JP2003160410A - 工業用防腐防かび剤 - Google Patents

工業用防腐防かび剤

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JP2003160410A
JP2003160410A JP2001354471A JP2001354471A JP2003160410A JP 2003160410 A JP2003160410 A JP 2003160410A JP 2001354471 A JP2001354471 A JP 2001354471A JP 2001354471 A JP2001354471 A JP 2001354471A JP 2003160410 A JP2003160410 A JP 2003160410A
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acid ester
industrial
monofatty acid
fatty acid
ester
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JP2001354471A
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Shingo Honma
信吾 本間
Takahiro Amano
孝洋 天野
Kiyoshi Hirasawa
清 平沢
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Hokko Chemical Industry Co Ltd
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Hokko Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 人畜に対して毒性が少なく、少ない薬量
で、工業原材料や製品を劣化させる各種微生物の発生
を、長期間にわたって防止しうる新規な工業用防腐防か
び剤を提供する。 【解決手段】 モノ脂肪酸エステル含量が50重量%以
上であり、エステルを構成する脂肪酸炭素数が8から14
から選ばれるポリグリセリンモノ脂肪酸エステル、又
は、モノ脂肪酸エステル含量が80重量%以上であり、エ
ステルを構成する脂肪酸炭素数が8から12から選ばれる
グリセリンモノ脂肪酸エステル、又は、該ポリグリセリ
ンモノ脂肪酸エステルと該グリセリンモノ脂肪酸エステ
ルの組合せを含有する工業用防腐防かび剤を、工業原材
料や製品に塗布、噴霧又は配合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エマルジョン塗
料、油性塗料、ワックス、粘土、木材、皮革、繊維、
畳、不織布、目地、タイル、紙および樹脂等の各種工業
用原材料および製品などが、細菌、酵母、糸状菌、藻類
などにより劣化するのを防止するための新規な工業用防
腐防かび剤に関する。
【0002】
【従来の技術】工業用原材料や製品の劣化は主に細菌、
酵母、かびなどの微生物の繁殖によるものであり、これ
らを劣化から守るためには、各種の微生物の発生を非選
択的に、かつ撲滅的に防止しなければならず、防腐剤お
よび防かび剤が必要となる。工業用原材料を保存する
際、あるいは製品化する際の工業用防腐剤または防かび
剤としては、ヘキサグリセリン脂肪酸エステルまたはグ
リセリンモノ脂肪酸エステル等が使用されている。とこ
ろが、ヘキサグリセリン脂肪酸エステルまたはグリセリ
ンモノ脂肪酸エステルなどは、使用量を少なくすると効
果が弱くなったり、あるいは長期間にわたる残効性に乏
しいという問題がある。また、これまでの薬剤は、防腐
効果と防かび効果の両方の効果を充分に発揮するものが
少ない。本発明の工業用防腐防かび剤の有効成分である
ポリグリセリンモノ脂肪酸エステルは、食品添加物とし
て使用されている。そして、これらは、1種類または2
種類以上の混合物として使用されている。
【0003】また、特開平10-225281号公報には食品用
抗菌剤、特開平10-295272号公報には茶飲料の製造方法
および茶飲料、特開平10-295346号公報には食品の保存
