JP2003141948A - 微細金属構造体の形成方法とそれを用いたセラミックパッケージ、マルチチップ用基板およびプラズマディスプレイパネル用基板 - Google Patents

微細金属構造体の形成方法とそれを用いたセラミックパッケージ、マルチチップ用基板およびプラズマディスプレイパネル用基板

Info

Publication number
JP2003141948A
JP2003141948A JP2001341137A JP2001341137A JP2003141948A JP 2003141948 A JP2003141948 A JP 2003141948A JP 2001341137 A JP2001341137 A JP 2001341137A JP 2001341137 A JP2001341137 A JP 2001341137A JP 2003141948 A JP2003141948 A JP 2003141948A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
forming
metal structure
fine metal
structure according
metal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001341137A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4257566B2 (ja
Inventor
Masatoshi Mashima
正利 真嶋
Jun Yoda
潤 依田
Hideki Kashiwabara
秀樹 柏原
Keiji Koyama
惠司 小山
Hideaki Toshioka
英昭 年岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority to JP2001341137A priority Critical patent/JP4257566B2/ja
Publication of JP2003141948A publication Critical patent/JP2003141948A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4257566B2 publication Critical patent/JP4257566B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Parts Printed On Printed Circuit Boards (AREA)
  • Manufacturing Of Printed Wiring (AREA)
  • Conductive Materials (AREA)
  • Manufacturing Of Electric Cables (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 導体回路や金属部品等として良好な特性を有
する微細金属構造体を形成する方法と、それを用いた、
それぞれこれまでよりも良好な特性を有するセラミック
パッケージ、マルチチップ用基板およびPDP用基板と
を提供する。 【解決手段】 微細金属構造体の形成方法は、平均粒径
が400nm以下の金属粉末を導電成分として含む導電
ペーストを、所定の形状にパターン形成して微細金属構
造体を得る。セラミックパッケージ、マルチチップ用基
板およびPDP用基板は、上記の方法によって導体回路
を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導体回路や金属部
品等の、所定の平面形状、立体形状を有する微細金属構
造体の形成方法と、それを用いたセラミックパッケー
ジ、マルチチップ用基板およびプラズマディスプレイパ
ネル(以下「PDP」と略称する)用基板とに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】セラミッ
クパッケージ、マルチチップ用基板およびPDP用基板
等における導体回路の形成方法としては、導電ペースト
を用いたスクリーン印刷法が広く利用されている。導電
ペーストは、導電成分としての金属粉末を、樹脂等の結
着剤、および溶媒とともに所定の割合で配合して製造さ
れる。また、例えば液状硬化性樹脂等の液状の結着剤を
用いて溶媒を省略した導電ペーストもある。さらにスク
リーン印刷後、焼成により結着剤を除去して導体回路を
形成する場合には、導電ペーストに、焼成後に新たな結
着剤として機能するガラス粉末を配合することも行われ
る。
【0003】セラミックパッケージにおいては、LSI
をはじめとする半導体チップの、近年のさらなる高集積
化、微細化、多層化に対応するため、ビルドアップ工法
による多層化、高密度化が進んでいる。すなわちセラミ
ックグリーンシート上に、上記スクリーン印刷法によっ
て、導電ペーストを導体回路の形状にパターン形成した
ものを複数層、積層したのち、およそ1500℃で焼成
することで、導体回路が多層化されたセラミックパッケ
ージが製造される。
【0004】しかし従来の導電ペーストを用いた場合、
より多層化すべくこれまでよりも導体回路や、セラミッ
クグリーンシートからなる絶縁層を薄肉化しようとする
と、下記の問題が生じる。すなわち従来の導電ペースト
中に含まれる金属粉末は、その平均粒径がおよそ1μm
以上と大きいため、(1) 導体回路を薄肉化しようとす
ると、個々の導体回路において均一でかつ良好な導電性
が得られなくなる傾向がある、(2) 薄肉化した絶縁層
に、金属粉末の粒子形状によって導体回路の表面に生じ
た突起の影響で薄肉部が発生して、回路の短絡や回路間
でのクロストークが発生するおそれがある、といった問
題がある。
【0005】またマルチチップ基板やPDP用基板にお
いては、小型化、薄膜化、高密度化、そして高信頼性に
対する要求が高まっており、それに伴って導体回路のパ
ターン加工技術の向上が望まれている。とくにPDP用
基板においては、対角が20インチから40インチ程度
という、通常のマルチチップ基板などと比べて著しく大
型のガラス基板の全面に、電極として、高精度でかつ薄
肉の導体回路を形成する必要がある。
【0006】たとえばカラー表示に適した3電極構造の
面放電型のPDPにおいては、一対のガラス基板のうち
の一方に、当該ガラス基板の1辺の長さにほぼ相当す
る、互いに平行な一対の、長尺帯状の表示電極を、ディ
スプレイの画素のサイズ内で隣接させて電極対を形成す
