JP2007136999A - 構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、木質複合材料を構造材として構成され、極めて剛接合に近い接合強度を備えた構造体を提供することにある。
【解決手段】建物の骨組みを構成する構造体が、厚さ1〜11mm、長さ20〜150mmの範囲にある多数の木質材料片と、これらの木質材料片同士を結合させるための結合剤とを含む材料を、木質材料片の長さ方向の向きをほぼ同一方向に配向させた状態で積み重ね、加熱および積み重ね方向に加圧して、前記木質材料片同士を圧縮結合させて得られる複合材料を、木質材料片の配向方向を長さ方向として加工してなる構造材で構成されており、この構造材の密度が、0.65〜0.9g/cm3で、かつ、木質材料片の嵩密度に対して1.2〜3.0倍の範囲にある。
【選択図】図1

Description

本発明は、建築物の骨組みを構成する構造体に関するもので、特に、木質系の構造材で構成される構造体に関するものである。
従来、この種の構造材としては、集成材やLSL(Laminated Stand lumber)などが公知であるが、これらの原料となる木質材料片は、安定した性能を得るために材種等を限定した天然木材であり、地球規模で進行する天然木材の乱伐の一端を握っているとも言える。そこで、例えば、廃棄木材を原料とした木質材料片に結合剤を塗布するなどして担持させた結合剤付き木質材料片を、その長さ方向に向きを揃えて積層し、この積層体を加圧・加熱することによって得られるエンジニアードウッドと称される木質系複合材が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、上記の木質系複合材は、木質材料片の形状や製造条件によっては、構造材に必要な強度が得られず、構造材同士のめり込みに端を発する接合金具のパンチアウト等によって、構造体が破壊する恐れがあった。
特開2001−341110号公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、木質複合材料を構造材として構成され、極めて剛接合に近い接合強度を備えた構造体を提供することにある。
以上の課題を達成するために、請求項1記載の発明にかかる構造体は、
建物の骨組みを構成する構造体であって、厚さ1〜11mm、長さ20〜150mmの範囲にある多数の木質材料片と、これらの木質材料片同士を結合させるための結合剤とを含む材料を、木質材料片の長さ方向の向きをほぼ同一方向に配向させた状態で積み重ね、加熱および積み重ね方向に加圧して、前記木質材料片同士を圧縮結合させて得られる複合材料を、木質材料片の配向方向を長さ方向として加工してなる構造材で構成されており、
この構造材の密度が、0.65〜0.9g/cm3 で、かつ、木質材料片の嵩密度に対して1.2〜3.0倍の範囲にあることを特徴とするものである。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、軸組工法によって形成されていることを特徴とするものである。
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、枠組壁工法によって形成されていることを特徴とするものである。
本発明で用いられる木質材料は、樹種としては、主に、スギ、ヒノキ、マツ、スプルース、ファー、パイン等の針葉樹や、ラワン、アピトン、ポプラ、アスペン、カバ、カメレレ等の広葉樹が挙げられる。
木質材料片の原材料としては、天然木であっても廃棄木材であっても構わない。廃棄木材としては、特に限定されないが、例えば、上記樹種の丸太、間伐材等の生材料、工場や住宅建築現場で発生する端材、部材輸送後に廃棄される廃パレット材、建築解体時に発生する解体木材等が挙げられる。
本発明に用いられる木質材料片としては、厚さ1〜11mm、長さ20〜150mmの範囲のものを使用する。