方法および食品、特開平11-139906号公報には食器類用
の抗菌剤及び食器類等用抗菌組成物、特開平11-79988号
公報には抗真菌剤、特開平11-209260号公報には化粧料
としてポリグリセリン脂肪酸エステルを有効成分として
含有することを特徴とすることが記載されている。しか
し、グリセリン脂肪酸エステル類を工業用防腐防かび剤
として使用することについては知られていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の欠点
を解消するために、従来の薬剤に代えて、人畜に対して
毒性が少なく、少ない薬量で、工業原材料や製品を劣化
させる各種微生物の発生を、長期間にわたって防止しう
る新規な工業用防腐防かび剤を提供することを目的とす
るものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の要
望に合致した新しい工業用防腐防かび剤を開発するため
に、広範囲の化合物を種々の試験に供し、鋭意検討し
た。その結果、以下の各々の形態が各種の工業用原料、
製品の防腐防かび剤として有用であることを見いだし
た。
【0006】すなわち、本発明の要旨は以下のとおりで
ある。 (1)モノ脂肪酸エステル含量が50重量%以上であり、
エステルを構成する脂肪酸炭素数が8から14から選ばれ
るポリグリセリンモノ脂肪酸エステル、又は、モノ脂肪
酸エステル含量が80重量%以上であり、エステルを構成
する脂肪酸炭素数が8から12から選ばれるグリセリンモ
ノ脂肪酸エステル、又は、該ポリグリセリンモノ脂肪酸
エステルと該グリセリンモノ脂肪酸エステルの組合せを
含有することを特徴とする工業用防腐防かび剤。 (2)前記ポリグリセリンモノ脂肪酸エステルのポリグ
リセリンがジ、トリ、テトラ又はペンタグリセリンから
選ばれることを特徴とする(1)記載の工業用防腐防か
び剤。
【0007】本発明の工業用防腐防かび剤に用いる成
分、すなわち、グリセリンモノ脂肪酸エステル類は、後
記の試験例で明らかなように、各種の工業用原材料、製
品の微生物による劣化を防止するための防腐防かび剤と
して作用する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下本発明をさらに詳細に説明す
る。本発明の工業用防腐防かび剤は、グリセリンモノ脂
肪酸エステル類を含有する。以下、本発明の工業用防腐
防かび剤に用いるポリグリセリンモノ脂肪酸エステル及
びグリセリンモノ脂肪酸エステル、並びにこれらの組み
合わせを本発明の工業用防腐防かび剤に用いるグリセリ
ンモノ脂肪酸エステル類ということがある。
【0009】本発明に使用するグリセリンモノ脂肪酸エ
ステル類は、グリセリンモノ脂肪酸エステル類の総重量
に対して、エステルを構成する脂肪酸炭素数が8から14
から選ばれるポリグリセリンモノ脂肪酸エステルを50重
量%以上含有するもの、又は、エステルを構成する脂肪
酸炭素数が8から12から選ばれるグリセリンモノ脂肪酸
エステルを80重量%以上含有するもの、あるいは、これ
らのポリグリセリンモノ脂肪酸エステル及びグリセリン
モノ脂肪酸エステルの組合せである。「含有するもの」
とは、上記規定のモノ脂肪酸エステルの含有量が上記範
囲であればよいことを意味しており、本発明の効果を損
なわない限りにおいて、任意の成分を含んでいてもよ
い。
【0010】本発明におけるポリグリセリンモノ脂肪酸
エステルを構成する脂肪酸は、炭素数が8から14、具
体的には8,10,12,又は14である脂肪酸であ
る。また、本発明におけるグリセリンモノ脂肪酸エステ
ルを構成する脂肪酸は、炭素数が8から12、具体的に
は8,10,又は12である脂肪酸である。また、ポリ
グリセリンモノ脂肪酸エステルを構成するポリグリセリ
ンは、グリセリンの重合数が2から5であるポリグリセ
ンであることが好ましい。
【0011】本発明においては、ポリグリセリンモノ脂
肪酸エステル、又はグリセリンモノ脂肪酸エステルは、
1種を単独で用いてもよいし、上記規定のモノ脂肪酸エ
ステルの含有量が上記範囲を満たす限り、任意の2種又
は3種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0012】以下に、本発明に好適に用いることのでき
