JP2003119375A - ポリアミド樹脂組成物およびポリアミド樹脂成形品 - Google Patents

ポリアミド樹脂組成物およびポリアミド樹脂成形品

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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐熱性、寸法安定性に優れ、高温雰囲気下で長
期間使用しても寸法変化や成形品外観の低下が少ないポ
リアミド樹脂組成物とそれからなる成形品を提供する。 【解決手段】(a)結晶性ポリアミドと(b)低結晶性
または非晶性ポリアミドおよび(c)膨潤性層状珪酸塩
からなるポリアミド樹脂組成物であって、全ポリアミド
成分中における(a)結晶性ポリアミドの割合が70〜
99重量%であり、かつ、樹脂組成物の結晶化度が20
%以上、球晶の直径が平均1μm以下であることを特徴
とするポリアミド樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリアミド樹脂組
成物およびその成形品に関する。さらに詳しくは、耐熱
性、寸法安定性、成形品外観(特に透明感)に優れ、特
に高温環境下で長期間使用しても変形や寸法変化の問題
が少なく、成形品外観の悪化も少ない樹脂組成物および
その成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】ナイロン6やナイロン66等の結晶性ポ
リアミドの耐熱性や寸法安定性を向上させるためにガラ
ス繊維などの繊維状強化材や炭酸カルシウム、タルクな
どの鉱物系強化材を配合する技術は広く知られている。
しかし、これらの強化材を配合したポリアミド樹脂は、
ポリアミド樹脂中に分散している強化材が成形品表面に
浮き出し光線が乱反射されるため、通常、成形品外観が
悪化することは避けられない。
【0003】一方、ポリアミド樹脂の成形品外観を向上
させる目的で、共重合によってポリアミドの結晶性を低
下させる技術も知られており、例えば、光沢感や透明感
の要求されるフィルムなどの用途で広く用いられてい
る。しかし、結晶性を低下させることによって耐熱性や
寸法安定性が低下することは避けられず、これを改良す
るために前記の強化材の配合を行えば、耐熱性や寸法安
定性は向上させ得るものの、成形品外観を大幅に犠牲に
することは避けられないのが現状である。
【0004】このような、問題を解決する試みとして、
従来の強化材より極めて細かい無機結晶成分をポリアミ
ド中に均一に分散させることが提案されている。例え
ば、特開平5−339498号公報や特開2001−2
913号公報では、共重合ポリアミド樹脂中に層状珪酸
塩を均一に分散させてなる、成形品外観に優れたポリア
ミド樹脂組成物が提案されている。しかしながら、これ
ら共重合ポリアミドは成形品外観は優れるものの、耐熱
性に課題があり、自動車エンジンルーム内のような高温
雰囲気下で長期使用することはできないという課題があ
った。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は自動
車エンジンルーム内のような高温雰囲気下でも使用でき
る耐熱性と、成形品外観に優れ、かつそれらの特性が高
温雰囲気下での長期使用においても低下しないという特
性を有するポリアミド樹脂を提供することを課題とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討を重ねた結果、結晶性ポリア
ミドに非晶性あるいは低結晶性ポリアミドと膨潤性層状
珪酸塩を配合し、特定の結晶化度と球晶サイズとするこ
とにより上記課題を解決できることを見出し本発明に至
った。
【0007】すなわち本発明は、(1)(a)結晶性ポ
リアミドと(b)低結晶性または非晶性ポリアミドおよ
び(c)膨潤性層状珪酸塩からなるポリアミド樹脂組成
物であって、全ポリアミド成分中における(a)結晶性
ポリアミドの割合が70〜99重量%であり、かつ、樹
脂組成物の結晶化度が20%以上、球晶の直径が平均1
μm以下であることを特徴とするポリアミド樹脂組成
物、(2)(d)結晶核剤を含んでなる上記(1)記載
のポリアミド樹脂組成物、(3)(b)低結晶性または
非晶性ポリアミドが、主鎖中に芳香環あるいは脂環構造
単位を有するポリアミドの少なくとも一種を構成成分と
して含むものであることを特徴とする上記(1)または
(2)記載のポリアミド樹脂組成物、(4)(b)低結
晶性または非晶性ポリアミドが、ヘキサメチレンイソフ
タルアミド単位3〜30重量%とヘキサメチレンアジパ
ミド単位60〜96重量%とカプロアミド単位1〜10
重量%を含む共重合ポリアミドであることを特徴とする
上記(1)〜(3)いずれか記載のポリアミド樹脂組成
物、(5)(c)膨潤性層状珪酸塩が層間に存在する交
換性陽イオンが有機オニウムイオンで交換された膨潤性
層状珪酸塩であることを特徴とする上記(1)〜(4)
いずれか記載のポリアミド樹脂組成物、(6)(c)膨
潤性層状珪酸塩がポリアミド樹脂組成物中に単層レベル
で分散していることを特徴とする(1)〜(5)いずれ
か記載のポリアミド樹脂組成物、(7)上記(1)〜
(6)いずれか記載のポリアミド樹脂組成物を射出成形
