JP2003102436A - チキンエキス膜処理物及びその含有物の製造法 - Google Patents

チキンエキス膜処理物及びその含有物の製造法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 チキンエキス膜処理物、その製造方法及びそ
れを含有する製品を提供する。 【解決手段】 以下の工程;(1)110℃以下の微加
圧抽出法によって成鶏屠体からチキンエキスを抽出する
ステップ、(2)膜処理法により上記チキンエキスから
ゼラチン質に代表される高分子タンパク質成分からなる
高分子画分を選択的に除去するステップ、からなること
を特徴とする機能性チキンエキス膜処理物の製造方法、
当該方法により製造される機能性チキンエキス膜処理
物、及びそれを含有する製品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、チキンエキス膜処
理物、その製造方法及びそれを含有する製品に関するも
のであり、更に詳しくは、成鶏肉中に含まれる水溶性体
成分を、可能な限りその状態のまま抽出し、抽出液中に
含まれる体成分本来の特性を失うことなく該抽出液を膜
処理して得られる、新規な機能性チキンエキス膜処理
物、その製造方法及びその製品に関するものである。即
ち、本発明は、 鶏肉(成鶏由来の肉を含む) に含まれる
水溶性体成分を、その本来の特性を失うことなく抽出
し、膜処理して得たチキンエキス膜処理物及びその製造
方法等に関するものである。ここで、成鶏とは、採卵を
目的にして飼養している鶏及び種鶏として飼養している
鶏で廃用されたものを意味する。
【0002】
【従来の技術】一般に、鶏は、古くから、重要なタンパ
ク源である「鶏肉と鶏卵」を人類に供給し続けてきた
が、我が国においては、当初の「肉・卵兼用種」から、
「肉・卵別建て」となった後も、一貫して、鶏由来の良
質なタンパク質が、日本人の暮らしと健康を支え続けて
きた。また、鶏肉は、「高タンパク・低脂肪」の優れた
食材であると共に、易消化性という特徴を有するゆえ
に、幼児から老人まで広い用途の食材として活用されて
きた。このように、鶏肉は、「高タンパク・低脂肪」の
優れた食材であり、国内で鶏肉消費の主流となっている
ブロイラーの普及に伴い、卵についても、その需要が伸
びてきたが、1億羽に上る「成鶏」のみは、その羽毛を
含め未だ「固有の用途」が開発されておらず、採卵事業
に伴う廃棄物として、採卵農家の経営悪化の元凶の立場
を脱却しえないまま、今日に至っているのが実情であ
る。
【0003】一方、チキンエキスは、鶏肉が有する「滋
養強壮」の本体とされ、例えば、東南アジアでは、食品
・食材の範ちゅうを超えたいわゆる「伝承薬」として流
布されている。鶏肉から、良質で、しかも透明なチキン
エキスを取得する方法は、「低温(90−95℃) 長時
間抽出」が原則とされている。室温で液体の鶏油は、こ
れを沸騰するとエマルションを生成し易く、一旦生成さ
れたエマルションは、その破壊が困難であるため、通
常、チキンエキスは、上述の原則に則って調製され、そ
の透明なチキンエキスは、「清汁」と称され、中国料理
において、特に、珍重されてきた。
【0004】本発明者らは、鶏肉としての特性に欠ける
成鶏肉の新しい活用法の開発について種々検討を進めた
結果、成鶏肉を含む鶏肉、ならびに畜産物、海産物か
ら、高効率で、良質なエキスを取得する方法を創出し、
「新規な常温保存性のある還元性濃縮エキス及びその製
法」として完成した(特願2000−236815)。
この方法で得られたチキンエキスは、鶏肉本来の風味と
食味を保有し、料理の基礎食材として好適に使用し得る
優れた特性を有している。
【0005】上述のように、これまで、チキンエキス
は、鶏肉の滋養強壮成分の本体として重視され、いわゆ
る「医食同源」の中核に位置付けられてきたが、チキン
エキスの保有する機能の相当部分は、ヒスティディン含
有ジペプチド(以下、HCDPと略記する) であるアン
セリン(以下、Aと略記する)とカルノシン(以下、C
と略記する)が担っていることが、最近の研究を通じて
明かになりつつあり、更に、鶏肉中には、上記A、C以
外にも、L−カルニチン、タウリン等の多種の生理活性
物質の存在が報告されている。
【0006】このような事実に鑑み、チキンエキスを、
単なる調味素材としてではなく、積極的な健康づくりに
生かし、生活習慣病の予防と健康増進につなげることを
実現することが、本発明者らの願いである。チキンエキ
