JP6537128B2 - フェノール樹脂、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物、およびその硬化物 - Google Patents

フェノール樹脂、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物、およびその硬化物 Download PDF

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本発明は耐熱性と要求される電気電子材料用途に好適な硬化物を与えるフェノール樹脂、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物、およびその硬化物に関する。
エポキシ樹脂組成物は作業性及びその硬化物の優れた電気特性、耐熱性、接着性、耐湿性(耐水性)等により電気・電子部品、構造用材料、接着剤、塗料等の分野で幅広く用いられている。
近年、電気・電子分野においてはその発展に伴い、樹脂組成物の高純度化をはじめ耐湿性、密着性、誘電特性、フィラー(無機または有機充填剤)を高充填させるための低粘度化、成型サイクルを短くするための反応性のアップ等の諸特性の一層の向上が求められている。また、構造用複合材料としては航空宇宙材料、レジャー・スポーツ器具用途などにおいて軽量で機械物性の優れた材料が求められている。特に半導体封止分野、基板(基板自体、もしくはその周辺材料)においては、その半導体の変遷に従い、薄層化、スタック化、システム化、三次元化と複雑になっていき、非常に高いレベルの耐熱性や高流動性といった要求特性が求められる。なお、特にプラスチックパッケージの車載用途への拡大に伴い、耐熱性の向上要求がいっそう厳しくなっており、高耐熱性で、かつ低線膨張率の樹脂で、かつ当然ながら半田リフローへの対応が必要となっており、同時に吸水率の低下、もしくは維持が求められる。
特願2013-213868号
"2008年 STRJ報告 半導体ロードマップ専門委員会 平成20年度報告"、第8章、p1−17、[online]、平成21年3月、JEITA (社)電子情報技術産業協会 半導体技術ロードマップ専門委員会、[平成24年5月30日検索]、<http://strj-jeita.elisasp.net/strj/nenjihoukoku-2008.cfm>
高機能化で特に要求される特性のひとつとして耐熱性が挙げられる。従来より耐熱性は重要視されていたものの、一般に耐熱性を挙げると吸水特性が悪くなる、また難燃性が悪くなる等の問題が生じる。半導体周辺材料分野においては高耐熱化だけでなく、難燃性等を求められているため、この相反する特性を有する樹脂の開発が急務であった。
本発明者らは、このような特性が期待できるベンゾキサンテン構造を有するフェノール樹脂、エポキシ樹脂の開発を進めてきており(特許文献1を参照。)、さらなる改良のため、ベンゾキサンテン構造を有する新しいフェノール樹脂、エポキシ樹脂を提供することを目的として鋭意検討を重ねた。
エポキシ樹脂の耐熱性を向上させると難燃性、吸水性、誘電特性が低下する要因の一つとして、一般に、架橋密度が向上することによる影響であると考えられている。そこで、本発明者らはこのような知見に基づき、ベンゾキサンテン構造を有し、かつ架橋密度を上げずに前記特性を有する新たなフェノール樹脂、エポキシ樹脂を見出し、本発明を完成させるに至った。すなわち、本発明は、
[1]下記一般式(1)で表されるフェノール樹脂、
Figure 0006537128
(式中、R、R、Rはそれぞれ独立して存在し、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、ヒドロキシル基、メトキシ基、エトキシ基、ニトロ基、ニトリル基、アミノ基、置換又は無置換のフェニル基、ナフチル基を表し、k、pは0〜4の整数を示し、nは0〜10の整数を示す。Xは結合基を表す。)
[2]下記一般式(2)で表されるフェノール化合物と下記一般式(3)で表される化合物との反応により得られる前項[1]に記載のフェノール樹脂、
Figure 0006537128
(式中、R、Rはそれぞれ独立して存在し、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、ヒドロキシル基、メトキシ基、エトキシ基、ニトロ基、ニトリル基、アミノ基、置換又は無置換のフェニル基、ナフチル基を表し、kは0〜4の整数を示す。)
Figure 0006537128
(式中、Rは水素原子または炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、ヒドロキシル基、メトキシ基、エトキシ基、ニトロ基、ニトリル基、アミノ基、置換又は無置換のフェニル基、ナフチル基を表し、pは0〜4の整数を示す。)
[3]ジヒドロキシナフタレン類とケトン類と上記一般式(3)で表される化合物を反応させることにより得られる前項[1]または[2]に記載のフェノール樹脂、
[4]ジヒドロキシナフタレン類とアルデヒド類と上記一般式(3)で表される化合物を反応させることにより得られる前項[1]または[2]に記載のフェノール樹脂、
[5]前項[1]〜[4]のいずれか一項に記載のフェノール樹脂とエピハロヒドリンとの反応により得られるエポキシ樹脂、
[6]前記[1]〜[4]のいずれか一項に記載のフェノール樹脂を少なくとも1種とエポキシ樹脂を含有するエポキシ樹脂組成物、
[7]前項[5]に記載のエポキシ樹脂と硬化剤及び/または硬化促進剤を含有するエポキシ樹脂組成物、
[8]前項[6]または[7]のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物を硬化して得られる硬化物、
を、提供するものである。
本発明のフェノール樹脂を用いたエポキシ樹脂組成物は優れた耐熱性、難燃性を有する硬化物を得ることができる。そのため、電気電子部品用絶縁材料および積層板(プリント配線板、ビルドアップ基板など)やCFRPを始めとする各種複合材料、接着剤、塗料等に有用である。
以下、本発明のフェノール樹脂(A)について説明する。
本発明のフェノール樹脂(A)は下記一般式(1)で表されるフェノール樹脂である。
Figure 0006537128
(式中、R、R、Rはそれぞれ独立して存在し、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、ヒドロキシル基、メトキシ基、エトキシ基、ニトロ基、ニトリル基、アミノ基、置換又は無置換のフェニル基、ナフチル基を表し、k、pは0〜4の整数を示し、nは0〜10の整数を示す。Xは結合基を表す。)
本発明のフェノール樹脂を用いた硬化物は高い耐熱性と難燃性を両立する。また、繰り返し構造を有し、結晶性が緩和されるため、溶剤溶解性が高くなり、エポキシ樹脂原料やシアネート樹脂原料などに好適に用いることができる。
ここで、R、R、Rは炭素数1〜6のアルキル基であると吸水性に優れ、置換又は無置換のフェニル基、ナフチル基であると耐熱性に優れるため好ましい。kは0〜4が好ましく、特に0〜2が好ましい。pは0〜4が好ましく、特に0〜2が好ましい。
また、好適には本発明のフェノール樹脂においては、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるn=0のピーク面積は通常20〜95面積%、好ましくは30〜80面積%である。
nの平均値は0.1〜8.0であることが好ましく、0.4〜7.0のフェノール樹脂であることが特に好ましい。ここで、得られたフェノール樹脂中のnが0でないフェノール化合物の含有割合は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)の測定により算出される含有割合は、5〜80面積%が好ましく、20〜70面積%がより好ましい。
本発明のフェノール樹脂の水酸基当量は125〜450g/eqであることが好ましく、150〜400がより好ましい。軟化点は50〜250℃が好ましく、80〜200℃でがより好ましい。
本発明のフェノール樹脂は、ベンゾピラン構造を主鎖に含む多官能フェノール樹脂であって、芳香族環や複素環構造の結合基(X)で繋いでいる点に特徴を有する。これにより、樹脂の架橋密度を上げることなく、耐熱性と難燃性等の両特性を有するフェノール樹脂を用いた硬化物を提供することができる。すなわち、ベンゾピラン構造を結合基で繋ぐことにより、樹脂の分子量が大きくなるため耐熱性が向上するだけでなく、官能基当量が大きくなり架橋密度が低下するため、難燃性、誘電特性、吸水率の特性低下を抑えることができる。さらに、結合基として分子量が大きい基を用いると官能基当量が大きくなり、架橋密度が低下することができる。この架橋密度の低下によって低下する耐熱性を分子量上昇でカバーし、かつ官能基当量増大により難燃性等の特性の低下を抑えることができる。特に芳香環や複素環といった耐熱性に優れた結合基(X)で繋ぐことにより、さらなる耐熱性の向上だけでなく、難燃性、誘電特性、吸水性に優れる効果を有することができる。
