JP2527258B2 - 方形屋根 - Google Patents

方形屋根

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JP2527258B2
JP2527258B2 JP2158936A JP15893690A JP2527258B2 JP 2527258 B2 JP2527258 B2 JP 2527258B2 JP 2158936 A JP2158936 A JP 2158936A JP 15893690 A JP15893690 A JP 15893690A JP 2527258 B2 JP2527258 B2 JP 2527258B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、方形屋根に係わり、特に、登り梁を方形に
組んで小屋組みを形成してなる方形屋根に関するもので
ある。
[従来の技術] 一戸建てプレハブ住宅等においては、すでに画一的で
規格化された住宅に代わって、例えば「フリースタイ
ル」等と呼ばれる企画型のプレハブ住宅が供給され、そ
れに伴って外装および内装デザイン等の多様なニーズに
合わせて様々なバリエーションのものが開発されてお
り、特に、屋根形状は、住宅のスタイルを決定づける上
で重要な要素であるため、現在では、陸屋根、切妻屋根
はもちろん、入母屋屋根、寄棟屋根、方形屋根等、様々
な種類のものが提供されている。
そして、このような一戸建てプレハブ住宅の施工に際
しては、従来、現場施工のコンクリート基礎の上にユニ
ット化した床パネルを敷き込み、その上に1階および2
階の壁パネルを組み上げた後、さらに、軸組み、木組み
等をして屋根パネルを組み立てて、建築物を構築すると
いた工程がとられる。
屋根の組み建ては、基本的には、どの種類の屋根も同
様に、梁、小屋、屋根と高所にて順番に組み立てを行っ
ており、例えば、2階壁パネルの上に梁材等を架け渡す
などして小屋組みをした後、この上に屋根パネルを敷設
してこの屋根パネルを小屋屋根と一体化する手段が採ら
れる。
[発明が解決しようとする課題] ところが、従来の屋根の組み立ては、梁、小屋、屋根
パネルを順番に構築していく手順が採られているため、
現場での作業性が悪く、また熟練した作業者が必要にな
るなどコスト的にも高いものになるといった問題点があ
った。
特に、屋根の組み立て作業は、当然のことながら、建
物の高所での作業となるため、その危険性が高く、ま
た、組み立てに時間がかかるため、建物を組立中に雨に
さらす結果となり、安定した品質の確保を図るのが難し
いといった問題点があった。
また、前述のように、梁および小屋によって小屋組み
が形成されてなる従来の屋根においては、これらの梁や
小屋等の存在によって、小屋裏の収納空間を大きくとる
ことが難しく、小屋裏空間を十分に有効利用することが
できないといった不満もあった。
本発明は、このような事情に鑑みて提案されたもの
で、その目的とするところは、施工が簡単で、かつ小屋
裏空間を最大限有効利用することができる方形屋根を提
供することにある。
[課題を解決するための手段] 本発明の請求項1記載の方形屋根は、屋根の頂点から
四方の軒部に向けてそれぞれ形成された傾斜面と、それ
ぞれの傾斜面の相会する位置に通された4つの棟部とを
備えてなる方形屋根であって、 これら各傾斜面に、該傾斜面に沿って水平に延びる水
平部と、該水平部の一端より棟部を挟んで隣接する傾斜
面の傾斜方向に沿って軒部へ延びる傾斜部とを有する登
り梁をそれぞれ配設し、 各登り梁の水平部の他端を、棟部において隣接する登
り梁の側面に接合するとともに、その傾斜部の下端を、
壁パネルの上端に接合したことによって、屋根の小屋組
みを構成し、 該小屋組みの上に、各傾斜面に沿って屋根パネルを配
設し屋根部としたことを解決手段とした。
請求項2記載の方形屋根は、前記登り梁を、傾斜面上
に水平に配置された上半部板状体と、隣接する傾斜面に
沿って傾斜状態に配置された下半部板状体とを主体とし
て構成し、該上半部板状体の一端と下半部板状体の一端
とを、これらの側面に配置された当て板によって連結接
合したことを解決手段とした。
請求項3記載の方形屋根は、前記上半部板状体の他端