木質材料片の厚さが1mm未満のものを用いると、構成材料片が小さくなりすぎ、多くの結合材が必要となり、強度を発現しにくいし、木質材料片の厚さが11mmを超えると、構造材の厚さ方向への木質材料片の積層数が少なくなってしまい、応力伝達が十分に行えず、木質片の継ぎ目に応力集中を起こしやすく、所望の強度を得ることができないからである。
木質材料片の長さが20mm未満のものを用いると、構造材の軸方向の強度が不十分となってしまうし、150mmを超えるものを用いると、木質材料片を積層した時に、木質材料片同士の隙間が多くなり、十分な圧密化ができないからである。なお、木質材料片の長さは、完全にきっちり分離できる物ではないため、重量比で70%以上であり、好ましくは80%以上が上記長さの木質材料片を含有していれば、十分効果が発揮される。
また、木質材料片の長さと厚さの比は、特に限定されないが、長さが厚さの10倍以上となることが好ましい。言い換えれば、厚さが1mm〜11mmであることが好ましい。長さが厚さの10倍未満であると、建具芯材の長さ方向および厚さ方向の強度が不十分となる恐れがあるからである。
なお、木質材料片の密度は、0.3〜0.6g/cm3の範囲であることが好ましい。木質材料片の密度が0.3g/cm3未満のものの場合、木質が腐朽していることが多く、十分な強度が得られないからである。また、成形時の圧密処理を十分に行うことができず、所望する強度が得られないからである。一方、木質材料片の密度が0.6g/cm3をこえるものは、木質材料片が固く、所望する強度を発現する成形が難しいからである。
上記のような木質材料片を得る方法としては、上記原材料を破砕し、破砕片を振るい分ける方法が挙げられる。なお、破砕方法は、上記の大きさに破砕されていれば特に限定されない。例えば、ハンマーミル破砕機や小片製造機(ナイフフレーカーなど)が挙げられるが、ハンマーミル破砕機が好ましい。ハンマーミル破砕機により作製された木質材料片は、長さ20mm〜150mmの紡錘状になり、強度がでやすいからである。
また、本発明で用いられる結合剤としては、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、イソシアネート樹脂、酢酸ビニル系樹脂等熱硬化型樹脂や、熱可塑型樹脂のような合板やパーティクルボードに用いられる木材工業用の接着剤が挙げられる。
また、天然物成分もしくは天然物から精製、抽出、変性等によって得られる接着剤でもよく、具体的には、ゼラチン、カゼイングルー、大豆グルー、にかわ、アルブミン等のタンパク質系接着剤、でんぷん、デキストリン、米糊、グルコマンナンなどのデンプン系接着剤、キチン・キトサンなどの動物系接着剤、セルロース系接着剤、リグニン系接着剤、タンニン系接着剤などが挙げられる。特に、タンニン系接着剤は、天然木材からの抽出成分であるので木質材料片との親和性が良く、また、適度の粘着性を有し、更に、硬化すると高強度になるので好ましい。タンニン系接着剤はタンニン単独で使用して加熱等によって硬化させて使用しても良いが、耐久性が要求される用度においては、アルデヒド系化合物やイソシアネート系化合物、エポキシなどの架橋剤を併用することが好ましい。タンニン系接着剤を抽出する樹種は特に限定されないが、ラジアータパインやブラックワトル、ミモザ、ケブラチョ、チェスナッツから採取されるものが好ましい。木材から抽出したタンニンが固体の場合には、必要に応じて水や有機溶媒に溶解又は分散させて使用することができる。
なお、これらの接着剤は、単独又は複数を併用しても良い。また、結合剤は、液状でも粉末状でも構わないが、木質材料片に噴霧したり、混合した状態で付着される。
木質材料片がほぼ一方向を向くように配向された状態で積む方法としては、例えば、ベルトコンベアの上に、搬送方向に沿って複数の板状体を並列に立設させて、板状体の上から木質材料片を投下して配向させる方法や、幅方向に樋状体を並べて、凹凸溝形状として、木質材料片が溝の内を流れることで並べる方法や、ディスクオリエンター等の公知の配向手段をフォーミング型の上方に配置し、この配向手段により配向させながら投入する方法を用いることが可能である。
プレス機としては、特に限定されないが、例えば、既存の木質材料成形用のデイライトプレス機や連続プレス機を垂直方向動作にしたものを用いることができる。
