JP4673352B2 - ツーバイフォー木造構造物の製造方法及びツーバイフォー木造構造物 - Google Patents

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Description

本発明は、枠組み壁工法を基準とし、これに在来工法の長所を取り入れた、全く新たな着想に基づくツーバイフォー木造構造物の製造方法及びツーバイフォー木造構造物に関するものである。
現在の日本の木造構造体は、軸組み工法(在来工法)と枠組み壁工法(ツーバイフォー工法)との2種類に大別される。
軸組み工法は、例えば特許文献1等に示されるように、土台、柱、桁、筋違いで家の骨組みを造る工法であり、土台、大引きで造られる水平面に対し、間柱、通し柱が垂直面の骨組みを構成し、さらにその上に梁や桁が組まれ、棟木を頂点として屋根が載せられる。各所にはそれぞれに適した木材が用いられ、使われる部分によって材の太さや長さはまちまちである。
一方、枠組み壁工法は、例えば特許文献2の図9等に示されるように、枠材と面材が一体となった床面や壁面で建物を造る工法であり、標準規格のツーバイフォー材を使って枠組を作り、これに面材を貼ったパネルで壁、床、天井の6面を構成するようにしている。
つまり、軸組み工法が柱や梁などの軸組材(線材)で構造躯体を構成するのに対して、枠組み壁工法では枠状に組まれた木材に合板を張った壁や床(面材)で構造躯体を構成する点で、両者は根本的に異なっている。
特開2007−169883号公報 特開2002−129685号公報
しかしながら、両者には、下記のような利害得失がある。
先ず、軸組み工法は、例えば40坪程度の住宅であれば骨組みだけ作って一日で屋根を塞ぐことが可能であり、施工コストが低く、耐久性に優れ、木材を組まずに輸送するため輸送コストも低いというメリットがある。しかし、耐震性、断熱性に劣り、三階建てになるとより高い強度が要求されることから付加的な補強構造によってコストが跳ね上がるという欠点があり、材の無駄も多くなる。
一方、枠組み壁工法は、耐震性に優れ気密、断熱が容易で性能も高いというメリットがある。しかし、壁や床、天井を現場で作成しつつこれらで6面を張ってからでないと2階より上の施工に掛かれないため、上棟時の屋根を塞ぐまでに時間を要し、工期が長くなって、それに応じた施工コストを要するという欠点がある。また、現場組みになると設備や天候の影響を受け易くなるため、施工日程が更に延びて上記のコストが跳ね上がり、また材料が濡れることで養生費用等も別途掛かってくる欠点がある。さらに、材そのものが多いため、材料コストも嵩む欠点もある。近年では、予め現場以外の場所でパネルを作成して現場に搬入する手法を採用する場合が多くなっており、現場でパネルを作成する手間は多少省けるが、壁や床、天井の6面を張ってからでないと2階より上の施工に掛かれない点に変わりはないため、軸組み工法に比べて屋根を塞ぐまでに要する時間は依然として長く、更にプレカットや組立のための工場設備が別途必要になる上に、パネルは内部が中空であって材自体に比して体積が嵩むため、輸送コストが大幅に跳ね上がる欠点もある。
本発明は、枠組み壁工法に立脚しつつ、双方の持つ欠点の解消と双方の持つ利点の融合とを両立させることを目的としている。
本発明は、かかる目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。
すなわち、本発明に係るツーバイフォー木造構造物の製造方法は、柱、桁及び架材からなる仮設の骨組みを、骨組みとして必要最小限のツーバイフォー材を用いて構成するものであって、前記柱については、1階に基準モジュール材を用いて軸組工法よりも少ない数の柱を立て、柱の上には桁を掛けて1階の枠組み壁となる部位の骨組みを構成し、その桁に架材を渡して2階の床となる部位の骨組みを構成し、更に前記桁の上に基準モジュール材を用いて軸組工法よりも少ない数の2階部分に相当する柱を立て、柱の上に更に桁を掛けて2階の枠組み壁となる部位の骨組みを構成するという具合に、各階の骨組みを下から上に構成し、上棟後に先に屋根を塞いで、その後に、ツーバイフォー本来の施工には用いない前記柱ともども前記仮設の骨組みを残したままで、前記桁や前記架材を胴差しや頭つなぎ、根太としてそのまま用い、柱と桁で囲まれる開口部に、先に枠材を含むパネル構体を柱及び桁に密着させて嵌め込み、そのパネル構体に対して面材を取り付けて開口を閉止することによってツーバイフォーの構造躯体となる枠組み壁を作り込むようにしたことを特徴とする。
