドのインクが存在する領域の略中央部)に1つ備えられていればよい。
インクジェット記録装置10によってドットが記録される記録媒体には、カット紙、連続紙など紙類でもよいし、樹脂シート、金属シート、ガラス基板などの媒体でもよい。
上記のように構成されたインク吐出量測定システムでは、インクジェット記録装置10によって記録媒体上に形成されたドットをスキャナ12で読み取り、ホストコンピュータ14によってスキャナ12の読取結果に基づいて、読み取られたドットのピクセル数を計測し、該ピクセル数から当該ドットを形成するインクの吐出量が求められる。
〔各値の相関関係について〕
本例に示すインク吐出量測定システム1による具体的なインク吐出量の測定方法の説明に入る前に、一般的な技術事項として、(1)記録媒体上に1回のインク吐出により形成されるドットサイズとスキャナ12によって読み取られる画素データの関係、(2)記録ヘッド内のインクに吐出力を付与する圧力発生素子を駆動する駆動信号の振幅(駆動電圧)とインク吐出量の関係、(3)上述した駆動信号の振幅とスキャナ12によって読み取られる画素データの関係、(4)記録ヘッドの温度と駆動信号の振幅との関係のそれぞれについてその概要を説明する。
(1)ドットサイズ(ドットの直径)と画素データ(ピクセル数)との関係
図2は、スキャナ12(図1参照)によって読み取られるドットの概念図(スキャナ12の出力から計測されるピクセル数の概念図)である。破線で示すドット20は、1回の吐出で形成される本来の(理論上の)サイズを有するドットを示し、実線で示すドット22は、記録ヘッドの吐出特性(記録ヘッドの構造や外乱(例えば、ノズル付近のゴミ、ミストなど))による影響を受けてインク吐出量が変化(減少)し、サイズが変化したドットを示す。また、ハッチングを施した部分24がスキャナ12の読取結果から求められる画素データであり、画素データはピクセル数で表される。なお、図2において、実線で囲まれた領域を上下方向及び左右方向の破線により区画された1つの矩形がスキャナ12における1画素(ピクセル)を表している。
図2に示す例では、理論上のドット20とインク吐出量に変化が生じた場合の実際のドット22とは、その変化量がスキャナ12の解像度(スキャナ12で読み取り可能な最小単位)よりも小さいために、スキャナ12の出力から計測されるピクセル数において差異が生じていないので、これらの理論上のドット20及び実際のドット22をスキャナ12で読み取ると同一のピクセル数が得られる。即ち、図2に示す例では、理論上の理想的なドット20の読取結果(ピクセル数)と外乱によりインク吐出量に変化が生じた実際のドット24の読取結果とは、サイズが異なる一方で何れも同じピクセル数となってしまう。このように、ドットサイズの変化に対応していない(ドットサイズの変化量よりも1ピクセルのサイズが大きい)低解像度のスキャナを用いると、記録ヘッドの吐出特性に起因するインク吐出量の誤差により生じるドットサイズの誤差をスキャナ12の読取結果から直接的に認識することができない。
(2)駆動信号の振幅(電圧)とインク吐出量(滴体積)の関係
図3には、記録ヘッド内のインクに吐出力を付与する圧力発生素子を駆動させる駆動信号26を示す。図3に示す駆動信号26は、圧力発生素子としてPZTなどの圧電素子に適用される一般的な引き押し駆動(プルプッシュ駆動)を行う場合の駆動信号の一例を示す。本実施形態では、押出時の電圧Vpushと引込時の電圧Vpullとの電圧差を駆動信号の振幅Vpp(駆動信号の値)とする。
図4には、図3に示す駆動信号の振幅とインク吐出量との関係を示す。図4に示すように、インク吐出量は駆動信号の振幅と比例関係にあり、駆動信号の振幅を大きくするとインク吐出量も大きくなるので、駆動信号の振幅を可変させることでインク吐出量を可変させることができる。なお、図4中、駆動信号の振幅が0VからAVまで(吐出量が0plからBplまで)の破線で仮に示す領域は、インクのメニスカス面において、駆動信号が0Vもしくは0V近傍の非常に小さい領域であり、この領域ではインク表面に表面張力が働くので物理的にインクが吐出しない領域である。表面張力よりも大きな吐出力を発生させる駆動信号が印加されると、吐出力が表面張力に打ち勝っては初めてインクが吐出される。
また、図5に示すように、上述した駆動信号の振幅に代わり時間幅(オンデューティ)を変化させてもインク液滴の吐出量を変化させることができる。例えば、図5に破線で示す駆動信号26の時間幅t(インク液滴を吐出させる方向に圧電素子が動作している圧電素子のオン時間)よりも実線で示す駆動信号28の時間幅t’が大きくなっているので、駆動信号26を圧電素子に印加する場合に比べて駆動信号28を圧電素子に印加する場合はインク液滴の吐出体積は大きくなる。言い換えると、図4に示す駆動信号の振幅を駆動信号の時間幅に置き換えても同様の比例関係が成立する。
(3)駆動信号の振幅と画素データの関係
図6(a),(b)は、駆動信号の振幅(図3参照)とスキャナ12(図1参照)読取結果から得られる画素データ(ピクセル数)との関係を示す概念図である。図6(a)に示すように、駆動信号の振幅を、例えば1Vずつのように一定の割合で変化させると、吐出されるインク吐出量が駆動信号の振幅の変化量に応じて一定の割合で変化するとともに、該インク液滴によって形成されるドットサイズが駆動信号の変化量に応じて一定の割合で変化する。
しかし、スキャナ12(図1参照)の解像度がドットサイズの変化量に対応していない低解像度の場合には、電圧を変化させてインク吐出量及びドットサイズを変化させてもピクセル数が変化しない領域が存在するので、駆動信号の振幅に対してピクセル数は段階的に変化する。即ち、ピクセル数は連続する値ではなく、とびとびの値となる。
例えば、駆動信号の振幅が37V、38V、39Vの場合にはピクセル数は何れも32ピクセルとなり、駆動信号の振幅が40Vの場合にはピクセル数が36ピクセルとなる。
図6(b)には、図6(a)に示す例に対してスキャナが高解像度になっている例を示す。図6(a)に示すスキャナが低解像度の場合に比べて、図16(b)に示すスキャナが高解像度の場合には、駆動信号の振幅とピクセル数との関係は低解像度の場合に比べて細かい階段状になり、同じピクセル数となる駆動信号の振幅の数が少なくなっている。
本発明の実施形態に係るインク吐出量測定システム1では、駆動信号の振幅と、理論上のインク吐出量(滴体積)、該インク液滴によって形成されるドットのサイズ(直径)及び、理論上のピクセル数の相関関係を示す吐出量相関テーブルがデータベース化され、図1に示すホストコンピュータ14の所定のメモリに記憶され、この吐出量相関テーブルを参照してインク吐出量を測定するように構成されている。
図7には、吐出量相関テーブルの一例を示す。図7に示す例では、駆動信号の振幅(電圧)とインク液滴の吐出量(滴体積)との関係は、図4に示す特性図に基づいて作成され、インク吐出量から理論上のドットサイズ及び理論上のピクセル数が求められる。なお、図7に示す吐出量相関テーブルには、図4に破線で示す領域(駆動信号の振幅とインク液滴の吐出量の関係が比例関係にならない部分)についても理論上の値としてインク吐出量、ドットサイズ及びピクセル数が求められている。
なお、記録媒体の種類によってインクの浸透度が異なるので、記録媒体の種類によって吐出量相関テーブル中の「ドット径」の値が変わるので、使用可能な記録媒体のそれぞれに対応して図7に示す吐出量相関テーブルを複数備える態様が好ましい。一方、記録ヘッドの温度条件に応じて吐出量相関テーブルの「滴体積」の値が変わるが、本例に示すインクジェット記録装置10は、記録ヘッドの温度については基準温度における吐出量相関テーブルを1種類だけ備えている。
(4)ヘッド温度と駆動信号の振幅の関係
