JP2013121691A - 液体噴射装置、および、液体噴射装置の制御方法 - Google Patents

液体噴射装置、および、液体噴射装置の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ドット群間の境界部における筋等を抑制することが可能な液体噴射装置、および、その制御方法を提供する。
【解決手段】今回のパスにおいて、インクが噴射されない状態が継続する非噴射期間が閾値Th以上であるか否かを判定し、非噴射期間が閾値以上であると判定されたノズルについては、当該非噴射期間以降、今回のパスの終了までインクの噴射を実行させず、記録媒体から外れた位置で各ノズルからインクを噴射させるフラッシング処理を実行した後の次回のパス(補完用パス)で、今回のパスで実行されなかった分の記録処理を実行する。
【選択図】図5

Description

本発明は、インクジェット式記録装置などの液体噴射装置、および、液体噴射装置の制御方法に関し、特に、液体噴射ヘッドを液体着弾対象に対して相対移動させつつ往動時と復動時の双方で液体着弾対象に対する液体の噴射を行う液体噴射装置、および、液体噴射装置の制御方法に関するものである。
液体噴射装置は噴射ヘッドを備え、この噴射ヘッドから各種の液体を噴射(吐出)する装置である。この液体噴射装置としては、例えば、インクジェット式プリンターやインクジェット式プロッター等の画像記録装置があるが、最近ではごく少量の液体を所定位置に正確に着弾させることができるという特長を生かして各種の製造装置にも応用されている。例えば、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターを製造するディスプレイ製造装置,有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイやFED(面発光ディスプレイ)等の電極を形成する電極形成装置,バイオチップ(生物化学素子)を製造するチップ製造装置に応用されている。そして、画像記録装置用の記録ヘッドでは液状のインクを噴射し、ディスプレイ製造装置用の色材噴射ヘッドではR(Red)・G(Green)・B(Blue)の各色材の溶液を噴射する。また、電極形成装置用の電極材噴射ヘッドでは液状の電極材料を噴射し、チップ製造装置用の生体有機物噴射ヘッドでは生体有機物の溶液を噴射する。
ここで、上記プリンターは、リザーバーから圧力室を通りノズルに至る一連のインク流路や、圧力室の容積を変動させるための圧力発生手段(例えば、圧電素子)等を有する記録ヘッドを搭載し、また、圧力発生手段を駆動するための駆動信号を発生する駆動信号発生手段等を備えている。そして、この種のプリンターには、記録ヘッドと記録紙等の記録媒体(液体の着弾対象)とを往復で相対移動させながら記録媒体に対してインクの噴射を行うものがある。このような構成のプリンターでは、ノズルに露出したインクの表面であるメニスカスが大気に晒されることにより、溶媒が蒸発してインクが増粘することによって、噴射されるインクの量が変動したり、噴射されたインクの飛翔方向が曲がったり、最悪の場合、インクが噴射されなかったり(所謂ドット抜け)する等の噴射不良が生じる場合がある。
特に、産業用のプリンターでは、より幅の大きい記録媒体に対して印刷を行うものがあり、その分、1回の主走査(パス)での相対移動距離が長くなる傾向にある。このため、記録ヘッドの主走査に先立ってノズルの非噴射期間(インクが噴射されない状態が継続する期間)が所定期間以上であるノズルについては、非噴射期間経過後の初回の噴射動作におけるインク噴射量を、印字データで規定される量よりも多く設定することで、上記の噴射不良を抑制する試みもなされている(特許文献1参照)。
特開2001−179949号公報
しかしながら、上記特許文献1の構成において、当初予定しているインク量よりも多い量のインクを噴射した場合、本来目標とするインク量が得られない場合がある。また、この構成では、インクの増粘によって当該インクの飛翔速度が低下することで生じる着弾位置ずれについては抑制することが困難であった。この場合、特に、線図などのように線を多用する用途では、着弾位置ずれやドットサイズの変動により、画質劣化が顕著となる虞がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、液体の増粘による噴射不良を抑制することが可能な液体噴射装置、および、その制御方法を提供することにある。
