JP2948716B2 - 木造軸組パネル構造 - Google Patents

木造軸組パネル構造

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、壁体枠に構造用面板を
取り付けた状態で予め組み立てられた壁パネルを、現場
で軸組した躯体部側の壁体空間に装着して耐力壁構造の
木造建物を構築する木造軸組パネル構造に係り、特に現
場施工による柱部材の本数を削減するために、隣接配備
させた壁パネルの縦枠部材間を連結して軸組構造の複合
柱を構成すると共に、当該縦枠部材の上下端部を躯体部
側の横架部材にほぞ継ぎすることにより、この複合柱と
上記構造用面材とが協働して鉛直荷重に対して単一柱と
同等の圧縮性能が得られるように改善した木造軸組パネ
構造に関する。
【0002】
【従来の技術】現場施工を基本とする在来の木造軸組構
法の場合には、壁下地作業が煩雑であったり、塗り壁の
乾燥に時間を要し且つ天候や季節に左右されたり、熟練
した職人の確保が困難になっていること等に起因して、
作業能率を向上して工期の短縮やコストの低減を十分に
計ることができなかった。これらの問題を解決する手段
として、予め工場などで組み立てた壁パネルを用い、こ
の壁パネルを現場で施工した軸組構造の壁体空間に壁体
枠を嵌装して一体に取り付ける木造軸組パネル構法や、
ツーバイフォーのような枠組み壁構法などが数多く提案
されている。
【0003】これらの構法の中には、例えば特開平5−
18079号公報に開示された建物用外壁パネルを用い
て構築されるパネル構法のように、軸組構造の壁体空間
に嵌装する外周枠の一方面に構造用合板を張設し、この
構造用合板を左右の柱及び上下の桁に固定することによ
って、当該構造用合板が筋交いの代わりに水平力を負担
する補強部材として機能し、パネル枠内への断熱材の装
着を阻害する筋交いの使用を省略するようにした構想が
ある。
【0004】また、例えば特開昭50−117217号
公報に開示された木造家屋の壁施工法のように、現場で
施工した軸組構造の壁体空間に壁パネルを嵌装して隣接
する壁パネルの縦枠部材間を固着して一体に連結した複
合柱を構成することにより、現場施工による柱部材の本
数を省略するようにした構想もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これらの従来技術で
は、例えば特開平5−18079号公報の外壁パネルを
使用した壁構造の場合には、軸組構造の壁体空間に嵌装
した壁パネルを当該壁体空間の開口縁部にある柱部材及
び土台や桁などの横架部材に対して、壁体枠及び構造用
合板を介して釘打ちなどの柔接合手段を用いて連結した
ものであり、特に隣接する各壁パネルの縦枠部材相互間
は格別に剛接合状態で連結されておらず、而も当該縦枠
部材は横架部材に対して強固に固定支持されていない構
造なので、水平荷重に対しては筋交いを省略するだけの
耐力は得られるとしても、鉛直荷重や偏心圧縮荷重を受
けた際に座屈する恐れがあると共に、水平荷重に対して
も柱スパンが長いとその分だけ耐力が低下する。
【0006】また、特開昭50−117217号公報に
開示された木造家屋の壁施工法の場合には、現場施工の
柱を省略するために隣接する壁パネルの縦枠部材同士
を、ボルトとナットで相互に連結して柱1本分に相当す
る径にしているが、この壁パネルは上端側の取り付け状
態は定かではないが、下端側は下横枠部材と交差する斜
材の下端にガセットプレートなどの接続金具を宛って鋸
で横架部材に連結すると共に、この交差位置に近接した
下横枠部材と横架部材との間をアンカーボルトで連結し
ている。従って、仮に上記壁パネルの上端側の取り付け
状態が説明のある小壁パネルと同様に、上横枠部材の内
面を梁部材に当接させた状態にしてスタリュー釘や鎹で
固着する構造であるとするならば、上記縦枠部材は横架
部材に対して強固に固定支持されていない構造なので、
水平荷重に対しては実施例のように斜材が必要であり、
鉛直荷重や偏心圧縮荷重を受けた際に座屈する恐れがあ
ると共に、水平荷重に対しても柱スパンが長いとその分
だけ耐力が低下する。
【0007】即ち、上記した従来構造の何れの場合にも
縦枠部材と横架部材との連結部分が節点として十分に機
能しないので、壁パネルが鉛直荷重を受けると当該荷重
は縦枠部材及び間柱(中桟)に分散荷重として印加され
