JP6252893B2 - 複合梁と柱材との接合構造 - Google Patents

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Description

本発明は、複合梁と柱材との接合構造に関する。
これまでに、本出願人は、施工性に優れた複合梁と柱材との接合構造を提案している(特許文献1)。
具体的には、図9に示したように、特許文献1の複合梁1と柱材2の接合構造では、断面H字型形状を有する鉄骨材3の各々の平板部31の表面に、木質端材4が配設されている。そして、複合梁1には、長さ方向に対し直角に貫通する横穴51を有する一本の金属製のほぞピン5が木質端材4の開口部41から突出して立設されている。柱材2には、木口にほぞ穴21が一つ、対向する一対の側面間に貫通穴22が一つ形成されている。そして、柱材2は、ほぞ穴21にほぞピン5が挿入され、その横穴51に一致する貫通穴22を通じてドリフトピン6がほぞピン5の横穴51に差し込まれることにより、複合梁1に接合される。
特許第3546819号
しかしながら、特許文献1の接合構造は施工性には優れるものの、その接合強度においてはさらに改善すべき点があると考えられた。すなわち、複合梁と柱材との接合構造には、例えば地震などによって外部から引張力が加わった場合にも、接合部分が安定に維持される接合強度が求められている。
本発明は、以上のとおりの事情に鑑みてなされたものであり、施工性および接合強度に優れた複合梁と柱材との接合構造を提供することを課題としている。
上記の課題を解決するために、本発明の複合梁と柱材との接合構造は、鉄骨材の表面に木質端材が配設された複合梁と、柱材との接合構造であって、前記複合梁は、長さ方向に対し直角に貫通する横穴を有する金属製のほぞピンが木質端材から突出しており、前記柱材には、木口にほぞ穴が形成され、かつ、対向する一対の側面間に貫通穴が一つ形成されており、かつ、前記柱材の前記貫通穴の周囲には、前記柱材より強度が高い補強材が前記貫通穴が開口している前記柱材の側面の内側に対向して埋め込まれて前記柱材と複合一体化されており、前記柱材は、前記ほぞ穴に前記ほぞピンが挿入され、前記ほぞピンの前記横穴と前記柱材の前記貫通穴とが一致した状態において、ドリフトピンが前記貫通穴を通じて前記横穴に差し込まれることにより、前記複合梁に接合されることを特徴としている。
この複合梁と柱材との接合構造では、前記貫通穴の中心から前記柱材の下端方向への前記補強材の長さは、前記貫通穴の幅の3倍以上であり、かつ、前記補強材の幅は、前記貫通穴の幅の2倍以上であることが好ましい。
この複合梁と柱材との接合構造では、前記補強材は、密度が800kg/m3以上であることがより好ましい。
この複合梁と柱材との接合構造では、前記補強材は、竹ストランドまたは麻系天然繊維からなる成形材であることがさらに好ましい。
本発明の複合梁と柱材との接合構造によれば、施工性および接合強度の向上を図ることができる。
本発明の複合梁と柱材との接合構造の第1実施形態を例示した分解斜視図である。 図1に例示した複合梁と柱材を接合させた状態を例示した斜視図である。 本発明の複合梁と柱材との接合構造の第2実施形態を例示した斜視図である。 本発明の複合梁と柱材との接合構造の第3実施形態を例示した斜視図である。 本発明の複合梁と柱材との接合構造の第4実施形態を例示した斜視図である。 実施例1で使用した柱材、補強材を木口側から視た斜視図である。 実施例4で使用した柱材、補強材を木口側から視た斜視図である。 実施例6で使用した柱材、補強材を木口側から視た斜視図である。 従来の複合梁と柱材との接合構造を例示した分解斜視図および斜視図である。
図1は、本発明の複合梁と柱材との接合構造の第1実施形態を例示した分解斜視図である。図2は、図1に例示した複合梁と柱材を接合させた状態を例示した斜視図である。
複合梁1は、鉄骨材3の表面に木質端材4が配設されている。鉄骨材3は長尺であり、対向する平板部31が中央の垂直板部32を介して連結した断面H字型形状に形成されている。この平板部31の表面からは、一本の金属製のほぞピン5が、平板部31に対して略垂直に立設されている。ほぞピン5は円柱形であり、鉄骨材3の長さ方向に直交する方向に貫通する横穴51を有している。