してなるポリアミド樹脂成形品、を提供するものであ
る。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明で用いられる(a)結晶性
ポリアミドとは示差走査熱量計(DSC)で昇温速度1
0℃/分で測定した結晶融解熱量が30J/g以上の結
晶性ポリアミドである。ポリアミド樹脂としては、上記
結晶特性を有していれば制限はなく、その原料の代表例
としては、6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデ
カン酸、12−アミノドデカン酸、パラアミノメチル安
息香酸などのアミノ酸、ε−カプロラクタム、ω−ラウ
ロラクタムなどのラクタム、テトラメチレンジアミン、
ヘキサメレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジア
ミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジア
ミン、(2,2,4−または2,4,4−)トリメチル
ヘキサメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジア
ミン、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミ
ン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、
1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1−ア
ミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシク
ロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタ
ン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メ
タン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロ
パン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、アミノエチ
ルピペラジンなどの脂肪族、脂環族、芳香族のジアミ
ン、およびアジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セ
バシン酸、ドデカン二酸、テレフタル酸、イソフタル
酸、2−クロロテレフタル酸、2−メチルテレフタル
酸、5−メチルイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイ
ソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロ
イソフタル酸などの脂肪族、脂環族、芳香族のジカルボ
ン酸が挙げられる。本発明においては、これらの原料か
ら誘導されるポリアミドホモポリマーもしくはコポリマ
ーを各々単独または混合物の形で用いることができる。
【0009】本発明において、とくに好適に用いられる
結晶性ポリアミド樹脂は、200℃以上の融点を有する
ポリアミド樹脂である。かかるポリアミドを用いること
により、得られる成形体としても優れた耐熱性を持つも
のを得つことができる。具体的な例としてはポリカプロ
アミド(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジパミド
(ナイロン66)、ポリカプロアミド/ポリヘキサメチ
レンアジパミドコポリマー(ナイロン6/66)、ポリ
テトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリヘキ
サメチレンセバカミド(ナイロン610)、ポリヘキサ
メチレンドデカミド(ナイロン612)、ポリヘキサメ
チレンテレフタルアミド/ポリドデカンアミドコポリマ
ー(ナイロン6T/12)、ポリヘキサメチレンアジパ
ミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリマー
(ナイロン66/6T)、およびこれらの混合物ないし
共重合体などが挙げられる。
【0010】とりわけ好ましいものとしては、ナイロン
6、ナイロン66、ナイロン6/66コポリマーが挙げ
られる。
【0011】結晶性ポリアミドの重合度は、通常の成形
加工が施せる程度であれば、とくに制限はないが、ポリ
アミド樹脂1重量%の98%濃硫酸溶液中、25℃で測
定した相対粘度として、2.0〜4.0の範囲のものが
好ましい 本発明の(b)低結晶性または非晶性ポリアミドとは、
示差走査熱量計(DSC)で昇温および降温速度10℃
/分で測定した融点(Tm)と降温時の結晶化温度(T
c)の差(Tm−Tc)が40℃以上である低結晶性ポ
リアミド、あるいは、示差走査熱量計で昇温速度10℃
/分で測定した結晶融解熱量が4J/g未満の非晶性ポ
リアミドのことを示す。低結晶性または非晶性ポリアミ
ドの種類は限定されず、任意のアミノ酸、ラクタムある
いはジアミンとジカルボン酸を原料とするポリアミドを
用いることができる。その原料の代表例としては、6−
アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−