るグリセリンモノ脂肪酸エステル類を例示するが、本発
明はこれらのエステルに限定されない。
【表1】
【0013】本発明の工業用防腐防かび剤は、次の方法
で得られる。すなわち、本発明の有効成分をそのまま工
業用原材料、製品などに添加、塗布、噴霧するか、また
は適当な担体および補助剤、たとえば界面活性剤、結合
剤、安定剤などを配合して、常法によって、粉剤、水和
剤、乳剤、液剤、フロアブル剤(ゾル剤)、粒剤、エア
ゾル剤、固形剤、塗布剤などの製剤にし、使用すればよ
い。
【0014】これらの製剤中の本発明の有効成分含有量
は、単独の有効成分含量あるいは2種以上の有効成分を
用いる場合はその合計含量として、粉剤、水和剤、乳
剤、液剤、フロアブル剤、粒剤の場合は、0.1〜10
0%(重量%、以下同じ)の範囲、好ましくは、1〜50
%で含有することができる。100%の場合とは、有効
成分をそのまま用いることができることを意味する。す
なわち、本発明の有効成分は、単独または2種類以上の
有効成分を組み合わせて、そのままでも工業用原材料、
製品などに添加、塗布、噴霧して使用でき、この場合、
有効成分合計含量は100%で好ましく使用できる。
【0015】これらの製剤の使用方法は従来の方法と同
様に、製剤を各種工業製品に塗布したり添加したりする
などして用いられる。この添加量は、工業製品に塗布、
噴霧されるときは、0.001〜10%、好ましくは0.1〜5%
の範囲で使用される。また、工業製品に添加されるとき
も、これと同様な濃度となるように添加し使用される。
前記において使用できる担体としては、工業用防腐防か
び剤として常用されているものであれば、固体または液
体のいずれも使用でき、特定のものに限定されるもので
はない。 例えば、固体担体としては、鉱物性粉末(カ
オリン、ベントナイト、クレー、モンモリロナイト、珪
藻土、雲母、バーミキュライト、石膏、炭酸カルシウ
ム、リン、石灰、ホワイトカーボン、消石灰、珪砂、硫
安、尿素など)、植物性粉末(大豆粉、小麦粉、木粉、
澱粉、結晶セルロースなど)、アルミナ、珪酸塩、糖重
合体、高分散性珪酸、ワックス類などが挙げられる。
【0016】また、液体担体としては、水、アルコール
類(メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピ
ルアルコール、イソプロピルアルコール、エチレングリ
コール、ベンジルアルコールなど)、芳香族炭化水素類
(ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ク
ロルベンゼン、クメン、メチルナフタレンなど)、ハロ
ゲン化炭化水素類(クロロホルム、四塩化炭素、ジクロ
ロメタン、クロロエチレン、トリクロロフルオロメタ
ン、ジクロロジフルオロメタンなど)、エーテル類(エ
チルエーテル、エチレンオキサイド、ジオキサン、テト
ラヒドロフランなど)、ケトン類(アセトン、メチルエ
チルケトン、シクロヘキサン、メチルイソブチルケトン
など)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレ
ングリコールアセテート、ジオクチルフタレート、酢酸
アミルなど)、ニトリル類(アセトニトリル、プロピオ
ニトリル、アクリロニトリルなど)、スルホキシド類
(ジメチルスルホキシドなど)、アルコールエーテル類
(エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレング
リコールモノエチルエーテル、1−メトキシ−2−プロ
パノールなど)、アミン類(エチルアミン、ジメチルア
ミン、トリメチルアミン、イソブチルアミンなど)、脂
肪族または脂環族炭化水素類(n−ヘキサン、シクロヘ
キサンなど)、工業用ガソリン(石油エーテル、ソルベ
ントナフサなど)および石油留分(パラフィン類、灯
油、軽油など)、などが挙げられる。
【0017】また、粉剤、乳剤、水和剤、ゾル(フロア
ブル剤)、粒剤、エアゾル剤、固形剤、塗布剤などの製
剤化に対し、乳化、分散、可溶化、湿潤、発泡、拡展な
どの目的で界面活性剤が使用される。このような界面活
性剤としては、次に示されるものが挙げられるが、以下
