JP4696094B2 - 建築構造体 - Google Patents

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本発明は、間隔を存して複数立設されたたて枠と、隣接するたて枠間に設けられた開口部と、この開口部の上側に対応して横方向に渡されたまぐさとを備えた建築構造体に関するものである。
従来、建築物(建物)の建築には枠組壁工法と称される建築方法があり、この通常枠組壁工法に使う柱材(枠材)の長さは2.4m〜2.7mとされている。この枠組壁工法では柱材が規格化されており、横断面寸法が2インチ×4インチ角の材木を多く使用していることから、柱材の標準的な呼び名を204(ツーバイフォー)と称している。他に、材木の断面寸法が2インチ×6インチ角を206(ツーバイシックス)、2インチ×8インチ角を208(ツーバイエイト)、2インチ×10インチ角を210(ツーバイテン)、2インチ×12インチ角を212(ツーバイトエレブ)などがある。尚、枠組壁工法では骨組み構造に適した硬質の柱材(材木)が採用されており、この枠組壁工法の材木は、海外から大量に供給され、且つ、建築構造体に適している、堅く強度の高い輸入材木が用いられている。
この建築構造体110(枠組壁)は、図9に示すように下枠126上に約500mm間隔で複数の柱材(以降たて枠122と称す)が立設されている。これらのたて枠122間には断熱材が設けられると共に、上端には上枠124が配置されている。この建築構造体110には、出入り口や窓、扉などが設けられる開口部128上側に横木(以降まぐさ146と称す)が設けられている。
開口部128両端のたて枠122内側には、まぐさ受け130が併設され、両まぐさ受け130の上端に渡ってはまぐさ146が架け渡される。そして、建築構造体110が複数組み合わされることにより、建築物が造られる。このように建築物には、これら下枠126、上枠124、まぐさ146、まぐさ146、まぐさ受け130などに規格化された標準の材木が大量に用いられる。尚、まぐさ146(材木)よりも断熱材の方が、断熱効果が高いのは既に周知である。
即ち、まぐさ146は、開口部128両側のたて枠122内側に併設されたまぐさ受け130の上端に架け渡されている。このまぐさ146は、一枚では上からの大きな荷重を支えるだけの強度確保できないので、通常は幅の狭い開口部128でも2枚或いは複数枚のまぐさ146が使用されている。この場合、複数枚のまぐさ146の間に所定厚さの合板を挟んで建築構造体110の厚さに揃えていた。
また、まぐさ146と上枠124との間にもたて枠122Aが立設されており、このたて枠122Aを介してまぐさ146は、まぐさより上部の荷重を支えていた。係る建築物は、この建築構造体110を複数設けることにより骨組みを構成している。尚、開口部128部分には、例えばアルミサッシュや障子などの建具が取り付けられる。
一方、たて枠にまぐさ受金物を取り付けて、連結ボルトにてまぐさを連結している住宅ユニットの開口部構造も提案されている。このまぐさは、前述した複数枚のまぐさと同等の厚さで一本のまぐさを構成して強度を確保している。該まぐさの両端部分には、各端面の中央を長手方向に切り込んだ端部スリットを形成している。そして、予めまぐさ受けに固定したまぐさ受金物に、連結ボルトにてまぐさを固定して、まぐさの撓みを向上させていた(特許文献1参照)。
特開2004−84351号公報 ここで、日本国内では戦後の荒廃から国策に沿い拡大造林の推進によって、現在森林面積の約76%という広大な面積に杉が植林されている。該森林は、雪崩、土砂崩れなどの災害を防ぐ役割や、光合成によって二酸化炭素を吸収し地球温暖化を防ぐ役割がある。また、保水力により洪水や渇水を防ぐ役割があるなど森林は重要な役割を担っている。しかし、この広大な森林面積のうち86%が間伐を要すると言われている。
上述のように構成された前者及び後者の各建築構造体には、単一の開口部或いは複数の開口部が形成され、これらの各開口部毎にまぐさと、まぐさ受けを設けていた。しかし、開口部の両側に設けたたて枠にまぐさ受けを併設し、そのまぐさ受けの上端にまぐさの両端部を架け渡していたので、まぐさの下部の開口部部分にはたて枠は設けられていない。そこで、まぐさ全体に上部から荷重が加わった場合、どうしてもまぐさの開口部部分が下方に撓んでしまうという不都合があった。
また、開口部上側に複数枚のまぐさ、或いは、複数枚のまぐさと同等の厚さで一本のまぐさを構成して、たて枠と厚さを揃えていたため、まぐさの内側には断熱材を設ける空間が無かった。このため、建築構造体の各たて枠間には断熱材が設けられるが、まぐさを設けた箇所には断熱材が設けられないので、建築物の断熱効果が悪化してしまうという問題があった。
また、杉の間伐材は植林してから20〜30年経過後に間引き伐採されたもので樹径は20〜30cmであり、間伐材の全長が長いと森林を縫うように搬出しなければならない。このため、間伐材を森林から搬出するのが困難であった。また、杉間伐材は、海外から大量に供給され、且つ、建築構造体に適している堅く強度の高い輸入材木に比較して、長手方向の圧縮強度は殆ど遜色がないが、柔らかいので建築物の土台や梁など、長手方向に直交する方向への曲げには適していなかった。係る杉間伐材は、小物の家具などにしか使用されず、余った杉間伐材は廃棄せざるを得なかった。このため、輸入材木に対して長手方向に遜色のない圧縮強度を生かした杉間伐材の有効利用が求められていた。