るために、これら各部材の有効断面積を十分に大きくし
て剛性を高める必要があり、水平荷重に対しても現場施
工の柱部材を在来の木造軸組構法の場合と同様の間隔で
立設する必要がある。そこで、本発明では上記したよう
な従来技術の課題を解決する木造軸組パネル構造の提供
を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明による木造軸組パネル構造では、左右に立設さ
れた縦枠部材と、この縦枠部材の上下端部間をそれぞれ
連結する態様で水平に架設された上下の各横枠部材と、
上下端部を上記横枠部材に連結する態様で上記縦枠部材
と平行に立設された複数の間柱とで方形状の壁体枠が形
成され、この壁体枠の一方面には上下端部が上記横枠部
材より上下方向へ突出する態様で構造用面材が取り付け
られ、上記縦枠部材の上下端部には上記横枠部材より突
出する態様でほぞ部を垂直に延在させて一体の壁パネル
が構成され、上記壁パネルは、左右に立設された各柱材
間を上下平行に架設した横架部材で連結して現場施工で
軸組みされる躯体部側に、下側の横架部材に穿設したほ
ぞ穴に縦枠部材の下端部から突出するほぞ部を嵌装し、
縦枠部材の上端部から突出するほぞ部に上側の横架部材
に穿設したほぞ穴を嵌装して、上記柱材と横架部材とが
形成する方形枠状の壁体空間に組み込み、この組み込む
壁パネルは上記横枠部材を上記横架部材の内側に嵌装さ
せると共に、上記構造用面材の上下端部を上記壁体空間
の開口縁部に当接する態様で複数枚を躯体部側へ並列状
に被着させ、上記横架部材に対して上記縦枠部材のほぞ
部及び上記構造用面材の上下端部を一体に連結し且つ、
隣接配備させた各壁パネルの縦枠部材間を一体に連結
し、この連結した縦枠部材が軸組構造の複合柱を構成す
るものである。
【0009】上記横架部材には、上記構造用面材の上下
端部が面一の状態で収嵌されるシャクリ面を設けること
が望ましい。また上記縦枠部材相互の連結手段として
は、単にボールトとナットによる連結もあるが、長手方
向に隣接する二つの縦枠部材の胴部の対向位置におい
て、両部材の接合面には鉛直方向に沿った凹溝を設け、
当該凹溝に収嵌させたコ字状金物を介して縦枠部材間を
互いに連結する実施態様もある。
【0010】
【実施例】以下に、本発明による木造軸組パネル構造
付いて、図1〜9で図示の実施例に基づいて詳細に説明
する。この木造軸組パネル構造に使用される壁パネル1
は、予め工場生産されて建築現場に搬入され、現場施工
された軸組構造の壁体空間にはめ込んで一体に取り付け
ることで耐力壁構造を構成し、壁体空間に隣接配備した
壁パネル1,1の縦枠部材3,3を相互に連結すると共
に、その上下端部を躯体部側の横架部材10,10に連
結することによって一体の複合柱を構成するものであ
る。
【0011】壁パネル1は、図1および図2で示すよう
に両側部に通常の主柱を半割した断面形状(例えば断面
2−50×100)で形成された複合柱の一部を構成す
る縦枠部材3,3と、この縦枠部材3,3の上下端部の
間をそれぞれ連結する態様で水平に配設された上下の横
枠部材5,5と、上記縦枠部材3,3の間に並設されて
上下の両端部が上記横枠部材5,5にそれぞれ連結され
た複数本の間柱4で方形枠状の壁体枠6を形成し、この
縦枠部材3,3の上下端部にほぞ部2,2が垂直に突出
形成されている。
【0012】上記した壁体枠6の縦枠部材3と間柱4の
間及び各間柱4,4の間には断熱材7が充填されている
と共に、当該方形枠体の一方面には例えばシージングボ
ード(軟質繊維板JISA5909、密度0.9g/未
満、厚さ12mm)による構造用面材8が、他方面には
断熱シート16と化粧板17が取り付けられている。上
記した壁パネル1は、建物の四方に立設されたすみ柱材
13や中間部に立設された通し柱13a(図8,9を参
照)などの主柱の間に架設された横架部材10,10の
間に形成される壁体空間へ複数枚を並列状に装着する
が、その際には上記ほぞ部2,2を介して縦枠部材3,
3の上下両端を横架部材10,10に連結すると共に、
隣接する壁パネル1,1の縦枠部材3,3を相互に連結
した状態にし、これにより壁パネル1は軸組構造の耐力
壁パネルを構成する。
【0013】隣接する各壁パネル1,1の縦枠部材3,
3間を連結するための構成として、例えば図3で示すよ
うに縦枠部材3,3の胴部の対応する位置に、一つ又は
