JP2003138112A - ポリエステル組成物及びそれからなるフィルムまたはシート - Google Patents

ポリエステル組成物及びそれからなるフィルムまたはシート

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JP2003138112A
JP2003138112A JP2001335073A JP2001335073A JP2003138112A JP 2003138112 A JP2003138112 A JP 2003138112A JP 2001335073 A JP2001335073 A JP 2001335073A JP 2001335073 A JP2001335073 A JP 2001335073A JP 2003138112 A JP2003138112 A JP 2003138112A
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polyester
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polyester composition
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Haruo Matsumoto
治男 松本
Ryuichi Murashige
隆一 村重
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Toyobo Co Ltd
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Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明性と滑り性に優れ、かつ粗大突起が少な
く、さらにオリゴマーを減少させるための熱処理時間を
短くすることができる、ポリエステル組成物およびそれ
からなるフィルムまたはシートを提供する。 【解決手段】 平均粒子径が0.2〜4μmであり、か
つ外接円に対する面積率が50%以上である、硼酸アル
ミニウム粒子を0.01〜10重量%含有することを特
徴とするポリエステル組成物。さらに、それらからなる
ポリエステルフィルムまたはシート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は透明でハンドリング
性に優れたポリエステル組成物であり、工業用あるいは
包装用のフィルムまたはシートとして好適である。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレートに代表され
るポリエステルは、優れた物理的、化学的性質のため、
フィルム、シート、繊維、ボトルなどの分野に広く使用
されている。これらの中でもフィルムやシートの分野で
は、透明性及び平滑性を維持しながら良好な滑り性を得
るといった相反する特性を同時に満足させることが要求
される用途が多い。
【0003】一般に、滑り性の向上のためにはポリエス
テル中に、耐熱性に優れた不活性粒子を添加し、フィル
ムやシートの表面に凹凸を形成させる方法が取られてい
る。前記不活性粒子としては、湿式法あるいは乾式法で
合成されたシリカや、合成炭酸カルシウムあるいは石灰
岩を粉砕して得た重質炭酸カルシウムなどが一般的に用
いられている。これらの不活性粒子の中でも、高度な透
明性が要求される包装用途や工業用途では、前記の湿式
法シリカが最も広く使用されている。
【0004】近年、透明性の要求とともに、コストダウ
ンのための加工適性向上の要求が大きくなり、凝集体で
ある湿式法シリカでは例えば押し出し機などのせん断力
により粒子がつぶされて透明性に対して滑り性が不十分
といった問題が発生している。また、食品に触れる部材
として用いられるフィルムやシートでは、ポリエステル
中の環状3量体に代表される、オリゴマー量を減少させ
るために、ポリエステルチップの熱処理がしばしば行わ
れる。しかしながら、シリカを含有したポリエステルは
オリゴマーの減少速度が遅く、オリゴマー量を充分なレ
ベルにまで減少させるのに長時間を要するといった問題
がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、透明
性と滑り性に優れ、かつ粗大突起が少なく、さらにオリ
ゴマーを減少させるための熱処理時間を短くすることが