木質端材4には、鉄骨材3のほぞピン5と対応する位置に円形開口部41が形成されている。
図2に例示したように、複合梁1は、鉄骨材3の表面に接合されたほぞピン5が木質端材4の円形開口部41に挿通されて、木質端材4からほぞピン5が突出している。
柱材2は角柱状であり、その材料は特に限定されない。具体的には、柱材2の材料は、例えば、無垢材あるいは集成材を例示することができる。例えば、集成材としては、木材挽板を接着剤で貼り合わせた集成材、スギ集成材、ホワイトウッド集成材、レッドウッド集成材、ヒノキ集成材、カラマツ集成材、ベイマツ集成材、ヒバ集成材などを例示することができる。また、例えば、無垢材としては、スギ無垢材、ヒノキ無垢材、ヒバ無垢材などを例示することができる。これらの柱材2に用いられる材料のおおよその比重(密度)は、350〜600kg/m3の範囲のものが一般的である。
柱材2の下端部の木口にほぞ穴21が一つ形成されている。ほぞ穴21は、断面円形状であり、複合梁1から突出しているほぞピン5の突出長さ、径と対応している。
また、柱材2には、対向する一対の側面間に円柱状の貫通穴22が一つ形成されている。貫通穴22とほぞ穴21は、柱材2の中心付近で交差している。
柱材2の貫通穴22の周囲には、柱材2より強度が高い補強材7が柱材2と複合一体化して配設されている。図1、図2に例示した形態においては、補強材7は、貫通穴22が開口している柱材2の側面の内側の2か所に対向して複合一体化されており、柱材2の下端部からほぞ穴21の頂部付近までの高さを有する角柱状に形成されている。したがって、貫通穴22は、柱材2の両側の側面の内側付近の領域において、その周囲が補強材7に覆われた状態となっている。
柱材2は、ほぞ穴21にほぞピン5が挿入され、ほぞピン5の横穴51と柱材2の貫通穴22とが一致した状態において、ドリフトピン6が貫通穴22を通じて横穴51に差し込まれることにより、複合梁1と柱材2とが接合される。
この接合構造では、貫通穴22およびほぞピン5の横穴51にドリフトピン6を差し込むだけで接合構造を組みあげることができるため、釘などが不要であり、施工性にも優れている。さらに、この接合構造では、柱材2に引張力が加わった際に、貫通穴22に挿入されたドリフトピン6からの荷重がその周囲の補強材7で支持される。そして、補強材7が柱材2よりも高強度であるため、柱材2の貫通穴22が破壊され難く、ドリフトピン6を支持する荷重、すなわち柱材2の引張耐力が大きく向上するため、引張力に対する高い接合強度が実現される。
ここで、補強材7は、柱材2より強度が高い材料であれば特に限定されない。具体的には、補強材7の材料としては、例えば、高比重(高密度)・高強度木材単板から構成されるLVL(Laminated Veneer Lumber:単盤積層材)や合板を例示することができる。さらに、例えば、フェノール樹脂含浸単板を積層したLVLや合板、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維などで強化した繊維強化プラスチックなどを例示することができる。また、竹や麻系繊維から構成される成形材などを例示することができる。
また、補強材7の強度の目安としては密度を基準とすることができ、密度が800kg/m3以上であることが好ましい。これによって、柱材2の引張耐力がさらに高まるため、接続構造の接合強度が向上する。
なかでも、補強材7の材料としては、竹ストランドや麻系天然繊維からなる成形材を好ましく例示することができる。
ここで、竹ストランドとは、竹原料を縦割りにすることにより得られる材料であり、維管束と呼ばれる高強度な植物繊維層を含んだ構造を有している。このため、竹ストランドの繊維方向を揃えるように積層接着させることで極めて高強度な成形体を得ることができる。
なお、竹ストランドを積層接着させる際には、一般的には熱プレスを用いることができるが、その時の温度や圧力を適宜設定することにより、密度800kg/m以上の成形材を容易に得ることが可能となる。