結合基(X)としては、下記一般式(4)〜(12)で表される基を用いることができる。
Figure 0006537128
Figure 0006537128
Figure 0006537128
Figure 0006537128
Figure 0006537128
Figure 0006537128
Figure 0006537128
Figure 0006537128
Figure 0006537128
(一般式(4)〜(12)において、R、pは前記一般式(1)に記載のR、pと同じ意味を表す。)
以下に、上述した一般式(4)〜(12)で表される基を有する化合物の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
一般式(4)で表される化合物の例としては、ホルムアルデヒド、2−ヒドロキシベンズアルデヒド、3−ヒドロキシベンズアルデヒド、4−ヒドロキシベンズアルデヒド、2,3‐ジヒドロキシベンズアルデヒド、2,4−ジヒドロキシベンズアルデヒド、2,5−ジヒドロキシベンズアルデヒド、3,4−ジヒドロキシベンズアルデヒド、シリンガアルデヒド、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンズアルデヒド、イソバニリン、4−ヒドロキシ−3−ニトロベンズアルデヒド、5−ヒドロキシ−2−ニトロベンズアルデヒド、3,4−ジヒドロキシ−5−ニトロベンズアルデヒド、バニリン、o−バニリン、2−ヒドロキシ−1−ナフトアルデヒド、2−ヒドロキシ−5−ニトロ−m−アニスアルデヒド、2−ヒドロキシ−5−メチルイソフタルアルデヒド、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンズアルデヒド、1−ヒドロキシ−2−ナフトアルデヒド、2−ヒドロキシ−5−メトキシベンズアルデヒド、5−ニトロバニリン、5−アリル−3−メトキシサリチルアルデヒド、3,5−ジ−tert−ブチルサリチルアルデヒド、3−エトキシサリチルアルデヒド、4−ヒドロキシイソフタルアルデヒド、4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルベンズアルデヒド、2,4,6−トリヒドロキシベンズアルデヒド、2,4,5−トリヒドロキシベンズアルデヒド、2,3,4−トリヒドロキシベンズアルデヒド、3,4,5−トリヒドロキシベンズアルデヒド、3−エトキシ−4−ヒドロキシベンズアルデヒド、アセトン、1,3−ジフェニル−2−プロパノン、2−ブタノン、1−フェニル−1,3−ブタンジオン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、4−メチル−2−ペンタノン、アセチルアセトン、2−ヘキサノン、3−ヘキサノン、イソアミルメチルケトン、エチルイソブチルケトン、4−メチル−2−ヘキサノン、2,5−ヘキサンジオン、1,6−ジフェニル−1,6−ヘキサンジオン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、2−メチル−4−ヘプタノン、5−メチル−3−ヘプタノン、6−メチル−2−ヘプタノン、2,6−ジメチル−4−ヘプタノン、2−オクタノン、3−オクタノン、4−オクタノン、5−メチル−2−オクタノン、2−ノナノン、3−ノナノン、4−ノナノン、5−ノナノン、2−デカノン、3−デカノン、4−デカノン、5−デカノン、2−ウンデカノン、3−ウンデカノン、4−ウンデカノン、5−ウンデカノン、6−ウンデカノン、2−メチル−4−ウンデカノン、2− デカノン、3−ドデカノン、4−ドデカノン、5−ドデカノン、6−ドデカノン、2−テトラデカノン、3−テトラデカノン、8−ペンタデカノン、10−ノナデカノン、7−トリデカノン、2−ペンタデカノン、3−ヘキサデカノン、9−ヘプタデカノン、11−ヘンエイコサノン、12−トリコサノン、14−ヘプタコサノン、16−ヘントリアコンタノン、18−ペンタトリアコンタノン、4−エトキシ−2−ブタノン、4−(4−メトキシフェニル)−2−ブタノン、4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン、4−メトキシフェニルアセトン、メトキシアセトン、フェノキシアセトン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸プロピル、アセト酢酸ブチル、アセト酢酸イソブチル、アセト酢酸sec−ブチル、アセト酢酸tert−ブチル、アセト酢酸3−ペンチル、アセト酢酸アミル、アセト酢酸イソアミル、アセト酢酸ヘキシル、アセト酢酸ヘプチル、アセト酢酸n−オクチル、アセト酢酸ベンジル、アセチルこはく酸ジメチル、アセトニルマロン酸ジメチル、アセトニルマロン酸ジエチル、アセト酢酸−2−メトキシエチル、アセト酢酸アリル、4−sec−ブトキシ−2−ブタノン、ベンジルブチルケトン、ビスデメトキシクルクミン、1,1−ジメトキシ−3−ブタノン、1,3−ジアセトキシアセトン、4−ヒドロキシフェニルアセトン、4−(4−ヒドロキシフェニル)−2−ブタノン、イソアミルメチルケトン、4−ヒドロキシ−2−ブタノン、5−ヘキセン−2−オン、アセトニルアセトン、3,4−ジメトキシフェニルアセトン、ピペロニルメチルケトン、ピペロニルアセトン、フタルイミドアセトン、4−イソプロポキシ−2−ブタノン、4−イソブトキシ−2−ブタノン、アセトキシ−2−プロパノン、N−アセトアセチルモルホリン、1−アセチル−4−ピペリドンなどが好ましく、より好ましくはホルムアルデヒド、アセトンである。
一般式(5)で表される化合物の例としては、アダマンタン−2−オン、(1β,3α,5β,7α)−4α−アセチルオキシトリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−2−オン、(1β,3α,5β,7α)−4β−アセチルオキシトリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−2−オン、(1β,3α,5β,7α)−4β−アセチルオキシトリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−2−オン、(4S)−4−ヒドロキシアダマンタン−2−オンなどが好ましい。
一般式(6)で表される化合物の例としては、シクロペンタジエン、1−メチルシクロペンタジエン、3,9−ジメチルトリシクロデカ−3,8−ジエンなどが好ましい。
一般式(7)で表される化合物の例としては、o−ジクロロメチルベンゼン、o−ジブロモメチルベンゼン、o−キシリレングリコール、o−ジメトキシメチルベンゼン、m−ジクロロメチルベンゼン、m−ジブロモメチルベンゼン、m−キシリレングリコール、m−ジメトキシメチルベンゼン、p−ジクロロメチルベンゼン、p−ジブロモメチルベンゼン、p−キシリレングリコール、p−ジメトキシメチルベンゼンなどが好ましく、より好ましくはp−ジクロロメチルベンゼン、p−キシリレングリコールである。
一般式(8)で表される化合物の例としては、α,α´−ジヒドロキシ−1,4−ジイソプロピルベンゼン、α,α´−ジヒドロキシ−1,3−ジイソプロピルベンゼン、α,α´−ジヒドロキシ−1,2´−ジイソプロピルベンゼンなどが好ましい。
一般式(9)または(10)を含む構造の例としては、ニカノールG(フドー株式会社製)などが好ましい。