の例示のみに限定されるものではない。 非イオン型(ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポ
リオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレ
ンソルビタンアルキルエステル、ソルビタンアルキルエ
ステルなど) 陰イオン型(アルキルベンゼンスルホネート、アルキル
スルホサクシネート、アルキルサルフェート、ポリオキ
シエチレンアルキルサルフェート、アリールスルホネー
トなど) 陽イオン型[アルキルアミン塩(ラウリルアミン、ステ
アリルトリメチルアンモニウムクロライド、アルキルジ
メチルベンジルアンモニウムクロライド)など] 両性型[カルボン酸(ベタイン型)、硫酸エステルな
ど] また、これらの他に、ポリビニルアルコール(PV
A)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、アラビ
アゴム、ポリビニルアセテート、ゼラチン、カゼイン、
アルギン酸ソーダ、など各種補助剤が使用することがで
きる。さらに必要に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤
などのような安定化剤を適量加えることができる。ま
た、本発明の工業用防腐防かび剤は、他の各種の工業用
防腐防かび剤と混合して用いることができる。
【0018】本発明の工業用防腐防かび剤を使用する
と、次のような効果がもたらされる。まず、第1に、本
発明の薬剤は、細菌、酵母、糸状菌などの各種微生物の
発生を非選択的にかつ撲滅的に阻止する。したがって、
工業用防腐防かび剤として幅広く使用できる。第2に、
少ない薬量でも強力な防腐防かび効果を示す。第3に、
少ない薬量でも高い防腐防かび効果が長期間にわたり発
揮される。第4に、人畜毒性などの問題が少ない。第5
に、工業用原材料や製品に散布、噴霧、塗布、混入など
の種々の方法で使用できるが、いずれの方法を用いても
工業用原材料や製品に悪影響を与えることはない。
【0019】本発明の工業用防腐防かび剤は上記のよう
な特徴を有しているので、次に例示するような種々の工
業用原材料や製品の防腐防かび剤として、幅広く使用す
ることができるが、例示のみに限定されるものではな
い。 (1) 水性または油性塗料の製造工程中、貯蔵中およ
び使用時における細菌、糸状菌、酵母などの生育による
腐敗問題および塗装後の塗装面における糸状菌の汚染障
害の防止。 (2) カゼイン、ポリビニルアルコール、でんぷんな
どの接着剤または糊料などの細菌、糸状菌、酵母などの
生育による腐敗問題および塗工接着面における糸状菌の
汚染障害の防止。 (3) 湿潤パルプおよびチップなどの製紙用原料の保
存中における細菌、糸状菌、酵母などの生育による品質
劣化障害の防止。 (4) 木材、合板、竹材、皮革、たたみ、目地、タイ
ルなどの加工品および材料などへの糸状菌の生育による
汚染および品質劣化障害の防止。 (5) 天然繊維、合成繊維およびこれらの混紡製品、
材料などへの糸状菌の生育による汚染および品質劣化障
害の防止。 (6) 合成エマルジョンまたはエマルジョンワックス
などへの細菌、糸状菌、酵母の生育による品質劣化障害
の防止。 (7) 界面活性剤使用製剤などにおける細菌、糸状
菌、酵母の生育による品質劣化障害の防止。 (8) 作動油剤などにおける細菌、糸状菌、酵母の生
育による品質劣化障害の防止。 (9) プラスチック、ゴムなどにおける細菌、糸状
菌、酵母の生育による品質劣化障害の防止または抗菌。 (10) 抄紙工程中の細菌、糸状菌、藻類によるスラ
イム障害のコントロール。
【0020】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
は説明するが、有効成分の配合割合、補助成分およびそ
の添加量、製剤化方法などは、以下の実施例のみに限定
されるものではない。なお、実施例において「部」とあ
るのは、すべて重量部を表す。
【実施例1】(固形剤)化合物A 100部を加温溶解
し、室温で所望の形状に固化させ有効成分100%を含
む固形剤を得る。
【実施例2】(フロアブル剤)化合物B 10部、ポリ
オキシエチレンアルキルフェニルエーテル 2部および
水 78部を、80℃に加温しホモミキサーにて30分