このような製造方法であると、屋根を塞ぐまでの工程を軸組み工法に準じた建て方で行うことができる。そして、立壁等を順次施工するよりも骨組を先行させるので、上棟して屋根を塞ぐまでの作業時間を確実に短縮することができる。
しかも、材の規格がまちまちである軸組みとは違い、本実施形態は基準モジュール材を用いて骨組みを構成しているため、柱には組付場所によらずに共通の材を用いることができ、桁にも組付場所によらずに共通の材を用いることができ、梁にも組付場所によらずに共通の材を用いることができる。このため、使用位置によって材を取り違えることもなく、材が余れば次の施工時に使用できるために無駄が生じることもない。
一方、本発明に係るツーバイフォー木造構造物は、必要最小限のツーバイフォー材を用いた柱、桁および架材からなる骨組を有し、前記柱については、平面における四隅に主たる柱が、またその間に軸組み工法において規定される管柱のピッチよりもピッチを広くとって骨組みとして必要最小限の中間柱が、ともに共通の基準モジュール材を用いて各階ごとに立てられ、各階において柱と桁で囲まれる開口部に、前記桁を胴差しや頭つなぎとして用いてツーバイフォーの構造躯体となる枠組み壁が作り込まれ、前記架材を前記桁にころび止めを用いず連結具により直接連結して根太として用いていることを特徴とする。
このような木造構造物であると、一部に軸組的な構造を取り入れつつも、開口部に立壁を作り込むので、組壁としてのメリットである耐震性や気密性等を有効に確保することができる。
本発明は、従来の枠組み壁工法及びその構造の一部に軸組み工法及びその構造を採り入れることによって、枠組み壁工法の利点を生かしつつ、上棟までに要する期間を軸組み工法と同等程度までに短縮することができるなど、双方のもつ欠点を解消しつつ、双方の持つ性能、コスト面での優れたところを融合させた、新規有用なツーバイフォー木造構造物の製造方法及びツーバイフォー木造構造物を新たに提供することが可能となる。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る製造方法に基づいて建て方が概ね終わった段階を示している。この実施形態は、ツーバイフォーには存在しない概念である柱11、12、桁2及び架材3からなる仮設の骨組みを必要最小限の材を使って先ず構築し、図1の状態から先に小屋組4の屋根を塞いだ後に、骨組みを残したままで図2→図3に示すようにツーバイフォーの構造躯体となる枠組み壁6等を作り込んでいくようにしている。
図1において、土台Aの上には平面における四隅に1階部分に相当する主たる柱11が、またその間に通常の管柱よりもピッチを広くとって(例えば1間半程度)必要最小限の中間柱12が立てられ、土台Aには大引きBなどの床となる骨組みが掛けられる。柱11、12の上には胴差しに相当する桁2が掛けられて枠組み壁となる部位の骨組みが、またその桁2には梁や根太に相当する架材3が渡されて2階の床となる部位の骨組みが作られる。
胴差しに相当する桁2の上には更に四隅に2階部分に相当する主たる柱11が、またその間に必要最小限の中間柱12が立てられ、柱11の上にはさらに軒桁に相当する桁2が掛けられるなどして、枠組み壁となる部位の骨組みが作られる。
3階建て若しくはそれ以上の場合には、柱11、12、桁2及び架材3からなる骨組みが更に2階の骨組みの上に作り込まれる。
小屋組4は、架材3の上に図示しない束を立てて棟木を渡し、垂木41等を架けて、屋根を塞ぐことにより完成される。
通常、軸組み工法では、最上階の軒桁2まで通る通し柱が平面の四隅に置かれるが、この実施形態では柱11、12は各階分ごとに共通の基準モジュール材を用いており、通し柱は存在しない。
