JP2003104923A - アリル化多価フェノール化合物の製造法 - Google Patents

アリル化多価フェノール化合物の製造法

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JP2003104923A JP2002250244A JP2002250244A JP2003104923A JP 2003104923 A JP2003104923 A JP 2003104923A JP 2002250244 A JP2002250244 A JP 2002250244A JP 2002250244 A JP2002250244 A JP 2002250244A JP 2003104923 A JP2003104923 A JP 2003104923A
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健一 窪木
Yoshitaka Kajiwara
義孝 梶原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】アリル化多価フェノール化合物を原料とするエ
ポキシ樹脂の製造に於いて、工程の短縮化及びアリル化
反応の高効率化。 【解決手段】下記第1工程及び第2工程からなる多価フ
ェノール化合物の製造法であって、 第1工程:多価フェノール化合物のアリルエーテル化反
応、 第2工程:第1工程で得られたアリルエーテルのクライ
ゼン転位反応、下記(a)〜(d)の工程から選ばれる
いずれか1種以上の工程を含んでなることを特徴とする
アリル化多価フェノール化合物の製造法。 (a)第1工程で副生する塩を除去せずに第2工程を行
う工程 (b)第1工程の反応溶媒として、非プロトン性極性溶
媒を使用する工程 (c)不活性ガス雰囲気下、もしくは真空中で第2工程
を行う工程 (d)フェノール系酸化防止剤を添加して第2工程を行
う工程

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、アリル化多価フェ
ノール化合物の製造法に関する。詳しくは、高信頼性半
導体封止用を始めとする電気・電子部品絶縁材料用、及
び積層板(プリント配線板)やCFRP(炭素繊維強化
プラスチック)を始めとする各種複合材料用、各種接着
剤用、各種塗料用、構造用部材等に有用なエポキシ樹脂
の原料となるアリル化多価フェノール化合物の製造法に
関する。 【0002】 【従来の技術】従来、多価フェノール化合物のアリル化
物のエポキシ樹脂の製造におけるアリル化物を得るまで
の工程は以下の方法によって行われている。すなわち、
先ず多価フェノール化合物をメタノール、イソプロパノ
ール、n−プロパノール等のアルコール類やアセトン、
メチルエチルケトン等のケトン類等の溶剤に溶解後、水
酸化ナトリウムや水酸化カリウム等の塩基を用いて塩化
アリルや臭化アリル等のハロゲン化アリルと反応させる
ことにより、多価フェノール化合物のアリルエーテルが
得られる。しかし、アルコール類はハロゲン化アリルと
反応する可能性があり、わずかではあるが不純物が生成
してしまう。また、ケトン類は塩基に対して安定とは言
い難い。次に、副生した無機塩を濾過ないし水洗等によ
り除去し、得られたアリルエーテルをカルビトール、パ
ラフィンオイル、N,N’−ジメチルアニリン等の高沸
点溶媒の存在下または無溶剤下において、150〜23
0℃で0.1〜100時間加熱することによりクライゼ
ン転位によりアリル化多価フェノール化合物を得る。こ
の際僅かではあるがアリルエーテルがo−位に転位せず
に外れてしまうという問題がある。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、アリル化多
価フェノール化合物を原料とするエポキシ樹脂の製造に
於いて、工程の短縮化及びアリル化反応の高効率化を目
的とする。 【0004】 【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、(1)
下記第1工程及び第2工程からなり、下記(a)〜
(d)の工程から選ばれるいずれか1種以上の工程を含
んでなることを特徴とするアリル化多価フェノール化合
物の製造法。 第1工程:多価フェノール化合物のアリルエーテル化反
応、 第2工程:第1工程で得られたアリルエーテルのクライ