るとともに、かかる電極対を、ディスプレイの1方向に
含まれる画素の数だけ平行に配列する必要がある。また
上記ガラス基板と僅少な間隔を介して配置される他方の
ガラス基板上には、上記電極対と直交させて、ガラス基
板のもう1辺の長さにほぼ相当する長尺帯状のアドレス
電極を、ディスプレイの他方向に含まれる画素の数だけ
平行に配列する必要がある。
【0007】従来のPDP用基板は、これらの電極を、
Agペーストなどの導電ペーストを用いたスクリーン印
刷法によって形成したのち、焼成することで製造され
る。しかし従来の導電ペーストを用いた場合には、焼成
温度を高くしないと、抵抗値の低い、導電性の高い電極
を形成することができず、製造コストが高くつく上、冷
却時の熱収縮に起因する精度低下が避けられないという
問題がある。またPDP用基板においては、上記のよう
に僅少な間隔を介して配置される一対のガラス基板の、
表示電極とアドレス電極との対向距離が一定であること
が求められる。しかし従来の導電ペースト中に含まれる
金属粉末は、その平均粒径がおよそ1μm以上と大きい
ため、かかる導電ペーストを用いて形成した電極には、
金属粉末に起因する凹凸が生じやすい。そして、突起の
部分が対向電極と接触したり、あるいは接触しないまで
も必要以上に近接して、素子の動作時に絶縁破壊を生じ
たりしやすいという問題もある。
【0008】さらに近時、LSIをはじめとする半導体
チップ用の機能部品や、あるいはマイクロマシンの部品
などとして、厚みがおよそ100μm程度で、かつサブ
ミクロンオーダーの微細な立体形状を有する金属部品が
実用化されつつある。かかる金属部品の製造方法とし
て、導電ペーストを、金属部品の形状に対応した型内に
充てんしてパターン形成したのち、焼成する方法が検討
されている。しかしこの方法に従来の導電ペーストを用
いた場合には、前記のように導電成分としての金属粉末
の粒径が大きいため、形成される金属部品の結晶粒径が
大きくなり、したがって結晶粒界も大きくなって、金属
としての物理的、機械的な特性が低下するという問題が
ある。
【0009】本発明の目的は、導体回路や金属部品等と
して良好な特性を有する微細金属構造体を形成する方法
と、それを用いた、それぞれこれまでよりも良好な特性
を有するセラミックパッケージ、マルチチップ用基板お
よびPDP用基板とを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
平均粒径が400nm以下の金属粉末を導電成分として
含む導電ペーストを、所定の形状にパターン形成して微
細金属構造体を得ることを特徴とする微細金属構造体の
形成方法である。請求項1の構成では、上記のように従
来の導電ペーストよりも平均粒径の小さい微細な金属粉
末を含む導電ペーストを用いて、導体回路や金属部品等
の微細金属構造体を製造することができる。
【0011】したがって、例えば微細金属構造体がセラ
ミックパッケージの導体回路である場合には、前記のよ
うな種々の問題を生じることなしに、当該導体回路、お
よび絶縁層をこれまでよりもさらに薄肉化して、セラミ
ックパッケージのさらなる高集積化を図ることができ
る。また平均粒径が400nm以下という微細な金属粉
末は、これまでよりも低温での焼成によって、より抵抗
値の低い、導電性の高い導体回路を形成することができ
る。また導体回路を薄肉化することもできる。
【0012】したがって微細金属構造体がマルチチップ
用基板の導体回路やPDP用基板の電極としての導体回
路である場合は、焼成温度を低くすることで、冷却時の
熱収縮による精度低下を抑えて、これらの導体回路をよ
り高精度に、しかもこれまでよりも薄肉に形成すること
ができる。また導体回路の表面をこれまでよりも平滑に
して、絶縁は回答の発生を防止することもできる。さら
に微細金属構造体が金属部品である場合は、その結晶粒
径を小さく、したがって結晶粒界を小さくして、金属と
しての物理的、機械的な特性を向上することができる。
すなわち物理的、機械的な特性を、金属の圧延材のそれ
に近づけることができる。
【0013】請求項2記載の発明は、微細金属構造体が
導体回路であり、絶縁基体上にパターン形成した導電ペ
ーストを焼成して形成する請求項1記載の微細金属構造
体の形成方法である。請求項2の構成では、従来と同様
の工程により、前記のようにセラミックパッケージ、マ
ルチチップ用基板、PDP用基板等用として優れた特性
を有する導体回路を形成することができる。
【0014】なお焼成の温度は、300〜1480℃で
あるのが好ましい。焼成温度が300℃未満では、たと
え平均粒径が400nm以下という微小な金属粉末を使
用しても、抵抗値の低い、導電性の高い導体回路を形成
できないおそれがあり、逆に1480℃を超えると、前
述した、冷却時の熱収縮による精度低下を生じるおそれ
がある。したがって請求項3記載の発明は、焼成温度が
300〜1480℃である請求項2記載の微細金属構造
体の形成方法である。
【0015】また印刷方法としては、従来同様にスクリ
ーン印刷法が好適に採用される。よって請求項4記載の
発明は、スクリーン印刷法によって導電ペーストをパタ
ーン形成する請求項2記載の微細金属構造体の形成方法
である。請求項5記載の発明は、微細金属構造体が、サ
ブミクロンオーダーの立体形状を有する金属部品であ
り、導電ペーストを、金属部品の形状に対応した型内に
充てんしてパターン形成したのち焼成して形成する請求
項1記載の微細金属構造体の形成方法である。
【0016】請求項5の構成では、従来と同様の工程に
より、前記のように半導体チップ用の機能部品やマイク
ロマシンの部品などとして優れた特性を有する金属部品
を形成することができる。なお焼成の温度は、300〜
1480℃であるのが好ましい。焼成温度が300℃未
満では、金属粉末を十分に焼成、一体化できないおそれ
があり、逆に1480℃を超えてもそれ以上の効果が得
られないだけでなく、冷却時の熱収縮による精度低下を
生じるおそれもある。
【0017】したがって請求項6記載の発明は、焼成温
度が300〜1480℃である請求項5記載の微細金属
構造体の形成方法である。請求項7記載の発明は、金属
粉末を、固形分中に50重量%以上の割合で含む導電ペ
ーストを用いる請求項1記載の微細金属構造体の形成方
法である。金属粉末の、全固形分すなわち金属粉末と結
着剤との総量に占める割合が50重量%未満では、とく
に焼成によって結着剤を除去する際の寸法変化が大きく
なって、寸法精度の高い微細金属構造体を形成できない
おそれがある。
【0018】請求項8記載の発明は、導電成分として、
粒径分布の標準偏差の80%が、平均粒径の±60%以
