JP4299158B2 - 接合金物 - Google Patents
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Description
上記木造軸組み工法では、縦材及び横架材にホゾやホゾ穴をそれぞれ設け、これらを嵌合させることによって縦材と横架材とを接合するようにしている。
たとえば、通し柱を縦材として使用し、この通し柱にホゾ穴を設け、ホゾが形成された胴差しを横架材として接合させた構造では、地震などにより胴差しが横方向に移動したとき、通し柱が仕口部分で折れてしまうおそれがあり、近年起こった阪神大震災の際も、通し柱が、仕口部分で折れてしまったために、家屋が崩壊したという例が多数見られている。
また、本発明の接合金物の材質は、鋼、ステンレス鋼やメッキ鋼など鉄材のように木材よりも硬質で剛性を備えた金属材料が好ましい。
固定手段としては、特に限定されないが、たとえば、釘、ボルトなどや接着剤が挙げられるが、釘やボルトを用いる場合、支持板部に予め釘やボルトなどの胴部が挿通可能で、釘やボルトの頭部あるいはナットなどの径より小径の孔を穿設しておくことが好ましい。
上記胴受けは、木材の1つの側面を受けるように一箇所だけに設けられていても良いし、二箇所以上に設けられていても構わない。
胴受けに受けられる木質構造材は、ボルトやビスなどによって胴受けに固定できるようにすることが、より接合される木質構造材間の接合を強固にすることが可能となるため好ましい。
当て板の材質としては特に限定されないが、支持板と同じように木材よりも硬度の高い金属で形成されていると、より補強効果を高めることができるため好ましい。
すなわち、本発明の接合金物を、たとえば、木造軸組み構造のコーナー部分における通し柱と胴差しとの接合部分における仕口強化を目的として使用した場合、当て板は、通常、木造軸組み構造の外側に配置されることとなる。この場合、当て板の幅が木質構造材よりも狭く形成されていないと、外部から木製パネルを釘などで打ち付ける際に、この接合金物が配置される部分だけ釘などを打ち付けることができなくなるという問題が生じてしまう。
すなわち、ホゾ穴の幅が狭すぎると、ホゾを端部に備えた棒状の木材のホゾの幅も狭くしなければならなくなり、これに伴い棒状の木材を保持する力が弱くなってしまうおそれがある。また、ホゾ穴の幅が広すぎると、木質構造材の強度が弱まってしまうおそれがある。
すなわち、胴受けに受けられる木質構造材の太さが場所によって異なる場合にも1種類の接合金物を用意するだけで対応することができる。
そして、当て板が、その当接する木質構造材の幅よりも狭い幅に形成されている構成とすれば、当て板の両側に木質構造材の露出部が形成され、当て板の上にパネル材を配置させたとき、当て板の両側の露出部に釘を打ち込んでパネル材を木質構造材に固定させることが可能となる。
図1は、本発明にかかる接合金物の1実施の形態を、木造軸組み工法における角の通し柱と胴差し(横架材)との仕口の補強に使用した状態を示した斜視図、図2は図1を別の角度から拡大した様子を示した斜視図である。
金物本体1aは、図1および図2に示したように、貫通孔11を有する2つの支持板部10と、各支持板部10の貫通孔11の上下に設けられた胴受け12とを備えている。
ビス挿通孔101は、図示していないが、支持板部10を通し柱2に取り付け固定する固定手段としてのビスの胴部を挿通可能になっており、ボルト挿通孔102は、後述する当て板1bを通し柱2の支持板部10との間で挟むように配置した状態で、通し柱2を挟着状態で固定する固定手段としての通しボルト(図示せず)の胴部が挿通可能になっている。
すなわち、金物本体1aと、当て板1bとは、当て板1bを支持板部10との間に通し柱2が挟まれるように配置されるとともに、ボルト挿通孔102(あるいはボルト挿通孔131)側から、通し柱2に穿設されてボルト挿通孔(図示せず)を介してボルト挿通孔131(あるいはボルト挿通孔102)に向かって通しボルトを挿通し、通しボルトの先端にナットをねじ込むことによって、通し柱2を間に挟着した状態で固定されるようになっている。
胴差し3は、図1に示したように、断面視縦長の長方形をした角材にて構成されており、端面にホゾ31が形成されているとともに、ホゾ31をホゾ穴21に嵌合させたとき上下の胴受け12にそれぞれ設けられているボルト孔121に一致するボルト挿入孔30が設けられている。