できる、ポリエステル組成物およびそれからなるフィル
ムまたはシートを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、平
均粒子径が0.2〜4μmであり、外接円に対する面積
率が50%以上である、硼酸アルミニウム粒子を0.0
1〜10重量%含有するポリエステル組成物およびそれ
からなるフィルムまたはシートである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明で用いられるポリエステル
は、好ましくは芳香族ジカルボン酸とグリコール成分と
から主として構成されたものであり、直接エステル化法
やエステル交換法によりオリゴマーを合成し、続いて重
縮合反応を行うことにより合成することができる。
【0008】芳香族ジカルボン酸成分としては、テレフ
タル酸、2,6―ナフタレンジカルボン酸が好ましい。
また、グリコール成分としてはエチレングリコール、ト
リメチレングリコール、テトラメチレングリコール
(1,4―ブタンジオール)が好ましい。その他の成分
として、イソフタル酸などの他のジカルボン酸成分や、
ネオペンチルグリコールなどのグリコール成分を共重合
成分として含有させても良い。
【0009】本発明のポリエステル組成物は、平均粒子
径が0.2〜4μmであり、かつ外接円に対する面積率
が50%以上である、硼酸アルミニウム粒子を0.01
〜10重量%含有する。
【0010】ここで、硼酸アルミニウム粒子とは、アル
ミニウム元素(Al)、硼素元素(B)、及び酸素元素
(O)から構成され、アルミニウム元素(Al)が35
〜55重量%、硼素元素(B)が3〜10重量%、酸素
元素(O)が45〜65%の組成からなるものである。
【0011】前記硼酸アルミニウム粒子は、無水硼酸、
硼酸、硼砂などの硼素源とアルミナや硫酸アルミニウム
などのアルミニウム源を1000℃程度の高温で加熱反
応させ、必要により中和反応を行い、副生した不要物を
水洗して取り除き乾燥させた後、さらに必要により熱処
理を行った生成物を、粉砕処理及び/又は分級処理する
ことにより得られる。
【0012】前記硼酸アルミニウム粒子は、ポリエステ
ル組成物に対して0.01〜10重量%含有させること
が必要である。前記硼酸アルミニウム粒子の含有量は、
上限値が1重量%であることが好ましくは、特に好まし
くは0.5重量%である。また、粒子含有量の下限値
は、0.05重量%が好ましく、特に好ましくは0.1
重量%である。粒子含有量が0.01重量%未満ではハ
ンドリング性の改善効果がなく、10重量%を超えると
透明性が悪くなり好ましくない。
【0013】また、本発明のポリエステル組成物は、必
要に応じて、硼酸アルミニウウム以外の不活性微粒子を
併用してもかまわない。しかしながら、特開平7−33
1037号公報に記載のようなウイスカー状の形態を有
する粒子は、力学的特性の向上効果はあるものの、ポリ
マーマトリックスへの均一分散が困難である点、及びフ
ィルム中での面方向への完全配向の点で困難である点よ
り、結果としてフィルム表面に粗大突起を形成するなど
の問題があり好ましくない。
【0014】硼酸アルミニウム粒子は、フィルムやシー
トにした時の粗大突起の抑制及び滑り性の点から、その
平均粒子径が0.2〜4μmであることが必要である。
また、硼酸アルミニウム粒子は、滑り性と透明性の両立
の点から、該粒子の外接円に対する面積率は50%以上
が必要であり、好ましくは65%以上である。
【0015】外接円に対する面積率は、粒子の形状を表
す尺度であり、100%に近いほど球状に近い形態であ
ることを意味する。前記粒子の外接円に対する面積率が
50%未満では、粒子含有量に対してフィルムの滑り性
が不足する。一方、フィルムの滑り性を確保するために
粒子含有量を多くすると、フィルムの透明性が悪化す
る。
【0016】本発明で用いられる硼酸アルミニウム粒子
は、さらにポリエステル中での分散性と透明性を高める
ために、シランカップリング剤などで表面処理を行って
も良い。
【0017】硼酸アルミニウム粒子を含有するポリエス
テル組成物は、フィルムやシートを生産する時の静電密
着性及び色調の点から、275℃における溶融比抵抗が
0.1〜1.0(×108Ω・cm)であることが好ま
しい。さらに、硼酸アルミニウム粒子の凝集も、上記M
g/Pモル比の範囲では発生しにくく、ポリエステル中
での粒子分散性がさらに良好となるため好ましい。
【0018】ポリエステル組成物の溶融比抵抗を上記範