複数個の(図は一つの)ボールト穴3a,3aを穿設し
て互いに連通させ、ボールト穴3a,3aにボールト3
bを挿嵌すると共に、縦枠部材3,3の接合面部に適宜
の糊剤を介装し、ナット3cを介してボールト3bを螺
締し、縦枠部材3,3を一体的に連結する。また他の連
結手段としては、例えば図4で示すように、縦枠部3,
3の長手方向接合部の一方側或いは両側に、適宜の縦長
の凹溝部3e,3eを切欠又は凹溝を点設し、凹溝部3
e,3eに、これに嵌装できる金属薄板3dを埋設して
釘着するか、或いは断面コ字状の金具を嵌装固定して縦
枠部材3,3を互いに連結することができる。さらに、
縦枠部材3,3の接合面に鉛直方向にかすがいを介して
縦枠部材3,3を互いに連結することもできる。(但
し、図示を省略する。)
【0014】隣接する各壁パネル1,1を横架部材1
0,10に連結するための構成としては、壁体空間を形
成する横架部材10,10の内側に上記縦枠部材3,3
のほぞ部2,2を嵌合し得るほぞ穴11,11を設ける
と共に、壁体空間の開口縁部にあたる横架部材10,1
0の表面側にシャクリ面10a,10aを設け、各壁パ
ネル1,1の構造用面材8は壁体空間に壁体枠6を嵌装
させた際に上下端部がシャクリ面10a,10aに嵌め
込まれるように、壁体枠6より上下方向へ僅かに突出し
た状態にしてある。また、構造用面材8の左右両端が取
り付けられる縦枠部材3,3には、当該構造用面材8の
左右両端が嵌め込まれて面一になるように、シャクリ面
9が設けられている。
【0015】壁パネル1を軸組構造の壁体空間に装着す
る際には、横架部材10,10のほぞ穴11,11内へ
隣接する縦枠部材3,3のほぞ部2,2をそれぞれ収嵌
させると共に、横架部材10のシャクリ面10a,10
aに構造用面材8の上下端部を収嵌させ、縦枠部材3,
3の上下端部と横架部材10,10とをかすがい12で
固着し、構造用面材8の上下端部と横架部材10,10
とを粘着或いは釘着など固着手段を用いて連結する。
【0016】これにより、各壁パネル1,1は両側にあ
る縦枠部材3,3の上下端部が横架部材10,10にほ
ぞ部2,2を介して剛接合状態で連結されると共に、隣
接する各壁パネル1,1の縦枠部材3,3は一体化され
て上下の横架部材10,10の間が強固に連結され、こ
の縦枠部材3,3による複合柱は構造用面材と協働して
鉛直荷重に対して、現場で施工される単一柱による主柱
と同等の圧縮性能が得られるので、現場で施工する主柱
の本数を削減することができる。
【0017】なお、上記複合柱は鉛直荷重に対して在来
の軸組構法における単一柱と同等の許容圧縮強度を有す
ることが、下記の通り確認されている。本発明に係る複
合柱について、平成4年2月、信州大学工学部社会開発
工学科による「複合圧縮材としての柱の構造計算と確性
実験」の結果は、「建築基準法施行令第4条の規定にの
っとり、構造計算検討結果は次の通りである。(抜粋)
本構法における柱断面は、2−50×100、べいつが
材長L=2650の両端をほぞ差しとし、材中央で個材
をボルト(M8)止めすると共に、途中2ケ所を釘(N
90)止めして一体化している。さらに、柱には耐力壁
を構成するシージングポートまたは石膏が釘接合されて
いる。 1.比較の対象とするため、通常の在来軸組構法に用い
る単一圧縮材の短期許容座屈荷重を求める。 断面 100×100 材長L=2650 材種 べいつが 短期許容圧縮応力度 fc=130K
g/cm 短期許容座屈応力度 sfk=nfc=0.383×1
30=49.8Kg/cm 従って、柱の短期許容圧縮荷重spkは次の通りとな
る。 spk=sfk・A=49.8×100=4980Kg
=4.98t 2.複合圧縮材(2−50×100)の許容座屈荷重 強軸まわりの短期許容座屈荷重 強軸(X−X軸)まわりの座屈荷重の計算は、単一材と
まったく同じであり、柱の短期許容座屈荷重spk=
4.98tとなる。 3.結論 以上の計算結果から、本構法における柱の許容圧縮荷重
は、通常用いられる単一柱の許容圧縮荷重と同じ値をと
ることができる。」とのことである。
【0018】即ち、先に説明した従来技術の場合には、
縦桟を含む縦枠部材に鉛直荷重が均等に分散した状態で
それぞれ印加されるので、個々の縦枠部材が圧縮荷重に
よって座屈しないだけの耐力を必要とするのに対し、本
発明による上記構造の場合には、ほぞ部2,2を介して