および下半部板状体の下端を、それぞれ受け金具を介し
て、隣接する登り梁の側面および壁パネルの上端に接合
したことを解決手段とした。
[作用] 本発明の請求項1記載の方形屋根においては、方形屋
根の各傾斜面に、該傾斜面に沿って水平に延びる水平部
と、該水平部の一端より棟部を挟んで隣接する傾斜面の
傾斜方向に沿って軒部へ延びる傾斜部とを有する登り梁
をそれぞれ配設し、各登り梁の水平部の他端を、棟部に
おいて隣接する登り梁の側面に接合するとともに、その
傾斜部の下端を、壁パネルの上端に接合したことによっ
て、方形に組まれた小屋組みが形成されているので、小
屋裏には、該小屋裏を通る梁や小屋が一切使用されてお
らず、完全に解放された空間となる。このため、該小屋
裏空間を最大限に有効利用することができ、小屋裏内
を、天井収納庫や屋根裏部屋など、いかようにも利用す
ることができる。
また、この方形屋根にあっては、登り梁を方形に組ん
で屋根の小屋組みを構成し、該小屋組みの上に、各傾斜
面に沿って屋根パネルを配設するので、現場での小屋組
みの作業が非常に容易である。
また、請求項2にかかる方形屋根によれば、登り梁
が、水平な上半部板状体と、傾斜状態の下半部板状体と
から構成されているので、屋根の傾斜に応じて、適宜、
上半部板状体と下半部板状体との接合角度を変えること
によって、種々の屋根形状に対応した有効適切な方形屋
根を提供することができる。
また、請求項3にかかる方形屋根にあっては、登り梁
の上半部板状体の他端および下半部板状体の下端が、そ
れぞれ受け金具を介して、隣接する登り梁の側面および
壁パネルの上端に接合されているので、小屋組みの作業
が非常に簡単になるとともに、これらの接合作業を小屋
裏側から行うことができるようになって、作業の安全性
が確保される。
[実施例] 以下、実施例を示し、図面を用いて本発明を説明す
る。
第1図ないし第6図は、本発明の方形屋根の一実施例
を示すものである。
この方形屋根は、第1図ないし第3図に示すように、
屋根の頂点から軒部にかけて、前後左右の四方に下り勾
配の屋根面(傾斜面)K1,K2,K3,K4を持ち、かつこれら
の屋根面(傾斜面)K1,K2,K3,K4の相会する位置がそれ
ぞれ隅部S1,S2,S3,S4とされた奇棟構造を有する方形の
屋根である。
そして、1つの傾斜面K1上の水平位置から、棟部S1
挾んで隣接する傾斜面K2の傾斜方向に沿って軒部へ延長
した傾斜位置にかけて、登り梁1が配設されている。該
登り梁1の上端は、別の棟部S4において、隣接する登り
梁4の側面に接合されるとともに、該登り梁1の下端
は、壁パネルPの上端に接合されている。また、他の3
つの傾斜面K2,K3,K4においても、該傾斜面K2,K3,K4上の
水平位置から、棟部S2,S3,S4を挾んで隣接する傾斜面
K3,K4,K1に沿って軒部へ延長した傾斜位置にかけて、先
と同様の登り梁2,3,4が配設されて、それぞれ隣接する
登り梁1,2,3および壁パネルPに接合されている。そし
て、このように4つの登り梁1,2,3,4が方形に組み付け
られたことによって、方形屋根の小屋組み5が形成され
ている。
登り梁1は、請求項2に記載したように、第4図およ
び第5図に示す如くに、傾斜面K1上に水平に配置された
上半部板状体1aと、隣接する傾斜面K2に沿って傾斜状態
に配置された下半部板上体1bとを主体として構成されて
いる。また、これら上半部板状体1aおよび下半部板状1b
は、それぞれの端部を突き合わせて接合した状態で、こ
の接合部に一方の面から当て板としてのガセット合板1c
を配置するとともに、他方の面には受け板1dを配置する
ことで、これらのガセット合板1cおよび受け板1dの間に
挾み込まれ、接着剤およびスクリュー釘によって連結結
合された構成となっている。
また、前記上半部板状体1a、下半部板状体1bおよび表
裏両面に配置された当て板1c、受け板1bによって囲まれ
て登り梁1の下部に形成された空間には、該空間を埋め
るようにして3角形状を有する短材1eが組み付けられて
いる。
また、本実施例では、請求項3に記載したように、第
4図に示す如くに、登り梁1の上半部板状体1aの先端
(他端)は、受け金具6を介して隣接する登り梁4の上
半部板状体4aと下半部板状体4bとの接合部の側面(受け