アミノドデカン酸、パラアミノメチル安息香酸などのア
ミノ酸、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタムなど
のラクタム、テトラメチレンジアミン、ヘキサメレンジ
アミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、ウンデカ
メチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,
4−/2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミ
ン、5−メチルノナメチレンジアミン、メタキシリレン
ジアミン、パラキシリレンジアミン、1,3−ビス(ア
ミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメ
チル)シクロヘキサン、1−アミノ−3−アミノメチル
−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、ビス(4−
アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3−メチル−4
−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−
アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノプロピ
ル)ピペラジン、アミノエチルピペラジンなどの脂肪
族、脂環族、芳香族のジアミン、およびアジピン酸、ス
ペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、
テレフタル酸、イソフタル酸、2−クロロテレフタル
酸、2−メチルテレフタル酸、5−メチルイソフタル
酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、ヘキサヒドロ
テレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸などの脂肪
族、脂環族、芳香族のジカルボン酸が挙げられる。これ
らのなかでも、テレフタル酸、イソフタル酸、メタキシ
リレンジアミン、パラキシリレンジアミン、、ビス(4
−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3−メチル−
4−アミノシクロヘキシル)メタンなど芳香環や脂環構
造を有する化合物を原料成分として含むポリアミドが好
ましい。
【0012】本発明において、とくに有用な低結晶性ま
たは非晶性ポリアミドは、主鎖中に芳香環あるいは脂環
構造単位を有するポリアミドであり、その具体的な例と
してはポリメタキシリレンアジパミド(ナイロンMXD
6)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチ
レンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6
I)、ポリカプロアミド/ポリヘキサメチレンイソフタ
ルアミドコポリマー(ナイロン6/6I)、ポリヘキサ
メチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフ
タルアミドコポリマー(ナイロン6T/6I)、ポリヘ
キサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタ
ルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリ
マー(ナイロン66/6T/6I)、ポリヘキサメチレ
ンアジパミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミド/
ポリカプロアミドコポリマー(ナイロン66/6I/
6)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキ
サメチレンイソフタルアミド/ポリヘキサメチレンアジ
パミドコポリマー(ナイロン6T/6I/66)などが
挙げられる。
【0013】これらの中でもとりわけ好ましいものとし
て、ナイロン66/6I、ナイロン66/6I/6など
を挙げることができる。
【0014】本発明の(b)低結晶性または非晶性ポリ
アミドはヘキサメチレンイソフタルアミド単位を3〜3
0重量%含むことが好ましく、さらに10〜20重量%
含むことがより好ましい。ここで、本発明のポリアミド
が2種以上のポリアミドの混合物からなる場合でも、ヘ
キサメチレンイソフタルアミド単位が2種以上のポリア
ミドの混合物中で3〜30重量%、好ましくは10〜2
0重量%含んでいればよい。より好ましいポリアミドは
ヘキサメチレンイソフタルアミド単位3〜30重量%と
ヘキサメチレンアジパミド単位70〜97重量%を含む
共重合ポリアミドであり、さらに好ましいポリアミドは
ヘキサメチレンイソフタルアミド単位3〜30重量%と
ヘキサメチレンアジパミド単位60〜96重量%とカプ
ロアミド単位1〜10重量%からなる共重合ポリアミド
である。
【0015】これら低結晶性または非晶性ポリアミドの