この実施形態の基準モジュール材には、主としてツーバーフォー材が用いられる。ツーバイフォー材には、周知のように、ツーバイフォー(2×4)、ツーバイシックス(2×6)、ツーバイエイト(2×8)、ツーバイテン(2×10)、ツーバイトゥエルブ(2×12)、フォーバイフォー(4×4)などが含まれ、例えば柱11、12には4×4、架材3には2×10などというふうに、各部位に適宜の基準モジュール材を用いる。軸組み工法の胴差しに相当する桁2など、軸組み工法で用いる角材をそのまま利用できる部分は、それを基準モジュール材として使用している。
図4は壁に相当する部分の構造を示している。柱11、12の上には胴差しに相当する桁2が直接載せ置かれ、桁2の側面には架材3の端面が突き当てられて、ツーバイフォー用の連結具(金具)51により連結されている。図5及び図7は従来の枠組み壁工法の構造図であり、この場合は工場等で枠材と面材から作られたパネル101が現場に搬入されて基準格子面に沿って並べられ、その上枠101aを2×4の頭つなぎ101bで連結して、その頭つなぎ101bの上に2×10の胴差し102が外側に変位させて載せ置かれる。頭つなぎ101bは少なくともパネル101,101同士をコーナー部分で連結する際に不可欠であるとともに、パネル101,101同士を面一に連結する箇所においても同様に必要となるものである。内側には2×10のころび止め103aを介して2×10の架材103が位置決め状態で頭つなぎ101bの上に載せ置かれる。これに対して、図4に示す本実施形態の施工方法では、柱11、12の上にパネル厚み相当(2×10の合わせ材でもよい)の桁2が直接隣接し、この桁2に2×10の架材3が金具51によって直接連結されている。
このように軸組み的に構成した図1の骨組みに対して、上棟により先に屋根を塞いだ後、1階であれば柱11、12(或いは柱12、12)と桁2と土台Aで囲まれる開口部Oに、2階であれば柱11、12(或いは柱12、12)と上下の桁2とで囲まれる開口部Oに、図2→図3に示すようにパネル構体61とパネル材62とからなる立壁6を作り込んでいく。立壁6の作り込みに際しては、図2に示すように開口部Oに上枠材61a、下枠材61b、側枠材(縦枠材)61cならびにスタットと称される仕切材(縦枠材)61dから構成されるパネル構体61を嵌め込んで、このパネル構体61に図3に示すコンパネ(コンクリート型枠用合板)等の面材62を取り付けることによって開口を閉止する。枠材61a、61b、61c、61dは順次開口部O内に取り付けて最終的にパネル構体61を構成してもよい。このようにして構成される立壁6は、図4及び図6(a)、(b)に示すように、枠材61a、61b、61cが桁2や土台A、柱11、12などに密着し、枠材61a、61b、61cには面材62による面が張られて、所要の面剛性が確保されることとなる。
図8は図2の変形例を示している。図2では、812mmないし910mm程度の離間距離Lにある柱11、12間(或いは柱12、12間)に縦枠材61cおよび1本の仕切材61dを挿入して柱間を406mmピッチないし455mmピッチで2分する例を示したが、場所により、或いは構造物によっては、柱11、12間(或いは柱12、12間)が最長で図8のように2730ないし3000mmの離間距離Lをとる場所があり、このような場合には柱間に縦枠材61cとともに所要個数の仕切材61dを406mmピッチないし455mmピッチで挿入する。既述したように枠材61cや仕切材61dは屋根を塞いだ後に取り付けられるため、柱間が広いほど上棟に必要な柱の数が少なくなり、上棟までの時間がより短縮されることとなる。柱は仮設であって軸組み構造ほどの強度を要しないため、必要に応じて間引くことができる。なお、上記の数値は1つの例に過ぎず、これより広い場合もあれば狭い場合もあり得る。
1階や2階の床となる骨組み部位にも、建前が終わってから合板等の面材が張られ、天井部分にも面材が張られて、一般の工法の場合と同様、6面がパネルで囲まれたツーバーフォー構造が実現される。