本発明は、係る従来技術の課題を解決するために成されたものであり、断熱効果の向上及びコストダウン及び軽量化を図った枠組壁工法による建築構造体を提供することを目的とする。
即ち、本発明の建築構造体は、間隔を存して複数立設されたたて枠と、これらたて枠の上部に取り付けられた上枠と、たて枠の下部に取り付けられた下枠と、隣接するたて枠間に渡る開口上枠及び開口下枠により構成された開口部と、該開口部の上側に対応して横方向に渡された横木としてのまぐさとを備えた枠組壁工法による建築構造体であって、まぐさは、建築構造体の一側端のたて枠から他側端のたて枠に渡って設けられ、これらたて枠それぞれに固定されていることを特徴とする。
また、請求項2の発明の建築構造体は、上記において、まぐさは、各たて枠のそれぞれに形成された切欠部に載置され、当該たて枠に固定されていることを特徴とする。
また、請求項3の発明の建築構造体は、請求項1又は請求項2において、開口部の一側及び/又は他側に位置するたて枠の一側及び/又は他側に、まぐさの荷重を受ける補強材を設けたことを特徴とする。
本発明によれば、間隔を存して複数立設されたたて枠と、これらたて枠の上部に取り付けられた上枠と、たて枠の下部に取り付けられた下枠と、隣接するたて枠間に渡る開口上枠及び開口下枠により構成された開口部と、該開口部の上側に対応して横方向に渡された横木としてのまぐさとを備えた枠組壁工法による建築構造体において、まぐさは、建築構造体の一側端のたて枠から他側端のたて枠に渡って設けられ、これらたて枠それぞれに固定されているので、例えば、請求項2の如く、まぐさは、各たて枠のそれぞれに形成された切欠部に載置され、当該それらのたて枠に固定されているので、まぐさが支える荷重を各たて枠に分散させることができる。何れか特定のまぐさで大きな荷重を支えなくても済む。従って、従来500mm間隔で配置していたたて枠を610mm間隔で配置しても大きな荷重を支えることができ、総じて建築構造体のコストを大幅に低減させることができるようになるものである。
また、各たて枠のそれぞれに形成された切欠部にまぐさを載置し、それらのたて枠にまぐさを固定することにより、まぐさが下方に撓んでしまう強度を向上させることが可能となる。これにより、まぐさは、支えた荷重で、下部に設けられた開口部下方に撓んでしまうなどといった不都合を防止することが可能となる。また、まぐさの撓み強度を向上させることができるので、例えば従来使用していたまぐさ受けが不要になると共に、従来まぐさより上部の荷重を、当該まぐさだけで支えていたが、一枚のまぐさで全体の荷重を支えることが可能となる。従って、建築構造体の軽量化を図ることができると共に、建築構造体も組み立て易くなり、総じて、建築構造体の大幅なコストダウンを図ることができるようになるものである。
特に、従来まぐさの撓み強度を確保するため、まぐさを複数枚重ねて使用していたので、まぐさを重ねた箇所には断熱材を入れられる空間が無く、建築構造体の断熱効果が悪化していた。係る本発明ではまぐさ一枚で充分な撓み強度を確保しているので、まぐさの内側に断熱材を設けることができる。これにより、建築物の断熱効果を大幅に向上させることが可能となる。
また、まぐさは建築構造体の一側端のたて枠から他側端のたて枠に渡って設けられ、これらたて枠のそれぞれに固定されているので、建築構造体に開口部を追加する場合にも、その部分のたて枠に過大な加重が特別に集中していない限り、従来のように上枠に仮支柱を設けなくても、たて枠を切り取ることができる。
これにより、窓や、入り口等を設ける場合に安全を確保しつつ、簡単に開口部を追加することができる。従って、建築構造体の増改築を容易に行うことができ、建築構造体の利便性を大幅に向上させることができる。
また、請求項3の発明によれば、請求項1又は請求項2において、開口部の一側及び/又は他側に位置するたて枠の一側及び/又は他側に、まぐさの荷重を受ける補強材を設けたので、例えば、開口部を広くした場合は、この開口部の下部に位置するまぐさの上部から大きな荷重が加わるが、この開口部の一側及び/又は他側に位置するたて枠と、これらのたて枠の一側及び/又は他側に設けた補強材とで、その大きな荷重を支えることができるようになる。これにより、大きな開口部を設けた建築構造体の安全を確実に確保することが可能となる。
特に、例えば建築構造体を用いた建築物の建築が完成した後でも、開口部両側のたて枠に容易に補強材を設けることができるので、建築構造体を用いた建築物が完成した後に開口部を広げる要望がある場合には、建築物の改築を容易に行うことができる。この場合、広くする開口部両側に位置するたて枠の一側及び/又は他側に、補強材を設ければ、上部から大きな荷重が加わったまぐさを極めて効果的に支えることが可能となる。従って、大幅に汎用性に優れた建築構造体を提供することができるようになるものである。
