JP2003080679A - グラビア印刷機における加減速時の見当誤差発生防止のための制御方法及び制御装置 - Google Patents
グラビア印刷機における加減速時の見当誤差発生防止のための制御方法及び制御装置Info
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Abstract
減することのできるグラビア印刷機の制御方法を提供す
る。 【解決手段】 印刷基材の加減速に際し、各版胴におい
ては当該版胴に入る印刷基材の印刷速度vとその加速度
αとの第1の乗算値を算出し、更に該第1の乗算値に印
刷基材の伸び率Keを乗算すると共に、フリーロールの
配置と該フリーロールの慣性モーメントによる搬送ライ
ン固有の定数Ktを乗算して第2の乗算値を算出し、該
第2の乗算値で当該版胴の入り側のパス長を調整するこ
とにより、印刷基材の加減速時に版胴に入る印刷基材の
張力変動を抑制して見当誤差を軽減する。
Description
御方法及び制御装置に関し、特に加減速時の見当誤差の
発生を防止するための制御方法及び制御装置に関する。
ラビア印刷機について簡単に説明する。図10におい
て、グラビア印刷機は3段の印刷ユニット110、12
0、130により構成される。印刷ユニット110は版
胴111と圧胴112とを備える他、多数のフリーロー
ル113を備える。同様に、印刷ユニット120、13
0もそれぞれ版胴121、131、圧胴122、132
を備える他、多数のフリーロール123、133を備え
る。
送り出される印刷基材100は、入り側のフリーロール
113を経て1色目の印刷ユニット110に入り1色目
の絵柄が印刷される。1色目の絵柄が印刷された印刷基
材100は、フリーロールを経て2色目の印刷ユニット
120に入り2色目の絵柄が印刷される。同様にして、
2色目の絵柄が印刷された印刷基材100は、3色目の
印刷ユニット130において3色目の絵柄が印刷され
る。この後、印刷基材100は、図示しない巻き取りユ
ニットに巻き取られる。
ずれを補正するために、各印刷ユニットにおいて各色の
絵柄を印刷すると同時に、印刷ずれを検出するための見
当マークを各色毎に絵柄の余白部に等間隔で印刷する。
そして、2色目以降の印刷ユニット120、130の出
側にはそれぞれ、印刷された見当マークを検出するため
の見当マーク検出器124、134が設けられる。これ
らの見当マーク検出器124、134の出力は見当ずれ
補正装置125、135に送られる。見当ずれ補正装置
125、135はそれぞれ、見当マークのずれ量を判別
する。
数段の印刷ユニットの版胴をモータ駆動による1本のラ
インシャフトで共通に駆動する、いわゆるラインシャフ
ト型と、複数段の印刷ユニットの版胴を印刷ユニット毎
に設けられたモータで個別に駆動する、いわゆるセクシ
ョナルドライブ型とに大別される。
よっても異なるが、図10では2色目、3色目の入り側
にそれぞれ、補正ロール126、136を設け、見当ず
れ補正装置125、135がそれぞれ、判別したずれ量
に応じて補正ロール126、136の位置を上下方向に
調整して印刷ユニットの入り側のパス長を変えることに
より行う場合について示している。これは、ラインシャ
フト型のグラビア印刷機において多く用いられている。
は、版胴が個別に駆動されることを利用して、判別した
ずれ量に応じて版胴の回転速度を制御することにより見
当ずれの補正を行うようにしている。
刷機は版胴に入る印刷基材の張力が印刷見当に直接影響
する。しかし、図10からも明らかなように、グラビア
印刷機は駆動ロールである版胴間のフリーロール数が多
く、印刷速度(印刷基材の搬送速度)を加速あるいは減
速(以下、これを加減速と総称する)させるとフリーロ
ールの慣性モーメントによって版胴に入る印刷基材の張
力が変化する。この張力の変動によって印刷基材が伸び
縮みして見当誤差発生の原因となる。
制御では、印刷速度を加減速した場合にも見当マークに
より見当ずれの有無を判別し、見当ずれが生じている場
合に、上記のような見当ずれ補正動作により見当ずれを
補正するようにしている。言い換えれば、見当ずれが発
生してから見当ずれの補正が行われており、見当ずれが
発生してから補正される間の印刷基材は使用できず、無
駄になってしまうという問題がある。
速に伴う見当誤差の発生を防止することのできるグラビ
ア印刷機の制御方法及び制御装置を提供することにあ
る。
間に1つ以上のフリーロールが配設されているグラビア