スの有効成分を明かにする試みについては、これまで、
多くの報告がなされているが、被検物質がチキンエキス
そのものとして供されているため、その多様な作用効果
は確認されたものの、未だ、その作用効果の本体の究明
には到っていないのが実状である。
【0007】鶏肉の保有する「滋養強壮成分」を、健康
食・ 療養食として生かす調理法として、『薬膳料理』が
名高いが、かかる食品・調理品の有効成分の特性・機能
を保持した食品・食品素材をチキンエキスを原料として
創出する例は以外に少ない。食品とは多少趣を異にする
ものとして、「BEC Brand’s Essenc
e of Chicken(製造元:セレボス・ パシフ
ィック・ リミテッド、輸入発売元:サントリー株式会
社)」があるが、このものは、鶏肉から、独自の方法で
抽出したチキンエキスを脱脂・濃縮(固形分終濃度:
7.5%)したものである。当該チキンエキス(略称:
BEC)を用いた動物試験・臨床試験を通じて、その有
効性を検証し、有効成分を特定する試みが続けられてい
るが、主要有効成分と考えられるAとCの含有量が低い
(0.4%)ことから、A、Cが有効成分の本体である
ことを裏付ける論拠としては説得性を欠いている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このような状況の中
で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、当該チキン
エキスのヒトに対する「生理機能特性」に着目し、健康
の維持・増進に寄与する基礎食材・保健食材を開発する
こと、及びチキンエキスの特性及び機能を選択的に高め
た新しい機能性チキンエキスを製造する方法を開発する
ことを目標として鋭意研究を積み重ねた結果、微加圧抽
出法により抽出したチキンエキスを膜処理して特定の高
分子分画を除去することにより所期の目的を達成し得る
ことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明は、以下の技術的手段から構成される。 (1)以下の(a)〜(b)の工程; (a)110℃以下の微加圧抽出法によって成鶏屠体か
らチキンエキスを抽出するステップ、(b)膜処理法に
より上記チキンエキスからゼラチン質に代表される高分
子タンパク質成分からなる高分子画分を選択的に除去す
るステップ、からなることを特徴とする、機能性チキン
エキス膜処理物の製造方法。 (2)チキンエキスの膜処理に分画分子量3,000〜
10,000の膜を用いることを特徴とする、前記
(1)に記載の機能性チキンエキス膜処理物の製造方
法。 (3)前記(1)又は(2)に記載の製造方法により製
造される、機能性チキンエキス膜処理物。 (4)機能性チキンエキス膜処理物が、抗疲労、脂質代
謝促進及び脂肪蓄積抑制機能を有することを特徴とす
る、前記(3)に記載の機能性チキンエキス膜処理物。 (5)前記(3)に記載の機能性チキンエキス膜処理物
を含有する飲料。 (6)前記(3)に記載の機能性チキンエキス膜処理物
を含有する調味粉末。
【0010】
【発明の実施の形態】次に、本発明について更に詳細に
説明する。チキンエキス中の有効成分のもたらす作用効
果を確実なものにするためには、多くの方法が考えられ
るが、被検物質(チキンエキス) 中の有効成分(HCD
P等) の濃度を向上せしめ、少ない摂取量で、多くの作
用効果を発現させることが望ましいと考えられる。本発
明者らは、チキンエキス中の有効成分を損なうことな
く、着実にその固形分中の濃度(純度) を向上させるた
めの手段を種々検討した結果、当該目的に適う方法とし
て、110℃以下の微加圧抽出法と膜処理法を組み合わ
せる方法を採用した。この膜処理法は、低温での大量処
理が可能であり、概して、温度安定性に乏しい天然物の
取り扱いに適している。110℃以下の微加圧抽出法に
よって得られたチキンエキスは、大量のゼラチン質に代
表される高分子タンパク質成分を含有し、その固形分濃
度が10%程度になると、室温でプリン状に固化してそ
の流動性を失う。
【0011】本発明では、上記問題を解消し、チキンエ
キス中の有効成分(A及びCの他、L−カルニチン、タ
ウリン等の低分子化合物) の固形分中の純度向上のため
に、当該エキス中に大量に含まれるゼラチン質を主とす
る高分子タンパク成分を膜処理法により分離することが
重要であり、この膜処理法により、最も良好な高分子除
去性能を奏することが可能となった。本発明では、種々
の膜が用いられるが、例えば、ポリスルフォン製平膜、