ゼン転位反応、 (a)第1工程で副生する塩を除去せずに第2工程を行
う工程 (b)第1工程の反応溶媒として、非プロトン性極性溶
媒を使用する工程 (c)不活性ガス雰囲気下、もしくは真空中で第2工程
を行う工程 (d)フェノール系酸化防止剤を添加して第2工程を行
う工程 に関する。 【0005】 【発明の実施の形態】本発明の製造法に於いて用いる出
発原料は、例えばビスフェノールA、ビスフェノール
F、ビスフェノールAD、ビフェノール、4,4’−
(1−メチル−エチリデン)ビス[2−メチルフェノー
ル]、4,4’−(1,3−ジメチルブチリデン)ビス
フェノール、4,4’−(2−フェニルエチリデン)ビ
スフェノール、4,4’−(2−エチルヘキシリデン)
ビスフェノール、シクロヘキシリデンビスフェノール、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4
−ヒドロキシフェニル)メタノン、4,4’−(ジメチ
ルシリレン)ビスフェノール、4,4’−オキシビスフ
ェノール等のビスフェノール類、フェノール類・アルデ
ヒド類重縮合物、フェノール類・ケトン類重縮合物、ヒ
ドロキノン、レゾルシン、カテコール、フロログリシノ
ール等の多価ヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタ
レン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス
(3−メチル−4ヒドロキシフェニル)4−ヒドロキシ
フェニルメタン等のフェノール類・ヒドロキシベンズア
ルデヒド類重縮合物、フェノール類・ジエン化合物重合
物、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェ
ニル)エタン、1,1,2,2−テトラキシ(3−メチ
ル−4−ヒドロキシフェニルエタン)、α,α,α’,
α’−テトラキス(p−ヒドロキシフェニル)−p−キ
シレン等のフェノール類・ジアルデヒド化合物重縮合
物、フェノール類・芳香族ジメタノール類重縮合物、フ
ェノール類・オレフィンアルデヒド類重縮合物等を始め
とする多価フェノール化合物であるが、少なくとも分子
中の1個の水酸基のo−位のうち少なくとも1カ所には
置換基が存在しない化合物であることが好ましい。 【0006】本発明の製造法においては先ず、第1工程
として前記のような多価フェノール化合物にアルカリ金
属水酸化物等の塩基を用いて塩化アリルや臭化アリル、
メチルアリルクロライド等のハロゲン化アリルを反応さ
せてアリルエーテルを得る。この際、メタノール、イソ
プロパノール、アセトン、メチルエチルケトン等の水と
親和性の高い有機溶剤を使用することもできるが、僅か
ながらではあるがハロゲン化アリルとアルコールが反応
してしまったり、また塩基として水酸化ナトリウムや水
酸化カリウムなどを通常使用するため強アルカリに弱い
ケトン類の溶剤は好ましくない場合がある。従って、溶
媒としてはジメチルスルホン、ジメチルスルホキシド、
ジメチルホルムアミド、1,3−ジメチル−2−イミダ
ゾリジノン等の非プロトン性極性溶剤を使用することが
好ましい。これらは、脱ハロゲン作用がある溶剤である
ため反応触媒としても作用し、アルコール、ケトン類溶
剤よりも低温、短時間で反応が進行し、塩基やハロゲン
化アリルの消費効率も高い。非プロトン性極性溶剤の使
用量は通常原料100重量部に対して50〜400重量
部、好ましくは70〜300重量部であり、またこれら
は単独で用いても、アルコール、ケトンなどほかの溶剤
と併用しても良い。その場合、他の溶剤の使用量は非プ
ロトン性極性溶剤100重量部に対して通常10〜10
0重量部である。ハロゲン化アリル及び塩基の使用量は
フェノール性水酸基1当量に対し通常0.1〜1.5モ
ル、好ましくは0.5〜1.2モルである。 【0007】また、アリルエーテル化の副生成物として
塩化ナトリウムや塩化カリウム、臭化ナトリウム、臭化
カリウム等が生成されるが、従来は濾別もしくはアリル
エーテルを非水溶性有機溶剤に溶解後水洗によって除去
されていた。本発明に於いては、このアリルエーテル化
反応時の副生塩の除去工程を省略し、反応終了後に濾過
や水洗をせずにそのまま有機溶剤を加熱減圧下に於いて
留去した後、無機塩が存在したままでクライゼン転位反
応(第2工程)を行ってもアリル化が正常に進行するこ
とを見い出した。 【0008】第2工程であるクライゼン転移反応は常法