印刷機の制御方法において、印刷基材の加減速に際し、
各版胴においては当該版胴に入る印刷基材の印刷速度と
その加速度との第1の乗算値を算出し、更に該第1の乗
算値に印刷基材の伸び率を乗算すると共に、フリーロー
ルの配置と該フリーロールの慣性モーメントによる搬送
ライン固有の定数を乗算して第2の乗算値を算出し、該
第2の乗算値で当該版胴の入り側のパス長を調整するこ
とにより、印刷基材の加減速時に版胴に入る印刷基材の
張力変動を抑制して見当誤差の発生を防止するようにし
たことを特徴とする。
機がセクショナルドライブ型である場合には、前記第2
の乗算値を当該版胴の版周長で除算した値で当該版胴の
角度補正を行う。
了時にはフリーロール入り側のパス長を前記印刷速度で
除算して得られる時定数に基づいて前記パス長の調整量
または前記版胴の補正角度を0に戻すようにすることが
好ましい。
ぞれその相対角度を操作して加減速時の補正を行い、あ
る段の補正動作が次段の補正動作に干渉するのを防ぐた
めに、ある段の補正角度を次段の版胴にカスケードで加
算してゆくことにより、全色が協調して補正動作を行う
ことが好ましい。
複数の版胴の間に1つ以上のフリーロールが配設されて
いるグラビア印刷機の制御装置において、各版胴におい
て当該版胴に入る印刷基材の印刷速度からその加速度を
算出する加速度検出手段と、前記印刷速度と算出された
加速度とを乗算する第1の乗算手段と、該第1の乗算手
段の乗算結果に印刷基材の伸び率を乗算すると共に、フ
リーロールの配置と該フリーロールの慣性モーメントに
よる搬送ライン固有の定数を乗算する第2の乗算手段と
を備え、該第2の乗算手段の乗算結果で当該版胴の入り
側のパス長を調整することにより、印刷基材の加減速に
際し、当該版胴に入る印刷基材の張力変動を抑制して見
当誤差を軽減するようにしたことを特徴とするグラビア
印刷機の制御装置が提供される。
機がセクショナルドライブ型である場合には、更に前記
パス長の調整量を当該版胴の版周長で除算する除算手段
を備えることにより、該除算手段の除算結果で当該版胴
の角度補正を行う。
ル入り側のパス長を前記印刷速度で除算して時定数を算
出する時定数算出手段と、前記加減速終了時に、算出さ
れた時定数に基づいて前記パス長の調整量または前記版
胴の補正角度を0に戻す一次遅れフィルタ手段とを備え
るようにされる。
ぞれその相対角度を操作して加減速時の補正を行い、あ
る段の補正動作が次段の補正動作に干渉するのを防ぐた
めに、ある段の補正角度を次段の版胴にカスケードで加
算する手段を備えることにより、全色が協調して補正動
作を行うことが好ましい。
の入り側のパス長を操作することにより、版胴に入る印
刷基材の張力を一定にして見当誤差の発生を抑制する。
また、版胴がセクショナルドライブ化されていれば、各
版胴の相対位相を任意に可変とすることができるので、
加減速の際に相対位相を操作して結果的に入り側のパス
長を操作したのと同様の効果を得ることができる。
刷速度にその加速度を乗算し、これにフリーロールの慣
性モーメントと配置によるライン構成固有の定数、及び
印刷基材の伸び率を乗算して得ることができる。
と印刷基材の印刷速度から成るライン構成固有の時定数
を与え、加減速の終了時点から緩やかに補正量を減らし
て定常状態の位相に戻す。
よる制御方法の実施の形態について説明する。はじめ
に、図6を参照してグラビア印刷機の基本モデルについ
て説明する。ここでも3段の印刷ユニットから成り、各
段には駆動ロールとしての版胴と、圧胴とが備えられる
場合を示している。
ールの慣性モーメントを1色−2色間、2色−3色間で
それぞれJ1、J2で表す。ここで、各版胴が同時に加
速すると、版胴間の慣性モーメントJ1、J2によって
版胴出側のパス長L11、L21の印刷基材の張力が減
少(減速時は増加)し、逆に版胴入り側のパス長L1
2、L22の印刷基材の張力は増加(減速時は減少)す
る。このような版胴入り側の印刷基材の張力変動により
見当誤差が発生する。尚、図6において、vは印刷速度
(つまり、印刷基材の搬送速度)、αは加速度、Tは張
力をそれぞれ表す。
の印刷基材の張力をT0とする。印刷基材を加減速させ
ることによりフリーロールの前後で張力差Tdが生じ、
この張力差Tdによってフリーロールは加減速する。
抑えるためには、図8に示すように、フリーロールと次
段の版胴のパス長L2に調整量(補正量)Lmを加える
ことにより、フリーロールと次段の版胴間の張力を定速
度状態のT0に維持すれば良く、その結果、見当誤差の