囲とするためには、ポリエステル組成物中のMg原子と
P原子のモル比(Mg/P)を1.5〜7.0とするこ
とが好ましい。Mg/Pモル比が7.0を超えると、溶
融比抵抗が高くなるばかりでなく、ポリエステル中にM
g原子やP原子を含む不溶性の粒子が析出しやすくな
り、ポリエステルの耐熱性も悪くなる。
【0019】さらに、ポリエステル組成物中に、マグネ
シウム化合物をマグネシウム原子(Mg)として10〜
200ppm含有させ、かつリン化合物をリン原子
(P)として2〜150ppm含有させることで、ポリ
エステル組成物の溶融比抵抗を上記範囲に制御しなが
ら、ポリエステルの耐熱性、色相、異物抑制をさらに改
良することができる。
【0020】本発明のポリエステル組成物は、透明性が
良く、かつオリゴマーの減少速度も大きいことから、フ
ィルムあるいはシートに特に好適である。フィルムやシ
ートの厚みは特に限定されないが2〜1000μmが望
ましい。ここでフィルムとは延伸・配向が行われたも
の、シートとは延伸・配向が実質的に行われていないも
のを表わす。
【0021】フィルムまたはシートの製造は、従来公知
の方法を採用することができる。すなわち、充分乾燥さ
せたポリエステル組成物チップを押出し機内で溶融さ
せ、Tダイからシート状に押出し、静電荷を印可しなが
ら回転冷却ドラム表面に密着させて未延伸シートを得
る。この未延伸シートを少なくとも1方向に延伸し、次
いで熱固定処理、必要に応じて熱弛緩処理したあと冷却
し、両端部をカットした後、必要なサイズのスリットし
て紙管などにロール状に巻き取るという一般的な方法を
用いることができる。
【0022】最も一般的に用いられている逐次二軸延伸
方法、特に未延伸フィルムを長手方向次いで幅方向に延
伸する方法を例にとり、延伸・配向条件を説明する。
【0023】縦延伸工程では、周速が異なる2本あるい
は多数本のロール間で延伸する。このときの加熱手段と
しては、加熱ロールを用いる方法でも非接触の加熱方法
を用いる方法でもよく、それらを併用してもよい。次い
で一軸延伸フィルムをテンターに導入し、幅方向に(T
m−10℃)以下の温度で2.5〜5.0倍に延伸す
る。(但し、Tmはポリエステルの融点を示す。)
【0024】また、上記の二軸延伸フィルムに対し、熱
固定処理を施す。熱固定処理はテンター中で行うのが好
ましく、特に好ましくは(Tm−60℃)〜Tmの範囲
で行う。さらに、寸法安定性をさらに改良するために幅
方向及び/又は長手方向に弛緩処理を行ってもよい。
【0025】本発明のポリエステル組成物からなるフィ
ルムおよびシートは、単層構造でも積層構造でも良い。
積層構造とする場合は、本発明のポリエステル組成物層
が表面層となるように、共押し出し法により溶融状態で
行うことが好ましい。
【0026】また、本発明のポリエステル組成物からな
るフィルムおよびシートは、その少なくとも片面に塗布
層を設けてもよい。塗布層を設けることにより、接着性
や帯電防止性などの機能を付与することができる。塗布
層を主として構成するバインダー樹脂としては、共重合
ポリエステル樹脂が好ましいが、このほかにも、ポリウ
レタン樹脂、ポリエステルウレタン樹脂、アクリル系樹
脂など、通常のポリエステルフィルムの接着性を改善す
る高分子樹脂や、帯電防止性を向上させる化合物等が適
用可能である。
【0027】塗布層を設ける方法としては、グラビアコ
ート方式、キスコート方式、ディップ方式、スプレイコ
ート方式、カーテンコート方式、エアナイフコート方
式、ブレードコート方式、リバースロールコート方式な
ど通常用いられている方法が適用できる。
【0028】二軸配向フィルムに塗布層を設ける場合、
フィルムの延伸前や縦延伸後に塗布した後、少なくとも
一方向に延伸するインラインコーティング法、あるいは
二軸配向処理の終了したフィルム表面に塗布するオフラ
インコーティング法などのいずれの方法も可能である。
【0029】ポリエステル樹脂に硼酸アルミニウム粒子
を含有させる方法としては、ポリエステルの製造工程で
硼酸アルミニウム粒子のグリコールスラリーを添加する
方法、押出し工程で硼酸アルミニウムを含まないポリエ
ステルと硼酸アルミニウム粒子粉末とを混錬する方法、
あるいは押出し工程でベント式二軸押出し機を用いてポ
リエステルと硼酸アルミニウム粒子の水スラリーやグリ
コールスラリーとを混練し、次いで液体成分を系外へ排
出する含有させる方法、などが挙げられるがこれにらの