図8(a)は、記録ヘッドの温度(ヘッド温度)と駆動信号の振幅(電圧振幅)との関係を示す概念図であり、インク吐出量を一定にした場合の特性を示している。図8(a)に示す例では、温度が25℃の場合に振幅が40Vの駆動信号を圧電素子に印加して2plのインク液滴を吐出する記録ヘッドにおいて、ヘッド温度が26℃、27℃、28℃、…、のように1℃上昇すると、駆動信号の振幅を39.9V、39.8V、39.7V、…、のように温度の1℃上昇に対応して駆動信号の振幅を0.1ずつ小さくすることでインク液滴の吐出量が一定の2plとなることを示している。なお、図8(a)に示すヘッド温度と駆動信号の振幅との相関関係におけるヘッド温度の値及び駆動信号の振幅の値はあくまでも一例であり、これらの値は記録ヘッドの設計により変わるものである。
図8(a)に示すヘッド温度と駆動信号の振幅との関係における駆動信号の振幅は、相対値で表すことも可能である。即ち、25℃のときのインク吐出量を26℃のときにも保つためには26℃における駆動信号を25℃のときよりも0.1V下げればよい。同様に、25℃のときのインク液滴の吐出量を保つためには27℃では駆動信号の振幅を25℃のときよりも0.2V下げればよく、28℃では駆動信号の振幅を25℃のときよりも0.3V下げればよい。言い換えると、ヘッド温度が1℃上昇するごとに駆動信号の振幅を0.1Vずつ下げると、ヘッド温度が上昇しても一定のインク吐出量が維持される。
本実施形態に係るインク吐出量測定システム1では、図8(a)に示すヘッド温度と駆動信号の振幅との相関関係を示す温度相関テーブルを予め求めておき、これを図1に示すホストコンピュータ14の所定のメモリに記憶し、記録ヘッドの温度に応じて温度相関テーブルを参照して駆動信号の振幅に温度補償処理を施すように構成されている。
なお、図8(a)に示すヘッド温度に対する駆動信号の振幅の相関グラフを、駆動信号の振幅40V、吐出体積2pl以外についても用意する態様も好ましい。図7に示す吐出量相関テーブルにおける被測定対象となり得る吐出体積のそれぞれについて図8(a)に示す相関グラフを用意しておき、被測定対象に吐出体積に応じた相関グラフを選択するように構成してもよい。
ここで、図8(b)〜(d)を用いてインク温度の上昇によるインク吐出量の増加について説明する。本例では、記録ヘッド内に収容されているインクは記録ヘッドの全域にわたって均一な温度分布を有している(即ち、記録ヘッドの全域で温度一定)と仮定し、記録ヘッドの温度(温度センサで検出される温度)は前記インクの温度と等しいものとして取り扱うこととする。即ち、本明細書では「インク温度」と「記録ヘッドの温度」とを適宜置き換えても差し支えない。
図8(b)には、インク温度とインク粘度との関係を示す。図8(b)に示すように、インク温度が上昇するとインク粘度が低下し、本例における温度想定範囲の25℃〜60℃では、インク粘度は11cP〜9cPとなる。インクの温度とインクの粘度とは、インクの粘度=1/(273+インク温度)の関係を有しているが、本例の想定する温度範囲(25℃〜60℃)では、図8(b)に示すようにインクの温度とインクの粘度との関係はほぼ線形(負の比例係数を持つ比例関係)となる。
図8(c)には、インク粘度とインク吐出量(吐出体積)との関係を示す。図8(c)に示すように、インクの粘度が低下すると、同じ振幅を有する駆動信号によってインクを吐出させても1回の駆動により吐出されるインク吐出量が増加してしまう。本例では、10cP〜20cPの粘度を有するインクを想定しており、図8(c)によれば、10cP〜20cP粘度範囲では粘度の低下によってインク吐出量は増加する。
図8(d)には、インク温度とインク吐出量(吐出体積)との関係を示す。即ち、図8(b)及び図8(c)に示すインクの温度、インクの粘度及びインク吐出量に基づいて、図8(d)に示すインク温度とインク吐出量との関係が求められる。図8(d)に示すように、本例における温度想定範囲の25℃〜60℃では、インクの温度が上昇するとインク吐出量も増加する。
なお、図8(c),(d)では、吐出体積が2plの場合の特性を例示したが、同図に示す特性図は吐出体積が他の値の場合にも適用することができ、吐出体積の値によらず一般的な特性として取り扱うことができる。
上述したように、インク温度が上昇するとインク吐出量が増加してしまうので、図8(a)に示すヘッド温度と駆動信号の振幅との関係を参照し、ヘッド温度が上昇してもヘッド温度の上昇に応じて駆動信号の振幅を小さくすることでインク吐出量を一定に保つことが可能である。本実施形態に係るインク吐出量測定方法では、温度上昇によるインク吐出量の増加分を駆動信号の振幅を下げることで相殺し、ヘッド温度の上昇による測定への影響を排除するように構成されている。
このように構成することで、図7に示す吐出量相関テーブルを基準となる温度条件について1種類だけ備えればよく(即ち、基準温度における吐出量相関テーブルを1つだけ備えればよく)、複数の温度条件に対応して複数の吐出量相関テーブルを備える必要がないので、吐出量相関テーブルが格納されるメモリの容量の節約に寄与する。
〔インク吐出量の測定方法の説明〕
次に、本発明の実施形態に係るインク吐出量測定システム1におけるインク吐出測定方法を詳細に説明する。図9は、本例に示すインク吐出量測定方法の制御の流れを示すフローチャートであり、図10は本例に示すインク吐出量測定方法に用いられるドットの概念図である。図10には、記録ヘッド50に備えられたノズル51−1〜51−5から記録媒体52上にインク液滴を吐出してサイズが一定割合で順に大きくなるドット54〜60が記録された状態を示す。
本例に示すインク吐出量測定方法では、オフラインにおいて測定が開始されると(図9のステップS10)、先ず、被測定対象のドットを形成する駆動信号の振幅の理論値Vが記憶される(ステップS12)。
次に、記録ヘッド50の温度が検出されるとともに(ステップS14)、検出温度は所定のメモリに記憶され(ステップS16)、ステップS14において検出された記録ヘッド50の温度が基準温度であるか否かが判断される(ステップS18)。
ステップS14における検出温度と基準温度が一致する場合には(YES判定)、振幅Vの駆動信号によってインク吐出が行われる(ステップS20)。一方、ステップS14の検出温度が基準温度と異なる場合には(NO判定)、駆動信号に温度補償処理が施され(ステップS18)、温度補償処理が施された駆動信号によるインク吐出が行われる(ステップS22)。
即ち、ステップS10〜ステップS22では、図1のホストコンピュータ14からドット54を記録するための画像データがインクジェット記録装置10に提供され、インクジェット記録装置10は、被測定対象となるサイズのドットを記録するための駆動信号を用いて記録媒体52上に所定量のインク液滴を吐出し、記録媒体52上に被測定対象ドット54が記録される。
本例に示すインク吐出量測定方法では、記録ヘッドの温度に基づいて駆動信号の振幅に対して温度補償を施して、基準温度に対する温度変化によって発生するインク吐出量の変化(ドットサイズの変化)を回避している。したがって、被測定対象となるドットを記録する際にもドット記録時に検出された記録ヘッドの温度に基づいて駆動信号の振幅に温度補償処理が施される。
なお、ドット54はノズル51−1の吐出特性に起因する誤差を含んでいるので、実際のサイズが理論上のサイズと異なっている。実際のドット54のサイズは見かけ上の駆動信号V(V<Vまたは、V>V)を用いて記録される理論上のドットのサイズと等価になるといえる。したがって、本例では、見かけ上の駆動信号の振幅Vを求め、この見かけ上の駆動信号Vを用いて記録されるべき理論上のドットサイズを駆動信号の振幅Vを用いて実際に記録されるドットのサイズとして求め、このドットサイズに基づいて駆動信号の振幅Vを用いたときに実際に記録されるインク吐出量が求められる。