加熱方法としては、特に限定されないが、例えば、熱盤のように木質材料片の表面から伝達により内部に熱を伝える方法や、蒸気噴射や高周波加熱等のように内部を直接加熱する方法が挙げられる。加熱と加圧とは、同時に行ってもよいし、加圧をした後に加熱をしてもよいし、加熱した後に加圧してもよい。
さらに、プレス成形後、得られる角材の寸法精度や表面性を向上させるために、切削、サンディング加工を行うことが好ましい。
また、上記木質材料片からなる構造材は、密度が0.65〜0.9g/cm3で、かつ、木質材料片の嵩密度に対して、1.2〜3.0倍の範囲にあることが必要である。密度が0.65g/cm3未満では、木質材料片同士の十分な結合が得られず、強度を必要とする部材として用いる場合、十分な強度を得ることができない恐れがあるからである。また、密度が0.9g/cm3 を超えると、接合金具を取り付ける際の釘の打ちやすさ等の施工性が格段に低下するからである。さらに、木質材料片の嵩密度に対して、1.2倍未満のものは、木質材料片同士の十分な接合が得られず、3.0倍を超えるものは、接合金具を取り付ける際の釘の打ちやすさ等の施工性が格段に低下するからである。
なお、空隙率は、10%以下となることが好ましい。すなわち、空隙率が10%を超えると、木質材料片同士の結合が不十分となり、十分な強度を発現しなくなる恐れがあるからである。
本発明にかかる構造体は、
構造材を構成する木質材料片同士の隙間やボイドが効果的になくなっている上、木質材料片自身も圧縮されているため、構造体を構成する構造材が高強度化され、構造材同士の接合部におけるめり込みが生じにくく、極めて剛接合に近い接合がなされているので、従来に比べて飛躍的に優れた強度性能が得られる。
また、木質材料片自身が圧縮されることによって、材種による強度への影響を抑制でき、廃棄木材などを木質材料片の原料とすることが可能となる。
以下、本発明にかかる一実施形態について、図面に基づいて説明する。
本実施形態の構造材1は、図2に示すように、密度0.3〜0.6g/cm3,厚さ1〜11mm、長さ20〜150mmの範囲にある多数の木質材料片2と、これらの木質材料片同士を結合させるための結合剤とを含む材料を、木質材料片2の長さ方向の向きをほぼ同一方向に配向させた状態で積み重ね、加熱および積み重ね方向に加圧して、前記木質材料片同士を圧縮結合させて得られる複合材料を木質材料片の配向方向と圧縮方向とに垂直な方向を厚さ方向となるように成形加工することにより得られるものである。
この構造材1は、密度が0.65〜0.9g/cm3で、かつ、木質材料片の嵩密度に対して1.2〜3.0倍の範囲にあり、空隙率は10%以下となっている。
図1において、X方向は、木質材料片2の配向方向と略同一方向で、構造材1の長さ方向となっている。木質材料片2は、その繊維方向αを配向方向として配向されており、繊維方向αは、芯材3の長さ方向と略同一方向となっている。また、Z方向は、積み重ねられた木質材料片2の圧縮方向であり、積み重ねられた木質材料片2は、Z方向に圧縮されて、X方向とZ方向との両方に垂直なY方向に扁平となるように押し潰されている。
次に、この構造材1を使用した構造体3を示す。この構造体3は、X方向を長さ方向とする構造材1を枠組壁工法によって形成したものである。
具体的には、構造体3は、図2に示すように、床面に水平に配置される土台4と、土台4の水平方向両端部から上方に向けて立設される通し柱5,5と、通し柱5,5の間に配置される壁パネル6とから構成されている。
壁パネル6は、上階壁パネル7と下階壁パネル8とからなる。上階壁パネル7は、下枠71と、下枠71に平行な上枠72と、上下枠71,72を支持する支柱73,73と、支柱73,73間に配置される間柱74,74とから構成されている。下階壁パネル8も同様の構成であり、下枠81と、下枠81に平行な上枠82と、上下枠81,82を支持する支柱83,83と、支柱83,83間に配置される間柱84,84とから構成されている。そして、通し柱5,5には、各パネル7,8を受け止める受け金具9,10が取り付けられており、下階壁パネル8の上枠82を受け金具9に受けさせ、上階壁パネル7の上枠72を受け金具10に受けさせることにより、下階壁パネル8の上に上階壁パネル7を連設させるようにしている。