横架部材に連結された縦枠部材3,3に鉛直荷重が集中
的に印加され、この集中荷重の一部が構造用面材8を介
して分散した状態になるので、縦枠部材3,3及び縦桟
(間柱4)が負担する圧縮荷重がそれぞれ軽減され、そ
の結果で許容圧縮荷重が大きくなって座屈に対する耐力
が向上するものと推定される。
【0019】上記壁体パネルの別の実施形態として、図
5、6に示すように、壁体枠6の内郭空間部の適宜の位
置に、建具枠14を結合し、開口面15を設けた壁パネ
ル1aを形成して実施することができる。また、上記壁
体枠6の外側に構造用面材8を配置して壁パネル1を形
成すると共に、別の実施形態として図1、2および図
7、8に示すように、壁体枠6の内郭空間部に断熱材7
を介装した外側に構造用面材8を配置すると共に、壁体
部6の内側に、例えば、塩化ビニールシート16その他
防湿性薄膜および又は、化粧板17を糊着或いは釘着す
ることによって、壁体枠6の内郭空間部に介装した断熱
材7の散逸を妨げると共に、断熱材7の吸湿を少なく
し、結露現象を防止する構成とすることができる。
【0020】上記壁パネル1のさらに別の実施形態とし
て、図9〜11に示すように、例えば建物の隅角部に配
置するすみ柱材13と、これに近接する通し柱材13a
等との間隔のような広がりの狭い壁体面に壁パネル1を
配置するに当っては、壁パネル1の壁体枠6は、一方側
に二つの縦枠部材3,3を隣接して配置することに代
え、一方側に一つの縦枠部材3と他方側に一つの縦枠部
材3とを配置し、両側の縦枠部材3,3と、所定の間柱
を配置した横枠部材5,5とにより壁体枠6aを形成
し、壁体枠6aの内郭空間部に断熱材7を介装して所定
の構造用面材8を結合して、隅角部等狭少壁面用の壁パ
ネル1bを形成し、上記した第1の実施形態における壁
パネル1および第2の実施形態における壁パネル1aな
らびに、壁パネル1bをすみ柱材13や通し柱材13a
等と共に、所要の壁体空間に配置し壁パネルの縦枠部材
を構成要素とする複合柱を軸組構法に組込んで木造建物
を築造することができる。
【0021】上記すみ柱材13や通し柱材13aに沿っ
て壁パネル1bを配置する際には、すみ柱材13や通し
柱材13a等に隣接する壁パネル1bの縦枠部材3に隣
接したすみ柱材13等との接合部の対応位置に、接合部
が直列の場合には、かすがい等の断面がコ字状の金具を
介して互いに結合し、又は接合部が曲折して配置される
場合には、隅角部の適宜の位置に、断面が逆L字状の係
止金具を配置してすみ柱材13等と、壁パネル1bの縦
枠部材3とを結合することが望ましい。
【0022】
【発明の効果】上記した実施の態様でも明らかなよう
に、本発明の木造軸組パネル構造は、縦枠部材と横枠部
材及び間柱で形成された方形の壁体枠に構造用面板を取
り付けた壁パネルを予め工場生産し、この壁パネルを現
場施工された軸組構造の壁体空間にはめ込んで一体に取
り付けることで耐力壁構造を構成し、壁体空間に隣接配
備した壁パネルの縦枠部材を相互に連結すると共に、縦
枠部材の上下端部を躯体部側の横架部材に連結して一体
の複合柱を構成するものである。この木造軸組パネル
では、特に各壁パネルは両側にある縦枠部材の上下端
部が横架部材にほぞ部を介して剛接合状態で連結される
と共に、隣接する各壁パネルの縦枠部材は一体化されて
上下の横架部材の間が強固に連結されている。
【0023】従って、この縦枠部材による複合柱には鉛
直荷重が集中的に印加され、当該鉛直荷重の一部は構造
用面材を介して分散されるので、複合柱と構造用面材と
が協働して鉛直荷重に対して、現場で施工される単一柱
による主柱と同等の圧縮性能が得られるので、現場で施
工する主柱の本数を削減することができる。また、縦枠
部材の上下端部を横架部材に固定支持して拘束した状態
にすることによって実質的に柱スパンが短くなるので、
構造用面材と協働して水平荷重に対する剛性も高く、筋
交いなどの使用を省略することができる。
【0024】壁パネルの構造用面材の縁辺部が、縦枠部
材の内郭角部および隣接する横架部材の内郭角部に設け
たシャクリ面に係合嵌着されているため、壁面に平行方
向の応力に強く、また、軸方向に対するねじれ現象に対
して耐力を具えているので、筋かいを施工せずとも耐震
上効果的であると共に、構造用面材の外表面が柱材及び
横架材等の外面に平行した面一になるので、外壁作業に