方法に限定されるものではない。
【0030】また、ポリエステル樹脂の改質を目的に、
蛍光増白剤、末端封鎖剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、
抗菌剤、などの添加剤や、他の種類の熱可塑性樹脂を混
合しても構わない。
【0031】
【実施例】以下に、実施例を用いて本発明を詳細に説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。ま
ず、本発明のポリエステル組成物、それからなるフィル
ムまたはシートの特性値の評価に用いた測定法を以下に
示す。
【0032】(A)粒子の平均粒子径 粉末状の粒子を水に混合し、ホモジナイザーで10,0
00rpmで2時間分散処理を行った後、レーザー回折
・散乱式粒度分布測定機(日機装、MICROTRAC
HRA)を用いて、粒子の体積平均粒径(mv)を測
定し平均粒子径とした。
【0033】(B)粒子の外接円に対する面積率 粒子を10,000倍以上の倍率で走査型電子顕微鏡
(SEM)で写真撮影し、1,000個以上の粒子をラ
ンダムに選び出し、これを画像解析装置(ニレコ社製、
Luzex FS)を用いて測定し、1,000個の平
均値を使用した。 粒子の外接円に対する面積率(%)=(粒子の投影断面
積/粒子に外接する円の面積)×100
【0034】(C)溶融比抵抗 275℃で溶融させたポリエステルチップ中に2本の電
極(ステンレス製針金)を置き、120Vの電圧を印加
した時の電流(i)を測定し、次式によりポリエステル
組成物の溶融比抵抗を求めた。なお、溶融比抵抗の単位
は、×108Ω・cmで示した。 溶融比抵抗=(A/L)×(V/i) 上記式において、Aは電極の表面積(cm2)、Lは電
極間の距離(cm)、Vは電圧(V)、iは電流(A)
である。
【0035】(D)ポリエステル組成物中のマグネシウ
ムおよびリンの含有量 平滑な金属板上に50mm径の金属リングをのせ、前記
リング内にポリエステルチップを入れ、溶融後に5mm
以上の厚さになるように円盤状に溶融成形した。このサ
ンプルを蛍光X線分析法によりポリエステル組成物中の
マグネシウムおよびリンの含有量を求めた。なお、前記
蛍光X線分析は、化学分析法で濃度が既知のサンプルを
いくつか準備し、蛍光X線分析法により前記サンプル中
のマグネシウム原子またはリン原子のX線強度を求め、
それらから作成した各元素の検量線を用いて行った。
【0036】(E)フィルムの滑り性 温度23℃で湿度65RH%の環境下で、フィルムの裏
面が外側になるようにフィルムを貼り付けたスレッド
(63mm*63mm、200グラム)をのせ、150
mm/分の速さでMD方向にスレッドをフィルムのおも
て面上に引っ張り、動摩擦係数を求めて滑り性とした。
【0037】(F)フィルムの粗大突起数 フィルム表面にアルミニウムを蒸着し、二光束干渉顕微
鏡(波長:546nm)を用いて、フィルム5mm2
に存在する、四重以上の干渉リングを有する突起(突起
高さ:1.09μm以上)の数を数え、1mm2当たり
の個数に換算し粗大突起数(個/mm2)とした。
【0038】(G)フィルムのヘイズ 濁度計(日本電色社製、NDH−300A)を用いて測
定した。
【0039】(H)極限粘度 フェノールと1,1,2,2−テトラクロルエタンの混
合溶媒(60%/40%:重量比)20ml中に、ポリ
マー0.08gを、90℃で30分間溶解し、30℃で
測定した。
【0040】(I)環状3量体の定量方法 ポリエステルを細かくきざみ、その0.10gを100
mlのナスフラスコに入れ、1,1,1,3,3,3−ヘキ
サフルオロ−2−プロパノールとクロロホルムとの混合
溶媒(40/60:容量比)3mlで一晩かけて、溶媒
が揮発しないよう蓋をして完全に溶解した。得られた溶
液にクロロホルム20mlを加えて均一に混合した。得
られた混合液にメタノール10mlを加え、30分以上
静置して、ほとんどの高分子量(線状)ポリエステルを
再沈殿させた。その後、蓋をつけたまま、ナスフラスコ
を超音波にかけ、溶液をろ過して200mlナスフラス
コにろ液を入れた。
【0041】さらに、(1)あらかじめ良く混合してお
いたクロロホルム/メタノールの混合溶媒(2/1:容
量比)5mlを100mlナスフラスコに入れ、超音波
にかけた。次いで、(2)100mlナスフラスコの洗
液をろ過し先ほどの200mlナスフラスコに加えた。
この(1)、(2)の操作を合計3回行った。その後、
