JP2003086032A - Nb3Sn系超電導線材 - Google Patents

Nb3Sn系超電導線材

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JP2003086032A
JP2003086032A JP2002234170A JP2002234170A JP2003086032A JP 2003086032 A JP2003086032 A JP 2003086032A JP 2002234170 A JP2002234170 A JP 2002234170A JP 2002234170 A JP2002234170 A JP 2002234170A JP 2003086032 A JP2003086032 A JP 2003086032A
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alloy
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superconducting wire
copper
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Genzo Iwaki
源三 岩城
Morio Kimura
守男 木村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 超電導マグネットに用いた場合、マグネット
運転時の半径方向の力に対しても十分な強度を有すると
ともに、その半径方向の力に起因する機械的歪みによる
特性劣化の少ないNb3 Sn系超電導線材を提供する。 【解決手段】 銅(Cu)−スズ(Sn)系合金マトリ
ックス中に多数本のニオブ(Nb)またはニオブ合金フ
ィラメントを配設してなるブロンズ/フィラメント集合
体を備えたNb3 Sn系超電導線材において、ブロンズ
/フィラメント集合体3' を構成する前記ニオブまたは
ニオブ合金フィラメントを、Nb3 Sn系超電導化合物
生成熱処理を施した後の室温以下の温度条件における機
械的強度が前記ニオブまたはニオブ合金よりも大である
フィラメント補強材によって複合化された複合フィラメ
ントにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、Nb3 Sn系超電
導線材に関し、特に、超電導マグネットに用いた場合、
マグネット運転時の半径方向の力に対しても十分な強度
を有するとともに、その半径方向の力に起因する機械的
歪みによる特性劣化の少ないNb3 Sn系超電導線材に
関する。
【0002】
【従来の技術】Nb3 Sn系超電導線材は、約25Tの
臨界磁界特性を有し、10T以上の超電導マグネットに
広く使用されている。しかしながら、Nb3 Sn等の化
合物超電導線材は、機械的な歪みを受けることにより特
性、特に臨界電流特性が劣化するという欠点を有する。
超電導マグネットでは、マグネットの磁界と通電電流に
よって常にマグネット内の超電導線材には電磁力が作用
し線材に機械的な歪みが生ずる。
【0003】また、Nb3 Sn系超電導線材による超電
導マグネットは、最終的に、600〜750℃で長時間
のNb3 Sn系化合物生成熟処理によって形成されるた
め、一般的なNb3 Sn系超電導線材では十分な強度が
得られなかった。
【0004】このため、Nb3 Sn系超電導線材による
超電導マグネットの設計においては、電磁力の作用によ
る線材の特性変化を考慮した複雑な設計を必要とするた
め、高強度特性を有するNb3 Sn系超電導線材の出現
が要望されている。
【0005】図5は、従来のNb3 Sn系超電導線材の
構成を模式的に示す断面図である。図5に示すように、
Nb3 Sn系超電導線材の高強度化の方法として、銅−
スズ系合金マトリックス中に多数本のNbまたはNb合
金フィラメントを配設してなる集合体3を有し、その外
周に安定化銅1および拡散バリア2を有する、いわゆる
ブロンズ法Nb3 Sn系超電導線材の断面中心に中心補
強材4としてTaを配設した超電導線材が提案されてい
る(T. Hase et al., Bronze Rroute Conductors for 1
GHz NMR Superconducting Magnet, IEEE Trans. Appl.