本発明の液体噴射装置は、上記目的を達成するために提案されたものであり、ノズルが複数列設されて成るノズル群を有し、圧力発生手段を駆動させることにより前記ノズルから液体を噴射させる液体噴射ヘッドと、
前記液体噴射ヘッドと前記着弾対象とを相対移動させる移動手段と、
前記液体噴射ヘッドによる液体の噴射を制御する制御手段を備え、
前記移動手段により前記液体噴射ヘッドを液体着弾対象に対して相対移動させつつ往動時と復動時の双方で液体着弾対象に対する液体の噴射を行う液体噴射装置であって、
前記制御手段は、
片道分の噴射処理単位であるパスにおいて、液体が噴射されない状態が継続する非噴射期間が閾値以上であるか否かを判定し、
当該非噴射期間が閾値以上であると判定されたノズルについては、当該非噴射期間以降パスの終了まで液体の噴射を実行させず、前記着弾対象から外れた位置で各ノズルから液体を噴射させる回復処理を実行した後の次回のパスで、今回のパスで実行されなかった分の噴射処理を実行することを特徴とする。
本発明によれば、非噴射期間が閾値以上であると判定されたノズルについては、当該非噴射期間以降パスの終了まで液体の噴射を実行させず、回復処理を実行した後の次回のパスで、今回のパスで実行されなかった分の噴射処理を実行するので、液体の増粘による噴射不良を抑制することが可能となる。すなわち、回復処理によって液体噴射ヘッド内の増粘液体が排出された後に、先送りとなったデータに基づく記録処理を、次回のパスで行うことで、液体の増粘に起因する噴射不良が抑制される。その結果、例えば、着弾対象である記録媒体に記録された画像の画質等の低下が抑制される。
また、上記構成において、前記閾値は、少なくとも最大パス処理時間の1/2以上である構成を採用することが望ましい。
この構成によれば、閾値は、少なくとも最大パス処理時間の1/2以上とすることにより、往動時および復動時の双方において着弾対象の相対移動方向中央部分に対する記録ができなくなってしまう不具合が防止される。
さらに、上記構成において、前記閾値は、液体の種類、環境温度に応じて変更可能である構成を採用することが望ましい。
この構成によれば、液体の種類、環境温度に応じて閾値の変更が可能であることで、より最適な閾値を設定することができる。
また、本発明の液体噴射装置の制御方法は、ノズルが複数列設されて成るノズル群を有し、圧力発生手段を駆動させることにより前記ノズルから液体を噴射させる液体噴射ヘッドと、
前記圧力発生手段を駆動させる駆動パルスを発生する駆動パルス発生手段と、
前記液体噴射ヘッドと前記着弾対象とを相対移動させる移動手段と、
前記液体噴射ヘッドによる液体の噴射を制御する制御手段を備え、
前記移動手段により前記液体噴射ヘッドを液体着弾対象に対して相対移動させつつ往動時と復動時の双方で液体着弾対象に対する液体の噴射を行う液体噴射装置の制御方法であって、
片道分の噴射処理単位であるパスにおいて、液体が継続的に噴射されない非噴射期間が閾値以上であるか否かを判定し、
当該非噴射期間が閾値以上であると判定されたノズルについては、当該非噴射期間以降パスの終了まで液体の噴射を実行させず、前記着弾対象から外れた位置で各ノズルから液体を噴射させる回復処理を実行した後の次回のパスで、今回のパスで実行されなかった分の噴射処理を実行することを特徴とする。
プリンターの構成を説明する斜視図である。 記録ヘッドの構成を説明する断面図である。 ノズルプレートの構成を説明する平面図である。 記録ヘッドの電気的構成を説明するブロック図である。 記録処理について説明するフローチャートである。 非噴射期間とインクの着弾位置ずれ量との関係を説明するグラフである。 記録データの例について説明する図である。
以下、本発明を実施するための形態を、添付図面を参照して説明する。なお、以下に述べる実施の形態では、本発明の好適な具体例として種々の限定がされているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。また、以下においては、本発明の液体噴射装置として、インクジェット式記録装置(以下、プリンター)を例に挙げて説明する。