内にある金属粉末を用いる請求項1記載の微細金属構造
体の形成方法である。上記のように粒径分布の揃った金
属粉末を用いることによって、さらに良好な特性を有す
る微細金属構造体を形成できる。金属粉末としては、そ
れぞれの微細金属構造体において通常に使用される材料
からなるものが好ましい。
【0019】したがって請求項9記載の発明は、導電成
分として、Ni、Fe、Co、Ag、Au、Pt、C
u、In、Ir、Re、Rh、およびPdからなる群よ
り選ばれた1種の金属または2種以上の金属の合金によ
って形成された金属粉末を用いる請求項1記載の微細金
属構造体の形成方法である。請求項10記載の発明は、
導電成分として、金属イオンと還元剤とを液中で反応さ
せることで、液中に析出させて形成した金属粉末を用い
る請求項1記載の微細金属構造体の形成方法である。
【0020】平均粒径が400nm以下である金属粉末
は、気相法、液相法等の種々の方法によって製造するこ
とができる。しかし上記の還元析出法によれば、個々の
粒径が揃っており、粒度分布がシャープな金属粉末を形
成できる。これは、還元反応が系中で均一に進行するた
めである。よって請求項10の構成によれば、さらに良
好な特性を有する微細金属構造体を形成することができ
る。
【0021】請求項11記載の発明は、還元剤として3
価のチタン化合物を用いる請求項10記載の微細金属構
造体の形成方法である。還元析出法に使用する還元剤と
しては、種々の化合物が考えられる。しかしその中でも
三塩化チタンなどの3価のチタン化合物を用いた場合に
は、金属粉末を析出、形成した後の溶液を、電解再生に
よって繰り返し、金属粉末の製造に利用可能な状態に再
生できるという利点がある。
【0022】請求項12記載の発明は、導電成分とし
て、液中に析出した多数の金属粉末が鎖状に繋がれた集
合体を用いる請求項10記載の微細金属構造体の形成方
法である。かかる金属粉末の集合体は、上記のように鎖
状を呈するため、個々の粉末間の接触抵抗を小さくする
ことができる。また比表面積が大きいため、導電ペース
ト中に均一に分散しやすい上、鎖が適度に枝分かれした
構造を有しているため良好な導電ネットワークを形成で
きる。したがって、例えばAg、Cu等よりも導電性の
低い金属からなる金属粉末を使用して、なおかつAg、
Cu等で形成されたものとほぼ同等の高い導電性を有す
る導体回路を形成することができる。
【0023】また上記集合体によれば、枝分かれした鎖
が絡み合った強固な構造を形成できるので、物理的、機
械的な特性に優れた金属部品を形成することもできる。
なお集合体の鎖の径は、1μm以下であるのが好まし
い。鎖の径が1μmを超える場合には、当該鎖を形成す
る金属粉末の平均粒径を400nm以下に限定したこと
による前述した請求項1記載の発明の効果が得られない
おそれがある。よって請求項13記載の発明は、集合体
の鎖の径が1μm以下である請求項12記載の微細金属
構造体の形成方法である。
【0024】請求項14記載の発明は、導電成分とし
て、Cu(I)アンミン錯イオンを含む溶液のpHを低下
させることで金属Cuを超微粒子状に析出させて得たC
u粉末を用いる請求項1記載の微細金属構造体の形成方
法である。金属粉末がCu粉末である場合には、上記の
方法を採用することで、より安全に、しかも高純度でか
つ粒径の小さいCu粉末を製造できる。したがって請求
項14の構成によれば、さらに良好な特性を有する微細
金属構造体を形成することができる。
【0025】請求項15記載の発明は、請求項2記載の
微細金属構造体の形成方法によって導体回路を形成した
ことを特徴とするセラミックパッケージである。請求項
15の構成によれば、前記のように導体回路、および絶
縁層をこれまでよりもさらに薄肉化して、セラミックパ
ッケージのさらなる高集積化を図ることができる。請求
項16記載の発明は、請求項2記載の微細金属構造体の
形成方法によって導体回路を形成したことを特徴とする
マルチチップ用基板である。
【0026】また請求項17記載の発明は、請求項2記
載の微細金属構造体の形成方法によって導体回路を形成
したことを特徴とするPDP用基板である。請求項1
6、17の構成によれば、焼成温度を低くして、冷却時
の熱収縮による精度低下を抑えることで、マルチチップ
用基板やPDP用基板の高精度化、薄肉化を図ることが
できる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を説明する。 〈導電ペースト〉微細金属構造体のもとになる導電ペー
ストは、導電成分として、平均粒径が400nm以下の
金属粉末を含有している。 (金属粉末)金属粉末としては、上記のように平均粒径
が400nm以下のものを用いる必要がある。この理由
は先に述べたとおりである。なお、より良好な特性を有
する導体回路や金属部品等の微細金属構造体を形成する
ことを考慮すると、金属粉末の平均粒径は、上記の範囲
内でもとくに100nm以下であるのが好ましい。ま
た、導電ペースト中での金属粉末の凝集を防止して、導
電ペースト中に金属粉末を均一に分散させることで、特
性が均一な微細金属構造体を形成することを考慮する
と、金属粉末の平均粒径は、上記の範囲内でもとくに1
0nm以上であるのが好ましい。
【0028】また金属粉末は、粒径分布の標準偏差の8
0%が、平均粒径の±60%以内にあるものを用いるの
が好ましい。この理由も先に述べたとおりである。また
金属粉末としては、不純物の量が100ppm以下であ
るものを用いるのが好ましい。不純物の量が100pp
m伊香である金属粉末を用いることで、さらに良好な特
性を有する微細金属構造体を形成できる。たとえば導体
回路の場合は、導電性低下の原因となる不純物の量を上
記の範囲以下に抑えることによって、より抵抗値の低
い、導電性の高い導体回路を形成することができる。ま
た金属部品の場合は、選択的に結晶粒界に析出して結晶
粒間の強度低下の原因となる不純物の量を上記の範囲以
下に抑えることによって、金属としての物理的、機械的
な特性をさらに向上することができる。
【0029】金属粉末としては、それぞれの微細金属構
造体において通常に使用される材料からなるものが好ま
しく、とくにNi、Fe、Co、Ag、Au、Pt、C
u、In、Ir、Re、Rh、およびPdからなる群よ
り選ばれた1種の金属または2種以上の金属の合金によ
って形成された金属粉末が好ましい。金属粉末は、先に
述べたように還元析出法によって形成するのが好まし
い。還元析出法においては、まず還元剤、例えば三塩化
チタンなどの3価のチタン化合物と、例えばクエン酸三