Supercond. Vol 10. No. 1, pp965-970(2000))。集合
体3は、銅−スズ系合金管に多数本のNbまたはNb合
金フィラメントを挿入してこれに縮径加工を施すことに
より製造される。
【0006】一般に、超電導マグネットでは、電磁力に
より巻線内の超電導線材に機械的な力が軸方向および半
径方向に作用するが、このうち、軸方向の力による歪み
に対しては、超電導線材の軸方向強度を高めた前記提案
で対処可能である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記提
案の線材では、半径方向の強度は、補強材が無い線材と
同等であるため、半径方向の力による歪みによる超電導
線材の特性、特に臨界電流特性の劣化が起きやすいとい
う問題があった。
【0008】従って、本発明の目的は、超電導マグネッ
トに用いた場合、マグネット運転時の半径方向の力に対
しても十分な強度を有するとともに、その半径方向の力
に起因する機械的歪みによる特性劣化の少ないNb3
n系超電導線材を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、以下のNb3 Sn系超電導線材を提供する
ものである。 [1] 銅(Cu)−スズ(Sn)系合金マトリックス
中に多数本のニオブ(Nb)またはニオブ合金フィラメ
ントを配設してなるブロンズ/フィラメント集合体を備
えたNb3 Sn系超電導線材において、前記ブロンズ/
フィラメント集合体を構成する前記ニオブまたはニオブ
合金フィラメントは、Nb3 Sn系超電導化合物生成熱
処理を施した後の室温以下の温度条件における機械的強
度が前記ニオブまたはニオブ合金よりも大であるフィラ
メント補強材によって複合化された複合フィラメントで
あって、前記複合フィラメント径が15μm以下である
ことを特徴するNb3 Sn系超電導線材。
【0010】[2] 前記フィラメント補強材は、タン
タル(Ta)、タンタル合金、タングステン(W)、タ
ングステン合金、ニオブ(Nb)、ニオブ合金、チタン
(Ti)、チタン合金、モリブデン(Mo)、モリブデ
ン合金、バナジウム(V)、バナジウム合金、ジルコニ
ウム(Zr)、ジルコニウム合金、ハフニウム(H
f)、およびハフニウム合金からなる群から選ばれる少
なくとも1種の金属からなるものであることを特徴とす
る前記[1]に記載のNb3 Sn系超電導線材。
【0011】[3] 前記複合フィラメントは、前記ニ
オブまたはニオブ合金フィラメントに対する前記フィラ
メント補強材の体積分率が、0.05〜0.8であるこ
とを特徴とする[1]に記載のNb3 Sn系超電導線
材。
【0012】[4] 前記複合フィラメントを形成する
ニオブまたはニオブ合金と銅−スズ系合金マトリックス
との体積比は、0.8〜2.5であり、かつ前記複合フ
ィラメントと銅−スズ系合金マトリックスとの体積比
は、0.3以下であることを特徴とする[1]に記載の
Nb3 Sn系超電導線材。
【0013】本発明は、上記[1]〜[4]の構成とし
たので、超電導マグネットに用いた場合、マグネット運
転時の半径方向の力に対しても十分な強度を有するとと
もに、その半径方向の力に起因する機械的歪みによる特
性劣化の少ないNb3 Sn系超電導線材を提供すること
ができる。
【0014】すなわち、前記ニオブ(Nb)またはニオ
ブ合金フィラメントを前記補強材によって複合して複合
フィラメントとし、かつ前記複合フィラメントにおける
前記フィラメント補強材の体積分率を、特定範囲のもの
としたので、Nb3 Sn系超電導化合物生成熱処理(6
00℃〜750℃で10時間以上)においても、フィラ
メント中のニオブ(Nb)またはNb合金の拡散または
化合物の生成等の反応が起きにくく、かつ機械的強度の
低下を抑えることできる。
【0015】また、Nb3 Sn系超電導線材として機械
的強度が向上することで、Nb3 Sn系化合物熱処理後
に巻線する、いわゆるReact & Wind法の適用
可能性を高めることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面を参照しつつ具体的に説明する。
【0017】図1は、本発明のNb3 Sn系超電導線材
の一実施形態を模式的に示す断面図である。図1に示す
ように、本発明のNb3 Sn系超電導線材は、集合体
3'(図5における集合体3に対応)を構成する前記ニ
オブまたはニオブ合金フィラメントとして、Nb3 Sn
系超電導化合物生成熱処理を施した後の室温以下の温度
条件における機械的強度が前記ニオブまたはニオブ合金
よりも大であるフィラメント補強材によって複合化され
た複合フィラメントを使用する。また、複合フィラメン
トから構成される集合体3' の外周には、安定化銅1お