板4dが配置された側の側面)に接合されている。また、
前記登り梁1の下半部板状体1bの先端(下端)は、受け
金具7によって、壁パネルPの上端面に、桁材8を介し
て連結されている。
すなわち具体的には、前記下半部板状体1bと壁パネル
Pとの接合構造を例に挙げて説明すると、第6図に示す
ように、下半部板状体1bの下端部には、その端面に開口
するスリット9が形成されるとともに、このスリット9
に連通しかつ該下半部板状体1bの厚さ方向に貫通するボ
ルト連通孔10,10が設けられている。
一方、受け金具7は、壁パネルPの上端部に結合され
た桁材8ならびに壁パネルPにそれぞれスクリュー釘も
しくは固定ねじ等11によってねじ止め固定されたもの
で、桁材8の上面に嵌め合わされるようにして載置固定
される支持部7aと、この支持部7aの内側下端より垂直に
立設されて登り梁1のスリット9に挿入される結合板部
7bとを主体として構成されている。該結合板部7bにはボ
ルト挿通孔12,12が形成されており、前記下半部板状体1
bに設けられたボルト挿通孔10,10と連通した状態で、こ
れにボルト13,13が挿通されることにより、前記下半部
板状体1bが、該受け金具7を介して壁パネルP上端に取
り付けられるようになっている。
また、前記上半部板状体1aの先端と、隣接する登り梁
4の接合部付近との接合も、前述した接合構造と同一の
ものであるので、その説明は省略する。
このようにして、登り梁1が壁パネルPの上部の所定
の位置に取り付けられ方形に組まれて形成された小屋組
み5の上には、前記各傾斜面K1,K2,K3,K4に沿うように
して屋根パネルが配設され、該小屋組み5を形成する各
登り梁1,2,3,4によって支持、固定されている。
本実施例では、4種類の屋根パネル、すなわち第1な
いし第4の屋根パネル15,16,17,18が配設、固定され
て、屋根の1つの傾斜面K1を覆う屋根部Y1が形成されて
いる。
第1の屋根パネル15は、屋根の頂点から傾斜面K1に沿
って、その下端部を登り梁1の上半部板状体1aの上端に
載せるようにして配設された2等辺3角形状のパネルで
ある。第2の屋根パネル16は、第1の屋根パネル15の下
部に位置し、かつ登り梁1の上半部板状体1aおよび隣接
する登り梁2の下半部板状体2bをそれぞれ1辺とするよ
うにして、屋根の傾斜面K1に沿って前記第1の屋根パネ
ル15と面一に配設された4角形状のパネルである。また
第3の屋根パネル17は、該第2の屋根パネル16の1側部
に位置しかつ該登り梁4の下半部板状体4bおよび棟部S4
をそれぞれ1辺とするようにして該第2の屋根パネル16
と面一に配設された直角3角形状のパネルである。また
第4の屋根パネル18は、前記第2の屋根パネル16の他方
の側部に位置しかつ第2の屋根パネル16の側辺と棟部S1
をそれぞれ1辺とするようにして第2の屋根パネル16と
面一に配設された直角2角形状のパネルである。
そして、前記第2、第3および第4の屋根パネル16,1
7,18は、ともに、その下側の部分が、一線上に揃いかつ
前記登り梁4の下半部板状体4bの下端よりもさらに外側
に突出して軒を形成するように配慮がなされている。ま
た、第1の屋根パネル15と第2の屋根パネル16との接合
部の下面は、前記登り梁1の上半部板状体1aの上端面に
設けられた調整桁材(図示略)を介してこの登り梁1に
接合されている。また、第2ないし第4の屋根パネル1
6,17,18の裏面は、壁パネルPの上端面に設けられた桁
材8を介してこの壁パネルPに接合されている。
そして、これらの4種類の屋根パネル15,16,17,18
は、それぞれ所定の位置に配設された後、各屋根パネル
15,16,17,18の接合部において接着、釘打ちなどの手段
により接合されて、傾斜面K1を覆う略2等辺3角形状の
屋根部Y1とされている。このようにして、屋根の4つの
傾斜面K1,K2,K3,K4を覆う屋根部Y1,Y2,Y3,Y4が配設、固
定され、さらに各屋根部Y1,Y2,Y3,Y4の側端部が接着、
釘打ちなどの手段により接合されて、第3図に示すよう
な方形の屋根が形成され、前記登り梁1,2,3,4によって
組まれた小屋組み5によって支持、固定されている。