ナトリウム等とを溶解させた溶液(以下「還元剤溶液」
とする)に、アンモニア水等を加えてpHを9〜10に
調整する。これにより、3価のチタンイオンが錯化剤と
してのクエン酸と結合して配位化合物を形成して、Ti
(III)からTi(IV)に酸化する際の活性化エネルギーが
低くなり、還元電位が高くなる。具体的には、Ti(II
I)とTi(IV)との電位差が1Vを超える。この値は、N
i(II)からNi(0)への還元電位や、Fe(II)からFe
(0)への還元電位などに比べて著しく高い値である。よ
って、これらの金属よりも還元電位の小さい各種の金属
のイオンを効率よく還元して、金属粉末を析出、形成す
ることができる。
【0030】次に上記の還元剤溶液に、1種または2種
以上の金属のイオンを含む溶液を加える。そうすると、
Ti(III)が還元剤として機能して、自身がTi(IV)に
酸化する際に、金属のイオンを還元して液中に析出させ
る。すなわち液中に、上記金属単体または合金からなる
金属粉末が析出、形成される。形成された金属粉末は個
々の粒径が揃っており、粒度分布がシャープである。こ
れは、還元反応が系中で均一に進行するためである。し
たがってかかる金属粉末によれば、良好な特性を有する
微細金属構造体を形成することができる。
【0031】金属粉末を析出させた後の還元剤溶液は、
前記のように電解再生を行うことで、何度でも繰り返
し、還元析出法による鎖状の金属粉末の製造に利用する
ことができる。すなわち、金属粉末を析出させた後の還
元剤溶液を電解槽に入れるなどして電圧を印加すること
で、Ti(IV)をTi(III)に還元してやれば、再び電解
析出用の還元剤溶液として使用することができる。これ
は、電解析出時にチタンイオンが殆ど消費されない、つ
まり析出させる金属とともに析出されないためである。
チタンイオンの析出量は、金属粉末の総量の100pp
m以下である。
【0032】金属粉末が、常磁性を有する金属単体、常
磁性を有する2種以上の金属の合金、常磁性を有する金
属と他の金属との合金、もしくは常磁性を有する金属を
含む複合体のいずれかであると、析出した金属粉末が磁
力によって鎖状に繋がれて集合体を形成する。かかる集
合体の具体例としては、下記(a)〜(e)のいずれか1種、
もしくは2種以上の混合物などが挙げられる。 (a) 常磁性を有する金属単体、常磁性を有する2種以
上の金属の合金、または常磁性を有する金属と他の金属
との合金から形成したサブミクロンオーダーの金属粉末
を、自身の磁性によって多数個、鎖状に繋がらせた集合
体。 (b) 上記(a)の集合体の表面にさらに、常磁性を有する
金属単体、常磁性を有する2種以上の金属の合金、また
は常磁性を有する金属と他の金属との合金からなる金属
層を析出させて、金属粉末粒間を強固に結合した集合
体。 (c) 上記(a)または(b)の集合体の表面にさらに、A
g、Cu、Alなどの他の金属や合金からなる金属層を
析出させて、金属粉末間を強固に結合した集合体。 (d) 常磁性を有する金属単体、常磁性を有する2種以
上の金属の合金、または常磁性を有する金属と他の金属
との合金から形成した粒状の芯材の表面を、他の金属や
合金で被覆して複合体を得、この複合体を金属粉末とし
て、芯材の磁性によって多数個、鎖状に繋がらせた集合
体。 (e) 上記(d)の集合体の表面にさらに、他の金属や合金
からなる金属層を析出させて、金属粉末間を強固に結合
した集合体。
【0033】上記のうち常磁性を有する金属単体、常磁
性を有する2種以上の金属の合金、または常磁性を有す
る金属と他の金属との合金によって形成される金属粉末
またはその集合体の全体、もしくは常磁性を有する金属
を含む複合体によって形成される金属粉末またはその集
合体のうち、常磁性を有する金属を含む部分は、前述し
た還元析出法によって、その形成材料である常磁性を有
する金属のイオンを含む溶液に還元剤を加えることで、
液中に析出させて形成するのが好ましい。
【0034】これにより、最初から複数の金属粉末が鎖
状に繋がった集合体が形成されるので、各金属粉末間の
接触抵抗を低減することができる。金属粉末や芯材等を
形成する、常磁性を有する金属または合金としては、前
記のうちNi、Fe、Coのいずれか1種や、これらの
うち2種以上の合金等が挙げられ、特にNi単体やNi
−Fe合金(パーマロイ)等が好適に使用される。かか
る金属や合金にて形成した金属粉末は、鎖状に繋がる際
の磁気的な相互作用が強いため、各金属粉末間の接触抵
抗を低減する効果に優れている。
【0035】また上記の、常磁性を有する金属や合金と
ともに複合体を形成する他の金属としては前記Ag、C
u、Alなどのうち、特に導電率が高いことからAgが
好適に使用される。複合体のうち、上記他の金属で形成
される部分は、例えば無電解めっき法、電解めっき法、
還元析出法、真空状着法などの種々の方法によって形成
できる。多数の金属粉末が鎖状に繋がった集合体の、鎖
の径は1μm以下であるのが好ましい。この理由は前述
したとおりである。
【0036】なお鎖の径は、金属粉末の粒径を小さくし
たことによる効果をより有効なものとするために、50
0nm以下であるのがさらに好ましい。ただし、鎖の径
が小さすぎると、導電ペーストを製造する際や、印刷す
る際、型に充てんする際の応力程度で簡単に切れてしま
うおそれがある。したがって鎖の径は10nm以上であ
るのが好ましい。金属粉末がCu粉末である場合、かか
るCu粉末は、Cu(I)アンミン錯イオンを含む溶液の
pHを低下させることで金属Cuを超微粒子状に析出さ
せて形成するのが好ましい。
【0037】この方法は、溶液が塩基性の状態では安定
なCu(I)アンミン錯体が、溶液を酸性の状態にすると
不安定化して、錯体中のCu(I)イオン(Cu1+)がC
u(II)イオン(Cu2+)と金属Cu(Cu)とに不均化分
解反応する結果、溶液中に金属Cuが析出することを利
用したものである。この方法によれば、還元析出法にお
いて還元剤として用いる、危険物であるヒドラジンやヒ
ドラジン化合物を使用せずに、より安全にCu粉末を製
造できる。したがって厳重な安全管理を施した生産設備
や保管設備などが不要となる。
【0038】またCu(I)アンミン錯イオンを含む溶液
は、例えば硫酸Cu(II)とアンモニアと硫酸アンモニア
とを含む溶液に金属Cuを加えて、無酸素条件下で反応
させて製造するが、次工程で金属Cuを析出させてCu
粉末を得た後のCu(II)イオンを含む溶液は、再びCu
(I)アンミン錯イオンを含む溶液を製造する際の出発原
料として再利用できる。つまり溶液は、ほぼ半永久的に
使用できることになる。
【0039】したがってCu粉末の製造コストを、これ