竹ストランドによる成形体としては、具体的には、例えば、竹LVLや、竹PSL(parallel strand lumber:平行ストランド材)などを例示することができる。竹LVLは、厚みがほぼ一定の竹ストランドを、厚さ方向に積層することで得られるものであり、竹PSLは、不定形状の竹ストランドを方向性を揃えて高圧で圧縮してブロック状に成形することにより得られるものである。なお、竹PSLの原料となる竹材の特徴としてその成長が非常に早いことが挙げられる。おおよそ3年で材として使用できる直径20〜30cm、高さ10m以上にまで成長する。分布範囲は極めて広範囲で乾燥地や寒冷地を除けば世界中いたるところに生育しており、インド、中国、ミャンマー、ベトナムなどのアジア地域での竹林面積が特に多く、将来に渡って安定的に供給可能な植物系資源と考えられる。
さらには、竹ストランドの繊維方向に対して極めて優れた強度を有するため、例えば、竹LVLや竹PSLを補強材7として用いる際に、柱材2の繊維方向と竹LVL、竹PSLの繊維方向を揃えて複合一体化することが好ましい。これによって、柱材2の引張耐力がさらに大きくなり、引張力に対しより高い接合強度を有することが可能となる。
また、補強材7として、平均長さが5〜100mm、平均径が20〜400μmである麻系天然繊維を接着剤で接着して成形したものを用いることも好ましい。補強材7として麻系天然繊維の成形体を用いることで、引張力に対し高い接合強度を有する接合構造とすることができる。麻系天然繊維の材料は具体的に限定されないが、例えば、ジュート、ケナフ、亜麻、ラミー、ヘンプ、サイザルなどの麻系植物から得られる繊維などを例示することができる。これら麻系植物は高密度で高強度な繊維が得られるため、積層成形条件を適宜設定することによって、密度800kg/m以上の成形材を容易に得ることができる。
なお、例えば、竹LVLや竹PSLなどの成形材に用いる接着剤の種類は特に限定はされない。具体的には、例えば、フェノール樹脂、レゾルシノール樹脂、ユリヤ樹脂、メラミン樹脂などのホルムアルデヒド系接着剤や、イソシアネート系樹脂接着剤、ウレタン樹脂系接着剤などを例示することができる。さらに、接着剤の形態も特に限定されず、例えば粉末状や溶液状であってよい。
そして、補強材7のサイズは、貫通穴22の中心から柱材2の下端方向への長さL1が、貫通穴22の直径の3倍以上であり、かつ、補強材7の幅L2(貫通穴22の幅に対応する方向の長さ)が、柱材2の貫通穴22の幅の2倍以上であることが好ましい。ここで、貫通穴22の幅とは、貫通穴22が円柱状である場合には、断面円形の直径を意味する。補強材7のサイズがこの範囲であると、貫通穴22に挿入されたドリフトピン6からの荷重を確実に補強材7で支持することができ、柱材2の引張耐力がさらに大きく向上し、引張力に対する高い接合強度が実現される。また、補強材7の縦方向長さL4は、貫通穴22の配設高さ(下端部からの距離)より大きく、また、図1、図2に例示したように、貫通穴22が開口している柱材2の側面付近の2か所に補強材7を設ける場合には、1つの補強材7の奥行き長さL3(貫通穴22の長さ方向と平行な方向への長さ)は、柱材2の幅(側面間の長さ)の1/3程度であることが好ましい。これによって、貫通穴22に挿入されたドリフトピン6からの荷重を確実に補強材7で支持することができ、柱材2の引張耐力がさらに大きく向上し、引張力に対する高い接合強度が実現される。
図3は、本発明の複合梁と柱材2の接合構造の第2実施形態を例示した斜視図である。第1実施形態と共通する部分には同一の符号を付し、以下では説明を省略する。
この接合構造では、補強材7は、貫通穴22の長さ方向に長尺な角柱状であり、柱材2の対向する側面間において貫通穴22に沿って複合一体化している。すなわち、補強材7の奥行き長さは、貫通穴22の長さと等しく設計されている。したがって、貫通穴22は、長さ方向のすべての領域が補強材7によって覆われており、挿入されたドリフトピン6はそのすべての領域(全長および全周)において補強材7に支持される。
この接合構造においても、柱材2に引張力が加わった際に、貫通穴22に挿入されたドリフトピン6からの荷重が補強材7で確実に支持される。そして、補強材7が柱材2よりも高強度であるため、柱材2の貫通穴22が破壊され難く、ドリフトピン6を支持する荷重、すなわち柱材2の引張耐力が大きく向上するため、引張力に対する高い接合強度が実現される。