本発明は、断熱効果の向上及びコストダウン及び軽量化を図ることができる建築構造体を提供することを主な目的とする。断熱効果の向上及びコストダウン及び軽量化を図るという目的を、たて枠に切欠部を設け、この切欠部にまぐさを載置するだけの簡単な構造で実現した。
次に、図面に基づき本発明の実施形態を詳述する。図1は本発明の建築構造体10を備えた建築物50の斜視図、図2は本発明の建築構造体10の斜視図、図3は本発明の建築構造体10を構成するたて枠22の斜視図をそれぞれ示している。
建築構造体10は、図1に示すように建築物50に立設され、外壁や間仕切りなどに用いられるものである。建築構造体10は、図2に示すように、所定の間隔(約500mm間隔)で立設された複数のたて枠22と、このたて枠22の上部に取り付けられる上枠24と、下部に取り付けられる下枠26とから構成されている。
該建築物50に用いられる材木は、長さ約2.4m〜6.0mであるが、建築構造体10に用いられるたて枠22の多くは約2.4m〜2.7mの材木にて構成されている。この建築物50で一般的に使用される材木は、厚さ2インチ、幅4インチの204(ツーバイフォー)とされている。また、厚さ2インチ、幅6インチの206(ツーバイシックス)、厚さ2インチ、幅8インチの208(ツーバイエイト)、厚さ2インチ、幅10インチの210(ツーバイテン)、厚さ2インチ、幅12インチの212(ツーバイトエレブ)などもあり、それらも204(ツーバイフォー)同様建築構造体10に用いられるものである。
建築構造体10の所定位置(左右及び上下の間)には開口部28が設けられており、この開口部28の上側には、まぐさ46(出入り口や窓、扉などが設けられる開口部28上側の横木をまぐさと称す)が設けられている。即ち、建築物50の出入り口や窓、扉などが設けられる開口部28は、それらから大きさが決められて建築構造体10の所定位置に設けられる。この建築構造体10は、開口部28以外の殆どの部分が建築物50の壁となる。尚、まぐさ46については後で詳しく説明する。
前記たて枠22上部には、図3に示すようにまぐさ46を載置可能な切欠部23が設けられている。切欠部23は、たて枠22の長手方向上端部から下端部方向に、まぐさ46の幅寸法(例えば10インチ)切り欠かれると共に、たて枠22の幅方向に、まぐさ46の厚さ寸法距離(実際には2インチ)切り欠かれている。即ち、切欠部23にまぐさ46が載置された状態で、たて枠22の上端部の面、及び、切欠部23側の面が面一となる寸法で、たて枠22の切欠部23が切り欠かれている。尚、切欠部23(まぐさ46)は、建築物50の外側(建築構造体10の外側)に位置して設けられる。
該まぐさ46は、建築構造体10の一側端から他側端に渡って設けられている。詳しくは、まぐさ46は図4に示すように、複数のたて枠22が所定の間隔で立設された建築構造体10の一側端(図中左側)のたて枠22から、他側端(図中右側)のたて枠22に渡って設けられる、所謂通しまぐさである。まぐさ46は、図中矢印で示すように各たて枠22に設けられたそれぞれの切欠部23に載置された状態で、各切欠部23に釘などの固定部材で固定される(図中点線)。
各たて枠22の上端部分(図中上側)には上枠24(図2に図示)、下端部分(図中下側)には下枠26が、建築構造体10の一側端のたて枠22から、他側端のたて枠22に渡って、釘などの固定部材にて固定される。そして、たて枠22と、たて枠22との間に開口部28(例えば、2本のたて枠22を取り除いた空間部分)が形成され、その開口部28内にはアルミサッシュや障子などの建具が取り付けられる。尚、開口部28は、隣接するたて枠22空間、或いは、所定本数のたて枠22を除いた空間部分であっても差し支えない。
この開口部28の上側には、当該開口部28両端のたて枠22間に渡って、上枠24同様の開口上枠24Aが設けられており、開口部28の下側には、当該開口部28両端のたて枠22間に渡って、下枠26同様の開口下枠26Aが設けられている。また、開口部28下側の開口下枠26Aと下枠26との間にはたて枠22同様に構成されると共に、たて枠22よりも長さが短いたて枠22Bが設けられている。
また、開口部28上側の開口上枠24Aと、上枠24との間にはたて枠22同様に構成されると共に、たて枠22よりも長さが短いたて枠22Aが設けられている(図4に図示)。このたて枠22Aは、開口上枠24Aと上枠24に、たて枠22Bは開口下枠26Aと下枠26にそれぞれ固定部材にて固定され、建築構造体10が組み立てられる。尚、たて枠22Bは、開口下枠26Aの両端下部にも設けられている。
一方、図5には参考例の建築構造体10を示している。該建築構造体10は、前述の実施の形態と略同じ構成を有している。以下、異なる部分について説明する。尚、前述の実施の形態と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、説明を省略する。また、建築構造体10は、図5に示すように、所定位置に開口部28が設けられている。