までよりもさらに引き下げることが可能となる。また上
に述べたCu(I)アンミン錯イオンを含む溶液の製造工
程から、金属Cuを析出させてCu粉末を製造する工程
までの全工程において、リン酸塩などの、Cuと共析す
るおそれのある元素を含む成分を添加する必要がない。
しかも不均化分解反応の条件を調整して、金属Cuの析
出速度を速くすればするほど、不純物の混入量を低減す
ることができる。
【0040】したがって、例えばCu(I)アンミン錯イ
オンを含む溶液の製造に、リサイクルCuなどの、純度
の低い、そして安価な金属Cuを使用しても、Cu粉末
の純度を高純度に維持することが可能となる。また上記
不均化分解反応を、例えばかく拌下で行うことにより、
金属Cuの析出を溶液中でほぼ均一に進行させることが
できるため、生成したCu粉末は、複数の粒子間で粒径
がほぼ揃ったものとなる。
【0041】しかもかく拌下で不均化分解反応を行う
と、個々の粒子の、特定の部分のみに金属Cuが選択的
に析出するのを防止して、粒子の成長を、全方向にわた
って平均化できるため、生成したCu粉末は、その形状
がほぼ球形に揃ったものとなる。 (結着剤)金属粉末とともに導電ペーストを形成する結
着剤としては、導電ペースト用の結着剤として従来公知
の種々の化合物がいずれも使用可能である。かかる結着
剤としては、例えば熱可塑性樹脂や硬化性樹脂、液状硬
化性樹脂などが挙げられる。特に好ましくはアクリル系
樹脂、フッ素系樹脂、フェノール系樹脂等が挙げられ
る。
【0042】(導電ペースト)導電ペーストは、金属粉
末と結着剤とを、適当な溶媒とともに所定の割合で配合
して製造される。また、前記のように液状硬化性樹脂等
の液状の結着剤を用いて溶媒を省略してもよい。かかる
導電ペーストによれば、前記のように平均粒径の小さい
金属粉末の機能によって、これまでよりも良好な特性を
有する導体回路や金属部品などの微細金属構造体を形成
することができる。
【0043】上記各成分の配合割合は特に限定されない
が、固形分、すなわち金属粉末と結着剤との総量に占め
る金属粉末の割合は、50重量%以上であるのが好まし
い。この理由は先に述べたとおりである。なお、焼成に
よって結着剤を除去する際の寸法変化を小さくして、さ
らに寸法精度の高い微細金属構造体を形成することを考
慮すると、金属粉末の割合は、上記の範囲内でもとくに
70重量%以上であるのがさらに好ましい。ただし、金
属粉末の割合が多すぎると、相対的に結着剤の割合が不
足して、微細金属構造体の、焼成前の前駆体が所定の形
状を維持できなくなったり、あるいは導体回路の場合は
絶縁基体から簡単にはく落したりすおそれがある。よっ
て導電ペーストにおける、全固形分中に占める金属粉末
の割合は、95重量%以下であるのがさらに好ましい。
【0044】〈導体回路の形成〉微細金属構造体が、セ
ラミックパッケージ、マルチチップ用基板およびPDP
用基板などを構成する導体回路である場合は、上記の導
電ペーストを絶縁基体上にパターン形成したのち焼成し
て形成される。例えばセラミックパッケージの場合は、
従来同様にセラミックグリーンシート上に、上記の導電
ペーストを、スクリーン印刷法等の印刷法によって導体
回路の形状にパターン形成したものを複数層、用意す
る。そしてこれらを積層したのち、およそ1500℃で
焼成することで、導体回路が多層化されたセラミックパ
ッケージが製造される。
【0045】また、マルチチップ用基板やPDP用基板
なども従来同様に、前記の導電ペーストを、スクリーン
印刷法等の印刷法によって絶縁基体上にパターン形成し
たのち乾燥させ、また結着剤が硬化性樹脂である場合は
これを硬化させることで、前駆体を形成する。そしてこ
の前駆体を焼成して結着剤を分解、除去するとともに、
金属粉末を焼結させることで導体回路が形成される。こ
の際の焼成の温度は、先に説明したように300〜14
80℃であるのが好ましい。この温度内で焼成すること
により、冷却時の熱収縮による精度低下のない高精度
の、しかも抵抗値の低い、導電性の高い導体回路を形成
することができる。なお焼成温度のより好ましい範囲は
400〜1200℃である。
【0046】〈金属部品の形成〉微細金属構造体が金属
部品である場合は、まず前記の導電ペーストを、樹脂型
などの、金属部品の形状に対応した型内に充てんしたの
ち乾燥させ、また結着剤が硬化性樹脂である場合はこれ
を硬化させることでパターン形成する。そしてこのパタ
ーン形成した前駆体を焼成して結着剤を分解、除去する
とともに、金属粉末を焼結させることで導体回路が形成
される。
【0047】この際の焼成の温度は、先に説明したよう
に300〜1480℃であるのが好ましい。この温度内
で焼成することにより、冷却時の熱収縮による精度低下
のない高精度の、しかも金属粉末が十分に焼成、一体化
された、金属の圧延材に匹敵する良好な特性を有する金
属部品を形成することができる。なお焼成温度のより好
ましい範囲は400〜1200℃である。
【0048】
【実施例】以下に本発明を、実施例、比較例に基づいて
説明する。 実施例1 〈導電ペーストの調製〉金属粉末としては、平均粒径が
100nmであるAg粉末を用いた。そしてこのAg粉
末80重量部と、結着剤としての液状のフェノール樹脂
20重量部とを混合して導電ペーストを調製した。
【0049】〈PDP用基板の形成〉表面を十分に洗浄
した対角20インチのガラス基板の片面に、スクリーン
印刷法によって、上記導電ペーストを、塗布厚みが10
μmとなるように、PDPのアドレス電極の形状にパタ
ーン形成した後、100℃で1時間、加熱してフェノー
ル樹脂を硬化させて、導体回路のもとになる前駆体を形
成した。次に、この前駆体を形成したガラス基板を、窒
素雰囲気中で、200℃/時間の昇温速度で600℃ま
で昇温し、600℃で20分間、加熱して焼成すること
で、フェノール樹脂を分解、除去するとともにAg粉末
を焼結させて、上記アドレス電極としての導体回路を形
成した。
【0050】得られた導体回路の体積固有抵抗を測定し
たところ、2.0μΩ・cmであって、高い導電性を有
することが確認された。また断線等は確認されず、導体
回路の断面形状も凹凸等のないきれいな形状であった。
また上記導体回路の表面の中心線平均粗さRaを、光学
式干渉計(ZYGO社製)を用いて測定したところ0.
01μm未満であって、導体回路の表面は極めて平滑で
あることが確認された。
【0051】実施例2 〈Cu粉末の形成〉硫酸銅(II)と、アンモニアと、硫酸
アンモニウムとを純水に加えて、各成分が下記の濃度で