よび拡散バリア2が設けられている。
【0018】図1における安定化銅1と複合フィラメン
ト集合体3’の配置が逆転した構造であってもよい。安
定化材は、図1では銅の場合を示したが、アルミニウム
(Al)またはアルミニウム合金であっても差し支えな
い。また、本発明の超電導線材の断面形状は、図1では
円形断面を示したが、矩形断面であっても全く同様の効
果が得られる。
【0019】安定化材の複合比率は、線材の強度に影響
を与える。安定化材の複合比率が適切でない場合、本願
発明の効果が現われないため、本願発明における安定化
材と非安定化材の体積比は、4.0以下が望ましい。
【0020】一方、Nb3Sn系超電導線材により製作
される超電導マグネットは、通常、巻線後に熱処理す
る、いわゆるWind & React法が用いられる。
この方法では、巻線前にガラス繊維またはセラミック繊
維等からなる絶縁層を被覆する必要がある。この絶縁層
によってコイル内の線材占積率が低下するため、本発明
の線材直径(矩形断面の場合は相当直径)は、0.7m
m以上が好ましい。
【0021】図2は、本発明に用いられる複合フィラメ
ントの一実施形態を模式的に示す断面図である。図2に
示すように、複合フィラメント5は、上述のように、ニ
オブまたはニオブ合金6と、Nb3 Sn系超電導化合物
生成熱処理を施した後の室温以下の温度条件における機
械的強度が前記ニオブまたはニオブ合金よりも大である
フィラメント補強材7とを複合化したものである。
【0022】図2は、複合フィラメントがニオブまたは
ニオブ系合金6と補強材7の2層から形成された場合の
実施形態を示したものであるが、補強材7は、本発明の
フィラメント補強材に適用可能な金属またはその合金の
中から選ばれた複数のものから構成されたものであって
もよい。
【0023】図3は、本発明に用いられる複合フィラメ
ントの他の実施形態を模式的に示す断面図である。図3
に示すように、同様のフィラメント補強材7をニオブま
たはニオブ合金6中に、分散させた分散型のものであっ
てもよい。
【0024】フィラメント補強材7としては、前記Nb
3 Sn系超電導化合物生成熱処理を施した後の室温以下
の温度条件における機械的強度がニオブ(Nb)または
ニオブ合金よりも大であるものであれば特に制限はない
が、例えば、タンタル(Ta)、タンタル合金、タング
ステン(W)、タングステン合金、ニオブ(Nb)、ニ
オブ合金、チタン(Ti)、チタン合金、モリブデン
(Mo)、モリブデン合金、バナジウム(V)、バナジ
ウム合金、ジルコニウム(Zr)、ジルコニウム合金、
ハフニウム(Hf)、およびハフニウム合金からなる群
から選ばれる少なくとも1種の金属からなるものを好適
例として挙げることができる。
【0025】また、複合フィラメントにおけるフィラメ
ント補強材の体積分率は、通常0.05〜0.65であ
る。0.05未満であると、横方向の負荷により臨界電
流の劣化が生じ易く、0.65を超えると、臨界電流特
性の水準が低く、実用性に欠ける。
【0026】ところで、React & Wind法を適
用したマグネットとして、寒剤に液体ヘリウムを使用し
ない、冷凍機による伝導冷却マグネットへの応用が想定
される。伝導冷却マグネットでは、マグネット励磁にお
ける巻線部の発熱が冷凍機の冷却能力を下回らないと装
置として成り立たなくなるのはいうまでもない。マグネ
ットの励磁における巻線部の発熱の主因は、超電導線材
のヒステリシス(履歴)損失であり、このヒステリシス
損失はフィラメント径に比例する。本発明におけるフィ
ラメント径は、複合フィラメント径と等しく、複合フィ
ラメント径を15μm以下とする必要がある。
【0027】本発明において、臨界電流特性と強度は、
トレード・オフの関係にあり、本発明の主眼とする線材
半径方向歪に対する臨界電流劣化を低く抑えるために複
合フィラメントの補強材複合率を高くすると、必然的に
Nb3Sn系超電導化合物生成に寄与する銅−スズ系合
金を核とする複合フィラメント中のニオブまたはニオブ
合金の割合が低下し、臨界電流が低下する。これを防
ぎ、実用性十分な臨界電流特性を得るためには、Nb3
Sn系超電導化合物生成に関与する複合フィラメントの
ニオブまたはニオブ合金と銅−スズ系合金マトリックス
との体積比を最適化し、無駄な銅−スズ系合金の割合を
低くしなければならない。その最適範囲として0.8以
上2.5以下が好ましい。この範囲は、本発明に適用可
能な銅−スズ系合金マトリックスのスズ濃度範囲(14
〜30重量%)によって規定され、14重量%スズの銅
−スズ系合金マトリックスとした場合、複合フィラメン
トのニオブまたはニオブ合金と銅−スズ系合金マトリッ
クスとの体積比を2.5より高くすると無駄な銅−スズ
系合金マトリックスを複合することになる。複合フィラ