図9は直交する桁(胴差し)2、2同士の仕口を示しており、合いじゃくりなどの凹凸部20aにおいて桁2、2同士を嵌め合わせた後、連結具20bによって両者を連結している。このような軸組み工法と同様の合いじゃくり構造を枠組み壁構造の中に利用する場合においても、既に工場等でNC工作機等を使って簡単にプレカット可能なものであれば、それを利用することが有用である。
いずれにせよ、材の規格がまちまちである軸組みとは違い、本実施形態は基準モジュール材を用いるため、柱11、12には組付場所によらずに共通の材を用いることができ、桁2にも組付場所によらずに共通の材を用いることができ、梁3にも組付場所によらずに共通の材を用いることができる。このため、使用位置によって材を取り違えることもなく、材が余れば次の施工時に使用できるために無駄が生じることもない。
この実施形態ではツーバイフォーには存在しない概念である柱11、12、桁2、架材3からなる仮設の骨組みを利用するが、桁2はツーバイフォー工法において胴差しとして必要なものであり、架材3もツーバイフォー工法において根太として必要なものであり、従来のツーバイフォー工法に比して必要最小限の柱11、12が新たに残ることとなるが、逆に頭つなぎやころび止めが不要となるため、トータルで材の増加となることはない。
そして、柱11、12は枠組み壁となる立壁6等を組んだ後に、これらと一体となって壁強度の向上に資するものとなる。
以上のように、本実施形態に係るツーバイフォー木造構造物の製造方法は、建前に必要な柱11、12、桁2及び架材3からなる仮設の骨組みを必要最小限のツーバイフォー材を用いて軸組み的に構成し、柱11、12については軸組工法よりも少ない数の柱を立て、上棟後に先に屋根を塞いで、その後に、ツーバイフォー本来の施工には用いない前記柱11、12ともども前記仮設の骨組みを残したままで、柱11、12(或いは12、12)と桁2などで囲まれる開口部Oに、ツーバイフォーの構造躯体である枠組み壁となる立壁6を作り込むようにしたものである。
このように、屋根を塞ぐまでの工程を軸組み工法に準じた建て方で行うようにしており、立壁等を順次施工するよりも骨組を先行させるので、上棟して屋根を塞ぐまでの作業時間を確実に短縮することができ、枠組み壁工法であってもほぼ1日の作業で屋根を塞ぐまでの作業を完了することができる。すなわち、その後の作業は屋根の下で行え、作業の便が向上するとともに、雨に晒される期間を短縮して養生等を必要最小限に抑えることができる。
枠組み壁となる立壁6の作り込みに際しては、開口部Oに枠材61a〜61cを含むパネル構体61を嵌め込み、そのパネル構体61に面材62を取り付けるようにしているため、枠組み壁を積み上げていかずとも、屋根を塞いだ後に事後的に枠組構造を実現する手立てを有効に与えることができる。
また、床となる部分は、屋根を塞いだ後に面材を張るなどして作り込むようにしているので、屋根を塞ぐまでの作業時間を更に短縮することができる。
一方、構造物として見た場合、必要最小限のツーバイフォー材を用い所定格子面に沿って配置した柱11、12、桁2および架材3からなる軸組み的な骨組を有し、柱11、12については、平面における四隅に主たる柱11が、またその間に軸組み工法において規定される管柱のピッチよりもピッチを広くとって必要最小限の中間柱12がそれぞれ立てられ、その柱11、12と桁2などで囲まれる開口部Oに、ツーバイフォーの構造躯体である枠組み壁となる立壁6が作り込まれているため、一部に軸組的な構造を取り入れつつも、枠組み壁としてのメリットである耐震性や気密性等を有効に確保することができる。
また、直交する桁2、2同士の仕口が凹凸部20aで嵌め合わされて連結具20bによって連結されているため、桁(胴)回りを強固に連結することができ、従来の枠組み壁工法よりも高い強度を得ることができる。