発生を抑制することができる。
ルを備えたグラビア印刷機の場合には補正ロールを制御
して上記パス長Lmの補正を行えば良い。
印刷機においては、図9に示すように、加減速時におけ
るフリーロールと次段の版胴のパス長の調整を、次段の
版胴の相対位相、つまり版胴周囲の位置をLmだけ動か
すことによって実現することができる。
パス長の調整量Lmは、フリーロール出側の張力をT0
で一定とおくと、加速度α、印刷速度v、印刷基材の伸
び率Ke、フリーロールの慣性モーメントJに比例し、
フリーロールと版胴間のパス長L2に反比例する。
いては、版胴の位相を補正するので、補正角度θは版周
長に反比例した調整量となる。
り合う版胴間のフリーロールを1つの慣性モーメントJ
にモデル化したものであるが、実際には複数のフリーロ
ールが存在して加減速時に印刷基材に作用している。そ
こで、上記の各変数のうち、パス長Lとフリーロールの
慣性モーメントJは搬送ライン固有の定数として、実機
にあわせて乗数Ktを設定する。
の制御系を示している。つまり、図10で説明したよう
な補正ロールを備えているグラビア印刷機の場合には、
印刷基材の印刷速度vに、印刷速度vを微分器(加速度
検出手段)10で微分して得られる加速度αを第1の乗
算器(第1の乗算手段)11で乗算し、この乗算結果に
印刷基材の伸び率Keを第2の乗算器12で乗算すると
共に、搬送ライン固有の乗数Ktを第3の乗算器13で
乗算した値で補正ロールを制御してパス長の調整量Lm
を実現する。勿論、第2の乗算器12、第3の乗算器1
3の配置関係は図1と逆の関係でも良く、これらは第2
の乗算手段として1つにまとめられても良い。
印刷機の場合には、図1に破線で囲まれた除算器14が
付加され、上記のパス長の調整量Lmを版胴の版周長で
除算した値で版胴の駆動モータを制御して補正角度θを
実現する。
ずれのタイプのグラビア印刷機の場合も、駆動モータや
版胴等の回転部分、あるいは印刷基材そのものの速度を
印刷速度vとして検出するための速度センサが設けられ
る。勿論、本発明では見当マーク検出器の信号は用いら
れない。
終了時は、フリーロール入り側の張力を(T0−Td)
からT0へ戻さなければならないが、印刷基材の張力T
はパス長L1を印刷基材の印刷速度vで除算した時定数
の一次遅れ特性をもっている。そこで、加減速終了時
は、パス長調整量Lmあるいは版胴の補正角度θは一次
遅れ特性に合わせて0に戻してゆく必要がある。
vと、パス長L1部分の印刷基材の張力Tと、パス長調
整量Lm及び版胴の補正角度θとの関係を時系列的に示
す。
せた加減速終了後の動作を、一次遅れフィルタ20を含
む構成で実現するための制御系を示す。この制御系は図
1に示された制御系の出力側に接続される。補正ロール
によりパス長調整量Lmを補正するタイプのグラビア印
刷機の場合には、図4の除算器14は削除されることは
言うまでも無い。
長L1もモデル化されたものなので、一次遅れ時定数を
決める比例項は実機に合わせた設定となる。パス長L1
を除算器21により印刷基材の印刷速度vで除算して加
減速終了時の時定数T2とする。加減速中は時定数を0
としてパス長調整量Lm(または補正角度θ)をそのま
まパス長(または版胴角度)の加算量とし、加減速終了
時には時定数を0からT2に切り換えて一次遅れフィル
タ20により図3に示したような一次遅れのカーブで補
正量を0にして、定常時の元の位相に戻してゆく。
0に時定数0を与えるラインと、時定数T2を与えるラ
インとを設け、時定数0のラインと時定数T2のライン
にそれぞれスイッチS1、S2を設けることで実現され
る。加減速開始、終了はグラビア印刷機の主制御装置か
らの指令信号で規定されるので、通常はスイッチS1オ
ン、スイッチS2オフとし、加減速終了を示す指令信号
で所定時間だけスイッチS1オフ、スイッチS2オンと
される。
ビア印刷機では、各版胴で相対位相角度を操作した場
合、版胴の出側では入り側とは逆の補正が加わり、次段
の印刷基材の張力に直接干渉してしまう。
前段の加減速補償量は次段の補償量に加算し、その加算
結果をまた次々段の補償量に加算していくといった具合
にカスケードで補償量を加算していくようにしている。
刷基材の加減速に際しては、見当マーク検出器の信号で
はなく印刷基材の印刷速度そのものを用いてパス長ある
いは版胴の角度を補正するようにしたことにより、見当
誤差が発生してからではなく、見当誤差が発生する前の
制御が可能である。従って、従来のように見当誤差が発