一般式(11)で表される化合物の例としては、1,2−ジブロモメチルナフタレン、1,3−ジブロモメチルナフタレン、1,4−ジブロモメチルナフタレン、1,5−ジブロモメチルナフタレン、1,6−ジブロモメチルナフタレン、1,7−ジブロモメチルナフタレン、1,8−ジブロモメチルナフタレン、2,3−ジブロモメチルナフタレン、2,4−ジブロモメチルナフタレン、2,5−ジブロモメチルナフタレン、2,6−ジブロモメチルナフタレン、2,7−ジブロモメチルナフタレン、2,8−ジブロモメチルナフタレン、1,2−ジクロロメチルナフタレン、1,3−ジクロロメチルナフタレン、1,4−ジクロロメチルナフタレン、1,5−ジクロロメチルナフタレン、1,6−ジクロロメチルナフタレン、1,7−ジクロロメチルナフタレン、1,8−ジクロロメチルナフタレン、2,3−ジクロロメチルナフタレン、2,4−ジクロロメチルナフタレン、2,5−ジクロロメチルナフタレン、2,6−ジクロロメチルナフタレン、2,7−ジクロロメチルナフタレン、2,8−ジクロロメチルナフタレン、1,2−ジヒドロキシメチルナフタレン、1,3−ジヒドロキシメチルナフタレン、1,4−ジヒドロキシメチルナフタレン、1,5−ジヒドロキシメチルナフタレン、1,6−ジヒドロキシメチルナフタレン、1,7−ジヒドロキシメチルナフタレン、1,8−ジヒドロキシメチルナフタレン、2,3−ジヒドロキシメチルナフタレン、2,4−ジヒドロキシメチルナフタレン、2,5−ジヒドロキシメチルナフタレン、2,6−ジヒドロキシメチルナフタレン、2,7−ジヒドロキシメチルナフタレン、2,8−ジヒドロキシメチルナフタレン、1,2−ジメトキシメチルナフタレン、1,3−ジメトキシメチルナフタレン、1,4−ジメトキシメチルナフタレン、1,5−ジメトキシメチルナフタレン、1,6−ジメトキシメチルナフタレン、1,7−ジメトキシメチルナフタレン、1,8−ジメトキシメチルナフタレン、2,3−ジメトキシメチルナフタレン、2,4−ジメトキシメチルナフタレン、2,5−ジメトキシメチルナフタレン、2,6−ジメトキシメチルナフタレン、2,7−ジメトキシメチルナフタレン、2,8−ジメトキシメチルナフタレンなどが好ましく、より好ましくは2,6−ジクロロメチルナフタレン、2,6−ジヒドロキシメチルナフタレン、2,6−ジメトキシメチルナフタレンである。
一般式(12)で表される化合物の例としては、2,2‘−ジクロロメチルジフェニル、2,2‘−ジブロモメチルジフェニル、2,2‘−ジメトキシメチルジフェニル、2,2‘−ジメチロールジフェニル、2,4‘−ジクロロメチルジフェニル、2,4‘−ジブロモメチルジフェニル、2,4‘−ジメトキシメチルジフェニル、2,4‘−ジメチロールジフェニル、3,3‘−ジクロロメチルジフェニル、3,3‘−ジブロモメチルジフェニル、3,3‘−ジメトキシメチルジフェニル、3,3‘−ジメチロールジフェニル、4,4‘−ジクロロメチルジフェニル、4,4‘−ジブロモメチルジフェニル、4,4‘−ジメトキシメチルジフェニル、4,4‘−ジメチロールジフェニル、3,3’,4,4‘−テトラクロロメチルジフェニル、3,3’,4,4‘−テトラブロモメチルジフェニル、3,3’,4,4‘−テトラメトキシメチルジフェニル、3,3’,4,4‘−テトラメチロールジフェニル、3,3’,5,5‘−テトラクロロメチルジフェニル、3,3’,5,5‘−テトラブロモメチルジフェニル、3,3’,5,5‘−テトラメトキシメチルジフェニル、3,3’,5,5‘−テトラメチロールジフェニル、3,3’,5,5‘−テトラクロロメチル−4,4’−ジヒドロキシジフェニル、3,3’,5,5‘−テトラブロモメチル−4,4’−ジヒドロキシメチルジフェニル、3,3’,5,5‘−テトラメトキシメチル−4,4’−ジヒドロキシジフェニル、3,3’,5,5‘−テトラメチロール−4,4’−ジヒドロキシメチルジフェニルなどが好ましく、より好ましくは4,4‘−ジクロロメチルジフェニル、4,4‘−ジメトキシメチルジフェニルである。
本発明のフェノール樹脂の具体例としては、下記式(13)〜式(21)が挙げられる。ただし、本発明の一般式(1)で表されるフェノール樹脂はこれらの具体例によって限定的に解釈されるべきものではない。
下記式(13)で表されるフェノール樹脂、
Figure 0006537128
(式中のうちR、R、R、n、kは前記式(1)に記載のR、R、R、n、kとそれぞれ同じ意味を表す。)
下記式(14)で表されるフェノール樹脂、
Figure 0006537128
(式中のうちR、R、R、n、k、pは前記式(1)に記載のR、R、R、n、k、pとそれぞれ同じ意味を表す。)
下記式(15)で表されるフェノール樹脂、
Figure 0006537128
(式中のうちR、R、R、n、k、pは前記式(1)に記載のR、R、R、n、k、pとそれぞれ同じ意味を表す。)
下記式(16)で表されるフェノール樹脂、
Figure 0006537128
(式中のうちR、R、R、n、k、pは前記式(1)に記載のR、R、R、n、k、pとそれぞれ同じ意味を表す。)
下記式(17)で表されるフェノール樹脂、
Figure 0006537128
(式中のうちR、R、R、n、k、pは前記式(1)に記載のR、R、R、n、k、pとそれぞれ同じ意味を表す。)
下記式(18)で表されるフェノール樹脂、
Figure 0006537128
(式中のうちR、R、R、n、kは前記式(1)に記載のR、R、R、n、kとそれぞれ同じ意味を表す。)
下記式(19)で表されるフェノール樹脂、
Figure 0006537128
(式中のうちR、R、R、n、kは前記式(1)に記載のR、R、R、n、kとそれぞれ同じ意味を表す。)
下記式(20)で表されるフェノール樹脂、
Figure 0006537128
(式中のうちR、R、R、n、k、pは前記式(1)に記載のR、R、R、n、k、pとそれぞれ同じ意味を表す。)
下記式(21)で表されるフェノール樹脂である。
Figure 0006537128
(式中のうちR、R、R、n、k、pは前記式(1)に記載のR、R、R、n、k、pとそれぞれ同じ意味を表す。)
次に、本発明のフェノール樹脂(A)の製造方法について説明する。
本発明のフェノール樹脂(A)は下記一般式(2)で表されるベンゾピラン型のフェノール樹脂(a)と下記一般式(3)で表される化合物のうち、少なくとも1種類以上を縮合することにより得ることができる。
Figure 0006537128
(式中、R、R、kは前記一般式(1)に記載のR、R、kと同じ意味を表す。)
Figure 0006537128
(式中、R、pは前記一般式(1)に記載のR、pと同じ意味を表す。)
まず、上記一般式(2)で表されるベンゾピラン型フェノール樹脂(a)について説明する。上記一般式(2)で表されるフェノール樹脂(a)はジヒドロキシナフタレン類とケトン類(b)あるいはアルデヒド類(c)を反応させることで得られる。ジヒドロキシナフタレン類は下記一般式(22)で表される化合物である。
Figure 0006537128
(式中、R、kは前記一般式(1)に記載のR、kと同じ意味を表す。)
ジヒドロキシアフタレン類の具体例としては、1,3−ジヒドロキシナフタレン、1,4ジヒドロキシナフタレンなどが例示される。また、1,4−ジヒドロキシ−5−アルキル−ナフタレン、1,4−ジヒドロキシ−6−アルキル−ナフタレン、1,3−ジヒドロキシ−5−アルキル−ナフタレン、1,3−ジヒドロキシ−6−アルキル−ナフタレン、1,3−ジヒドロキシ−7−アルキル−ナフタレン、1,3−ジヒドロキシ−8−アルキル−ナフタレンなども例示されるが、これらには限定されない。1,3−ジヒドロキシナフタレン、1,4ジヒドロキシナフタレンが好ましく、1,4ジヒドロキシナフタレンが特に好ましい。
ケトン類(b)、アルデヒド類(c)は下記式(23)で表される化合物である。
Figure 0006537128
(式中、Rは前記一般式(1)に記載のRと同じ意味を表す。)
ケトン類(b)の具体例としては、アセトン、シクロヘキサノン、ビシクロヘキサノン、アセトフェノン、ヒドロキシアセトフェノン、フルフラール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、3−メチル−ブタノン、3−ペンタノン、2−メチル−3−ペンタノン、2,4−ジメチル−3−ペンタノン等が挙げられ、アセトン、シクロヘキサノン、ビシクロヘキサノン、アセトフェノン、ヒドロキシアセトフェノン、フルフラールが好ましく、アセトンが特に好ましい。アルデヒド類(c)の具体例としては、ホルムアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド等が挙げられ、ホルムアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒドが好ましく、ホルムアルデヒドが特に好ましい。なお、ホルムアルデヒドはパラホルムアルデヒド、ホルマリン等といったホルムアルデヒドの合成等価体も含む概念である。
ベンゾピラン型フェノール樹脂(a)は、酸性条件下で、前記式(22)で表される化合物の一種以上と前記式(23)で表される化合物との縮合反応によって得られる。なお、塩基性条件下で反応を行うこともできるが、酸性条件下の方が好ましい。
前記式(23)で表される化合物は前記式(22)で表される化合物1モルに対して0.25〜5.0モル、好ましくは0.3〜2.5モルを使用する。