立壁6は、開口部Oに緊密に嵌め込まれるパネル構体61と、このパネル構体61に取り付けられる面材62からなり、パネル構体61は、上枠材61a、下枠材61b及びこれら上枠材61aと下枠材61bの間を接続する複数の縦枠材61c、61dからなっており、これら複数の枠材61a〜61dからなるパネル構体61に面材62が張られることによって立壁6の面強度が得られ、パネル構体61の周囲は柱11、12や桁2と密着して一体をなすため、立壁6、6同士は柱11、12や桁2を介して組み合って枠組み壁を適切に構成することとなる。
さらに、パネル構体61を構成する上枠材61aの上に桁2が直接添設しているため、個々のパネル101をコーナー部や面一接続部分などにおいて頭つなぎ101bで連結する従来の枠組み壁工法に比して、桁2あるいは上枠材61aが頭つなぎの役割をなすため、頭つなぎのような余分な材を不要とすることができ、工数も省くことができる。
また、胴回りとなる桁に、立壁6の厚みにほぼ等しい肉厚が確保され、桁2と架材3との突合せ部分がころび止めを用いずに連結具51を用いて直接位置決め連結されているため、上下の壁の間が外回りの梁の強度だけで保たれている従来の枠組み壁工法に比して、胴回りにより高い強度を得ることができる。
なお、図10〜図12は、本発明の木造構造物やその施工方法に好適に利用できる部材連結構造を示している。図10(a)では、部材201、202同士の接続部分において、一方の部材201の上面側に段部201aを形成し、他方の部材202の下面側に段部202aを形成し、両部材201、202の段部201a、202a同士を同図(b)に示すように重ね合わせて立面同士を突き合わせた状態で、両段部201a、202aにまたがる位置に配したボルト等の止着具203によって部材201、202同士を連結するようにしたものである。
このような連結構造にすると、複雑な合いじゃくり部分がなく、工場でのプレカットや現場での高い熟練による加工作業が不要となるため、現場にて比較的簡単な作業のみで適切に段部201a、202aを加工して部材201、202同士の連結を行うことができる。特に、桁や梁などの部材は、最終的には立壁や床などの隣接部材204が段差の重合部分を上下から挟み込むように添設してくぎ又はビス止めされるので、部材201、202の嵌め合い構造は簡素であっても、的確な連結状態が得られることとなる。連結は同図(c)のように部材201、202同士の側面に当てがう帯金物などの止着具203aで行ってもよい。これらの適用先としては、同図(d)に示すような桁同士あるいは梁同士の連結箇所、同図(e)に示すような土台同士あるいは大引き同士の連結箇所などが挙げられる。あるいは、上記のような部材201、202同士の長手方向の連結以外に、図11(a)に示すように交差する部材201、202同士の仕口であってもよい。仕口部分は同図(b)に示すようにくぎ又はビス等の止着具203bで止着される。適用先としては、同図(a)、(b)に示すような土台と大引きの連結箇所など以外に、同図(c)に示すような桁と桁、桁と梁の連結箇所などが挙げられる。図9の合いじゃくり部分もこのような構造に置換することができる。
また、図12では、端面同士を突き合わせた部材301、302同士の長手方向の接続部分において、両部材の直交3面に同時に添設する板状のジョイント部材303を同図(a)→(b)に示すように部材301、302間にまたがって配置し、各部材301、302をそれぞれジョイント部材303に止着具304を用いて止着することにより、部材301、302同士をジョイント部材303を介して長手方向に間接的に連結するようにしたものである。このようにしても、図10や図11の場合に準じた作用効果が得られ、特にこれによれば部材301、302に対する加工自体も殆ど要しないものとなる。適用先としては、同図(a)や(b)に示すように土台や大引きを長手方向に継ぎ足していく箇所のほか、同図(c)に示すように桁や梁を長手方向に継ぎ足していく箇所等が挙げられる。
以上に述べた形態等を通じて実施される本発明を総括すると、木造枠組み工法に木造軸組み工法の長所を取り入れた工法であり、今までの枠組み壁工法と比較して施工スピード、施工コスト、強度、性能を同等またはより向上させた画期的な工法となり得る。そして、現在においては圧倒的なシェアを誇る木造軸組み工法と比較しても、平屋や二階建てのコストをほぼ同等にすることができる。