おけるメタルラス等の下地作業が容易であり、又モルタ
ル作業も容易で、塗装作業後において亀裂等の発生を防
止できる。
【0025】上記縦枠部材相互の連結手段としては、単
にボールトとナットによる連結もあるが、長手方向に隣
接する二つの縦枠部材の胴部の対向位置において、両部
材の接合面には鉛直方向に沿った凹溝を設け、当該凹溝
に収嵌させたコ字状金物を介して縦枠部材間を互いに連
結することにより、各部材の結合が強固になって上記し
た効果が一段と向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】壁パネルの一部欠截正面図である。
【図2】図1のA−A線における断面図である。
【図3(a)】互いに隣接する縦枠部材の接合部胴部の
対応位置においてボールトを介して結合した状態を示す
一部欠截拡大断面説明図である。
【図3(b)】図3(a)のB−B線における断面図で
ある。
【図4(a)】互いに隣接する縦枠部材の接合部の対応
位置に凹薄を設け、該凹溝に係止用金具を介して結合し
た状態を示す一部欠截拡大側面図である。
【図4(b)】図4(a)のC−C線における断面図で
ある。
【図5】開口部を具える壁パネルの正面図である。
【図6】図5のD−D線における断面図である。
【図7】両側に単一の縦枠部材を配置した狭少面用の壁
パネルをすみ柱材、通し柱材に沿って装着した状態を示
す一部欠截正面図である。
【図8】図7のE−E線における断面図である。
【図9】図8のF部における一部欠截拡大断面説明図で
ある。
【符号の説明】
1 壁パネル 1a 隅角部等狭少面用壁パネル 2 ほぞ部 2b 開口部を具える壁パネル 3 縦枠部材 3a ボールト穴 3b ボールト 3c ナット 3d 金属薄板 3e 凹溝 4 間柱 5 横枠部材 6,6a 壁体枠 7 断熱材 8 構造用面材 9 シャクリ面 10 横架部材 10a シャクリ面 11 ほぞ穴 12 かすがい 13 すみ柱材 13a 通し柱材 14 建具枠 15 開口面 16 シート 17 化粧板

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 左右に立設された縦枠部材と、この縦枠
    部材の上下端部間をそれぞれ連結する態様で水平に架設
    された上下の各横枠部材と、上下端部を上記横枠部材に
    連結する態様で上記縦枠部材と平行に立設された複数の
    間柱とで方形状の壁体枠が形成され、この壁体枠の一方
    面には上下端部が上記横枠部材より上下方向へ突出する
    態様で構造用面材が取り付けられ、上記縦枠部材の上下
    端部には上記横枠部材より突出する態様でほぞ部を垂直
    に延在させて一体の壁パネルが構成され、上記壁パネルは、左右に立設された各柱材間を上下平行
    に架設した横架部材で連結して現場施工で軸組みされる
    躯体部側に、下側の横架部材に穿設したほぞ穴に縦枠部
    材の下端部から突出するほぞ部を嵌装し、縦枠部材の上
    端部から突出するほぞ部に上側の横架部材に穿設したほ
    ぞ穴を嵌装して、上記柱材と横架部材とが形成する方形
    枠状の壁体空間に組み込み、この組み込む壁パネルは
    記横枠部材を上記横架部材の内側に嵌装させると共に、
    上記構造用面材の上下端部を上記壁体空間の開口縁部に
    当接する態様で複数枚を躯体部側へ並列状に被着させ、
    上記横架部材に対して上記縦枠部材のほぞ部及び上記構
    造用面材の上下端部を一体に連結し且つ、隣接配備させ
    た各壁パネルの縦枠部材間を一体に連結し、この連結し
    た縦枠部材が軸組構造の複合柱を構成することを特徴と
    した木造軸組パネル構造
  2. 【請求項2】 上記横架部材には、上記構造用面材の上
    下端部が面一の状態で収嵌されるシャクリ面を設けた請
    求項1に記載した木造軸組パネル構造
  3. 【請求項3】 長手方向に隣接する二つの縦枠部材の胴
    部の対向位置において、両部材の接合面には鉛直方向に
    沿った凹溝を設け、当該凹溝に収嵌させたコ字状金物を
    介して縦枠部材間を互いに連結した請求項1又は請求項
    2に記載した木造軸組パネル構造
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