ノズル51−1の吐出特性に起因する誤差はインク吐出量が減少する場合と増加する場合が考えられるが、本例では、V<Vの場合(理論上のインク吐出量よりも実際のインク吐出量が減少する場合)について説明する。
次に、ドット54が記録された記録媒体52をスキャナ12に移動して、スキャナ12によって記録媒体52上に記録されたドット54の読み取りが行われる。ドット54の読み取りでは、先ず、ホストコンピュータ14において記録媒体52の種類に応じた駆動信号の振幅、インク吐出量、ピクセル数及びドットサイズの関係を示す吐出量相関テーブル(図7参照)が選択されるとともに(ステップS24)、スキャナ12においてドット54が読み取られ(ステップS26)、スキャナ12の読取結果(読取信号)がホストコンピュータ14に提供される(ステップS28)。ホストコンピュータ14では、スキャナ12から取得した読取信号に2値化処理(量子化処理)を施し、該ドットが占有するピクセル数をカウントし、該ピクセル数を駆動信号の振幅に関連付けして所定のメモリに記憶する(ステップS28)。
次に、記録ヘッド50の温度が検出され(ステップS30)、駆動信号の振幅を大きくするようにプラスに一定量(ΔV)のスイープ量を設定するとともに(ステップS32)、記録媒体52上に先に記録されたドット54よりも大きいサイズのドット56を記録し(ステップS34)、そのドット56をスキャナ12で読み取る(ステップS36)。
ここで、ドット56を記録するインク吐出の際に、記録ヘッド50に温度上昇が生じると図10に破線で示すドット56’のように記録ヘッド50に温度変化が生じない場合よりも大きなサイズのドットが記録されてしまう。
そこで、本例に示すインク吐出量測定方法では、図9のステップS30において駆動信号の振幅をスイープさせるたびに記録ヘッド50の温度を検出するとともに、ステップS24で選択された図8(a)に示す温度相関テーブル(温度相関グラフ)を参照して、ステップS32において温度上昇に伴うドットサイズの増加分を相殺するように駆動信号の振幅に温度補償が施されたスイープ量ΔVが設定される。
例えば、ドット54を記録するときの温度が25℃、ドット56を記録するときの温度検出値が26℃とすると、図8(a)に示す温度相関テーブルから、40V−39.9V=0.1Vのスイープ量ΔVの温度補償値が求められる。即ち、ドット56を記録するときの駆動信号の振幅は、V+(ΔV−0.1V)となる。
このようにして記録されたドット56をスキャナ12で読み取り(ステップS36)、その読取結果はホストコンピュータ14に提供される(図9のステップS38)。
ホストコンピュータ14では、スキャナ12の読取結果からドット56のピクセル数を計測すると、所定のメモリに記憶されているドット54のピクセル数との比較を行い、ドット56のピクセル数がドット54のピクセル数の次のピクセル数に変化しているか否かを判断する(ステップS40)。
即ち、ステップS40では、ドット56のピクセル数がドット54のピクセル数「32ピクセル」の次のピクセル数である「36ピクセル」になっているか否かを判断している。
ステップS40においてピクセル数が「32ピクセル」のままで、次の「36ピクセル」に変化していない場合には(NO判定)、ステップS30に戻り、記録ヘッドの温度が検出されるとともに、駆動信号の振幅を更にプラスにΔVだけスイープさせてステップS30からステップS40の工程を繰り返す。一方、ステップS40においてピクセル数が「32ピクセル」から次のピクセル数である「36ピクセル」に変化した場合には(YES判定)、ピクセル数が変化したときのドットの記録に用いた駆動信号の振幅は、実際にピクセル数が変化したときの駆動信号の振幅Vmeasureとして所定のメモリに記憶される。
即ち、被測定対象のドット54を記録した後に、一定の割合でサイズが大きくなるドットを順次記録するとともにこれらのドットのピクセル数を順次計測し、ドット54のピクセル数「32ピクセル」が次のピクセル数「36ピクセル」に変化するドットの駆動信号の振幅Vmeasureを求めている。
また、予め算出され記憶されている(図7に示す吐出量相関テーブルを参照して得られる)理論上のピクセル数が変化するときの駆動信号の振幅Vpixelと、ステップS40によって求められた実際にピクセル数が変化するときの駆動信号の振幅Vmeasureと、ドット54を記録したときの駆動信号(被測定ドットを記録するための実際の駆動信号の振幅)Vと、を用いてドット54に対応する見かけ上の駆動信号の振幅Vが求められる(ステップS42)。
図7における理論上のピクセル数が変化するときの駆動信号の振幅Vpixelと、実際にピクセル数が変化するときの駆動信号の振幅Vmeasureと、ドット54を記録したときの実際の駆動信号Vと、ドット54に対応する見かけ上の駆動信号の振幅Vと、の関係は、次式
〔数1〕
V=V−(Vmeasure−Vpixel
で表される。
このようにして、ドット54を記録する見かけ上の駆動信号の振幅Vが求められると、図7の相関テーブルを参照して駆動信号の振幅Vに対応する理論上のインク吐出量が求められ(ステップS44)、このインク吐出量がドット54を記録する実際のインク吐出量である。
また、本例ではノズルの吐出特性に起因するインク吐出量が減少する場合について説明したが、インク吐出量が増加する場合にも同様の考え方でインク吐出量を求めることが可能である。インク吐出量が増加する場合には、駆動信号の振幅を小さくするようにマイナスに一定量(ΔV)スイープさせて記録媒体52上に先に記録されたドットよりも小さいサイズのドットを記録し、ピクセル数が実際に変化する駆動信号の振幅を求め、上述した方法と同様の方法を用いればよい。
次に、図11を用いて上述したインク吐出量測定方法を具体的な数値を交えて、更に詳細に説明する。
図11は、図9及び図10を用いて説明したインク吐出量測定方法を模式的に図示した概念図である。図11には、駆動信号の振幅Vが37.5Vのときの実際のインク吐出量を求める例を示している。
図11中、◎は各駆動信号の振幅に対応する駆動信号の振幅に換算された仮想的なドットサイズ(以下、図11の説明では単に「ドットサイズ」と記載する。)を示し、○はノズルの吐出特性に起因する誤差を含んだ実際のドットサイズを示している。また、●は記録ヘッドの温度上昇によってインク吐出量が増加したときのドットサイズを示している。
図11に符号100で示す◎は、駆動信号の振幅V=37.5Vのときの理論上のドットサイズ(例えば、図10のドット54の理論上のドットサイズ)であり、その値は32ピクセルである。また、符号102で示す○は駆動信号の振幅V=37.5Vのときの実際のドットサイズ(例えば、図10のドット54の実際のドットサイズ)であるとともに、見かけ上の駆動信号の振幅Vに対応する理論上のドットサイズでもあり、その値は32ピクセルである。
また、符号104で示す◎は駆動信号の振幅をプラスに1Vスイープさせて、駆動信号の振幅を38.5Vとしたときの理論上のドットサイズ(例えば、図10のドット56の理論上のドットサイズ)であり、そのときのピクセル数は32ピクセルである。また、符号106で示す○は記録ヘッド50に温度上昇がないときの実際のドットサイズ(例えば、図10のドット56の実際のドットサイズ)であり、そのときのピクセル数は32ピクセルである。このときに記録ヘッド50に温度上昇があると符号108で示す●のドットサイズ(例えば、図10の破線で図示されたドット56’のドットサイズ)となるので、記録ヘッド50に温度上昇があるときにはスイープ量が補償され、記録ヘッド50に温度上昇がない場合と同じドットサイズ、即ち、符合106で示す○に対応するドットサイズとなる。なお、符号108で示す●のドットサイズは記録ヘッドの温度上昇が大きい場合には、次のピクセル数(36ピクセル)の範囲(例えば符号114や符号124で示す●の示すドットサイズ)になることも考えられる。