重合度は、通常の成形加工が施せる程度であれば、とく
に制限はないが、ポリアミド樹脂1重量%の98%濃硫
酸溶液中、25℃で測定した相対粘度として、2.0〜
4.0の範囲のものが好ましい本発明のポリアミド成分
中において(a)結晶性ポリアミドの割合は70〜99
重量%である。結晶性ポリアミドの割合が70重量%未
満であると、耐熱性が低下する恐れがあり、また99重
量%を超えると透明性が低下する恐れがある。
【0016】本発明において(c)成分として使用され
る膨潤性層状珪酸塩とはアルミニウム、マグネシウム、
リチウム等の金属を含む8面体シートの上下に珪酸4面
体シートが重なって1枚の板状結晶層を形成している
2:1型の構造を持つものであり、通常、その板状結晶
層の層間に交換性の陽イオンを有している。
【0017】その1枚の板状結晶の大きさは、通常幅
0.05〜0.5μm、厚さ6〜15オングストローム
である。また、その交換性陽イオンのカチオン交換容量
は0.2〜3meq/gのものが挙げられ、好ましくは
カチオン交換容量が0.8〜1.5meq/gのもので
ある。
【0018】層状珪酸塩の具体例としてはモンモリロナ
イト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘ
クトライト、ソーコナイトなどのスメクタイト系粘土鉱
物、バーミキュライト、ハロイサイト、カネマイト、ケ
ニヤイト、燐酸ジルコニウム、燐酸チタニウムなどの各
種粘土鉱物、Li型フッ素テニオライト、Na型フッ素
テニオライト、Na型四珪素フッ素雲母、Li型四珪素
フッ素雲母等の膨潤性雲母等が挙げられ、天然のもので
あっても合成されたものであっても良い。これらのなか
でもモンモリロナイト、ヘクトライトなどのスメクタイ
ト系粘土鉱物やNa型四珪素フッ素雲母、Li型フッ素
テニオライトなどの膨潤性雲母が好ましく、特にモンモ
リロナイトが最も好ましい。
【0019】本発明においては層間に存在する交換性陽
イオンが有機オニウムイオンで交換された層状珪酸塩を
用いることが好ましい。
【0020】有機オニウムイオンとしてはアンモニウム
イオンやホスホニウムイオン、スルホニウムイオンなど
が挙げられる。これらのなかではアンモニウムイオンと
ホスホニウムイオンが好ましく、特にアンモニウムイオ
ンが好んで用いられる。アンモニウムイオンとしては、
1級アンモニウム、2級アンモニウム、3級アンモニウ
ム、4級アンモニウムのいずれでも良い。
【0021】1級アンモニウムイオンとしてはデシルア
ンモニウム、ドデシルアンモニウム、オクタデシルアン
モニウム、オレイルアンモニウム、ベンジルアンモニウ
ムなどが挙げられる。
【0022】2級アンモニウムイオンとしてはメチルド
デシルアンモニウム、メチルオクタデシルアンモニウム
などが挙げられる。
【0023】3級アンモニウムイオンとしてはジメチル
ドデシルアンモニウム、ジメチルオクタデシルアンモニ
ウムなどが挙げられる。
【0024】4級アンモニウムイオンとしてはベンジル
トリメチルアンモニウム、ベンジルトリエチルアンモニ
ウム、ベンジルトリブチルアンモニウム、ベンジルジメ
チルドデシルアンモニウム、ベンジルジメチルオクタデ
シルアンモニウムなどのベンジルトリアルキルアンモニ
ウムイオン、トリメチルオクチルアンモニウム、トリメ
チルドデシルアンモニウム、トリメチルオクタデシルア
ンモニウムなどのアルキルトリメチルアンモニウムイオ
ン、ジメチルジオクチルアンモニウム、ジメチルジドデ
シルアンモニウム、ジメチルジオクタデシルアンモニウ
ムなどのジメチルジアルキルアンモニウムイオン、トリ
オクチルメチルアンモニウム、トリドデシルメチルアン
モニウムなどのトリアルキルメチルアンモニウムイオン
などが挙げられる。
【0025】また、これらの他にもアニリン、p−フェ
ニレンジアミン、α−ナフチルアミン、p−アミノジメ
チルアニリン、ベンジジン、ピリジン、ピペリジン、6
−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12
−アミノドデカン酸などから誘導されるアンモニウムイ
オンなども挙げられる。
【0026】これらのアンモニウムイオンの中でも、好
ましいものは4級アンモニウムイオンであり、例えばト
リオクチルメチルアンモニウム、トリメチルオクタデシ
ルアンモニウム、ベンジルジメチルオクタデシルアンモ
ニウム、12−アミノドデカン酸から誘導されるアンモ
ニウムイオンなどが挙げられ、特にトリオクチルメチル
アンモニウム、ベンジルジメチルオクタデシルアンモニ
ウムが最も好ましい。
【0027】本発明において層間に存在する交換性陽イ
オンが有機オニウムイオンで交換された層状珪酸塩は、
交換性の陽イオンを層間に有する層状珪酸塩と有機オニ
ウムイオンを公知の方法で反応させることにより製造す
ることができる。具体的には、水、メタノール、エタノ
ールなどの極性溶媒中でのイオン交換反応による方法
か、層状珪酸塩に液状あるいは溶融させたアンモニウム
塩を直接反応させることによる方法などが挙げられる。
【0028】本発明において、層状珪酸塩に対する有機
オニウムイオンの量は、層状珪酸塩の分散性、溶融時の
熱安定性、成形時のガス、臭気の発生抑制などの点か
ら、層状珪酸塩の陽イオン交換容量に対し通常、0.4