(1)厚み3mm〜5mmの長方形の鉄板を四寸角の通し柱2に沿うように断面略L字状に折り曲げて長さ600mm〜700mmの支持板部10部分を形成させるとともに、支持板部10にH字状の切り込みを入れた後、この切り込みをたたき出して、ホゾ穴21の開口部と略同じ大きさをした(50mm×180mm)貫通孔11および胴受け12を形成させる。
以上の操作を行うことにより、通し柱2に接合金物1が取り付け固定された状態となる。
このとき、胴差し3を受けている胴受け12の上下それぞれに設けられているボルト孔121間を連結するように連結ボルトをボルト挿入孔30を介して取り付ける。
以上の操作を行うことにより、木質構造物の構築において、通し柱2に胴差し3が確実に保持固定された状態となる。
しかも、接合金物1は、胴受け12により上下から胴差し3をそれぞれ通しボルトにより固定するようになっているため、従来行われていたホゾとホゾ穴のみの固定と比べてより強固に胴差し3を通し柱2に固定することができる。
すなわち、構造材添設金具61は、貫通孔61bを有する2つの支持板部61aのみから構成されている。
胴受け形成金具62,62'は、それぞれ胴受け形成部62aと、この胴受け形成部62aに直交するように設けられた支持板添設部62bとを有する断面略L字形をしている。そして、胴受け形成部62aには、ボルト孔62cが穿設されている。
また、貫通孔61bの下側に配置される胴受け形成金具62'の支持板添設部62bには、支持板部61aの貫通孔61bの下側に穿設された5つの通しボルト挿通孔61dと同じピッチで3つの通しボルト挿通孔62eが穿設されている。
すなわち、まず、図5に示すように、通し柱2の通しボルト7が挿通される位置に、通しボルト7を挿通可能なボルト挿通孔25を穿設したのち、構造材添設金具61の支持板部61aを支持板部61aの貫通孔61bが通し柱2のホゾ穴21に一致するように通し柱2に沿わせ、ビス(図示せず)をビス挿通孔61eにねじ込んで、構造材添設金具61を仮固定する。
そして、上記接合金物1と同様に胴差し3のホゾ31を、貫通孔11を介してホゾ穴21に嵌合させ、胴受けとなる胴受け形成部62bにそれぞれに設けられているボルト孔62cのいずれか一方から胴差し3に設けられたボルト挿入孔30を介して他方のボルト孔62cまで連結ボルトを挿入しその先端にナットをねじ込むことによって胴差し3を接合金物6に固定するようになっている。
勿論、この接合金物6は、上記接合金物1と同様の効果を備えていることは言うまでもない。
さらに、上記実施の形態では、通し柱2や、接合金物1の大きさを述べていたが、使用する柱の大きさや材質により、接合金物1の大きさや、厚み、貫通孔11の大きさなどは任意に決めればよく、特に限定されない。
さらに、上記実施の形態では、通しボルトによって胴受け形成金具を固定するようにしているが、溶接等の他の手段で固定するようにしても構わない。
さらに、上記の実施の形態における構造材添設金具61を当て板に兼用するようにしても構わない。
1a,60 金物本体
1b,1b' 当て板
10,61a 支持板部
11,61b 貫通孔
2 通し柱(木質構造材)
21 ホゾ穴
3 胴差し(木質構造材)
31 ホゾ
7 通しボルト(固定手段)
8 ナット(固定手段)
61 構造材添設金具
61c 通しボルト挿通孔
62,62' 胴受け形成金具
62b 支持板添設部
62d,62e 通しボルト挿通孔
Claims (4)
- 柱材の側面に穿設されたホゾ穴に横架材の端面に設けられたホゾが嵌合される木質軸組工法の接合部を補強するために用いられる接合金物であって、
前記柱材の長手方向に沿って取り付けられる長方形の金属板からなる支持板部を備え、該支持板部は、前記ホゾが挿通可能な貫通孔を有し、該貫通孔をホゾ穴に臨ませて前記柱材の隣接し合う2つの側面に内側が当接するように、金属板の長手方向に直交する断面が略L字状となるように折曲形成され、該支持板部には、前記横架材の上側面と下側面にそれぞれ当接して固定される胴受けが、設けられることを特徴とする接合金物。 - 前記胴受けは、支持板部とは別体の金属板で形成される胴受け形成金具からなり、該胴受け形成金具は、前記ホゾ穴にホゾを嵌合させた横架材の上側面又は下側面に固定される胴受け形成部と、前記支持板部に固定される支持板添設部と、を備えて略L字状に折曲形成される請求項1に記載の接合金物。
- 前記支持板部との間に前記柱材を挟んで取り付けられる帯板状の当て板を1対備える請求項1又は2に記載の接合金物。
- 前記当て板が、前記柱材の幅よりも狭い幅に形成されている請求項3に記載の接合金物。
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