生してからこれを補正するまでの無駄な印刷が行われる
ことが無くなり、印刷基材の無駄な廃棄を減らすことが
できる。
御系を示したブロック図である。
の張力の推移を説明するための図である。
ール入り側のパス長部分の印刷基材の張力と、パス長調
整量及び版胴の補正角度との関係を時系列的に示した図
である。
御系を示したブロック図である。
ビア印刷機の場合に適用される、複数段の版胴の補正量
のカスケード加算制御について説明するための図であ
る。
ための図である。
合の印刷基材の張力変動について説明するための図であ
る。
要な操作について説明するための図である。
ドライブ型のグラビア印刷機において実現する場合につ
いて説明するための図である。
ある。
Claims (8)
- 【請求項1】 複数の版胴の間に1つ以上のフリーロー
ルが配設されているグラビア印刷機の制御方法におい
て、 印刷基材の加減速に際し、各版胴においては当該版胴に
入る印刷基材の印刷速度とその加速度との第1の乗算値
を算出し、更に該第1の乗算値に印刷基材の伸び率を乗
算すると共に、フリーロールの配置と該フリーロールの
慣性モーメントによる搬送ライン固有の定数を乗算して
第2の乗算値を算出し、該第2の乗算値で当該版胴の入
り側のパス長を調整することにより、印刷基材の加減速
時に版胴に入る印刷基材の張力変動を抑制して見当誤差
の発生を防止するようにしたことを特徴とするグラビア
印刷機の制御方法。 - 【請求項2】 請求項1記載の制御方法において、当該
グラビア印刷機がセクショナルドライブ型である場合、
前記第2の乗算値を当該版胴の版周長で除算した値で当
該版胴の角度補正を行うことを特徴とするグラビア印刷
機の制御方法。 - 【請求項3】 請求項1あるいは2記載の制御方法にお
いて、前記加減速終了時にはフリーロール入り側のパス
長を前記印刷速度で除算して得られる時定数に基づいて
前記パス長の調整量または前記版胴の補正角度を0に戻
すことを特徴とするグラビア印刷機の制御方法。 - 【請求項4】 請求項2あるいは3記載の制御方法にお
いて、各版胴がそれぞれその相対角度を操作して加減速
時の補正を行い、ある段の補正動作が次段の補正動作に
干渉するのを防ぐために、ある段の補正角度を次段の版
胴にカスケードで加算してゆくことにより、全色が協調
して補正動作を行うことを特徴とするグラビア印刷機の
制御方法。 - 【請求項5】 複数の版胴の間に1つ以上のフリーロー
ルが配設されているグラビア印刷機の制御装置におい
て、 各版胴において当該版胴に入る印刷基材の印刷速度から
その加速度を算出する加速度検出手段と、前記印刷速度
と算出された加速度とを乗算する第1の乗算手段と、該
第1の乗算手段の乗算結果に印刷基材の伸び率を乗算す
ると共に、フリーロールの配置と該フリーロールの慣性
モーメントによる搬送ライン固有の定数を乗算する第2
の乗算手段とを備え、該第2の乗算手段の乗算結果で当
該版胴の入り側のパス長を調整することにより、印刷基
材の加減速に際し、当該版胴に入る印刷基材の張力変動
を抑制して見当誤差の発生を防止するようにしたことを
特徴とするグラビア印刷機の制御装置。 - 【請求項6】 請求項5記載の制御装置において、当該
グラビア印刷機がセクショナルドライブ型である場合、
更に前記パス長の調整量を当該版胴の版周長で除算する
除算手段を備えることにより、該除算手段の除算結果で
当該版胴の角度補正を行うことを特徴とするグラビア印
刷機の制御装置。 - 【請求項7】 請求項5あるいは6記載の制御装置にお
いて、更に、フリーロール入り側のパス長を前記印刷速
度で除算して時定数を算出する時定数算出手段と、前記
加減速終了時に、算出された時定数に基づいて前記パス
長の調整量または前記版胴の補正角度を0に戻す一次遅
れフィルタ手段とを備えることを特徴とするグラビア印
刷機の制御装置。 - 【請求項8】 請求項6あるいは7記載の制御装置にお
いて、各版胴がそれぞれその相対角度を操作して加減速
時の補正を行い、ある段の補正動作が次段の補正動作に
干渉するのを防ぐために、ある段の補正角度を次段の版
胴にカスケードで加算する手段を備えることにより、全
色が協調して補正動作を行うことを特徴とするグラビア
印刷機の制御装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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