に従って行えばよく、例えば第1工程で得られたアリル
エーテル(副生塩含有する場合もある)をカルビトー
ル、パラフィンオイル、N,N’−ジメチルアニリン等
の高沸点溶媒の存在下または無溶剤下において、150
〜230℃で0.1〜100時間加熱する。溶媒は、ア
リルエーテル100重量部に対して、10〜200重量
部必要に応じて使用する。反応終了後、必要により使用
した溶媒を除去し、アリル化多価フェノールを得ること
ができる。 【0009】更に、クライゼン転位反応においては、酸
素及び水が反応に悪影響をあたえていることを見い出し
た。従って、真空中あるいは窒素、アルゴン等の不活性
ガス雰囲気中で反応を行うことが好ましく、生成物の着
色も防ぐことが出来る。しかしながら、完全な真空や不
活性ガス雰囲気を保つことは難しく、微量の酸素の系中
への混入は避けられない。このため、酸化防止剤を添加
してクライゼン転位を行うことが好ましいが、生成物は
後でグリシジル化の工程に共するのでフェノール系の酸
化防止剤を用いて、余った酸化防止剤もアリル化物と一
緒にグリシジル化してしまえば除去する必要が無くな
る。ただし、目的物の物性を損なわないように、酸化防
止剤はアリルエーテル100重量部に対して10重量部
程度使用するのが好ましい。フェノール系酸化防止剤と
してはメチルヒドロキノン、2,5−ジ−tert−ブ
チルハイドロキノン、2,5−ジ−tert−アミルハ
イドロキノン、tert−ブチル化ビスフェノールA、
2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−
ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エ
チル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−
エチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフ
ェノール)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t
ert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビ
ス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、
4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチ
ルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−
4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタ
ン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス
(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベン
ジル)ベンゼン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)−シクロヘキサン等が挙げられるがこれらに限定さ
れるものではない。また、これらは単独でも2種以上併
用しても良いが、1分子あたりフェノール性水酸基を2
個以上有する化合物を用いることが好ましい。 【0010】こうして得られた本発明のアリル化多価フ
ェノール化合物(副生無機塩を含む場合もある)をエピ
ハロヒドリン類と反応させエポキシ樹脂を得ることがで
きる。グリシジル化反応に使用されるエピハロヒドリン
類の用いうる具体例としては、エピクロルヒドリン、β
−メチルエピクロルヒドリン、エピブロムヒドリン、β
−メチルエピブロムヒドリン、エピヨードヒドリン、β
−エチルエピクロルヒドリン等が挙げられるが、工業的
に入手し易く安価なエピクロルヒドリンもしくはエピブ
ロムヒドリンが好ましい。 【0011】反応は、例えばアリル化多価フェノール化
合物とエピハロヒドリン類の混合物に触媒として水酸化
ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化
物の固体を一括添加または徐々に添加しながら20〜1
20℃で0.5〜10時間反応させる。この際アルカリ
金属水酸化物はその水溶液を使用してもよく、その場合