混合して、有効成分10%を含むフロアブル剤を得る。
【実施例3】(水和剤)化合物F 10部、ポリオキシ
エチレンアルキルフェニルエーテル 0.5部、ラウリ
ルサルフェート 7部、ホワイトカーボン 25部およ
びクレー 57.5部を混合粉砕して、有効成分10%
を含む水和剤を得る。
【実施例4】(乳剤)化合物C 1部、ジメチルスルホ
キシド 54部、メチルイソブチルケトン 40部および
ソルポール900A(東邦化学工業(株)の乳化剤の商
品名)5部を混合溶解して、有効成分1%を含む乳剤を
得る。
【実施例5】(エアゾル剤)化合物A 1.0部、およ
びエタノール 99.0部を溶解して、有効成分1.0
%を含むエアゾル剤を得る。
【0021】また、上記実施例中の有効成分を本発明の
他の有効成分に変えることにより、所望の工業用防腐防
かび剤を得ることができる。本発明の工業用防腐防かび
剤は、次のように使用される。すなわち、前記の実施例
に準じて製剤化した各種の製剤をそのまま、あるいは水
もしくは適当な有機溶媒で希釈して、(1)各種工業用
原材料中にまたは製造工程中にあるいは製品に添加する
方法、(2)各種工業用原材料や製品の表面に塗布また
は噴霧する方法、(3)各種工業用原材料や製品を本発
明の工業用防腐防かび剤の希釈溶液中に浸漬する方法な
ど、これまで一般に行われてきた工業用防腐防かび剤の
使用方法に従って、各種の方法により使用することがで
きるが、いずれも特定の方法のみに限定されるものでは
ない。
【0022】次に、本発明の工業用防腐防かび剤として
の有用性を示すために試験例を示す。 試験例1 エアゾールの防かび性試験 試験方法はJIS Z 2911(塗料)の方法に準じ
て行った。すなわち、実施例5に準じて調整した供試薬
剤を所定濃度となるように調整し、直径12.5cmの
大きさのろ紙(東洋濾紙No.2)に均一に噴霧し、室温で
48時間風乾する。この場合、ろ紙に付着する試料が、
200g/m2になるように調整する。このろ紙を直径
3cmの大きさの円形試験片とする。試験片を取り出し
てペトリ皿の寒天培地(組成:ぶどう糖 40g、ペプ
トン 10g、寒天 25gおよび精製水1000m
l)の培養面の中央に張りつけ、そしてアスペルギルス
ニゲル、ペニシリウム フニクロスム、クラドスポリ
ウム クラドスポリオイデス、グリオクラジウム ビレ
ンス、オーレオバシジウム プルランスの混合胞子懸濁
液を培地面および試験片の上に均等に噴霧接種する。ペ
トリ皿に蓋をして28±2℃の恒温器で培養し、その3
日後、7日後および14日後に試験片上のかびの生育状
態を下記の基準により調査した。なお、対照区の薬剤は
実施例5に準じて供試した。その結果は表2のとおりで
ある。なお、比較例1としてヘキサグリセリン脂肪酸エ
ステル(モノラウリン酸:モノ脂肪酸エステル含量 50
wt%)、比較例2としてグリセリンモノ脂肪酸エステル
(カプリン酸エステル:モノ脂肪酸エステル含量 50wt
%)を使用した。また、以下の表中の比較例1、2も同
じものを用いた。
【0023】調査基準 0:試験片または試料の接種した部分に菌糸の発育が認
められない。 1:試料片または試料の接種した部分に認められる菌糸
の発育部分の面積は、全面積の1/3をこえない。 2:試料片または試料の接種した部分に認められる菌糸
の発育部分の面積は、全面積の1/3をこえる。
【表2】
【0024】試験例2 不織布の防かび性試験 試験方法はJIS Z 2911の方法に準じて行った。すなわ
ち、エタノールに供試薬剤を所定濃度になるように加
え、薬液を調整する。得られた薬液に直径6cm×6c
mのフェルトを浸漬し、200g/m2になるように絞
った後、風乾し、試験片とする。試験片をビーカー10
00mlに入れ、ビーカーの底にゴム管を差し入れ、こ
れを通して水を1分間に500〜1000mlの割合で
連続して24時間注ぎ込む。試料を取り出し、5cm×
5cmに試料を調整して試験片とし、別のビーカー10
00mlに満たした精製水の中で振って洗い、更に1回
精製水を取り替えて同様にして洗う。試験片を取り出し
て精製水を切り、平板培地(硝酸アルミニウム 3.0
g、りん酸一カリウム 1.0g、硫酸マグネシウム
0.5g、塩化カリウム 0.2g、硫酸第一鉄 0.