開口部28の上側には、前記まぐさ46よりも長さが短いまぐさ46が設けられており、このまぐさ46は、少なくとも開口部28一側(図中左側)と他側(図中右側)に所定寸法延在している。詳しくは、開口部28一側に延在するまぐさ46は、開口部28の一側に位置するたて枠22と、そのたて枠22に対して開口部28と離間する側に隣接するたて枠22まで延在している。
また、開口部28の他側に延在するまぐさ46は、開口部28の他側に位置するたて枠22と、そのたて枠22に対して開口部28と離間する側に隣接するたて枠22まで延在している。該まぐさ46は、少なくとも開口部28両側に位置するたて枠22よりも、両外側のたて枠22まで延在している。即ち、まぐさ46は、少なくとも開口部28一側のたて枠22外側に設けられたたて枠22から、開口部28他側のたて枠22外側に設けられたたて枠22間に渡って設けられている。
詳しくは、まぐさ46は、少なくとも開口部28の一側に位置するたて枠22の外側(開口部28に対して一側方向外側)に位置するたて枠22から、開口部28の他側に位置するたて枠22の外側(開口部28に対して他側方向外側)に位置するたて枠22まで延在している。係るまぐさ46は、図中矢印で示すようにそれらのたて枠22に設けられたそれぞれの切欠部23に載置された状態で、各切欠部23に釘などの固定部材で固定される(図中点線)。尚、この場合、まぐさ46より外側(建築構造体10の両端方向)のたて枠22には切欠部23を設けず、まぐさ46を載置する箇所だけに切欠部23を設けている。
この場合、まぐさ46の下側(この場合開口部28部分)にはたて枠22を取り除いた状態で開口部28を形成しているので、まぐさ46全体に上部から荷重が加わった場合、開口部28部分のまぐさ46には下方に撓む方向に重力が加わる。即ち、まぐさ46に上から重力が加わると、開口部28部分に位置するまぐさ46は、たて枠22の切欠部23を支点にして下方に弓なりに反る応力が働き、支点の外側となる開口部28外側に延在するまぐさ46は上方に反り上がる応力が働くことになる。しかし、まぐさ46には、全体に上からの重力が加わっているので、両支点の外側に延在するまぐさ46は上から加わる重力により上方に反り上がることができない。
この場合、両支点の外側に延在するまぐさ46は、上よりの重力で押さえつけられているので、支点の内側には反力が加わることになる。即ち、両支点の外側に延在するまぐさ46が上よりの重力で押さえつけられることによる反力で、支点内側のまぐさ46には上方に反り上がる応力が作用する。これにより、支点より内側に位置するまぐさ46が、上から加わる重力で下方に弓なりに下方に反ってしまうのを防止することができる。
即ち、開口部28部分に位置するまぐさ46が下方に撓んでしまうのを防止することができるので、従来複数枚使用していたまぐさ46を一枚のまぐさ46で構成することが可能となる。そして、まぐさ46は、建築構造体10の外側に位置して設けられるので、建築構造体10の内側(建築物50の室内側)には、まぐさ46一枚、或いは、複数枚分の断熱材を設けることができる。これにより、まぐさ46部分の断熱効果を向上させることができるので、建築物50の断熱効果を大幅に向上させることが可能となる。
ここで、建築構造体10の組み立て方法を図6、図7を用いて説明する。尚、建築物50を建築する場所には、予め基礎12、土台14、根太16が設けられると共に、根太16の上には所定の厚さ、所定の大きさの、複数枚の合板18が略水平に配設されているものとする。また、たて枠22には予め、まぐさ46を載置するための切欠部23が設けられると共に、切欠部23は、たて枠22の長手方向端部より所定寸法離間した位置に設けられているものとする。
建築構造体10の組み立ては、建築物50を建築する現地組み立ての場合について説明する。建築構造体10の組み立ては、建築構造体10を使用する位置で、水平状態で組み立て、それを垂直に立てる。これにより、組み立てた建築構造体10の移動を最小限に抑え、作業効率を向上している。
まず、所定位置に下枠26が配置され、たて枠22の長手方向一側端部がこの下枠26に当接するように配置される。これを、下枠26の長手方向どちらか一側から他側まで所定の間隔(例えば、約455mm間隔)で配置される。次に、上枠24を、たて枠22の長手方向他側の端部より所定の寸法(例えば、約100mm)離間して配置される。このとき、たて枠22に設けた切欠部23を、上側(合板18の離間側)に位置させる。また、下枠26と上枠24とを平行に配置し、たて枠22は下枠26及び上枠24と直角になるように配置される。尚、開口部28を設ける箇所は、予めたて枠22は配置せずに開けておく。
次に、開口部28の下側(下枠26側)となる位置に開口下枠26Aを配置し、開口下枠26Aと下枠26との間にたて枠22Bを配置して、釘などの固定部材にて開口下枠26A側から開口下枠26Aとたて枠22Bとが固定される。このとき、たて枠22Bとたて枠22間は、各たて枠22間と同間隔で配置されまた、たて枠22Bを複数枚使用する場合、同様に開口下枠26Aと下枠26との間にたて枠22Bが配置され、釘などの固定部材にて下枠26とたて枠22Bとが固定される。尚、図7では、たて枠22Bを一枚のみ図示している。