符号110で示す◎は、更に駆動信号の振幅をプラスに1Vスイープさせて、駆動信号の振幅を39.5Vとしたときの理論上のドットサイズ(例えば、図10のドット58の理論上のドットサイズ)であり、その値は32ピクセルである。また、符号112で示す○は記録ヘッドに温度上昇がないときの実際のドットサイズ(例えば、図10のドット58の実際のドットサイズ)であり、その値は32ピクセルである。このときに記録ヘッド50に温度上昇があると符号114で示す●のドットサイズ(例えば、図10の破線で図示されたドット58’のドットサイズ)となる。理論上は駆動信号の振幅が39.5Vでは実際にピクセル数が変化しないはずであるのに、記録ヘッドの温度上昇の影響によりインク吐出量が増加したことに起因してピクセル数が変化したと判断してしまう。したがって、記録ヘッド50に温度上昇があるときにはスイープ量が補償され、記録ヘッド50に温度上昇がない場合と同じドットサイズ、即ち、符合112で示す○に対応するドットサイズ)とすることで、記録ヘッドの温度上昇による影響を排除することができる。
また、符号120で示す◎は、更に駆動信号の振幅をプラスに1Vスイープさせて、駆動信号の振幅を40.5Vとしたときの理論上のドットサイズであり、理論上スキャナ12の出力値が変わるとき駆動信号の振幅Vpixel(=40(V)、図7参照)を超えているので、駆動信号の振幅を40.5Vとしたときにはスキャナの出力値は32ピクセルから36ピクセルに変化するはずである。
符号122で示す○は、駆動信号の振幅が40.5Vのときの実際のドットサイズ(例えば、図10のドット60の実際のドットサイズ)であり、その値は32ピクセルから36ピクセルに変化している。即ち、実際にピクセル数が変化する駆動信号の振幅Vmeasureは40.5Vとなる。
符合124で示す●は符号122で示す○に対応する記録ヘッド50に温度上昇がある場合のドットサイズ(例えば、図10に破線で示すドット60’のドットサイズ)であり、記録ヘッド50の温度上昇がある場合にはスイープ量が補償され、記録ヘッド50に温度上昇がない場合と同じドットサイズ、即ち、符合122で示す○に対応するドットサイズ)となる。
上述したように、Vmeasure=40.5(V)が求められると、V=37.5(V)、Vpixel=40(V)を上記〔数1〕に代入して、ドット54を形成するときに見かけ上の駆動信号の振幅Vは、V=37.5−(40.5−40.0)=36.0(V)と求められる。
図7に示す吐出量相関テーブルを参照して、被測定対象であるドット54のドットサイズ及びドット54を形成するインク吐出量を求めると、見かけ上の駆動信号の振幅Vのときのドットサイズは28.96μmであり、そのときのインク吐出量は1.8plと求められる。
〔インク吐出量測定システムの制御ブロックの構成〕
次に、上述したインク吐出量測定方法を実現するためのインク吐出量測定システムの制御ブロックについて説明する。図12は、図1に図示した本例のインク吐出量測定システムにおける制御ブロックを詳細に記載したブロック図である。なお、図12中、他の図面と同一または類似する部分には同一の符号を付し、その説明は省略する。
図12に示すように、インクジェット記録装置10は、温度センサ200を備えた記録ヘッド50と、記録ヘッド50に備えられたノズルに対応して設けられる圧力発生素子を駆動する駆動回路202と、温度センサ200から出力される出力信号に所定の信号処理を施す信号処理ブロック(ADコンバータ)204と、を備えて構成されている。
圧力発生素子を駆動する駆動回路202は、ポストコンピュータ14から送られる画像データから駆動信号の波形を生成するFPGA(FieldProgrammable Gate Array)206と、FPGA206によって生成された駆動信号波形を増幅するAMP208と、を含んで構成されている。
ホストコンピュータ14は、スキャナ12から送られる読取信号に2値化処理(量子化処理)を施す2値化処理ブロック210、2値化処理ブロック210によって2値化処理されて得られたピクセル数をカウントするカウンタブロック212、カウンタブロック212から提供されるピクセル数に基づいてインク吐出量を算出する滴体積算出回路を含む信号処理回路214及び、駆動信号の振幅のスイープ量をインクジェット記録装置10に提供するスイープ回路216を含む信号処理ブロック218と、インクジェット記録装置10から送られる記録ヘッド50の温度情報を記録するメモリ220及びCPU222を含む記憶処理ブロック224と、駆動信号の振幅(駆動電圧値)Vや駆動信号の振幅のスイープ量(電圧スイープ量)ΔVを入力する入力部226と、信号処理回路214によって求められたインク吐出量の値を出力する滴体積結果出力部228と、を含んで構成されている。
図12に示すメモリ220は、格納されるデータを書換可能な不揮発性メモリが適用され、EEPROMが好適に用いられる。
入力部226には、キーボードやマウス、タッチパネルなど汎用のユーザインターフェースが適用される。もちろん、所定の通信インターフェースを介してシリアルデータやパラレルデータなどを入力可能に構成してもよい。
滴体積結果出力部228には、CRTモニタや液晶モニタなどの表示装置を適用してもよいし、所定の通信インターフェースを介してシリアルデータやパラレルデータなどを出力可能に構成してもよい。
図12には、メモリ220のメモリコントローラとしてCPU222を図示したが、CPU222を他の機能ブロックと兼用する態様も可能である。
上記の如く構成されたインク吐出量測定方法によれば、測定中に記録ヘッド(記録ヘッド内のインク)に温度変化が生じた影響によりインク吐出量が増加する場合にも、記録ヘッドの温度を検出し、その検出結果に基づいてインク吐出量の増加分をキャンセルするように駆動信号の振幅(駆動信号の値)に温度補償処理を施すように構成されるので、記録ヘッドに温度変化が生じてもインク吐出量の増加が回避され、正確にインク吐出量を測定することができる。
また、記録ヘッドの温度と駆動信号の振幅の温度補償値との相関関係を示す温度相関テーブルを予め記憶しておき、該温度相関テーブルを参照して検出された温度による補償値を求めるので、複数の温度条件に対応するように複数の温度相関テーブルを備える必要がない。
更に、記録ヘッドの温度上昇を補償することが可能になり、何らかの外乱の影響で実際のインク吐出量が本来のインク吐出量と異なった場合であっても、実際のインク吐出量を測定することができる。そのため、メンテナンス時などにおいて各ノズルからのインクの実際のインク吐出量を測定してメンテナンスを施すことにより、印刷品質の安定化を図ることができる。
更にまた、本発明は駆動電圧をスイープさせて実際のインク吐出量と本来のインク吐出量とのズレ量を把握して実際のインク吐出量を測定できるので、市販のスキャナなど解像度の低いスキャナを用いた場合であっても各ノズルからのインクの実際のインク吐出量を正確に測定できる。
〔スキャナの解像度の説明〕
インクジェット方式による印刷におけるドットの大きさには、様々な大きさのものが存在する。そのため、それぞれのドットサイズに適した解像度のスキャナを使用することが望ましい。
そこで、具体例を挙げてそれぞれのドットサイズに適した解像度のスキャナ12について説明する。駆動信号の振幅のスイープ回数(駆動信号を記録ヘッド50に与え、記録ヘッド50からインクを吐出させ、次に振幅のきざみ分だけ振幅を増やした駆動信号を記録ヘッド50に与え、記録ヘッド50からインクを吐出させることを繰り返す回数)を考えてみる。なお、振幅のスイープきざみは、1V程度のきざみであれば測定誤差を考えてもスイープが可能なレベルとして、1回あたり1Vとして考える。