〜2.0当量の範囲であるが、0.8〜1.2当量であ
ることが好ましい。
【0029】また、これら層状珪酸塩は上記の有機オニ
ウム塩に加え、反応性官能基を有するカップリング剤で
予備処理して使用することは、より優れた機械的強度を
得るために好ましい。かかるカップリング剤としてはイ
ソシアネート系化合物、有機シラン系化合物、有機チタ
ネート系化合物、有機ボラン系化合物、エポキシ化合物
などのが挙げられる。
【0030】特に好ましいのは、有機シラン系化合物で
あり、その具体例としては、γ−グリシドキシプロピル
トリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエ
トキシシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシ
ル)エチルトリメトキシシランなどのエポキシ基含有ア
ルコキシシラン化合物、γ−メルカプトプロピルトリメ
トキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシ
ランなどのメルカプト基含有アルコキシシラン化合物、
γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイ
ドプロピルトリメトキシシシラン、γ−(2−ウレイド
エチル)アミノプロピルトリメトキシシランなどのウレ
イド基含有アルコキシシラン化合物、γ−イソシアナト
プロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルメチ
ルジメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルメチル
ジエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルエチルジ
メトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルエチルジエ
トキシシラン、γ−イソシアナトプロピルトリクロロシ
ランなどのイソシアナト基含有アルコキシシラン化合
物、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジ
メトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメト
キシシランなどのアミノ基含有アルコキシシラン化合
物、γ−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−
ヒドロキシプロピルトリエトキシシランなどの水酸基含
有アルコキシシラン化合物、γ−メタクリロキシプロピ
ルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、N
−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミ
ノプロピルトリメトキシシラン・塩酸塩等の炭素炭素不
飽和基含有アルコキシシラン化合物などが挙げられる。
特に、炭素炭素不飽和基含有アルコキシシラン化合物が
好ましく用いられる。
【0031】これらカップリング剤での層状珪酸塩の処
理は、水、メタノール、エタノールなどの極性溶媒中、
あるいはこれらの混合溶媒中でカップリング剤を層状珪
酸塩に吸着させる方法か、ヘンシェルミキサー等の高速
攪拌混合機の中で層状珪酸塩を攪拌しながらカップリン
グ剤溶液を滴下して吸着させる方法、さらには層状珪酸
塩に直接シランカップリング剤を添加して、乳鉢等で混
合して吸着させることによる方法のどれを用いても良
い。層状珪酸塩をカップリング剤で処理する場合には、
カップリング剤のアルコキシ基の加水分解を促進するた
めに水、酸性水、アルカリ性水等を同時に混合するのが
好ましい。また、カップリング剤の反応効率を高めるた
め、水のほかにメタノールやエタノール等の水、カップ
リング剤両方を溶解する有機溶媒を混合してもかまわな
い。このようなカップリング剤で処理した層状珪酸塩を
熱処理することによってさらに反応を促進させることも
可能である。なお、本発明の組成物を層状珪酸塩とポリ
アミド樹脂を溶融混練して製造する際には予め層状珪酸
塩のカップリング剤による処理を行わずに、層状珪酸塩
とポリアミド樹脂を溶融混練する際に、これらカップリ
ング剤を添加するいわゆるインテグラルブレンド法を用
いてもよい。
【0032】層状珪酸塩の有機オニウムイオンによる処
理とカップリング剤による処理の順序にも特に制限はな
いが、まず有機オニウムイオンで処理した後、カップリ
ング剤処理をすることが好ましい。
【0033】本発明において(c)膨潤性層状珪酸塩の
含有量は本発明のポリアミド樹脂組成物中の無機灰分量
として0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜15重
量%、特に好ましくは1〜10重量%となる範囲であ
る。灰分量が少なすぎると成形性改良効果が小さく、灰
分量が多すぎると靱性が低下する場合がある。無機灰分
量はポリアミド樹脂組成物2gを600℃の電気炉で3
時間灰化させて求めた値である。
【0034】本発明のポリアミド樹脂組成物において
は、マトリックスであるポリアミド樹脂中に層状珪酸塩