次に、各たて枠22の切欠部23にまぐさ46が載置(係合)される。そして、まぐさ46の開口部28側に開口上枠24Aが配置され、釘などの固定部材にて開口上枠24A側から開口上枠24Aがまぐさ46に固定されて、開口上枠24Aと開口下枠26Aとの間に開口部28が形成される。次に、各たて枠22、22Aと上枠24が当接され、釘などの固定部材にて上枠24側から各たて枠22、22Aと上枠24とが固定される。
次に、まぐさ46が釘などの固定部材にてまぐさ46側から各たて枠22の切欠部23に固定される。更に、下枠26が釘などの固定部材にて下枠26側から各たて枠22、22Bに固定される。そして、たて枠22(たて枠22A、22Bを含む)に、まぐさ46や上枠24及び下枠26などが固定されたら、たて枠22の長手方向と、下枠26(上枠24)の長手方向の角度を直角に合わせ、建築構造体10が完成する。係る、たて枠22の長手方向と、下枠26(上枠24)の長手方向の角度を直角に合わせる技術については、従来より周知の技術であるため詳細な説明を省略する。
建築構造体10が完成したら、その上に図示しない合板(両面材)が載置され、この合板は、たて枠22(たて枠22A、22Bを含む)やまぐさ46、及び上枠24や下枠26などに釘などの固定部材にて固定される。合板が固定された建築構造体10は、予め根太16の上に配設された合板18上の設置位置に立設される。このとき、建築構造体10は、下枠26を合板18に当接させ、上枠24を合板18より離間させた状態で立設される。
次に、建築構造体10の設置位置を確認した後、下枠26が合板18下に設けられた土台14や根太16に、釘或いはアンカーボルトなどの固定部材にて固定される。固定された建築構造体10は仮筋かいによって倒れないように固定される。次に、建築物50の使用用途によって、所定箇所に出入り口や窓、扉などが設けられた建築構造体10が作られ、合板18上の設置位置に立設されて固定される。
そして、建築物50の必要箇所全てに建築構造体10が立設されたら、入り口や窓にアルミサッシュが取り付けられた後、開口部28を除く、各たて枠22間に断熱材(図示せず)が入れられる。勿論、まぐさ46の内側(室内側)にも断熱材が入れられる。開口部28の内側には窓周りを囲む枠仕上材が設けられる。以降の建築物50の建築については周知の技術であるため説明を省略する。尚、建築構造体10に設けたまぐさ46は、完成した建築物50の外面側(室内側ではない外気側)位置して取り付けられている。
ところで、このような枠組壁工法で建てられた建築物50の壁面(建築構造体10)に窓等を追加する改築が行われる場合がある。即ち、図4に示すように、建築物50(建築構造体10)に、開口部28Aを設けて窓を作ろうとすると、たて枠22を切断してたて枠22Cを取り除かなくてはならない。しかし、従来は、切断するたて枠22の上に大きな加重が加わっている箇所では、切断したたて枠22A上のたて枠22Dが落下してしまい、建築物50(建築構造体10)に歪みが発生してしまう。
そのため、従来では切断するたて枠122A上部の上枠124を仮支柱で固定しておいてから、たて枠122を切断して開口部128を設けていた(図9)。このとき、切断するたて枠122上に予めどの位の加重が加わっているか調べておき、固定する仮支柱もその加重に対応する強度のものを使用していた。即ち、従来では切断するたて枠122上にどの位の加重が加わっているか予め調べておかないと、たて枠122一本を切り取って小さな窓を設けることもできなかった。
係る本発明のように、建築構造体10の一側端のたて枠22から、他側端(図中右側)のたて枠22間に渡って通しまぐさ46を設けることにより、建築物50(建築構造体10)に、開口部28Aを設けて窓を作る場合でも、その部分のたて枠22に過大な加重が特別に集中していない限り、従来のように上枠24に仮支柱を設けなくても、たて枠22を切り取ることができる。これにより、窓や、入り口等を設ける場合に安全を確保しつつ、簡単に開口部28を設けることができる。従って、建築物50(建築構造体10)の増改築を容易に行うことができ、建築構造体10の利便性を大幅に向上させることができる。
このように、まぐさ46は、少なくとも開口部28の一側に位置するたて枠22の外側に位置するたて枠22から、開口部28の他側に位置するたて枠22の外側に位置するたて枠22まで渡って設けられ、これらたて枠22にそれぞれに固定されている。そして、まぐさ46は、各たて枠22のそれぞれに形成された切欠部23に載置され、当該それらのたて枠22に固定されているので、まぐさ46が支える荷重を各たて枠22に分散させることができる。これにより、何れか特定のまぐさ46で大きな荷重を支えなくても済む。また、何れか特定のまぐさ46で大きな荷重を支えなくても済むので、従来500mm間隔で配置していたたて枠22を、610mm間隔で配置することができ、総じて建築構造体のコストを大幅に低減させることができる。