以上詳細に説明した通り、本実施形態の構造体3によれば、構造材1を構成する木質材料片2同士の隙間やボイドが効果的になくなっている上、木質材料片2自身が圧縮されているため、構造体3を構成する構造材1が高強度化されている。その結果、この構造材1同士を結合してなる構造体3は、木質材料同士のめり込みが生じにくく、極めて剛接合に近い接合部を備えたものとなり、従来に比べて飛躍的に優れた強度性能が得られる。また、木質材料片自身が圧縮されることによって、材種による強度への影響を抑制でき、廃棄木材などを木質材料片の原料とすることが可能となる。
(実施例)実施例にかかる構造材は、以下の方法によって得た。すなわち、まず、木質系廃棄物の一種である住宅解体材をハンマーミル破砕機で破砕してなる密度0.3〜0.5g/cm3の破砕チップを、11mm以下のスクリーンタイプのふるいにかけた後、1mm以上のスクリーンタイプのふるいにかけ、厚さ1〜11mmの木質材料片をより分けた。次に、得られた木質材料片に結合剤としてMDI樹脂をスプレー塗布した。そして、結合剤を塗布した木質材料片の長さ方向の向きを揃えて、長さ1000mm、幅120mm、厚さ450mmのガイド内に積層し、180℃の蒸気を発生するプレス機で加熱・圧縮した。加熱・加圧後、取り出した構造材の寸法は、長さ1000mm、幅120mm、厚さ120mmmであり、密度0.75g/cm3であった。
次に、上記実施例の構造材を用いて形成された構造体の強度試験を行った。試験方法及び評価方法は、平成14年度木造軸組工法住宅の許容応力度設計(監修 国土交通省住宅局建築指導課 国土交通省住宅局木造住宅振興室 企画編集 財団法人 日本住宅木材技術センター)の2章「木造軸組工法建築物の各部要素の試験方法と評価方法」の3.3「梁端仕口のせん断試験」に準拠して行った。
(試験体)
試験体R(R1,R2)の概略を図3に示す。試験体R1は、図3(a)に示すように、梁材Pと柱材Qとを在来工法で緊結したもので、試験体R2は、図3(b)に示すように、梁材Pと柱材Qとを金具工法で緊結したものである。
(実施例)
梁材P:上記実施例にかかる構造材(寸法105×240×795mm)
柱材Q:上記実施例にかかる構造材(寸法105×105×600mm)
(比較例1)
梁材P:ベイマツKD材(寸法105×105×600mm)
柱材Q:スギKD材 (寸法105×105×600mm)
(比較例2)
梁材P:集成材(ホワイトウッド8プライE120−F330)
柱材Q:集成材(ホワイトウッド8プライE120−F330)
なお、試験体数は各条件3体で、予備試験用の試験体数は各条件1体である。
(試験方法)
まず、柱材Qをストッパーで固定し、梁材Pの中央に加力ビーム400mmのH鋼でせん断
荷重を加えた。変位の測定は、柱材Qと梁材Pの相対上下方向変位について電気式変位計(定格出力5000μV/V・ひずみ10000×10−6・感度100×10-6 /mm)を用いて測定し荷重‐変位曲線を記録した。試験機は油圧式材料試験機を用い、加力には油圧ポンプ及び複動式ジャッキ(油圧20MPa)を用い、荷重の検力にはロードセル(容量200kN、出力1.0mV)を用いた。
(加力方法)
(1)予備試験用の試験体は、予備試験にて、単調加力による引張り荷重を破壊に至るま で連続的に加える。その結果より降伏変位δyを求めた。
(2)本試験用の試験体は、本試験にて、一方向繰り返し加力によるせん断荷重を加える 。繰り返しは、予備試験で得られた降伏変位1/2,1,2,4,6,8,12,16倍 の順に各1回で行った。降伏変位δyが得られない場合には、最大荷重時変位δmaxの1/10,1/5,3/10,2/5,1/2,3/5,7/10,1の順に繰り返し加力を行った。最大荷重に達した後、最大荷重の80%の荷重に低下するまで加力を行った。
(3)最大荷重は破壊荷重時の変位が30mm以下の場合には、これを最大荷重として扱い、