は該アルカリ金属水酸化物を連続的に添加すると共に反
応混合物中から減圧下、または常圧下、連続的に水及び
エピハロヒドリン類を留出せしめ更に分液し水は除去し
エピハロヒドリン類は反応混合物中に連続的に戻す方法
でもよい。 【0012】上記の方法においてエピハロヒドリン類の
使用量は式の化合物の水酸基1当量に対して通常0.5
〜20モル、好ましくは0.7〜10モルである。アル
カリ金属水酸化物の使用量はアリル化多価フェノール化
合物の水酸基1当量に対し通常0.5〜1.5モル、好
ましくは0.7〜1.2モルである。また、上記反応に
おいてジメチルスルホン、ジメチルスルホキシド、ジメ
チルホルムアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリ
ジノン等の非プロトン性極性溶剤を添加することにより
加水分解性ハロゲン濃度の低いエポキシ樹脂が得られ、
電子材料封止材としての用途に適する。非プロトン性極
性溶剤の使用量はエピハロヒドリン類の重量に対し通常
5〜200重量%、好ましくは10〜100重量%であ
る。また前記の溶剤以外にもメタノール、エタノール等
のアルコール類を添加することによっても反応が進み易
くなる。またトルエン、キシレン、ジオキサン等も使用
することができる。上記非プロトン性極性溶媒やアルコ
ール類は、アリルエーテル化反応で使用後に回収した溶
剤を再利用することもできる。 【0013】また、多価フェノールのアリル化物と過剰
のエピハロヒドリン類の混合物にテトラメチルアンモニ
ウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイ
ド、トリメチルベンジルアンモニウムクロライドなどの
第四級アンモニウム塩を触媒として使用し、50℃〜1
50℃で1〜20時間反応させて得られた多価フェノー
ルのアリル化物のハロヒドリンエーテルに水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物の固
体または水溶液を加え、20〜120℃で1〜20時間
反応させてハロヒドリンエーテルを閉環させて本発明の
エポキシ樹脂を得ることもできる。この場合の第四級ア
ンモニウム塩の使用量はアリル化多価フェノール化合物
の水酸基1当量に対して通常0.001〜0.2モル、
好ましくは0.05〜0.1モルである。 【0014】通常、これらの反応物は副生した塩(第1
工程で副生した無機塩も含む)をろ過または水洗後に加
熱減圧下で過剰のエピハロヒドリン類を除去した後、ト
ルエン、キシレン、メチルイソブチルケトン等の溶媒に
溶解し、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアル
カリ金属水酸化物の水溶液を加えて再び反応を行う。こ
の場合アルカリ金属水酸化物の使用量はアリル化多価フ
ェノール化合物の水酸基1当量に対して通常0.01〜
0.2モル、好ましくは0.05〜0.1モルである。
反応温度は通常50〜120℃、反応時間は通常0.5
〜2時間である。また、ろ過や水洗をせずに副生塩が存
在したまま加熱減圧下で過剰のエピハロヒドリン類を除
去し、後は前記と同様の操作を行うことも可能である
し、溶媒に溶解後にろ過や水洗を行っても良い。 【0015】前記反応終了後、加熱減圧下においてトル
エン、キシレン、メチルイソブチルケトン等の溶剤を留
去することにより加水分解性ハロゲンの少ないエポキシ
樹脂を得ることができる。尚、前記の反応の前に塩を除
去していない場合は反応終了後に、副生した塩をろ過、
水洗などにより除去してから溶剤の留去を行い目的とす
るエポキシ樹脂を得ることが出来る。本発明においては
上記(a)〜(d)の全操作を行うことが好ましい。こ
うして得られたエポキシ樹脂は、通常のエポキシ樹脂と
同様に硬化剤等により硬化させることが出来、電気・電
子分野、建築分野、塗料、接着剤、土木分野などの様々
な分野に利用することができる。 【0016】 【実施例】以下本発明を実施例により更に詳細に説明す
る。尚、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。尚、物性値の測定は以下の方法で行った。 ・エポキシ当量 JIS K−7236に準じた方法で測定した値 ・粘度 E型回転粘度計(25℃) 【0017】実施例1 ビスフェノールA114重量部、ジメチルスルホキシド