図1はプリンター1の構成を示す斜視図である。例示したプリンター1は、記録紙6等の記録媒体(液体の着弾対象)に対し、液体噴射ヘッドの一種である記録ヘッド2から液体の一種であるインクを噴射する。このプリンター1は、記録ヘッド2が取り付けられると共に、液体供給源の一種であるインクカートリッジ3が着脱可能に取り付けられるキャリッジ4と、記録動作時の記録ヘッド2の下方に配設されたプラテン5と、キャリッジ4を記録紙6の紙幅方向、即ち、主走査方向に往復移動させるキャリッジ移動機構7(本発明における移動手段に相当)と、主走査方向に直交する副走査方向に記録紙6を搬送する紙送り機構8と、を備えている。
キャリッジ4は、主走査方向に架設されたガイドロッド9に軸支された状態で取り付けられており、キャリッジ移動機構7の作動により、ガイドロッド9に沿って主走査方向に移動するように構成されている。キャリッジ4の主走査方向の位置は、リニアエンコーダー10によって検出され、その検出信号、即ち、エンコーダーパルス(位置情報の一種)がプリンターコントローラー36のCPU38(図4参照)に送信される。リニアエンコーダー10は位置情報出力手段の一種であり、記録ヘッド2の走査位置に応じたエンコーダーパルスを、主走査方向における位置情報として出力する。このため、CPU38は、受信したエンコーダーパルスに基づいてキャリッジ4に搭載された記録ヘッド2の走査位置を認識できる。即ち、例えば、受信したエンコーダーパルスをカウントすることで、キャリッジ4の位置を認識することができる。これにより、CPU38はこのリニアエンコーダー10からのエンコーダーパルスに基づいてキャリッジ4(記録ヘッド2)の走査位置を認識しながら、記録ヘッド2による記録動作を制御する。
キャリッジ4の移動範囲内における記録領域よりも外側の端部領域には、キャリッジの走査の基点となるホームポジションが設定されている。本実施形態におけるホームポジションには、記録ヘッド2のノズル形成面(ノズルプレート29:図3参照)を封止するキャッピング部材11と、ノズル形成面を払拭するためのワイパー部材12とが配置されている。そして、プリンター1は、このホームポジションから反対側の端部へ向けてキャリッジ4が移動する往動時と、反対側の端部からホームポジション側にキャリッジ4が戻る復動時との双方向で記録紙6上に文字や画像等を記録する双方向記録を行う。
本実施形態におけるプリンター1のプラテン5の内部には、図示しないプラテンヒーター(加熱手段)が設けられている。このプラテンヒーターによって、プラテン5上の記録紙記録媒体が加熱されて、記録媒体に着弾したインクの定着・乾燥が促進される。
図2は、記録ヘッド2の構成を説明する要部断面図である。本実施形態における記録ヘッド2は、圧力発生ユニット15と流路ユニット16とから構成されており、これらを重ね合わせて一体化されている。圧力発生ユニット15は、圧力室17を区画する圧力室プレート18、供給側連通口22及び第1連通口24aを開設した連通口プレート19、及び、圧電振動子20を実装した振動板21と、を積層し、焼成等により一体化することで構成されている。また、流路ユニット16は、供給口23や第2連通口24bを形成した供給口プレート25、リザーバー26や第3連通口24cを形成したリザーバープレート27、及び、ノズル28が形成されたノズルプレート29からなるプレート部材を積層状態で接着することで構成されている。
図3は、ノズルプレート29の構成を説明する図である。本実施例におけるノズルプレート29は、インクを噴射するノズル28が、記録紙2の搬送方向と平行に沿って360個並ぶノズル列33(ノズル群の一種)を構成している。本実施形態におけるノズル列33は、例えば360dpiの形成ピッチで開設されたノズル28から成り、ノズルプレート29に合計4列(33a〜33d)形成されている。なお、1つのノズル列33を構成するノズル28の数や、ノズル列33の本数に関しては例示したものには限られない。