破壊荷重時の変位が30mmを超える場合には、変位が30mmに達するまでの荷重の最大
値を最大荷重とした。
(短期基準せん断接合耐力の算定)
短期基準せん断接合耐力は、降伏耐力Py又は最大荷重の2/3の平均値にそれぞれのばらつき係数を乗じて算出した値のうち小さい方の値とした。なお、ばらつき係数は、母集団の分布系を正規分布とみなし、統計的処理に基づく信頼水準75%の95%下側許容限界値をもとに次式により求めた。
ばらつき係数=1−CV・k
ここで、CV:変動係数、k:3.152(n=3の場合)
(試験結果)
短期基準せん断接合耐力(kN)についての試験結果を下表に示す。
(表1)に示すように、本実施例の構造体は、圧縮せん断力に対して、比較例1、比較例2に比べて非常に大きい接合耐力を有している。
具体的には、在来工法の場合、実施例は、比較例1の約1.4倍の耐力を有しており、金具工法の場合、実施例は、比較例2の約1.5倍の耐力を有している。
Figure 2007136999
(結論)
本実施例は、柱材と梁材とに廃材チップから形成された構造材を使用しているにも関わらず、従来の木質材料を用いた比較例1,比較例2を超える優れた耐力性能を備えていることが明らかとなった。したがって、本実施例を構成する構造材を従来の木質材料に代わるものとして、柱材や梁材などに使用展開することが十分可能である。
次に、上記実施例の構造材を用いて形成された構造体の強度試験を行った。試験方法及び評価方法は、財団法人日本建築センターの定める「枠組壁工法の耐力壁及びその倍率性能試験・評価業務方法書(以下、方法書と略記)」に準拠して行った。
(試験体)
試験体Jの概略を図4に示した。仕様は以下の通りである。
(実施例)
・壁長2P(1820mm)、高さ2460mmの枠組壁工法壁体
・枠材K:寸法形式204材(断面寸法38mm×89mm)の上記実施例にかかる構造材
・面材L:12mm厚針葉樹合板(特類2級)
・接合具:CN50(釘ピッチ:90mm以下)
(比較例)
・壁長2P(1820mm)、高さ2460mmの枠組壁工法壁体
・枠材K:寸法形式204材(断面寸法38mm×89mm)のSPF(甲種2級)
・面材L:12mm厚針葉樹合板(特類2級)
・接合具:CN50(釘ピッチ:90mm以下)
加力用材としては、土台がヒノキ(断面寸法89mm×89mm)、桁がベイマツ(89mm×140
mm)を使用し、加力用材と枠組材の緊結、枠組材同士の緊結は方法書に準拠した。なお、
試験体数は各条件3体である。
(試験方法)
試験方法の概略を図5に示した。実験装置には水平せん断試験機(50kN用、(株)千代田製作所製)を使用し、方法書に準拠して無載荷式の水平せん断試験を行った。
加力履歴は、みかけのせん断変形角で1/450・1/300・1/200・1/150・1/100・1/75・1/50(rad)として正負交番繰返し荷重を加え、最終的に耐力が最大荷重の80%に低下するか、もしくは変形角が1/15(rad)に達するまで加力した。なお、同一変形角での繰返しは3回とした。
変位は、水平方向2箇所 (H1,H2) 及び鉛直方向2箇所 (V3,V4) 、計4箇所測定した。使用した変位計は、H1がSDP-200R(精度1/100mm、(株)東京測器研究所製)、H2・V3・V4がCDP-50(精度1/200mm、(株)東京測器研究所製)である。水平荷重の検力は、油圧ジャッキの先端に設置した5tf用ロードセル(精度1.25kgf、(株)共和電業製)を使用して行った。測定した変位及び荷重のデータは、データロガー(sanei7V,NEC製)を介してパーソナルコンピューターに取り込み、解析を行った。
(せん断変形角等の算定)
見かけのせん断変形角 (γ)、脚部の回転による変形角 (θ)、真のせん断変形角(γ0)は、以下の式により求めた。
γ=(δ1−δ2)/H (rad)
θ=(δ3−δ4)/V (rad)
γ0=γ−θ (rad)
ただし
δ1:上枠部の水平変位(mm) (変位計H1)
δ2:下枠部の水平変位(mm) (変位計H2)
H:変位計H1とH2の間の標点距離(mm)
δ3:縦枠脚部の鉛直方向変位(mm) (変位計V3)