002g、寒天 25g、精製水 1000ml)の培
養面の中央に接着するように置く。混合胞子懸濁液(ア
スペルギルス ニゲル、ペニシリウム シトリナム、ケ
トミウム グロボスム、ミロテシウム ベルカリア)を
培養面と試験片との面に均等に1ml噴霧する。ペトリ
皿に蓋をして28±2℃の恒温器で培養し、その3日
後、7日後および14日後に試験片上のかびの生育状態
を下記の基準により調査した。その結果は表3の通りで
ある。
【0025】調査基準 0:試験片または試料の接種した部分に菌糸の発育が認
められない。 1:試料片または試料の接種した部分に認められる菌糸
の発育部分の面積は、全面積の1/3をこえない。 2:試料片または試料の接種した部分に認められる菌糸
の発育部分の面積は、全面積の1/3をこえる。
【表3】
【0026】試験例3 不織布の抗菌性試験 試験方法はJIS L 1902の方法に準じて行った。すなわ
ち、エタノールに供試薬剤を所定濃度となるよう加え、
薬液を調整する。得られた薬液に直径6cm×6cmの
フェルトを浸浸し、200g/m2になるように絞った
後、風乾し、試験片とする。試験片を1cm×1cmに
調整し、混釈平板培地(組成:肉エキス5g、ペプトン
10g、塩化ナトリウム 5g、寒天粉末 15g、
精製水1000ml)の中央に、培地の表面にきずを付
けないように軽く置いて密着させる。シャーレを倒置し
て37℃±1℃で24〜48時間培養後下記の基準によ
り調査した。試験菌は、黄色ブドウ球菌及び大腸菌を使
用した。その結果は表4のとおりである。 調査基準 +:ハローが認められる。 −:ハローが認められない。 なお、ハローとは、繊維製品に加工した薬剤が、平板培
地中に拡散し、培養後に細菌の増殖が阻止された試料の
周囲の透明な部分である。
【表4】
【0027】試験例4 床の防腐防かび効果試験 実施例2に準じて調整したフロアブル剤を、水で10倍
に希釈した後、床面に100ml/m2噴霧し1日後、
2日後および3日後にスタンプアガーにより菌を採集し
た後、寒天平板(組成:肉エキス 5g、ペプトン 1
0g、塩化ナトリウム 5g、寒天粉末 15g、精製
水 1000ml)上で培養し、菌の有無を下記の基準
により調査した。その結果は表5のとおりである。な
お、対照区の薬剤は実施例5に準じて調整して、供試し
た。その結果は表5のとおりである。 調査基準 −:菌の発生が認められない。 +:菌の発生が認められる。
【表5】
【0028】
【発明の効果】本発明により、人畜に安全であり、ま
た、少ない使用量で長期にわたって、工業用原材料また
は製品を劣化させる各種微生物の発生を防止する工業用
防腐防かび剤が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平沢 清 神奈川県厚木市森の里3−8 セントラル ビューハイツ2−305 Fターム(参考) 4H011 AA02 AA03 BA01 BB06 BC03 BC05 BC07 BC18 DA15 DA16 DA21 DC05 DD07 DE15 DE17

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モノ脂肪酸エステル含量が50重量%以上
    であり、エステルを構成する脂肪酸炭素数が8から14か
    ら選ばれるポリグリセリンモノ脂肪酸エステル、又は、
    モノ脂肪酸エステル含量が80重量%以上であり、エステ
    ルを構成する脂肪酸炭素数が8から12から選ばれるグリ
    セリンモノ脂肪酸エステル、又は、該ポリグリセリンモ
    ノ脂肪酸エステルと該グリセリンモノ脂肪酸エステルの
    組合せを含有することを特徴とする工業用防腐防かび
    剤。
  2. 【請求項2】 前記ポリグリセリンモノ脂肪酸エステル
    のポリグリセリンがジ、トリ、テトラ又はペンタグリセ
    リンから選ばれることを特徴とする請求項1記載の工業
    用防腐防かび剤。
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JP2007254349A (ja) * 2006-03-23 2007-10-04 Kao Corp 殺菌剤組成物
JP2008100965A (ja) * 2006-10-20 2008-05-01 Kao Corp バイオフィルム生成抑制剤組成物
JP2013170146A (ja) * 2012-02-21 2013-09-02 Earth Chemical Co Ltd 有害生物防除剤及び有害生物防除方法
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