含まれた溶液を調製した。 (成 分) (濃 度) 硫酸銅(II) 0.5M アンモニア 5.0M 硫酸アンモニウム 1.0M 次にこの溶液1リットルに、過剰量(約10g)の銅線
(直径2mm)を浸漬し、窒素バブリングして溶存酸素
を除去した。
【0052】次にこの溶液を、酸素が混入しないように
気密性の高い容器内でかく拌しながら25℃で24時
間、反応させて、Cu(I)アンミン錯イオンを含む溶液
を製造した。次にこの溶液の液温を25℃に維持してか
く拌しつつ、20%硫酸溶液100ミリリットルを加え
て不均化分解反応させて、溶液中に金属銅を析出させる
ことで、Cu粉末を生成させた。この際、溶液のpH
の、単位時間あたりの低下速度ΔpH/秒は0.25と
した。
【0053】次に、生成したCu粉末を溶液からロ別
し、純水で洗浄後、乾燥した。得られたCu粉末の粒径
と粒子形状を、走査型電子顕微鏡によって観察したとこ
ろ、その粒径がほぼ揃っているとともに、粒子形状も球
形にほぼ揃っていることが確認された。また写真に写っ
たCu粉末の平均粒径を測定したところ30nmであっ
た。また写真から、Cu粉末の粒径分布を求めたとこ
ろ、標準偏差の80%が、平均粒径の±50%以内に入
っていた。
【0054】さらに得られたCu粉末の純度をICP質
量分析法によって測定したところ99.96%であっ
た。 〈導電ペーストの調製〉金属粉末として、上記で形成し
たCu粉末を同量、使用したこと以外は実施例1と同様
にして導電ペーストを調製した。 〈PDP用基板の形成〉上記の導電ペーストを使用した
こと以外は実施例1と同様にして、ガラス基板の表面
に、アドレス電極としての導体回路を形成した。
【0055】得られた導体回路の体積固有抵抗を測定し
たところ、2.1μΩ・cmであって、高い導電性を有
することが確認された。また断線等は確認されず、導体
回路の断面形状も凹凸等のないきれいな形状であった。
また上記導体回路の表面の中心線平均粗さRaを、光学
式干渉計(ZYGO社製)を用いて測定したところ0.
01μm未満であって、導体回路の表面は極めて平滑で
あることが確認された。
【0056】実施例3 〈Ni粉末の形成〉三塩化チタンとクエン酸三ナトリウ
ムとを純水に加えて、両成分が下記の濃度で含まれた還
元剤溶液を調製した。 (成 分) (濃 度) 三塩化チタン 0.102M クエン酸三ナトリウム 0.306M 次にこの還元剤溶液の液温を35℃に維持しつつ、アン
モニア水を加えてpHを9〜10に調整した。
【0057】また塩化ニッケル6水和物を純水に加え
て、塩化ニッケルが0.04Mで含まれた溶液を調製し
た。そしてこの溶液100mlを、先の還元剤溶液10
0mlに加えて35℃で1時間、かく拌した後、溶液中
に析出した固形分をロ別し、水洗したのち乾燥させてN
i粉末を製造した。得られたNi粉末の形状を走査型電
子顕微鏡写真で観察したところ、多数のNi粉末が鎖状
に繋がれた集合体になっているのが確認された。
【0058】また上記電子顕微鏡写真から、Ni粉末の
粒径と、集合体の鎖の径を測定したところ、Ni粉末の
粒径は50nm、鎖の径は100nmであった。さらに
得られたNi粉末の純度をICP質量分析法によって測
定したところ99.4%であった。 〈導電ペーストの調製〉上記Ni粉末90重量部と、結
着剤としての液状のフェノール樹脂10重量部とを混合
して導電ペーストを調製した。
【0059】〈PDP用基板の形成〉上記の導電ペース
トを使用したこと以外は実施例1と同様にして、ガラス
基板の表面に、アドレス電極としての導体回路を形成し
た。得られた導体回路の体積固有抵抗を測定したとこ
ろ、7.9μΩ・cmであって、高い導電性を有するこ
とが確認された。また断線等は確認されず、導体回路の
断面形状も凹凸等のないきれいな形状であった。
【0060】また上記導体回路の表面の中心線平均粗さ
Raを、光学式干渉計(ZYGO社製)を用いて測定し
たところ0.01μm未満であって、導体回路の表面は
極めて平滑であることが確認された。以上の結果を表1
にまとめた。
【0061】
【表1】
【0062】実施例4 〈金属部品の形成〉前記実施例1で調製したのと同じ、
Ag粉末を含む導電ペーストを、厚み100μmの板状
の金属部品の形状に対応した樹脂型に注入し、100℃
で1時間、加熱してフェノール樹脂を硬化させて、金属
部品のもとになる前駆体を形成した。
【0063】次に、この前駆体を樹脂型から脱型したの
ち、窒素雰囲気中で、200℃/時間の昇温速度で60
0℃まで昇温し、600℃で20分間、加熱して焼成す
ることで、フェノール樹脂を分解、除去するとともにA
g粉末を焼結させて、金属部品を形成した。得られた金
属部品のヤング率を、フィッシャー硬度計(フィッシャ
ー社製)を用いて測定したところ80GPaであって、
Agの圧延材に匹敵する良好な特性を有することが確認
された。
【0064】実施例5 〈金属部品の形成〉前記実施例2で調製したのと同じ、
Cu粉末を含む導電ペーストを用いたこと以外は実施例
4と同様にして金属部品を形成した。得られた金属部品
のヤング率を、フィッシャー硬度計(フィッシャー社
製)を用いて測定したところ115GPaであって、C
uの圧延材に匹敵する良好な特性を有することが確認さ
れた。
【0065】実施例6 〈金属部品の形成〉前記実施例3で調製したのと同じ、
Ni粉末を含む導電ペーストを用いたこと以外は実施例
4と同様にして金属部品を形成した。得られた金属部品
のヤング率を、フィッシャー硬度計(フィッシャー社
製)を用いて測定したところ190GPaであって、N
iの圧延材に匹敵する良好な特性を有することが確認さ
れた。
【0066】以上の結果を表2にまとめた。
【0067】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05K 3/12 H01L 23/14 M (72)発明者 柏原 秀樹 大阪市此花区島屋一丁目1番3号 住友電 気工業株式会社大阪製作所内 (72)発明者 小山 惠司 大阪市此花区島屋一丁目1番3号 住友電 気工業株式会社大阪製作所内 (72)発明者 年岡 英昭 大阪市此花区島屋一丁目1番3号 住友電 気工業株式会社大阪製作所内 Fターム(参考) 4E351 AA06 BB01 BB31 CC11 DD04 DD05 DD06 DD19 EE03 GG16 GG20 5E343 AA02 AA23 BB23 BB24 BB25 BB44 BB45 BB72 DD02 ER35 ER39 GG06 GG08 5G301 DA02 DA03 DA05 DA06 DA07 DA10 DA12 DA42 DD01 DD02 DE10 5G323 CA00