圧力室17とは反対側となる振動板21の外側表面には、圧力室17毎に対応して圧電振動子20が配設される。例示した圧電振動子20は、所謂撓み振動モードの圧電振動子であり、駆動電極20aと共通電極20bとによって圧電体20cを挟んで構成されている。そして、圧電振動子20の駆動電極に駆動信号(駆動パルス)が印加されると、駆動電極20aと共通電極20bとの間には電位差に応じた電場が発生する。この電場は圧電体20cに付与され、圧電体20cが付与された電場の強さに応じて変形する。即ち、駆動電極20aの電位を高くする程、圧電体層20cの幅方向(ノズル列方向)の中央部が圧力室17の内側(ノズルプレート29に近づく側)に撓み、圧力室17の容積を減少させるように振動板21を変形させる。一方、駆動電極20aの電位を低くする程(接地電位に近づける程)、圧電体層20cの短尺方向の中央部が圧力室17の外側(ノズルプレート29から離れる側)に撓み、圧力室17の容積を増加させるように振動板21を変形させる。
次に、プリンター1の電気的構成を説明する。
図4は、プリンター1の電気的な構成を説明するブロック図である。外部装置35は、例えばコンピューターやデジタルカメラなどの画像を取り扱う電子機器である。この外部装置35は、プリンター1と通信可能に接続されており、プリンター1において記録紙等の記録媒体に画像やテキストを印刷(記録)させるため、その画像等に応じた印刷データをプリンター1に送信する。
本実施形態におけるプリンター1は、紙送り機構8、キャリッジ移動機構7、リニアエンコーダー10、温度センサー41、記録ヘッド2、及び、プリンターコントローラー36を有する。温度センサー41は、サーミスター及びA/D変換器などで構成される。この温度センサー41は、温度検出手段として機能し、プリンター1の内部(特に記録ヘッド周辺)の環境温度を検出し、検出した温度に比例した大きさの信号をプリンターコントローラー36に出力する。
プリンターコントローラー36は、本発明における制御手段の一種であり、プリンターの各部の制御を行う制御ユニットである。プリンターコントローラー36は、インターフェース(I/F)部37と、CPU38と、記憶部39と、駆動信号生成部40と、を有する。インターフェース部37は、外部装置35からプリンター1へ印刷データや印刷命令を送ったり、外部装置35がプリンター1の状態情報を受け取ったりする等プリンターの状態データの送受信を行う。CPU38は、プリンター全体の制御を行うための演算処理装置である。記憶部39は、CPU38のプログラムや各種制御に用いられるデータを記憶する素子であり、ROM、RAM、NVRAM(不揮発性記憶素子)を含む。CPU38は、記憶部39に記憶されているプログラムに従って、各ユニットを制御する。
駆動信号生成部40は、駆動波形発生手段として機能する部分であり、駆動信号の波形に関する波形データに基づいて、アナログの電圧信号を生成する。また、駆動信号生成部40は、上記の電圧信号を増幅して駆動信号COMを生成する。本実施形態におけるプリンター1は、液量の異なるインク滴を噴射することで、大きさの異なるドットを記録紙6に形成する多階調記録が可能であり、本実施形態においては、大ドット、中ドット、小ドット、及び非噴射(微振動)の4階調での記録動作が可能に構成されている。
プリンターコントローラー36のCPU38は、リニアエンコーダー10から出力されるエンコーダーパルスEPからタイミングパルスPTSを生成するタイミングパルス生成手段として機能する。そして、CPU38は、このタイミングパルスPTSに同期させて、印刷データに基づいて生成された記録データの転送や、駆動信号生成部40による駆動信号の生成等を制御する。また、CPU38は、タイミングパルスPTSに基づいて、ラッチ信号LAT等のタイミング信号を生成して記録ヘッド2のヘッド制御部53に出力する。ヘッド制御部53は、プリンターコントローラー36からのヘッド制御信号(記録データおよびタイミング信号)に基づき、記録ヘッド2の圧電振動子20に対して駆動信号COMに含まれる噴射駆動パルスの印加制御等を行う。