が単層のレベルで均一に分散していることが好ましい。
単層のレベルで均一に分散している状態とは、層状珪酸
塩が単層〜10層程度の状態で、二次凝集することなく
マトリックス樹脂全体に分散していることを言う。この
状態はポリアミド樹脂組成物から切片を切削しこれを電
子顕微鏡で観察することによって確認できる。
【0035】本発明のポリアミド樹脂組成物には結晶性
を調整する目的で(d)結晶核剤を添加することもでき
る。結晶核剤としては制限はなく、その具体例として
は、タルク、シリカ、グラファイトなどの無機微粒子、
酸化マグネシウム、酸化アルミニウムなどの金属酸化
物、カプロラクタム二量体などのポリアミドオリゴマ
ー、ナイロン6T、ナイロン66/6Tなど高融点ポリ
アミドなどが挙げられる。これらのなかで、タルクやシ
リカなどの無機微粒子が好ましく、特にタルクが好まし
い。結晶核剤を添加する場合の好ましい添加量はポリア
ミド樹脂組成物100重量部に対し、0.01〜10重
量部、好ましくは0.03〜5重量部、より好ましくは
0.05〜3重量部である。
【0036】本発明のポリアミド樹脂組成物の結晶化度
は20%以上であることが必要である。ここで結晶化度
は該ポリアミド樹脂組成物を粉末化してX線回折測定を
行いRuland法で求めた値である。結晶化度が20
%未満であると、耐熱性が低くなり、また高温下で処理
した際に後結晶化が発生し、寸法変化を起こしたり成形
品表面外観や透明感を低下させる恐れがあり好ましくな
い。結晶化度に特に上限は無いが、60%を超えると靭
性が低下する恐れがあるのでそれ以下にすることが好ま
しい。
【0037】また本発明のポリアミド樹脂組成物は球晶
サイズに特徴があり、球晶の直径が平均1μm以下、好
ましくは0.5μm以下であることが必要である。球晶
の直径はポリアミド樹脂組成物の超薄切片を作成し、偏
光顕微鏡や電子顕微鏡などで観察し、球晶の写真を撮影
した後、画像解析装置などで球晶の直径の数平均を算出
して得られる値である。球晶直径が1μmを超えると、
成形品の均一性や成形収縮率などの寸法安定性が損なわ
れ、また成形品外観の悪化ももたらされる。球晶の直径
の下限は0.01μmであることが好ましい。
【0038】本発明のポリアミド樹脂組成物には色調改
良の目的で、リン系化合物を添加することも可能であ
る。好ましいリン系化合物としては、リン酸一ナトリウ
ム、リン酸二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、次亜リ
ン酸ナトリウムなどの無機リン酸塩、トリフェニルホス
ファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、トリス
(ノニルフェニル)ホスファイト、ビス(2,6−ジ−
t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトー
ル−ジ−ホスファイトなどの有機リン化合物が挙げられ
る。なかでも、次亜リン酸ナトリウムやビス(2,6−
ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリ
トール−ジ−ホスファイトが色調改良効果に優れ好まし
い。これらリン系化合物を添加する場合の好ましい添加
量は本発明のポリアミド樹脂組成物100重量部に対
し、0.01重量部〜1.0重量部、より好ましくは
0.05〜0.5重量部である。
【0039】本発明のポリアミド樹脂組成物には本発明
の効果を損なわない範囲で他の成分、例えば酸化防止剤
や耐熱安定剤(ヒンダードフェノール系、ヒドロキノン
系、チオエーテル系等)、耐候剤(レゾルシノール系、
サリシレート系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノ
ン系、ヒンダードアミン系等)、離型剤及び滑剤(モン
タン酸及びその金属塩、そのエステル、そのハーフエス
テル、ステアリルアルコール、ステアラミド、各種ビス
アミド、ビス尿素及びポリエチレンワックス等)、顔料
(硫化カドミウム、フタロシアニン、カーボンブラッ
ク、メタリック顔料等)、染料(ニグロシン等)、可塑
剤(p−オキシ安息香酸オクチル、N−ブチルベンゼン
スルホンアミド等)、帯電防止剤(アルキルサルフェー
ト型アニオン系帯電防止剤、4級アンモニウム塩型カチ
オン系帯電防止剤、ポリオキシエチレンソルビタンモノ
ステアレートのような非イオン系帯電防止剤、ベタイン
系両性帯電防止剤等)、難燃剤(例えば、赤燐、メラミ
ンシアヌレート、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニ
ウム等の水酸化物、ポリリン酸アンモニウム、臭素化ポ
リスチレン、臭素化PPO、臭素化PC、臭素化エポキ
シ樹脂あるいはこれらの臭素系難燃剤と三酸化アンチモ
ンとの組み合わせ等)、他の重合体(ポリエステル、ポ
リカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニ
レンスルフィド、ポリエーテルスルフォン、ABS樹
脂、SAN樹脂、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、SBS、SEBS、各種エラ
ストマー等)を添加することができる。