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平均粒径が400nm以下の金属粉末を導
    電成分として含む導電ペーストを、所定の形状にパター
    ン形成して微細金属構造体を得ることを特徴とする微細
    金属構造体の形成方法。
  2. 【請求項2】微細金属構造体が導体回路であり、絶縁基
    体上にパターン形成した導電ペーストを焼成して形成す
    る請求項1記載の微細金属構造体の形成方法。
  3. 【請求項3】焼成温度が300〜1480℃である請求
    項2記載の微細金属構造体の形成方法。
  4. 【請求項4】スクリーン印刷法によって導電ペーストを
    パターン形成する請求項2記載の微細金属構造体の形成
    方法。
  5. 【請求項5】微細金属構造体が、サブミクロンオーダー
    の立体形状を有する金属部品であり、導電ペーストを、
    金属部品の形状に対応した型内に充てんしてパターン形
    成したのち焼成して形成する請求項1記載の微細金属構
    造体の形成方法。
  6. 【請求項6】焼成温度が300〜1480℃である請求
    項5記載の微細金属構造体の形成方法。
  7. 【請求項7】金属粉末を、固形分中に50重量%以上の
    割合で含む導電ペーストを用いる請求項1記載の微細金
    属構造体の形成方法。
  8. 【請求項8】導電成分として、粒径分布の標準偏差の8
    0%が、平均粒径の±60%以内にある金属粉末を用い
    る請求項1記載の微細金属構造体の形成方法。
  9. 【請求項9】導電成分として、Ni、Fe、Co、A
    g、Au、Pt、Cu、In、Ir、Re、Rh、およ
    びPdからなる群より選ばれた1種の金属または2種以
    上の金属の合金によって形成された金属粉末を用いる請
    求項1記載の微細金属構造体の形成方法。
  10. 【請求項10】導電成分として、金属イオンと還元剤と
    を液中で反応させることで、液中に析出させて形成した
    金属粉末を用いる請求項1記載の微細金属構造体の形成
    方法。
  11. 【請求項11】還元剤として3価のチタン化合物を用い
    る請求項10記載の微細金属構造体の形成方法。
  12. 【請求項12】導電成分として、液中に析出した多数の
    金属粉末が鎖状に繋がれた集合体を用いる請求項10記
    載の微細金属構造体の形成方法。
  13. 【請求項13】集合体の鎖の径が1μm以下である請求
    項12記載の微細金属構造体の形成方法。
  14. 【請求項14】導電成分として、Cu(I)アンミン錯イ
    オンを含む溶液のpHを低下させることで金属Cuを超
    微粒子状に析出させて得たCu粉末を用いる請求項1記
    載の微細金属構造体の形成方法。
  15. 【請求項15】請求項2記載の微細金属構造体の形成方
    法によって導体回路を形成したことを特徴とするセラミ
    ックパッケージ。
  16. 【請求項16】請求項2記載の微細金属構造体の形成方
    法によって導体回路を形成したことを特徴とするマルチ
    チップ用基板。
  17. 【請求項17】請求項2記載の微細金属構造体の形成方
    法によって導体回路を形成したことを特徴とするプラズ
    マディスプレイパネル用基板。
JP2001341137A 2001-11-06 2001-11-06 微細金属構造体の形成方法とそれを用いたセラミックパッケージ、マルチチップ用基板およびプラズマディスプレイパネル用基板 Expired - Fee Related JP4257566B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001341137A JP4257566B2 (ja) 2001-11-06 2001-11-06 微細金属構造体の形成方法とそれを用いたセラミックパッケージ、マルチチップ用基板およびプラズマディスプレイパネル用基板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001341137A JP4257566B2 (ja) 2001-11-06 2001-11-06 微細金属構造体の形成方法とそれを用いたセラミックパッケージ、マルチチップ用基板およびプラズマディスプレイパネル用基板