例えば、40Vの振幅の駆動信号に対して本来のインク吐出量が2plであるところ、何らかの外乱により実際のインク液滴の吐出量が0.6plになってしまった場合を考える。まず、ドットサイズに対してスキャナ12の解像度が1/2の場合を考える。ドットの直径を30μm、スキャナ12の解像度を15μm(=1600dpi)とする。このときのスキャナ12によって読み取られる画素データの概念図を図13に、駆動信号の振幅とインク吐出量の相関テーブルを図14に示す。また、図15は、駆動信号の振幅とスキャナ12の画像データ(ピクセル数)の相関グラフを示す。
図13に示すように、振幅が40Vの駆動信号を印加したところ、何らかの外乱により本来のインク吐出量よりも少なくなってしまい、破線で図示される本来のインク吐出量のときのドット300のサイズよりも、実線で図示される実際のインク吐出量のときのドット302のサイズが小さくなってしまった。このとき、スキャナ12が認識するピクセル数は4である。
そこで、駆動信号の振幅を40Vから1Vきざみでスイープしていくと、しばらくはピクセル数が4のままとなる。そして、駆動信号の振幅が68Vに達した時点でようやく駆動信号の振幅40Vの時に増加すべきであったピクセル数が4から12へ増加する。そのため、図15に示すように、駆動信号の振幅が40Vからスタートしピクセル数がカウントUPするまでには、28回のスイープを要したことになる。
次に、ドットサイズに対してスキャナ12の解像度が1/4の場合を考える。ドットの直径を30μm、スキャナ12の解像度を7μm(=3600dpi)とする。このときのスキャナ12によって読み取られる画素データの概念図を図16に、駆動信号の振幅とインク液滴の吐出量の相関テーブルを図17に示す。また、図18は、駆動信号の振幅とスキャナ12の画素データ(ピクセル数)の相関グラフを示す。
図16に示すように、振幅が40Vの駆動信号を印加したところ、何らかの外乱により本来のインク吐出量よりも少なくなってしまい、破線で図示される本来のインク吐出量のときのドット310のサイズよりも、実線で図示される実際のインク吐出量のときのドット312のサイズが小さくなってしまった。このとき、スキャナ12が認識するピクセル数は16である。
そこで、駆動信号の振幅を40Vから1Vきざみでスイープしていくと、41Vではピクセル数が4のままであるが、42Vに達した時点でピクセル数が16から24へ増加する。そのため、図18に示すように、駆動信号の振幅が40Vからスタートしピクセル数がカウントUPするまでには、2回のみのスイープで足りたことになる。
次に、ドットサイズに対してスキャナ12の解像度が1/6の場合を考える。ドットの直径を30μm、スキャナ12の解像度を5μm(=4800dpi)とする。このときのスキャナ12によって読み取られる画素データの概念図を図19に、駆動信号の振幅とインク吐出量の相関テーブルを図20に示す。また、図21は、駆動信号の振幅とスキャナ12の画像データ(ピクセル数)の相関グラフを示す。
図19に示すように、振幅が40Vの駆動信号を印加したところ、何らかの外乱により本来のインク吐出量よりも少なくなってしまい、破線で図示される本来のインク吐出量のときのドット320のサイズよりも、実線で示される実際のインク吐出量のときのドット322のサイズが小さくなってしまった。このとき、スキャナ12が認識するピクセル数は32である。
そこで、駆動信号の振幅を40Vから1Vきざみでスイープしていくと、しばらくはピクセル数が32のままとなる。そして、駆動信号の振幅が48Vに達した時点でようやく駆動信号の振幅40Vの時に増加すべきであったピクセル数が32から36へ増加する。そのため、図21に示すように、駆動信号の振幅が40Vからスタートしピクセル数がカウントUPするまでには、8回のスイープを要したことになる。
以上の結果から、解像度が高いほど駆動信号の振幅のスイープ回数が減ることが分かる。また、スキャナ12の解像度が15μm(=1600dpi)のように低すぎる場合には、駆動信号の振幅をスイープしてピクセル数がカウントUPさせるためには、駆動信号の振幅を68Vまで高くする必要がある。駆動信号の振幅が駆動トランジスタの絶対定格以下を満たすスイープ数となるようにスキャナ12の最小解像度を決める必要がある。スキャナ12の解像度が15μm(=1600dpi)の場合には、40V+39V(39回スイープ)=79Vであり、駆動信号の振幅の最大値が79Vとなってしまう。
そして、インクジェットの駆動回路に適用可能な高電圧、大電流型のパワートランジスタの絶対最大定格はおおよそ40〜60Vである。そのため、スイープさせたときの駆動信号の振幅はこの絶対最大定格内に抑えなければならない。したがって、スキャナ12の解像度はドットサイズに対し1/3もしくは1/4程度とする態様が好ましい。
〔インクジェット記録装置の構成〕
次に、上述したインク吐出量の測定システムに適用されるインクジェット記録装置の具体的な適用例について説明する。
図22は、本発明に適用されるインクジェット記録装置10の全体構成図である。同図に示すように、このインクジェット記録装置410は、黒(K),シアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y)の各インクに対応して設けられた複数のインクジェット記録ヘッド(以下、記録ヘッドという。)450K,450C,450M,450Yを有する印字部416と、各記録ヘッド450K,450C,450M,450Yに供給するインクを貯蔵しておくインク貯蔵/装填部418と、記録媒体たる記録媒体414を供給する給紙部419と、記録媒体414のカールを除去するデカール処理部420と、前記印字部416のノズル面(インク吐出面)に対向して配置され、記録媒体414の平面性を保持しながら記録媒体414を搬送するベルト搬送部422と、記録済みの記録紙(プリント物)を外部に排紙する排紙部426とを備えている。
インク貯蔵/装填部418は、各記録ヘッド450K,450C,450M,450Yに対応する色のインクを貯蔵するインクタンクを有し、各タンクは所要の管路を介して記録ヘッド450K,450C,450M,450Yと連通されている。
給紙部419から送り出される記録媒体414はマガジンに装填されていたことによる巻きクセが残り、カールする。このカールを除去するために、デカール処理部420においてマガジンの巻きクセ方向と逆方向に加熱ドラム430で記録媒体414に熱を与える。
ロール紙を使用する装置構成の場合、図22ように、裁断用のカッター(第1のカッター)28が設けられており、該カッター28によってロール紙は所望のサイズにカットされる。
デカール処理後、カットされた記録媒体414は、ベルト搬送部422へと送られる。ベルト搬送部422は、ローラ431、432間に無端状のベルト433が巻き掛けられた構造を有し、少なくとも印字部416のノズル面に対向する部分が水平面(フラット面)をなすように構成されている。
ベルト433は、記録媒体414の幅よりも広い幅寸法を有しており、ベルト面には多数の吸引穴(不図示)が形成されている。図22に示したとおり、ローラ431、432間に掛け渡されたベルト433の内側において印字部416のノズル面に対向する位置には吸着チャンバ434が設けられており、この吸着チャンバ434をファン435で吸引して負圧にすることによって記録媒体414がベルト433上に吸着保持される。
ベルト433が巻かれているローラ431、432の少なくとも一方にモータ(図27中符号488)の動力が伝達されることにより、ベルト433は図22上の時計回り方向に駆動され、ベルト433上に保持された記録媒体414は図22の左から右へと搬送される。
縁無しプリント等を印字するとベルト433上にもインクが付着するので、ベルト433の外側の所定位置(印字領域以外の適当な位置)にベルト清掃部436が設けられている。