【0040】本発明のポリアミド樹脂組成物を得る方法
については、制限はなく、ポリアミドの重合時に層状珪
酸塩を存在せしめて得てもよいが、ポリアミド樹脂と層
状珪酸塩を溶融混練して得る方法が好適である。この
際、ポリアミド樹脂と層状珪酸塩を溶融混練する方法に
は特に制限はなく、ポリアミド樹脂の溶融状態下で機械
的剪断を行うことができればよい。その処理方法もバッ
チ式または連続式のいずれでも良いが、連続的に製造で
きる連続式の方が作業効率の面から好ましい。具体的な
混練装置にも制限はないが、押出機、特に二軸押出機が
生産性の面で好ましい。また、溶融混練時に発生する水
分や、低分子量の揮発成分を除去する目的で、ベント口
を設けることも好んで用いられる。二軸押出機を用いる
場合には、(a)結晶性ポリアミドと(b)低結晶性ま
たは非晶性ポリアミドと(c)層状珪酸塩をあらかじめ
ブレンダー等で混合しておき、それを押出機のフィード
口から供給する方法や、(a)および(b)成分を押出
機の上流側のフィード口から供給し、(c)成分を下流
側のフィード口から供給する方法など供給の方法にも特
に制限はない。押出機のスクリューアレンジにも特に制
限はないが、層状珪酸塩を単層レベルに分散させるため
に、ニーディングゾーンを設けることが好ましい。
【0041】また、(a)ポリアミド樹脂の一部と
(c)層状珪酸塩と溶融混練しマスターバッチを製造し
た後、ポリアミド樹脂の残部と再度溶融混練する方法も
層状珪酸塩を分散させるために好んで用いられる。
【0042】本発明のポリアミド樹脂組成物は公知の成
形方法(射出成形、押出成形、ブロー成形、プレス成
形、インジェクションプレス成形など)により、三次元
成形品、シート、容器、パイプなどに加工することがで
きる。成形方法としては射出成形あるいはインジェクシ
ョンプレス成形等が好ましい。また、各種インサート成
形や、多色成形など複合成形技術を用いた成形品にも適
用し得る。なかでも射出成形品用途に特に好適であり、
得られた成形品は耐熱性、寸法安定性、成形品外観、均
一性に優れ、透明感も合わせ持つためプラ製ケース類、
ボタンなどの雑貨類、薬液ビンなどの容器類をはじめ、
各種機械機構部品、電気電子部品または自動車部品に好
適である。
【0043】本発明の成形品を切削加工や各種溶着など
で後加工することも可能である。
【0044】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の骨子は以下の実施例のみに限定されるも
のではない。
【0045】評価項目と測定方法 結晶化度:成形品を凍結粉砕で粉末化し、広角X線回折
装置で反射法で測定を行い、得られた回折パターンを用
いRuland法で算出した。
【0046】球晶サイズ:成形品中心部から超薄切片を
切り出し、偏光顕微鏡で球晶の写真を測定し、画像解析
装置を用いて平均直径を算出した。
【0047】成形品外観:80mm×80mm×1mm
の角板を金型温度40℃で成形し、その成形品表面に天
井の蛍光灯を映し、その映り具合を目視で比較した。ま
た、同じ角板を150℃のオーブン中で5時間熱処理し
た後に同様に外観の比較を行った。判定基準は、蛍光灯
が鮮明に映し出された場合を◎、鮮明ではないが輪郭が
はっきりと映し出された場合を○、ぼんやりと映る場合
を△、全く映らない場合を×で示した。
【0048】透明感:成形品外観の評価に用いたものと
同じ角板を用いて直読ヘイズメーターでヘイズ(曇度)
を測定した(ヘイズが低いほど透明感に優れる)。ま
た、この角板を150℃のオーブン中で5時間熱処理し
た後に同様にヘイズを測定した。
【0049】変形度:成形品外観および透明感の評価に
用いた150℃のオーブン中で5時間熱処理した角板を
平面盤上に置き、盤面から角板の最上面までの高さを測
定し、その値から本来の角板の厚みである1mmを減じ
た値で比較した(変形が全くない場合は0mmであり、
熱によってソリなどの変形が生じた場合は高い値とな
る)。
【0050】荷重たわみ温度:ASTM D648に準
じて荷重0.46MPaで測定した。
【0051】層状珪酸塩の分散状態:成形品外観の評価
に用いた角板から、超薄切片を切削し、透過型電子顕微
鏡で観察し、層状珪酸塩の分散状態を調べた。層状珪酸
塩が単層から数層に剥離し、均一に分散している場合を
○、数層から十数層程度の層構造で分散している場合を
△、数ミクロンサイズの凝集構造で存在している場合を
×で示した。
【0052】参考例1(共重合ポリアミドの製造) ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸の等モル塩76重
量部、ヘキサメチレンジアミンとイソフタル酸の等モル
塩16重量部、およびεカプロラクタム8重量部を重合
缶に投入し、さらに投入した全原料と同量の純水を加
え、重合缶内を充分窒素置換した後、撹拌しながら加温
を開始した。缶内圧力は最大2.0MPaに調節しなが
ら最終到達温度は270℃とした。水浴中に吐出したポ
リマーをストランドカッターでペレタイズした。得られ
た共重合ポリアミド(b−1)の濃硫酸中、25℃、濃
度1%で測定した相対溶液粘度は2.30であった。示
差走査熱量計で測定したTmは231℃、Tcは176
℃であり(Tm−Tc)は55℃であった。