メントのニオブまたはニオブ合金と銅−スズ系合金マト
リックスとの体積比を0.8より低くするには、銅−ス
ズ系合金のスズ濃度を30重量%より高くしなければな
らず、この場合は、銅−スズ系合金マトリックスに延性
がなくなり、超電導線材としての複合が不可能となり適
用できない。
【0028】本発明では、必然的に複合フィラメントと
銅−スズ系合金マトリックスとの体積比は、複合フィラ
メントのニオブまたはニオブ合金と銅−スズ系合金マト
リックスとの体積比より小さくなる。図1に示した実施
形態における集合体3’が、銅−スズ系合金マトリック
ス中に複合フィラメントが1本以上埋設されたサブ・エ
レメントにより形成される場合、複合フィラメントと銅
−スズ系合金マトリックスの体積比を小さくすると、サ
ブ・エレメントの縮径加工が困難になるため、複合フィ
ラメントと銅−スズ系合金マトリックスとの体積比は
0.3以上でなければならない。
【0029】以下、本発明を実施例によりさらに具体的
に説明する。なお、本発明の実施例および比較例で製作
した線径1.0mmのNb3 Sn系超電導線材の諸元を
表1に示す。
【0030】(実施例1)複合フィラメントにおけるフ
ィラメント補強材として、工業用純Taを用い、複合フ
ィラメントの最終線材径におけるフィラメント補強材径
は、複合フィラメント外径5μmに対して2μmとし、
複合フィラメントにおけるフィラメント補強材の体積分
率を0.16のものとした。ニオブ(Nb)−1重量%
タンタル(Ta)合金をフィラメント基材に、銅(C
u)−14.5重量%スズ(Sn)−0.3重量%チタ
ニウム(Ti)を銅(Cu)−スズ(Sn)系合金マト
リックスに用いた。拡散バリアに工業用純Taを用い、
その厚さをほぼ19μmとした。また、安定化銅に対す
る非安定化銅部の断面積比(安定化銅比)は、約1とし
て製作した。
【0031】(実施例2および3)実施例1において、
複合フィラメントにおけるフィラメント補強材の体積分
率を、それぞれ0.40のもの、および0.59のもの
としたこと以外は、実施例1と同様に製作した。
【0032】(比較例1)実施例1において、フィラメ
ントを単相とし、特別なフィラメント補強材を複合しな
いことおよび線材中心に中心補強材としてTaを配置し
たこと以外は、実施例1と同様に製作した。
【0033】(比較例2)実施例1において、フィラメ
ント補強材の体積分率を0.048としたこと以外は実
施例1と同様に製作した。
【0034】(比較例3)実施例1において、フィラメ
ント補強材の体積分率を0.68としたこと以外は実施
例1と同様に製作した。
【0035】(比較例4)補強材を全く複合しない、一
般的なNb3 Sn超電導線材である。
【0036】製作したこれらの線材を650℃×200
時間、真空中で熱処理し、線材軸に対して横圧縮した場
合の臨界電流の変化を磁場中で測定した。
【0037】図4は、本発明の一実施例または比較例で
得られた線材を650℃×200時間、真空中で熱処理
し、線材軸に対して横圧縮した場合の臨界電流の変化を
磁場中で測定した測定方法を模式的に示す説明図であ
る。図4に示すように、測定線材10の軸に対して、垂
直方向から長さ5mm、幅5mmのGFRP(G10)
を圧縮板9を介して75kgfの荷重を負荷した状態
で、線材10の臨界電流を測定し、負荷無の場合の臨界
電流値と比較した。臨界電流測定は4端子法で行い、電
圧端子8間距離を約10mmとし、臨界電流の定義には
1.0μV/cm基準を用いた。外部磁場は12Tと
し、線材軸に垂直に印加した。さらに、液体ヘリウム中
で、これらの線材の単軸引張試験を行い、0.2%耐力
を比較した。なお、図4中、符号11は電線リードを示
し、12は、受圧ベースをそれぞれ示している。
【0038】その測定結果を表2に示す。これは負荷
無、75kgf負荷時それぞれの臨界電流測定結果を示
したもので、臨界電流比は負荷時の臨界電流値の負荷無
時の臨界電流値に対する比である。この結果が示すよう
に、比較例1,2、4では、横方向の負荷により大幅な
臨界電流の劣化が起きたのに対し、実施例1では臨界電
流および横圧縮による劣化が大幅に改善されることがわ
かる。比較例3では横圧縮により臨界電流密度の劣化は
少ないが、無負荷時の臨界電流特性の水準が実用レベル
を大きく下回るため、負荷時の臨界電流特性が結果的に
低くなる。これは、フィラメント補強材の複合量を大き
くしたためであり、実用上、フィラメント補強材の体積
分率は、0.65以下である必要がある。
【0039】また、液体ヘリウム中(4.2K)での引
張試験結果として示した0.2%耐力では、比較例1の
254MPaと比較すると、実施例1が205MPaと
低い値を示しているが、フィラメント補強材を全く複合