また、各たて枠22のそれぞれに形成された切欠部23にまぐさ46を載置し、それらのたて枠22にまぐさ46を固定することにより、まぐさ46が下方に撓んでしまう強度を向上させることが可能となる。これにより、まぐさ46、支えた荷重で、下部に設けられた開口部28下方に撓んでしまうなどといった不都合を防止することが可能となる。また、まぐさ46の撓み強度を向上させることができるので、例えば従来使用していたまぐさ受けが不要になると共に、従来はまぐさより上部の荷重を複数枚のまぐさで支えていたが、一枚のまぐさ46でその荷重を支えることが可能となる。これにより、建築構造体10の軽量化を図ることができると共に、建築構造体10も組み立て易くなり、総じて、建築構造体10の大幅なコストダウンを図ることができる。
特に、従来まぐさ46の撓み強度を確保するため、まぐさ46を複数枚重ねて使用していたので、まぐさ46を重ねた箇所には断熱材を入れるだけの空間が無かった。このため、建築構造体10の断熱効果が悪化していた。係る本発明ではまぐさ46一枚で充分な撓み強度を確保しているので、まぐさ46の内側に断熱材を設けることができる。これにより、建築物50の断熱効果を大幅に向上させることが可能となる。
また、各たて枠22に設けた切欠部23にまぐさ46を載置し、このまぐさ46を建築構造体10の一側から他側間に渡って延在させているので、まぐさ46で大きな荷重を支えることが可能となる。これにより、建築構造体10の各たて枠22の間隔を通常約500mmとしていたのを約610mmまで広げることができる。従って、建築構造体10のまぐさ46の本数を減らすことができ、建築構造体10(建築物50)のコストを大幅に低減させることができるようになる。
一方、従来まぐさ146全体に上部から加わっている荷重を、まぐさ146両端部に設けたまぐさ受け130で支えていた(図9に図示)。詳しくは、まぐさ146は両端部に設けた一対のたて枠122で支えていたので、まぐさ146に加わっている荷重の約半分が一側のまぐさ受け130に加わり、残りの約半分の荷重が他側のまぐさ受け130に加わっていた。即ち、まぐさ146に加わっている荷重を、両端部の一対のまぐさ受け130にて2分割した状態で支えていた。
しかし、本発明では少なくとも開口部28一側のたて枠22外側に設けられたたて枠22から、開口部28他側のたて枠22外側に設けられたたて枠22間に渡ってまぐさ46を設けているので、当該まぐさ46全体に上部から加わる荷重は、まぐさ46を支える複数のたて枠22で分散して支えている。詳しくは、少なくとも開口部28一側のたて枠22より更に外側のたて枠22、及び、開口部28他側のたて枠22より更に外側のたて枠22でまぐさ46を支えている。更に詳しくは、まぐさ46に上部から加わった荷重は、少なくとも開口部28一側に設けた2本のたて枠22と、開口部28他側に設けた2本のたて枠22とで支えている。
即ち、まぐさ46に加わった上部からの荷重は、まぐさ46を支えている各たて枠22で分散して支えている。言い換えると、上部からまぐさ46に加わった荷重を、開口部28両側のたて枠22とその外側のたて枠22とで分散して支えている。これにより、従来のように、上部からまぐさ146に加わった荷重を、開口部128両端のまぐさ受け130で支える場合に対して、開口部28両側に設けたたて枠22に加わる荷重を軽減させることができる。従って、まぐさ46(通しまぐさ)を使用することで、従来よりも幅広の開口部28を設けることもでき、建築構造体10の利便性を大幅に向上させることができる。尚、まぐさ46(通しまぐさ)を支えるたて枠22を4本の場合で説明したが、4本より多い本数のたて枠22でまぐさ46(通しまぐさ)を支えれば、開口部28両側のたて枠22が支える荷重を更に軽減させることができる。
ここで、杉は50〜100年以上の老木に近いものは木質が堅く引張や曲げに強い性質を利用される部材に採用されていた。また、国内の材木(杉及び杉以外の材木)は急傾斜面の山林から産出されるものが多く、輸入材木に比較して高価になってしまうため殆ど採用されていなかった。
一方、前記建築物50に、大量の材木が使用されているのは、既に周知である。係る建築物50は大量の輸入材木を使用しているので高コストとなってしまうが、本発明では建築物50、特に建築構造体10のコストを低減させるため、杉間伐材の利用を図っている。ここで、20〜30年経過後の生育過程で間引き伐採された杉間伐材は、成熟した杉よりも年輪と年輪との間隔が大きいので、長手方向の圧縮強度にバラツキが大きく、安定した強度が得られ難い。このため、平屋よりも安全が要求される2階建ての建物には採用され難かった。
しかし、建築構造体10に使用しているたて枠22は、長手方向(縦方向)のみ重力を受けるが、横方向からの応力は殆ど受けることがない。該杉間伐材と、建築構造体10に使われている一般的な材木とを比べると、長手方向の圧縮力は建築構造体10に使われている一般的な材木と殆ど遜色は無かった。即ち、杉の欠点(長手方向に直交する方向への圧縮、引張、曲げなど弱い点)を避けて、長手方向だけに応力(重力)が加わるように使用することにより、輸入材木同等の強度を得られることができる。
この杉間伐材は、樹径が20〜30cmであるため、3.0mを超える長い材木を大量に生産することができない。係る建築構造体10に用いられているたて枠22は、一般的に長さ約2.4m〜2.7mのものが使用されている。そこで、本発明では杉間伐材が長手方向の圧縮力に強いという特長を生かして、建築構造体10のたて枠22に使用している。
