JP5661582B2 - Nb3Sn超電導線材製造用前駆体およびNb3Sn超電導線材 - Google Patents
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Description
特許文献1には、アルミナ分散銅で超電導線材を補強した技術が記載されている。アルミナ分散銅は、Nb3Sn生成熱処理後に軟化し、強度が低下する。特に、超電導マグネットの高度応用に伴い超電導線材にかかる電磁力が大きくなっているところ、特許文献1に記載の超電導線材では、この大きな電磁力に十分耐えうる強度を得ることができない。
このSn濃度についてさらに詳しく説明する。Sn濃度は、通常15.6質量%より大きくできない。これは、Cu−Sn基合金中に15.6質量%を超えてSnを含有させようとすると、Cu−Snの金属間化合物が生成するからである。また、Cu−Snの金属間化合物には、代表的なものとして「δ相」がある。このδ相は硬く延性が乏しいので、前駆体1製造時の加工性(後述する減面加工の加工性)が悪くなる。そこで、Ti及びZrの少なくともいずれかをCu−Sn基合金に含有させる。すると、Cu−Sn基合金中のδ相を消失させることができる。その結果、固溶限界とされる15.6質量%よりも多くのSnを、Cu−Sn基合金に含有させることができる。具体的には、Sn濃度を19質量%まで高めることができる。
面積率A=(補強部材8の断面積/前駆体1全体の断面積)×100(%)
面積率Aは、例えば5〜30%である。面積率Aの下限は5%より大きくても良く、例えば8%、10%、15%などでも良い。面積率Aの上限は30%より小さくても良く、例えば20%、25%などでも良い。面積率Aが大きいほど超電導線材の強度は上がる。しかし、面積率Aが大きいほど、前駆体1全体の軸直角断面に占める超電導マトリックス部2(超電導相)の割合は減り、超電導線材の軸直角断面全体当たりの臨界電流密度は下がる。
次に、ブロンズ法によるNb3Sn超電導線材の製法の一例を説明する。超電導線材の製法は、一次スタック材(多芯部3に対応)を作製する第1工程と、一次スタック材等を用いて二次多芯ビレット(前駆体1が形成される前の段階のもの)を作製する第2工程と、二次多芯ビレットを加工して前駆体1を形成する第3工程と、前駆体1にNb3Sn生成熱処理を施して超電導線材とする第4工程とを備える。
上記製法により「実施例の超電導線材」を製造した。また、比較のために「比較例の超電導線材」を製造した。そして、各超電導線材について、0.2%耐力と、臨界電流とを測定した。
・線材強度(0.2%耐力@4.2K)
比較例:100%、実施例:105%
・超電導特性(臨界電流@15T)
比較例:100%、実施例:120%
次に、図1に示す前駆体1の効果を説明する。前駆体1は、Nb3Sn超電導線材の製造に用いられる。前駆体1は、純NbまたはNb基合金からなる複数本のNb基フィラメント5がブロンズマトリックス部4(Cu−Sn基合金)中に配置された超電導マトリックス部2と、超電導マトリックス部2の外周に配置された拡散障壁層6と、拡散障壁層6の外周に配置された安定化銅層7と、超電導マトリックス部2内に配置された補強部材8とを備える。
補強部材8は、純TiまたはTi基合金からなる。また、補強部材8の外周とブロンズマトリックス部4とが直接接触する。よって、Nb3Sn生成熱処理時等に、補強部材8のTi元素がブロンズマトリックス部4内(超電導マトリックス部2内)に拡散される。したがって、前駆体1により製造された超電導線材の超電導特性(上部臨界磁場、及び、高磁場での臨界電流密度)を向上できる。
補強部材8は、純TiまたはTi基合金からなる。
純TiまたはTi基合金は、補強部材8として従来用いられていた高強度材(Ta、W、Mo、V、Zr、Hfなど)に比べ、安定入手が容易であり安価である。よって、前駆体1は容易に量産できる。
純TiまたはTi基合金は、補強部材8として従来用いられていたアルミナ分散銅等に比べ、低温での機械強度特性(低温脆性など)が高い。よって、前駆体1から製造された超電導線材の強度を従来よりも高くできる。
補強部材8は、超電導マトリックス部2の軸直角断面の中央に集中配置される。よって、超電導マトリックス部2内に補強部材8を分散配置させた場合に比べ、補強部材8を容易に配置できる。その結果、前駆体1を容易に製造できる。
前駆体1は、軸直角断面が矩形状である。よって、前駆体1を用いて製造された超電導線材をコイルの巻線として用いる場合、軸直角断面が円形状の超電導線材に比べ、超電導線材間のデッドスペースを少なくできる。その結果、このコイルの電流密度を上げることができ、このコイルを用いた超電導マグネットをコンパクト化できる。
本発明の超電導線材(Nb3Sn超電導線材)は、前駆体1に対して、Nb3Sn生成熱処理を施してNb3Sn系超電導相を形成させることで製造される。この超電導線材は、上記(効果1)〜(効果3)の効果を奏するものである。
ブロンズマトリックス部4を形成するCu−Sn基合金中のSnの濃度(Sn濃度)は、13.5質量%以上である。よって、Sn濃度が13.5質量%未満の場合よりも、臨界電流密度を高くできる。したがって、補強部材8を設けたことによる超電導特性の低下をさらに抑制できる。
補強部材8は、純TiまたはTi基合金からなる。純TiまたはTi基合金は、補強部材8として従来用いられていた材料(アルミナ分散銅、上記の高強度材など)に比べ、比強度(引っ張り強さ/密度)が高い。よって、前駆体1から製造された超電導線材を従来よりも軽量化できる。その結果、この超電導線材を用いて製作される超電導マグネットの軽量化や、この超電導マグネットのサポート構造の簡易化ができる。
図2に変形例1の前駆体11を示す。図1に示すように、上記実施形態の前駆体1の補強部材8は、超電導マトリックス部2の軸直角断面の中央に集中配置された。一方、図2に示すように、超電導マトリックス部2中に補強部材18を分散配置しても良い。以下、この相違点をさらに説明する。
また、図1に示す前駆体1の補強部材8と、図2に示す前駆体11の補強部材18とを組み合わせても良い。すなわち、前駆体1(11)は、超電導マトリックス部2の軸直角断面の中央に集中配置された補強部材8(図1参照)と、超電導マトリックス部2中に分散配置された補強部材18(図2参照)と、の両方を備えても良い。
2 超電導マトリックス部
4 ブロンズマトリックス部4(Cu−Sn基合金)
5 Nb基フィラメント
6 拡散障壁層
7 安定化銅層
8、18 補強部材
Claims (3)
- Nb3Sn超電導線材の製造に用いられる前駆体であって、
純NbまたはNb基合金からなる複数本のNb基フィラメントがCu−Sn基合金中に配置された超電導マトリックス部と、
前記超電導マトリックス部の外周に配置された拡散障壁層と、
前記拡散障壁層の外周に配置された安定化銅層と、
前記超電導マトリックス部内に配置された補強部材と、
を備え、
前記補強部材は、純TiまたはTi基合金からなり、
前記補強部材の外周と前記Cu−Sn基合金とが直接接触し、
前記補強部材は、前記超電導マトリックス部の軸直角断面の中央に集中配置される、
Nb3Sn超電導線材製造用前駆体。 - 軸直角断面が矩形状である、請求項1に記載のNb3Sn超電導線材製造用前駆体。
- 請求項1または2に記載のNb3Sn超電導線材製造用前駆体に対して、Nb3Sn生成熱処理を施してNb3Sn系超電導相を形成させることで製造される、Nb3Sn超電導線材。
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