限外濾過膜等が例示される。しかし、これらの膜に限ら
ず、これらと同効のものであれば同様に使用することが
できる。それら具体例として、例えば、GR81PP
(ポリスルフォン製平膜、COMW=10,000、D
DS社製) 、SEP−1013(旭化成限外濾過(U
F)モジュール、COMW=3,000) 等が、良好な
高分子分離能と、高い有効成分回収率を示すものとして
例示される。後記する実施例に示されるように、これら
の膜処理により、高分子成分が効率良く除去され、固形
分中のHCDP純度が著しく向上するため、その膜処理
物を、その薬理機能を確認する目的で、動物(マウス)
試験に供したところ、チキンエキス膜処理物の安全性と
抗疲労作用等が認められた。
【0012】本発明における「機能性を有するチキンエ
キス膜処理物」を得るための第一歩は、新鮮かつ良質な
屠体(鶏肉) の確保であり、その屠体から、良好な風味
を有するチキンエキスを抽出し、取得することが重要で
ある。原料としての屠体は、中抜きが望ましいが、その
解体品(骨つき肉、正肉等)も、原料として使用可能で
あり、この場合にも、新鮮かつ良質であることが必須の
要件である。但し、中抜きの解体によって残されたガラ
や内臓は、肉に比してHCDP含量が低く、著しく味の
異なるエキスを与えるため、調味素材として良質なエキ
スの取得を目的とする本発明の原料には余り適さない。
原料屠体(解体品を含む) からのチキンエキス抽出につ
いては、概ね公知の事実として伝承されてきたが、体系
的に記述された例として、次のものを挙げることができ
る。 (1)越智・福地、チキンエキスの抽出とその利用、Ne
w Food Industry 、11、24 (1969) (2)越智宏倫、天然調味料、p.11(光琳:1993)
【0013】本発明において、中抜きよりの110℃以
下の微加工抽出法によるエキスの抽出は、加水量、抽出
温度・圧力、抽出時間に比例して進む。この場合、微加
工抽出の条件は、110℃以下、好適には101〜10
5℃、より好ましくは、103〜105℃であるが、こ
れらは、上記エキスの品質、着色等を指標として適宜選
択される。110℃以下の微加工抽出の手段は、110
℃以下の微加工抽出条件で抽出処理できる加熱加圧抽出
装置であれば適宜のものを使用することができる。エキ
スの品質は、常圧抽出製品が、油の混入が比較的少なく
良好であるが、HCDPの抽出量は不十分であり、その
取得量は少なく、また、低温抽出(100℃以下)ほど
鶏肉が持つ臭みが残る。抽出温度(圧力) が上昇する
と、固形分の回収率は高くなり、110℃以上でこの傾
向が顕著であるが、同時に、エキスの著しい着色と、極
端な品質低下(呈味性の劣化と苦味の発生) を伴い、高
分子成分の熱分解による低分子化が促進される。チキン
エキスの効能の本体と考えられるA及びCについては、
その熱安定性のゆえに、130℃程度までは取得量が増
加する。しかしながら、エキス加工品の健康増進用食品
素材の開発を意図する以上、素材・原料たるエキスは美
味なること、不味でないことがその要件であり、この点
から、上記110℃以下の微加圧抽出法により製造した
エキスは優れた素材としての要件を充たしている。
【0014】次に、膜処理は、被処理物質の特性を損な
わない温和な条件下で実施することが重要であり、本発
明においては、このような膜処理の特性を生かしたプロ
セスを通じて、チキンエキス膜処理物を調製する。上記
膜処理には、分画分子量10,000以下2,000ま
で、好ましくは分画分子量2,500〜10,000、
より好ましくは3,000〜10,000の膜が用いら
れる。これらは、ゼラチン質に代表される高分子タンパ
ク質成分の除去率、A・C回収率、チキンエキス中の色
素、生臭み、及び風味等を指標として適宜選択される。
得られたチキンエキス膜処理物は、マウスを用いる動物
試験において、その安全性と機能性(抗疲労作用、痩身
作用等) が確認され、微加圧抽出エキス膜処理物の高機
能性が裏付けられた。
【0015】このように、本発明では、良質なチキンエ
キスを高効率で取得する方法として、110℃以下の微
加圧抽出法を使用し、次に、これを膜処理してチキンエ
キス膜処理物を製造するが、膜処理に供するチキンエキ
スの固形分濃度は、透過流速の確保・分画精度の両面か
ら、1−5%程度での実施が望ましい。かくして得られ
たチキンエキス膜処理物は、後記する実施例に示される
通り、マウスを用いる動物試験において、高い安全性