すなわち、通常の木造枠組み壁工法は、機密性、耐震性、断熱性は高いものの、木造軸組み工法と比較して、施工期間が掛かり施工コストも掛かるために普及し難いものであったが、本発明によれば、そのような短所を有効に解消できるため、木造枠組み工法の飛躍的な普及を期待することができる。
特に、このような木造枠組み壁工法の一番の長所を発揮できるのが、木造三階建て構造物である。通常木造軸組み壁工法では3階建ての場合、壁倍率があまり出ないため筋交い、構造用合板、金本を多用しなければならず、3階建てになると枠組み工法と同じくらいのコスト(2階立ての坪単価と比較して1.3倍以上のコスト)が掛かる。枠組み壁工法は2階建てから3階建てになってもあまりコストが上がることはないが、元々コストが高いために普及しない。これらに対して、本発明によると、通常の木造軸組み工法、木造枠組み工法と比較して、30%近くコストを落として施工することが可能であり、特に3階建ての多い都心部や狭小地では極めて利用価値の高いものとなり得る。
なお、各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。また、図10〜図12の部材連結構造は、従来の軸組み工法や枠組み壁工法、或いはそれらの構造物においても同様に適用できるのは言うまでもない。
本発明の一実施形態において、建前が終わった状態を示す斜視図。 同実施形態における立壁の作業工程を示す図。 同実施形態における立壁の作業工程を示す図。 同実施形態における立壁の作業工程を示す図。 従来の枠組み壁工法による場合の図4に対応した図。 同実施形態における立壁周囲の構造を示す図。 従来の枠組み壁工法による場合の図6に対応した図。 図2の変形例を示す図。 同実施形態における桁同士の連結構造を示す図。 同実施形態に好適に利用できる部材連結構造を示す図。 図10の変形例を示す図。 同実施形態に好適に利用できる他の部材連結構造を示す図。
11、12…柱
2…桁
3…架材
6…立壁
20a…凹凸部
61…パネル構体
61a…上枠材
61b…下枠材
61c…縦枠材(側枠材)
61d…縦枠材(仕切材)
62…面材
O…開口部

Claims (2)

  1. 柱、桁及び架材からなる仮設の骨組みを、骨組みとして必要最小限のツーバイフォー材を用いて構成するものであって、前記柱については、1階に基準モジュール材を用いて軸組工法よりも少ない数の柱を立て、柱の上には桁を掛けて1階の枠組み壁となる部位の骨組みを構成し、その桁に架材を渡して2階の床となる部位の骨組みを構成し、更に前記桁の上に基準モジュール材を用いて軸組工法よりも少ない数の2階部分に相当する柱を立て、柱の上に更に桁を掛けて2階の枠組み壁となる部位の骨組みを構成するという具合に、各階の骨組みを下から上に構成し、上棟後に先に屋根を塞いで、その後に、ツーバイフォー本来の施工には用いない前記柱ともども前記仮設の骨組みを残したままで、前記桁や前記架材を胴差しや頭つなぎ、根太としてそのまま用い、柱と桁で囲まれる開口部に、先に枠材を含むパネル構体を柱及び桁に密着させて嵌め込み、そのパネル構体に対して面材を取り付けて開口を閉止することによってツーバイフォーの構造躯体となる枠組み壁を作り込むようにしたことを特徴とするツーバイフォー木造構造物の製造方法。
  2. 必要最小限のツーバイフォー材を用いた柱、桁および架材からなる骨組を有し、前記柱については、平面における四隅に主たる柱が、またその間に軸組み工法において規定される管柱のピッチよりもピッチを広くとって骨組みとして必要最小限の中間柱が、ともに共通の基準モジュール材を用いて各階ごとに立てられ、各階において柱と桁で囲まれる開口部に、前記桁を胴差しや頭つなぎとして用いてツーバイフォーの構造躯体となる枠組み壁が作り込まれ、前記架材を前記桁にころび止めを用いず連結具により直接連結して根太として用いていることを特徴とするツーバイフォー木造構造物。
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