JP2003090080A - 軸組パネルおよびこれを用いた建築物 - Google Patents

軸組パネルおよびこれを用いた建築物

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JP2003090080A
JP2003090080A JP2001283022A JP2001283022A JP2003090080A JP 2003090080 A JP2003090080 A JP 2003090080A JP 2001283022 A JP2001283022 A JP 2001283022A JP 2001283022 A JP2001283022 A JP 2001283022A JP 2003090080 A JP2003090080 A JP 2003090080A
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AKUTO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】木造住宅などの軸組構法において施工性をさら
に向上できるようにすること。 【解決手段】土台33の上に固定する通し柱3とその他
の柱材4、およびこれら通し柱3とその他の柱材4を横
に連結する横架材5,6,7を、軸組を構成する所定の
配置にして、板材8の板面に固着し、一体化した軸組パ
ネル1,2。また、これを用いて構成した建築物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば建売住宅
等のような建築物に関する。
【0002】
【従来の技術】木造建築には古くから軸組構法ある。こ
れは、材料を継手や仕口で連結して床組や軸組、小屋組
を形成する構法で、大工手間の割合が多いのが特徴であ
る。建物の質や耐久性をよくするには、熟練した大工を
多く必要とする。
【0003】しかしそのような熟練した大工が減少した
時代の趨勢もあり、施工性のよい構法が求められた。い
わゆるツーバイフォー呼ばれる枠組壁工法がその一つで
ある。これは、床組の上に、壁枠組を建てて耐力壁を作
る構法で、施工性がよいなどの利点を有するが、土台の
上に立って上まで伸びる通し柱を持たないため、建設で
きる建物の規模や用途に制限がある。
【0004】この他、パネル化と接合金物を用いた新し
いタイプの木造軸組構法も提供されている。この場合
は、床組を形成したのち通し柱等を建てて、小屋組を形
成してから、床や屋根の下地となるパネルを嵌め込む構
法であり、高耐久を実現できるが、通し柱等をパネルと
は別に建てなければならない。このため、その建て方に
おいて現場での加工作業が必要であり、施工性が良好と
は言いにくい面があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこでこの発明は、軸
組構法において施工性をさらに向上できるようにするこ
とを主たる課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】そのための手段は、土台
の上に固定する通し柱とその他の柱材、およびこれら通
し柱とその他の柱材を横に連結する横架材を、軸組を構
成する所定の配置にして一体化した軸組パネルであるこ
とを特徴とする。通し柱とその他の柱材は、上下方向に
延びるものをいい、横架材は左右方向に延びるものをい
う。斜めに張る筋交いを設けるもよい。
【0007】すなわちこの軸組パネルによれば、通し柱
とその他の柱材、例えば管柱や間柱等と、梁や鴨居、胴
差し等の横架材を、構成すべき軸組と同じ配置にして一
つにしているので、建設に当たっては、この一つになっ
たパネル状の材料を順に立て込んで行けばよい。この軸
組パネルの製造は、プレカット工場で行っておき、現場
では建て込み作業のみを行う。
【0008】建築物の背骨となる大事な通し柱も板材の
上に一体化しているので建て込み作業が容易である。特
にこれら各部材を、相互間で一体化するのに加えて、板
材の板面に固着して板材によっても一体化すると、強度
はより一層高くなる。
【0009】なお、各部材の接合には金物を利用する
と、加工が容易であるとともに、高い強度を得ることも
できる。
【0010】またこの軸組パネルの上端部には、屋根を
形づくる小屋組部を形成しておくとよい。小屋組部を別
途に構成する作業が不要で、作業工数を低減でき、施工
性をさらに向上できる。