なお、前記第1ないし第4の屋根パネル15,16,17,18
は、いずれも、パネル部の周囲を形成する4本の框材
と、パネル部の長手方向に延びる複数本の根太材によっ
て組まれた枠体と、該枠体の上面に貼設された合板とを
主体として構成されている。該合板の上面には、所定の
ルーフィング(例えばアスファルトルーフィング)仕上
げが施され、いわゆる屋根葺きがなされた状態となって
いる。
次に、このような方形屋根の形成方法について説明す
る。
まず、現場施工のコンクリート基礎の上に床パネルを
敷き込み、その上に1階および2階の壁パネルPを組み
上げた後、該壁パネルPの上端部の所定の位置に、前記
構成の登り梁1,2,3,4を配設する。
登り梁1,2,3,4の配設に際しては、躯体内側、すなわ
ち小屋裏側から作業を行い、まず、屋根の傾斜面K1およ
び傾斜面K2の傾斜方向に沿う登り梁1を配設して、その
下半部板状体1bの下端部を、壁パネルPの上端面に桁材
8を介して、前記構成の受け金物7によって接合する。
次いで、傾斜面K2および傾斜面K3の傾斜方向に沿う登り
梁2を配設して、その上半部板状体2aの上端部を前記登
り梁1の上半部板状体1aと下半部板状体1bとの接合部の
側面(内側面)に、受け金物6によって接合するととも
に、下半部板状体2bの下端部を、前記と同様にして、壁
パネルPの上端面に同様にして接合する。このようにし
て、4つの登り梁1,2,3,4を順に所定位置に配設しなが
ら、各登り梁1,2,3,4同志を接合して、方形に組まれた
小屋組み5を形成する。
次に、このようにして組まれた小屋組み5の上に、屋
根パネルを配設、固定する。
屋根パネルとしては、前記構成の第1ないし第4の屋
根パネル15,16,17,18を用い、まず、第1の屋根パネル1
5を、屋根の頂点から登り梁1の上半部板状体1aにかけ
て配設し、その下端部を、調整桁材を介して、登り梁1
の上半部板状体1aの上に接着、釘打ちなどによって固定
する。また、第2の屋根パネル16は、該第1の屋根パネ
ル15に面一に連通するようにして、第1の屋根パネル15
の下方に配設し、その上端部を、前記登り梁1の上半部
板状体1aの上に同様にして固定する。また、該第1の屋
根パネル15および第2の屋根パネル16の接合部は、接
着、釘打ち等の手段によって固定する。また、第3およ
び第4の屋根パネル17,18は、それぞれ第2の屋根パネ
ル16の両側に、該第2の屋根パネル16と面一に連通する
ようにして配設し、同様の手段により固定して、屋根部
Y1を形成する。
このようにして、順に、屋根部Y1,Y2,Y3,Y4を形成
し、また、各屋根部Y1,Y2,Y3,Y4同士を、接着、釘打ち
等の手段によって接合して、屋根の四方の傾斜面K1,K2,
K3,K4を覆う方形の屋根を形成する。
そしてさらに、各屋根部Y1,Y2,Y3,Y4の屋根パネル15,
16,17,18同士の接合部(目地部)および、各屋根部Y1,Y
2,Y3,Y4同士の接合部(目地部)に、止水処理を行う。
止水処理としては、該目地部を覆うようにしてルーフィ
ングを行う方法が採られてもよいが、予め、各屋根パネ
ル15,16,17,18を構成する合板の合わせ部にホットメル
ト系の素材からなる目地材を設けておき、各屋根パネル
15,16,17,18を組み付ける際に、前記目地材を熱して、
屋根パネル15,16,17,18の組み付けと同時に目地材同士
を接着する方法が採られてもよい。特に、屋根の上での
ルーフィング作業がなくなる点から、後者の方法の方が
好ましい。
このようにして形成されてなる方形屋根にあっては、
前記のように、各傾斜面K1,K2,K3,K4上の水平位置か
ら、棟部S1,S2,S3,S4を挾んで隣接する傾斜面K2,K3,K4,
K1の傾斜方向に沿って軒部へ延長した傾斜位置にかけ
て、それぞれ登り梁1,2,3,4が配設されるとともに、そ
の上端が棟部S4,S1,S2,S3において、隣接する登り梁4,
1,2,3の側面に接合され、かつその下端が壁パネルPの
上端に接合されたことによって、方形に組まれた小屋組
み5が形成されているので、該小屋組み5の小屋裏に
は、小屋裏を通る梁や小屋が一切設けられておらず、完
全に解放された空間が形成されている。このため、該小
屋裏空間を最大限に有効利用することができる。例え