この接合構造における補強材7のサイズは、補強材7の幅L2が、柱材2の貫通穴22の幅の2倍以上であることが好ましい。補強材7のサイズがこの範囲であると、貫通穴22に挿入されたドリフトピン6からの荷重を確実に補強材7で支持することができ、柱材2の引張耐力がさらに大きく向上し、引張力に対する高い接合強度が実現される。
図4は、本発明の複合梁と柱材との接合構造の第3実施形態を例示した斜視図である。第1実施形態と共通する部分には同一の符号を付し、以下では説明を省略する。
この接合構造では、貫通穴22が開口している柱材2の側面の内側の2か所に、貫通穴22の長さ方向と平行に伸びる円柱状の補強材7が柱材2と複合一体化して設けられており、この補強材7によって柱材2の側面の内側付近の貫通穴22の周囲が覆われている。
この接合構造においても、柱材2に引張力が加わった際に、貫通穴22に挿入されたドリフトピン6からの荷重が補強材7で確実に支持される。そして、補強材7が柱材2よりも高強度であるため、柱材2の貫通穴22が破壊され難く、ドリフトピン6を支持する荷重、すなわち柱材2の引張耐力が大きく向上するため、引張力に対する高い接合強度が実現される。
この接合構造における補強材7のサイズは、円柱の直径Rが、柱材2の貫通穴22の幅の3倍以上であることが好ましい。補強材7のサイズがこの範囲であると、貫通穴22に挿入されたドリフトピン6からの荷重を確実に補強材7で支持することができ、柱材2の引張耐力がさらに大きく向上し、引張力に対する高い接合強度が実現される。
図5は、本発明の複合梁と柱材との接合構造の第4実施形態を例示した斜視図である。第1実施形態と共通する部分には同一の符号を付し、以下では説明を省略する。
この接合構造では、補強材7は柱材2の縦方向に長い角柱状であり、貫通穴22が開口している柱材2の側面の内側の2か所に対向して複合一体化されている。したがって、柱材2の両側の側面の内側付近に位置する貫通穴22の領域では、その周囲が補強材7に覆われた状態となっている。この補強材7の下端は柱材2の下端の木口には達しておらず、貫通穴22の周囲のみに配設されている。
この接合構造においても、柱材2に引張力が加わった際に、貫通穴22に挿入されたドリフトピン6からの荷重が補強材7で確実に支持される。そして、補強材7が柱材2よりも高強度であるため、柱材2の貫通穴22が破壊され難く、ドリフトピン6を支持する荷重、すなわち柱材2の引張耐力が大きく向上するため、引張力に対する高い接合強度が実現される。
この接合構造における補強材7のサイズは、貫通穴22の中心から柱材2の下端方向への長さL1が、貫通穴22の直径の3倍以上であり、かつ、補強材7の幅L2が、柱材2の貫通穴22の幅の2倍以上であることが好ましい。補強材7のサイズがこの範囲であると、貫通穴22に挿入されたドリフトピン6からの荷重を確実に補強材7で支持することができ、柱材2の引張耐力がさらに大きく向上し、引張力に対する高い接合強度が実現される。縦方向長さL4が、貫通穴22の中心から柱材2の下端方向への長さL1の2倍程度であることが好ましい。また、1つの補強材7の奥行き長さL4(貫通穴22の長さ方向と平行な方向への長さ)は、柱材2の幅(側面間の長さ)の1/3程度であることが好ましい。
このように、本発明は、鉄骨材3の表面に木質端材4が配設された複合梁1と、柱材2との接合構造である。複合梁1は、長さ方向に対し直角に貫通する横穴51を有する金属製のほぞピン5が木質端材4から突出している。柱材2には、木口にほぞ穴21が形成され、かつ、対向する一対の側面間に貫通穴22が一つ形成されており、かつ、柱材2の貫通穴22の周囲には、柱材2より強度が高い補強材7が柱材2と複合一体化されている。柱材2は、ほぞ穴21にほぞピン5が挿入され、ほぞピン5の横穴51と柱材2の貫通穴22とが一致した状態において、ドリフトピン6が貫通穴22を通じて横穴51に差し込まれることにより、複合梁1に接合される。