ここで、本発明に係るプリンター1では、インクの増粘による噴射不良を防止すべく、所定のパスにおいて、インクが噴射されない状態が継続する非噴射期間(間欠期間)が閾値を超えたノズルについては、今回のパスでは非噴射期間以降のインクの噴射(すなわち、画像等の記録処理)を行わずに、フラッシング処理後の次回のパスに先送りすることを特徴としている。以下、この点について図5のフローチャートを参照して説明する。なお、図5において、ステップS6およびステップS7は、同一パス内で行われる処理である。
印刷処理(記録処理)の実行が開始されると、プリンターコントローラー36によって以下の処理が行われる。まず、ステップS1において、上記非噴射期間についての閾値Thが設定される。この閾値Thとしては、少なくとも最大パス処理時間(記録処理時において最も長い距離を走査するときの時間)の1/2以上に設定される。すなわち、逆に閾値Thが最大パス処理時間の1/2未満に設定された場合、例えば、プリンター1が印刷可能な最大幅の記録紙に対して記録を行う際に、往動時および復動時の双方において記録紙の幅方向(主走査方向)中央部分に対する記録ができなくなってしまうからである。この閾値Thの最適値は、例えば、環境温度やインクの組成(インクの種類)などに応じて異なる。特に、増粘の進行度合いは、温度に依存するので、本実施形態では、温度センサー41からプリンター1内の温度が取得され、当該温度に応じて閾値Thが決定される。
図6は、非噴射期間(間欠時間(秒))と、増粘によってインクの飛翔速度が変化することに基づく記録媒体上におけるインクの着弾位置ずれ量(μm)との関係を説明するグラフである。例えば、閾値の設定条件が、着弾位置ずれ量が60(μm)となる間欠時間である場合、検出温度が20℃のときには20秒、30℃のときには10秒、40℃のときには4秒が、それぞれ閾値Thとして設定される。なお、検出温度に基づく閾値が、上記の最大パス処理時間の1/2未満となった場合、閾値Thは、最大パス処理時間の1/2に設定される。これにより、往動時および復動時の双方において記録媒体に対する幅方向(相対移動方向)中央部分に対する記録ができなくなってしまう不具合が防止される。
閾値が設定されたならば、ステップS2においてパスの回数が初期化(n=0)された後、続いてステップS3においてパスの回数に1が加算される(n=n+1)。次に、ステップS4において、nパス目の記録データが読み込まれ、さらにステップS5において、当該記録データに基づき、当該nパス目における各ノズル28について、非噴射期間が閾値Th以上であるか否かが判定される。
図7は、各ノズルの記録データの例について説明する図であり、(a)は元の記録データ、(b)は、非噴射期間が閾値以上のノズル28に対応するデータを補正した後の記録データ、(c)は、補正によって先送りされた記録データ(後述する補完パス用のデータ)をそれぞれ示している。なお、同図では、ノズル#1〜#5についてのnパス目の最後14画素分(補完パス用のデータの場合は補完パスの先頭14画素分)の記録データが例示されており、説明の便宜上、以下の説明ではnパス目の例示した部分以外の画素については考慮しない。そして、図中○はインクの噴射が行われる画素を示し、×はインクの噴射が行われない画素を示している。
例えば、5画素分の非噴射期間が、上記閾値Thに相当するものであるとすると、図7(a)において太線で囲まれた部分が、閾値に相当する長さの非噴射期間(間欠時間)に対応するデータである。この例では、ノズル#1およびノズル#3に対応する記録データの非噴射期間は閾値Th未満(最大でも3画素分)であると判定される一方、ノズル#2、ノズル#4,およびノズル#5に対応する記録データにおける非噴射期間は閾値Th以上であると判定される。