ば、小屋裏内に大型の天井収納部等を取り付けて収納ス
ペースとすることもできるし、あるいは該小屋裏に内装
処理等を施して屋根裏部屋とし、居住スペースを確保す
ることも可能である。
また、本実施例で示した方形屋根によれば、前記構成
の登り梁1,2,3,4を配設固定するだけの作業で、小屋組
み5を形成することができるので、壁パネルP上端に
梁、小屋を順に取り付けていた従来の施工法に比べて、
その作業が非常に容易となる。したがって、作業の簡略
化、省力化が図れて工期短縮が望めるうえに、熟練した
作業員が不要となることからコストダウン等の効果を望
むこともできる。
また、請求項2に記載の方形屋根にあっては、登り梁
1,2,3,4が、傾斜面上に水平に配置された上半部板状体1
a,2a,3a,4aと、隣接する傾斜面に沿って傾斜状態に配置
された下半部板状体1b,2b,3b,4bとを主体として構成さ
れているので、屋根の傾斜に応じ、適宜、上半部板状体
1a,2a,3a,4aと下半部板状体1b,2b,3b,4bとの接合角度を
変えることによって、種々の屋根形状に対応した有効適
切な方形屋根を提供することができる利点がある。した
がって、小屋組み5を形成する登り梁1,2,3,4を、少な
い種類の部材から構成することができ、コストダウンを
図ることができる。
また、請求項3に記載の方形屋根によれば、登り梁1,
2,3,4の上半部板状体1a,2a,3a,4aの上端および下半部板
状体1b,2b,3b,4bの下端が、それぞれ受け金具6,7を介し
て、隣接する登り梁4,1,2,3の側面および壁パネルPの
上端に接合されているので、これらの接合作業が非常に
簡便になり、また、小屋組みの作業を小屋裏側から行う
ことができるようになる。このため、屋根の上部に乗っ
て小屋組みを行う必要のあった従来の施工法に比べて、
作業の安全性の向上を図ることができる。また、前記の
接合部位に大きな接合耐力を持たせることができて、屋
根全体の耐力の向上を図ることも可能である。
なお、本発明の方形屋根は、前記実施例に限られず、
各構成部材の形状や寸法等などの具体的構成は、適用さ
れる屋根の種類や設計要求などに応じて、種々適宜変更
可能であることは言うまでもない。
例えば、前記実施例では、屋根パネルとして4種類の
屋根パネル15,16,17,18を用い、これらの組み合わせに
より、屋根の傾斜面K1,K2,K3,K4を覆う屋根部Y1,Y2,Y3,
Y4を形成した例について述べたが、これ以外にも、屋根
部Y1,Y2,Y3,Y4を、傾斜面K1,K2,K3,K4全面を覆う2等辺
3角形状の屋根パネルによって形成した構成とすること
もできるし、さらに、これ以外の形状、種類の屋根パネ
ルによって屋根部Y1,Y2,Y3,Y4を形成した構成とするこ
ともできる。
また、各屋根パネル15,16,17,18の配設順序や配設方
法等は、前記実施例に限られず、また、各屋根パネル1
5,16,17,18の接合方法および各屋根部Y1,Y2,Y3,Y4の接
合方法等も、前記実施例に限られるものではない。
また、前記実施例では、請求項2に記載したように、
登り梁1を、上半部板状体1aおよび下半部板状体1bとか
らなる構成とした例を示したが、本発明はこれに限られ
ず、1つの板状体によって登り梁1を構成することもで
きる。
また、前記実施例では、請求項3に記載したように、
登り梁1の上端部と隣の登り梁4との接合、および登り
梁1の下端部と壁パネルPとの接合を、それぞれ受け金
物6,7を介しての接合とした例を示したが、本発明は、
両者の強固な接合が得られる手段が採られればこれに限
られるものではなく、このような受け金物6,7が省略さ
れてもよいし、あるいは異なる構成の受け金物が用いら
れてもよい。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明の請求項1記載の方形屋
根によれば、方形屋根の各傾斜面に、該傾斜面に沿って
水平に延びる水平部と、該水平部の一端より棟部を挟ん
で隣接する傾斜面の傾斜方向に沿って軒部へ延びる傾斜
部とを有する登り梁をそれぞれ配設し、各登り梁の水平
部の他端を、棟部において隣接する登り梁の側面に接合
するとともに、その傾斜部の下端を、壁パネルの上端に