本発明の複合梁と柱材との接合構造は以上の実施形態に限定されるものではない。具体的には、例えば、補強材の形状は、柱材の貫通穴を覆って挿入されたドリフトピンを安定に支持可能な形状、配設位置に適宜設計することができる。また、ほぞピンの形状や、鉄骨材の形状、構造も適宜設計することができる。例えば、ほぞピンは、横穴にドリフトピンを挿入することで柱材と固定できる構造であればよい。
以下、実施例において本発明の複合梁と柱材との接合構造についてさらに詳しく説明するが、本発明の複合梁と柱材との接合構造は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
<実施例1>
鉄骨材として、直径22mmのほぞピンを備えた厚み3mmのH型鋼材(幅100mm、100mm)を用い、このH型鋼材のほぞピンを木質端材(幅105mm、厚み30mm)の開口部に挿入して木質端材からほぞピンが突出した複合梁を形成した。ほぞピンの横穴の中心位置は、柱材のほぞ穴21に挿入された状態で、柱材下端部から50mmの位置になるように設計した。
図6は、実施例1で使用した柱材、補強材を木口側から視た斜視図である。
柱材2の材料としては、1辺の長さが105mmであるスプルースの集成材を用いた。この柱材の密度は450kg/m3であった。
補強材7として、以下の方法で得た竹PSLを使用した。
(1)原料の竹材として、2m長さに切断した直径が約20cm程度の孟宗竹を竹割機で分割し、幅が約30mm、厚さが10〜15mmの竹平板原料を得た。
(2)前記平板原料を加熱することにより含水率を15%以下となるように乾燥した後、粗切削機により竹表面の青皮部分と裏面となる柔細胞部分を切削除去し長さ方向にも切断することにより、厚みが約5〜10mm、幅が約25mm、長さが約400mmの竹ストランドを得た。
(3)得られた竹ストランドに水溶性のフェノール樹脂接着剤を塗布した後、その繊維方向を揃えるようにして適宜積層し、温度150℃で30分間の熱圧成形をすることにより、竹PSLに仕上げた。その後、この竹PSLを切断し、幅L2:30mm、奥行き長さL3:30mm、縦方向長さL4:100mmの補強材7を得た。加工後の竹PSLの密度は1150kg/m3であることが確認された。すなわち、この補強材7は、スプルースの集成材からなる柱材よりも高い強度を有している。
そして、図6に示す形状で、柱材の側面の下端部付近を竹PSL補強材7サイズに合わせて切り欠き、一液ポリウレタン樹脂接着剤を用いて複合一体化させた。その後、柱材の側面間に、ドリフトピンを挿入するための直径13mmの貫通穴22に補強材7を貫通させて形成した。さらに、ほぞピンを挿入するためのほぞ穴21(直径22mm、深さ70mm)を穴開け加工によって形成した。なお、補強材7は、柱材の貫通穴22の中心位置から、補強材7の下端部までの長さL1を50mmとした。
そして、補強材7を複合した柱材の木口のほぞ穴21に、複合梁のほぞピンを差し入れ、ほぞピンの横穴と柱材の貫通穴22の位置を一致させた。さらに、亜鉛メッキ鋼材質の直径13mmのドリフトピンを柱材の貫通穴22から差し込み、ほぞピンの横穴を通すように押し込むことで接合構造を構成した。
<実施例2>
柱材に複合する補強材として、竹PSLの代わりにFRP成形材を用いる以外は、実施例1と同様にして接合構造を得た。
なお、補強材として用いたFRPはガラス繊維を25%含有した不飽和ポリエステル樹脂からなるガラス繊維強化プラスチックであり、密度は1800kg/m3であった。すなわち、この補強材は、スプルースの集成材からなる柱材よりも高い強度を有している。この補強材を、補強材のサイズに切り欠いた柱材と複合一体化させた。
<実施例3>
柱材に複合する補強材として、竹PSLの代わりジュートファイバーボードを用いる以外は、実施例1と同様にして接合構造を得た。
このファイバーボードを構成する原料繊維として平均長さが5〜100mm、平均径が20〜400μmであるジュート繊維を用いた。また接着剤として、粒状のフェノール樹脂粉末を用い、接着剤の含有率が22%となるように前記ジュート繊維に樹脂粉末を添加した。なお、接着剤として用いたフェノール樹脂粉末は、ノボラック型フェノールであり、その平均粒径は約20μmであった。