【0053】参考例2(有機化層状珪酸塩の製造) Na型モンモリロナイト(クニミネ工業:クニピアF、
陽イオン交換容量120m当量/100g)100gを
温水10リットルに攪拌分散し、ここにベンジルジメチ
ルオクタデシルアンモニウムクロライド51g(陽イオ
ン交換容量と等量)を溶解させた温水2Lを添加して1
時間攪拌した。生じた沈殿を濾別した後、温水で洗浄し
た。この洗浄と濾別の操作を3回行い、得られた固体を
80℃で真空乾燥して乾燥した有機化層状珪酸塩(c−
1)を得た。得られた有機化層状珪酸塩の無機灰分量を
測定したところ、68重量%であった。なお、無機灰分
量の測定は有機化層状珪酸塩0.1gを600℃の電気
炉で3時間灰化して求めた値である。
【0054】実施例1 ナイロン6(濃硫酸中、25℃、濃度1%で測定した相
対溶液粘度は2.70)90重量部と参考例1で得られ
た共重合ポリアミド(b−1)を10重量部、参考例2
で得られた有機化層状珪酸塩(c−1)3重量部を配合
し、タンブラーミキサーでプレブレンドした後、シリン
ダ温度を250℃に設定したTEX−30型二軸押出機
(日本製鋼所)で溶融混練し、樹脂組成物を得た。得ら
れた組成物はペレタイズした後、80℃で10時間真空
乾燥し、シリンダ温度250℃、金型温度40℃で射出
成形を行い、試験片を得た。特性の評価結果を表1に示
した。
【0055】実施例2 さらに結晶核剤としてタルク(富士タルク:LMS−3
00)を0.1重量部添加する以外は実施例1と同様に
してポリアミド樹脂組成物を得、評価した。結果を表1
に示した。
【0056】実施例3、4 各原料を表1の配合割合で用いる以外は、実施例1と同
様にして樹脂組成物を得、特性評価を行った。結果を表
1に示す。
【0057】比較例1〜6 各原料を表2の配合割合で用いる以外は、実施例1と同
様にして樹脂組成物を得、特性評価を行った。結果を表
2に示す。
【0058】比較例7 ポリアミドとして、6/66共重合ポリアミド(6/6
6=60/40重量%、濃硫酸中、25℃、濃度1%で
測定した相対溶液粘度は2.9、(b−2))を用いる
以外は実施例1と同様にして樹脂組成物を得、特性評価
を行った。結果を表2に示す。
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
【0061】
【発明の効果】本発明のポリアミド樹脂組成物は耐熱性
と寸法安定性、成形品外観に優れ、高温雰囲気下に長時
間さらされても変形せず、また成形品外観が悪化しない
ので、自動車・車両関係部品、電気・電子関連部品、建
材、包装材、日用雑貨などの各種用途に適している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29K 105:16 B29K 105:16 Fターム(参考) 4F071 AA54 AA55 AB26 AF45 AF54 BB05 BC04 4F206 AA29K AB06 AB08 AB11 AH17 JA07 JF01 4J002 CL011 CL012 CL031 CL051 CL052 DJ006 FB096

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)結晶性ポリアミドと(b)低結晶性
    または非晶性ポリアミドおよび(c)膨潤性層状珪酸塩
    からなるポリアミド樹脂組成物であって、全ポリアミド
    成分中における(a)結晶性ポリアミドの割合が70〜
    99重量%であり、かつ、樹脂組成物の結晶化度が20
    %以上、球晶の直径が平均1μm以下であることを特徴
    とするポリアミド樹脂組成物。
  2. 【請求項2】(d)結晶核剤を含んでなる請求項1記載
    のポリアミド樹脂組成物。
  3. 【請求項3】(b)低結晶性または非晶性ポリアミド
    が、主鎖中に芳香環あるいは脂環構造単位を有するポリ
    アミドの少なくとも一種を構成成分として含むものであ
    ることを特徴とする請求項1または2記載のポリアミド
    樹脂組成物。
  4. 【請求項4】(b)低結晶性または非晶性ポリアミド
    が、ヘキサメチレンイソフタルアミド単位3〜30重量
    %とヘキサメチレンアジパミド単位60〜96重量%と
    カプロアミド単位1〜10重量%を含む共重合ポリアミ
    ドであることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の
    ポリアミド樹脂組成物。
  5. 【請求項5】(c)膨潤性層状珪酸塩が層間に存在する
    交換性陽イオンが有機オニウムイオンで交換された膨潤
    性層状珪酸塩であることを特徴とする請求項1〜4いず
    れか記載のポリアミド樹脂組成物。
  6. 【請求項6】(c)膨潤性層状珪酸塩がポリアミド樹脂
    組成物中に単層レベルで分散していることを特徴とする
    請求項1〜5いずれか記載のポリアミド樹脂組成物。
  7. 【請求項7】請求項1〜6いずれか記載のポリアミド樹
    脂組成物を射出成形してなるポリアミド樹脂成形品。
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