しない一般的なNb3 Sn系線材である比較例4に比較
して、顕著に耐力が向上しており、実用上良好な結果が
得られた。実施例2,3では、比較例1と同等以上の耐
力となり、横方向の圧縮強度と共に軸方向の強度も強化
されている。以上の結果から、本発明の複合フィラメン
ト内の補強材体積分率範囲としては0.05〜0.65
が最適であることがわかる
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【発明の効果】以上、説明した通り、本発明によると、
超電導マグネットに用いた場合、マグネット運転時の半
径方向の力に対しても十分な強度を有するとともに、そ
の半径方向の力に起因する機械的歪みによる特性劣化の
少ないNb3 Sn系超電導線材を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のNb3 Sn系超電導線材の一実施形態
を模式的に示す断面図である。
【図2】本発明に用いられる複合フィラメントの一実施
形態を模式的に示す断面図である。
【図3】本発明に用いられる複合フィラメントの他の実
施形態を模式的に示す断面図である。
【図4】本発明の一実施例または比較例で得られた線材
を650℃×200時間、真空中で熱処理し、線材軸に
対して横圧縮した場合の臨界電流の変化を磁場中で測定
した測定方法を模式的に示す説明図である。
【図5】従来のNb3 Sn系超電導線材の構成を模式的
に示す断面図である。
【符号の説明】
1:安定化銅 2:拡散バリア 3:ブロンズ/フィラメント集合体 3':ブロンズ/複合フィラメント集合体 4:中心補強材 5:複合フィラメント 6:ニオブ(Nb)またはニオブ合金 7:フィラメント補強材 8:電圧端子 9:圧縮板 10:測定線材 11:電線リード 12:受圧ベース

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】銅(Cu)−スズ(Sn)系合金マトリッ
    クス中に多数本のニオブ(Nb)またはニオブ合金フィ
    ラメントを配設してなるブロンズ/フィラメント集合体
    を備えたNb3 Sn系超電導線材において、 前記ブロンズ/フィラメント集合体を構成する前記ニオ
    ブまたはニオブ合金フィラメントは、Nb3 Sn系超電
    導化合物生成熱処理を施した後の室温以下の温度条件に
    おける機械的強度が前記ニオブまたはニオブ合金よりも
    大であるフィラメント補強材によって複合化された複合
    フィラメントであって、前記複合フィラメント径が15
    μm以下であることを特徴するNb3 Sn系超電導線
    材。
  2. 【請求項2】前記フィラメント補強材は、タンタル(T
    a)、タンタル合金、タングステン(W)、タングステ
    ン合金、ニオブ(Nb)、ニオブ合金、チタン(T
    i)、チタン合金、モリブデン(Mo)、モリブデン合
    金、バナジウム(V)、バナジウム合金、ジルコニウム
    (Zr)、ジルコニウム合金、ハフニウム(Hf)、お
    よびハフニウム合金からなる群から選ばれる少なくとも
    1種の金属からなるものであることを特徴とする請求項
    1記載のNb3 Sn系超電導線材。
  3. 【請求項3】前記複合フィラメントは、前記ニオブまた
    はニオブ合金フィラメントに対する前記フィラメント補
    強材の体積分率が、0.05〜0.65であることを特
    徴とする請求項1記載のNb3 Sn系超電導線材。
  4. 【請求項4】前記複合フィラメントを形成するニオブま
    たはニオブ合金と銅−スズ系合金マトリックスとの体積
    比は、0.8〜2.5であり、かつ前記複合フィラメン
    トと銅−スズ系合金マトリックスとの体積比は、0.3
    以下であることを特徴とする請求項1記載のNb3 Sn
    系超電導線材。
JP2002234170A 2000-02-21 2002-08-09 Nb3Sn系超電導線材 Pending JP2003086032A (ja)

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DE10140109A DE10140109A1 (de) 2000-02-21 2001-08-16 Supraleitender Draht auf Nb¶3¶Sn-Basis
US09/932,458 2001-08-20
US09/932,458 US6849137B2 (en) 2000-02-21 2001-08-20 Nb3Sn-system superconductive wire

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