次に、このジュート繊維と粒状接着剤の混合物を、ピン付きシリンダーを有する小型の混綿機に投入することで、原料繊維と接着剤が均一となるよう混合した後、この混合物を散布する機構を有した簡易フォーミング装置(内寸:30cm角)を用いて、繊維マット状に形成した。前記繊維マット状に形成し、繊維マットを上蓋で軽く圧締めした後、型枠から取り出し、小型熱圧プレス機でマットを軽く圧締しながら140℃で約1分間加熱し、フェノール樹脂粉末を溶融させることにより、ハンドリングが可能な繊維マットを得た。
この後、この繊維マットを所定の厚み、密度のボードが得られるように積層し、前記小型プレス機を用いて、180℃、4MPa、30分間の条件で加熱加圧成形し、30cm角サイズで、厚さ30mmのジュートファイバーボードを得た。なお、補強材に用いたボードの密度は約950kg/m3であった。すなわち、この補強材は、スプルースの集成材からなる柱材よりも高い強度を有している。この補強材を、補強材のサイズに切り欠いた柱材と複合一体化させた。
<実施例4>
図7は、実施例4で使用した柱材、補強材を木口側から視た斜視図である。
柱材における補強材の複合構造として、図7に示した補強材の形状、サイズとする以外は、実施例1と同様にして接合構造を得た。
具体的には、竹PSLからなる補強材7のサイズは、幅L2:70mm、奥行き長さL3:30mm、縦方向長さL4:50mmとした。この補強材7を、補強材7のサイズに切り欠いた柱材と複合一体化させた。また、柱材の貫通穴22の中心位置から、補強材7の下端方向への長さL1は、40mmとした。
<実施例5>
柱材に複合する補強材の材質として、竹PSLの替わりに竹LVLを用いる以外は、実施例4と同様にして接合構造を得た。
竹LVLの原料としては、実施例1で記した、厚みが約5〜10mm、幅が約25mm、長さが400mmの竹ストランドの仕上げ加工として表裏面の切削加工を行い、厚み5mmの竹平板を用いた。得られた竹平板に水性ビニルウレタン系接着剤を200g/m2塗布した後、その繊維方向を揃えるようにして適宜積層し、温度150℃で30分間の熱圧成形を行ない、長さ400mm、幅200mm、厚み30mmの竹LVLを得た。なお、竹平板は、幅方向の継ぎ目が重ならないように各層をずらしながら積層することが好ましく、またその長さ方向の継ぎ目についても、重ならないようにずらしながら積層することが好ましい。実施例5では6層積層の竹LVLに仕上げた。得られた竹LVLを切断し、幅L2:70mm、奥行き長さL3:30mm、縦方向長さL4:50mmの補強材を得た。なお、加工後の補強材の密度は850kg/m3であった。すなわち、この補強材は、スプルースの集成材からなる柱材よりも高い強度を有している。この補強材を、補強材のサイズに切り欠いた柱材と複合一体化させた。そして、柱材の貫通穴22の中心位置から、補強材の下端方向への長さL1は、40mmとした。
<実施例6>
図8は、実施例6で使用した柱材、補強材を木口側から視た斜視図である。
柱材における補強材の複合構造として、図8に示すような形状とする以外は、実施例3と同様にして接合構造を得た。
なお、ジュートファイバーボードからなる補強材7のサイズは、幅L2:40mm、奥行き長さL3:105mm、縦方向長さL4:80mmであり、柱材の貫通穴22の中心位置から、補強材7の下端方向への長さL1は40mmとした。この補強材7は、貫通穴22の長さ方向に長尺な角柱状であり、柱材の対向する側面間において貫通穴22に沿って複合一体化している。この補強材7を、補強材7のサイズに切り欠いた柱材と複合一体化させた。
<実施例7>
補強材の縦方向長さ85mmとする以外は、実施例1と同様にして、接合構造を得た。なお、貫通孔の中心位置から補強材の下端方向への長さL1は35mmとした。
<実施例8>
補強材の幅L2を25mmとする以外は、実施例1と同様にして、接合構造を得た。
<比較例1>
補強材を複合しないスプルース集成材を柱材として用い、実施例1と同様にして、接合構造を得た。
<比較例2>
比較例1で示した接合構造に、市販のホールダウン金物を施工して、複合梁と柱材との接合部分を補強した接合構造を得た。なお、ホールダウン金物の基準耐力は25kNのものを用いた。
上記の実施例1〜8、及び比較例1、2で作製した接合構造について引張耐力性能を評価した。耐力評価方法としては、実施例、比較例で得られた接合構造の複合梁部分の長さを900mmに、また柱材の長さを600mmサイズとしたものを試験体とした。