接合したことによって、方形に組まれた小屋組みが形成
されているので、該小屋組みの小屋裏には、小屋裏を通
る梁や小屋が一切設けられておらず、完全に解放された
空間となっている。このため、該小屋裏空間を最大限に
有効利用することができ、小屋裏内を、天井収納庫や屋
根裏部屋など、いかようにも利用することができる。
また、前記構成の登り梁を配設固定するだけの作業
で、小屋組みを形成することができるので、小屋組みの
作業が非常に容易となり、現場作業の簡略化、省力化が
図れて工期短縮が望めるうえに、熟練した作業員が不要
となることからコストダウン等の効果を望むこともでき
る。
また、請求項2に記載の方形屋根にあっては、登り梁
が、傾斜面上に水平に配置された上半部板状体と、隣接
する傾斜面に沿って傾斜状態に配置された下半部板状体
とを主体として構成されているので、屋根の傾斜に応
じ、適宜、上半部板状体と下半部板状体との接合角度を
変えることによって、種々の屋根形状に対応した有効適
切な方形屋根を提供することができる利点がある。した
がって、小屋組みを形成する登り梁を、少ない種類の部
材から構成することができ、コストダウンを図ることが
できる。
また、請求項3に記載の方形屋根によれば、登り梁の
上半部板状体の他端および下半部板状体の下端が、それ
ぞれ受け金具を介して、隣接する登り梁の側面および壁
パネルの上端に接合されているので、これらの接合作業
が非常に簡便になるとともに、これらの接合部位に大き
な接合耐力を持たせることができる。また、このような
小屋組みの作業を、屋根の上部に乗らなくても、小屋裏
側から行うことができるようになって、作業の安全性が
確保される。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第6図は、本発明の方形屋根を説明するた
めのもので、第1図は屋根の全体を示す斜視図、第2図
は屋根の小屋組みを示す平面図、第3図はこの方形屋根
の平面図、第4図および第5図は小屋組みを形成する登
り梁を示すそれぞれ側面図および分解斜視図、第6図は
登り梁と壁パネルとの接合構造を示す斜視図である。 K1,K2,K3,K4……傾斜面、 S1,S2,S3,S4……棟部、 Y1,Y2,Y3,Y4……屋根部、P……壁パネル、 1,2,3,4……登り梁、5……小屋組み、 1a,2a,3a,4a……上半部板状体、 1b,2b,3b,4b……下半部板状体、 1c,2c,3c,4c……当て板、 1d,2d,3d,4d……受け板、 6,7……受け金具、 15,16,17,18……屋根パネル。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】屋根の頂点から四方の軒部に向けてそれぞ
    れ形成された傾斜面と、それぞれの傾斜面の相会する位
    置に通された4つの棟部とを備えてなる方形屋根であっ
    て、 これら各傾斜面に、該傾斜面に沿って水平に延びる水平
    部と、該水平部の一端より棟部を挟んで隣接する傾斜面
    の傾斜方向に沿って軒部へ延びる傾斜部とを有する登り
    梁をそれぞれ配設し、 各登り梁の水平部の他端を、棟部において隣接する登り
    梁の側面に接合するとともに、その傾斜部の下端を、壁
    パネルの上端に接合したことによって、屋根の小屋組み
    を構成し、 該小屋組みの上に、各傾斜面に沿って屋根パネルを配設
    し屋根部としたことを特徴とする方形屋根。
  2. 【請求項2】前記登り梁を、傾斜面上に水平に配置され
    た上半部板状体と、隣接する傾斜面に沿って傾斜状態に
    配置された下半部板状体とを主体として構成し、該上半
    部板状体の一端と下半部板状体の一端とを、これらの側
    面に配置された当て板によって連結接合したことを特徴
    とする請求項1記載の方形屋根。
  3. 【請求項3】前記上半部板状体の他端および下半部板状
    体の下端を、それぞれ受け金具を介して、隣接する登り
    梁の側面および壁パネルの上端に接合したことを特徴と
    する請求項2記載の方形屋根。
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