ステップS5において非噴射期間が閾値Th未満であると判定されたノズル28については、ステップS6において、元の記録データが補正されることなくnパス目の記録処理が実行される。一方、非噴射期間が閾値Th以上であると判定されたノズル28については、ステップS7において、図7(b)に示すように、閾値Th以上と判定された非噴射期間以降のデータが全て非噴射(×)に補正された記録データに基づきnパス目の記録処理が実行される。したがって、nパス目では、非噴射期間が閾値Th以上であると判定されたノズル28については、当該非噴射期間以降ではインクの噴射が行われない。そして、nパス目の記録処理が終了すると、ステップS8において、フラッシング処理(本発明における回復処理に相当)が実行される。このフラッシング処理では、キャリッジ4(記録ヘッド2)をキャッピング部材11上或いはプラテン5の端部領域に設定されたフラッシングポイント(図示せず)上まで移動させ、この状態でフラッシングポイントに対してノズル28からインクを噴射させる(所謂捨て撃ち)。これにより、記録ヘッド2内の増粘したインクや気泡等がノズル28から排出されるので、増粘インクや気泡による噴射不良の発生が抑制される。そして、フラッシング処理の実行後、キャリッジ4(記録ヘッド2)の移動方向が反転される。
ステップS9では、nパス目で実行されずに先送りされたデータに基づいて補完記録処理が実行される。この補完記録処理は、nパス目で先送りされたデータ(補正によって噴射から非噴射に変更されたデータ)がある場合にのみ、当該先送りされたデータ専用に実行される記録処理である。この補完記録処理のために新たに増設(挿入)されたパスを補完用パスと言う。この補完記録処理では、当該処理に先立って、図7(c)に示すように、上記の補正によって噴射から非噴射に変更された部分の、変更前のデータのみが記述された補完用記録データが作成される。そして、補完記録処理では、この補完用記録データに基づき記録処理が実行される。なお、nパス目と補完パスとでは、記録ヘッド2(キャリッジ4)の移動方向が反対となるため、補完用記録データの記録処理順は、nパス目の記録データの記録処理順とは逆となる。
nパス目の記録処理、或いは、補完用記録データがあった場合においては補完記録処理が終了すると、ステップS10においてフラッシング処理が行われ、紙送り機構8によって記録紙6が所定量送られた後、キャリッジ4(記録ヘッド2)の移動方向が反転される。続いて、ステップ11において、nが今回実行する記録処理の総記録パス数となったか否かが判定される。nが総記録パス数に満たないと判定された場合、ステップS3に戻ってパスnの回数に1が加算された後(n=n+1)、ステップS4以降の処理が再度実行される。一方、ステップ11において、nが総記録パス数になったと判定された場合、記録処理が終了される。
このように、本発明に係るプリンター1では、所定のパスにおいて非噴射期間(間欠期間)が閾値以上となるノズル28については、今回のパスでは非噴射期間以降のインクの噴射(記録処理)を行わずに、フラッシング処理後の次回のパス(本実施形態においては、補完用パス)に先送りするので、ノズル38インクの増粘による噴射不良を抑制することが可能となる。すなわち、フラッシング処理によって記録ヘッド2内の増粘インクが排出された後に、先送りとなったデータに基づく補完記録処理を行うことで、インクが増粘していない状態或いはそれに近い状態でインクが噴射されるので、インクの増粘に起因する噴射不良が抑制される。その結果、記録媒体に記録された画像の画質等の低下が抑制される。特に、プラテンヒーター(加熱手段)によって記録媒体を加熱する構成を採用するプリンターのように、インクの増粘がより進みやすい構成に好適である。このため、プラテンヒーターの温度を従来よりも高く設定してインクの定着や乾燥をより早めることが可能である。
ところで、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて種々の変形が可能である。
上記実施形態では、本来の記録用のパスに加えて補完記録処理のために補完用パスを設けて補完記録処理を行う例を示したが、これには限られず、nパス目で生じた先送りデータをn+1パス目の記録データに入れ込むことが可能であれば、必ずしも補完用パスを設けなくても良い。
また、上記実施形態では、温度センサー41から取得された温度に応じて閾値Thを設定する構成を例示したが、これには限られず、インクの増粘に基づく記録画像の画質の低下の度合い(着弾位置ずれ度合い)等に応じて、任意に設定することができる。例えば、インクの種類に応じて閾値Thを設定しても良い。この場合、インクの種類毎に非噴射期間(間欠時間(秒))とインクの着弾位置ずれ量との関係を求めて、当該関係に基づいて閾値を設定することができる。