【0011】さらに、前記通し柱の下端部に、前記土台
の上に固定するための固定部を形成しておくと、現場で
の加工作業を不要にできるのでよい。固定部は、仕口で
構成するもよいが、柱脚金物を接合するための溝で構成
すると、加工も作業も簡単であるとともに、高い強度も
得られるのでよい。
【0012】別の手段は、前記軸組パネルを用いた建築
物であることを特徴とする。
【0013】さらに別の手段は、前記軸組パネルを土台
の上に建てて軸組を形成するとともに、床下地材及び屋
根下地材を取り付けて、上記屋根下地材に対しては屋根
仕上げ部を、上記軸組パネルの板材に対しては外壁仕上
げ部を形成した建築物の基本構造体であることを特徴と
する。
【0014】すなわちこの建築物の基本構造体は、軸組
パネルを用いて軸組を形成してから床下地材と屋根下地
材を取り付けて、屋根下地材には防水シートを被覆し屋
根材を葺くなどして屋根仕上げ部を形成し、上記軸組パ
ネルの板材には、外壁材を固定するなどして外壁仕上げ
部を形成するので、いわば建物の外側が仕上がった状態
である。この建物の基本構造体は、上述のような軸組パ
ネルを用いるので、現場で簡単に建て込め、熟練した大
工でなくとも容易に施工できる。その上、屋根も外壁も
仕上げてしまうので、後は、内装のみ行えば建物が完成
する状態である。つまり、建物の基本構造体を工務店の
ような内装を主とする業者に引き継がせることで建物が
完成する。
【0015】なお、前記床下地材および/または屋根下
地材を、板材、もしくはこれに枠材を一体化して形成し
たパネルで構成すると、施工が容易であるとともに、面
構造によるところの高い強度をもたせることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】この発明の一実施の形態を、以下
図面を用いて説明する。図1、図2は、1階建ての木造
建築物を建てるための軸組パネル1,2の斜視図であ
る。この軸組パネル1,2は、土台の上に固定する通し
柱3と、管柱4と、これらを横に連結する横架材(梁
5、桁6、下部横架材7)を、所定の軸組を構成する配
置に連結して、板材8の片方の板面に固着したものであ
る。換言すれば、必要な軸組を構成する同一平面上に位
置した通し柱3と管柱4、横架材5,6,7を組んで、
板材8に張り付けている。
【0017】図1の軸組パネル1は、妻側の軸組パネル
で、図2の軸組パネル2は、桁側の軸組パネルである。
【0018】すなわち、妻側の軸組パネル1は、左右両
端に通し柱3を設け、これら通し柱3の間に、管柱4を
所定の間隔おきに配置して、通し柱3の上端部間に横架
材としての梁5を固定している。管柱4には、内外方向
の厚みについては通し柱3と同じだが左右方向に幅狭の
ものを使用し、剛性が必要な場合には、二重に重ねて配
設する。内壁を形成するときには、構造用合板等の板材
を上記管柱4に張り付ける。
【0019】通し柱3の下端は、横架材としての下部横
架材7で支持し、連結している。下部横架材7は、上記
管柱4と同じ材料を用いて二重に重ねて形成し、1本を
通し柱3と管柱4の下端面に当てるとともに、他の1本
を通し柱3と管柱4の間に挟むように一体に取り付けて
いる。
【0020】またこの下部横架材7には、土台の上に固
定するための貫通孔9を適宜形成し、上記通し柱3の下
端部には、接合用の柱脚金物に固定するための固定部1
0、すなわち割り溝10aとボルト締めのための貫通孔
10bを形成している。
【0021】上記梁5の上には、複数本の束11,12
を立てて小屋組部13を形成する。中間の棟束11は、
通し柱3と同じ寸法の製材で、その他の束12は管柱4
と同じ寸法のもので形成する。また各束11,12の上
端に三角形に乗る垂木14は、管柱4と同じ寸法の製材
を使用する。
【0022】このように構成すると、通し柱3と梁5
と、管柱4の、三種類の寸法の製材で形成できることに
なり、規格化を図れ、製造が容易で、コストの低減を図
ることもできる。
【0023】各部材の接合は、釘や接着剤で適宜行う
が、通し柱3と梁5の連結は、図3に示したように接合
金物15を用いて行い、軸組パネル1,2の製造の容易
性と高強度を得るようにするとよい。後述する桁側の軸
組パネル2についても同じである。以下、この接合金物
15について簡単に説明する。
【0024】この接合金物15は金属板を適宜切欠き、
折り曲げ、接合して形成しており、図4に示したよう
に、垂直な接合片16と、この接合片16に一体形成さ
れて横架材(梁5、桁6等)の端部を支持する支持構造
部17とからなる。全体として、上記接合片16と、こ
れの下端から水平に延びる支持片18とで側面視L字形
に形成し、これらの内側に一枚、差込片19を立てた形
態である。上記支持構造部17は、上記支持片18と差
込片19とからなる。
【0025】上記接合片16は方形板状で、幅方向の中
間位置の一箇所に、通し柱3等の被固定部に嵌合する円
柱状の突起部16aを形成している。後端に鍔部20a
を有する中空でハット型の突起部形成部材20を、接合
片16の所定位置に形成した円形の取り付け孔に対して
反接合面側から嵌め込んで、溶接等の適宜手段により固
定する。突起部形成部材20の先端には、締結用のボル
ト21を挿通するために突起部形成部材20の内径より
も小さい挿通孔20bを形成し、突起部形成部材20内
には、上記ボルト21の頭部や上記ボルト21に螺合す
るナット22が収容できるようにしている。
【0026】上記支持片18は、上記接合片16の下端
から水平に延設され、梁5等の端部の下面を支える。
【0027】上記差込片19は、支持片18上に立設さ
れ、接合片16側は接合片16に一体に接合している。
形成位置は、接合片16および支持片18の幅方向の中
間位置で、高さは接合片16と同一に設定しているが、
側面視の幅は、支持片18よりも短く設定している。そ
して、突起部形成部材を取り付ける部に対応する位置に
は、突起部形成部材の取り付けを許容するとともに、ボ
ルトの挿入やナットの螺合を許容するための四角いぬす
み窓19aを形成している。
【0028】また、差込片19の上側左(反接合片16
側)隅には、梁5等の所定位置に挿通保持したボルト2
3の軸が上から係止する係止凹部19bと、この係止凹
部19bの手前側(反接合片側)上部に、上側ほど手前
側に傾く傾斜片19cとを形成している。図中19d
は、ボルトやドリフトピン等の固定用部材24を挿通す
るための貫通孔である。
【0029】この接合金物15は、通し柱3と梁5との
接合のみではなく、他の軸組パネル2や部材との接合に
備えて、通し柱3の上端部と梁5の中間部、棟束12の
上部の内側面にも固定している。
【0030】接合金物15を取り付ける部位には、突起
部16aと接合片16が収容される凹部25を形成して
おく。突起部16aと接合片16が凹部25に嵌まるの
で、凹部25の形成位置を正しくしておきさえすれば、
両者の位置関係を所定の状態に一体化できる。つまり固
定位置のずれをなくせるので、精度の高い軸組パネル
1,2を得ることができる。
【0031】上述のように組む通し柱3と管柱4、梁
5、下部横架材7の外側面には、構造用合板等の前記板
材8を固定する。板材8の左右両側は、通し柱3の側面
より板材8の厚み分突出させ、下端は、土台に沿わせる
のに充分な長さ突出する。
【0032】図1中、26は、窓用の穴部で、必要に応
じて適宜形成しておく。
【0033】桁側の軸組パネル2は、図2に示したよう
に、3本の通し柱3と、これらの間に配設した管柱4の
上端を桁6で連結するとともに、上述と同様の下部横架
材7で、下端を支持連結し、外側面に板材8を張り合わ
せて構成している。中間の通し柱13の下端部には、上
述と同様に、固定部10を形成し、柱脚金物に固定でき
るようにするとともに、桁6における中間の通し柱3対
応位置には、妻側の軸組パネル1と同一の接合金物15
を取り付けている。また、窓用等の穴部27,28も適
宜形成しておく。
【0034】また、桁6の両端部には、上記妻側の軸組
パネル1の接合金物15に固定するために溝29aと貫
通孔29bからなる固定部29を形成している。
【0035】図5に示したパネルは、桁側の軸組パネル
2間に取り付ける小屋組パネル30で、上記桁側の軸組
パネル2の桁6に固定した接合金物15を用いて固定す
る。その構成は、両端に上記固定部29と同形の固定部
29を有する所定長さの梁31を設け、この上に、上述
の妻側の軸組パネル1と同様に複数本の束11,12を
立てて、垂木14を取り付けたものである。そして、梁
31の長さ方向の中間位置と、中間の棟束12の上部位
置の両面には、接合金物15を取り付けて、棟木32
(図8参照)を横架できるようにしている。
【0036】以上の各パネル1,2,30は、プレカッ
ト工場において製造しておく。
【0037】これらのパネル1,2,30は、現場に搬
入してから、図6〜図9に示したようにして順に組み立
てる。
【0038】すなわち、まず図6に示したように、土台
33の上に妻側の軸組パネル1を建て込む。土台33
は、前記軸組パネル1,2の建て込みに備えて、図1
0、図11のように固定する。
【0039】まず軸組パネル1,2における通し柱3の
固定部10に対応する位置に、土台33の固定に先立っ
て、柱脚金物34を固定する。柱脚金物34は、出隅に
固定するものと長さ方向の中間位置に固定するものと、
形態において若干の違いはあるものの、基本的には同一
の構成である。
【0040】これら柱脚金物34は、ベース板35とベ
ース板35の上面に立設した立設部36とからなり、基
礎37の上に固定されて軸組パネル1,2の通し柱3の
下端部を支える。ベース板35は基礎の上に乗るような
板状に形成し、所定位置、すなわち通し柱3に刺さる位
置に、長方形板状の上記立設部36を立設している。立
設部36の高さは、土台33よりも上へ出るように土台
33の厚みよりも高く設定している。
【0041】ベース板35の厚みは、床下換気用の通気
路を形成できる厚みに設定する。そしてベース板35に
は、基礎37とベース板35、ベース板35と土台33
を固定するために、基礎37から上方に突出するアンカ
ーボルト38を下から通す貫通孔35aを形成してい
る。図10の柱脚金物34の場合には、柱脚金物34を
土台33に固定するためボルト39を下から回り止め可
能に挿入する貫通孔35bも形成している。
【0042】また、上記立設部36にも、軸組パネル
1,2の通し柱3を固定するためのボルトやドリフトピ
ンを挿通する貫通孔36aを形成している。
【0043】土台33は、図10の出隅の場合、一方の
土台33の端面が他方の土台33の端部側面に当接する
ように配置する。このため、上記他方の土台33の先端
部に、柱脚金物34の上記立設部36が入る割溝33a
を形成し、各土台33における柱脚金物34の貫通孔3
5a,35b対応位置に、上下方向に貫通する貫通孔3
3bを形成している。
【0044】図11の中間位置の場合には土台33の端
面が立設部36を挟むように配置する。このため、前記
ベース板35の貫通孔35aに対応する位置には、上下
に貫通する貫通孔33bを形成している。土台に形成す
るいずれの貫通孔33bも、その上部には、締めたナッ
トを収容する凹部33cを形成する。
【0045】図10、図11中、40は、上記ベース板
35と同じ厚みのスペーサで、中央に貫通孔40aを有
し、アンカーボールト38埋設位置に配設される。
【0046】このようにして土台33を固定しているた
め、妻側の軸組パネル1を建て込むと、図12に示した
ような状態になる。軸組パネル1の通し柱3は、ボルト
41ナット42で柱脚金物34に固定され、下部横架材
7は、アンカーボルト38で土台33の上に固定され
る。このとき、板材8は、土台33の外側面にぴたりと
添う。
【0047】次に、図7に示したように桁側の軸組パネ
ル2を固定する。軸組パネル2の下端部を土台33の上
方に位置させて、上端部の桁6を図13に示したように
先に建て込んだ妻側の軸組パネル1の通し柱3に取り付
けた接合金物15の上方に位置させて、落とし込めばよ
い。
【0048】下部横架材7の貫通孔9には、アンカーボ
ルト38が入り、板材8が土台33の外側面に添って安
定するとともに、桁6の両端部に形成した固定部29の
溝29aが接合金物15の支持構造部17に嵌まる。支
持構造部17と一体になり、支持片18で支えられた状
態にしたあと、図14に示したようにドリフトピン等の
固定用部材24を用いて固定する。
【0049】このようにして建築物の外周を形成した
後、図8に示したように、小屋組パネル30を桁側の軸
組パネル2間に固定し、この小屋組パネル30と、妻側
の軸組パネル1との間に、両端に固定部29を有した棟
木32を横架する。固定方法は上述の通りである(図1
4参照)。
【0050】続いて、床下地材としての床パネル43を
土台33間に横架した大引44(床組)の上に固定する
とともに、図9に示したように、妻側の軸組みパネル1
の小屋組部13と桁側の軸組パネル2の両側の開放部分
に、構造用合板等からなる閉塞パネル45,46を固定
し、屋根下地材としての屋根パネル47を取り付ける。
なお、上記閉塞パネル45,46が必要ないように、そ
の部分に予め板材8を張り付けておくもよい。
【0051】床パネル43は、図15に示したように、
構造用合板などの板材48の下面に例えば、前述の管柱
4と同一寸法の枠材49を縦長に固定して形成する。固
定の仕方は、図示したように、複数枚の床パネル担体4
3aを並べたときに所定の間隔を隔てて並行に並ぶよう
にしたり、あるいは土台33間に掛け渡した大引44に
嵌まるように配置したりする。
【0052】屋根パネル47も、床パネル43と同様で
あり、図16に示したように構造用合板等からなる板材
50の下面に枠材51を固定している。
【0053】なお、板材48,50に厚いものを用いる
場合には、枠材49,51を省略するもよく、また床パ
ネル43も屋根パネル47も、枠材を2枚の板材で挟ん
で構成するもよい。
【0054】上述のようにして組み立てると、図17に
実線で示したような状態になる。
【0055】このあと、図17に仮想線で示したよう
に、屋根パネル47に対して防水シートの被覆したり屋
根材を葺いたり、所定の仕上げを行って、屋根仕上げ部
52を形成するとともに、各軸組パネル1,2に対して
も所定の仕上げを行って、外壁仕上げ部53を形成する
と、建築物の基本構造体54が完成する。
【0056】この建築物の基本構造体54は、建築物の
外側のみが完成した状態であり、後は、図17に一点差
線で示したように、内壁仕上げや、天井、床、配線、配
管等の内装を行えば、建築物が完成する。
【0057】このように建築物の建築は、工場で生産し
た軸組パネル1,2等の材料を現場に搬入して、予め形
成した基礎37の上の土台33に対して建て込めばよ
い。いわばユニット化された部材を組み立てるだけでよ
いので、現場での加工作業を不要にでき、通し柱3を有
した軸組構法を採用しながらも施工性がよい。建て方に
熟練性も必要なく、施工性を大幅に向上できる。
【0058】しかも、各軸組パネル1,2は、通し柱3
を有し、これを横架材5,6,7とともに板材8上で一
体化しているので、剛性が高く、強度の高い建築物を立
てることができる。また、組み立てたときには、軸組パ
ネル1,2の各板材8や他の板材(閉塞パネル45,4
6)等が、軸組の構成部材を面で支え補強するので、建
築物の強度はより一層高いものとなる。
【0059】また、軸組パネル1,2を組み立てて、建
築物の骨組みを形成したあと、これまでの工法とは違え
て、屋根仕上げ部52と外壁仕上げ部53を形成して建
築物の基本構造体54を形成すると、多くの効果を得る
ことができる。すなわち、基本構造体54は、建築物の
外側が完成した状態であり、それまでに必要であった足
場を外してしまうことができる。このため、足場の存在
ゆえに行いにくかった外溝などの作業ができる。内装と
外溝を並行して行えば、建築物の完成に掛かる期間を大
幅に短縮することができ、施工性の向上とあわせて、よ
り一層の効率化を図れる。
【0060】以上の説明において、管柱4は、特許請求
の範囲におけるその他の柱材に対応し、梁5、桁6、下
部横架材7、梁31、棟木32は、横架設材に対応し、
床パネル43は、床下地材、屋根パネル47は屋根下地
材に対応するも、この発明は、上述の構成に限定される
ものではない。
【0061】例えば、以上の例では1階建ての建物の軸
組パネル1,2を説明したが、2階建て、3階建ての軸
組パネルでも同様である。すなわち、図18に妻側の軸
組パネル1で示したように、先の例よりも通し柱3を長
く形成し、これら通し柱3の間に、梁5を必要な本数横
架すればよい。管柱4は、必要な強度が得られるように
梁5間および梁5と下部横架材7間に突っ張らせる。
【0062】また、建築物の大きさが大きく、軸組パネ
ルの幅が、工場から現場へ搬入可能な大きさを超えてし
まう場合には、妻側も桁側も、幅方向で複数に分割して
構成するとよい。図19は、中間に配置する桁側の軸組
パネル2の一例で、左右両側に通し柱3を設けるととも
に、これらの上端部間には、桁6を横架している。また
通し柱3の下端部と、通し柱3間に配設した管柱4は、
下端部の下部横架材7で支持連結し、板材8を外側面に
張り付ける。そして、上記通し柱3の下端部には、柱脚
金物34に対する固定部10を形成し、通し柱3の上端
部には、外側面以外の三方に接合金物15を取り付けて
いる。2本の通し柱3の対向面の接合金物15は、桁6
を固定するためのものである。
【0063】立てこみに際しては、妻側の軸組パネル1
を建て込むとともに、上記中間に配置する桁側の軸組パ
ネル2を建て込み、次に、先の例で示した桁側の軸組パ
ネル2と同一の構成の軸組パネル2を固定する。
【0064】また、軸組パネル1,2は、板材8を取り
付けずに、通し柱とその他の柱材と、横架材を相互に一
体化しただけで構成するもよく、この場合には現場にお
いて板材を張り付ければよい。
【0065】
【発明の効果】以上のようにこの発明の軸組パネルによ
れば、通し柱を含めた軸組に必要な材料を一体化してい
るので、建て込み作業が容易である上に、現場での加工
作業を不要にでき、施工性を大幅に向上することができ
る。しかも板材も用いて一体化すれば、面構造で強度を
得ることもできる。
【0066】したがって、このような軸組パネルを用い
た建築物は、施工性がよく、強度も高いものとなる。
【0067】また、この軸組パネルを用いて建築物の外
側のみを完成した建築物の基本構造体を作ることも、短
期間に行える。普通建築物の建築にあっては、基礎を形
成した後床組、軸組、小屋組と形成してから屋根を形成
し、内装や外溝をしながら最後のほうで外壁仕上げを行
うので、足場は外せないが、この基本構造体を先に作る
ことで、作業性を向上し、工期を短縮することができ
る。すなわち、基本構造体を形成したら足場を外し、工
務店に引き渡して内装を行わせるとともに、外溝を並行
して行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 軸組パネルの斜視図。
【図2】 軸組パネルの斜視図。
【図3】 図1におけるA部分の構造を示す拡大断面
図。
【図4】 接合金物の斜視図。
【図5】 小屋組パネルの斜視図。
【図6】 建築物の建築工程の一部を示す斜視図。
【図7】 建築物の建築工程の一部を示す斜視図。
【図8】 建築物の建築工程の一部を示す斜視図。
【図9】 建築物の建築工程の一部を示す斜視図。
【図10】 柱脚金物と土台を示す分解斜視図。
【図11】 柱脚金物と土台を示す分解斜視図。
【図12】 軸組パネルを建て込んだ状態の斜視図。
【図13】 軸組パネルを建て込む状態の正面図。
【図14】 軸組パネル同士の接合状態を示す断面図。
【図15】 床パネルの斜視図。
【図16】 屋根パネルの斜視図。
【図17】 建築物の基本構造体を示す断面図。
【図18】 他の例に係る軸組パネルの斜視図。
【図19】 他の例に係る軸組パネルとその固定の方法
を示す正面図。
【図20】 他の例に係る軸組パネルとその固定の方法
を示す正面図。
【符号の説明】
1,2…軸組パネル 3…通し柱 4…管柱 5…梁 6…桁 7…下部横架材 8…板材 10…固定部 13…小屋組部 15…接合金物 30…小屋組パネル 33…土台 34…柱脚金物 43…床パネル 47…屋根パネル 52…屋根仕上げ部 53…外壁仕上げ部 54…建築物の基本構造体

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】土台の上に固定する通し柱とその他の柱
    材、およびこれら通し柱とその他の柱材を横に連結する
    横架材を、軸組を構成する所定の配置にして一体化した
    軸組パネル。
  2. 【請求項2】前記通し柱とその他の柱材と横架材を、板
    材の板面に固着した請求項1に記載の軸組パネル。
  3. 【請求項3】屋根を形づくる小屋組ぶを上端部に形成し
    た請求項1または請求項2に記載の軸組パネル。
  4. 【請求項4】前記通し柱の下端部に、前記土台の上に固
    定するための固定部を形成した請求項1から請求項3の
    うちのいずれか一項に記載の軸組パネル。
  5. 【請求項5】前記固定部が、柱脚金物を接合するための
    溝である請求項4に記載の軸組パネル。
  6. 【請求項6】前記請求項1から請求項5のうちのいずれ
    か一項に記載の軸組パネルを用いた建築物。
  7. 【請求項7】前記請求項1から請求項5のうちのいずれ
    か一項に記載の軸組パネルを土台の上に建てて軸組を形
    成するとともに、床下地材及び屋根下地材を取り付け
    て、上記屋根下地材に対しては屋根仕上げ部を、上記軸
    組パネルの板材に対しては外壁仕上げ部を形成した建築
    物の基本構造体。
  8. 【請求項8】前記床下地材および/または屋根下地材
    を、板材、もしくはこれに枠材を一体化して形成したパ
    ネルで構成した請求項7に記載の建築物の基本構造体。
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