(DMSO、以下同様)200重量部を反応容器に仕込
み、撹拌、溶解後、水酸化ナトリウム41重量部を添加
して撹拌を継続した。次いで、系内を40℃に保持しな
がら、塩化アリル80重量部を1時間かけて滴下した
後、40℃で3時間、70℃で30分反応を行った。反
応終了後、反応溶液から加熱減圧下においてジメチルス
ルホキシドを留去してビスフェノールAのジアリルエー
テルと塩化ナトリウムの混合物を得た。このビスフェノ
ールAのジアリルエーテルと塩化ナトリウムの混合物を
反応容器に仕込み、減圧と窒素置換を繰り返した後に、
窒素を系内に流すことで窒素雰囲気をつくり、190℃
で6時間クライゼン転位反応を行うことにより淡黄色液
状のアリル化ビスフェノールAと塩化ナトリウムの混合
物を得た。このアリル化ビスフェノールをガスクロマト
グラフィーで分析したところ、モノアリルビスフェノー
ルAが1%以下、ジアリルビスフェノールAが93%で
あった。 【0018】参考例1 前記のアリル化ビスフェノールAと塩化ナトリウムの混
合物と、エピクロルヒドリン(ECH、以下同様)55
5重量部、DMSO280重量部を反応容器に仕込、加
熱、撹拌、溶解後、45℃を保持しながら、反応系内を
45Torrに保って、40%水酸化ナトリウム水溶液
63重量部を4時間かけて連続的に滴下した。この際共
沸により留出してくるECHと水を冷却、分液した後、
有機層であるECHだけを反応系内に戻しながら反応を
行った。水酸化ナトリウム水溶液滴下完了後、引続き減
圧下で45℃で2時間、70℃で60分更に反応を行っ
た。ついで水洗を繰り返し、副生した塩化ナトリウムと
DMSOを除去した後、油層から加熱減圧下において過
剰のECHを留去し、残留物に300重量部のメチルイ
ソブチルケトン(MIBK、以下同様)を添加し溶解し
た。更に、このMIBKの溶液を70℃に加熱し、30
%水酸化ナトリウム水溶液10重量部を添加し、2時間
反応させた後、溶液の洗浄液が中性となるまで水洗を繰
り返した。ついで油層から加熱減圧下においてMIBK
を留去し、残留物を加熱減圧下において分子蒸留する事
により、淡黄色液状のエポキシ樹脂(E1)198重量
部を得た。得られたエポキシ樹脂(E1)のエポキシ当
量は225g/eq、粘度は1900センチポイズであ
った。 【0019】実施例2 実施例1において、クライゼン転位反応を行う際に4,
4’−イソプロピリデンビス(2,6−ジ−tert−
ブチルフェノール)を2.0重量部加えた以外は同様の
操作を行いアリル化4,4’−イソプロピリデンビス
(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)を得た。 【0020】参考例2 参考例1においてアリル化ビスフェノールAの代わり
に、実施例2で得られたアリル化4,4’−イソプロピ
リデンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノー
ル)を2.0重量部加えた以外は同様の操作を行ったと
ころ、エポキシ樹脂(E2)200重量部が得られた。
エポキシ樹脂(E2)のエポキシ当量は227g/e
q、粘度は2000センチポイズであった。 【0021】 【発明の効果】本発明のアリル化多価フェノール化合物
の製造法は従来の製造法に比べ、工程の短縮並びに反応
に要するエネルギーの削減を実現できる。また、アリル
基の脱離を抑えて着色の少ないエポキシ樹脂を得ること
ができる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】下記第1工程及び第2工程からなり、下記
    (a)〜(d)の工程から選ばれるいずれか1種以上の
    工程を含んでなることを特徴とするアリル化多価フェノ
    ール化合物の製造法。 第1工程:多価フェノール化合物のアリルエーテル化反
    応、 第2工程:第1工程で得られたアリルエーテルのクライ
    ゼン転位反応、 (a)第1工程で副生する塩を除去せずに第2工程を行
    う工程 (b)第1工程の反応溶媒として、非プロトン性極性溶
    媒を使用する工程 (c)不活性ガス雰囲気下、もしくは真空中で第2工程
    を行う工程 (d)フェノール系酸化防止剤を添加して第2工程を行
    う工程
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