(3)ろ紙上の液の大部分がろ過されたろ紙に対し、あ
らかじめ良く混合しておいたクロロホルム/メタノール
の混合溶媒(2/1:容量比)5mlをろ紙の周りから
かけ、ろ紙上の液の大部分がろ過されるまで、しばらく
おいた。なお、この(3)の操作も合計3回行った。
【0042】得られた200mlナスフラスコ中の全ろ
液をロータリーエバポレーターで濃縮乾固した。濃縮乾
固物にジメチルホルムアミド10mlを加え、超音波に
かけ、白く乾固した部分を完全に溶かし、30分以上静
置した後、環状3量体測定溶液とした。この測定溶液を
高速液体クロマトグラフィー(横河電機社製、HP10
50型)を使用して、下記条件でポリエステル中の環状
3量体を定量し、重量%で表した。
【0043】(測定条件) a)カラム:ウォ−ターズ社製、マイクロボンダスフェ
ア−5μC18−100A、3.9mmφ×150mm
L b)移動相A:2%酢酸水溶液 c)移動相B:アセトニトリル d)移動相溶媒比率 A:B=90%:10%(体積
比) e)流速:0.80mL/分 f)検出:UV検出器(波長:252nm) g)サンプル注入量:20μL
【0044】実施例1 エステル化反応装置として攪拌機付き反応缶、蒸留塔、
コンデンサー、原料仕込口および生成物取り出し口を有
する完全混合槽よりなる300Lのエステル化反応装置
を使用した。エチレングリコール(EG)64Kgをエ
ステル化反応装置に仕込み、攪拌を開始した。その後、
テレフタル酸(TPA)を86Kg、三酸化アンチモン
および酢酸マグネシウム(4水和物)を、生成ポリエチ
レンテレフタレート(PET)に対してSb原子として
160ppm、Mg原子として65ppmを添加した。
さらに、硼酸アルミニウム粒子(平均粒子径:2.5μ
m、外接円に対する面積率:60%、組成:Al/B/
O=45%/5%/50%)の10重量%EGスラリー
を同時に仕込み、3.5Kg/cm2G(ゲージ圧:
0.34MPa)の加圧下で240℃で2時間反応させ
た。
【0045】次に、圧力を常圧に下げリン酸トリメチル
の10重量%EG溶液を、生成PETに対してP原子と
して40ppm残存するよう添加し、10分間反応を続
けた。
【0046】その後、重縮合反応装置として、螺旋状羽
根付き攪拌機、コンデンサー、真空装置、反応物受け入
れ口、反応物取り出し口を有する200Lの重縮合装置
にエステル化反応生成物を移送した。次いで、攪拌、昇
温、減圧して280℃で0.5torr(0.67hP
a)で60分間重縮合反応を行い、重合物を水中にスト
ランド状に押し出し、カッターでカットして極限粘度
0.620dl/gのポリエチレンテレフタレート(P
ET)組成物のチップを得た。得られたPET組成物チ
ップ中のMg、P、環状3量体の含有量、溶融比抵抗を
測定し、表1に示した。
【0047】その後、得られたPET組成物チップを1
30℃で6時間、真空下で乾燥結晶化を行い、235℃
で窒素気流下、常圧で25時間熱処理を行った。そのP
ET組成物チップの極限粘度および環状三量体の含有量
を測定し、表1に示した。
【0048】前記熱処理後のPET組成物チップを二軸
押出機で溶融し、290℃でTダイよりシート状に押出
しし、静電気を印可しながら回転冷却金属ロール上に密
着固化させ、未延伸シートを得た。この未延伸シートを
90℃で縦方向に3.5倍延伸し、次いで130℃で横
方向に3.5倍延伸した後、220℃で幅方向に5%の
リラックスしながら熱固定処理し、厚み25μmの二軸
延伸PETフィルムを得た。得られた二軸延伸PETフ
ィルムの評価結果を表1に示す。
【0049】比較例1 実施例1において、硼酸アルミニウム粒子の代わりに湿
式法合成シリカ粒子(平均粒径:2.5μm、外接円に
対する面積率:40%)を使用すること以外は実施例1
と同様にして、PET組成物、熱処理PET組成物、及
び二軸延伸PETフィルムを得た。得られたPET組成
物、熱処理PET組成物、及び二軸延伸PETフィルム
の評価結果を表1に示す。
【0050】実施例2 実施例1において、PET組成物チップの熱処理を省略
する以外は実施例1と同様にして、PET組成物及び二
軸延伸PETフィルムを得た。得られたPET組成物及
び二軸延伸PETフィルムの評価結果を表1に示す。
【0051】比較例2 比較例1において、PET組成物チップの熱処理を省略
する以外は比較例1と同様にして、PET組成物及び二
軸延伸PETフィルムを得た。得られたPET組成物及