酸性条件下で縮合反応を行う場合、用いる酸性触媒は特に限定されないが、トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、シュウ酸等の有機酸触媒、塩酸、硫酸等の無機酸触媒、リンタングステン酸のほかに、ケイタングステン酸、リンモリブデン酸、リンモリブデン酸ナトリウム、リンタングストモリブデン酸、リンバナドモリブデン酸等のヘテロポリ酸が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、複数の種類を併用しても良い。酸性触媒の使用量は、前記式(22)で表される化合物1モルに対して0.001〜15モル、好ましくは0.002〜10モルである。
塩基性条件下で縮合反応を行う場合も同様に行うことができ、使用する塩基性触媒は公知のものであれば特に限定されない。
ベンゾピラン型フェノール樹脂(a)を得る反応では、必要に応じて溶媒を使用してもよい。用い得る溶媒としては、例えばケトン類のように前記式(23)で表される化合物との反応性を有するものでなければ特に制限はないが、原料の前記式(22)で表される化合物を容易に溶解させる点ではアルコール類を溶媒として用いるのが好ましい。
用いることができる溶媒の具体例としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコールモノメチルアセテートなどのアルコール類、ジメチルスルホン、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の非プロトン性極性溶媒、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素等が挙げられるがこれらに限定されるものではなく、単独でも2種以上併用してもよい。
溶媒を使用する場合の使用量は特に制限されないが、例えば、式(22)で表される化合物1モルに対し5〜500重量部、好ましくは10〜400重量部の範囲である。
反応温度は通常10〜150℃であり、好ましくは40〜140℃である。反応時間は通常0.5〜20時間であるが、原料の種類によって反応性に差があるため、この限りではない。また、反応により副生した水を共沸等により除去することが、反応を完結させる上で好ましい。
反応終了後、必要に応じて塩基を用いて酸触媒を中和する。塩基としては特に限定されないが、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、トリポリリン酸5ナトリウム、アンモニア等が例示される。この際、塩基を均一に分散させるために、水溶液として徐々に滴下することが好ましい。
反応終了後、樹脂として取り出す場合には、反応物を水洗後または水洗無しに、加熱減圧下で反応液から未反応物や溶媒等を除去する。未反応物を効率的に除去するために、塩基性条件下、水洗を行ってもよい。結晶で取り出す場合、大量の水中に反応液を滴下することにより結晶を析出させる。
このようにして得られるベンゾピラン型フェノール樹脂(a)は、下記式(2)で表される化合物である。
Figure 0006537128
(式中、R、R、kは前記一般式(1)に記載の、R、R、kと同じ意味を表す。)
ここで、R、Rは炭素数1〜6のアルキル基であると吸水性に優れ、置換又は無置換のフェニル基、ナフチル基であると耐熱性に優れるため好ましい。
また、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)の測定により算出されるベンゾピラン型フェノール樹脂(a)の含有割合は、60〜100面積%が好ましく、75〜99面積%がより好ましい。
また、水酸基当量は100〜500g/eqであることが好ましく、120〜450g/eqであることが特に好ましい。軟化点は30〜300℃であることが好ましく、70〜250℃であることが特に好ましい。
次に、本発明のフェノール樹脂(A)は、前述の方法により得られたベンゾピラン型フェノール樹脂(a)に、前述した一般式(4)〜(12)で表される化合物のうち、少なくとも1種類以上を縮合することにより得ることができる。
あるいは、前述の一般式(22)と一般式(23)を反応させた後、水洗等の精製、取り出しを行わずに一般式(3)で表される化合物のうち少なくとも1種以上とを反応させることによっても得ることもできる。
また、縮合反応を行う際、必要に応じて酸性または塩基性の触媒を用いることもできる。
ベンゾピラン型フェノール樹脂(a)の仕込み量は、式(4)〜(12)で表される化合物の総量1モルに対して通常1.2〜20モルであり、好ましくは1.5〜15モルである。ベンゾピラン型フェノール樹脂(a)の仕込み量が多すぎると、反応に関与しないベンゾピラン型フェノール樹脂(a)が多くなり、結晶性が高く溶剤溶解性が悪いため、製造が困難である。
上記縮合反応においては必要に応じて触媒を用いることができる。
用いることができる触媒としては、基本的には酸性触媒が好ましい。触媒を使用する場合、酸性触媒の具体例としては、塩酸、硫酸、リン酸等の鉱酸類;シュウ酸、トルエンスルホン酸、酢酸等の有機酸類;タングステン酸等のヘテロポリ酸、活性白土、無機酸、塩化第二錫、塩化亜鉛、塩化第二鉄等、その他酸性を示す有機、無機酸塩類、等のノボラック樹脂製造用に通常使用される酸性触媒などが挙げられる。これら触媒は、前述に挙げた物に限定されるものではなく、単独でも2種以上を併用してもよい。触媒の使用量は、フェノール化合物(a)に対し、通常0.005〜2.0倍モル、好ましくは0.01〜1.1倍モルの範囲、もしくはフェノール化合物(a)100gに対し0.1〜10g、より好ましくは0.3〜7gである。触媒量が少ないと反応の進行が遅くなる。また高温での反応が必要になる、反応が最後まで進まない等の課題が生じ、好ましく無い。また、触媒量が多すぎる場合、中和・精製等の後処理において多大な労力がかかることから好ましく無い。
なお、反応により腐食性ガスが生成する場合は、引圧、もしくは窒素等の不活性ガスを送り込むことにより、系内から排出させることが好ましい。
反応は無溶媒で行ってもよく、溶媒を使用してもよい。溶媒を使用する場合、溶剤の使用量は仕込んだ原料の総重量に対して50〜300重量%が好ましく、特に100〜250重量%が好ましい。使用しうる溶媒の具体例としてはメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トルエン、キシレン、メシチレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。ベンゾピラン型フェノール樹脂(a)の溶解性からメチルイソブチルケトンが好ましい。これらの溶剤類は単独で、あるいは数種類を混合して用いることができる。また、反応中に生成する水あるいはアルコール類などを系外に分留管などを用いて留去することは、反応を速やかに行う上で好ましい。
反応時間は5〜150時間、反応温度は40〜150℃が好ましい。
反応終了後、洗浄液のpH値が3〜7、好ましくは5〜7になるまで水洗処理を行う。水洗処理を行う場合は必要により水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムなどのアルカリ土類金属水酸化物、アンモニア、リン酸二水素ナトリウムさらにはジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、アニリン、フェニレンジアミンなどの有機アミンなど様々な塩基性物質等を中和剤として用いてもよい。また、場合によっては、溶剤を追加しても良い。用いうる溶剤としては高分子量物を溶解し、水層との分離が良好であれば特に制限はなく、例えばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。水洗処理は常法にしたがって行えばよく、例えば反応混合物中に上記中和剤を溶解した温水を加え、分液抽出操作をくり返す。
得られた有機層をロータリーエバポレーターにより加熱減圧下あるいは晶析によって溶剤および未反応のフェノール類を除去することで本発明のフェノール樹脂(A)を得ることができる。
本発明のフェノール樹脂(A)は単独でもかまわないが、通常、原料であるベンゾピラン型フェノール樹脂(a)をGPC面積比率で、反応により得られたフェノール樹脂(A)に対して、1〜90面積%、より好ましくは5〜80面積%含有し、特に好ましくは20〜70面積%含有する。ジベンゾピラン型フェノール樹脂(a)の含有量が1面積%未満である場合、得られる樹脂の粘度が非常に高くなってしまい、取出しが困難になる他、組成物化時のハンドリング、および組成物化した後の成形性に大きく影響し、成型が困難となる。ジベンゾピラン型フェノール樹脂(a)の含有量が1面積%未満である場合、代わりに他のフェノール樹脂を共存させることが好ましい。