即ち、従来建築構造体10のたて枠22に使用していた輸入材木の代わりに、杉間伐材を建築構造体10のたて枠22に利用することにより、建築物50(建築構造体10)のコストを大幅に低減させることができる。また、植林してから20〜30年経過した樹径20〜30cmと比較的直径(樹径)が細い間伐材でも充分活用することができる。
このように、従来使用されずに廃棄されていた大量の間伐材を有効利用することが可能となる。また、間伐材によりたて枠22を構成しているので建築構造体10のコストを更に低減させることが可能となる。
一方、開口部28を備えた建築構造体10を用いた建築物50の建築が完成した後、一度設けた開口部28を更に広げたいという要望がある場合、通常(従来)は建築構造体を壊して広げていたが、本発明では次に示すような方法で建築構造体10を改築してより大きな開口部28を設けることができる。また、前記実施例では、基本的にまぐさ46を支えるための補強材48を設けていないが、開口部28が広くなってどうしてもたて枠22が荷重に対して強度が足りない場合、次のように補強材48を設ければよい。尚、大きな開口部28とは、図2の状態の建築構造体10に設けた開口部28を、更に広くする場合である。
即ち、建築物50の建築が完成した後、大きな開口部28を建築構造体10に設ける場合、建築物50の室内側に設けられた内装材及びパネル等を外し、開口部28両側に設けたたて枠22の外側に位置するたて枠22の開口部28側に補強材48を設ける。該補強材48、まぐさ46を下部から支えられる形状、例えば、開口部28両側に設けたたて枠22同等形状、或いは、切欠部23から上枠24側が切断されて端部が平面形状のものにて構成されている。
詳しくは、図2に示すような建築構造体10の開口部28両側に設けたたて枠22の外側に隣接するたて枠22の、開口部28側の面に補強材48を併設、或いは、そのたて枠22の開口部28と反対側の面(開口部28と離間側の面)に補強材48が併設追加される。これにより、開口部28両側に設けたたて枠22の外側に隣接するたて枠22は、併設した補強材48により大きな荷重を支えることができる。
次に、開口部28両側に設けたたて枠22を開口部28の高さに合わせて切り取る。この場合、たて枠22は、開口部28下のたて枠22Bの長さに合わせて切断される。そして、各たて枠22Bの上に開口下枠26Aが釘などの固定部材にて固定され、開口部28の上側には、開口部28に合わせた開口上枠24Aが釘などの固定部材にて固定される。これにより、建築構造体10が改築され、開口部28を広くすることができる(図8)。
そして、開口部28を広くした後は、室内側からパネル及び内装材等が施工される。図8中のたて枠22(図中点線)は、建築物50を改築する以前の開口部28が狭いときのたて枠22であり、このたて枠22を取り除いた分、開口部28が広くなる。尚、追加する補強材48は、まぐさ46が上部から受ける荷重により、たて枠22の開口部28側の面、たて枠22の開口部28と反対側の面のどちらか一方、或いは、たて枠22の両面に併設される。
また、まぐさ46が上部から受ける荷重が大きい場合には、建築物50の室内側にもう一枚まぐさ46(通しまぐさ)を設けることもできる。この場合、各たて枠22上部の室内側に切欠部23を設けた後、その切欠部23にまぐさ46が取り付けられる。これにより、両まぐさ46で上部からの大きな荷重を支えることが可能となり、この荷重は補強材48が併設されたたて枠22で支えることができる。これにより、まぐさ46や、まぐさ46を受けるたて枠22が大きな荷重により変形してしまうなどという不具合を未然に防止することができる。
即ち、完成した建築物50の開口部28を更に広い開口部28にしたい場合は、開口部28両側のたて枠22に補強材48を設ければ、極めて容易に開口部28を広げることができる。そして、開口部28が広くなり、開口部28両側のたて枠22の強度が確保できなくなる場合には極めて効果的である。これにより、たて枠22が大きな荷重に耐えられずに、破損してしまうなどと言った不都合を未然に防止することができる。また、建築物50の建築が完成した後でも、内装材及びパネルなどを外すだけで、開口部28両側に位置するたて枠22の一側、若しくは、両側に補強材48を併設することができるので、極めて容易に開口部28を広くするなどの改築を行うことができる。
このように、開口部28の一側及び/又は他側に位置するたて枠22の一側及び/又は他側に、まぐさ46の荷重を受ける補強材48を設けたので、開口部28を広くした場合は、この開口部28の下部に位置するまぐさ46の上部から大きな荷重が加わるが、この開口部28の一側及び/又は他側に位置するたて枠22と、これらのたて枠22の一側及び/又は他側に設けた補強材48とで、その大きな荷重を支えることができるようになる。これにより、大きな開口部28を設けた建築構造体10の安全を確実に確保することが可能となる。