さらに、記録ヘッドの構成に関し、上記実施形態では、所謂撓み振動型の圧電振動子20を圧力発生手段とする記録ヘッド2を例示したが、これには限られず、例えば、所謂縦振動型の圧電振動子や、発熱により気泡を発生させることで圧力変動を生じさせる発熱素子や、静電気力により圧力室の作動面を変位させることで圧力変動を生じさせる静電アクチュエーターなどの圧力発生手段を採用する記録ヘッドにも本発明を適用することも可能である。
そして、本発明は、液体噴射ヘッドと着弾対象とを相対移動させつつ液体の噴射を行う液体噴射装置であれば、プリンターに限らず、プロッター、ファクシミリ装置、コピー機等、各種のインクジェット式記録装置や、記録装置以外の液体噴射装置、例えば、ディスプレイ製造装置、電極製造装置、チップ製造装置等にも適用することができる。そして、ディスプレイ製造装置では、色材噴射ヘッドからR(Red)・G(Green)・B(Blue)の各色材の溶液を噴射する。また、電極製造装置では、電極材噴射ヘッドから液状の電極材料を噴射する。チップ製造装置では、生体有機物噴射ヘッドから生体有機物の溶液を噴射する。
1…プリンター,2…記録ヘッド,6…記録紙,7…キャリッジ移動機構,8…紙送り機構,17…圧電振動子,21…ノズルプレート,25…圧力室,27…ノズル,36…プリンターコントローラー,38…CPU,40…駆動信号生成部,41…温度センサー

Claims (4)

  1. ノズルが複数列設されて成るノズル群を有し、圧力発生手段を駆動させることにより前記ノズルから液体を噴射させる液体噴射ヘッドと、
    前記圧力発生手段を駆動させる駆動パルスを発生する駆動パルス発生手段と、
    前記液体噴射ヘッドと前記着弾対象とを相対移動させる移動手段と、
    前記液体噴射ヘッドによる液体の噴射を制御する制御手段を備え、
    前記移動手段により前記液体噴射ヘッドを液体着弾対象に対して相対移動させつつ往動時と復動時の双方で液体着弾対象に対する液体の噴射を行う液体噴射装置であって、
    前記制御手段は、
    片道分の噴射処理単位であるパスにおいて、液体が噴射されない状態が継続する非噴射期間が閾値以上であるか否かを判定し、
    当該非噴射期間が閾値以上であると判定されたノズルについては、当該非噴射期間以降パスの終了まで液体の噴射を実行させず、前記着弾対象から外れた位置で各ノズルから液体を噴射させる回復処理を実行した後の次回のパスで、今回のパスで実行されなかった分の噴射処理を実行することを特徴とする液体噴射装置。
  2. 前記閾値は、少なくとも最大パス処理時間の1/2以上であることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
  3. 前記閾値は、液体の種類、環境温度に応じて変更可能であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液体噴射装置。
  4. ノズルが複数列設されて成るノズル群を有し、圧力発生手段を駆動させることにより前記ノズルから液体を噴射させる液体噴射ヘッドと、
    前記圧力発生手段を駆動させる駆動パルスを発生する駆動パルス発生手段と、
    前記液体噴射ヘッドと前記着弾対象とを相対移動させる移動手段と、
    前記液体噴射ヘッドによる液体の噴射を制御する制御手段を備え、
    前記移動手段により前記液体噴射ヘッドを液体着弾対象に対して相対移動させつつ往動時と復動時の双方で液体着弾対象に対する液体の噴射を行う液体噴射装置の制御方法であって、
    片道分の噴射処理単位であるパスにおいて、液体が継続的に噴射されない非噴射期間が閾値以上であるか否かを判定し、
    当該非噴射期間が閾値以上であると判定されたノズルについては、当該非噴射期間以降パスの終了まで液体の噴射を実行させず、前記着弾対象から外れた位置で各ノズルから液体を噴射させる回復処理を実行した後の次回のパスで、今回のパスで実行されなかった分の噴射処理を実行することを特徴とする液体噴射装置の制御方法。
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