と、特異な機能性(抗疲労作用、痩身作用、脂質代謝促
進作用)が確認され、微加圧抽出チキンエキスの膜処理
物が優れた機能性を示すことが分かった。
【0016】
【実施例】次に、実施例に基づいて本発明を具体的に説
明するが、本発明は以下の実施例によって何ら限定され
るものではない。 実施例1 成鶏屠体(中抜き凍結品、K値=10)300kgと、
水道水900l、ビタミンE15gを、1.4kl容加
圧釜中にて、103℃、3時間加熱抽出した。分離した
水層(チキンエキス) に、1.5kgのハイフロスーパ
ーセルを加えて濾過し、透明で、鶏特有の味と香味を有
するチキンエキス(BX=2、A・C含量=0.2%)
750lを得た。
【0017】実施例2 実施例1で得られたチキンエキス(BX=2)を、限外
濾過テスト装置(Dow Danmark A/S社製
Lab Module 20型) を用いて、孔径の異
なる膜で処理した。透過液中のA・C濃度を、以下の表
1に示す。 表1. チキンエキス膜処理物のA・C含量 試料名 処理方法(膜種) 分画分子量 A+C含量(%) チキンエキス 無処理 − 1.0 膜処理物1 GR81PP 10,000 2.0 膜処理物2 GR95PP 2,000 0.9 膜処理物3 NFT−50 500 0.1 表中、A+C含量(%)は、チキンエキスならびにその
膜処理物を、固形分濃度10%(BX=10)に調整し
て測定した値を示す。
【0018】上表から明らかな通り、膜(GR81P
P)処理物1では、高分子画分が選択的に分離された結
果、チキンエキスに比べて、チキンエキス膜処理物中の
固形分が減少し、そのA・C含量は2倍になった。透過
液を減圧濃縮して、チキンエキス膜処理濃縮物(BX=
10、 A・C含量=2.0%)を得た。本膜処理工程に
おけるA・C回収率は83%であり、チキンエキス中の
色素の大部分と生臭みが除去され、淡黄金色透明、鶏肉
由来の味・風味と、固有の香味を有する液体が得られ
た。このような性状を有するチキンエキス処理物は、当
該処理品が最初であり、多くの新規分野での活用が期待
される。
【0019】実施例3 実施例1で得られたチキンエキス(BX=2)を、SE
P−1013(旭化成限外濾過(UF)モジュール、C
OMW=3,000、0.2m2 ) 処理した。得られた
処理物は、高分子画分を含まず、当該処理物の濃縮物
(BX=10)のA・C含量は2%、本膜処理工程にお
けるA・C回収率は85%であり、チキンエキス固有の
味と風味は保持されていた。
【0020】実施例4 実施例2で得られたチキンエキス膜処理物1(BX=1
0)を、投与可能な最大量である50ml/kgで、S
lc:ddY(SPF)マウス雌雄(各10頭、平均体
重雄:28.7±0.9g、雌:247±0.7g) に
1回経口投与し、投与後14日までの一般状態、体重を
検査したほか、投与後14日間の観察期間終了時に剖検
して肉眼的病理検査を行い、併せて血液学及び血液生化
学検査を実施した。その結果、雌雄とも死亡は認められ
ず、投与後14日間の観察及び各種検査において、対照
群との間に有意差は認められなかった。以上の通り、投
与可能な最大投与量である50ml/kgでマウス雌雄
に単回投与しても死亡は認められず、一般状態、体重、
血液学的検査、血液化学的検査、病理解剖学的検査に異
常が認められなかったことから、本試験条件下では、実
施例2で得られたチキンエキス膜処理物1は安全である
と判断された。
【0021】実施例5 実施例2で得られたチキンエキス膜処理物1の0.3%
を混じた飼料を7週齢のSlc:ddY(SPF)雄性
マウス(10頭) に投与(自由摂取) し、当該処理物の
抗疲労作用について、マウスの遊泳モデルを用いて検討
した。対照群ならびに被検物質投与群の体重増加量(図
1)から、被検物質投与群において低値傾向がみられ、
投与4日目に有意な差がみられた。両群における限界遊
泳時間(図2) には、第1〜4週のいずれにおいても有
意差が認められ、チキンエキス膜処理物1摂取による体
力増強作用を意味するものと判断された。血中グルコー
スの高値傾向と乳酸の低値がみられたこと(表2)よ
り、被検物質投与群では解糖系への依存が小さい効率的
なエネルギー産生が行われていることが示唆された。臓
器重量(表3) については、精巣周囲脂肪の低値傾向が
みられ、脂肪蓄積の抑制が示唆され、この脂肪蓄積の抑
制が体重増加量の低値の一因と判断された。
【0022】
【表2】
【0023】
【表3】
【0024】実施例6 実施例2で得られたチキンエキス膜処理物1を用いて、