またジベンゾピラン型フェノール樹脂(a)が90%を超える場合、本発明の特徴である高耐熱性が損なわれるため、好ましくない。
本発明のフェノール樹脂(A)は、そのままで熱可塑性プラスチック(もしくはその原料)としての使用や、後述するようなエポキシ樹脂の原料やその硬化剤として使用することもできる。
次に、本発明のエポキシ樹脂について説明する。
本発明のエポキシ樹脂は本発明のフェノール樹脂(A)とエピハロヒドリンを反応させることで得られる。反応の手法としては特に限定しないが、以下に本発明のエポキシ樹脂の合成方法の一例を記載する。
本発明のエポキシ樹脂の具体的な構造式としては下記式(24)
Figure 0006537128
(式中、R、R、R3、k、p、nは前記と同じ意味を表す。)で示される構造であることを特徴とするエポキシ樹脂であり、その硬化物は高い耐熱性と難燃性を両立する。また、繰り返し構造を有し、結晶性が緩和されるため、溶剤溶解性が高くなる。
、R、Rは炭素数1〜6のアルキル基であると吸水性に優れ、置換又は無置換のフェニル基、ナフチル基であると耐熱性に優れるため好ましい。kは0〜4が好ましく、特に0〜2が好ましい。pは0〜4が好ましく、特に0〜2が好ましい。
本発明のエポキシ樹脂のエポキシ当量は150〜500g/eq.であることが好ましく、200〜400g/eq.であることが特に好ましい。エポキシ当量が上記範囲内にあることで、硬化物の耐熱性、電気信頼性、吸水性に優れたエポキシ樹脂を得ることができる。エポキシ当量が500g/eq.を越えている場合、エポキシの環が閉環しきらず、官能基を有さない化合物が多く含まれることが予想されるため、好ましくない。またこれら閉環しきらなかった化合物の多くには塩素が含有されている場合が多く、電子材料用途としては高温多湿条件での塩素イオンの遊離、およびそれによる配線の腐食が懸念されることから好ましくない。
また、エポキシ樹脂に残存している全塩素としては5000ppm以下、より好ましくは3000ppm以下、特に2000ppm以下であることが好ましい。塩素量による悪影響については前述同様である。なお、塩素イオン、ナトリウムイオンについては各々5ppm以下が好ましく、より好ましくは3ppm以下である。塩素イオンは先に記載し、いうまでも無いが、ナトリウムイオン等のカチオンも、特にパワーデバイス用途においては非常に重要なファクターとなり、高電圧がかかった際の不良モードの一因となる。
本発明のエポキシ樹脂は軟化点を有する樹脂状の形態を有する。ここで、軟化点としては55〜250℃が好ましく、60〜200℃であることが特に好ましい。軟化点が低すぎると保管時のブロッキングが問題となり、低温で取り扱いをしないといけない等、課題が多い。逆に軟化点が高すぎる場合、他の樹脂との混練の際に、ハンドリングが悪くなる等の問題が生じる。
本発明のエポキシ樹脂は本発明のフェノール樹脂(A)と溶剤中、エピハロヒドリンとを反応させ、エポキシ化することにより得られる。ここで、フェノール樹脂(A)に、フェノール樹脂(A)以外のフェノール化合物を併用しても良い。併用できるフェノール樹脂(A)以外のフェノール化合物としては、エポキシ樹脂の原料として通常用いられるフェノール化合物であれば特に制限なく用いることができる。
本発明のエポキシ樹脂を得る反応において、エピハロヒドリンとしてはエピクロルヒドリン、α−メチルエピクロルヒドリン、β−メチルエピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン等が使用できるが、工業的に入手が容易なエピクロルヒドリンが好ましい。エピハロヒドリンの使用量は本発明のフェノール樹脂(A)の水酸基1モルに対し通常1〜20モルであり、好ましくは1.2〜18モルであり、より好ましくは1.5〜15モルであり、特に好ましくは2〜15モルである。
1モルを下回るとエポキシ当量が大きくなる恐れがあり、また、できたエポキシ樹脂の作業性が悪くなる可能性が高いため好ましくなく、20モルを超えると溶剤量が多量であり、産業上好ましくない。
上記反応において使用しうるアルカリ金属水酸化物としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられ、固形物を利用してもよく、その水溶液を使用してもよいが、本発明においては特に、水分、溶解性、ハンドリングの面からフレーク状に成型された固形物の使用が好ましい。
アルカリ金属水酸化物の使用量は本発明のフェノール樹脂(A)の水酸基1モルに対して通常0.90〜3.0モルであり、好ましくは0.95〜2.5モルであり、より好ましくは0.99〜2.0モルであり、特に好ましくは0.99〜1.5モルである。
反応を促進するためにテトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩を触媒として添加してもかまわない。4級アンモニウム塩の使用量としては本発明のフェノール樹脂の水酸基1モルに対し通常0.1〜15gであり、好ましくは0.2〜10gである。
本反応においては上記エピハロヒドリンに加え、非極性プロトン溶媒(ジメチルスルホキシド、ジオキサン、ジメチルイミダゾリジノン等)や、炭素数1〜5のアルコールを併用することが好ましい。炭素数1〜5のアルコールとしてはメタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類である。非極性プロトン溶媒もしくは炭素数1〜5のアルコールの使用量はエピハロヒドリンの使用量に対し通常2〜50重量%、好ましくは4〜25重量%である。また、共沸脱水等の手法により、系内の水分をコントロールしながらエポキシ化を行ってもかまわない。
系中の水分が多い場合には、得られたエポキシ樹脂において電気信頼性が悪くなるため好ましくなく、水分は5%以下にコントロールして合成することが好ましい。また、非極性プロトン溶媒を使用してエポキシ樹脂を得た際には、電気信頼性に優れるエポキシ樹脂が得られるため、非極性プロトン溶媒は好適に使用できる。
反応温度は通常30〜90℃であり、好ましくは35〜80℃である。中でも、アルコール溶剤を用いた場合、50℃〜90℃が好ましく、60〜85℃がより好ましく、70〜80℃が特に好ましい。反応時間は通常0.5〜10時間であり、好ましくは1〜8時間、特に好ましくは1〜3時間である。反応時間が短いと反応が進みきらず、反応時間が長くなると副生成物ができることから好ましく無い。
これらのエポキシ化反応の反応物を水洗後、または水洗無しに加熱減圧下でエピハロヒドリンや溶媒等を除去する。また更に加水分解性ハロゲンの少ないエポキシ樹脂とするために、回収したエポキシ樹脂を炭素数4〜7のケトン化合物(たとえば、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等が挙げられる。)を溶剤として溶解し、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物の水溶液を加えて反応を行い、閉環を確実なものにすることも出来る。この場合アルカリ金属水酸化物の使用量はエポキシ化に使用した本発明のフェノール樹脂の水酸基1モルに対して通常0.01〜0.3モル、好ましくは0.05〜0.2モルである。反応温度は通常50〜120℃、反応時間は通常0.5〜2時間である。
またエピハロヒドリンとの反応においては反応初期から窒素等の不活性ガスで置換されていることが好ましく、空腔内の酸素濃度は10%以下であることが好ましい。酸素の残留は着色に影響する。手法としては本発明のフェノール樹脂を仕込む前に窒素等不活性ガスを吹き込み(気中、もしくは液中)、もしくは、いったん減圧で真空にした後、不活性ガスで置換する方法が挙げられる。不活性ガスでの置換が無い場合、得られる樹脂に着色が生じる場合がある。不活性ガスの吹き込みを行う場合、その量はその釜の容積によっても異なるが、0.5〜10時間でその釜の容積の1〜3倍量が置換できる量の不活性ガスの吹き込みが好ましい。
反応終了後、生成した塩を濾過、水洗などにより除去し、更に加熱減圧下溶剤を留去することにより本発明のエポキシ樹脂が得られる。
以下、本発明のエポキシ樹脂組成物について記載する。本発明のエポキシ樹脂組成物は、本発明のエポキシ樹脂及び本発明のフェノール樹脂の少なくともどちらか1つを必須成分として含有する。
本発明のエポキシ樹脂組成物において、本発明のエポキシ樹脂は単独でまたは他のエポキシ樹脂と併用して使用することが出来る。
併用できる他のエポキシ樹脂の具体例としては、ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ビフェノール、ビスフェノールAD及びビスフェノールI等)やフェノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、芳香族置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、アルキル置換ジヒドロキシベンゼン及びジヒドロキシナフタレン等)と各種アルデヒド(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アルキルアルデヒド、ベンズアルデヒド、アルキル置換ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、ナフトアルデヒド、グルタルアルデヒド、フタルアルデヒド、クロトンアルデヒド及びシンナムアルデヒド等)との重縮合物、キシレン等の芳香族化合物とホルムアルデヒドの重縮合物とフェノール類との重縮合物、フェノール類と各種ジエン化合物(ジシクロペンタジエン、テルペン類、ビニルシクロヘキセン、ノルボルナジエン、ビニルノルボルネン、テトラヒドロインデン、ジビニルベンゼン、ジビニルビフェニル、ジイソプロペニルビフェニル、ブタジエン及びイソプレン等)との重合物、フェノール類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン及びベンゾフェノン等)との重縮合物、フェノール類と芳香族ジメタノール類(ベンゼンジメタノール及びビフェニルジメタノール等)との重縮合物、フェノール類と芳香族ジクロロメチル類(α,α’−ジクロロキシレン及びビスクロロメチルビフェニル等)との重縮合物、フェノール類と芳香族ビスアルコキシメチル類(ビスメトキシメチルベンゼン、ビスメトキシメチルビフェニル及びビスフェノキシメチルビフェニル等)との重縮合物、ビスフェノール類と各種アルデヒドの重縮合物、並びにアルコール類等をグリシジル化したグリシジルエーテル系エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂等が挙げられるが、通常用いられるエポキシ樹脂であればこれらに限定されるものではない。これらは、1種類のみ使用しても、2種以上を併用してもよい。
他のエポキシ樹脂を併用する場合、本発明のエポキシ樹脂組成物中の全エポキシ樹脂成分に占める本発明のエポキシ樹脂の割合は30質量%以上が好ましく、40質量%以上がより好ましく、70質量%以上が更に好ましく、特に好ましくは100質量%(他のエポキシ樹脂を併用しない場合)である。ただし、本発明のエポキシ樹脂をエポキシ樹脂組成物の改質剤として使用する場合は、全エポキシ樹脂中で1〜30質量%となる割合で添加する。
本発明のエポキシ樹脂組成物において用い得る硬化剤としては、例えばアミン系化合物、酸無水物系化合物、アミド系化合物及びフェノール系化合物等が挙げられる。これら他の硬化剤の具体例を下記(a)〜(e)に示す。
(a)アミン系化合物 ジアミノジフェニルメタン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジアミノジフェニルスルホン、イソホロンジアミン及びナフタレンジアミン等
(b)酸無水物系化合物 無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸及びメチルヘキサヒドロ無水フタル酸等
(c)アミド系化合物 ジシアンジアミド、若しくはリノレン酸の2量体とエチレンジアミンより合成されるポリアミド樹脂等、
(d)フェノール系化合物多価フェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール、テルペンジフェノール、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,2’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’,5,5’−テトラメチル−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジオール、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール、トリス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン及び1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン等);フェノール類(例えば、フェノール、アルキル置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン及びジヒドロキシナフタレン等)と、アルデヒド類(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、o−ヒドロキシベンズアルデヒド及びフルフラール等)、ケトン類(p−ヒドロキシアセトフェノン及びo−ヒドロキシアセトフェノン等)、若しくはジエン類(ジシクロペンタジエン及びトリシクロペンタジエン等)との縮合により得られるフェノール樹脂;前記フェノール類と、置換ビフェニル類(4,4’−ビス(クロルメチル)−1,1’−ビフェニル及び4,4’−ビス(メトキシメチル)−1,1’−ビフェニル等)、若しくは置換フェニル類(1,4−ビス(クロロメチル)ベンゼン、1,4−ビス(メトキシメチル)ベンゼン及び1,4−ビス(ヒドロキシメチル)ベンゼン等)等との重縮合により得られるフェノール樹脂;前記フェノール類及び/又は前記フェノール樹脂の変性物;テトラブロモビスフェノールA及び臭素化フェノール樹脂等のハロゲン化フェノール類
(e)その他イミダゾール類、BF アミン錯体、グアニジン誘導体
これら他の硬化剤の中ではジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン及びナフタレンジアミンなどのアミン系化合物、並びにカテコールとアルデヒド類、ケトン類、ジエン類、置換ビフェニル類又は置換フェニル類との縮合物などの活性水素基が隣接している構造を有する硬化剤がエポキシ樹脂の配列に寄与するため好ましい。
他の硬化剤は単独で用いてもよく、複数を併用してもよい。他の硬化剤を併用する場合、本発明のエポキシ樹脂組成物中の全硬化剤成分に占める本発明のフェノール化合物の割合は20質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましく、70質量%以上が更に好ましく、特に好ましくは100質量%(他の硬化剤を併用しない場合)である。
本発明のエポキシ樹脂組成物において、本発明のフェノール樹脂を含む全硬化剤の使用量は、全エポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対して0.5〜2.0当量が好ましく、0.6〜1.5当量が特に好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要により硬化促進剤を添加しても良い。硬化促進剤の具体例としては、トリフェニルフォスフィン、ビス( メトキシフェニル) フェニルフォスフィン等のフォスフィン類、2―メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2―エチル,4―メチルイミダゾール等のイミダゾール類、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、トリスジメチルアミノメチルフェノール、ジアザビシクロウンデセン等の3級アミン類、テトラブチルアンモニウム塩、トリイソプロピルメチルアンモニウム塩、トリメチルデカニルアンモニウム塩、セチルトリメチルアンモニウム塩などの4級アンモニウム塩、トリフェニルベンジルフォスフォニウム塩、トリフェニルエチルフォスフォニウム塩、テトラブチルフォスフォニウム塩などの4級フォスフォニウム塩(4級塩のカウンターイオンはハロゲン、有機酸イオン、水酸化物イオンなど、特に指定は無いが、特に有機酸イオン、水酸化物イオンが好ましい。)、オクチル酸スズ等の金属化合物等が例示される。
硬化促進剤の使用量は、エポキシ樹脂100重量部当たり、通常0.2〜5.0重量部、好ましくは、0.2〜4.0重量部である。
本発明のエポキシ樹脂組成物は必要に応じて無機充填材を含有させることができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物が含有する無機充填材は、公知のものであれば何ら制限はない。無機充填材の具体例としては、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素、窒化チタン、酸化亜鉛、炭化タングステン、アルミナ、酸化マグネシウム等の無機粉末充填材、合成繊維、セラミックス繊維等の繊維質充填材、着色剤等が挙げられる。これら無機充填材の形状は、粉末(塊状、球状)、単繊維、長繊維等いずれであってもよいい。
本発明のエポキシ樹脂組成物における無機充填材の使用量は、エポキシ樹脂組成物中の樹脂成分100質量部に対して通常2〜1000質量部である。これら無機充填材は1種のみを使用しても、2種類以上を併用してもよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要に応じてシランカップリング剤、離型剤及び顔料等種々の配合剤、各種熱硬化性樹脂並びに各種熱可塑性樹脂等を添加することができる。熱硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂の具体例としては、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、マレイミド樹脂、シアナート樹脂、イソシアナート化合物、ベンゾオキサジン化合物、ビニルベンジルエーテル化合物、ポリブタジエンおよびこの変性物、アクリロニトリル共重合体の変性物、インデン樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンエーテル、ポリアセタール、ポリスチレン、ポリエチレン、ジシクロペンタジエン樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂、または熱可塑性樹脂は本発明のエポキシ樹脂組成物中において60質量%以下を占める量が用いられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、上記各成分を均一に混合することにより得られ、その好ましい用途としては半導体封止材やプリント配線版等が挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は従来知られているのと同様の方法で容易にその硬化物とすることが出来る。例えば、本発明のエポキシ樹脂組成物の必須成分であるエポキシ樹脂、硬化剤、並びに必要により硬化促進剤、配合剤、各種熱硬化性樹脂や各種熱可塑性樹脂等を、必要に応じて押出機、ニーダ又はロール等を用いて均一になるまで充分に混合して得られた本発明のエポキシ樹脂組成物を、溶融注型法あるいはトランスファー成型法やインジェクション成型法、圧縮成型法などによって成型し、更にその融点以上で2〜10時間加熱することにより本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化物を得ることが出来る。前述の方法でリードフレーム等に搭載された半導体素子を封止することにより、本発明のエポキシ樹脂組成物を半導体封止用途に用いることができる。
また、本発明のエポキシ樹脂組成物は溶剤を含むワニスとすることもできる。該ワニスは、例えば、エポキシ樹脂、硬化剤のうち、少なくとも一方に本発明のエポキシ樹脂、もしくは本発明のフェノール樹脂の少なくとも一方を含み、必要に応じて熱伝導率が20W/m・K以上の無機充填材などのその他の成分を含む混合物を、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、N,N’−ジメチルホルムアミド、N,N’−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル等のグリコールエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、グルタル酸ジアルキル、コハク酸ジアルキル、アジピン酸ジアルキル等のエステル類、γ−ブチロラクトン等の環状エステル類、石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ及びソルベントナフサ等の石油系溶剤等の有機溶剤と混合することにより得ることが出来る。溶剤の量はワニス全体に対し通常10〜95質量%、好ましくは15〜85質量%である。
上記のようにして得られるワニスをガラス繊維、カーボン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アルミナ繊維及び紙などの繊維基材に含浸させた後に加熱によって溶剤を除去すると共に、本発明のエポキシ樹脂組成物を半硬化状態とすることにより、本発明のプリプレグを得ることが出来る。尚、ここで言う「半硬化状態」とは、反応性の官能基であるエポキシ基が一部未反応で残っている状態を意味する。該プリプレグを熱プレス成型して硬化物を得ることが出来る。
以下、本発明を実施例で更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。合成例、実施例、比較例において部は質量部を意味する。
なお、水酸基当量、エポキシ当量、軟化点、ICI溶融粘度は以下の条件で測定した。
・水酸基当量
JIS K−7236に記載された方法で測定し、単位はg/eq.である。
・エポキシ当量
JIS K−7236に記載された方法で測定し、単位はg/eq.である。
・軟化点
JIS K−7234に準拠した方法で測定し、単位は℃である。
・ICI溶融粘度
JIS K 7117−2に準拠した方法で測定し、単位はPa・sである。
(合成例)
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置、ディーンシュタークを備えたフラスコに、窒素パージを施しながらジヒドロキシナフタレン150部、アセトン49部、メチルイソブチルケトン235部、p−トルエンスルホン酸1.78部を加え、撹拌下で溶解し、脱水をしながら120℃まで昇温した。10時間加熱還流した後、冷却して洗浄水が中性になるまで水洗を行い、得られた溶液から、ロータリーエバポレーターを用いて減圧下にメチルイソブチルケトン等を留去することでフェノール樹脂(a)145部を得た。得られたフェノール樹脂(a)の水酸基当量は167g/eq.であった。
参考例1)
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置、塩酸トラップを備えたフラスコに、窒素パージを施しながらフェノール樹脂(a)20部(水酸基当量167g/eq.)、メタノール20部、トルエン30部を加え、撹拌下で溶解し、50℃まで昇温した。そこにp−キシリレングリコール2部を加え、50℃で5時間反応した後、110℃まで昇温し、脱水しながら5時間加熱還流した。その後、室温まで冷却して洗浄水が中性になるまで水洗を行い、得られた溶液からロータリーエバポレーターを用いて減圧下でトルエン等を留去することで本発明のフェノール樹脂(A)(P−1)を17部得た。得られたフェノール樹脂の水酸基当量は213g/eq.であった。
参考例2)
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置、塩酸トラップを備えたフラスコに、窒素パージを施しながらフェノール樹脂(a)20部(水酸基当量167g/eq.)、メタノール20部、トルエン30部を加え、撹拌下で溶解し、50℃まで昇温した。そこに4,4´−ビスクロロメチルビフェニル3部を加え、脱塩酸しながら50℃で10時間加熱還流した。その後、室温まで冷却して洗浄水が中性になるまで水洗を行い、得られた溶液からロータリーエバポレーターを用いて減圧下でトルエン等を留去することで本発明のフェノール樹脂(A)を18部得た。得られたフェノール樹脂の水酸基当量は274g/eq.であった。
(実施例3)
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置、塩酸トラップを備えたフラスコに、窒素パージを施しながらフェノール樹脂(a)20部(水酸基当量167g/eq.)、メタノール22部、トルエン90部を加え、撹拌下で溶解し、70℃まで昇温した。そこに4,4´−ビスクロロメチルビフェニル1部を加え、脱塩酸しながら70℃で10時間加熱還流した。その後、室温まで冷却して洗浄水が中性になるまで水洗を行い、得られた溶液からロータリーエバポレーターを用いて減圧下でトルエン等を留去することで本発明のフェノール樹脂(A)(P−2)を16部得た。得られたフェノール樹脂の水酸基当量は219g/eq.であった。
参考例4)