δ4:縦枠脚部の鉛直方向変位(mm) (変位計V4)
V:変位計V3とV4の間の標点距離(mm)
(短期許容せん断耐力の算定)
荷重と変位の関係から包絡線を抽出し、その包絡線を元に降伏耐力Py、終局耐力Pu、最大耐力Pmax、構造特性係数Ds、見かけのせん断変形角 1/120rad時の耐力P1/120を求めた。これらの数値を求める手順は方法書に依った。
短期許容せん断耐力Paは下記の(a)〜(d)で求めた耐力の平均値に、それぞれのばらつき係数を乗じて算出した値のうち最も小さい値として求めた。尚、ばらつき係数は母集団の分布形を正規分布とみなし、統計的処理の基づく信頼水準75%の50%下側許容限界をもとに次式により求めた。
ばらつき係数=1−CV・k
ここで、CV:変動係数、k:0.471(n=3の場合)
(a) 降伏耐力Py
(b) 終局耐力Puを1/√(2u-1)で除し、0.2を乗じた値
(c) 最大耐力Pmaxの2/3
(d) 特定変形時の耐力 (無載荷式の場合、見かけのせん断変形角時の耐力P1/120)
尚、“低減係数”は、今回は考慮しなかった。
(壁倍率の算出)
壁倍率は、(a)〜(d)について、下の式により算出した。
壁倍率=Pa X (1/1.96) X (1/L)
ただし、Pa:3.2より求めた短期許容せん断耐力(kN)
1.96:壁倍率=1を算定する数値(kN/m)
L:試験体の壁の長さ(m)
最終的な壁倍率は、(a)〜(d)の許容せん断耐力について算定された倍率のうち、最小の値を試験により算定された壁倍率とした。
(試験結果)
実施例の壁倍率は、5.0倍、比較例の壁倍率は、3.4倍となり、実施例の方が比較例よりも3割程度、上回る結果となった。
また、破壊形態を比較したところ、実施例は、ホールダウン金物接合部で破壊し、比較例は、面材との接合部で破壊した。これは、実施例は、枠材、接合部が変形しにくく、比較例は、枠材、接合部が変形しやすいためと考えられる。
(結論)
実施例は、枠材に廃材チップから形成された構造材を使用しているにも関わらず、枠材に無垢材(SPF)を使用している比較例を超える優れた耐力性能を備えていることが明らかとなった。したがって、実施例の構造体は、枠組工法耐力壁として使用展開することが十分可能である。また、実施例は、接合金物を工夫することによって、より一層破壊強度を上げることが可能である。
本発明にかかる一実施形態の構造材1の斜視図である。 図1に示す構造材1を用いてなる構造体3の外観図である。 (a)在来工法による試験体R1の概観図である。(b)金具工法による試験体 R2の概観図である。 (a)枠組壁工法による試験体Jの正面図である。(b)同試験体Jの背面図である。 図4に示す試験体Jについて水平せん断試験を行う試験装置の概略図である
符号の説明
1 構造材
2 木質材料片
3 構造体

Claims (3)

  1. 建物の骨組みを構成する構造体であって、
    厚さ1〜11mm、長さ20〜150mmの範囲にある多数の木質材料片と、これらの木質材料片同士を結合させるための結合剤とを含む材料を、木質材料片の長さ方向の向きをほぼ同一方向に配向させた状態で積み重ね、加熱および積み重ね方向に加圧して、前記木質材料片同士を圧縮結合させて得られる複合材料を、木質材料片の配向方向を長さ方向として加工してなる構造材で構成されており、
    この構造材の密度が、0.65〜0.9g/cm3で、かつ、木質材料片の嵩密度に対して1.2〜3.0倍の範囲にあることを特徴とする構造体。
  2. 軸組み工法によって形成されていることを特徴とする請求項1記載の構造体。
  3. 枠組み壁工法によって形成されていることを特徴とする請求項1記載の構造体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009007879A (ja) * 2007-06-29 2009-01-15 Harasawa Homes Co Ltd 建築構造体

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