下記の健康飲料を調製した。チキンエキス膜処理物1
に、その100ml当たり、ビタミンC100mgを添
加し、無菌フィルターを用いて無菌化処理を施した後、
50ml宛ガラス瓶に無菌充填して、健康飲料製品を製
造した。
【0025】実施例7 実施例2で得られたチキンエキス膜処理物1を、BX3
0に減圧濃縮し、この濃縮物に対して、10%(重量
比) 量の難消化性デキストリンを加えて噴霧乾燥し、チ
キンエキス膜処理物を含有する調味粉末製品を製造し
た。上記乾燥製品中のA・C含量は、14.5%であっ
た。
【0026】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明により、1)
微加圧抽出法によって鶏肉から得られたチキンエキスを
原料として、これに膜処理を施すことにより、特定の高
分子ガ画分が選択的に除去された機能性チキンエキス膜
処理物が得られる、2)抗疲労作用と痩身機能(脂肪蓄
積抑制作用) を有する新規なチキンエキス膜処理物が取
得される、3)この画分は、 上記機能性を有することか
ら、生活習慣病の予防と治療、 健康増進への貢献が期待
される、という格別の効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】チキンエキス膜処理物の抗疲労作用に関する検
討結果(体重増加量)を示す。
【図2】チキンエキス膜処理物の抗疲労作用に関する検
討結果(遊泳時間)を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A23L 2/38 A23L 2/38 N 4D006 2/52 B01D 11/02 A 4D056 B01D 11/02 61/14 500 61/14 500 A23L 2/00 F (72)発明者 千葉 洋平 静岡県袋井市高尾744−2 リバストン201 号室 (72)発明者 柳内 延也 東京都杉並区下井草4−9−17 Fターム(参考) 4B017 LC03 LC04 LE10 LK17 LP01 LP02 LP07 4B018 LB08 LB09 LE03 LE05 MD69 MD70 ME01 ME14 MF01 MF06 4B036 LC07 LE01 LE02 LF01 LG06 LH38 LP07 LP08 LP09 LP21 4B042 AC04 AC09 AD39 AE01 AE08 AG07 AH01 AP06 AP15 AP17 4B047 LB03 LB09 LE01 LE06 LF07 LF08 LG50 LP01 LP07 4D006 GA06 HA41 MA03 MB05 MC62X PA01 PA02 PB20 PB52 PC11 4D056 AB12 AC22 CA17 DA01 DA02 DA06

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の(1)〜(2)の工程; (1)110℃以下の微加圧抽出法によって成鶏屠体か
    らチキンエキスを抽出するステップ、(2)膜処理法に
    より上記チキンエキスからゼラチン質に代表される高分
    子タンパク質成分からなる高分子画分を選択的に除去す
    るステップ、からなることを特徴とする、機能性チキン
    エキス膜処理物の製造方法。
  2. 【請求項2】 チキンエキスの膜処理に分画分子量3,
    000〜10,000の膜を用いることを特徴とする、
    請求項1に記載の機能性チキンエキス膜処理物の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の製造方法により
    製造される、機能性チキンエキス膜処理物。
  4. 【請求項4】 機能性チキンエキス膜処理物が、抗疲
    労、脂質代謝促進及び脂肪蓄積抑制機能を有することを
    特徴とする、請求項3に記載の機能性チキンエキス膜処
    理物。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載の機能性チキンエキス膜
    処理物を含有する飲料。
  6. 【請求項6】 請求項3に記載の機能性チキンエキス膜
    処理物を含有する調味粉末。
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Cited By (5)

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