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003141948A true JP2003141948A (ja) 2003-05-16
JP4257566B2 JP4257566B2 (ja) 2009-04-22

Family

ID=19155222

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001341137A Expired - Fee Related JP4257566B2 (ja) 2001-11-06 2001-11-06 微細金属構造体の形成方法とそれを用いたセラミックパッケージ、マルチチップ用基板およびプラズマディスプレイパネル用基板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4257566B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007510301A (ja) * 2003-10-29 2007-04-19 コンダクティブ・インクジェット・テクノロジー・リミテッド 部品の電気的接続
JP2011249335A (ja) * 2011-05-26 2011-12-08 Sumitomo Electric Ind Ltd 金属配線
JP2019053992A (ja) * 2018-10-30 2019-04-04 住友電気工業株式会社 金属微粒子分散液、金属微粒子分散液の製造方法及び金属被膜の製造方法

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01225706A (ja) * 1988-03-03 1989-09-08 Tanaka Kikinzoku Kogyo Kk 銅微粒子の製造方法
JPH03187948A (ja) * 1989-08-31 1991-08-15 Dainippon Printing Co Ltd 導電性パターン形成用組成物及び導電性パターン形成方法
JPH0578716A (ja) * 1991-09-20 1993-03-30 Murata Mfg Co Ltd 微粉末の製造方法
JPH07320535A (ja) * 1994-05-25 1995-12-08 Asahi Chem Ind Co Ltd 新規導電性ペースト組成物
JPH10294018A (ja) * 1997-04-16 1998-11-04 Ulvac Japan Ltd 金属ペーストの焼成方法
JP2001156427A (ja) * 1999-11-30 2001-06-08 Matsushita Electric Ind Co Ltd 配線基板の製造方法
JP2001167631A (ja) * 1999-12-07 2001-06-22 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 超微粒子導体ペーストとその製造方法、これを用いた導体膜及び積層セラミック電子部品
JP2001200305A (ja) * 2000-01-21 2001-07-24 Sumitomo Electric Ind Ltd 合金微粉末とその製造方法、それを用いた成型用材料、スラリーおよび電磁波シールド材料

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01225706A (ja) * 1988-03-03 1989-09-08 Tanaka Kikinzoku Kogyo Kk 銅微粒子の製造方法
JPH03187948A (ja) * 1989-08-31 1991-08-15 Dainippon Printing Co Ltd 導電性パターン形成用組成物及び導電性パターン形成方法
JPH0578716A (ja) * 1991-09-20 1993-03-30 Murata Mfg Co Ltd 微粉末の製造方法
JPH07320535A (ja) * 1994-05-25 1995-12-08 Asahi Chem Ind Co Ltd 新規導電性ペースト組成物
JPH10294018A (ja) * 1997-04-16 1998-11-04 Ulvac Japan Ltd 金属ペーストの焼成方法
JP2001156427A (ja) * 1999-11-30 2001-06-08 Matsushita Electric Ind Co Ltd 配線基板の製造方法
JP2001167631A (ja) * 1999-12-07 2001-06-22 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 超微粒子導体ペーストとその製造方法、これを用いた導体膜及び積層セラミック電子部品
JP2001200305A (ja) * 2000-01-21 2001-07-24 Sumitomo Electric Ind Ltd 合金微粉末とその製造方法、それを用いた成型用材料、スラリーおよび電磁波シールド材料

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007510301A (ja) * 2003-10-29 2007-04-19 コンダクティブ・インクジェット・テクノロジー・リミテッド 部品の電気的接続
JP2011249335A (ja) * 2011-05-26 2011-12-08 Sumitomo Electric Ind Ltd 金属配線
JP2019053992A (ja) * 2018-10-30 2019-04-04 住友電気工業株式会社 金属微粒子分散液、金属微粒子分散液の製造方法及び金属被膜の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4257566B2 (ja) 2009-04-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7220370B2 (en) Plating and production methods for producing a fine metal component using a conductive paste
JP5181807B2 (ja) セラミック電子部品、およびセラミック電子部品の製造方法
JP6573563B2 (ja) ニッケル粉末、ニッケル粉末の製造方法、およびニッケル粉末を用いた内部電極ペーストならびに電子部品
US9017563B2 (en) Plating method of circuit substrate, production method of plated circuit substrate, and silver etching liquid
US10654101B2 (en) Silver-coated copper powder, copper paste using same, conductive coating material, conductive sheet, and method for producing silver-coated copper powder
EP3275571A1 (en) Silver-coated copper powder and conductive paste, conductive material, and conductive sheet using same
JP3716903B2 (ja) 金メッキシリカ及びその製造方法
JP2004162164A (ja) 導電ペースト用銅粉およびその製造方法
JP2007115497A (ja) ニッケル被覆銅微粒子とその製造方法、導電ペースト、及び、導電膜の製造方法
KR101514890B1 (ko) 표면품질이 우수한 다단계 금속 복합체의 제조방법
JP4257566B2 (ja) 微細金属構造体の形成方法とそれを用いたセラミックパッケージ、マルチチップ用基板およびプラズマディスプレイパネル用基板
JP2016094665A (ja) 銀コート銅粉及びそれを用いた導電性ペースト、導電性塗料、導電性シート
KR101051254B1 (ko) 사슬형상 금속분말의 제조방법과 그것에 의해서 제조되는사슬형상 금속분말 및 그것을 이용한 이방도전막
JP3918450B2 (ja) 導電粉末の製造方法、導電粉末、導電性ペーストおよび積層セラミック電子部品
JP2004162096A (ja) 無電解めっき用ペーストと、これを用いた金属構造体および微細金属部品の製造方法
JP6332125B2 (ja) 銀コート銅粉及びそれを用いた導電性ペースト、導電性塗料、導電性シート
JP5790900B1 (ja) 銀コート銅粉及びそれを用いた導電性ペースト、導電性塗料、導電性シート
JP2003147570A (ja) 微細金属部品の製造方法
WO2019130690A1 (ja) プリント配線板用基材及びプリント配線板
JP2020031196A (ja) 銅ナノインク、プリント配線板用基板及び銅ナノインクの製造方法
JP4470103B2 (ja) 鎖状金属粉末の製造方法とそれによって製造される鎖状金属粉末ならびにそれを用いた異方導電膜
JP2019085593A (ja) 金属めっき方法及び抵抗体
JP2017071809A (ja) Snコート銅粉及びそれを用いた導電性ペースト、並びにSnコート銅粉の製造方法
JP5516856B2 (ja) 銀ペーストの製造方法
JPH05320703A (ja) Pd−Ni合金微粉末の製造法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040524

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050722

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070821

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071010

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090108

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090121

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120213

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120213

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130213

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140213

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees