JP3657432B2 - 小屋根の小屋組構造とその施工方法 - Google Patents

小屋根の小屋組構造とその施工方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建物の陸屋根上に切妻型の小屋根を設けるための小屋根の小屋組構造およびその施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
住宅その他の建物の屋根形状が陸屋根となるとき、この陸屋根の下層階の屋内に採光や通風を得るため、あるいは、該屋内空間に拡がりを与えるためなどの理由から、陸屋根に開口部を設けて、その上に図7に示すような小屋根1を設ける場合がある。図示した小屋根1は、その底面が陸屋根R全体の面積よりも小さい切妻形に形成され、陸屋根R上に突出して設けられるとともに、その妻面には破風窓Wが設けられている。
【0003】
従来、このような切妻形の小屋根1は、一般に、図8に示したような小屋組構造で構成され、以下のような工程により施工されていた。
【0004】
すなわち、陸屋根Rの構面を構成するスラブ梁Raやスラブ桁Rb等の上に、一対の小屋梁2および一対の軒桁3を枠状に固定し、小屋組の土台部分を形成する。次いで、各小屋梁2上に、切妻の妻面(破風)形状に合わせて部材を組み上げ、略二等辺三角形の妻フレーム4を形成する。そして、両妻フレーム4の頂部間に棟木5を架設して固定する。さらに、小屋根1の傾斜方向に平行する複数本の垂木6を、軒桁3と棟木5との間に掛け渡し、これら垂木6を垂木つなぎ7等によって水平方向に連結補強する。続いて、垂木6の表側に構造用合板等の屋根下地板8を貼設して小屋根1の屋根面全体を被覆する、というものである。
【0005】
なお、前記した各部材には、通常、ツーバイフォー集成材などの木質材が用いられ、各部材は釘またはビス止めにより接合され、必要に応じて接合部に補強金物等が取り付けられて固定されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の小屋根1の小屋組構造は、木質材からなる部材を現場で組み立てるものであったため、例えば、妻フレーム4、垂木6、屋根下地材8など、斜めに取り付けられる部材(斜材)を他部材と接合する際、その接合部を現場で斜めに加工して取り合わせるのが面倒であった。また、それらの斜材を固定する際、斜材がずり下がって傾斜角が拡がったり、棟や軒のラインが不揃いになったりしないように、各斜材の位置決めに相当注意しながら作業しなければならなかった。そのため、施工に手間がかかり、工期が長引くとともに、施工者による施工精度の不均質が生じやすかった。
【0007】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、簡単に、かつ精度よく施工することのできる、施工性に優れた小屋根の小屋組構造およびその施工方法を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載の小屋根の小屋組構造は、陸屋根の開口部上に設けられ、内側を陸屋根の下層階の屋内空間に連続させるように形成される切妻型の小屋根の小屋組構造において、陸屋根の構面を構成する梁材または桁材の上に立設された一対の妻フレームと、両妻フレームの対向する裾部間にそれぞれ架設された軒桁と、小屋根の流れ方向に平行する第一の斜面および流れ方向に直交する第二の斜面からなる断面L字型の受けプレートを備えて前記軒桁上に取り付けられた屋根パネル受止材と、断面逆T字形に一体化または接合された水平板および直立板を備えて前記両妻フレームの頂部間に架設された棟材と、軒桁と棟材との間に掛け渡された屋根パネルとから構成され、屋根パネルは、小屋根の流れ方向に沿って配置される複数本の垂木材の上端部および下端部にそれぞれ棟側枠材および軒側枠材を接合して外形矩形の枠状に形成された屋根パネル枠と、この屋根パネル枠の表側に貼設された屋根下地板とからなり、屋根パネルが、前記屋根パネル受止材の受けプレートと前記棟材の水平板との間に掛け渡され、屋根パネルの軒側枠材が受けプレートにボルト締結されるとともに、棟材を挟んで対向する屋根パネルの棟側枠材同士が棟材の直立板と一体にボルト締結されたことを特徴としている。
【0009】
この発明によれば、断面L字型の受けプレートを有する屋根パネル受止材と断面逆T字型の棟材との間に、枠状に形成された屋根パネルが掛け渡され、屋根パネルの軒側枠材が屋根パネル受止材に、棟側枠材が棟材に、それぞれ位置決めされてボルト締結されるので、屋根パネルが正確な位置および角度で固定され、棟および軒のラインが精度よく揃うとともに、架構全体の構造的安定性にも優れた小屋組構造が得られる。
【0010】
また、請求項2に記載の小屋根の小屋組の施工方法は、前記小屋根の小屋組の施工方法であって、陸屋根の構面を構成する梁材または桁材の上に、妻面の全体またはこれを複数部分に分割した各部分をあらかじめ枠組加工して形成された一対の妻フレームを立設し、両妻フレームの対向する裾部間にそれぞれ軒桁を架設し、この軒桁上に、小屋根の流れ方向に平行する第一の斜面と流れ方向に直交する第二の斜面とからなる断面L字型の受けプレートを備えた屋根パネル受止材を取り付けるとともに、両妻フレームの頂部間に、水平板と直立板とを備えた断面逆T字形の棟材を架設した後、小屋根の流れ方向に沿って配置される複数本の垂木材の上端部および下端部にそれぞれ棟側枠材および軒側枠材を接合してあらかじめ外形矩形の枠状に形成された屋根パネル枠と、この屋根パネル枠の棟側枠材近傍を除く表側にあらかじめ貼設された屋根下地板とからなる屋根パネルを、前記屋根パネル受止材の受けプレートと前記棟材の水平板との間に掛け渡し、軒側枠材をこの受けプレートにボルト締結するとともに、棟材を挟んで対向する屋根パネルの棟側枠材同士を棟材の直立板と一体にボルト締結し、続いて、屋根パネル枠の棟側枠材近傍の表側に屋根下地板を貼設することを特徴としている。
【0011】
このため、現場における各部材の組み立てや連結作業などが大幅に省力化され、特に、斜めに配置される部材を取り付ける際の位置決めが容易になる。さらに、屋根パネル枠の棟側枠材近傍については屋根下地板を後貼りとしているので、棟部分の施工も効率的に行うことができる。こうして、精度にばらつきのない小屋組を、簡単に、かつ短期間に施工することが可能になる。
【0012】
このとき、妻フレームの製作においては、妻面全体を一体に枠組みしてもよく、また、施工性のよいように妻面を適当な複数部分に分割し、それぞれの分割部分を個別に枠組みしておいて現場で連結してもよい。
【0013】
なお、前記した妻フレーム、軒桁、棟材を鋼材によりあらかじめ加工製作することにより、架構全体の施工精度をさらに向上させ、その強度を高めることも可能である。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
【0015】
図1は、本発明にかかる小屋根の小屋組構造の全体構成を示す。図示した小屋組10は、例えば、桁行寸法、梁間寸法がともに約4m程度の切妻形の小屋根の骨組となるもので、陸屋根の構面を構成する梁材または桁材(図示略)の上に組み立てられた屋根フレーム11と、屋根フレーム11上に取り付けられた屋根パネル12とから構成される。
【0016】
屋根フレーム11は、両妻面の予定位置に対向して立設された一対の妻フレーム20と、両妻フレーム20の両裾部間にそれぞれ架設された一対の軒桁30と、各軒桁30上にそれぞれ取り付けられた屋根パネル受止材40と、両妻フレーム20の頂部間に架設された棟材50とからなる架構である。
【0017】
妻フレーム20は、小屋根の流れ方向に平行な斜辺部材を有する略五角形に形成され、該五角形を左右に4分割して得られる大小の台形部分に合わせ、2体ずつの内側フレーム21および外側フレーム22に分割されている。そして、これら内側フレーム21および外側フレーム22が、あらかじめ工場等にて先組み加工され、これらを現場にて同一平面内に連結することにより妻フレーム20が組み立てられる。内側フレーム21および外側フレーム22の各枠材にはリップ溝形鋼が用いられ、リップ溝形鋼の開口側を内側に向けて枠組みされ、四隅が溶接等により接合されている。内側フレーム21および外側フレーム22の互いに隣接する直立部材は、各直立部材のウェブにそれぞれ位置を合わせて設けられたボルト孔に挿通されるボルトによって連結される(図示略)。
【0018】
軒桁30は、対向する妻フレーム20の内法寸法とほぼ同じ長さのH形鋼をあらかじめ加工して製作された部材である。軒桁30の両端にはそれぞれエンドプレート31が付設されており、これらエンドプレート31が前記妻フレーム20の両裾部に位置する直立部材221にそれぞれ当接されて、該直立部材221にボルト接合される。また、軒桁30の上フランジ32には、後述する屋根パネル受止材40を固定するためのボルト孔H7(図5参照)が複数個設けられている。
【0019】
屋根パネル受止材40は、あらかじめ鋼材を加工して製作された部材で、図2に示すように、小屋根の流れ方向に平行して配置された第一の斜面411と、流れ方向に直交して配置された第二の斜面412とからなる、断面L字型の受けプレート41を備えている。この受けプレート41は、両斜面411、412の直交する内側を上方に向けた状態で、複数個の脚部42の上に固定され、後述する屋根パネル12の下端面をちょうど受け止めることができるようになされている。そして、屋根パネル12を連結するために、第二の斜面412にはボルト孔H1が複数個設けられている。また、脚部42には、軒桁30の上フランジ32の上面にあてがわれる底板421が形成され、該底板421にはそれぞれボルト孔H2が設けられている。
【0020】
棟材50は、あらかじめ鋼材を加工して製作された部材で、桁行寸法とほぼ同じ長さに形成され、図3に示すように、水平板51の中心軸上に直立板52が立ち上げられた断面逆T字形の形状となされている。直立板52には、後述の屋根パネル12を連結するためのボルト孔H3が複数個設けられている。水平板51の両端には、下方に垂下する短冊形の接合プレート53がそれぞれ取り付けられている。そして、各接合プレート53には、これを妻フレーム20に連結するためのボルト孔H4が各2個ずつ設けられている。この接合プレート53は、前記妻フレーム20の中央部において隣接する内側フレーム21の直立部材211間に挟持され、該直立部材211のウェブに設けられたボルト孔(図示略)および接合プレート53に設けられたボルト孔H4に挿通されるボルトB1によって連結される(図6参照)。また、接合プレート53の側面には所定の位置に位置決め片54が付設され、この位置決め片54を妻フレーム20の頂部に当接させるようにして棟材50を載架することにより、棟材50の両端が妻フレーム20に対して一定の高さに位置決めされるようになされている。
【0021】
一方、屋根パネル12は、図4に示すように、外形略矩形をなすように接合された屋根パネル枠60と、その表側に貼設された屋根下地板70、71とから構成される。
【0022】
屋根パネル枠60は、小屋根の流れ方向に沿って配置される複数本の垂木材61の上部および下部に、それぞれ棟側枠材62および軒側枠材63が接合され、さらに、垂木材61間に垂木つなぎ材64が配設されて形成されている。屋根パネル枠60の流れ方向の寸法は、棟材50と軒桁30との間に直接掛け渡される長さに形成されている。また、屋根パネル枠60の幅は、概ね1〜2m前後に形成され、小屋組10の桁行寸法に合わせて複数枚を連設するものとなされている。
【0023】
垂木材61の上部端面は、屋根パネル12を前記屋根フレーム11上に取り付けたときに鉛直面をなすようにカットされ、垂木材61の下部端面は、小屋根の流れ方向に直交するようにカットされている。また、棟側枠材62の上縁621は、垂木材61の上縁611と面一になるように斜めに加工されている。一方、軒側枠材63の上縁631は、屋根パネル12を前記屋根フレーム11上に取り付けたときに鉛直面をなすように斜めに加工されている。そして、棟側枠材62および軒側枠材63には、それぞれ複数個のボルト孔H5、H6が設けられ、前記した棟材50および軒桁30にボルト締結されるようになされている。
【0024】
屋根パネル枠60を構成する前記各部材は、ツーバイフォー集成材等による継手のない長寸の木質材からなり、それぞれ所定形状に加工されてあらかじめ接合されている。各部材の接合部は、釘打ち又はビス止めにより接合され、部分的に接合金物J等を用いて補強されている。
【0025】
屋根パネル枠60の表側には、構造用合板等からなる屋根下地板70があらかじめ貼設されている。ただし、屋根パネル枠60の上部の棟側枠材62付近については、後述するように、屋根パネル12が屋根フレーム11上に固定されてから屋根下地板71が後貼りされる。
【0026】
屋根パネル12は、屋根フレーム11の屋根パネル受止材40と棟材50との間に掛け渡され、軒側枠材63が屋根パネル受止材40に、棟側枠材62が棟材50に、それぞれボルト締結されることにより固定される。図5および図6に各連結部分の納まりを示す。
【0027】
軒部分においては、図5に示すように、軒桁30の上フランジ32上に屋根パネル受止材40が載置され、軒桁30の上フランジ32および屋根パネル受止材40の脚部42の底板421にそれぞれ位置を合わせて設けられたボルト孔H7、H2に挿通されるボルトB2によって、軒桁30と屋根パネル受止材40とが固定される。そして、屋根パネル受止材40の受けプレート41上に屋根パネル12の下端部が載置されて支承され、屋根パネル枠60の軒側枠材63および受けプレート41にそれぞれ位置を合わせて設けられたボルト孔H6、H1に挿通されるボルトB3によって、屋根パネル12と屋根パネル受止材40とが固定される。このとき、屋根パネル受止材40の脚部42の外側縁と軒側枠材63の斜めの上縁631とは、略面一となるように取り付けられる。これは、小屋組の施工後に軒下部分に施される防水処理を納まりよくするためである。
【0028】
一方、棟部分においては、図6に示すように、互いに反対側に傾斜する屋根パネル12同士が、妻フレーム20の頂部に取り付けられた棟材50を挟んで拝み合うように固定される。屋根パネル12は、その裏側を妻フレーム20の斜辺部材の表面に沿わせるようにして掛け渡され、屋根パネル枠60の上部裏側に形成された切欠部65を棟材50の水平板51上に掛止させて支承される。そして、棟材50を挟んで対向する屋根パネル12の棟側枠材62同士が、棟側枠材62および棟材50の直立板52にそれぞれ位置を合わせて設けられたボルト孔H5、H3に挿通されるボルトB4によって、棟材50と一体に締結される。
【0029】
前記した小屋根の小屋組10の、現場での施工手順は、以下のようになる。
まず、陸屋根の構面を構成する梁材または桁材の上に一対の妻フレーム20を立設し、両妻フレーム20を互いに対向させる。次いで、両妻フレーム20の対向する裾部間にそれぞれ軒桁30を架設し、これら軒桁30上に屋根パネル受止材40を取り付ける。併せて、両妻フレーム20の頂部間に棟材50を架設して固定し、屋根フレーム11を完成させる。ただし、軒桁30の架設と棟材50の架設との先後順は、現場の状況により逆転してもよい。
【0030】
続いて、屋根パネル12を、その下端部が屋根パネル受止材40の受けプレート41上に載るようにして、屋根パネル受止材40と棟材50との間に掛け渡す。棟材50を挟む反対側にも屋根パネル12を掛け渡し、屋根パネル12の位置を合わせたうえで、屋根パネル12の軒側枠材63を屋根パネル受止材40に、棟側枠材62を棟材50に、それぞれ固定する。ただし、屋根パネル12を桁行方向に複数枚連設する場合には、まず片側の傾斜面の屋根パネル12をすべて仮載せし、その後、反対側の傾斜面の屋根パネル12を仮載せしてから、棟部分をまとめて連結する、という手順によることもできる。
【0031】
屋根パネル12と棟材50との連結を終えた後、屋根パネル12の棟側枠材62近傍に後貼り分の屋根下地板71を貼設し、屋根パネル12の棟部分を被覆する。これで小屋根の小屋組10が完成する。
【0032】
引き続いて、屋根下地板70、71の表側にルーフィング等の屋根材を敷設し、屋根パネル12の裏側には必要に応じて断熱材を取り付ける。また、妻部分には外壁材や破風窓Wの建具等を取り付け、さらに、棟部分や軒部分に防水処理を施すなどして小屋根を仕上げることとなる。
【0033】
以上に述べた本発明の小屋根の小屋組構造は、屋根フレーム11を構成する各部材および屋根パネル12を工場等にてあらかじめ加工・製作することにより、現場にてそれらを連結するだけで短時間に組み立てることができるものである。さらに、屋根傾斜に合わせて斜めに接合される各部材の接合部も、工場加工によって、高い精度で接合されるものとなる。
【0034】
そして、妻面を構成する妻フレーム20や、妻フレーム20間に架設する軒桁30、屋根パネル受止材40および棟材50を鋼材により製作することで、小屋組の架構全体に高い強度が得られるので、屋根パネル12を屋根パネル受止材40と棟材50との間に掛け渡すだけで屋根面を形成することができる。このため、軒桁30と棟材50との間に現場で垂木つなぎなどの補助材を配設する工程が不要になり、従来危険を伴いがちであった屋根傾斜面の施工を、容易かつ安全に行うことができるようになる。なお、妻フレーム20については、あらかじめ部分的に先組みして十分な構造的安定性を得られるものであれば、リップ溝形鋼以外の鋼材により形成しても差し支えなく、また、その枠組み形状を、例えばキングポストトラスのように構成したり、あるいは、先組みされる妻面の分割パタンを変化させてもよい。
【0035】
さらに、屋根パネル12を支承する屋根パネル受止材40および棟材50が前記のような形状に形成され、また、その形状に合わせて屋根パネル12の上端部および下端部が形成されているので、屋根パネル12を掛け渡す際に屋根パネル12がずり下がって傾斜角が拡がったり、棟や軒のラインが不揃いになったりすることなく、屋根パネル12を正確に位置決めすることができる。
【0036】
また、屋根パネル12の表側にはあらかじめ屋根下地板70が貼設されることにより屋根パネル12の面内剛性が高められているが、屋根パネル12の棟側近傍に貼設される屋根下地板71のみを後貼りとしているので、屋根パネル12を棟材50の両側から棟材50にボルト締結する際、この作業を簡単に行うことができる。
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、前記したように、小屋組の架構全体の構造的安定性が高められるとともに、小屋根の棟および軒のラインも精度よく揃えられることとなる。
【0038】
そして、その施工においても、各部材の組み立て、位置決め、連結作業などが簡単になり、精度にばらつきのない小屋組を短期間に施工することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の小屋根の小屋組構造の全体構成を示す分解斜視図である。
【図2】屋根パネル受止材の構成を示す斜視図である。
【図3】棟材の構成を示す斜視図である。
【図4】屋根パネルの構成を示す分解斜視図である。
【図5】本発明の小屋根の小屋組構造の軒部分の納まりを示す断面図である。
【図6】本発明の小屋根の小屋組構造の棟部分の納まりを示す断面図である。
【図7】陸屋根上に設けられる切妻形の小屋根の外観形状を示す斜視図である。
【図8】従来の小屋根の小屋組構造の全体構成を示す一部破断斜視図である。
【符号の説明】
R 陸屋根
10 小屋組
11 屋根フレーム
12 屋根パネル
20 妻フレーム
30 軒桁
40 屋根パネル受止材
41 受けプレート
50 棟材
51 水平板
52 直立板
60 屋根パネル枠
61 垂木材
62 棟側枠材
63 軒側枠材
70、71 屋根下地板

Claims (2)

  1. 陸屋根の開口部上に設けられ、内側を陸屋根の下層階の屋内空間に連続させるように形成される切妻型の小屋根の小屋組構造において、
    陸屋根の構面を構成する梁材または桁材の上に立設された一対の妻フレームと、両妻フレームの対向する裾部間にそれぞれ架設された軒桁と、小屋根の流れ方向に平行する第一の斜面および流れ方向に直交する第二の斜面からなる断面L字型の受けプレートを備えて前記軒桁上に取り付けられた屋根パネル受止材と、断面逆T字形に一体化または接合された水平板および直立板を備えて前記両妻フレームの頂部間に架設された棟材と、軒桁と棟材との間に掛け渡された屋根パネルとから構成され、
    屋根パネルは、小屋根の流れ方向に沿って配置される複数本の垂木材の上端部および下端部にそれぞれ棟側枠材および軒側枠材を接合して外形矩形の枠状に形成された屋根パネル枠と、この屋根パネル枠の表側に貼設された屋根下地板とからなり、
    屋根パネルが、前記屋根パネル受止材の受けプレートと前記棟材の水平板との間に掛け渡され、屋根パネルの軒側枠材が受けプレートにボルト締結されるとともに、棟材を挟んで対向する屋根パネルの棟側枠材同士が棟材の直立板と一体にボルト締結されたことを特徴とする小屋根の小屋組構造。
  2. 陸屋根上に設けられて、その内部を陸屋根の下層階の屋内空間に連続させるように形成される切妻型の小屋根の小屋組の施工方法であって、陸屋根の構面を構成する梁材または桁材の上に、妻面の全体またはこれを複数部分に分割した各部分をあらかじめ枠組加工して形成された一対の妻フレームを立設し、両妻フレームの対向する裾部間にそれぞれ軒桁を架設し、この軒桁上に、小屋根の流れ方向に平行する第一の斜面と流れ方向に直交する第二の斜面とからなる断面L字型の受けプレートを備えた屋根パネル受止材を取り付けるとともに、両妻フレームの頂部間に、水平板と直立板とを備えた断面逆T字形の棟材を架設した後、
    小屋根の流れ方向に沿って配置される複数本の垂木材の上端部および下端部にそれぞれ棟側枠材および軒側枠材を接合してあらかじめ外形矩形の枠状に形成された屋根パネル枠と、この屋根パネル枠の棟側枠材近傍を除く表側にあらかじめ貼設された屋根下地板とからなる屋根パネルを、前記屋根パネル受止材の受けプレートと前記棟材の水平板との間に掛け渡し、軒側枠材をこの受けプレートにボルト締結するとともに、棟材を挟んで対向する屋根パネルの棟側枠材同士を棟材の直立板と一体にボルト締結し、
    続いて、屋根パネル枠の棟側枠材近傍の表側に屋根下地板を貼設することを特徴とする小屋根の小屋組の施工方法。
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