ベルト搬送部422により形成される用紙搬送路上において印字部416の上流側には、加熱ファン440が設けられている。加熱ファン440は、印字前の記録媒体414に加熱空気を吹き付け、記録媒体414を加熱する。印字直前に記録媒体414を加熱しておくことにより、インクが着弾後乾き易くなる。
印字部416の各記録ヘッド450K,450C,450M,450Yは、当該インクジェット記録装置410が対象とする記録媒体414の最大紙幅に対応する長さを有し、そのノズル面には最大サイズの記録媒体の少なくとも一辺を超える長さ(描画可能範囲の全幅)にわたりインク吐出用のノズルが複数配列されたフルライン型の記録ヘッドとなっている(図23参照)。
記録ヘッド450K,450C,450M,450Yは、記録媒体414の送り方向に沿って上流側から黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の色順に配置され、それぞれの記録ヘッド450K,450C,450M,450Yが記録媒体414の搬送方向と略直交する方向に沿って延在するように固定設置される。
ベルト搬送部422により記録媒体414を搬送しつつ各記録ヘッド450K,450C,450M,450Yからそれぞれ異色のインクを吐出することにより記録媒体414上にカラー画像を形成し得る。
このように、紙幅の全域をカバーするノズル列を有するフルライン型の記録ヘッド450K,450C,450M,450Yを色別に設ける構成によれば、紙送り方向(副走査方向)について記録媒体414と印字部416を相対的に移動させる動作を1回行うだけで(即ち、1回の副走査で)、記録媒体414の全面に画像を記録することができる。これにより、記録ヘッドが紙搬送方向と直交する方向に往復動作するシャトル型ヘッドに比べて高速印字が可能であり、生産性を向上させることができる。
印字部416の後段には後乾燥部442が設けられている。後乾燥部442の後段には、加熱・加圧444が設けられている。加熱・加圧444は、画像表面の光沢度を制御するための手段であり、画像面を加熱しながら所定の表面凹凸形状を有する加圧ローラ145で加圧し、画像面に凹凸形状を転写する。
こうして生成されたプリント物は排紙部426から排出される。このインクジェット記録装置410では、本画像のプリント物と、テスト印字のプリント物とを選別してそれぞれの排出部426A、426Bへと送るために排紙経路を切り換える不図示の選別手段が設けられている。なお、大きめの用紙に本画像とテスト印字とを同時に並列に形成する場合は、カッター(第2のカッター)448によってテスト印字の部分を切り離す。
〔記録ヘッドの構造〕
次に、記録ヘッドの構造について説明する。色別の各記録ヘッド450K,450C,450M,450Yの構造は共通しているので、以下、これらを代表して符号450によって記録ヘッドを示すものとする。
図24(a) は記録ヘッド450の構造例を示す平面透視図であり、図24(b) はその一部の拡大図である。また、図24(c) は記録ヘッド450の他の構造例を示す平面透視図、図25は1つの液滴吐出素子(1つのノズル451に対応したインク室ユニット)の立体的構成を示す断面図(図24(a) 中のXXV−XXV線に沿う断面図)である。
記録媒体414上に印字されるドットピッチを高密度化するためには、記録ヘッド450におけるノズルピッチを高密度化する必要がある。本例の記録ヘッド450は、図24(a),(b) に示したように、インク吐出口であるノズル451と、各ノズル451に対応する圧力室452等からなる複数のインク室ユニット(液滴吐出素子)453を千鳥でマトリクス状に(2次元的に)配置させた構造を有し、これにより、記録ヘッド長手方向(紙送り方向と直交する方向)に沿って並ぶように投影される実質的なノズル間隔(投影ノズルピッチ)の高密度化を達成している。
記録媒体414の送り方向と略直交する方向に記録媒体414の全幅に対応する長さにわたり1列以上のノズル列を構成する形態は本例に限定されない。例えば、図24(a) の構成に代えて、図24(c) に示すように、複数のノズル451が2次元に配列された短尺のヘッドモジュール50’を千鳥状に配列して繋ぎ合わせることで記録媒体414の全幅に対応する長さのノズル列を有するラインヘッドを構成してもよい。
各ノズル451に対応して設けられている圧力室452は、その平面形状が概略正方形となっており(図24(a),(b) 参照)、対角線上の両隅部の一方にノズル451への流出口が設けられ、他方に供給インクの流入口(供給口)454が設けられている。なお、圧力室452の形状は、本例に限定されず、平面形状が四角形(菱形、長方形など)、五角形、六角形その他の多角形、円形、楕円形など、多様な形態があり得る。
図25に示したように、各圧力室452は供給口454を介して共通流路455と連通されている。共通流路455はインク供給源たるインクタンク(不図示)と連通しており、インクタンクから供給されるインクは共通流路455を介して各圧力室452に分配供給される。
圧力室452の一部の面(図25において天面)を構成している加圧板(共通電極と兼用される振動板)56には個別電極57を備えた圧電素子458が接合されている。個別電極57と共通電極間に駆動信号の振幅を印加することによって圧電素子458が変形して圧力室452の容積が変化し、これに伴う圧力変化によりノズル451からインクが吐出される。なお、圧電素子458には、チタン酸ジルコン酸鉛やチタン酸バリウムなどの圧電体を用いた圧電素子が好適に用いられる。インク吐出後、圧電素子458の変位が元に戻る際に、共通流路455から供給口454を通って新しいインクが圧力室452に再充填される。
上述した構造を有するインク室ユニット453を図26に示す如く主走査方向に沿う行方向及び主走査方向に対して直交しない一定の角度θを有する斜めの列方向とに沿って一定の配列パターンで格子状に多数配列させることにより、本例の高密度ノズルヘッドが実現されている。
即ち、主走査方向に対してある角度θの方向に沿ってインク室ユニット453を一定のピッチdで複数配列する構造により、主走査方向に並ぶように投影されたノズルのピッチPはd× cosθとなり、主走査方向については、各ノズル451が一定のピッチPで直線状に配列されたものと等価的に取り扱うことができる。このような構成により、主走査方向に並ぶように投影されるノズル列が1インチ当たり2400個(2400ノズル/インチ)におよぶ高密度のノズル構成を実現することが可能になる。
なお、印字可能幅の全幅に対応した長さのノズル列を有するフルラインヘッドで、ノズルを駆動する時には、(1)全ノズルを同時に駆動する、(2)ノズルを片方から他方に向かって順次駆動する、(3)ノズルをブロックに分割して、ブロックごとに片方から他方に向かって順次駆動する等が行われ、用紙の幅方向(用紙の搬送方向と直交する方向)に1ライン(1列のドットによるライン又は複数列のドットから成るライン)を印字するようなノズルの駆動を主走査と定義する。
特に、図26に示すようなマトリクス状に配置されたノズル451を駆動する場合は、上記(3)のような主走査が好ましい。即ち、ノズル451−11 、451−12、451−13 、451−14 、451−15、451−16 を1つのブロックとし(他にはノズル451−21 、…、51−26 を1つのブロック、ノズル451−31 、…、51−36 を1つのブロック、…として)、記録媒体414の搬送速度に応じてノズル451−11 、51−12 、…、51−16を順次駆動することで記録媒体414の幅方向に1ラインを印字する。
一方、上述したフルラインヘッドと用紙とを相対移動することによって、上述した主走査で形成された1ライン(1列のドットによるライン又は複数列のドットから成るライン)の印字を繰り返し行うことを副走査と定義する。