特に、建築物50の建築が完成した後でも、開口部28両側のたて枠22に容易に補強材48を設けられるので、建築構造体10を用いた建築物50が完成した後に開口部28を広げる要望がある場合には、建築物50の改築を容易に行うことができる。この場合、広くする開口部28両側に位置するたて枠22の一側及び/又は他側に、補強材48を設ければ、上部から大きな荷重が加わったまぐさ46を極めて効果的に支えることが可能となる。従って、大幅に汎用性に優れた建築構造体10を提供することができるようになるものである。
尚、実施例では、建築構造体10を、建築物50を建築する現地組み立てで説明したが、建築構造体10を予め工場で組み立てて、建築現場に移送する場合についても本発明は有効である。
また、たて枠22を杉間伐材で説明したが、間伐材は杉に限られるものでなく、建築物50のコストを低減させることができれば、他の間伐材や、比較的強度の弱い材木であっても本発明は有効である。
また、まぐさ46を材木で構成したが、まぐさ46は材木に限らず、厚さ約0.5mm〜0.7mmの鉄板を角C型に折曲してまぐさ46同等の形状にした、所謂鉄板まぐさであっても差し支えない。この場合、鉄板まぐさは、建築構造体10の一側から他側に渡って設けると共に、各たて枠22に設けた切欠部23に鉄板まぐさを載置し、固定すれば、大きな荷重を支えることが可能となる。これにより、建築構造体10の各たて枠22の間隔を通常約500mmとしていたのを約610mmまで広げることができ、前述同様の効果を得ることが可能となる。
また、建築構造体10に設けたまぐさ46を、完成した建築物50の外面側(室内側ではない外気側)に位置して一枚取り付けたが、まぐさ46を複数枚設けても差し支えない。即ち、建築物50の外面側にまぐさ46を2枚抱き合わせて設ける、或いは、外面側に1枚、内面側に1枚設けて、合計2枚設ける。この場合、たて枠22には、まぐさ46を取り付けることができる幅の切欠部23を設ける必要がある。これにより、上部からまぐさ146に加わる荷重が大きな場合でも、その荷重を二枚のまぐさ46で支えることができるので、広い開口部28を設けても、大きな荷重によりまぐさ46が変形してしまうなどという不具合を未然に防止することができる。
また、開口部28両側のたて枠22に従来使用していたまぐさ受けを設けても本発明は有効である。この場合、まぐさ受けは従来のように開口部両側に設けたたて枠22の内側に併設、又は、開口部両側に設けたたて枠22の外側に併設、若しくは、開口部両側に設けたたて枠22の両側に併設する。この場合、まぐさ46は実施例で説明した如き通しまぐさとしているので、開口部両側に設けたたて枠22の外側に併設することができる。これにより、上部から大きな荷重が加わったまぐさ46を、開口部28両側のたて枠22とまぐさ受けとの双方で支えることができる。従って、大きな荷重によりたて枠22が変形、或いは、破損してしまうなどといった不具合を未然に防止することができ、建築構造体10の利便性を更に向上させることができる。
また、実施例では建築構造体10の形状や寸法などを記載したが、建築構造体10はそれらの要旨を逸脱しない範囲内で変更しても差し支えない。勿論本発明は、上記実施例のみに限定されるものではなく、この発明の趣旨を逸脱しない範囲で他の様々な変更を行っても本発明は有効である。
本発明の建築構造体を備えた建築物の斜視図である。 本発明の建築構造体の斜視図である。 本発明の建築構造体を構成するたて枠の斜視図である。 本発明の建築構造体(まぐさを、所定の間隔で複数立設した両端のたて枠間に渡って設けた状態)の組み立て斜視図である。 参考例の建築構造体(まぐさを、少なくとも開口部の一側に位置するたて枠の外側に位置するたて枠から、開口部の他側に位置するたて枠の外側に位置するたて枠まで渡って設けた状態)の組み立て斜視図である。 本発明の建築構造体を用いる建築物の基礎上に床パネルが組み立てられた状態の斜視図である。 同図6の床パネル上で組み立てられた建築構造体の斜視図である。 開口部を広くした状態を示す建築構造体の斜視図である。 従来の建築構造体の斜視図である。
10 建築構造体
12 基礎
14 土台
16 根太
18 合板
22 たて枠
23 切欠部
24 上枠
26 下枠
28 開口部
46 まぐさ
50 建築物

Claims (3)

  1. 間隔を存して複数立設されたたて枠と、これらたて枠の上部に取り付けられた上枠と、前記たて枠の下部に取り付けられた下枠と、隣接する前記たて枠間に渡る開口上枠及び開口下枠により構成された開口部と、該開口部の上側に対応して横方向に渡された横木としてのまぐさとを備えた枠組壁工法による建築構造体であって
    前記まぐさは、建築構造体の一側端の前記たて枠から他側端の前記たて枠に渡って設けられ、これらたて枠それぞれに固定されていることを特徴とする建築構造体。
  2. 前記まぐさは、前記各たて枠のそれぞれに形成された切欠部に載置され、当該たて枠に固定されていることを特徴とする請求項1に記載の建築構造体。
  3. 前記開口部の一側及び/又は他側に位置する前記たて枠の一側及び/又は他側に、前記まぐさの荷重を受ける補強材を設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の建築構造体。
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