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置、塩酸トラップを備えたフラスコに、窒素パージを施しながらジヒドロキシナフタレン20部、アセトン11部、メチルイソブチルケトン50部、p−トルエンスルホン酸1部を加え、撹拌下で溶解し、70℃まで昇温し、10時間加熱還流した。その後、反応温度を110℃まで昇温し、脱水をしながらさらに6h加熱還流した。その後、p−キシリレングリコール0.8部を加え、脱水しながら110℃で6時間加熱還流した。その後、室温まで冷却して洗浄水が中性になるまで水洗を行い、得られた溶液からロータリーエバポレーターを用いて減圧下でメチルイソブチルケトン等を留去することで本発明のフェノール樹脂(A)を25部得た。得られたフェノール樹脂の水酸基当量は197g/eq.であった。
参考例5)
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置、塩酸トラップを備えたフラスコに、窒素パージを施しながらジヒドロキシナフタレン50部、アセトン18部、メチルイソブチルケトン50部、p−トルエンスルホン酸6部を加え、撹拌下で溶解し、70℃まで昇温し、10時間加熱還流した。その後、反応温度を110℃まで昇温し、脱水をしながらさらに6h加熱還流した。その後、p−キシリレングリコール2部を加え、脱水しながら110℃で6時間加熱還流した。その後、室温まで冷却して洗浄水が中性になるまで水洗を行い、得られた溶液からロータリーエバポレーターを用いて減圧下でメチルイソブチルケトン等を留去することで本発明のフェノール樹脂(A)を55部得た。得られたフェノール樹脂の水酸基当量は225g/eq.であった。
参考例6)
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置、塩酸トラップを備えたフラスコに、窒素パージを施しながらジヒドロキシナフタレン20部、アセトン11部、メチルイソブチルケトン50部、p−トルエンスルホン酸1.2部を加え、撹拌下で溶解し、70℃まで昇温し、10時間加熱還流した。その後、反応温度を110℃まで昇温し、脱水をしながらさらに6h加熱還流した。70℃まで冷却した後、4,4´−ビスクロロメチルビフェニル1部を加え、脱塩酸しながら70℃で10時間加熱還流した。その後、室温まで冷却して洗浄水が中性になるまで水洗を行い、得られた溶液からロータリーエバポレーターを用いて減圧下でメチルイソブチルケトン等を留去することで本発明のフェノール樹脂(A)を21部得た。得られたフェノール樹脂の水酸基当量は230g/eq.であった。
参考例7)
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、窒素パージを施しながら本発明のフェノール樹脂(P−1水酸基当量213g/eq.)63部、エピクロロヒドリン190部(7モル当量対フェノール樹脂)、メタノール57部を加え、撹拌下で溶解し、70〜75℃にまで昇温した。次いでフレーク状の水酸化ナトリウム13部を90分かけて分割添加した後、更に75℃で75分反応を行った。反応終了後,水40部で水洗を行い、油層からロータリーエバポレーターを用いて減圧下、過剰のエピクロルヒドリン等の溶剤類を留去した。残留物にメチルイソブチルケトン150部を加え溶解し、75℃にまで昇温した。撹拌下で30重量%の水酸化ナトリウム水溶液4.7部を加え、1時間反応を行った後、油層の洗浄水が中性になるまで水洗を行った。得られた溶液をロータリーエバポレーターを用いて減圧下、メチルイソブチルケトン等を留去することで本発明のエポキシ樹脂(EP−1)70部を得た。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は318g/eq.、軟化点121℃であった。
(実施例8)
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、窒素パージを施しながら本発明のフェノール樹脂(P−2水酸基当量219g/eq.)20部、エピクロロヒドリン59部(7モル当量対フェノール樹脂)、メタノール18部を加え、撹拌下で溶解し、70〜75℃にまで昇温した。次いでフレーク状の水酸化ナトリウム4部を90分かけて分割添加した後、更に75℃で75分反応を行った。反応終了後,水12部で水洗を行い、油層からロータリーエバポレーターを用いて減圧下、過剰のエピクロルヒドリン等の溶剤類を留去した。残留物にメチルイソブチルケトン48部を加え溶解し、75℃にまで昇温した。撹拌下で30重量%の水酸化ナトリウム水溶液1.5部を加え、1時間反応を行った後、油層の洗浄水が中性になるまで水洗を行った。得られた溶液をロータリーエバポレーターを用いて減圧下、メチルイソブチルケトン等を留去することで本発明のエポキシ樹脂(EP−2)22部を得た。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は312g/eq.、軟化点114℃であった。
参考例9、実施例10、比較例1)
前記で得られたエポキシ樹脂(EP−1、EP−2)及び比較用のエポキシ樹脂(EP−3)を硬化剤(P−3)、フィラー、ワックス、カップリング剤、硬化促進剤を表1の割合(当量)で配合し、ミキシングロールを用いて均一に混合・混練し、硬化性樹脂組成物を得た。この硬化性樹脂組成物をミキサーにて粉砕し、更にタブレットマシーンにてタブレット化した。このタブレット化された硬化性樹脂組成物をトランスファー成型(175℃×60秒)し、更に脱型後160℃×2時間+180℃×6時間の条件で硬化、評価用試験片を得た。試験結果も表1に示す。なお、物性値の測定は以下の方法で行った。
・ガラス転移温度(DMA):JISK−7244に準拠
Figure 0006537128
EP−3:日本化薬社製NC−3000
P−3:三井化学社製ミレックスXLC−3L
C1:トリフェニルフォスフィン(北興化学株式会社製TPP)
溶融シリカ:瀧森工業社製MSR−2212
硬化促進剤使用量:1phr対エポキシ樹脂
エポキシ樹脂・硬化剤比率:1.0等当量
本発明のフェノール樹脂を用いたエポキシ樹脂組成物の硬化物は、高い耐熱性を有することが確認できる。
また、本発明のエポキシ樹脂(EP−1、EP−2)は比較例(EP−3)と比較して官能基当量(エポキシ当量)が大きい。つまり、架橋密度は本発明のエポキシ樹脂(EP−1、EP−2)の方が比較例(EP−3)よりも小さい。したがって、本発明のエポキシ樹脂は架橋密度の向上によらず高耐熱性を有する樹脂であることがわかる。
架橋密度を上げずに高耐熱化しているため、架橋密度の向上によって高Tg化したときに通常低下する難燃性、吸水性、誘電特性が本発明のエポキシ樹脂では低下しないことがわかる。したがって、本発明のエポキシ樹脂は耐熱性、難燃性、吸水性、誘電特性に優れることがわかる。

Claims (8)

  1. 下記一般式(1)で表されるフェノール樹脂。
    Figure 0006537128
    (式中、Rはそれぞれ独立して存在し、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、nは1〜10の整数を示す。)
  2. 下記一般式(2)で表されるフェノール化合物と下記一般式(3)で表される化合物との反応により得られる請求項1に記載のフェノール樹脂。
    Figure 0006537128
    (式中、Rはそれぞれ独立して存在し、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表す。)
    Figure 0006537128
    (式中、Xはハロゲン原子を示す。)
  3. 1,4−ジヒドロキシナフタレンとケトン類と前記一般式(3)で表される化合物を反応させることにより得られる請求項1または請求項2に記載のフェノール樹脂。
  4. 1,4−ジヒドロキシナフタレンとアルデヒド類と前記一般式(3)で表される化合物を反応させることにより得られる請求項1または請求項2に記載のフェノール樹脂。
  5. 請求項1及至請求項4のいずれか一項に記載のフェノール樹脂とエピハロヒドリンとの反応により得られるエポキシ樹脂。
  6. 請求項1及至請求項4のいずれか一項に記載のフェノール樹脂を少なくとも1種とエポキシ樹脂を含有するエポキシ樹脂組成物。
  7. 請求項5に記載のエポキシ樹脂と硬化剤及び/または硬化促進剤を含有するエポキシ樹脂組成物。
  8. 請求項6または請求項7のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物を硬化して得られる硬化物。
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