そして、上述の主走査によって記録される1ライン(或いは帯状領域の長手方向)の示す方向を主走査方向といい、上述の副走査を行う方向を副走査方向という。即ち、本実施形態では、記録媒体414の搬送方向が副走査方向であり、それに直交する方向が主走査方向ということになる。
本発明の実施に際してノズルの配置構造は図示の例に限定されない。また、本実施形態では、ピエゾ素子(圧電素子)に代表される圧電素子458の変形によってインク滴を飛ばす方式が採用されているが、本発明の実施に際して、インクを吐出させる方式は特に限定されず、ピエゾジェット方式に代えて、ヒータなどの発熱体によってインクを加熱して気泡を発生させ、その圧力でインク滴を飛ばすサーマルジェット方式など、各種方式を適用できる。
〔制御系の説明〕
図27において、インクジェット記録装置410のシステム構成のブロック図を示す。同図に示したように、インクジェット記録装置410は、通信インターフェース470、システムコントローラ472、画像メモリ474、ROM475、モータドライバ746、ヒータドライバ478、プリント制御部480、画像バッファメモリ482、ヘッドドライバ484(図12の駆動回路202に相当)等を備えている。
ホストコンピュータ14は、スキャナ(CCDスキャナ)12によって読み取られたドットの読取結果から着弾位置誤差、液滴量誤差等のデータを生成する演算処理を行う特性情報取得手段として機能する。また、通信インターフェース470へ画像データを送信する画像出力手段としても機能する。
通信インターフェース470は、ホストコンピュータ14から送られてくる画像データを受信する画像入力手段として機能するインターフェース部である。通信インターフェース470にはUSB(Universal Serial Bus)、IEEE1394、イーサネット(登録商標)、無線ネットワークなどのシリアルインターフェースやセントロニクスなどのパラレルインターフェースを適用することができる。この部分には、通信を高速化するためのバッファメモリ(不図示)を搭載してもよい。
ホストコンピュータ14から送出された画像データは通信インターフェース470を介してインクジェット記録装置410に取り込まれ、一旦画像メモリ474に記憶される。画像メモリ474は、通信インターフェース470を介して入力された画像を格納する記憶手段であり、システムコントローラ472を通じてデータの読み書きが行われる。画像メモリ474は、半導体素子からなるメモリに限らず、ハードディスクなど磁気媒体を用いてもよい。
システムコントローラ472は、中央演算処理装置(CPU)及びその周辺回路等から構成され、所定のプログラムに従ってインクジェット記録装置410の全体を制御する制御装置として機能するとともに、各種演算を行う演算装置として機能する。即ち、システムコントローラ472は、通信インターフェース470、画像メモリ474、モータドライバ746、ヒータドライバ478等の各部を制御し、ホストコンピュータ14との間の通信制御、画像メモリ474及びROM475の読み書き制御等を行うとともに、搬送系のモータ488やヒータ489を制御する制御信号を生成する。本発明にかかる駆動信号の振幅スイープ工程と、インク吐出量演算工程は、このシステムコントローラ472により行われる。
ROM475には、システムコントローラ472のCPUが実行するプログラム及び制御に必要な各種データなどが格納されている。ROM475は、書換不能な記憶手段であってもよいし、EEPROMのような書換可能な記憶手段であってもよい。また、このROM475の記憶領域を活用することで、ROM475を濃度補正係数記憶部90として兼用する構成も可能である。
画像メモリ474は、画像データの一時記憶領域として利用されるとともに、プログラムの展開領域及びCPUの演算作業領域としても利用される。
モータドライバ746は、システムコントローラ472からの指示に従って搬送系のモータ488を駆動するドライバ(駆動回路)である。ヒータドライバ478は、システムコントローラ472からの指示に従って後乾燥部42等のヒータ489を駆動するドライバである。
プリント制御部480は、駆動波形生成部480Aを含んで構成される。駆動波形生成部480Aは、記録ヘッド450の各ノズル451に対応した圧電素子458(図25参照)を駆動するための駆動信号波形を生成する手段であり、該駆動波形生成部480Aにて生成された駆動信号波形は、ヘッドドライバ484に供給される。なお、駆動波形生成部480Aから出力される信号は、デジタル波形データであってもよいし、アナログ電圧信号であってもよい。
プリント制御部480には画像バッファメモリ482が備えられており、プリント制御部480における画像データ処理時に画像データやパラメータなどのデータが画像バッファメモリ482に一時的に格納される。なお、図27において画像バッファメモリ482はプリント制御部480に付随する態様で示されているが、画像メモリ474と兼用することも可能である。また、プリント制御部480とシステムコントローラ472とを統合して1つのプロセッサで構成する態様も可能である。
画像入力から印字出力までの処理の流れを概説すると、印刷すべき画像のデータは、通信インターフェース470を介して外部から入力され、画像メモリ474に蓄えられる。この段階では、例えば、RGBの多値の画像データが画像メモリ474に記憶される。
インクジェット記録装置410では、インク(色材) による微細なドットの打滴密度やドットサイズを変えることによって、人の目に疑似的な連続階調の画像を形成するため、入力されたデジタル画像の階調(画像の濃淡)をできるだけ忠実に再現するようなドットパターンに変換する必要がある。そのため、画像メモリ474に蓄えられた元画像(RGB)のデータは、システムコントローラ472を介してプリント制御部480に送られる。
即ち、プリント制御部480は、入力されたRGB画像データをK,C,M,Yの4色のドットデータに変換する処理を行う。こうして、プリント制御部480で生成されたドットデータは、画像バッファメモリ482に蓄えられる。この色別ドットデータは、記録ヘッド450のノズルからインクを吐出するためのKCMY打滴データに変換され、印字されるインク吐出データが確定する。
ヘッドドライバ484は図12の駆動回路に対応し、プリント制御部480(駆動波形生成部480A)から与えられるインク吐出データ及び駆動信号波形に基づき、印字内容に応じて記録ヘッド450の各ノズル451に対応する圧電素子458を駆動するための駆動信号を出力する。ヘッドドライバ484には記録ヘッドの駆動条件を一定に保つためのフィードバック制御系を含んでいてもよい。
こうして、ヘッドドライバ484から出力された駆動信号が記録ヘッド450に加えられることによって、該当するノズル451からインクが吐出される。記録媒体414の搬送速度に同期して記録ヘッド450からのインク吐出を制御することにより、記録媒体414上に画像が形成される。
上記のように、プリント制御部480における所要の信号処理を経て生成されたインク吐出データ及び駆動信号波形に基づき、ヘッドドライバ484を介して各ノズルからのインク液滴の吐出量や吐出タイミングの制御が行われる。これにより、所望のドットサイズやドット配置が実現される。
スキャナ12は、記録媒体414に印字された画像を読み取り、その画像データをホストコンピュータ14に送信する。スキャナ12に記録媒体414を送り込むのは、作業者が手動で行ってもよいし、また、インクジェット記録装置410とスキャナ12との間で自動的に行ってもよい。
以上、本発明の実施形態に係るインク吐出量測定システム及びインク吐出量測定方法について詳細に説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはもちろんである。