び二軸延伸PETフィルムの評価結果を表1に示す。
【0052】実施例3 実施例1において、硼酸アルミニウム粒子の添加量を生
成ポリエステルに対して3000ppmとする以外は実
施例1と同様にして、PET組成物、熱処理PET組成
物、及び二軸延伸PETフィルムを得た。得られたPE
T組成物、熱処理PET組成物、及び二軸延伸PETフ
ィルムの評価結果を表1に示す。
【0053】比較例3 比較例1において、湿式法シリカ粒子の添加量を生成ポ
リエステルに対して3000ppmとする以外は比較例
1と同様にして、PET組成物、熱処理PET組成物、
及び二軸延伸PETフィルムを得た。得られたPET組
成物、熱処理PET組成物、及び二軸延伸PETフィル
ムの評価結果を表1に示す。
【0054】実施例4 実施例1において、硼酸アルミニウム粒子として外接円
に対する面積率80%のものを用いること以外は実施例
1と同様にして、PET組成物、熱処理PET組成物、
及び二軸延伸PETフィルムを得た。得られたPET組
成物、熱処理PET組成物、及び二軸延伸PETフィル
ムの評価結果を表1に示す。
【0055】実施例5 実施例1において、硼酸アルミニウム粒子のエチレング
リコールスラリーを、ビーズミルを用いて平均粒径0.
5μm(外接円に対する面積率:50%)に湿式解砕
し、次いで湿式分級処理をしてから反応缶に添加するこ
と以外は実施例1と同様にして、PET組成物、熱処理
PET組成物、二軸延伸PETフィルムを得た。得られ
たPET組成物、熱処理PET組成物、及び二軸延伸P
ETフィルムの評価結果を表1に示す。
【0056】比較例4 実施例2において、ウイスカー状の硼酸アルミニウム粒
子(長径:5μm、短径:0.3μm、外接円に対する
面積率:10%)のエチレングリコールスラリーを添加
すること以外は実施例2と同様にして、PET組成物、
熱処理PET組成物、二軸延伸PETフィルムを得た。
得られたPET組成物、熱処理PET組成物、及び二軸
延伸PETフィルムの評価結果を表1に示す。
【0057】
【表1】
【0058】
【発明の効果】本発明のポリエステル組成物から得られ
たフィルムやシートは、特定の平均粒子径及び形状を有
する硼酸アルミニウム粒子をポリエステル中に特定量含
有しているため、透明性と滑り性に優れ、かつ粗大突起
が少なく、さらにオリゴマーを減少させるための熱処理
時間を短くすることができるという効果がある。また、
275℃における溶融比抵抗が特定範囲とすることによ
り静電密着性及び色調に優れたフィルムまたはシートが
得られる。さらに、ポリエステル組成物中にマグネシウ
ム化合物とリン化合物を特定量含有させ、かつMg原子
とP原子のモル比(Mg/P)を特定範囲とすることで
静電密着性及び色調に優れ、かつ粗大突起の生成を一層
低減することができる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA44 AB27 AD02 AD06 AE11 AF36Y AH04 BB06 BB08 BC01 4J002 CF041 CF051 CF061 CF071 CF081 DK006 FD176 GG02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒子径が0.2〜4μmであり、か
    つ外接円に対する面積率が50%以上である、硼酸アル
    ミニウム粒子を0.01〜10重量%含有することを特
    徴とするポリエステル組成物。
  2. 【請求項2】 前記ポリエステル組成物は、275℃に
    おける溶融比抵抗が0.1〜1.0(×108Ω・c
    m)であることを特徴とする請求項1記載のポリエステ
    ル組成物。
  3. 【請求項3】 前記ポリエステル組成物は、マグネシウ
    ム化合物をマグネシウム原子(Mg)として10〜20
    0ppm含有し、かつリン化合物をリン原子(P)とし
    て2〜150ppm含有し、さらにMgとPのモル比
    (Mg/P)が1.5〜7.0であることを特徴とする
    請求項1または2記載のポリエステル組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載のポリエ
    ステル組成物からなることを特徴とするポリエステルフ
    ィルムまたはシート。
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