大型引張試験機に複合梁を固定し、複合梁と接合している柱材の上端部から100mmの位置に引張治具を取り付け、一定速度での引張試験を接合部分が破壊するまで行い、最大荷重を計測した。
得られた結果を表1に示す。
Figure 0006252893
表1において、最大荷重が50kN以上のものを◎、40kN以上を○、20kN以上を△、20kN未満のものを×とした。同時に、加工性ならびに施工性の評価を行い、従来技術に相当する比較例1の加工性や施工性を基準として、その判定結果として同等レベルのものを○、やや劣るものを△、劣るものを×と表記した。
表1に示したように、実施例1〜6の接合構造は、その最大荷重が約45kN(実施例2では44.8kN)以上と高く、比較例1の接合構造と比較して2.5倍以上の耐力性能を有していることが確認された。また、実施例1〜6の接合構造は、ホールダウン金物を用いた比較例2の接合構造と同等レベル以上の最大荷重を有していることが確認された。
また、実施例1と実施例7とを比較すると、貫通穴22の直径に対する貫通穴22の中心から柱材下端方向への長さが3倍以上である実施例1(3.8倍)では、3倍未満の実施例7(2.3倍)よりも最大荷重に優れていることが確認された。
さらに、実施例1と実施例8を比較すると、貫通穴22直径に対する補強材の幅の倍率が2倍以上である実施例1(2.3倍)では、2倍未満の実施例8(1.9倍)よりも最大荷重に優れていることが確認された。
このように、補強材のサイズが貫通穴22の直径(ドリフトピン直径)に対して十分な大きさであり、柱材に強い引張力を受けた際にも補強材の破壊を伴わないでドリフトピンを支持する荷重、すなわち柱材の引張耐力が大きくなる。その結果として複合梁と柱材との接合構造は、高い接合強度を有することが可能となる。
さらに、例えば、実施例1、3と実施例2とを比較すると、実施例1、3では、引張力に対して高強度な竹ストランドや麻系天然繊維からなる密度800kg/m3以上の成形材を補強材として用いているため、特に優れた引張耐力性能を有する接合構造であることが分かる。
以上のように、実施例1〜8に示した接合構造は、貫通穴へのドリフトピンの差し込みのみで構造が組み上がるため施工性に優れ、かつ、引張力に対し高い接合強度を有することが確認された。
1 複合梁
2 柱材
21 ほぞ穴
22 貫通穴
3 鉄骨材
4 木質端材
5 ほぞピン
51 横穴
6 ドリフトピン
7 補強材



Claims (4)

  1. 鉄骨材の表面に木質端材が配設された複合梁と、柱材との接合構造であって、
    前記複合梁は、長さ方向に対し直角に貫通する横穴を有する金属製のほぞピンが木質端材から突出しており、
    前記柱材には、木口にほぞ穴が形成され、かつ、対向する一対の側面間に貫通穴が一つ形成されており、かつ、前記柱材の前記貫通穴の周囲には、前記柱材より強度が高い補強材が前記貫通穴が開口している前記柱材の側面の内側に対向して埋め込まれて前記柱材と複合一体化されており、
    前記柱材は、前記ほぞ穴に前記ほぞピンが挿入され、前記ほぞピンの前記横穴と前記柱材の前記貫通穴とが一致した状態において、ドリフトピンが前記貫通穴を通じて前記横穴に差し込まれることにより、前記複合梁に接合されることを特徴とする複合梁と柱材との接合構造。
  2. 前記貫通穴の中心から前記柱材の下端方向への前記補強材の長さは、前記貫通穴の幅の3倍以上であり、かつ、前記補強材の幅は、前記貫通穴の幅の2倍以上であることを特徴とする請求項1に記載の複合梁と柱材との接合構造。
  3. 前記補強材は、密度が800kg/m3以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の複合梁と柱材との接合構造。
  4. 前記補強材は、竹ストランドまたは麻系天然繊維からなる成形材であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の複合梁と柱材との接合構造。
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