本発明の実施形態に係るインク吐出量測定システムの全体構成を示す概要図 図1に示すスキャナによって読み取られる画素データ(画素領域)の概念図 インク吐出用の圧力発生素子を駆動させる駆動信号を示す図 図3に示す駆動信号の振幅とインク液滴の吐出量の相関グラフ 図3に示す駆動信号の他の態様を示す図 駆動信号の電圧(振幅)とスキャナの画素データ(ピクセル数)との関係を示す概念図 駆動信号の振幅とピクセル数の相関グラフの一例を示す図 ヘッド温度と駆動信号の振幅との関係を説明する図 本発明の実施形態に係るインク吐出量測定方法の制御の流れを示すフローチャート 本発明に係るインク吐出量測定に用いられる画像(ドット)の概念図 インク滴体積がばらついたときの駆動信号の振幅(ドットサイズ)の概念図 図1に示すインク吐出量測定システムの制御ブロックの構成を示すブロック図 スキャナによって読み取られる画素データの概念図 駆動電圧と滴体積の相関テーブルを示す図 駆動電圧とスキャナの画像データ(ピクセル数)の相関グラフ スキャナによって読み取られる画素データの概念図 駆動電圧と滴体積の相関テーブルを示す図 駆動電圧とスキャナの画像データ(ピクセル数)の相関グラフ スキャナによって読み取られる画素データの概念図 駆動電圧と滴体積の相関テーブルを示す図 駆動電圧とスキャナの画像データ(ピクセル数)の相関グラフ 本発明に適用されるインクジェット記録装置の全体構成図 図22に示すインクジェット記録装置の印字部周辺の要部平面図 図22に示す記録ヘッドの構造例を示す平面透視図 図24(a)に示すインク室ユニットの一部の拡大図 図24(a)に示す記録ヘッドの他の構造例を示す平面透視図 図24(a)〜(c)に示す記録ヘッドの立体的構成を示す断面図(図24(a) 中のXXV−XXV線に沿う断面図) 図24(a) に示した記録ヘッドのノズル配列を示す拡大図 図22に示すインクジェット記録装置のシステム構成のブロック図
符号の説明
1…インク吐出量測定システム、10…インクジェット記録装置、12…スキャナ、14…ホストコンピュータ、50,450…記録ヘッド、200…温度センサ、202,484…駆動回路(ヘッドドライバ)、212…カウンタブロック、214…信号処理回路、216…スイープ回路、218…信号処理ブロック、220…メモリ、224…CPU、472…システムコントローラ、480…プリント制御部、480A…駆動波形生成部

Claims (5)

  1. 所定の駆動信号を印加して記録ヘッドから吐出されたインクによって記録媒体上に記録されたドットのサイズを読み取り、読取結果に基づいてインク吐出量を測定するインク吐出量測定方法であって、
    前記記録ヘッドの温度変化に対してインク吐出量が一定となる前記記録ヘッドの温度と前記駆動信号の値との相関関係を表す温度相関テーブルを記憶する温度相関テーブル記憶工程と、
    前記記録ヘッドの温度を検出する温度検出工程と、
    前記温度相関テーブルを参照して、前記温度検出工程によって検出された記録ヘッドの温度が基準温度に対して高い場合には前記駆動信号の値を小さくするように前記駆動信号の値に温度補償処理を施す温度補償処理工程と、
    前記温度補償処理工程によって温度補償処理が施された駆動信号を印加して前記記録ヘッドからインクを吐出させるインク吐出工程と、
    前記インク吐出工程によって吐出されたインクにより前記記録媒体上に記録されたドットのサイズを読み取る画像読取工程と、
    前記画像読取工程の読取結果に基づいて前記記録ヘッドから吐出されたインク吐出量を算出するインク吐出量算出手段と、
    を含むことを特徴とするインク吐出量測定方法。
  2. 前記駆動信号の値及び前記画像読取工程に用いられる画像読取手段の画素数、前記インク吐出量の相関関係を表す吐出量相関テーブルを記憶する吐出量相関テーブル記憶工程と、
    前記画像読取工程による読取結果に基づいて記録媒体上に記録されたドットが占める前記画素数を測定する画素数測定工程と、
    前記画素数測定工程で測定された画素数が被測定対象ドットの画素数から次の画素数へ変化するまで、前記駆動信号の値を一定の割合で変化させながら前記インク吐出工程及び前記画像読取工程、前記画素数測定工程を繰り返し、被測定対象ドットの画素数から次の画素数へ変化した境界に対応する駆動信号の値を求める駆動信号可変工程と、
    前記駆動信号可変工程によって求められた実際の画素数が変化する境界に対応する駆動信号と、前記吐出量相関テーブルから求められる理論上の画素数が変化する境界に対応する駆動信号と、の差分を算出する差分算出工程と、
    前記差分算出工程によって算出された前記差分を前記被測定対象のドットを記録する際の理論上の駆動信号の値から減じて前記被測定対象のドットに対応するみかけの駆動信号の値を求めるみかけの駆動信号算出工程と、
    を含み、
    前記インク吐出量算出工程は、前記吐出量相関テーブルを参照して前記みかけの駆動信号に対応するインク吐出量を被測定対象のドットのインク吐出量として算出することを特徴とする請求項1記載のインク吐出量測定方法。
  3. 前記吐出量相関テーブル記憶手段は、前記基準温度に対応する1種類の吐出量相関テーブルが記憶されていることを特徴とする請求項1又は2記載のインク吐出量測定方法。
  4. 記録媒体上にインクを吐出する記録ヘッドと、
    前記記録ヘッドに所定の駆動信号を印加する駆動信号印加手段と、
    前記記録媒体上に記録されたドットのサイズを読み取る画像読取手段と、
    前記画像読取手段の読取結果に基づいてインク吐出量を測定するインク吐出量測定手段と、
    前記記録ヘッドの温度変化に対してインク吐出量が一定となる前記記録ヘッドの温度と前記駆動信号の値との相関関係を表す温度相関テーブルが記憶される温度相関テーブル記憶手段と、
    前記記録ヘッドの温度を検出する温度検出手段と、
    前記温度相関テーブルを参照して、前記温度検出手段によって検出された記録ヘッドの温度が基準温度に対して高い場合には前記駆動信号の値を小さくするように前記駆動信号の値に温度補償処理を施す温度補償処理手段と、
    を含むことを特徴とするインク吐出量測定システム。
  5. 前記駆動信号の値及び前記画像読取手段の画素数、前記インク吐出量の相関関係を表す吐出量相関テーブルを記憶する吐出量相関テーブル記憶手段と、
    前記画像読取手段による読取結果に基づいて記録媒体上に記録されたドットが占める前記画素数を測定する画素数測定手段と、
    前記画素数測定手段によって測定された画素数が被測定対象ドットの画素数から次の画素数へ変化するまで、前記駆動信号の値を一定の割合で変化させながら前記記録ヘッドからインクを吐出させるとともに、前記画像読取によるドットサイズの読み取り及び前記画素数測定手段による画素数の測定を繰り返し、被測定対象ドットの画素数から次の画素数へ変化した境界に対応する駆動信号の値を求める駆動信号可変手段と、
    前記駆動信号可変手段によって求められた実際の画素数が変化する境界に対応する駆動信号と、前記吐出量相関テーブルから求められる理論上の画素数が変化する境界に対応する駆動信号と、の差分を算出する差分算出手段と、
    前記差分算出手段によって算出された前記差分を前記被測定対象のドットを記録する際の理論上の駆動信号の値から減じて前記被測定対象のドットに対応するみかけの駆動信号の値を求めるみかけの駆動信号算出手段と、
    を備え、
    前記インク吐出量測定手段は、前記吐出量相関テーブルを参照して前記みかけの駆動信号に対応するインク吐出量を被測定対象のドットのインク吐出量として算出することを特徴とする請求項4記載のインク吐出量測定システム。
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